JP2016084379A - 鉛筆芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コート紙等の平滑な紙面に濃く筆記可能で、吸湿が起こりにくく、消去性も良く、芯保持性も良好な木軸鉛筆芯、シャープペンシル用などに好適な鉛筆芯を提供する。【解決手段】 焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする鉛筆芯。【選択図】なし

Description

本発明は、教科書等に用いられるコート紙等の平滑な紙面に濃く筆記可能で、吸湿が起こりにくく、消去性も良く、芯保持性も良好な鉛筆芯に関する。
一般に、木軸鉛筆芯、シャープペンシル用などの鉛筆芯は、黒鉛、カーボンブラックなどの着色材に、粘土、天然高分子、合成高分子、ピッチ、アスファルトなどの結合材を加え、更に必要に応じて所要の溶剤及び可塑剤を添加して、これらを混練し、この混練物を線状体に押出成形した後、焼成し、得られた焼成芯の開気孔中に動植物油、スピンドル油、流動パラフィン等の鉱油、シリコーン油、変性シリコーン油、ワックス類などの油脂類等を含浸させて完成されている。
近年、書き味や、筆記濃度等を向上せしめた鉛筆芯として、例えば、1)分子内において、少なくとも一ケ所以上アルキレンユニットがエーテル結合で結合されている分子構造を有する有機物を1種又は2種以上鉱物油を含まない含浸液の一部又は全部として焼成開気孔中に含浸させてなる焼成鉛筆芯焼成芯(例えば、特許文献1参照)、2)焼成芯体が有する気孔中に、少なくとも溶剤可溶型フッ素樹脂を含浸させてなる鉛筆芯(例えば、特許文献2参照)、3)黒鉛を含む焼成芯体の気孔中に、少なくともHLB値が8〜20である非イオン性界面活性剤を含浸したことを特徴とするチャコ用焼成鉛筆芯(例えば、特許文献3参照)、4)焼成芯体の気孔中に、少なくともポリプロピレングリコールと12−ヒドロキシステアリン酸からなるインキを含浸したことを特徴とする焼成鉛筆芯(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載される各焼成鉛筆芯では、吸湿が起きたり、湿気の多い環境では実使用上問題等があったり、保存時の吸湿対策が課題となったり、吸湿を抑制出来ていないものが見受けられ、そのため、チャックによる芯保持性や、教科書のようなコート紙等の平滑な紙面における筆記性などに劣ることがあるなどの課題があるのが現状である。
特開平10−219178号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2011−126686号公報(特許請求の範囲、実施例、特に段落〔0030〕等) 特開2011−111476号公報(特許請求の範囲、実施例、特に段落〔0030〕等) 特開2012−12463号公報(特許請求の範囲、段落〔0012〕の記載等)
本発明は、上記した従来技術の課題、現状等に鑑み、これらを解消しようとするものであり、教科書等に用いられるコート紙等の平滑な紙面に濃く筆記可能で、吸湿が起こりにくく、消去性も良く、芯保持性も良好となる鉛筆芯を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、特定の成分を少なくとも含有せしめることによって、上記目的の鉛筆芯及びその製造方法が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(7)に存する。
(1) 焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする鉛筆芯。
(2) アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種が下記式(I)〜(VI)で示されるものであることを特徴とする上記(1)記載の鉛筆芯。
Figure 2016084379
〔上記式(I)〜(III)中のR1、R2は、それぞれ炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基であり、m、n、x、yは1〜100の数である。〕
Figure 2016084379
〔上記式(IV)〜(VI)中、R3、R4、R5は、水素原子、直鎖又は分岐鎖を有する炭素数0〜10の炭素鎖を表し、該炭素鎖には不飽和結合を含んでもいてもよく、R6は、炭素数2〜5のアルキレン基、R7は、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。〕
(3) 焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、更に、アルキレングリコールエーテルを用いることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の焼成鉛筆芯。
(4) 前記アルキレングリコールエーテルがグリセリルエーテルであることを特徴とする上記(3)に記載の鉛筆芯。
(5) 更に、シリカ粒子を用いることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一項に記載の鉛筆芯。
(6) 更に、シランカップリング剤を用いることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一項に記載の鉛筆芯。
(7) 焼成鉛筆芯体の気孔内又は表面部に、アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含浸処理又は表面処理してなることを特徴とする鉛筆芯の製造方法。
本発明によれば、教科書等に用いられるコート紙等の平滑な紙面に濃く筆記可能で、吸湿が起こりにくく、消去性も良く、芯保持性も良好な鉛筆芯及びその製造方法が提供される。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の鉛筆芯は、焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするものである。
本発明に用いるアセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種は、焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として用いるものであり、該アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を焼成鉛筆芯体の気孔内へ含浸、又は該鉛筆芯体に表面処理することにより、鉛筆芯の保存時の吸湿を向上させると共に、チャックによる芯保持性や、教科書のようなコート紙等の平滑な紙面においても濃く筆記せしめることができる成分となるものである。
用いることができるアセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類としては、下記式(I)〜(VI)から選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の併用、以下同様)が挙げられる。
Figure 2016084379
〔上記式(I)〜(III)中のR1、R2は、それぞれ炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基であり、m、n、x、yは1〜100の数である。〕
Figure 2016084379
〔上記式(IV)〜(VI)中、R3、R4、R5は、水素原子、直鎖又は分岐鎖を有する炭素数0〜10の炭素鎖を表し、該炭素鎖には不飽和結合を含んでもいてもよく、R6は、炭素数2〜5のアルキレン基、R7は、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。〕
用いることができるアセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、上記(I)で示されるアセチレングリコール、上記式(II)で示されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド(EO)を付加した誘導体(付加物)、上記下記式(III)で示されるアセチレングリコールのエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)を付加した誘導体(付加物)などを挙げることができる。
上記式(I)〜(III)中のR1、R2が示す炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
上記式(I)のアセチレングリコールとしては、例えば、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−ドデシン−4,7−ジオール、8−ヘキサデシン−7、10−ジオール、7−テトラデシン−6,9−ジオール、2,3,6,7−テトラメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,6−ジエチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール等を挙げることでき、上記式(II)、式(III)のアセチレングリコールのアルキレンオキサイド(EO、PO)付加物としては、上記アセチレングリコールのアルキレンオキサイド誘導体を挙げることができる。
上記一般式(I)〜(III)に挙げた各化合物の合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。例えば、アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物としては、市販のサーフィノール104〔2,4,7,9−テトラメチル−5−ドデシン−4,7−ジオール、日信化学工業株式会社製〕、サーフィノール104を各種溶剤で希釈したサーフィノール104E、104H、104A等、シリカ粒子を含有した104Sなどのサーフィノール104シリーズ、サーフィノール104のEO付加物である420、440、465、485、DF110D、DF37、DF58、DF75、DF220などが挙げられる。
また、上記(IV)〜(VI)で示されるアセチレンアルコール類は、分子構造中にアセチレン基(−C≡C−)とヒドロキシル基(−OH)を有するものである。
上記一般式(IV)〜(VI)中のR3、R4、R5としては、それぞれ、水素原子、直鎖又は分岐を有するアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロぺニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
また、上記一般式(V)中のR6は、炭素数2〜5のアルキレン基を表し、該アルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。該直鎖状アルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。
更に、上記一般式(VI)中のR7は、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、該アルキレン基としては、メチレン基(炭素数1)であり、炭素数2以上では、上記一般式(V)中のR6と同様である。
上記一般式(IV)のアセチレンアルコール類又はこれらの誘導体として、具体的には、2−ブチン−1−オール、3−ブチン−2−オール、2−デシン−1−オール、3,6−ジメチル−1−ヘプチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3,4−ジメチル−1−ペンチン−3−オール、1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール、3−エチル−1−ヘプチン−3−オール、4−エチル−1−オクチン−3−オール、3−エチル−1−ペンチン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、9−エチニル−9−フルオレノール、1−ヘプチン−3−オール、2−ヘプチン−1−オール、1−ヘキシン−3−オール、2−ヘキシン−1−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−4−イン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、2−メチル−4−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−オクチン−3−オール、1−ペンチン−3−オール、2−ペンチン−1−オール、1−フェニル−2−プロピン−1−オール、3−フェニル−2−プロピン−1−オール、2−プロピン−1−オール、1,1,3−トリフェニル−2−プロピン−1−オールなどの少なくとも1種が挙げられる。
上記一般式(V)のアセチレンアルコール類又はこれらの誘導体として、具体的には、3−ブチン−1−オール、3−デシン−1−オール、9−デシン−1−オール、3−ヘプチン−1−オール、3−ヘキシン−1−オール、5−ヘキシン−1−オール、3−ノニン−1−オール、3−オクチン−1−オール、3−ペンチン−1−オール、4−ペンチン−1−オール、5−フェニル−4−ペンチン−1−オール、10−ウンデシン−1−オールなどの少なくとも1種が挙げられる。
上記一般式(VI)のアセチレンアルコール類又はこれらの誘導体として、具体的には、例えば、4−ヘプチン−2−オール、5−ヘプチン−3−オール、5−ヘキシン−3−オール、4−ペンチン−2−オールなどの少なくとも1種が挙げられる。
上記一般式(IV)〜(VI)で具体的に挙げた中で、使用性、コスト、安全性、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、好ましくは、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールの使用が望ましい。
上記一般式(IV)〜(VI)に挙げた各化合物の合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。例えば、アセチレンアルコール類としては、市販の日信化学工業株式会社製のサーフィノール61(3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)、オルフィンA(2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジオール)、オルフィンB(3−メチル−1−ブチン−3−オール)、オルフィンP(3−メチル−1−ペンチン−3−オール)、オルフィンPD−002W、EXP.4200、WE−003、SPC、その他のオルフィン系などが挙げられる。
前記アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を焼成芯体の気孔中に含浸処理又は焼成芯体の表面を表面処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、含浸処理では、上記アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種をそのまま、または、エチレングリコール、エタノール、2−エチルヘキサノール、ブチルセルソルブ、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、プロピレングリコールなどの溶剤で希釈した溶液中に焼成鉛筆芯体を浸漬、必要に応じて、加熱浸漬、また、減圧、加圧を用いて十分に含浸させた後、溶剤を除去(乾燥)させることで行うことができ、また、表面処理(ディップ処理)では、上記溶液等を用いて焼成芯体を表面処理(ディップ処理)した後、溶剤を除去(乾燥)させることで行うことができる。
ここで、本発明において、上記含浸処理では、焼成芯体の気孔中に、上記アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含浸せしめると共に、焼成芯体の表面部にも該アセチレングリコール等の被膜が形成されることとなる。また、上記表面処理(ディップ処理)では、上記アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を上記の溶剤で希釈した溶液中に焼成鉛筆芯体を浸漬することで、焼成鉛筆芯体表面に上記アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種の被膜が形成されるものとなる。
アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種の含浸量又は表面処理量については、特に限定されないが、鉛筆種、気孔率等により変動するが、鉛筆芯体重量に対して、好ましくは、0.1〜30質量%程度の量で、十分に本発明の効果を発揮せしめることができ、更に好ましくは、0.5〜10質量%である。
前記アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を焼成芯体の含浸成分又は表面処理する際、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、好ましくは、アルキレングリコールエーテルを含浸成分、表面処理成分として用いることが望ましい。
用いることができるアルキレングリコールエーテルとしては、例えば、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(トリオール型)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合物(トリオール型)、ポリオキシプロピレングリコール(トリオール型)、また、ひまし油を付加したポリオキシアルキレンひまし油エーテルなどの、付加物などが挙げられ、特に、これらのグリセリルエーテルを用いると、更なる芯保持性、並びに、教科書のような平滑な紙面にも更に良好に濃く筆記せしめることを高度に両立することができるものとなる。
特に、好ましいグリセリルエーテルとしては、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルが挙げられ、例えば、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル等が望ましい。
このアルキレングリコールのグリセリルエーテルなどの分子量は、好ましくは、200〜10000程度で、本発明の効果を更に発揮せしめることができ、更に好ましくは、300〜3000質量%である。
このアルキレングリコールのグリセリルエーテルなどの含浸量又は表面処理量(被膜形成量)については、特に限定されないが、鉛筆芯体重量に対して、好ましくは、3〜30質量%程度の量で、本発明の効果を更に発揮せしめることができ、更に好ましくは、10〜20質量%である。
このアルキレングリコールのグリセリルエーテルなどは、上記アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種と共に、そのまま用いて含浸液としたり、表面処理液として用いることができ、また、上述の溶剤で希釈したアセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種の溶液中に含有せして、含浸処理や表面処理を行うことができる。
また、上記含浸処理や表面処理を行う前に、上記アルキレングリコールのグリセリルエーテルなどを焼成芯体に含浸処理(以下、「前処理」という)してから、上記アセチレングリコール等による含浸処理や表面処理を行っても良いものである。
本発明では、芯保持性、筆記性の点から、上記含浸処理の含浸液、表面処理の処理液に、更に、シリカ粒子及び/又はシランカップリング剤を併用(含有)して含浸処理、表面処理することができる。
シリカ粒子としては、例えば、平均一次粒子径が、10〜30nmのシリカ粒子が挙げられ、また、これらシリカ粒子表面をジメチルシリル、トリメチルシリル、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、アミノアルキルシリル、アルキルシリル、メタクリルシリルのいずれかの官能基で疎水化表面処理したシリカ粒子も用いることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトシキシラン、ビニルトリエトシキシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、上記シリカ粒子、シランカップリング剤による処理は、上記含浸処理や表面処理の前に、または、上記前処理後に、シリカ粒子をエタノールなどの溶剤で分散した分散液、及び/又はシランカップリング剤液で各表面処理(ディップ処理)した後に、上記含浸処理や表面処理を行っても良いものである。
このシリカ粒子、シランカップリング剤の含浸量又は表面処理量(被膜形成量)については、特に限定されないが、それぞれ、鉛筆芯体重量に対して、好ましくは、各0.01〜3質量%程度の量で、本発明の効果を更に発揮せしめることができ、更に好ましくは、0.5〜3質量%である。
本発明において、用いる焼成鉛筆芯体は、従来から用いられている配合材料及び製造方法などにより得ることができ、特に限定されるものでない。
例えば、鉛筆芯がシャープペンシル用焼成鉛筆芯では、配合材料として、黒鉛を少なくとも含有することが好ましく、また、シャープペンシル以外の焼成鉛筆芯では、体質材とセラミック結合材とを少なくとも含有することが好ましい。
また、シャープペンシル用焼成鉛筆芯では、その他の成分として、結合材としてポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、ピッチ、セルロース、ポリアクリロニトリル、ナノ粒子として、平均粒径100nm以下の金属ナノ粒子、ダイヤモンドナノ粒子、これらのナノ粒子等からなる母材に対してアモルファスカーボン、黒鉛、ダイヤモンド及びセラミック材料などを被覆した被覆ナノ粒子、フラーレンなどのカーボン粒子、安定剤として、ステアリン酸Ca−Zn、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、可塑剤としてジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、フタル酸ジイソブチル、焼成鉛筆芯では、その他の成分として、色材、潤滑剤、バインダー成分、各種シリコーンオイル、ラード、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロイド及びその他の熱可塑性樹脂、有機溶剤等を用いることができる。
用いることができる黒鉛としては、鱗片状天然黒鉛などの天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛、膨張化黒鉛などが挙げられ、セラミック結合材としては、結晶質又は非晶質のSiO、Si、Al、ZrO、MgO、窒化ホウ素、B、AlNなどが挙げられ、これらは各単独又は2種以上を用いてもよいものである。
なお、本発明(後述する実施例等を含む)における平均粒径は、レーザー回折・散乱法における測定結果から体積で重みづけされた体積平均径(mv値)をいい、例えば、ナノ粒子では、ナノトラック〔日機装社製、UPA−EX150(内部プローブ型)〕を用いて測定することができる。
体質材としては、従来の鉛筆芯に使用されているものであれば、特に限定されるものではなく、いずれも使用することができる。例えば、窒化ホウ素、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の白色系体質材や、鉛筆芯の色相によっては、有色系の体質材も使用することができ、当然これら数 種類の混合物も使用できる。特に、好ましくは、その物性、形状から窒化ホウ素、カオリン、タルクが挙げられる。
バインダー成分としては、従来の鉛筆芯に使用されているものであれば、特に限定されるものではなく、いずれも使用することができる。例え ば、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロニドン等のポリビニル類、ポリオキシエチレン等のポリエーテル類、ポリアクリル酸等のアクリル酸類、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)縮合体等の無機高分子、モンモリロナイト等の粘土、セラミックガラス等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
また、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩素化塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトンなどを挙げられる。
用いる有機溶剤は、上記熱可塑性樹脂を溶解し得る可塑剤となるものが好ましく、具体的には、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジアリルイソフタレート、プロピレンカーボネート、アルコール類、ケトン類、エステル類などを用いることができる。
本発明において、焼成鉛筆芯体は、各鉛筆芯種、例えば、シャープペンシル用焼成鉛筆芯やシャープペンシル以外の焼成鉛筆芯に用いる各成分(黒鉛、カーボンブラック、ナノ粒子、体質材、界面活性剤、香料、熱可塑性樹脂、有機溶剤など)を混練、成型、乾燥及び非酸化性雰囲気下で焼成処理して得ることができる。
例えば、鉛筆芯がシャープペンシル用焼成鉛筆芯の製造では、好ましくは、強度、濃度、書き味の点から、鉛筆芯配合組成物全量に対して、(a)上記黒鉛やカーボンブラック30〜70質量%、(b)ナノ粒子0.01〜1質量%を用いて、その他の成分である(c)熱可塑性合成樹脂30〜60%、(d)該熱可塑性合成樹脂を溶解し得る有機溶剤0〜30%を、ヘンシェルミキサーで分散混合し、加圧ニーダー、二本ロールで混練し、押出成型機により成型した後、電気炉で110〜250℃で乾燥して、焼成前の鉛筆芯形成用の芯体を成形し、窒素などの不活性ガス雰囲気下で800〜1400℃、20〜40時間で焼成することにより鉛筆芯体を製造することができる。
本発明では、上述に如く、従来から用いられている配合材料及び製造方法などにより得られる焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、上述のアセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含有することにより、また、焼成鉛筆芯体の気孔内又は表面部に、少なくともアセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含浸処理又は表面処理してなることにより、目的の鉛筆芯及びその製造方法を得ることができるものとなる。
このように構成される本発明では、焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含有すると、芯が摩耗する際に浸透して崩れやすく、摩耗粉は紙面へ定着しやすくなることにより、教科書等に用いられるコート紙等の平滑な紙面に濃く筆記可能で、吸湿が起こりにくく、消去性も良く、芯保持性も良好となる。
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例等により制限されるものではない。
(実施例1)
鱗片状天然黒鉛 40質量部
ナノ粒子:ダイヤモンドナノ粒子(粒径:mv値50nm) 0.4質量部
ポリ塩化ビニル 40質量部
ステアリン酸ナトリウム 1質量部
ジオクチルフタレート 15質量部
上記ナノ粒子とジオクチルフタレートをビーズミルで180分間分散させ、他の上記材料をヘンシェルミキサーで混合分散(混合分散時間20分、以下同様)し、加圧ニーダー、ロールで混練し、成形後、ジオクチルフタレートを乾燥後、窒素(N)雰囲気中にて1000℃、10時間で焼成処理することによって、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を製造し、サーフィノール104E(日信化学社製)をポリオキシプロピレングリセリルエーテル(分子量3000、日油社製ユニオールTG−3000)に1:10で溶解した溶液に浸漬し、150℃−24時間含浸処理し、鉛筆芯を製造した。
なお、重量測定により、芯体中の上記含浸量は、芯体重量に対して18%であることを確認した。
(実施例2)
上記実施例1で製造した、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル分子量700(日油製ユニオールTG−700)に浸漬し、150℃−24h含浸処理し、洗浄した。最後にサーフィノール104S(日信化学社製)をエタノールに5wt%で溶解・分散した液にディップ処理(1分間)し、乾燥して鉛筆芯を製造した。
なお、重量測定により、芯体中の上記ポリオキシプロピレングリセリルエーテルの含浸量は、芯体重量に対して18%、アセチレングリコール(サーフィノール104S)の表面処理量は、芯体重量に対して0.5%であることを確認した。
(実施例3)
上記実施例1で製造した、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル分子量700(日油製ユニオールTG−700)に浸漬し、150℃−24h含浸処理し、洗浄する。シランカップリング剤(KBM−1003、信越化学工業社製)にディップ処理(1分間)し、110℃10分間乾燥硬化処理を行い、更にサーフィノール104S(日信化学社製)をエタノールに5wt%で溶解・分散した液にディップ処理(1分間)し、乾燥して鉛筆芯を製造した。
なお、重量測定により、芯体中の上記ポリオキシプロピレングリセリルエーテルの含浸量は、芯体重量に対して18%、上記シランカップリング剤の表面処理量は、芯体重量に対して0.01%、アセチレングリコール(サーフィノール104S)の表面処理量は、芯体重量に対して0.5%であることを確認した。
(実施例4)
上記実施例1で製造した、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル分子量3000(日油製ユニルーブ50TG−32)に浸漬し、150℃−24h含浸処理し、洗浄する。次いで、シリカ粒子:RX200(日本アエロジル社製)を10wt%エタノールに分散した分散液にディップ処理(1分間)し、更にサーフィノール104S(日信化学社製)をエタノールに5wt%で溶解・分散した液にディップ処理(1分間)し、乾燥して鉛筆芯を製造した。
なお、重量測定により、芯体中の上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルの含浸量は、芯体重量に対して18%、上記シリカ粒子の表面処理量は、芯体重量に対して0.5%、アセチレングリコール(サーフィノール104S)の表面処理量は、芯体重量に対して0.5%であることを確認した。
(実施例5)
上記実施例1で製造した、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテル(日油製ユニルーブMB−11)に浸漬し、150℃−24h含浸処理し、洗浄する。最後にサーフィノール104S(日信化学社製)をエタノールに5wt%で溶解・分散した液にディップ(1分間)し、乾燥して鉛筆芯を製造した。
なお、重量測定により、芯体中の上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルの含浸量は、芯体重量に対して18%、アセチレングリコール(サーフィノール104S)の表面処理量は、芯体重量に対して0.5%であることを確認した。
(実施例6)
上記実施例1で製造した、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル分子量700(日油製ユニオールTG−700)に浸漬し、150℃−24h含浸処理し、洗浄した。最後にサーフィノール104S(日信化学社製)をエタノールに30wt%で溶解・分散した液にディップ処理(1分間)し、乾燥して鉛筆芯を製造した。
なお、重量測定により、芯体中の上記ポリオキシプロピレングリセリルエーテルの含浸量は、芯体重量に対して18%、アセチレングリコール(サーフィノール104S)の表面処理量は、芯体重量に対して3%であることを確認した。
(実施例7)
上記実施例1で製造した、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(ADEKA製GH−200)に浸漬し、150℃−24h含浸処理し、洗浄した。最後にサーフィノール104S(日信化学社製)をエタノールに30wt%で溶解・分散した液にディップ処理(1分間)し、乾燥して鉛筆芯を製造した。
なお、重量測定により、芯体中の上記ポリオキシエチレンオキシプロピレングリセリルエーテルの含浸量は、芯体重量に対して18%、アセチレングリコール(サーフィノール104S)の表面処理量は、芯体重量に対して3%であることを確認した。
(実施例8)
上記実施例1で製造した、直径0.565mm、長さ60mmの焼成鉛筆芯体を、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(ADEKA製GH−200)に浸漬し、150℃−24h含浸処理し、洗浄した。最後にオルフィンB(日信化学社製)を15wt%とサーフィノール104Sを15wt%エタノールで溶解・分散した液にディップ処理(1分間)し、乾燥して鉛筆芯を製造した。
なお、重量測定により、芯体中の上記ポリオキシエチレンオキシプロピレングリセリルエーテルの含浸量は、芯体重量に対して18%、アセチレングリコール(サーフィノール104S)の表面処理量は、芯体重量に対して1.5%、アセチレンアルコール(オルフィンB)の表面処理量は、芯体重量に対して1.0%であることを確認した。
(比較例1)
上記実施例1の含浸液をジメチルシリコーンオイルとし、150℃−24h含浸処理とした以外は、上記実施例1と同様にして鉛筆芯を製造した。なお、重量測定により、芯体中の上記ジメチルシリコーンオイルの含浸量は、芯体重量に対して15%であることを確認した。
(比較例2)
上記実施例1の含浸液をポリオキシプロピレングリセリルエーテル分子量700(日油製ユニオールTG−700)とし、150℃−24h含浸処理した以外は、上記実施例1と同様にして鉛筆芯を製造した。なお、重量測定により、芯体中の上記ポリオキシプロピレングリセリルエーテルの含浸量は、芯体重量に対して18%であることを確認した。
上記実施例1〜8及び比較例1〜2で得られた各鉛筆芯について、下記各評価方法により摩耗、濃度、消去率、保持性の測定評価を行うと共に、筆記感、濃さ、濡れの官能評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
(摩耗、濃度、消去率の各測定方法)
JIS S 6005:2007に規定されている画線機を用いた画線方法において、筆記試験紙をオーロラコート43.5kに代えて下記の測定を行なった。
摩耗:画線前後の芯長さの差の平均値平均値(n=5)
濃度:画線紙をFD−5で4箇所濃度測定した値
消去率: JIS S 6050−2008に開示されているプラスチック字消しの消し能力(消字率)試験に準拠し、E(消字率:=消去率)=(1−M/C)×100〔M:摩消部の濃度、C:着色部の濃度〕により、消去率(5往復)を測定した。消しゴムは三菱鉛筆社製(EP−60)とした。
(芯の保持性)
JIS S 6013:2009に規定されている芯の保持性測定方法の平均値を示す(n=10)。シャープペンシルは三菱鉛筆社製M5−552を使用した。
(筆記感、濃さ、濡れの官能評価方法)
三菱鉛筆社製のシャープペンシル(M5−450 1P)に装填し、原稿用紙に正の字を筆記して、筆記感、濃さ、濡れの官能評価を行い、下記評価基準(平均値、n=10)で評価した。既存品とは、三菱鉛筆社製のシャープペンシル芯であるuni0.5−202NDの0.5−HBをいう。
評価基準:
◎:非常に良い
○:既存品より良い
△:既存品と同等
×:既存品より悪い
Figure 2016084379
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜8の鉛筆芯は、本発明の範囲外となる比較例1〜2に較べて、コート紙に対する筆記性に優れると共に、消去性が良く、芯の保持性も高く、官能評価(濃さ、濡れ)も良好な結果となることが判明した。
本発明の鉛筆芯は、教科書等に用いられるコート紙等の平滑な紙面に濃く筆記可能で、吸湿が起こりにくく、消去性も良く、芯保持性も良好となるので、木軸鉛筆芯、シャープペンシル用などに好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする鉛筆芯。
  2. アセチレングリコール類、そのアルキレンオキサイド付加物及びアセチレンアルコール類から選ばれる少なくとも1種が下記式(I)〜(VI)で示されるものであることを特徴とする請求項1記載の鉛筆芯。
    Figure 2016084379
    〔上記式(I)〜(III)中のR1、R2は、それぞれ炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基であり、m、n、x、yは1〜100の数である。また、上記式(I)〜(III)中のR1、R2は、それぞれ炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基であり、m、n、x、yは1〜100の数である〕
    Figure 2016084379
    〔上記式(IV)〜(VI)中、R3、R4、R5は、水素原子、直鎖又は分岐鎖を有する炭素数0〜10の炭素鎖を表し、該炭素鎖には不飽和結合を含んでもいてもよく、R6は、炭素数2〜5のアルキレン基、R7は、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。〕
  3. 焼成鉛筆芯体への含浸成分又は表面処理成分として、更に、アルキレングリコールエーテルを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉛筆芯。
  4. 前記アルキレングリコールエーテルがグリセリルエーテルであることを特徴とする請求項3に記載の鉛筆芯。
  5. 更に、シリカ粒子を用いることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の鉛筆芯。
  6. 更に、シランカップリング剤を用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の鉛筆芯。
  7. 焼成鉛筆芯体の気孔内又は表面部に、少なくともアセチレングリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物を含浸処理又は表面処理してなることを特徴とする鉛筆芯の製造方法。
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