JP2016084313A - (メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物及びその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度な(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を製造する方法の提供。【解決手段】工程1:ヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物とハロゲン化メチルアルキルエーテルを反応させて、カルボキシル基の保護を行う。工程2:工程1の反応液に(メタ)アクリル酸クロリドを添加してヒドロキシル基を(メタ)アクリルエステル化する。工程3:カルボキシル基の保護基を脱保護することにより、式(1)で表される、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を生成する。【選択図】なし

Description

本発明は、アダマンタン骨格を有し、医農薬中間体や光ファイバーや光導波路、光ディスク基板、フォトレジスト等の光学材料、耐熱性、表面硬度等に優れた機能性樹脂原料、その他各種工業製品として有用な(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン(カルボン酸化合物の製造方法に関する。
アダマンタン骨格の様な橋頭位を有する脂環族化合物は、構造上剛直な性質を有し、高耐熱性や優れた光学特性を示すことから、高機能樹脂材料や医農薬中間体、フォトレジスト材料等の光学材料として用いられている(特許文献1〜3)。その中でも同一分子中に(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物は、カルボキシル基上に(メタ)アクリロイル基と異なる反応性を有する置換基を導入することで(メタ)アクリロイルポリマーの高機能化が可能であり、有用である。
(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基の導入法として、いくつかの合成ルートが知られている。特許文献4にはヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物に対し、(メタ)アクリル酸を酸触媒存在下、加熱条件で反応させることでエステル化する方法が記載されており、特許文献5にはヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物と(メタ)アクリル酸クロリドを反応させる方法が記載されている。
特開2007−211208号公報 特開2012−246246号公報 特開平4−39665号公報 特開2011−37953号公報 特開2001−240625号公報
しかし、本発明者らは上述した既知の合成ルートでは(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を得ることはできても、高純度にすることは困難であることを見出した。
すなわち、特許文献4に記載のルートでは、ヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物のヒドロキシル基とカルボキシル基での縮合反応が進行した副生成物の除去が困難であり、特許文献5に記載のルートでは、(メタ)アクリル酸クロリドの加水分解により生成する(メタ)アクリル酸の除去が困難である。
本発明は、前記の問題点を鑑みてなされたものであり、高純度な(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を製造する方法等を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、下記工程(1)、(2)及び(3)により一般式(1)で表される(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を高純度で製造する方法を見出し、本発明に至った。
工程1:式(2)で表される化合物と式(3)で表されるハロゲン化メチルアルキルエーテルを反応させて、カルボキシル基の保護を行い、式(4)で表される化合物とする工程。
工程2:工程1の反応液に(メタ)アクリル酸クロリドを添加してヒドロキシル基を(メタ)アクリルエステル化し、式(5)で表される化合物とする工程。
工程3:式(5)で表される化合物が有するカルボキシル基の保護基を脱保護することにより、式(1)で表される化合物を生成する工程。
Figure 2016084313
(式中、Rは橋頭位以外の炭素に結合し、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、m=12である。Rは、n個のCOOH、p個の水素及びq個の炭素数1〜6のアルキル基を示し、n、p、qは、n=1〜3、かつn+p+q=3の関係となる自然数である。Rは水素又はメチル基を示す。)
Figure 2016084313
(式中、R、Rは式(1)と同義である。)
Figure 2016084313
(式中、Xはハロゲンであり、置換基Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
Figure 2016084313
(式中、Rは、n個のCOOCHOR p個の水素及びq個の炭素数1〜6のアルキル基を示す。R、m、n、p、qは式(2)と同義であり、Rは式(3)と同義である。
Figure 2016084313
(式中、R及びRは式(1)と同義であり、Rは式(4)と同義である。)
2.前記式(3)におけるXが塩素である、1.に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
3.前記ハロゲン化メチルアルキルエーテルがクロロメチルメチルエーテルである、2.に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
4.前記工程2の反応をハロゲン溶媒中で行う、1.〜3.のいずれかの一に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
5.前記工程3の脱保護反応が、酸性触媒存在下、水と式(5)で表される化合物を反応させるものである、1.〜4.のいずれかの一に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
6.1.〜5.のいずれかの一に記載の製造方法により得られた、式(1)で表される化合物に対し、アルカリ洗浄を行い、中和して塩として水層に抽出した後、酸性化合物を添加して晶析分離を行って得られる式(1)で表される化合物。
7.前記アルカリ洗浄に用いるアルカリが、炭酸水素ナトリウムである、6.に記載の式(1)で表される化合物。
8.前記酸性化合物が、リン酸である6.又は7.に記載の式(1)で表される化合物。
9.酸性化合物を添加した後、さらに溶媒と活性炭を添加して副生成物を除去し、その後溶液の溶媒を留去し、さらに貧溶媒を加えて晶析分離を行うことにより得られる、6.〜8.のいずれかの一に記載の式(1)で表される化合物。
10.前記アルカリ洗浄後に行う晶析分離によって得られた前記式(1)で表される化合物に溶媒と活性炭を添加して副生成物を除去した後、溶液の溶媒を留去し、貧溶媒を加えて晶析分離を行うことにより得られる、6.〜8.のいずれかの一に記載の式(1)で表される化合物。
11.前記活性炭と共に加える溶媒が、脂肪族炭化水素溶媒を含有する、9.又は10.に記載の式(1)で表される化合物。
12.前記式(1)で表される化合物中の高分子量成分がGPC−UV1.0%以下、GPC−RI1.0%以下である9.〜11.のいずれかの一に記載の精製方法によって得られる式(1)で表される化合物。
本発明によれば、医農薬中間体や光ファイバー、光導波路、光ディスク基板、フォトレジスト等の光学材料、耐熱性、表面硬度等に優れた機能性樹脂原料、その他各種工業製品として有用な(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を、高純度で製造する方法が提供される。
本発明は、工程1〜3からなる高純度な(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸の製造方法等に関する。
工程1:式(2)で表されるヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物と式(3)で表されるハロゲン化メチルアルキルエーテルとを反応させて、カルボキシル基の保護を行い、式(4)で表される化合物とする工程。
工程2:工程1の反応液に(メタ)アクリル酸クロリドを添加してヒドロキシル基を(メタ)アクリルエステル化し、式(5)で表される化合物とする工程。
工程3:式(5)で表される化合物が有するカルボキシル基の保護基を脱保護することにより、式(1)で表される(メタ)アクリロイル化合物を取得する工程。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
工程1はヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物のカルボキシル基の保護を、ハロゲン化メチルアルキルエーテルを用いて行う工程である。
本発明の工程1で原料として用いられるヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物は、式(2)で示されるヒドロキシル基とカルボキシル基を有するアダマンタン化合物である。
橋頭位以外の炭素は置換基Rとして水素又は炭素数1〜6のアルキル基を有する。Rは橋頭位以外の炭素に結合し、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、m=12である。Rは、n個のCOOH、p個の水素及びq個の炭素数1〜6のアルキル基を示し、n、p、qは、n=1〜3、かつn+p+q=3の関係にある自然数である。
前記のヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物として具体的には、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸、3−ヒドロキシ−5−メチル−アダマンタン−1−カルボン酸、5−エチル−3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸、3−ヒドロキシ−5−プロピルアダマンタン−1−カルボン酸、3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン−1−カルボン酸、5,7−ジエチル−3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸、及び3−ヒドロキシ−5,7−ジプロピルアダマンタン−1−カルボン酸等のヒドロキシアダマンタンモノカルボン酸化合物、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5−ヒドロキシ−7−メチル−アダマンタン−1,3−ジカルボン酸、7−エチル−5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸、5−ヒドロキシ−7−プロピル−アダマンタン−1,3−ジカルボン酸等のヒドロキシアダマンタンジカルボン酸化合物、及び7−ヒドロキシアダマンタン−1,3,5−トリカルボン酸等のヒドロキシアダマンタントリカルボン酸化合物等が挙げられる
これらの化合物は、既知の方法に従って合成したものを使用しても良く、また市販品を使用しても良い。市販品は例えば、東京化成工業株式会社製品等が挙げられる。
前記工程1において、カルボキシル基の保護反応に用いるハロゲン化メチルアルキルエーテルは式(3)で表される化合物である。例えば、フルオロメチルメチルエーテル、フルオロメチルエチルエーテル、フルオロメチルプロピルエーテル、フルオロメチルブチルエーテル、フルオロメチルペンチルエーテル、フルオロメチルヘキシルエーテル、クロロメチルメチルエーテル、クロロメチルエチルエーテル、クロロメチルプロピルエーテル、クロロメチルブチルエーテル、クロロメチルペンチルエーテル、クロロメチルヘキシルエーテル、ブロモメチルメチルエーテル、ブロモメチルエチルエーテル、ブロモメチルプロピルエーテル、ブロモメチルブチルエーテル、ブロモメチルペンチルエーテル、ブロモメチルヘキシルエーテル、ヨードメチルメチルエーテル、ヨードメチルエチルエーテル、ヨードメチルプロピルエーテル、ヨードメチルブチルエーテル、ヨードメチルペンチルエーテル、及びヨードメチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
これらのハロゲン化メチルアルキルエーテルは2種以上組み合わせて用いても良い。これらのハロゲン化メチルアルキルエーテルの中で、ハロゲンが塩素であるものが好ましく、クロロメチルメチルエーテルが安価で取り扱いが容易なため特に好ましい。
ハロゲン化メチルアルキルエーテルは、既知の方法に従って合成したものを使用しても良く、また市販品を使用しても良い。市販品は例えば、東京化成工業株式会社製品等が挙げられる。
工程1におけるハロゲン化メチルアルキルエーテルの使用量は、ヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物のカルボキシル基のモル数に対して、0.5〜1.5モル倍、好ましくは0.8〜1.2モル倍、さらに好ましくは0.9〜1.1モル倍にすることが好ましい。この範囲内であると、例えばカルボキシル基の保護化反応を十分進行させ、且つ過剰量のハロゲン化メチルアルキルエーテルによるヒドロキシル基が保護される副反応を抑え、一般式(4)で表されるヒドロキシアダマンタン化合物の収率の低下を抑制することができる。
前記工程1のカルボキシル基の保護化反応においては、塩基触媒を使用することができる。触媒として用いることができる化合物は、例えば、アミン類が挙げられ、具体的にはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、及びトリヘキシルアミン等の第3級アミン類;N、N−ジメチルアニリン、フェニルジメチルアミン、ジフェニルメチルアミン、及びトリフェニルアミン等の芳香環を有する脂肪族アミン類;1−メチルピロリジン、1−メチルピペリジン及び4−メチルモルホリン等の環状脂肪族アミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアミジン類;グアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニンジン、及び1,2,3−トリフェニルグアニンジン等のグアニジン類;1−メチルピロール、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4―メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、及びN,N−ジメチル−5−アミノピリジン等の芳香族アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらは1種単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
触媒は既知の方法に従って合成したものを使用しても良く、また市販品を使用しても良い。市販品は例えば、和光純薬工業株式会社製品や関東化学株式会社製品等が挙げられ、トリエチルアミンが安価なため好ましい。
工程1における塩基触媒の使用量は、ハロゲン化メチルアルキルエーテルの使用量に対して0.8〜10.0モル倍、好ましくは0.9〜5.0モル倍、さらに好ましくは1.0〜3.0モル倍にすることが好ましい。この範囲内であると、ハロゲン化メチルアルキルエーテルから生成するハロゲン化水素酸を十分に中和でき、酸性条件下で起こるカルボキシル基の保護基の脱保護反応を抑制することができる。
前記工程1では反応における混合条件は限定されないが、一般式(2)で表されるヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物、塩基触媒、使用する場合はさらに溶媒をあらかじめ混合しておいた反応液に対して一般式(3)で表されるハロゲン化メチルアルキルエーテルを添加することが好ましい。この順番であれば、カルボキシル基が常に反応溶液内に存在するため、カルボキシル基の保護化反応が選択的に進行し、ヒドロキシル基にも保護基が導入された構造の副生成物の生成が少なくなるためである。ハロゲン化メチルアルキルエーテルの添加方法は、溶媒に溶解させて滴下しても良く、また無溶媒で添加しても良い。
前記工程1の一般式(2)で表されるヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物と一般式(3)で表されるハロゲン化メチルアルキルエーテルとの保護化反応では溶媒を使用することもできる。
使用することができる溶媒は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、プソイドクメン、クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシド等が挙げられるが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサン等のエーテル溶媒が保護化反応の進行が良好となるため好ましい。
溶媒を使用する場合の使用量は原料のヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物100質量部に対して0.1〜50質量倍であり、0.5〜20質量倍の範囲であることが好ましい。
前記工程1の具体的な反応温度及び反応時間は、基質濃度や用いる触媒に依存するが、反応温度は−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜50℃、さらに好ましくは0℃〜40℃である。反応時間は0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜5時間、圧力は常圧、減圧又は加圧下で行うことができる。また、反応は、回分式、半回分式、連続式等の公知の方法を適宜選択して行なうことができる。
また、工程1では重合禁止剤を添加しても良い。重合禁止剤は一般的なものならば特に制限はない。例えば2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリン、ニトロソナフトール、p−ニトロソフェノール、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリン等のニトロソ化合物、フェノチアジン、メチレンブルー、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の含硫黄化合物、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、アミノフェノール等のアミン類、ヒドロキシキノリン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル等のキノン類、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、カテコール、3−s−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)等のフェノール類、N−ヒドロキシフタルイミド等のイミド類、シクロヘキサンオキシム、p−キノンジオキシム等のオキシム類、ジアルキルチオジプロピネート等が挙げられる。添加量は、(メタ)アクリル基を有する化合物100質量部に対して、0.000001〜5質量倍、好ましくは0.00001〜1質量倍である。
次に、工程2について詳述する。
工程2は、式(4)で表される化合物のヒドロキシル基を(メタ)アクリル酸クロライドを用いて(メタ)アクリルエステル化する工程である。
工程2では、工程1で得られた保護反応の反応液に対し、クエンチ・精製操作を実施せずそのまま使用(ワンポット反応)する。
ワンポットで反応を行うことにより、工程の簡略化が可能となる。またクエンチや精製操作で通常用いられる水を用いた分液操作を省略できるため、反応溶液への水分の流入を抑制でき、(メタ)アクリル酸クロリドの加水分解反応を抑制することができる。
前記(メタ)アクリル酸クロリドは、例えばメタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド挙げられる。
これらは既知の方法に従って合成したものを使用しても良く市販品を使用しても良い。市販品としては東京化成工業株式会社製等が挙げられ、メタクリロイルクロリドが入手容易性から好ましい。
工程2における(メタ)アクリル酸クロリドの使用量は原料として使用した一般式(2)で表されるヒドロキシアダマンタン化合物のヒドロキシル基のモル数に対して、0.5〜10モル倍、好ましくは0.8〜5.0モル倍、さらに好ましくは1.0〜3.0モル倍にすることが好ましい。この範囲内であると、(メタ)アクリルエステル化反応を十分進行させ、且つ(メタ)アクリル酸クロリドから副生するメタクリル酸の量が少なくなり、精製操作を容易にすることができる。
前記工程2の(メタ)アクリルエステル化反応においては、塩基触媒を使用することができる。使用できる触媒は、例えば、アミン類が挙げられ、具体的にはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、及びトリヘキシルアミン等の第3級アミン類;N、N−ジメチルアニリン、フェニルジメチルアミン、ジフェニルメチルアミン、及びトリフェニルアミン等の芳香環を有する脂肪族アミン類;1−メチルピロリジン、1−メチルピペリジン及び4−メチルモルホリン等の環状脂肪族アミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアミジン類;グアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニンジン、及び1,2,3−トリフェニルグアニンジン等のグアニジン類;1−メチルピロール、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4―メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、及びN,N−ジメチル−5−アミノピリジン等の芳香族アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
添加する量は、(メタ)アクリル酸クロリドの使用量に対して0.8〜10.0モル倍、好ましくは0.9〜5.0モル倍、さらに好ましくは1.0〜3.0モル倍にすることが好ましい。この範囲内であると、例えば(メタ)アクリル酸クロリドから生成するハロゲン化水素酸を十分に中和し、酸性条件下、カルボキシル基についての脱保護反応、(メタ)アクリルエステルの加水分解反応の進行を抑制することができる。
前記触媒は工程2の(メタ)アクリルエステル化反応開始時に添加しても良いが、工程1と同じ触媒を用いる場合では、工程1において、工程2に必要となる量も添加することができる。あらかじめ添加する方法は、工程2における操作を簡便にすることができる点から好ましい。
前記工程2は工程1からのワンポット反応であるため、工程1で得られた反応液に対し、酸クロライド及び必要に応じて溶媒や塩基触媒を加えて、工程2を進行させる。また、これらを工程1の反応液に加える順番は特に限定されないが、溶媒、塩基触媒、(メタ)アクリル酸クロライドの順に加えることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸クロリドは滴下しながら系内に注入することが好ましい。この手順であれば(メタ)アクリル酸クロリドから生成するハロゲン化水素酸を塩基触媒で十分に中和し、酸性条件下、カルボキシル基についての脱保護反応、(メタ)アクリルエステルの加水分解反応の進行を抑制できるからである。
前記工程2は、工程1からのワンポット反応であるため、通常工程1で用いた溶媒を用いる。また、溶媒を工程2における適正な量とするため工程2の前に追加で加えることもできる。溶媒を加える場合には、加える溶媒としては、工程1で用いたものを用いるが、他の溶媒を加えることもできる。加えることができる溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、プソイドクメン、クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン溶媒が、使用した際に(メタ)アクリルエステル化反応が十分に進行するため好ましい。
前記工程2の具体的な反応温度及び反応時間は、基質濃度や用いる触媒に依存するが、一般的に反応温度0℃〜200℃、好ましくは10℃〜100℃、さらに好ましくは20℃〜80℃、反応時間は0.5時間〜50時間、好ましくは1時間〜25時間、圧力は常圧、減圧又は加圧下で行うことができる。また、反応は、回分式、半回分式、連続式等の公知の方法を適宜選択して行なうことができる。
また、工程2において重合禁止剤を添加しても良く、重合禁止剤は一般的なものならば特に制限はない。例えば2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリン、ニトロソナフトール、p−ニトロソフェノール、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリン等のニトロソ化合物、フェノチアジン、メチレンブルー、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の含硫黄化合物、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、アミノフェノール等のアミン類、ヒドロキシキノリン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル等のキノン類、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、カテコール、3−s−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)等のフェノール類、N−ヒドロキシフタルイミド等のイミド類、シクロヘキサンオキシム、p−キノンジオキシム等のオキシム類、ジアルキルチオジプロピネート等が挙げられる。添加量は、(メタ)アクリル基を有する化合物100質量部に対して、0.000001〜5質量倍、好ましくは0.00001〜1質量倍である。
前記の重合禁止剤は工程2の(メタ)アクリルエステル化反応開始時に添加しても良いが、工程1と同じ重合禁止剤を用いる場合では、工程1において、工程2に必要となる量も添加することができる。あらかじめ添加する方法は、工程2における操作を簡便にすることができる点から好ましい。
本発明では工程2の後に得られた一般式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステル化合物の精製が可能である。精製方法としては、水洗、濾過、濃縮、蒸留、及び抽出等による分離精製方法や、これらの組合せによる方法で単離精製することができる。例えば、反応液を水洗する方法は、過剰のハロゲン化メチルアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸クロリド、触媒等の添加物が除去されるため好ましい。
このとき、洗浄水中に塩化ナトリウムや炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等、無機塩が含まれていても良く、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ洗浄を行っても良い。洗浄に際し、有機溶媒等を添加しても良く、通常、水との分離がよい極性の小さい溶媒を用いることが好ましい。一般式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステル化合物は前記分離生成操作実施後、溶媒を留去し、前期工程3のカルボキシル基上の保護基の脱保護反応に使用することができる。
次に、工程3について詳述する。
工程3は、一般式(5)で表される(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン化合物のカルボキシル基における脱保護を行う工程である。
工程3において、前記工程2で得られた一般式(5)で表される(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン化合物を酸性触媒存在下、加水分解により、カルボキシル基についての脱保護反応を行う。
前記工程3において使用される酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、及びリン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、脱保護反応を行うのに十分なpHを有し、安価に調達できる点から塩酸、硫酸が好ましい。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
酸性触媒の使用量は原料として使用した一般式(2)で表されるヒドロキシアダマンタン化合物のカルボキシル基のモル数に対して、0.01〜10モル倍、好ましくは0.1〜5.0モル倍、にすることが好ましい。この範囲内であると、カルボキシル基の脱保護反応を十分に進行させることができる。これらの酸性触媒は市販品を使用しても良い。市販品としては例えば和光純薬工業株式会社製の1.0mol/L塩酸が挙げられる。
前記工程3の脱保護反応では溶媒を用いることができ、用いることができる溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、プソイドクメン、クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシド等が挙げられるが、好ましくは水との親和性の高いメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシド等の極性溶媒、さらに好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシド等であり、混和性を示す溶媒が好ましい。
前記工程3の具体的な反応温度及び反応時間は、基質濃度や用いる触媒に依存するが、一般的に反応温度0℃〜200℃、好ましくは10℃〜100℃、さらに好ましくは20℃〜80℃、反応時間は0.5時間〜50時間、好ましくは1時間〜25時間、圧力は常圧、減圧又は加圧下で行うことができる。また、反応は、回分式、半回分式、連続式等の公知の方法を適宜選択して行なうことができる。
また、一連の反応には重合禁止剤を添加しても良く、重合禁止剤は一般的なものならば特に制限はない。例えば2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−N−メチルアニリン、ニトロソナフトール、p−ニトロソフェノール、N,N’−ジメチル−p−ニトロソアニリン等のニトロソ化合物、フェノチアジン、メチレンブルー、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の含硫黄化合物、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、アミノフェノール等のアミン類、ヒドロキシキノリン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−ベンゾキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル等のキノン類、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、カテコール、3−s−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)等のフェノール類、N−ヒドロキシフタルイミド等のイミド類、シクロヘキサンオキシム、p−キノンジオキシム等のオキシム類、ジアルキルチオジプロピネート等が挙げられる。添加量は、(メタ)アクリル基を有する化合物100質量部に対して、0.000001〜5質量倍、好ましくは0.00001〜1質量倍である。
本発明において前記工程3のカルボキシル基についての脱保護反応により生成する一般式(1)で表される(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物は、反応終了後、水洗、濾過、濃縮、蒸留、及び抽出等による分離精製方法や、これらの組合せによる方法で精製することができる。
好ましい精製方法は、脱保護反応後、反応系に有機溶媒とアルカリ性水溶液を加え、一般式(1)で表される(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を中和し、水層に抽出した後、回収した該水層に対して酸性化合物を添加して水溶液中の塩基を中和し、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の粉体を水層から晶析させて回収する方法であり、この手法により高純度の結晶を得ることができる。
なお、反応終了後、一般式(1)で表される(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を水層から析出させて回収するまでの間に水洗、濾過、濃縮、及び抽出等による一般的な分離精製操作を任意で行うことができる。
添加する有機溶媒は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、プソイドクメン、クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、及び酢酸エチル等が挙げられるが、好ましくは水との親和性の低いヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、プソイドクメン、クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、及びジクロロメタン等が好ましく、さらに好ましくはヘキサン、ヘプタン、オクタン、ヘキサンベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、及びプソイドクメン等の炭化水素系溶媒が好ましい。これらの溶媒であれば、中和された(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物と溶媒との親和性が低く、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を効果的に水層側に回収することができる。
添加する有機溶媒の使用量は、原料として使用したヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物に対して1.0〜100質量倍、好ましくは2.0〜50質量倍、さらに好ましくは3.0〜15質量倍である。
添加するアルカリ性水溶液に用いるアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ニ水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのようなテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられ、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ニ水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等の無機塩基が安価で取り扱いが容易なため好ましい。アルカリ性水溶液の濃度は、特に制限を受けないが、一般的な取扱いを考慮すると1〜30質量%が好ましく、10〜20質量%の濃度がより好ましい。また、加えるアルカリの量は、脱保護反応の際に使用した酸性化合物の解離性プロトンのモル数に対して0.5〜10モル倍を使用し、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を中和して回収した水層のpHが6.5以上になる量を使用する。
(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を回収した水層に添加する酸性化合物は、塩酸、硫酸、硝酸、及びリン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
水層に添加する酸性化合物の使用量は、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を水層に回収する際に使用したアルカリ性化合物に対して0.5〜10モル倍、好ましくは1.0〜3モル倍を使用し、水層のpHが7以下になる量を使用する。
析出した(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の濾別方法は特に制限は無く、重力を利用した自然濾過、加圧濾過、減圧濾過、遠心分離等の公知の方法を選択でき、濾過に用いるフィルターの形状もプロセスや設備等、所望に応じ選択することができる。
前記の濾別により分離された(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物は乾燥させて紛体として取り扱うことができる。乾燥方法は、特に制限は無く風乾、加熱乾燥、減圧乾燥等方法を選択できるが、乾燥時間が短縮できる減圧乾燥が好ましく選択される。また、乾燥温度は、特に制限はなく、常圧〜減圧下であれば0〜120℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
次に(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物のより好ましい精製工程について説明する。
本発明においては回収した(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を特定組成の有機溶媒中に溶解させ、活性炭を添加し目的物よりも分子量の大きい高分子量成分等の副生成物を除去した後、溶液の溶媒を留去し、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の溶解性が低い溶媒を加えて再結晶することにより、さらに高純度な(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を取得することができる。
精製工程に使用する(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物は前記工程3後の再結晶により得られた粉体状の(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を使用するか、若しくは前記酸性化合物を加えて粉体を析出させる際に有機溶媒を添加しておき、有機溶媒中に抽出して使用してもよい。その際、添加する有機溶媒は精製工程に使用する特定組成の有機溶媒である。
前記(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の精製工程においては特定組成の有機溶媒は2種類の溶媒を混合して使用する。
使用する溶媒の1つとして(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の溶解性が高い溶媒を使用する。該溶媒としてジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、プソイドクメン、クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、及び酢酸エチル等が挙げられるが、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の溶解性が低いベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、プソイドクメン等芳香族炭化水素溶媒が好ましく、トルエンが安価で取り扱いが容易なため特に好ましく用いることができる。使用する有機溶媒の使用量は、十分に(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を溶解させる観点から(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物に対して1.0〜20質量倍が好ましく、特に2.0〜10質量倍がさらに好ましい。
特定組成の有機溶媒の2種類目の溶媒は(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の溶解性が低い溶媒を使用する。当該溶媒としてヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、及びオクタン等の脂肪族炭化水素溶媒が挙げられるが、ヘキサン、ヘプタンが安価で取り扱いが容易なため好ましい。使用する有機溶媒の使用量は、前記(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の溶解性が高い溶媒の使用量に対して1.0〜20質量倍が好ましく、特に2.0〜10質量倍が好ましい。前記特定組成の有機溶媒として2種類の溶媒を使用することにより、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を十分に溶解させたまま、不純物を析出、若しくは活性炭に吸着し、除去することが可能になる。
前記精製工程において使用される活性炭は特に制限はなく市販品を使用しても良い。市販品としては例えば、日本エンバイロケミカルズ株式会社製、カルボラフィンやクラレケミカル株式会社製、クラレコール等が挙げられる。
活性炭の使用量は(メタ)アクリロリルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の理論収量100質量部に対して0.0001〜1質量倍、好ましくは0.001〜0.5質量倍である。
活性炭添加後の具体的な反応温度、反応時間として、一般的に反応温度0℃〜100℃、好ましくは10℃〜75℃、反応時間は0.1時間〜20時間、好ましくは1時間〜10時間、圧力は常圧、減圧又は加圧下で行うことができる。また、反応は、回分式、半回分式、連続式等の公知の方法を適宜選択して行なうことができる。
前記使用後の活性炭の除去方法に特に制限はなく、重力を利用した自然濾過、加圧濾過、減圧濾過、遠心分離等の公知の方法を選択できる。また濾過に用いるフィルターの形状もプロセスや設備等、所望に応じ選択することができる。
前記精製工程において溶媒を留去する際は、溶液質量が(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の0.5〜5.0質量倍になるまで溶媒を留去する。例えばエバポレーター等を用いることができる。
溶媒の留去後に加える、(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の溶解性が低い溶媒は前記溶解性が低い溶媒として挙げたものと同様である。溶媒の使用量は、溶媒留去後の溶液全体の質量の0.5〜5.0倍である。この範囲であれば、溶媒への(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の溶解量が少なく、高い収率で(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物を取得することができる。
析出した(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の濾別方法は特に制限は無く、重力を利用した自然濾過、加圧濾過、減圧濾過、遠心分離等の公知の方法を選択できる。濾過に用いるフィルターの形状もプロセスや設備等、所望に応じ選択することができる。
前記の濾別により分離された(メタ)アクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物は乾燥させて紛体として取り扱うことができる。乾燥方法は、特に制限は無く風乾、加熱乾燥、減圧乾燥等方法を選択できるが、乾燥時間が短縮できる減圧乾燥が好ましく選択される。また、乾燥温度は、特に制限はなく、常圧〜減圧下であれば0〜120℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何らの制限を受けるものではない。なお、実施例において、経時変化及び収率はガスクロマトグラフィー(GC)又は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。
ヒドロキシアダマンタンカルボン酸化合物の純度はGC、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により決定し、誘導体であるメタクリロイルオキシアダマンタンカルボン酸化合物の純度はHPLC、GPCにより決定した。GC、HPLC、GPCの測定条件は以下のとおりである。尚、例中の部、%は特に記載のない限り、それぞれの質量部、質量%である。
<GC条件>
カラム:TC−17(0.53mmI.D.×30m)、インジェクション温度:280℃、オーブン温度:70℃(1分保持)→10℃/分で昇温→280℃(10分保持)、検出器:FID、移動相:ヘリウム
<HPLC測定条件>
カラム:化学物質評価機構L−column2 ODS L−C18(5μm、4.6φ×250mm)、展開溶媒:アセトニトリル/100mMリン酸緩衝液=70/30(v/v)、流量:1mL/分、カラム温度:40℃、検出器:RI
<GPC条件>
昭和電工社製GPCカラム(K401HQ2本、KF402HQ1本、KF403HQ1本、KF−G)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶剤:テトラヒドロフラン、
カラム温度:40℃の分析条件で、標準ポリスチレン換算質量として存在量を測定した。
(実施例1)
(工程1)反応装置として攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製500mLフラスコに、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸19.6g(100mmol)を仕込み、反応容器を窒素置換した。反応容器にメトキシシクロペンタン29.4g、トリエチルアミン30.3g(300mmol)を加えた後、氷浴し、反応液温度を10℃以下で攪拌した。滴下ロートにクロロメチルメチルエーテル8.4g(105mmol)を入れ、15分かけて滴下した。滴下終了後、反応液温度10℃で1時間反応させた。
反応の進行をGCで確認したところ、3−ヒドロキシアダマンタ−1−カルボン酸の転化率は93%であり、反応収率85.0%でメトキシメチル−3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボキシレートが生成した。(工程2)その後、フラスコを氷浴しながらにクロロホルム98g、フェノチアジン0.2g(1mmol)を加えた。滴下ロートにメタクリル酸クロリド15.7g(150mmol)を仕込み、氷浴したまま15分かけて滴下した。滴下終了後、反応液温度70℃で10時間反応させた。
反応の進行をGCで確認したところ、メトキシメチル−3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボキシレートの転化率は98%であり、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として、反応収率82%でメトキシメチル−3−(メタクリロイルオキシ)アダマンタン−1−カルボキシレートが生成した。反応容器を氷浴により20℃以下に冷却した後、クロロホルム100g、イオン交換水200gを加え、5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。
得られたクロロホルム層に5%炭酸水素ナトリウム水溶液200gを加え、5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。得られたクロロホルム層の洗浄操作として、イオン交換水100gを加えて5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。この洗浄操作を合計2回行った。回収したクロロホルム層の溶媒をエバポレーターを用いて留去した。得られた濃縮物はさらなる精製操作を行わず、次の工程に使用した。
(工程3)攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えた1Lガラス製フラスコに、得られた濃縮物とテトラヒドロフラン31.0g、1.0mol/L塩酸30gを加えた。反応液温度60〜70℃で6時間攪拌した。
反応の進行をHPLCで確認したところ、メトキシメチル−3−(メタクリロイルオキシ)アダマンタン−1−カルボキシレートの転化率は100%であり、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として、反応収率80%で3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸が生成した。反応容器を氷浴により20℃以下に冷却した後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液550g、ヘプタン120gを加え1時間攪拌した。攪拌終了後、5分間静置してから分液操作を行った。分液後の有機層に5%炭酸水素ナトリウム水溶液150gを加え、5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。
得られた水層を攪拌しながら、85%リン酸65gを加え、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の粉末状の固体を水層から析出させた。析出した固体を吸引ろ過により回収し、イオン交換水50gを用いて、2回洗浄した。固体を減圧乾燥し、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸19.0gを得た。3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として、収率は72%であった。3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の純度はHPLC−RI99.0%、高分子量成分の存在量はGPC−RI6.8%、GPC−RI0.7%であった。
(実施例2)
メタクリル酸クロリドに代えて、アクリル酸クロリドを使用する以外は実施例1と同様の操作を行った。粉末状の3−アクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の固体17.5gを得た。3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として、収率は70%であった。3−アクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の純度はHPLC−RI99.1%、高分子量成分の存在量はGPC−RI 10.8%、GPC−RI 1.5%であった。
(実施例3)
(工程1)反応装置として攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製500mLフラスコに、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸19.6g(100mmol)を仕込み、反応容器を窒素置換した。反応容器にメトキシシクロペンタン29.4g、トリエチルアミン30.3g(300mmol)を加えた後、氷浴し、反応液温度を10℃以下で攪拌した。滴下ロートにクロロメチルメチルエーテル8.4g(105mmol)を入れ、15分かけて滴下した。滴下終了後、反応液温度0〜20℃で1時間反応させた。
反応の進行をGCで確認したところ、3−ヒドロキシアダマンタ−1−カルボン酸の転化率は93%であり、反応収率85.0%でメトキシメチル−3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボキシレートが生成した。(工程2)その後、フラスコを氷浴しながらにクロロホルム98g、フェノチアジン0.2g(1mmol)を加えた。滴下ロートにメタクリル酸クロリド15.7g(150mmol)を仕込み、氷浴したまま15分かけて滴下した。滴下終了後、反応液温度70℃で10時間反応させた。
反応の進行をGCで確認したところ、メトキシメチル−3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボキシレートの転化率は98%であり、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として、反応収率82%でメトキシメチル−3−(メタクリロイルオキシ)アダマンタン−1−カルボキシレートが生成した。反応容器を氷浴により20℃以下に冷却した後、クロロホルム100g、イオン交換水200gを加え、5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。得られたクロロホルム層に5%炭酸水素ナトリウム水溶液200gを加え、5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。得られたクロロホルム層の洗浄操作として、イオン交換水100gを加えて5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。この洗浄操作を合計2回行った。回収したクロロホルム層の溶媒をエバポレーターを用いて留去した。得られた濃縮物はさらなる精製操作を行わず、次の工程に使用した。
(工程3)攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製1Lフラスコに、得られた濃縮物とテトラヒドロフラン31.0g、1.0mol/L塩酸30gを加えた。反応液温度60〜70℃で6時間攪拌した。反応の進行をHPLCで確認したところ、メトキシメチル−3−(メタクリロイルオキシ)アダマンタン−1−カルボキシレートの転化率は100%であり、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として、反応収率80%で3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸が生成した。反応容器を氷浴により20℃以下に冷却した後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液550g、ヘプタン120gを加え1時間攪拌した。攪拌終了後、5分間静置してから分液操作を行った。分液後の有機層に5%炭酸水素ナトリウム水溶液150gを加え、5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。
得られた水層にトルエン10g、ヘプタン30gを加えた後、攪拌しながら85%リン酸100gを加え、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸を有機層に抽出し、分液操作を行った。有機層にイオン交換水200gを用いてさらに2回分液操作を行った後、活性炭(カルボラフィン、日本エンバイロケミカルズ)2.0gを加え、40℃で1時間攪拌した。溶媒に不溶な成分と活性炭を吸引ろ過で除去し、ろ過物をトルエン20gとヘプタン60gの混合溶液で洗浄した。ろ液を回収し、溶液質量が40gになるまで溶媒を減圧留去した。その後、ヘプタン100gを加え、氷浴しながら1時間攪拌し、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の白色結晶を析出させた。析出した結晶を吸引ろ過した後、減圧乾燥し、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸17.0gを得た。収率は3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として64%であった。3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の純度はHPLC−RI 99.9%、高分子量成分の存在量はGPC−RI 0.3%、GPC−RI 0.2%であった。
(実施例4)
<精製操作1>
実施例1で得られた3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸19.0gにトルエン57g、ヘプタン171g、活性炭(カルボラフィン、日本エンバイロケミカルズ)1.2gを加え、40℃で1時間攪拌した。溶媒に不溶な成分と活性炭を吸引ろ過で除去した後、溶液質量が36gになるまで溶媒をエバポレーターを用いて減圧留去した。その後、ヘプタン95gを加え、氷浴しながら1時間攪拌し、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の白色結晶を析出させた。析出した結晶を吸引ろ過した後、減圧乾燥し、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸17.2gを得た。精製操作での結晶回収率は90.5%であり、実施例1及び実施例4を通しての全体の収率は3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として65%であった。3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の純度はHPLC−RI 99.9%、高分子量成分の存在量はGPC−RI 0.3%、GPC−RI 0.2%であった。
(実施例5)
<精製操作2>
実施例2で得られた3−アクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸使用する以外は実施例4と同様の操作を行ったところ3−アクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸16.3gを得た。精製操作での結晶回収率は90.5%であり、実施例2、及び実施例5を通しての全体の収率は3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の仕込み量を基準として65%であった。純度はHPLC−RI 99.9%、高分子量成分の存在量はGPC−RI 0.3%、GPC−RI 0.3%であった。
(比較例1)
反応装置として攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製1Lフラスコに、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸19.6g(100mmol)、フェノチアジン0.2g(1mmol)を仕込み、反応容器を窒素置換した。反応容器にジクロロエタン98g、トリエチルアミン30.3g(300mmol)を加えた後、氷浴し、反応液温度を10℃以下で攪拌した。滴下ロートにメタクリル酸クロリド31.4g(300mmol)を仕込み、氷浴したまま15分かけて滴下した。滴下終了後、反応液温度80℃で5時間反応させた。反応の進行をHPLCで確認したところ、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の転化率は100%であり、反応収率58.8%で3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸が生成した。反応容器を氷浴により20℃以下に冷却した後、トルエン50g、5%水酸化ナトリウム水溶液400gを加え、1時間攪拌した。攪拌終了後、5分間静置してから分液操作を行った。分液後の有機層に5%水酸化ナトリウム水溶液100gを加え、よく攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。得られた水層を攪拌しながら、そこに85%リン酸65gを加えたところ、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸を含む粘土状の混合物が析出した。粘土状の混合物をろ別し、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸を含む固体20gを得た。固体中の3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の純度はHPLC−RI 70%であった。
(比較例2)
反応装置として攪拌機、温度計、ディーン・スターク管、ジムロートを備えたガラス製500mLフラスコに、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸19.6g(100mmol)、トルエン98g、メタクリル酸25.8g(300mmol)、硫酸0.98g(10mmol)、p−メトキシフェノール62mg(0.5mmol)を仕込み、反応液温度を110℃で4時間加熱還流した。
反応の進行をGCで確認したところ、3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸の転化率は98%であり、3−(メタクリロイルオキシ)アダマンタン−1−カルボン酸が反応収率52%で生成した。氷浴により反応容器を20℃以下に冷却した後、トルエン50g、5%水酸化ナトリウム水溶液400gを加え、1時間攪拌した。攪拌終了後、5分間静置してから分液操作を行った。分液後の有機層に5%水酸化ナトリウム水溶液100gを加え、5分間攪拌した後、5分間静置してから分液操作を行った。得られた水層を攪拌しながら、そこに85%リン酸65gを加えたところ、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸を含む粘土状の混合物が析出した。粘土状の混合物をろ別し、3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸を含む固体22gを得た。固体中の3−メタクリロイルオキシアダマンタン−1−カルボン酸の純度はHPLC−RI 60%であった。
(比較例3)
<精製操作3>
活性炭(カルボラフィン、日本エンバイロケミカルズ)を使用せずに実施例3と同様の操作を行ったところ、粘性の高い固体が得られ、高分子量成分の存在量は変化しなかった。

Claims (12)

  1. 下記工程を有する、式(1)で表される化合物の製造方法。
    工程1:式(2)で表される化合物と式(3)で表されるハロゲン化メチルアルキルエーテルを反応させて、カルボキシル基の保護を行い、式(4)で表される化合物とする工程。
    工程2:工程1の反応液に(メタ)アクリル酸クロリドを添加してヒドロキシル基を(メタ)アクリルエステル化し、式(5)で表される化合物とする工程。
    工程3:式(5)で表される化合物が有するカルボキシル基の保護基を脱保護することにより、式(1)で表される化合物とする工程。
    Figure 2016084313
    (式中、Rは橋頭位以外の炭素に結合し、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、m=12である。Rは、n個のCOOH、p個の水素及びq個の炭素数1〜6のアルキル基を示し、n、p、qは、n=1〜3、かつn+p+q=3の関係となる自然数である。Rは水素又はメチル基を示す。)
    Figure 2016084313
    (式中、R、Rは式(1)と同義である。)
    Figure 2016084313
    (式中、Xはハロゲンであり、置換基Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
    Figure 2016084313
    (式中、Rは、n個のCOOCHOR、p個の水素及びq個の炭素数1〜6のアルキル基を示す。R、m、n、p、qは式(2)と同義であり、Rは式(3)と同義である。
    Figure 2016084313
    (式中、R及びRは式(1)と同義であり、Rは式(4)と同義である。)
  2. 前記式(3)におけるXが塩素である、請求項1に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
  3. 前記ハロゲン化メチルアルキルエーテルがクロロメチルメチルエーテルである、請求項2に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
  4. 前記工程2の反応をハロゲン溶媒中で行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
  5. 前記工程3の脱保護反応が、酸性触媒存在下、水と式(5)で表される化合物を反応させるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により得られる式(1)で表される化合物に対し、アルカリ洗浄を行い、中和して塩として水層に抽出した後、酸性化合物を添加して晶析分離を行って得られる、式(1)で表される化合物。
  7. 前記アルカリ洗浄に用いるアルカリが、炭酸水素ナトリウムである、請求項6に記載の式(1)で表される化合物。
  8. 前記酸性化合物が、リン酸である請求項6又は7に記載の式(1)で表される化合物。
  9. 前記酸性化合物を添加した後、さらに溶媒と活性炭を添加して副生成物を除去し、その後溶液の溶媒を留去し、さらに貧溶媒を加えて晶析分離を行うことにより得られる、請求項6〜8のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物。
  10. 前記アルカリ洗浄後に行う晶析分離によって得られた式(1)で表される化合物に溶媒と活性炭を添加して副生成物を除去した後、溶液の溶媒を留去し、さらに貧溶媒を加えて晶析分離を行うことにより得られる、請求項6〜8のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物。
  11. 前記活性炭と共に加える溶媒が、脂肪族炭化水素溶媒を含有する、請求項9又は10に記載の式(1)で表される化合物。
  12. 不純物として含有する高分子量成分が、GPC−UV1.0%以下、GPC−RI1.0%以下である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の式(1)で表される化合物。
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