JP2016084300A - 誘電率異方性が負の環構造を有する化合物の製造方法 - Google Patents

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孝 石原
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Abstract

【課題】2,2,3,3−テトラフルオロシクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する化合物、特には、末端にアルコキシ基を有する化合物を、高収率で合成する方法の提供。【解決手段】例えば式(1−B)の化合物は、1−(4−(4−プロピルシクロヘキシルフェニル))−2,2,3,3,−テトラフルオロシクロヘキサン−1,4−ジエンをヒドロシリル化して4−シリルシクロヘキセニル体を作り、還元後に酸化して4−ヒドロキシシクロヘキシル体とし、さらにアルキル化して合成することが出来る。【選択図】なし

Description

本発明は、負の誘電率異方性(Δε)を発現する環構造を有する化合物の製造方法に関し、さらに詳しくは、2,2,3,3−テトラフルオロシクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する化合物の製造方法に関する。
液晶電気光学素子は、携帯電話、PDAなどの携帯機器、複写機、パソコンモニタなどのOA機器用表示装置、液晶テレビなどの家電製品用表示装置をはじめ、時計、電卓、測定器、自動車用計器、カメラなど、極めて広範な用途に用いられている。
液晶電気光学素子の駆動方式にはTN(ねじれネマチック)方式、STN(超ねじれネマチック)方式、またはTNをベースにしたアクティブマトリックス(TFT:薄膜トランジスタ)方式等があり、これらの駆動方式にはΔε(誘電率異方性)が正の液晶組成物が利用されている。しかしながら、これらの表示方式の欠点の一つとして視野角の狭さがある。
したがって、大型の液晶電気光学素子の駆動方式にはアクティブマトリックス方式の中でも視野角を改善したIPS(インプレインスイッチング)方式やVA(ヴァーティカルアラインメント)方式が多く採用されている。IPS方式にはΔεが正または負の液晶組成物が利用され、VA方式にはΔεが負の液晶組成物が利用される。
液晶電気光学素子に求められる全ての性能を単一の化合物によって満たすことは困難であることから、通常、1または2以上特異的に優れた特性を有する液晶性化合物をいくつか組み合わせた液晶組成物が液晶電気光学素子に使用される液晶相を示す材料として使用されている。
Δεが負の液晶組成物を調整するためには、Δεが負の液晶性化合物が不可欠であり、Δεの絶対値が大きな液晶性化合物が望まれている。
Δεは分子長軸方向の誘電率(ε‖)と分子短軸方向の誘電率(ε⊥)の差として定義される値(Δε=ε‖−ε⊥)であり、Δεが負の誘電率を発現させるためには、ε‖に比べε⊥の値が大きくなる特徴的な機能発現環構造が必要である。
ε⊥の値を大きくするには液晶性分子の側方位にフッ素などの電子吸引性基を導入し、短軸方向のダイポールモーメントを大きくすることが有効である。
汎用に用いられているΔεが負の機能発現環構造としてはフェニル環やナフタレン環等の側方位にフッ素などの電子吸引性基を導入した構造に限られている。
例えば2,3−ジフルオロフェニレン基をΔε負の機能発現環構造とした式(A)で表される化合物(特許文献1参照)、式(B)で表される化合物(特許文献2参照)、ナフタレン環をΔε負の機能発現環構造とした式(C)で表される化合物(特許文献3参照)などが知られている。
また、これらとは異なる、新しいΔε負の機能発現構造として、特許文献4に記載の2,2,3,3−テトラフルオロシクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する化合物(D)も挙げられる。
特表平2−503441号公報 特開平10−176167号公報 特開2001−31597号公報 国際公開第2014/1250924号
液晶性化合物のΔε負の機能発現環構造は限られているため、Δε負の液晶性化合物のバリエーションを増やすには限界があった。新規のΔε負の液晶性化合物を開発するためのΔε負の新しい機能発現環構造の開発が待ち望まれている。
特許文献4に記載の化合物は、上記の要求を満たすものであるが、より効率的な製造方法の開発が望まれていた。
本発明は、2,2,3,3−テトラフルオロシクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する化合物、特には、末端にアルコキシ基を有する化合物を、高収率で合成する方法を提供することを目的とする。
本発明は、2,2,3,3−テトラフルオロシクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する化合物、特には、末端にアルコキシ基を有する化合物を、高収率で合成する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、2,2,3,3−テトラフルオロシクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する化合物の効率的な製造方法、および、有用な中間体を見出した。
本発明は、下記式(5)で表される化合物をヒドロシリル化反応により下記式(4)で表される化合物とすることを特徴とする、下記式(4)で表される化合物の製造方法を提供する。
式中の記号は、以下の意味を示す。
:水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい。
、RおよびR:相互に独立して、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または炭素数6〜18のアリール基。
、A、AおよびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
、Z、ZおよびZ:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。また、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよく、1つの−CHCH−は−COO−または−OCO−で置換されていてもよい。
m、n、oおよびp:相互に独立して0または1である。
また、本発明は、下記工程1、工程2、工程3および工程4を備える、下記式(1)で表される化合物の製造方法も提供する。
工程1:下記式(5)で表される化合物をヒドロシリル化反応することにより、下記式(4)で表される化合物を得る工程。
工程2:得られた前記式(4)で表される化合物を、水素添加して下記式(3)で表される化合物を得る工程。
工程3:得られた前記式(3)で表される化合物を、酸化して下記式(2)で表される化合物を得る工程。
工程4:得られた前記式(2)で表される化合物を、アルキル化して下記式(1)で表される化合物を得る工程。
式中の記号は、以下の意味を示す。
:水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい。
、RおよびR:相互に独立して、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または炭素数6〜18のアリール基。
:炭素数1〜10のアルキル基。
、A、AおよびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
、Z、ZおよびZ:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。また、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよく、1つの−CHCH−は−COO−または−OCO−で置換されていてもよい。
m、n、oおよびp:相互に独立して0または1である。
また、本発明は、下記式(4)で表される化合物を提供する。
式中の記号は、前記と同じ意味を示す。
また、本発明は、下記式(3)で表される化合物も提供する。
式中の記号は、前記と同じ意味を示す。
本発明のシリル基を有する化合物は新規化合物である。また、シリル基を水酸基へ変換することが可能で、さらに、その水酸基を変換することで様々な液晶化合物へと変換できるので、液晶中間体として有用である。
さらに、本発明の製造方法に従えば、Δε負の機能発現環構造である2,2,3,3−テトラフルオロシクロヘキサン−1,4−ジイル基の片末端にアルコキシ基を有する液晶化合物類を容易に合成することができる。
以下に本発明についてさらに詳しく説明する。
本明細書において、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記し、他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書において、特に断りのない限り、式(1)におけるRに近いほうを常に1位とする。
また、本明細書の化合物において、−O−および/または−S−が連鎖することはない。
また、本明細書において、「Δεが負に大きい」とは、Δεが負であって、その絶対値が大きいことを意味する。つまり、Δεの値が−1と−2であれば、−2の方が「Δεが負に大きい」となる。
なお、本発明において、各式の実線で記載された結合は、全ての立体異性体を含むものである。
化合物(1)〜化合物(5)において、Rは前記と同じ意味を示す。
について、アルキル基中の1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換された基としては、フルオロアルキル基、クロロアルキル基等が挙げられる。アルキル基中の水素原子を置換するハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
アルキル基中のC−C間に−O−または−S−が挿入された基としては、アルコキシアルキル基またはアルキルチオアルキル基が挙げられ、基の結合末端に−O−または−S−が挿入された基としては、アルコキシ基またはアルキルチオ基が挙げられる。
アルキル基中の−CHCH−が、−CH=CH−または−C≡C−で置換された基としては、アルケニル基またはアルキニル基が挙げられる。
において、水素原子のフッ素原子への置換、C−C間または該基の結合末端への−O−または−S−の挿入、および−CHCH−の−CH=CH−または−C≡C−への置換は、同一のアルキル基に対して同時に行われていてもよい。
フッ素原子の置換と、−O−の挿入が同時に行われた基としては、フルオロアルコキシ基、フルオロアルコキシアルキル基が挙げられる。
−CH=CH−または−C≡C−の置換と、フッ素原子の置換が同時に行われた基としては、フルオロアルケニル基、フルオロアルキニル基が挙げられる。
−CH=CH−または−C≡C−の置換と、C−C間への−O−または−S−の挿入が同時に行われた基としては、アルケニルオキシアルキル基、アルキニルオキシアルキル基、アルケニルチオアルキル基、アルキニルチオアルキル基が挙げられる。
−CH=CH−または−C≡C−の置換と、基の結合末端に−O−または−S−が挿入された基としては、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルケニルチオ基、またはアルキニルチオ基が挙げられる。
さらに、フッ素原子の置換と、−CH=CH−または−C≡C−の置換と、−O−または−S−の挿入が同時に行われた基としては、フルオロアルケニルオキシ基、フルオロアルキニルオキシ基、フルオロアルケニルチオ基が挙げられる。
これらの基は、直鎖状と分岐状のどちらでもかまわないが直鎖状が好ましい。
は、上記のうちでも、反応性や副反応が生じにくいことから、フッ素原子または炭素数1〜18の以下に挙げる基が好ましい。
アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルオキシアルキル基、アルケニルチオ基、フルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基、フルオロアルコキシアルキル基、フルオロアルケニル基またはフルオロアルケニルチオ基。
中でも、Rとしては、炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルオキシアルキル基、フルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基、フルオロアルコキシアルキル基またはフルオロアルケニル基がより好ましく、炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基またはアルケニル基が特に好ましい。
化合物(3)および化合物(4)において、R、RおよびRは前記と同じ意味を示す。
中でもR、RおよびRとしては、それぞれ独立に、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはフェニル基が好ましく、シリル基を水酸基に変換する観点からは、塩素原子、フッ素原子または炭素数1〜4のアルコキシ基であることが特に好ましい。アルキル基およびアルコキシ基は直鎖でも、分岐でも、環状でもよい。また、フェニル基には置換基が付いていてもよい。
化合物(1)において、Rは前記と同じ意味を示す。
としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が特に好ましい。
化合物(1)〜化合物(5)において、A、A、AおよびAは前記と同じ意味を示す。
、A、AおよびAにおいても、水素原子のハロゲン原子への置換、=CH−の窒素原子への置換、および、−CH−の−O−または−S−への置換は、同一の基に対して同時に行われていてもよい。ハロゲン原子としては、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
、A、AおよびAが1,4−フェニレン基であり、さらに置換基としてハロゲン原子を有する場合、1つの1,4−フェニレン基に置換するハロゲン原子の数は1つから4つであるが、中でも1つまたは2つが好ましい。トランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、さらに置換基としてハロゲン原子を有する場合、ハロゲン原子の数は1つから4つであることが好ましい。また、ハロゲン原子はシクロヘキシレン基の1位または4位の炭素原子に結合していてもよい。
1,4−フェニレン基中の1つまたは2つの=CH−が窒素原子で置換された基としては、2,5−ピリミジニレン基または2,5−ピリジニレン基が挙げられる。
トランス−1,4−シクロへキシレン基中の1つまたは2つの−CH−が−O−または−S−で置換された基としては、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,3−ジチアン−2,5−ジイル基が挙げられる。
以下、ハロゲン原子および窒素原子の少なくとも1つで置換された1,4−フェニレン基を「置換1,4−フェニレン基」と記し、ハロゲン原子、−O−および−S−の少なくとも1つで置換された1,4−シクロヘキシレン基を「置換トランス−1、4−シクロヘキシレン基」と記す。
上記のうちでも、A、A、AおよびAとしては、反応性や原料入手の関係から、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、置換トランス−1,4−シクロへキシレン基、または置換1,4−フェニレン基が好ましい。
中でも、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、または基中の水素原子の1つまたは2つがフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基がより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基または1,4−フェニレン基が特に好ましい。
また、A、A、AおよびAの1つ以上が2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基や下記の環基であると、化合物のΔεが負により大きくなると考えられるため好ましい。
なお、A、A、AおよびAのいずれにおいても、Rに近い方を1位とする。
化合物(1)〜化合物(5)において、Z、Z、ZおよびZは、前記と同じ意味を示す。
なお、水素原子のフッ素原子への置換、−CH−の−O−または−S−への置換、および−CHCH−の−CH=CH−、−C≡C−、−COO−または−OCO−への置換は同一の基に対して同時に行われていてもよい。
基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキレン基としては、−CFCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CHFCH−、−CHCHF−、−CFCHF−、−CHFCF−等が挙げられる。
基中の1つ以上の−CH−が−O−または−S−で置換されたアルキレン基としては、−CHO−、−OCH−、−CHS−、−SCH−等が挙げられる。
また、基中の水素原子のフッ素原子への置換と、基中の−CH−の−O−への置換とが同時に行われた基としては、−CFO−、−OCF−等が挙げられる。
基中の1つ以上の−CHCH−が、−CH=CH−または−C≡C−で置換されたアルキレン基としては、アルケニレン基またはアルキニレン基が挙げられる。アルケニレン基またはアルキニレン基としては、−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−CH=CH−CH−CH−、−CH=CH−CH=CH−、−CH−CH=CH−CH−、−C≡C−、−C≡C−CH−、−C≡C−CH−CH−、−C≡C−C≡C−、−CH−C≡C−CH−等が挙げられる。また、−CH=CH−C≡C−のように、二重結合と三重結合が混在しても構わない。また、これらの基は逆向きでも構わない。
−CH=CH−または−C≡C−の置換と、フッ素原子の置換が同時に行われた基としては、−CF=CF−、−CF=CF−C≡C−等が挙げられる。
基中に1つの−CHCH−が、−COO−または−OCO−で置換された基としては、−COO−、−OCO−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−等が挙げられる。
また、Z、Z、ZおよびZが単結合である場合には、それぞれの基の両側に存在する基は直接結合することを意味する。例えば、Zが単結合でありmおよびnが1の場合はAとAとは直接結合する。また、Z、ZおよびZが単結合でありm、nおよびoが0であり、pが1である場合は、RとAとは直接結合する。Z、Z、ZおよびZにおいても同様である。
、Z、ZおよびZとしては、合成の容易さ等から、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。該基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよく、該基中の1つ以上の−CH−が−O−または−S−で置換されていてもよく、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい。
中でも、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFCF−、−CF=CF−−OCF−、−CFO−、−CHCHOCF−、−CFOCHCH−、−CF=CFCFO−または−OCFCF=CF−が好ましい。
特に、単結合、−CHCH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−OCF−または−CFO−が好ましい。
化合物(1)〜化合物(5)において、m、n、oおよびpは前記と同じ意味を示す。
なお、m、n、oおよびpは化合物の要求特性に応じて適宜選択することができる。
たとえば化合物(1)が低粘性であること、あるいは該化合物が他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れている点を重視する場合、0≦m+n+o+p≦1であることが好ましい。一方、化合物の高い液晶温度範囲を重視する場合、1≦m+n+o+p≦3であることが好ましい。
本発明の製造方法は、化合物(1)が、下記化合物(1−1)であり、化合物(2)が下記化合物(2−1)であり、化合物(3)が下記化合物(3−1)であり、化合物(4)が下記化合物(4−1)であり、化合物(5)が下記化合物(5−1)あることが好ましい。
式中の記号は、以下の意味を示す。
11:水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−で置換されていてもよい。
21、R31およびR41:相互に独立して、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはフェニル基。
51:炭素数1〜5のアルキル基。
11、A21、A31およびA41:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
11、Z21、Z31およびZ41:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい。
m、n、oおよびpは前記と同じ意味を示す。
本発明の製造方法は、化合物(1)が、下記化合物(1−2)であり、化合物(2)が下記化合物(2−2)であり、化合物(3)が下記化合物(3−2)であり、化合物(4)が下記化合物(4−2)であり、化合物(5)が下記化合物(5−2)あることがより好ましい。
式中の記号は、以下の意味を示す。
12:炭素数1〜10のアルキル基であり、該基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−で置換されていてもよい。
22、R32およびR42:相互に独立して、塩素原子、フッ素原子または炭素数1〜4のアルコキシ基。
52:炭素数1〜5のアルキル基。
12、A22、A32およびA42:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基または1つもしくは2つの水素原子がフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基。
12、Z22、Z32およびZ42:相互に独立して、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFCF−、−CF=CF−、−OCF−、−CFO−、−CHCHOCF−、−CFOCHCH−、−CF=CFCFO−または−OCFCF=CF−。
m、n、oおよびpは前記と同じ意味を示す。
本発明の製造方法は、下記工程1により、化合物(4)を得る方法である。
また、下記工程1、工程2、工程3および工程4を備える、化合物(1)の製造方法である。
工程1:化合物(5)を、ヒドロシリル化反応することにより化合物(4)を得る工程。
工程2:得られた化合物(4)を、水素添加して化合物(3)を得る工程。
工程3:得られた化合物(3)を、酸化して化合物(2)を得る工程。
工程4:得られた化合物(2)を、アルキル化して化合物(1)を得る工程。
上記化合物(5)は、例えば以下のように合成する事ができる。
ただし、記号は前記と同じ意味を示す。
すなわち、化合物(9)を酸化し、化合物(8)を得る。次に化合物(8)をアリルマグネシウムブロミドと反応させる事で化合物(7)を得る。化合物(7)を分子内閉環メタセシス反応で環化し、化合物(6)へと変換する。化合物(6)を脱水反応に供することにより、化合物(5)を得る。なお、化合物(9)は特許文献4など公知の方法で用意することができる。
[工程1]
化合物(5)をヒドロシリル化反応に供する事により化合物(4)を得る。
ヒドロシリル化反応は金属触媒を用いて溶媒中で実施するのが好ましい。
金属触媒としては白金系触媒、ロジウム系触媒、鉄系触媒、クロム系触媒、パラジウム系触媒、イリジウム系触媒、タングステン系触媒またはモリブデン系触媒等を用いることができる。
溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;石油エーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、パークレン等のハロゲン系溶媒等または前記溶媒の適当な混合溶媒を用いることができる。これらの中でも、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒が好ましい。
前記金属触媒としては、特にコバルトヘキサカルボニルが特に好ましく、その使用量は、化合物(5)1モルに対し、0.00001当量〜10当量用いるのが好ましく、0.001当量〜1当量用いるのがより好ましく、0.01〜0.2当量使用するのがさらに好ましい。
反応温度は0〜150℃が好ましく、10〜100℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜72時間が好ましく、1〜48時間がより好ましい。
[工程2]
化合物(4)を水素添加することにより化合物(3)を得る。
水素添加反応は溶媒中、不均一系触媒を用いて実施するのが好ましい。
使用することができる溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル等のエステル系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;石油エーテル類または前記溶媒の適当な混合溶媒等を用いることができる。これらの中でも、メタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、これらの溶媒の混合溶媒が好ましい。
化合物(3)の製造の際に使用できる不均一系触媒としてはパラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、ラネーニッケル、酸化白金などの遷移金属触媒類が挙げられる。
前記触媒の使用量は、化合物(4)の質量に対し、0.01〜1.0倍量使用するのが好ましく、0.1〜0.5倍使用するのがより好ましい。
反応温度は−50〜100℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜72時間が好ましく、0.1〜48時間がより好ましい。
[工程3]
化合物(2)は化合物(3)を酸化反応に処することにより得ることができる。
酸化反応は有機溶媒中で実施されるのが好ましい。
有機溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、石油エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、パークレン等のハロゲン系溶媒等または前記溶媒の適当な混合溶媒を用いることができるが、反応転化率の観点からN,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。
本反応に用いる酸化剤としては、過酸化水素水、m−クロロ過安息香酸等が挙げられるが、m−クロロ過安息香酸が好ましい。
さらに本反応では添加剤としてフッ素陰イオン源を加える。フッ素陰イオン源としてはNaF、KF、KHF、CsF等の金属フッ素化物、テトラブチルアンモニウムフルオリド等の有機アンモニウムフッ素化物等が挙げられるが、フッ化水素カリウムが好ましい。
前記酸化剤の使用量は、化合物(3)のモル数に対し、0.9〜5倍当量が好ましく、1.5〜3.0倍当量がより好ましい。
前記フッ素陰イオン源の使用量は、化合物(3)のモル数に対し、0.9〜5倍当量が好ましく、1.5〜2.5倍当量がより好ましい。
反応温度は−50〜100℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜72時間が好ましく、0.1〜24時間がより好ましい。
[工程4]
化合物(1)は化合物(2)をアルキル化することにより得ることができる。
アルキル化反応は溶媒中、塩基存在下、アルキルハライドと反応させることで進行する。
溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、石油エーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、パークレン等のハロゲン系溶媒等または前記溶媒の適当な混合溶媒を用いることができる。これらの中でも、テトラヒドロフランが好ましい。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、メチルリチウム、ブチルリチウム等の有機塩基、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基を用いることができるが、有機溶媒中で実施する場合は反応性の観点から有機塩基、水素化ナトリウムが好ましい。
アルキルハライドとしてはアルキルクロリド、アルキルブロミド、アルキルアイオダイドを用いることができるが、アルキルブロミド、アルキルアイオダイドが好ましく、アルキルアイオダイドがより好ましい。メチルアイオダイド、エチルアイオダイド、プロピルアイオダイド、ブチルアイオダイド、ペンチルアイオダイドが特に好ましい。
前記塩基の使用量は、化合物(2)のモル数に対し、0.9〜5倍当量が好ましく、1.0〜2.0倍当量がより好ましい。
前記アルキルハライドの使用量は、化合物(2)のモル数に対し、0.9〜30倍当量が好ましく、1〜15倍当量がより好ましい。
反応温度は−50〜100℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜72時間が好ましく、0.1〜12時間がより好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を例示しようとするものである。
[参考例1]
化合物(9−A)の合成
4-ブロモ-3,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン(0.621 g, 3.00 mmol)およびベンズアルデヒド(0.764 g, 7.20 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(6.0 mL)にアルゴン雰囲気下、-78 ℃で臭化リチウムを含まないメチルリチウム-ジエチルエーテル溶液(1.06 M, 6.8 mL)を滴下し、2時間撹拌した。撹拌後、反応液中を塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、溶液全体を酢酸エチルで3回抽出した。その後、反応混合物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、濾過および濃縮を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/酢酸エチル = 5/1)、化合物(9−A)を得た。(0.611 g, 2.61 mmol 収率87 %)
1H NMR (CDCl3) δ = 2.51 (s, 1H), 5.16 (dd, J = 16.66, 6.39 Hz, 1H), 5.66 (d, J = 11.47 Hz, 1H), 5.85 (dm, J = 17.38, 1H), 6.01 (ddt, J = 17.38, 11.47, 11.47 Hz, 1H), 7.39-7.47 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3) δ = 71.7-72.3 (m), 113.0 (q, J = 33.6 Hz), 115.0-116.0 (m), 117.6-118.5 (m), 123.4-123.6 (m), 126.9 (t, J = 24.00 Hz), 128.0, 128.4, 129.2, 135.2; 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -127.63 (dd, J = 274.01, 16.66, Hz, 1F), -120.10 (d, J = 274.01 Hz, 1F), -113.91 (dd, J = 263.61, 11.47 Hz, 1F), -112.98 (dd, J = 263.61, 12.03 Hz, 1F); IR (neat) 3423 (s), 3068 (m), 3037 (m), 2925 (m), 1958 (w), 1814 (w), 1707 (w), 1650 (m), 1496 (m), 1456 (m), 1420 (s), 1238 (s), 1180 (s), 1105 (vs), 1010 (s), 968 (s), 848 (m), 811 (m), 726 (s), 699 (s), 512 (vs), 407 (vs) cm-1: HRMS (FAB) Calcd for (M+) C11H10F4O: 234.0668, Found 234.0667.
[参考例2]
化合物(8−A)の合成
前記と同様にして得た化合物(9−A)(1.16 g, 5.00 mmol)のアセトニトリル溶液(20 mL)に90 ℃でOxone(R) (2KHSO5・KHSO4・K2SO4, 2.77 g, 4.51 mmol)およびo-ヨードベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.077 g, 0.025 mmol)を加え、16時間撹拌した。反応溶液の温度を室温まで下げ、反応液をシリカゲルで濾過し濃縮を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/酢酸エチル = 5/1)、化合物(8−A)を得た。(1.14 g, 0.491 mmol, 収率98%)
1H NMR (CDCl3) δ = 5.76 (d, J = 10.35 Hz, 1H), 5.93 (dt, J = 17.58, 2.40 Hz, 1H), 6.06-6.19 (m, 1H), 7.50-7.54 (m, 2H), 7.67 (t, J = 7.59 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 6.45 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ = 112.3 (tt, J = 264.5, 36.3 Hz), 115.0 (tt, J = 250.4, 31.4 Hz), 125.1 (t, J = 12.0 Hz), 126.6 (t, J = 24.0 Hz), 129.1, 130.6 (m), 132.6 (m), 135.2, 186.4 (t, J = 26.4 Hz); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -114.76 (s, 2F), -113.90 (d, J = 12.03 Hz, 2F); IR (neat) 3389 (w), 3066 (w), 2929 (w), 1704 (s), 1599 (m), 1579 (w), 1450 (m), 1421 (m), 1308 (m), 1239 (m), 1153 (s), 1113 (s), 1035 (m), 1012 (m), 965 (m), 882 (m), 848 (m), 781 (w), 714 (m), 687 (m), 446 (vs) cm-1; HRMS (FAB) Calcd for (M+H) C11H9F4O: 233.0590, Found 233.0595.
[参考例3]
化合物(7−A)の合成
前記と同様にして得た化合物(8−A)(0.950 g, 4.09 mmol)のジエチルエーテル溶液(10 mL)に、アルゴン雰囲気下、-78 ℃でアリルマグネシウムブロミド-ジエチルエーテル溶液(1.0 M, 4.9 mL)を滴下し、2時間撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、溶液全体を酢酸エチルで3回抽出した。その後、反応混合物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過および濃縮を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/酢酸エチル = 5/1)、化合物(7−A)を得た。(0.875 g, 3.19 mmol, 収率78%)
1H NMR (CDCl3) δ = 2.54 (s, 1H), 2.98 (ddd, J = 54.35, 14.19, 7.99 Hz, 1H), 5.15-5.23 (m, 2H), 5.38-5.47 (m, 2H), 5.63 (dt, J = 17.58, 2.40 Hz, 1H), 5.78-5.92 (m, 1H), 7.31-7.39 (m, 3H), 7.53 (d, J -= 7.59 Hz 2H); 13C NMR (CDCl3) δ = 41.2-41.3 (m), 116.1 (tt, J = 251.7, 33.0 Hz), 117.0 (tt, J = 261.0, 30,9 Hz), 117.3 (t, J = 111.5 Hz), 121.9, 122.1-122.3 (m), 127.0, 128.3 (t, J = 23.9 Hz), 128.4, 128.5, 131.4, 138.2; 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -122.33 (s, 2F), -111.64 (dd, J = 260.80, 12.41 Hz, 1F), -109.27 (dd, J = 260.80, 12.03 Hz, 1F); IR (neat) 3551 (w), 3065 (w), 2983 (w), 1641 (w), 1497 (w), 1497 (w), 1499 (m), 1419 (m), 1362 (w), 1235 (m), 1171 (m), 1116 (s), 1071 (m), 1002 (m), 979 (m), 893 (w), 765 (w), 714 (m), 439 (vs) cm-1; HRMS (FAB) Calcd for (M+Na) C14H14F4NaO: 297.0878, Found 297.0883.
[参考例4]
化合物(6−A)の合成
前記と同様にして得た化合物(7−A)(0.488 g, 1.87 mmol)の塩化メチレン溶液(9.0 mL)にアルゴン雰囲気下、室温でグラブス第2世代触媒(0.013 g, 0.019 mmol)を加え、16時間撹拌した。反応溶液をシリカゲルで濾過し濃縮を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/酢酸エチル = 3/1)、化合物(6−A)を得た。(0.369 g, 1.50 mmol, 収率84%)
1H NMR (CDCl3) δ = 2.60 (s, 1H), 2.63-3.12 (m, 2H), 5.94-5.97 (m, 1H), 6.26-6.31 (m, 1H), 7.40-7.46 (m, 3H), 7.62 (d, J = 7.19 Hz, 2H); 13C NMR (CDCl3) δ = 38.9, 75.5 (t, J = 25.7 Hz), 110.0-118.0 (m), 121.3-121.9 (m), 126.8-126.9 (m), 128.8, 129.2 134.6 (t, J = 10.7 Hz), 137.6; 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -138.09 (d, J = 261.83 Hz, 1F), -121.33 (dd, J = 261.83, 12.41 Hz, 1F), -116.95 (d, J = 285.61 Hz, 1F), -110.46 (d, J = 285.61 Hz, 1F); IR (KBr) 3560 (m), 3474 (m), 3087 (w), 3006 (w), 2926 (w), 1660 (m), 1496 (m), 1449 (m), 1430 (m), 1394 (s), 1357 (w), 1326 (m), 1225 (m), 1177 (s), 1132 (vs), 1089 (vs), 948 (m), 903 (m), 863 (s), 755 (s), 703 (s), 634 (m), 605 (w), 548 (m), 526 (m), 500 (m) cm-1; HRMS (FAB) Calcd for (M+) C12H10F4O: 246.0668, Found 246.0665.
[参考例5]
化合物(5−A)の合成
前記と同様にして得た化合物(6−A)(1.52 g, 6.19 mmol)のピリジン溶液(35 mL)に、アルゴン雰囲気下、90 ℃でオキシ塩化リン(2.85 g, 1.86 mmol)を加え、16時間撹拌した。反応溶液を水に注ぎ、溶液全体を酢酸エチルで3回抽出した。その後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過および濃縮を行った後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/酢酸エチル = 5/1)、化合物(5−A)を得た。(1.27 g, 5.77 mmol, 収率90%)
1H NMR (CDCl3) δ = 6.05-6.11 (m, 1H), 6.35 (d, J = 5.99 Hz, 1H), 6.41 (dd, J = 9.59, 5.99 Hz, 1H), 7.40-7.57 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3) δ = 112.8 (tt, J = 250.1, 27.3 Hz), 113.4 (tt, J = 253.0, 26.5 Hz), 123.1 (t, J = 25.8 Hz), 125.2-125.3 (m), 127.3, 128.6, 129.2, 129.9 (tt, J = 11.7, 2.5 Hz), 132.7, 136.7 (tt, J = 22.3, 2.5 Hz); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -122.41 (d, J = 4.89 Hz, 2F), -121.94 (d, J = 6.39 Hz, 2F); IR (KBr) 3444 (m), 3086 (m), 3071 (m), 3023 (m), 1577 (m), 1497 (m), 1448 (m) ,1400 (s), 1362 (m), 1304 (m), 1245 (s), 1196 (vs), 1171 (vs) cm-1: HRMS (FAB) Calcd for (M+) C12H8F4: 228.0562, Found 228.0565.
[実施例1]
化合物(4−A)の合成
前記と同様にして得た化合物(5−A)(1.05 g, 4.58 mmol)の1,2-ジクロロエタン溶液(23 mL)に、アルゴン雰囲気下、ジメトキシメチルシラン(0.738 g, 5.50 mmol)および二コバルトオクタカルボニル(0.087 g, 0.260 mmol)を加え、還流条件下で、3時間撹拌した。反応溶液の温度を室温まで下げ、反応液をシリカゲルで濾過し濃縮を行った。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/酢酸エチル = 5/1)、化合物(4−A)が得られた。(3.51 g, 9.48 mmol, 19F NMR収率90%)
1H NMR (CDCl3) δ = 0.18 (s, 3H), 1.25 (t, J = 6.79 Hz, 3H), 1.26 (t, J = 6.79 Hz, 3H), 1.94-2.12 (m, 1H), 2.54-2.68 (m, 2H), 3.82-3.88 (m, 4H), 6.35 (dd, J = 7.19, 4.00 Hz, 1H), 7.31-7.46 (m, 5H); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -129.57 (dt, J = 275.55, 14.48 Hz, 1F), -117.48 to -117.72 (m, 2F), -96.43 (d, J = 275.55 Hz, 1F); IR (neat) 2977 (vs), 2927 (s), 2896 (s), 1498 (m), 1431 (s), 1369 (s), 1350 (m), 1263 (vs), 1225 (vs), 1172 (vs), 1011 (vs), 961 (s), 932 (s), 873 (vs), 855 (s), 807 (s), 761 (vs), 698 (vs), 674 (s), 638 (s) cm-1: HRMS (FAB) Calcd for (M+H) C17H23F4O2Si: 363.1403, Found 363.1397.
[参考例6]
化合物(9−B)の合成
4-ブロモ-3,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン (0.23 g, 1.1 mmol) および 4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ベンズアルデヒド (0.55 g, 2.4 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (2.0 mL) に、アルゴン雰囲気下、-78 ℃で、臭化リチウムを含まないメチルリチウム・ジエチルエーテル溶液 (1.0 M, 2.2 mL) を滴下し、2時間撹拌した。その後、反応溶液中に飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、反応を停止させた。反応溶液を、酢酸エチルで3回抽出操作を行い、得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥後、濾過を行い、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。その後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し (ヘキサン/酢酸エチル = 7/1)、化合物(9−B)を得た。(0.32 g, 0.88 mmol 収率81 %)
1H NMR (CDCl3) δ = 0.92 (t, J = 7.39 Hz, 3H), 1.02-1.12 (m, 2H), 1.21-1.52 (m, 7H), 1.87-1.93 (m, 4H), 2.46-2.54 (m, 2H), 5.07-5.14 (m, 1H), 5.65 (d, J = 10.79 Hz, 1H), 5.83-5.87 (m, 1H), 5.95-6.08 (m, 1H), 7.24 (d, J = 8.19 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 8.19 Hz, 2H); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -129.97 (dd, J = 273.30, 17.11 Hz, 1F), -120.02 (dt, J = 273.30, 6.02 Hz, 1F), -114.11 (dd, J = 263.52, 12.31 Hz, 1F), -113.04 (dd, J = 263.52, 12,31 Hz, 1F).
[参考例7]
化合物(8−B)の合成
前記と同様にして得た化合物(9−B)(0.25 g, 0.70 mmol) のアセトニトリル溶液 (7.0 mL) に、90 ℃でOxone(R) (2KHSO5・KHSO4・K2SO4, 0.38 g, 0.62 mmol) およびo-ヨードベンゼンスルホン酸ナトリウム (0.021 g, 0.069 mmol) を加え、16時間撹拌した。その後、反応溶液の温度を室温まで下げ、反応溶液をシリカゲルで濾過し、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し (ヘキサン/酢酸エチル = 20/1)、化合物(8−B)を得た (0.17 g, 0.49 mmol, 収率70%)。
1H NMR (CDCl3) δ = 0.91 (t, J = 7.39 Hz, 3H), 1.00-1.12 (m, 2H), 1.20-1.52 (m, 7H), 1.89-1.91 (m, 4H), 2.56 (tt, J = 12.19, 3.20 Hz, 1H), 5.72 (d, J = 10.79 Hz, 1H), 5.94 (dt, J = 16.79, 2.40 Hz, 1H), 6.06-6.19 (m, 1H), 7.34 (d, J = 8.39 Hz, 2H), 8.03 (d, J = 8.39 Hz, 2H) ; 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -114.68 (s, 2F), -113.97 (d, J = 12.03 Hz, 2F).
[参考例8]
化合物(7−B)の合成
前記と同様にして得た化合物(8−B)(1.21 g, 3.38 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (13.5 mL) に、アルゴン雰囲気下、-78 ℃で、アリルマグネシウムブロミド・ジエチルエーテル溶液 (1.0 M, 4.1 mL) を滴下し、2時間撹拌した。その後、反応溶液中に、飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、反応を停止させた。反応溶液を酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、濾過を行い、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し (ヘキサン/酢酸エチル = 10/1)、化合物(7−B)が得られた (1.28 g, 3.22 mmol, 収率95%)。
1H NMR (CDCl3) δ = 0.97 (t, J = 7.19 Hz, 3H), 1.07-1.17 (m, 2H), 1.26-1.57 (m, 7H), 1.92-1.98 (m, 4H), 2.54 (tt, J = 12.00, 3.20 Hz, 1H), 2.63 (s, 1H), 2.95 (dd, J = 14.19, 8.79 Hz, 1H), 3.09 (dd, J = 14.19, 5.79 Hz, 1H), 5.18-5.30 (m, 2H), 5.44-5.53 (m, 2H), 5.63-5.68 (m, 1H), 5.84-5.88 (m, 1H), 7.25 (d, J = 8.19 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.19 Hz, 2H); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -120.40 (s, 2F), -111.97 (dd, J = 260.98, 12.03 Hz, 1F), -109.01 (dd, J = 260.98, 8.46 Hz, 1F).
[参考例9]
化合物(6−B)の合成
前記と同様にして得た化合物(7−B)(0.75 g, 1.87 mmol) の塩化メチレン溶液 (18.0 mL) に、アルゴン雰囲気下、室温で、グラブス第2世代触媒 (0.047 g, 0.040 mmol) を加え、16時間撹拌した。その後、反応溶液をシリカゲルで濾過し、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し (ヘキサン/酢酸エチル = 7/1)、化合物(6−B)を得た (0.69 g, 1.86 mmol, 収率quant.)。
1H NMR (CDCl3) δ = 0.83 (t, J = 7.39 Hz, 3H), 0.93-1.03 (m, 2H), 1.11-1.43 (m, 7H), 1.78-1.84 (m, 4H), 2.41 (tt, J = 12.19, 3.20 Hz, 1H), 2.52-2.58 (m, 2H), 2.96-3.01 (m, 1H), 5.84 (m, 1H), 6.16-6.20 (m, 1H), 7.18 (d, J = 6.59 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 6.59 Hz, 2H); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -138.19 (d, J = 261.23 Hz, 1F), -121.19 (dd, J = 261.23, 12.22 Hz, 1F), -116.96 (d, J = 286.74 Hz, 1F), -100.38 (d, J = 286.74 Hz, 1F).
[参考例10]
化合物(5−B)の合成
前記と同様にして得た化合物(6−B) (2.29 g, 6.19 mmol) のピリジン溶液 (60 mL) に、アルゴン雰囲気下、オキシ塩化りん (2.85 g, 18.6 mmol) を加え、90 ℃で16時間撹拌した。その後、反応溶液中に水を注ぎ、反応を停止させた。反応溶液を、酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、濾過を行い、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し (ヘキサン/酢酸エチル = 5/1)、化合物(5−B)を得た (1.83 g, 5.20 mmol, 収率93%)。
1H NMR (CDCl3) δ = 0.85-0.95 (m, 3H), 1.00-1.10 (m, 2H), 1.19-1.51 (m, 7H), 1.85-1.92 (m, 4H), 2.49 (tt, J = 12.18, 3.26 Hz, 1H), 6.01-6.06 (m, 1H), 6.32 (d, J = 5.60 Hz, 1H), 6.39 (dd, J = 9.79, 5.60 Hz, 1H) 7.24 (d, J = 7.99 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 7.99 Hz, 2H); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -122.30 (d, J = 4.89 Hz, 2F), -121.40 (d, J = 7.14 Hz, 2F).
[実施例2]
化合物(4−B)、化合物(3−B)、化合物(2−B)の合成
前記と同様にして得た化合物(5−B)(5.59 g, 15.9 mmol) の1,2-ジクロロエタン溶液 (80.0 mL) に、アルゴン雰囲気下、ジエトキシメチルシラン (2.56 g, 19.1 mmol) および二コバルトオクタカルボニル (0.27 g, 0.80 mmol) を加え、還流条件下で、3時間撹拌した。その後、反応溶液の温度を室温まで下げ、反応溶液をシリカゲルで濾過し、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を、酢酸エチル (160 mL) に溶解させ、水素雰囲気下、室温で、パラジウム炭素 (Pd/C, 10 wt%, 1.69 g) を加え、16時間撹拌した。その後、反応溶液をシリカゲルで濾過し、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をN,N-ジメチルホルムアミド (160 mL) に溶解し、アルゴン雰囲気下、室温で、フッ化水素カリウム (2.48 g, 31.8 mmol) およびメタクロロ過安息香酸 (77% included, 8.91 g, 39.8 mmol) を加え、3時間撹拌した。その後、反応溶液中に水酸化ナトリウム水溶液を注ぎ、ジエチルエーテルで3回抽出操作を行った。得られた有機層は無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、濾過を行い、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し (ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)、化合物(2−B)のシス体およびトランス体を得た (3.51 g, 9.48 mmol, 収率60%, シス:トランス = 72 : 28)。
cis-isomer ; 1H NMR (CDCl3) δ = 0.96 (t, J = 7.19 Hz, 3H), 1.05-1.15 (m, 2H), 1.24-1.54 (m, 7H), 1.83-1.97 (m, 6H), 2.15-2.18 (m, 1H), 2.38 (m, 1H), 2.50-2.53 (m, 2H), 3.15-3.27 (m, 1H), 4.33-4.34 (m, 1H), 7.25 (d, J = 7.99 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 7.99 Hz, 2H); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ= -134.25 to -133.46 (dm, J = 268.50 Hz, 1F), -122.79 (dddd, J = 259.10, 30.08, 16.92, 12.03 Hz, 1F), -120.68 (d, J = 259.10 Hz, 1F), -119.04 (d, J = 268.50 Hz, 1F)
trans-isomer ; 1H NMR (CDCl3) δ= 0.91 (t, J = 6.79 Hz, 3H), 1.00-1.11 (m, 2H), 1.19-1.50 (m, 7H), 1.68-1.79 (m, 1H), 1.86-2.05 (m, 6H), 2.17-2.22 (m, 2H), 2.47 (tt, J = 12.39, 3.20 Hz, 1H), 3.09-3.23 (m, 1H), 4.05-4.17 (m, 1H), 7.19-7.24 (m, 4H); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ= -135.70 to -134.96 (dm, J = 247.06 Hz, 1F), -134.21 to -133.41 (dm, J = 247.06 Hz, 1F), -125.88 to -125.04 (m, 1F), -123.12 (dt, J = 258.72, 15.04 Hz, 1F).
[実施例3]
化合物(1−B)の合成
前記と同様にして得たトランス体の化合物(2−B)(0.11 g, 0.28 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (1.5 mL) に、アルゴン雰囲気下、0 ℃で、水素化ナトリウム (60% included, 0.013 g, 0.33 mmol) を加え、30分撹拌した。続いてヨウ化メチル (0.40 g, 2.84 mmol) を滴下し、6時間撹拌した。その後、反応溶液中に、飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、反応を停止させた。得られた反応溶液を、ジエチルエーテルで3回抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、濾過を行い、得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し (ヘキサン/酢酸エチル = 5/1)、化合物(1−B)が得られた (0.10 g, 0.26 mmol, 収率92%)。
1H NMR (CDCl3) δ = 0.93 (t, J = 7.19 Hz, 3H), 1.01-1.12 (m, 2H), 1.21-1.52 (m, 7H), 1.65-1.75 (m, 1H), 1.88-1.99 (m, 6H), 2.17-2.23 (m, 1H), 2.49 (tt, J = 12.39, 3.20 Hz, 1H), 3.09-3.21 (m, 1H), 3.59-3.73 (m, 4H), 7.20-7.25 (m, 4H); 19F NMR (CDCl3, CFCl3) δ = -133.26 (dt, J = 249.70, 13.91 Hz, 1F), -131.50 (ddt, J = 249.70, 16.17, 14.67 Hz, 1F), -125.33 (ddt, J = 257.60, 29.33, 12.41 Hz, 1F), -123.40 (dt, J = 257.60, 13.91 Hz, 1F).
本発明のシリル基を有する化合物である化合物(4)および化合物(3)は新規化合物であり、シリル基を水酸基へ変換することが可能である。さらに、その水酸基を変換することで様々な液晶化合物へと変換できるので、液晶中間体として有用である。また、本発明のシリル基を有する新規化合物の製造方法は新規であり、シリル基を変換し、液晶化合物へ導く製造法も新規である。本発明の製造方法により、液晶化合物として有用な化合物(1)を容易に製造することができる。

Claims (4)

  1. 下記式(5)で表される化合物をヒドロシリル化反応により下記式(4)で表される化合物とすることを特徴とする、下記式(4)で表される化合物の製造方法。
    式中の記号は、以下の意味を示す。
    :水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい。
    、RおよびR:相互に独立して、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または炭素数6〜18のアリール基。
    、A、AおよびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
    、Z、ZおよびZ:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。また、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよく、1つの−CHCH−は−COO−または−OCO−で置換されていてもよい。
    m、n、oおよびp:相互に独立して0または1である。
  2. 下記工程1、工程2、工程3および工程4を備える、下記式(1)で表される化合物の製造方法。
    工程1:請求項1に記載の製造方法により、下記式(4)で表される化合物を得る工程。
    工程2:得られた前記式(4)で表される化合物を、水素添加して下記式(3)で表される化合物を得る工程。
    工程3:得られた前記式(3)で表される化合物を、酸化して下記式(2)で表される化合物を得る工程。
    工程4:得られた前記式(2)で表される化合物を、アルキル化して下記式(1)で表される化合物を得る工程。
    式中の記号は、以下の意味を示す。
    :水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい。
    、RおよびR:相互に独立して、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または炭素数6〜18のアリール基。
    :炭素数1〜10のアルキル基。
    、A、AおよびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
    、Z、ZおよびZ:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。また、1つ以上の−CHCH−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよく、1つの−CHCH−は−COO−または−OCO−で置換されていてもよい。
    m、n、oおよびp:相互に独立して0または1である。
  3. 下記式(4)で表される化合物。
    式中の記号は、請求項1に記載したものと同じ意味を示す。
  4. 下記式(3)で表される化合物。
    式中の記号は、請求項2に記載したものと同じ意味を示す。
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