JP2006151864A - ジフルオロクロマン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 誘電率異方性が負であってその絶対値が大きい単環性液晶化合物を提供することであり、当該化合物を含有する液晶組成物及び、この液晶組成物により構成される液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 一般式(1)
【化1】
Figure 2006151864

で表されるクロマン誘導体及びこれを含む液晶組成物及びこれを用いた表示素子を提供する。当該化合物を用いた液晶組成物は、誘電率異方性の絶対値が大きく、垂直配向方式、IPS等の液晶表示素子の構成部材として有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は電気光学的液晶表示材料として有用な、ジフルオロクロマン誘導体及びそれを含有する液晶組成物、さらにそれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、低電圧作動、薄型表示等の優れた特徴から現在広く用いられている。従来の液晶表示素子の表示方式にはTN(ねじれネマチック)、STN(超ねじれネマチック)、又はTNをベースにしたアクティブマトリックス(TFT:薄膜トランジスタ)等があり、これらは誘電率異方性値が正の液晶組成物を利用するものである。しかし、これら表示方式の欠点の一つとして視野角の狭さがあり、近年高まっている液晶パネルの大型化の要求に伴い、その改善が大きな課題となっている。
この解決策として近年、垂直配向方式、IPS(インプレインスイッチング)等の表示方式が新たに実用化されてきた。垂直配向方式は液晶分子の垂直配向を利用して視野角の改善を図った方式であり、誘電異方性値が負の液晶材料が使用される。またIPSは、ガラス基板に対して水平方向の横電界を用いて液晶分子をスイッチングさせることで視野角の改善を図った方法であり、誘電異方性値が正又は負の液晶材料が使用される。このように、視野角改善のために有効な表示方式である垂直配向方式及びIPSには誘電率異方性値が負である液晶材料が必要であり、強く要望されるようになってきた。
ところで、すべての表示方式にて用いられる液晶材料は、適切な誘電異方性値のみならず、その他の特性、例えば屈折率異方性値、弾性定数比といった諸物性も適切に調整されている必要があり、さらに適切な液晶相発現温度範囲を持ち、低温においても低粘度であることなどが要求される。これまで公知の液晶化合物の中で、単独でこれらの条件を全て満たすものはなかった。従って、通常液晶材料は、数種類から二十数種類の液晶相を有する化合物及び必要により更に数種類の液晶相を有しない化合物を混合して調製されている。通常の液晶材料には環構造を2〜4つ含む、いわゆる2環性、3環性及び4環性の液晶性化合物(特許文献1及び2参照)が用いられてきたが、環構造を一つしか有さない化合物に関しては液晶化合物としての応用例は少なかった。
環構造を一つ有する化合物に関して縮合環系の化合物としては、一つのナフタレン環を有する化合物(特許文献3参照)について報告されている。しかし、ここで報告された化合物は誘電率異方性が0に近い非極性の液晶化合物であり、誘電率異方性が負であって絶対値の大きい化合物に関しては知られていなかった。又、一つのみのクロマン環を有する液晶化合物については全く知られていなかった。
一方、液晶化合物においては、環の数が増加するに従って概して製造工程が複雑となる。それに加え、一般に環の数が増加するに従って、化合物の粘度は上昇するという問題も有していた。一方、環構造が1つである単環性の化合物は、2〜4環性の液晶化合物に比べて製造工程は複雑ではなく、粘度も低いと予想されるが、前述のように液晶材料への応用例は非極性化合物に限られ、負の誘電率異方性を有する液晶化合物に関してはほとんど知られておらず、開発が遅れていた。
独国特許出願公開第3906019号 独国特許出願公開第19522145号 特開平11−335307号公報
誘電率異方性が負であってその絶対値が大きい単環性液晶化合物を提供することであり、それを含有する液晶組成物及び表示素子を提供することである。
本発明者は、ジフルオロクロマン誘導体及びこれを用いたネマチック液晶組成物、表示素子を検討した結果、本件発明を完成するに至った。
本発明は、一般式(1)
Figure 2006151864
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数2〜10のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はOに置換されても良い。)を表し、A1及びA2はそれぞれ独立的に-CH=CH-、-OCH2-、-OCO-または単結合を表す。)
で表されるジフルオロクロマン誘導体を提供する。
また、それを含む液晶組成物及び表示素子もあわせて提供する。
本発明の単環性液晶化合物は誘電率異方性が負であってその絶対値が大きく、粘度が低いという特徴を有し、これを用いた表示素子は垂直配向方式、IPS等向けの液晶組成物の構成部材として有用である。また、本発明の液晶組成物は誘電率異方性が負であってその絶対値が大きい特徴を有し、これを用いた表示素子は垂直配向方式、IPS等の液晶表示素子として有用である。
一般式(1)において、R1及びR2は炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましい。A1及びA2は-OCH2-、-OCO-及び単結合が好ましい。
本発明において、一般式(1)の化合物について、製造例を以下に挙げる。勿論本発明の主旨、及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。
(製法1)一般式(2)
Figure 2006151864
(式中、R1及びA1は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるベンゼン誘導体に対し、ハロゲン基を導入して一般式(3)
Figure 2006151864
(式中、R1及びA1は一般式(1)と同じ意味を表し、X1はハロゲンを表す。)で表されるベンゼン誘導体を得る。このときX1は塩素、臭素及びよう素が好例として挙げられるが、よう素がより好ましい。
得られた一般式(3)の化合物に、一般式(4)
Figure 2006151864
(式中、R2及びA2は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるアセチレン誘導体をカップリング反応させ、一般式(5)
Figure 2006151864
(式中、R1、R2、A1及びA2は一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表されるアセチレン誘導体を得る。
得られた一般式(5)の化合物を水素添加して、一般式(6)
Figure 2006151864
(式中、R1、R2、A1及びA2は一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表されるアルコール誘導体を得る。
得られた一般式(6)の化合物に塩基を反応させ、一般式(7)
Figure 2006151864
(式中、R1、R2、A1及びA2は一般式 (1)と同じ意味を表し、M1はリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属等の金属を表す。)で表されるアルコラートを得る。
得られた一般式(7)の化合物をを分子内で置換反応させることにより、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。本反応は一般式(7)で表されるアルコラートの生成反応と同一系内で行なうことが好ましい。
(製法2)
一般式(3)で表される化合物と3-メチル-1-ブチン-3-オールをカップリング反応させて一般式(8)
Figure 2006151864
(式中、R1及びA1は一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。
得られた一般式(8)で表される化合物に塩基を作用させて一般式(9)
Figure 2006151864
(式中、R1及びA1は一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。
得られた一般式(9)で表される化合物のアセチリドを調製した後一般式(10)
Figure 2006151864
(式中、R2及びA2は一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表されるアルデヒド化合物と反応させることにより、一般式(5)で表される化合物を得たのち、製法1で記載した経路と同一の方法により一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
(製法3)
1,2,3-トリフルオロベンゼンを出発原料として、製法1または製法2と同様の反応を行うことで、一般式(11)
Figure 2006151864
(式中、R2及びA2は一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表されるクロマン誘導体を得る。
得られた一般式(11)の化合物を酸化することで一般式(12)
Figure 2006151864
(式中、R2及びA2は一般式 (1)と同じ意味を表す。)で表されるクロマン誘導体を得る。
得られた一般式(12)の化合物に塩基を反応させ、一般式(13)
Figure 2006151864
(式中、R2及びA2は一般式 (1)と同じ意味を表し、M1は一般式(17)と同じ意味を表す。) で表されるフェノラートを得る。
得られた一般式(13) の化合物に一般式(14)
Figure 2006151864
(式中、R1は一般式(1)と同じ意味を表し、X2は塩素、臭素、よう素、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基又はトリフルオロメタンスルホニル基を表す。)で表される化合物を反応させることで、一般式(15)
Figure 2006151864
(式中、R1、R2及びA2は一般式(1)と同じ意味を表す。) で表されるクロマン誘導体を得ることができる。
(製法4)
一般式(12)の化合物と一般式(16)
Figure 2006151864
(式中、R1は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物と脱水縮合することにより、一般式(17)
Figure 2006151864
(式中、R1、R2及びA2は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることができる。
(製法5)
一般式(11)の化合物をリチオ化した後一般式(18)
Figure 2006151864
(式中、R1は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるアルデヒド化合物と反応させることにより一般式(19)
Figure 2006151864
(式中、R1、R2及びA2は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるアルコール化合物を得る。得られた一般式(19)の化合物を脱水することにより一般式(20)
Figure 2006151864
(式中、R1、R2及びA2は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるクロマン化合物を得ることができる。
得られた一般式(20)の化合物を水素添加することにより一般式(21)
Figure 2006151864
(式中、R1、R2及びA2は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるクロマン化合物を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)等により確認した。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
化合物記載に下記の略号を使用する。
THF :テトラヒドロフラン
DMF :N, N-ジメチルホルムアミド
Me :メチル基
Et :エチル基
Pr :プロピル基
Bu :ブチル基
Ac :アセチル基
Hep :ヘプチル基
Pen :ペンチル基
Ph :フェニル基
Hex :ヘキシル基
p-TsOH :p-トルエンスルホン酸
WSC :N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
(実施例1)7,8-ジフルオロ-6-ヘプトキシ-2-ペンチルクロマン(Ia)の合成
Figure 2006151864
(1-1) 2,3,4-トリフルオロ-1-(3-ヒドロキシ-1-オクチニル)ベンゼンの合成
窒素置換下、反応容器に2,3,4-トリフルオロブロモベンゼン355 gを取り、DMF 710 mLに溶解した。そこへトリエチルアミン355 mL、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 8.8 g及びよう化銅(I) 5.8 gを加えた。内温80 85℃で1-オクチン-3-オール193 gを滴下し、さらに6時間攪拌した。水を加えて有機層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水、10%塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー及び減圧蒸留(1.5 3.0 mmHg / 146 155℃)で精製し、薄褐色油状物質として2,3,4-トリフルオロ-1-(3-ヒドロキシ-1-オクチニル)ベンゼン258 gを得た。
(1-2) 2,3,4-トリフルオロ-1-(3-ヒドロキシ-1-オクチル)ベンゼンの合成
2,3,4-トリフルオロ-1-(3-ヒドロキシ-1-オクチニル)ベンゼン258 gを酢酸エチル850 mLに溶解し、5%パラジウム炭素(50%含水品)10 gを加えた。これを室温、水素圧0.1 0.5 MPaで5時間攪拌した。触媒をろ別した後溶媒を減圧留去し、淡黄色油状物質として2,3,4-トリフルオロ-1-(3-ヒドロキシ-1-オクチル)ベンゼン260 gを得た。
(1-3) 7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマンの合成
窒素置換下、反応容器に水素化ナトリウム(60%)25.8 gを取り、DMF 100 mLに懸濁させた。内温40 60℃で2,3,4-トリフルオロ-1-(3-ヒドロキシ-1-オクチル)ベンゼン140 gのDMF(1.3 L)溶液を滴下し、さらに1時間攪拌した。反応混合物を水にあけ、10%塩酸で中和した。これをヘキサンで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣を減圧蒸留(0.7 0.8 mmHg / 80 118℃)及びカラムクロマトグラフィーで精製し、ほぼ無色油状物質として7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマン97gを得た。
(1-4) 7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマン-6-オールの合成
窒素置換下、反応容器に7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマン100 gを取り、THF 1 Lに溶解した。内温-40℃以下でブチルリチウム(2.44 M in hexane)188 mLを滴下し、さらに内温-40〜-55℃で4時間攪拌した。内温-40℃以下で、ほう酸トリメチル52 gを滴下し、30分撹拌後-10℃まで昇温した。酢酸36 mLを加えた後、30%過酸化水素水71 mLを滴下し、内温20 40℃で2時間攪拌した。反応溶液を水にあけて有機層を分取し、水層をトルエンで抽出した。有機層を合わせ、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣を再結晶により精製し、ほぼ無色固体として7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマン-6-オール85 gを得た。
(1-5) 7,8-ジフルオロ-6-ヘプトキシ-2-ペンチルクロマン(Ia)の合成
反応容器に7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマン-6-オール10 g、1-ブロモヘプタン8.4 g、炭酸カリウム8.1 g、及びメチルエチルケトン50 mLを入れ、3時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残渣にヘキサン及びトルエンを加えて不溶物をろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、残渣を再結晶、カラムクロマトグラフィーにより精製し、無色結晶として7,8-ジフルオロ-6-ヘプトキシ-2-ペンチルクロマン(Ia)7.3 gを得た。
MS m/z : 354 (M+), 55 (100)
相転移温度 C 33.5 I
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)
δ: 0.89 (t, J = 6.8 Hz, 3 H), 0.91 (t, J = 6.4 Hz, 3 H), 1.2 1.8 (m, 19 H), 1.9 2.1 (m, 1 H), 2.6 2.8 (m, 2 H) 3.93 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 3.9 4.0 (m, 1 H), 6.39 (d, J = 7.6 Hz, 1 H)
(実施例2)7,8-ジフルオロ-6-ヘキシル-2-ペンチルクロマン(IIa)の合成
Figure 2006151864
(2-1) 7,8-ジフルオロ-6-(1-ヒドロキシヘキシル) -2-ペンチルクロマンの合成
窒素置換下、反応容器に7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマンを取り、THFに溶解した。内温-40℃以下でブチルリチウム(2.44 M in hexane)を滴下し、さらに内温-40〜-55℃で4時間攪拌した。内温-40℃以下で、ヘキサナールを滴下し、30分撹拌後室温まで昇温した。反応溶液を10%塩酸にあけて有機層を分取し、水層をトルエンで抽出した。有機層を合わせ、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、7,8-ジフルオロ-6-(1-ヒドロキシヘキシル) -2-ペンチルクロマンを得た。
(2-2) 7,8-ジフルオロ-6-(1-ヘキセニル) -2-ペンチルクロマンの合成
反応容器に7,8-ジフルオロ-6-(1-ヒドロキシヘキシル) -2-ペンチルクロマンを取り、トルエンに溶解させた。p-トルエンスルホン酸一水和物を加え、ディーンスタークを用いて生成する水を除去しながら3時間加熱還流した。室温まで冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を分取した。これを水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、7,8-ジフルオロ-6-(1-ヘキセニル) -2-ペンチルクロマンを得た。
(2-3) 7,8-ジフルオロ-6-ヘキシル-2-ペンチルクロマン(IIa)の合成
7,8-ジフルオロ-6-(1-ヘキセニル) -2-ペンチルクロマンをトルエンに溶解し、5%パラジウム炭素(50%含水品)を加えた。これを室温、水素圧0.5 MPaで5時間攪拌した。触媒をろ別した後溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにて精製して7,8-ジフルオロ-6-ヘキシル-2-ペンチルクロマン(IIa)を得た。
(実施例3)ヘプタン酸 7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマン-6-イル (IIIa)の合成
Figure 2006151864
反応容器に7,8-ジフルオロ-2-ペンチルクロマン-6-オール、ヘプタン酸、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、4-ジメチルアミノピリジン及びジクロロメタンを取り、室温で8時間攪拌した。ヘキサン及び10%塩酸を加えて有機層を分取し、10%塩酸及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン酸 2-ブトキシ-1,7,8-トリフルオロナフタレン-6-イル(IIIa)を得た。
(実施例4)液晶組成物の調製
以下の組成からなるホスト液晶組成物(H)
Figure 2006151864
を調製した。ここで(H)の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 103.2℃
誘電率異方性(Δε): 0.03
屈折率異方性(Δn): 0.099
粘度(mPa・s): 15.2
このホスト液晶(H)80%と実施例1で得られた(Ia)20%からなる液晶組成物(M-1)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 56.4℃
誘電率異方性(Δε): −1.13
屈折率異方性(Δn): 0.085
粘度(mPa・s): 19.2
本発明の化合物(Ia)を含有する液晶組成物(M-1)は、ホスト液晶(H)に比べ、誘電率異方性(Δε)は減少して負の値となった。このことから、本発明の化合物は(Ia)は、誘電率異方性が負であり、その絶対値が大きいことがわかる。
(比較例1)
実施例4で調製したホスト液晶 (H) 80%と二環性液晶化合物(Ib)
Figure 2006151864
20%からなる液晶組成物(M-2)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 95.9℃
誘電率異方性(Δε): −0.46
屈折率異方性(Δn): 0.089
粘度(mPa・s): 23.0
二環性液晶化合物 (Ib)を含有する液晶組成物(M-2)は、実施例4記載の(M-1)と比べ、誘電率異方性の絶対値が小さく、また粘度が大きいことがわかる。
本発明の化合物及び液晶組成物、表示素子は、垂直配向方式、IPS等の液晶表示素子の構成部材として有用である。

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    Figure 2006151864
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数2〜10のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はOに置換されても良い。)を表し、A1及びA2はそれぞれ独立的に-CH=CH-、-OCH2-、-OCO-または単結合を表す。)
    で表されるジフルオロクロマン誘導体。
  2. 一般式(1)において、R1及びR2がそれぞれ独立的に炭素原子数1〜10のアルキル基(これらの基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はOに置換されても良い。)を表し、A1及びA2がそれぞれ独立的に-OCH2-、-OCO-または単結合を表す請求項1記載の化合物。
  3. 請求項1〜2記載の化合物を1種又は2種以上含有する液晶組成物。
  4. 請求項3記載の液晶組成物を用いた液晶表示素子。
  5. アクティブマトリックス駆動される請求項4記載の液晶表示素子。
  6. 垂直配向方式で表示される請求項5記載の液晶表示素子。















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