JP2016083655A - ガス吸着材、および、これを用いた真空断熱材 - Google Patents

ガス吸着材、および、これを用いた真空断熱材 Download PDF

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Abstract

【課題】可燃性ガスの発生量を低減させながら、ガス吸着性能の低下を避け得るガス吸着材、及び、当該ガス吸着材を用いた真空断熱材を提供する。【解決手段】本発明は、Li、VおよびZrの少なくとも一種、または、前記金属を含む合金からなり、窒素吸着能を備え、水分によって不活化される金属を窒素の吸着成分として含有するガス吸着材であって、前記金属に対する添加材を有し、当該添加材の粒子表面に前記金属が付着しているガス吸着材ある。前記金属は、Liとアルカリ土類金属との合金であることが好ましく、より好ましくは、Ba−Li合金である。前記添加材は、吸水能を有し、無機酸化物と、遷移金属と、前記遷移金属の酸化物と、前記遷移金属を含有する合金と、前記遷移金属を含有する混合物とからなる群から一種以上選択されることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス吸着材、および、ガス吸着材を用いた真空断熱材に関するものである。ガス吸着材は、真空保持、希ガス中の微量ガスの除去、蛍光灯中のガスの除去等様々な分野で用いられている。
最近では、省エネルギーを推進する動きが活発化し、家電製品や設備機器で優れた断熱効果を有する真空断熱材が求められている。真空断熱材として、グラスウールやシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外装材で覆い、外装材の内部を減圧密封したものが知られている。真空断熱材は、その優れた断熱効果を長期にわたって維持するために、真空断熱材へ侵入する水蒸気や酸素、窒素などのガスを除去する吸着材が芯材とともに真空断熱材に減圧密封されている。
吸着材のうち、水分を吸着剤に不可逆的に固定吸着する化学型吸着材が、真空断熱材に好ましいものとして知られている。酸化カルシウムCaOはこの一例である。しかしながら、真空断熱材の外装材を透過してくる大気中の酸素および窒素に対しては、酸化カルシウム等の吸湿剤は吸着能を有していない。したがって、真空断熱環境における減圧状態を維持するためには、これらガスに対する吸着材が必要である。
酸素や窒素に対し吸着能力を示すものとして、バリウムゲッターやジルコニウム−バナジウム−鉄の三元系合金からなる金属吸着材が知られている。ところで、これら金属吸着材は、減圧環境中で400℃以上の高温で活性化される必要があるため、減圧環境をプラスチックフィルムと金属箔を多層化した外装材を利用して構築する態様では、外装材が溶融し破損するため、金属吸着材を加熱することができない。
一方、減圧環境下で活性化する必要のないゲッター材として、例えば、窒素吸着性Ba−Li合金があり、例えば、特許文献1に、Ba−Li合金を窒素のゲッター材として用いた真空断熱材が開示されている。より詳しくは、Ba−Li合金と吸水材(水分吸着材)とを混合することにより、大気中にゲッター材の放置時間を長くできることが特許文献1に開示されている。
また、特許文献2には、細分化されたBa−Li系合金が、高温活性化を必要とすることがなく窒素に対する高い吸着能を発揮できる開示されている。さらに、特許文献3および4には、Ba−Li合金と吸水材を組み合わせたゲッター装置が開示されている。水分を通さない金属容器等にBa−Li合金を設置し、外部環境と接する部分に吸水材を置くことで、Ba−Li合金の水分による失活を防いでいる。
特開1996−159377号公報 特許第2627703号公報 特許第3105542号公報 特許第3182083号公報
Ba−Li合金は、水との反応性が非常に高く、かつ、水と反応すると、直ちに、ガス吸着活性を失うとともに、下記の化学式に示す通り水素ガスを発生させる。近年、使用済み家電製品の破砕処理時に粉塵の飛散を防ぐために散水が行われている。この際、真空断熱材の破砕とともにガス吸着材が破砕されて、ガス吸着性金属が露出し、これに水が触れることにより、水素を急激に大量発生し、発火・爆発といった危険性が指摘されていた。特許文献2〜4のように、バルク状または粒子状の合金を圧縮成形して塊となし、これを水分と反応させたとすると、下記化学式(1)および(2)に基づいて計算されるところによれば、Ba−Li合金のグラム当たり442ccの水素ガスが発生する。
ところで、消防法の第3類の危険物(自然発火性物質および禁水性物質)に該当するか否かを判断する試験に関する危険性判断基準に記されているように、水と反応させた際、水素のような可燃性ガスを200cc/g以上発生させる固体は、禁水性物質に分類されている。したがって、Ba−Li合金の既述の水素発生率は、この基準を遥かに越えるため、Ba−Li合金は禁水性物質に該当する。そこで、発生する水素ガス量を安全な量まで減少させるために、Ba−Li合金に吸水材等の添加材を混合して、単位質量当たりに含まれる合金量を減少せざるを得ない。しかしながら、本願発明者が検証したところ、Ba−Li合金は、添加材に由来する水分がたとえ僅かであったとしても、これによって容易に失活してしまい、そもそもガス吸着材の破砕以前に、目的とするガス吸着性能を発揮できないという課題があることが分かった。
そこで、本発明は係る課題を解決するために、可燃性ガスの発生量を低減させながら、ガス吸着性能の低下を避けることができるガス吸着材を提供することを目的とする。さらに、本発明の他の目的は、当該ガス吸着材を用いた真空断熱材を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために、水分によって不活化される金属をターゲットガスの吸着成分として含有するガス吸着材であって、前記金属に対する添加材を有し、当該添加材の粒子表面に前記金属が付着しているガス吸着組成物を含有することを特徴とする。本発明の態様の一つは、前記金属が、Li、VおよびZrの少なくとも一種、または、前記金属を含む合金から一種以上選択されるガス吸着材である。前記金属は、Liとアルカリ土類金属との合金であることが好ましく、Ba−Li合金であることがより好ましい。
本発明において添加材は、無機酸化物と、遷移金属と、前記遷移金属の酸化物と、前記遷移金属を含有する合金と、前記遷移金属を含有する混合物とからなる群から一種以上選択される。前記の無機酸化物は、吸水性を有するアルカリ土類金属の一つ又は複数の酸化物から一種以上選択され、好ましくは、酸化カルシウムである。また前記の遷移金属は、Tiと、Niと、Feとからなる群から一種以上選択されることが好ましい。
本発明の態様の一つは、前記の金属と添加材とに加え、さらに吸水材を含有するガス吸着材である。本発明は、金属と添加材とを有するガス吸着組成物を吸水材で被覆し、前記ガス吸着組成物のターゲットガス吸着面のガスに対する曝露領域に前記吸水材を配置させることが好ましい。
本発明は、前記ガス吸着材から発生する、可燃性ガスの発生量が200cc/g未満になるように、前記添加材に対して前記金属が配合されるガス吸着材である。
さらに、他の発明は、内部環境を減圧状態にし、熱伝導領域に置かれることによって、断熱効果を発揮する真空断熱材であって、前記ガス吸着材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、可燃性ガスの発生量を低減させながら、ガス吸着性能の低下を避け得るガス吸着材、及び、当該ガス吸着材を用いた真空断熱材を提供することができる。
本発明の真空断熱材の一例を示す模式断面図である。 図1に示すガス吸着材の構成を示す説明図である。 粒子状窒素吸着組成物のEDSマッピングである。(実施例1) 粒子状窒素吸着組成物のSEM断面図である。(実施例1) 粒子状窒素吸着組成物のEDSマッピングである。(比較例1) 粒子状窒素吸着組成物のSEM断面図である。(比較例2) 窒素吸着のための測定装置を概略的に示す図である。(実施例2) 図7の測定装置による測定結果を示すグラフである。(実施例2) ガス吸着材の別構成を示す説明図である。(実施例3) 本発明のガス吸着組成物の例の模式図である。 本発明のガス吸着能の計測装置例の概略図である。 本発明の実施例のガス吸着速度の測定結果である。
本発明は、Li、VおよびZrの少なくとも一種、または、前記金属を含む合金からなり、窒素吸着能を備え、水分によって不活化される金属を窒素の吸着成分として含有するガス吸着材であって、前記金属に対する添加材を有し、当該添加材の粒子表面に前記金属が付着しているガス吸着組成物を含有することを特徴とするガス吸着材である。
前記の金属は反応性が高いため、製造前の取扱時や製造時に不可避的に窒素や水分と接触すると、ガス吸着能が自然に低下する。しかし本発明は、前記金属を添加材の粒子表面に付着させることにより、前記の金属のガス吸着能を回復させ本来の性能を発揮させることができる。本発明において添加材は、窒素吸着成分としての金属を付着させるための母材である。また添加材は、単位体積中のターゲットガス吸着成分としての金属の含有量を調節するための材料である。本発明は、単位時間あたりの可燃性ガスの発生量を低減できる。具体例として、本発明は水素の発生量を低減できる。したがって本発明と水素との接触による爆発を速度的に抑制でき、安全性の向上に寄与する。
本発明は、窒素吸着成分として所定の金属を含有する。当該金属は、水分によって不活化される金属で、Li、VおよびZrの少なくとも一種、または、前記金属を含む合金から一種以上選択される。入手容易性と取扱性との観点から、Liとアルカリ土類金属との合金が好ましく、Ba−Li合金がより好ましい。Ba−Li合金は、従来公知の組成比で製造したものを用いることができ、市販品を用いてもよい。ただし本発明の作用効果を得られる限り、前記の好適例に限定されない。
本発明に用いられる添加材は、その粒子表面に、前記の金属を付着させることができる材料であればよい。添加材の粒子表面に所定の金属を付着させたガス吸着組成物とすることで、本発明は、安全性に優れるガス吸着材を実現できる。なお、「付着」の詳細な定義は、後に説明する。
添加材は、無機酸化物と、遷移金属と、前記遷移金属の酸化物と、前記遷移金属を含有する合金と、前記遷移金属を含有する混合物とからなる群から一種以上選択されることが好ましい。無機酸化物としては、アルカリ土類金属の一つ又は複数の酸化物が好ましく、酸化カルシウムがより好ましい。また、遷移金属は、Tiと、Niと、Feとからなる群から一種以上選択されることが好ましく、これらの遷移金属の酸化物や合金や混合物であってもよい。前記の添加材は単独で用いてもよく、併用してもよい。本発明は、金属と添加材と吸水材との配合比を調節して金属の含有量を調節することで、ガス吸着速度を所望の速度に調節できる。
本発明のガス吸着組成物は、ターゲットガスに接触すると、当該ターゲットガスを吸着する。本発明のガス吸着組成物において、ターゲットガスと接触可能な領域をターゲットガス吸着面という。本発明においては、添加材の粒子表面に所定の金属を付着させたガス吸着組成物を吸水材で被覆し、ガス吸着組成物のターゲットガス吸着面のガスに対する曝露領域に前記吸水材を配置させて成型させてもよい。そのようなガス吸着組成物の成型物を用いて製造された真空断熱材は、製造時のガス吸着組成物とターゲットガスとの接触量を低減できる。これにより、金属の窒素吸着能の急激な失活を回避でき、長寿命の真空断熱材を得られる。
本発明に用いられる吸水材は、公知の材料を用いることができる。具体例として、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等が挙げられる。
本発明のガス吸着材は、真空断熱材の内部に配置されてターゲットガスを吸着する。本発明のターゲットガスは、主に窒素である。その他、水素や酸素を吸着しうる。本発明のガス吸着能は、所定の容積内のターゲットガスの圧力変化を測定することで評価できる。ターゲットガスの圧力は、公知の圧力測定ゲージを用いて測定できる。また本発明の安全性評価は、大気中に暴露された本発明から発生する可燃性ガスの発生量を測定することで評価できる。可燃性ガスの発生量は、公知のガス量測定装置を用いて測定できる。その詳細は実施例に記載する。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の本発明の真空断熱材の一例を示す模式断面図である。図1において、ガス吸着材7は、外装材2の内部に芯材6と共に密閉される。図2と図9とは、ガス吸着材の構成例を示す説明図である。図2と図9とにおいて、10はガス吸着材、11は水分吸着材である。図10は本発明のガス吸着材の模式図であり、図10中(A)は、所定の金属を添加材に付着させたガス吸着組成物の態様を示す拡大模式図である。
図10に示されるように、本発明は、添加材12を母材とし、その粒子表面に前記の金属13が付着する。本発明の窒素吸着能は、前記の金属の含有量が多いほど向上する傾向がある。そのため付着の態様は、図10に例示するように添加材12の粒子表面を、金属13で完全にかつ均一の膜厚で被覆させる態様が好ましい。そのような態様のガス吸着組成物は、内層と当該内層の外側に形成される外層とを備え、添加物が内層を構成し、前記の金属が外層を構成する。
なおガス吸着組成物の付着の態様は上記の例に限定されない。例えば本発明の作用効果を得られる限り、添加材の粒子表面の一部に被覆されない領域があってもよい。また前記の金属を主成分とする外層は、不均一な膜厚で形成させてもよい。付着の態様は、金属と添加材との配合比や、添加材の粒子径、製造時の温度管理等により、変化させることができる。
図10において、14は吸水材である。吸水材は、ガス吸着組成物を被覆し、少なくともガス吸着組成物のターゲットガス吸着面のガスに対する曝露領域に配置される。図10では、ターゲットガス吸着面15は、ガス吸着組成物と吸水材との界面に相当する。被覆の態様について、図10に示す例では当該ガス吸着組成物を吸水材中に分散させた状態を示す。
本発明は、ガス吸着組成物を吸水材で被覆した成型体を包含する。該成型体においてガス吸着組成物は、吸水材中に均質に分散させてもよく、不均質な分散であってもよい。成型体とターゲットガスとの接触量が、成型体の各領域で異なる場合、吸水材中に、ガス吸着組成物を不均質に分散させ、ターゲットガスの接触量が多い領域の近傍にガス吸着組成物を局在させれば、効率的にターゲットガスを吸着できる。またターゲットガスの接触量が領域によって変わらない場合には、ガス吸着組成物を均質に分散させれば、いずれの領域でも均質にターゲットガス吸着能を発揮させることができる。なお、ガス吸着組成物と吸水材とは、真空断熱材の製造時のガス吸着組成物とターゲットガスとの接触を低減できるように配置されていればよいため、図10に例示する態様に限定されない。
なお、図2や図9に例示されるように、本発明のガス吸着材は、水分吸着材で被覆して成型してもよい。水分吸着材の材料例としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等が挙げられる。すなわち、吸水材と水分吸着剤とは同じ材料を使用できる。その場合、本発明の製造工程で、ガス吸着剤を水分吸着材で被覆した成型体を焼結することで、吸水材と水分吸着剤とを一体化させることができる。
本発明のガス吸着材の態様の一つに窒素吸着材がある。窒素吸着材は、例えば、真空断熱材内の窒素ガスの除去の用途に用いられる。なお、本発明の吸着材は特定用途のものに限定されるべきものではない。
真空断熱材は、グラスウールやシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外装材で覆い、外装材の内部を減圧密封したものが知られており、冷蔵庫、冷凍庫、給湯容器、自動車用断熱材、建造物用断熱材、自動販売機、保冷箱、保温庫、保冷車等に使用されている。
図1は、真空断熱材1の一例を示す模式断面図である。図1に示されるように、本発明に係る真空断熱材1は、芯材6およびガス吸着材7を2枚の外装材で挟むように内包、密閉するように構成されている。
2枚の外装材2の周囲は、開口端を残して3方が封止(例えば、ヒートシール)されて全体として袋状の形態を成し、これに芯材6およびガス吸着材7を収容した後内部を減圧し開口部を封止(例えば、ヒートシール)する。符号8は、開口部が封止された接合部である。以下、本発明の真空断熱材の各部材について説明する。
本発明における外装材2に、ガスバリア性を有し、気体侵入を抑止可能な種々の材料および複合材料であれば、従来の如何なるものも利用できる。通常、外装材は、熱可塑性樹脂からなるプラスチックフィルムや金属箔等をラミネート加工することでバリア性を付与したものであり、芯材を空気や水分から隔離する役割を果たす。
好ましい形態によれば、図1に示すように、外装材2に使用できるラミネートフィルムは、最内層を熱溶融層(熱溶融フィルム)5とし、中間層にはガスバリア層(ガスバリアフィルム)4として金属箔あるいは金属蒸着層を有し、最外層には表面保護層(表面保護フィルム)3を有する形態を備えている。
熱溶着フィルム5は、外装材2の熱溶着層が熱と圧力により溶融した後に固化したものであり、外装材2を所定の形状に保持する役割を果たすものである。また、ガスや水蒸気が外装材2の端部から真空断熱材1内へ侵入することを抑える役割を果たすものである。
熱溶着フィルム5は、通常のシール法(例えば、ヒートシール)によって接着できるものであれば特に限定されない。熱溶着フィルムを構成する材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。なお、前記材料は、単独で使用されてもまたは2種類以上の混合物であってもよい。また、熱溶着フィルム5は、単層であってもまたは2層以上の積層形態であってもよい。後者の場合、各層は、同様の組成を有していてもまたは異なる組成を有していてもよい。
熱溶着フィルム5の厚みは、特に制限されず、公知の厚みと同様の厚みでありうる。具体的には、熱溶着フィルム5の厚みは、好ましくは10〜100μmである。10μmより薄い場合、ヒートシール時に十分な密着強度を得ることができない虞があり、100μmより厚い場合、屈曲性等の加工性が悪くなる虞がある。なお、熱溶着フィルムが2層以上の積層構造を有する場合には、熱溶着フィルムの厚みは、合計厚みを意味する。また、この場合には、各層の厚みは、同じであってもまたは異なっていてもよい。
ガスバリアフィルムとしては、特に制限されず、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体へアルミニウムや銅等の金属原子や、アルミナやシリカ等の金属酸化物を蒸着したフィルム等が使用できる。ガスバリアフィルムの厚みは、特に制限されず、公知の厚みと同様の厚みでありうる。
表面保護フィルム3は、特に制限されず、外装材の表面保護フィルムとして通常使用されるのと同様の材料が使用できる。表面保護フィルムを構成する材料としては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(ナイロン)(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などのポリオレフィン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリルニトリル樹脂(PAN)などが挙げられる。
表面保護フィルム3の厚みは、特に制限されず、公知の厚みと同様の厚みでありうる。具体的には、表面保護フィルム3の厚みは、好ましくは10〜100μmである。10μmより薄い場合、バリア層の保護が十分でない虞がある。また100μmより厚い場合、熱溶着フィルムと同様に屈曲性等の加工性が悪くなる虞がある。なお、表面保護フィルム3が2層以上の積層構造を有する場合には、前記厚みは、合計厚みを意味する。また、この場合には、各層の厚みは、同じであってもまたは異なっていてもよい。
また、これらのフィルムは周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていてもよい。なお、前記材料は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物であってもよい。また、表面保護フィルムは、単層であってもまたは2層以上の積層形態であってもよい。後者の場合、各層は、同様の組成を有していてもまたは異なる組成を有していてもよい。
外装材2の厚みは、特に制限されない。具体的には、好ましくは1〜100μmである。前記したような薄さの外装材であれば、ヒートブリッジをより有効に抑制・防止して断熱性能が向上でき、また、ガスバリア性および加工性にも優れる。
また、別の好ましい形態によれば、ガスバリア性フィルムからなる外装材2は、金属箔を積層したラミネートフィルムからなる面と、金属箔を積層しないラミネートフィルムからなる面の少なくとも2面で構成され、金属箔を積層しないラミネートフィルムからなる面には、少なくとも内層側にアルミニウム蒸着を施したエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物からなるフィルム層、もしくは内層側にアルミニウム蒸着を施したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物からなるフィルム層のいずれかを有する。
また、本発明による外装材2は、前記のようなラミネートフィルムでなくてもよく、例えば、金属容器やガラス容器、樹脂と金属の積層されたガスバリア容器のようなものであってもよい。そのようなプラスチックラミネートフィルム容器としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、金属蒸着フィルムなどの一種または二種以上のフィルムをラミネートした容器などが使用できる。
図1に示すように、芯材6は、外装材の内部に配置されている。本発明で使用できる芯材は、真空断熱材のいわば骨格となり、ガス吸着材が適用される空間を形成する。ここで、芯材6の材質としては、特に限定されず、公知の材料を使用できる。具体的には、グラスウール、ロックウール、アルミナ繊維、熱伝導率の低い金属からなる金属繊維等の無機繊維;ポリエステルやポリアミド、アクリル、ポリオレフィン、アラミドなどの合成繊維や木材パルプから製造されるセルロース、コットン、麻、ウール、シルクなどの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維等の有機繊維などが挙げられる。前記芯材材料は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物であってもよい。これらのうち、グラスウールが好ましい。これらの材料からなる芯材は、繊維自体の弾性が高く、また繊維自体の熱伝導率が低く、なおかつ工業的に安価である。
図1のガス吸着材7は、図9に示すようなガス透過性開放部を有するハードケース内に、或いは図2に示すようなガス透過性フィルム内に、ガス吸着性金属と添加材とを主として含有する(窒素)ガス吸着組成物10の開放面を水分吸着材11で被覆した圧縮成型体を収納した構成を備えている。ガス吸着組成物を水分吸着材で被覆した結果、図2の例示では、ガス吸着組成物10と水分吸着材11との成型物は、内層とその外部に形成される外層とを備える。当該内層はガス吸着組成物10で形成され、外層は水分吸着材11で形成される。また、図9の例示ではガス吸着組成物10に水分吸着材11を積層させた構造になっている。ガス透過性開放部の一例としては、ハードケースの上端の開放面がある。
ガス吸着材の主体となるガス吸着組成物10は、ターゲットガス(例えば、窒素)濃度を低減する必要がある環境(真空断熱環境)下で使用され、ターゲットガスに対する吸着能を有しながら、水分によって不活化されるおそれがある金属(例えば、Ba−Li合金)を含有し、当該金属をターゲットガスに対する吸着活性を有する状態(水分によって不活性化されない状態)で、金属に対する添加材(例えば、無機酸化物(酸化カルシウム))の粒子表面に付着させた化学組成を有している。
本発明において「付着」とは、金属によって添加材の粒子が被覆(コーティング)されている状態を意味する。添加材の粒子が金属によって被覆されることで、本発明は、内層が添加材であり、当該内層の外側に形成される外層が金属である、本発明に含有されるガス吸着組成物になる。その態様は、金属と添加材との間の金属結合等、金属と添加材との間の化学結合、又は、金属と添加材との間の物理的な結合等によって例示される。前記の「付着」の状態であるとき、本発明を実施する上で、金属と添加材との間の界面の状態は制限されない。
ガス吸着性金属は、ターゲットガスの種類に応じて適宜選択される。ターゲットガスが窒素の場合には、Li、VおよびZrの少なくとも一種、例えば、金属Li及び/又は、Li合金である。Li合金の中でもLiとアルカリ土類金属との合金、特に、Li−Ba合金が窒素の吸収特性が高いことから好ましい。
添加材は、金属の濃度、即ち、ガス吸着材の単位重量当たりの金属量を調整するものである。従って、添加材は「賦形材」等と表現されてもよい。添加材の含有量によって、ガス吸着材の単位重量当たりの金属含有量が低減される。そのため例えば、ガス吸着材の廃棄処理時に窒素ガス吸着組成物が水と反応しても、その反応速度が制限される。その結果、急激に規制値以上の可燃性ガスが発生することを抑制できる。なお、規制値としては、可燃性ガスの爆発下限界(例えば水素ガスの場合、空気中で4容量%)が参照されうる。
添加材としては、金属のガス吸着能に影響がないものから選択されればよく、格別限定されるものではないが、窒素吸着性金属の場合には、併用されることが多い無機酸化物がよい。無機酸化物の中でも、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム)が好ましい。この中でも、酸化カルシウムは、水蒸気圧の極めて低い環境においても水分を吸着する。
ガス吸着材が使用される環境の状態を維持するため、吸湿性無機酸化物を、ガス吸着材とは別に、或いはガス吸着材に含ませるようにしてもよい。なお、金属−添加材からなるガス吸着組成物のガス吸着能を損なわないようにする観点から、添加材粒子の粒径は500μm以下であることが望ましい。500μmを超える粒径の添加材を用いる場合、金属の付着量が少なくなり所望の窒素吸着能を得られない。また、吸水材に均質に分散させ難くなる。粒径の下限は、特段制限されず、現存する添加材粒子の最小粒径で構わない。本発明において、添加材の粒径とは、レーザー回折法等公知の方法で測定され、D50を平均粒径とする。
無機酸化物(例えば、酸化カルシウム)はその水分吸着特性から、無機酸化物が加熱処理されたとしても、ガス吸着材を製造する過程で大気中の水分を不可避的に伴い、この水分によって、ガス吸着性金属と無機酸化物を単に混合しただけでは、ガス吸着性金属が容易に失活してしまう。
しかしながら、本発明者が鋭意検討したところ、ガス吸着性金属が失活する前に(ガス吸着性金属がガス吸着能の活性状態がある状態で)ガス吸着性金属を無機酸化物粒子の表面に、既述のとおり付着させることにより、ガス吸着能の活性を維持できることが明らかとなった。これは、無機酸化物の表面が金属で被覆されることによって、無機酸化物の吸湿反応が制限された結果であると考えられる。なお、添加材は、ガス吸着性金属の濃度を制御するものであるため、ガス吸着性金属に対して、「母材」、或いは、「基材」ともいい得る。
本発明のガス吸着材を真空断熱材などの減圧環境に含ませることによって、減圧環境下に残存するガス(例えば、真空断熱材の芯材の微細空隙に残存するガス)や、減圧環境に大気から侵入するガスを長期に渡り吸収して、減圧環境の低熱伝導率を維持することができる。「減圧環境」とは、大気圧に比較して小さい圧力環境であることを意味し、真空断熱環境を実現するために、例えば、100Pa以下、好ましくは10Pa以下、さらに、好ましくは、0.01Pa程度である。なお、本発明のガス吸着材は、冷蔵庫に使用され得ることから、ガス吸着性能は、低温環境(摂氏マイナス30度前後)でも、維持されることが好ましい。
ガス吸着組成物における金属と添加材との配合割合は、ガス吸着材が使用される環境におけるガス濃度の目標値を達成し得る観点、吸着材を設ける空間の体積に対する制限、ガス吸着材を廃棄する際における水と金属の反応による可燃性ガスの発生率に対する低減等の要求から適宜決定されればよい。
金属に対して酸化物が多いと、可燃性ガスの発生率は小さくなるが、酸化物によって、金属のガス吸着能が低下する可能性や、ガス吸着材の容量が増加する可能性がある。一方、金属に対して酸化物が少なくなると、酸化物等の添加材によって、金属のガス吸着能が低下するおそれはなく、そして、ガス吸着材の容量も増加するおそれはないものの、可燃性ガスの発生率が大きくなる可能性がある。
そこで、例えば、窒素ガス吸収性金属と添加材(無機酸化物や上記の遷移金属等)とからなるガス吸着組成物においては、既述のとおり、ガス吸着組成物を水と反応させた際に、急激に発生し得る可燃性ガスの発生量を規制値(200cc/g)未満になる範囲で、ガス吸着性金属と添加材との配合割合を適宜調整すればよい。例えば、BaLiの組成であるBa−Li合金は、1g当たり約440ccの水素を発生するため、合金と酸化物を混合する際は、合金を45wt%以下で混合することで、発生する可燃性ガスを規制値以下にすることが可能である。
本発明のガス吸着材の製造方法は、添加材の粒子表面に所定の金属を付着させた構造を形成でき、かつ本発明の作用効果を得られるガス吸着材を製造できる限り、限定されない。ただし本発明の製造方法においては、その工程のいずれかで、添加材と金属とを加温する工程を含む。これにより、大気中で自然に低減した金属の窒素吸着能が回復する。また母材中の水分を低減でき、水分との反応による金属のガス吸着能の活性低下を抑制できる。前記の加温工程における温度は、用いられる添加材や金属の種類に対応して設定される。添加材に酸化カルシウムを選択し、金属にBa−Li合金を選択する場合は、180℃以上1300℃以下が好ましく、200℃以上800℃以下がより好ましい。
本発明のガス吸着材の製造方法の例として、添加材の表面に前記の金属を付着させたガス吸着組成物を製造する工程と、当該工程により得られたガス吸着組成物を吸水材で被覆させた成型体を製造する工程とを含む製造方法が挙げられる。ガス吸着組成物の製造工程の具体例としては、少なくとも添加材と金属とを所定の配合比で溶融させた後、これを室温になるまで冷却することで、ガス吸着組成物を製造する方法がある。これにより自然と本発明所定の付着の構造を備えるガス吸着組成物を製造できる。当該方法では母材と金属とを同時期に加温することで、金属の不活性化回避と窒素吸着能回復とを、効率的に行える。成型体の製造工程の具体例としては、得られたガス吸着組成物を吸水材に添加し、ガス吸着組成物が吸水材中に均質に分散するまで混合した後、焼成して成型する方法が挙げられる。
<実施例1>
BaLi(Ba−Li合金)0.05g(平均粒子径300μm以下、純度99%以上、高純度化学製)をホットプレート上で500℃に加熱し溶融させた。事前に500℃まで加熱しておいた酸化カルシウム(平均粒子径4μm、宇部マテリアルズ製)0.2gを加熱・溶融状態のBa−Li合金に混合し、均一になるまで混合後、室温まで冷却することにより、被覆処理された粒子状の窒素吸着組成物を得た。
作製されたBaLi/CaO粒子(窒素吸着組成物10)は、カーボンテープ上に固定しPtコートした後、SEM/EDS(日立ハイテク製SU−8020)からCaO粒子表面にBaが存在していることを確認した(図3)。また、EDSマッピングにより、Ca、Baの関係がこのとおりであることを確認した(図4)。
<比較例1>
実施例1と同一のBaLi0.05gと酸化カルシウム0.2gを試料皿上で単純に混合した組成物を作成した。得られた組成物を実施例1と同様にSEM/EDS観察およびEDSマッピングを行ったところ、CaO粒子上にBaが存在していないことを確認した(図5および図6)。
<実施例2>
実施例1で作製したBaLi/CaO粒子を、図2に示すように水分吸着材(CaO)11で被覆したガス吸着材7を作製し、これの窒素吸着能を測定した。上記の実施例2は、BaLi/CaO粒子(ガス吸着組成物)は、吸水材(CaO)中に分散させて成型し、該成型体を水分吸着材で被覆した。
窒素吸着は図7に示す装置を用いて測定した。試料室に窒素吸着デバイスを設置後、真空ポンプを用いて弁を介して、気体溜めおよび試料室を0.1Pa以下の真空とした。弁を閉じた後、弁を介して、窒素ガスを気体溜めに弁を開放後、60Paになるように導入した。弁を閉じた後、弁を開放し、試料室に窒素ガスを導入し、窒素ガスの圧力変化を圧力測定ゲージにより測定した。
測定結果を表1と図8に示す。時間とともに、圧力の減少が観察され、窒素吸着材による窒素吸収が確認された。
<実施例3>
実施例1で作製したBaLi/CaO粒子を、図9に示すように水分不透過な金属容器の底部に敷き詰め、上部を水分吸着材CaOで被覆した窒素吸着材を作製し、窒素吸着能を実施例2と同様の方法で測定した。測定結果によれば、時間とともに、圧力の減少が観察され、窒素吸着デバイスによる窒素吸収が確認された。BaLi/CaO粒子(ガス吸着組成物)は、吸水材(CaO)中に分散させて成型し、該成型体をハードケース内に配置後、開放面を水分吸着材で被覆した。
<実施例4>
実施例1において、リチウム合金をLiに変更した以外は、実施例1と同様に、粒子状の窒素吸着組成物を用いて窒素吸着材を作製した。窒素吸着材の窒素吸着能を実施例2と同様に測定した。測定結果では、時間とともに、圧力の減少が観察され、窒素吸着材による窒素吸収が確認された。上記の実施例4では、Liを酸化カルシウムの粒子表面に付着させた窒素吸着組成物を吸水材中に分散させて成形し、水分吸着材で被覆した。
<比較例2>
比較例1で作製した粒子を、実施例2と同様の方法で、窒素吸着能を測定したが、圧力の変化がなく、窒素吸着は確認されなかった。
<比較例3>
実施例4と同一の金属Liと酸化カルシウムCaOを混合した。混合は、加温せずに行った。金属Liが柔らかいため、両者を均一にそもそも混合することはできなかった。
<実施例5>
前記実施例1で作製したガス吸着材と金属化合物(Ba−Li合金)とを、危険物の試験および性状に関する省令の別表第八に準じた方法で試験し、実施例1で作製したガス吸着材とBa−Li合金とが水と夫々反応した際のガス発生量を測定した。ガス発生量の測定は、図11に示す装置を用いて行った。
図11に示す発生ガス量測定装置の滴下ロート以外の所定の箇所に水を入れ、水の温度は20±5℃とした。ウォーターバス中の水の温度を40℃に加熱し、40℃の純水50cmを滴下ロートに入れた。その後丸底フラスコ(容量100cm)に実施例1のガス吸着材2gのを入れ、滴下ロート中の純水を速やかに丸底フラスコに加えるとともに、スターラーにより攪拌を開始した。発生ガス量を1時間ごとに5時間にわたって測定した。1回の試験における発生ガス量は、各1時間当りの発生量を試料1kg当たりに換算した。
<比較例4>
実施例5と同様に金属化合物(Ba−Li合金)0.2gが水と反応した際のガス発生量を測定した。比較例4では、多量のガス発生量が多量にならないように、金属化合物の使用量を上記の値とした。
測定の結果、比較例4(Ba−Li合金)では、550cc/gの水素を含むガス発生が確認された。実施例1で作製した粒子状窒素吸材では、138cc/gとなり、可燃性ガスの発生量が200cc/g未満であった。
<実施例6>
BaLi(Ba−Li合金)0.05g(平均粒子径300μm以下、純度99%以上、高純度化学製)をホットプレート上で500℃に加熱し溶融させた。事前に500℃まで加熱しておいたTi粉末(平均粒子径26μm、トウホウテック製)0.2gを、加熱・溶融状態のBa−Li合金に添加し、均一になるまで混合した。その後、室温になるまで冷却し、実施例6の窒素吸着組成物を得た。SEM/EDS(日立ハイテク性Su−8020)による観察の結果、実施例6は、Ti粉末の粒子表面に、Ba−Li合金が付着していることを確認した。
<実施例7>
BaLi(Ba−Li合金)0.05g(平均粒子径300μm以下、純度99%以上、高純度化学製)をホットプレート上で500℃に加熱し溶融させた。事前に500℃まで加熱しておいたFe粉末(平均粒子径4μm、トウホウテック製)0.2gを加熱・溶融状態のBa−Li合金に混合し、均一になるまで混合後、室温まで冷却し、実施例7の窒素吸着組成物を得た。SEM/EDS(日立ハイテク性Su−8020)による観察の結果、実施例7は、Fe粉末の粒子表面にBa−Li合金が付着していることを確認した。
実施例6と実施例7との窒素吸着組成物を、それぞれ吸水材中に分散させて成型した。得られた実施例6と実施例7との各成型物の窒素吸着能を、実施例2と同様の方法で測定した。窒素吸着能は、図11に示す装置を用いて測定した。図11に示す装置において試料室に窒素吸着デバイスを設置後、真空ポンプを用いて弁を介して、気体溜めおよび試料室を0.1Pa以下の真空とした。弁を閉じた後、弁を介して、窒素ガスを気体溜めに弁を開放後、60Paになるように導入した。弁を閉じた後、弁を開放し、試料室に窒素ガスを導入し、窒素ガスの圧力変化を圧力測定ゲージにより測定した。測定結果を表2と図12とに示す。
1 真空断熱材
2 外装材
6 芯材
7 ガス吸着材
10 窒素吸着組成物
11 水分吸着材
12 添加材
13 金属
14 吸水材
15 ターゲットガス吸着面

Claims (11)

  1. Li、VおよびZrの少なくとも一種、または、前記金属を含む合金からなり、窒素吸着能を備え、水分によって不活化される金属を窒素の吸着成分として含有するガス吸着材であって、前記金属に対する添加材を有し、当該添加材の粒子表面に前記金属が付着しているガス吸着組成物を含有することを特徴とするガス吸着材。
  2. 前記金属が、Liとアルカリ土類金属との合金である、請求項1に記載のガス吸着材。
  3. 前記金属が、Ba−Li合金である、請求項2に記載のガス吸着材。
  4. 前記添加材が、無機酸化物と、遷移金属と、前記遷移金属の酸化物と、前記遷移金属を含有する合金と、前記遷移金属を含有する混合物とからなる群から一種以上選択される、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のガス吸着材。
  5. 前記無機酸化物が、アルカリ土類金属の一つ又は複数の酸化物である、請求項4に記載のガス吸着材。
  6. 前記無機酸化物が、酸化カルシウムである請求項4に記載のガス吸着材。
  7. 前記遷移金属が、Tiと、Niと、Feとからなる群から一種以上選択される請求項4に記載のガス吸着材。
  8. さらに、吸水材を含有する、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のガス吸着材。
  9. 前記金属と前記添加材とを有するガス吸着組成物を前記吸水材で被覆し、前記ガス吸着組成物のターゲットガス吸着面のガスに対する曝露領域に前記吸水材を配置させた請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のガス吸着材。
  10. 前記ガス吸着材から発生する、可燃性ガスの発生量が200cc/g未満になるように、前記添加材に対して前記金属が配合されている請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のガス吸着材。
  11. 内部環境を減圧状態にし、熱伝導領域に置かれることによって、断熱効果を発揮する真空断熱材であって、前記内部環境に、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のガス吸着材を備える、真空断熱材。
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