JP2016082762A - 回転電機並びにそれを用いる回転電機駆動システムおよび鉄道車両 - Google Patents

回転電機並びにそれを用いる回転電機駆動システムおよび鉄道車両 Download PDF

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Abstract

【課題】
固定子巻線に発生する高調波損失を低減し、高効率な回転電機を提供すると共に、この回転電機を用いる回転電機駆動システムおよび鉄道車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
複数の導体を含む固定子巻線を有する固定子と、空隙を介して固定子と対向する回転子と、を備える回転電機において、導体の厚さが、空隙における磁束の空間高調波に対する表皮深さ以下の値に設定される。さらに、このような回転電機が、回転電機駆動システムや鉄道車両に適用される。これにより、固定子巻線に発生する空間高調波による損失を低減できるので、回転電機の効率を向上できる。また、回転電機駆動システムや回転電機によって駆動される鉄道車両で発生する損失を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、固定子巻線に生じる銅損を低減できる回転電機並びにそれを用いる回転電機駆動システムおよび鉄道車両に関する。
電動機や発電機等の回転電機は多くの産業分野で使用されているが、社会的な傾向として省エネルギー、省資源の要請に応えた回転電機を提供することが求められている。このために、回転電機の高効率化を目的とした多くの改良技術が提案されており、大きな主題となっている。
そして、回転電機においては、低損失材料の開発や、回転電機の最適化設計等によって基本波損失の低減が進められてきた。基本波損失が低減したことにより、高調波損失の占める割合が大きくなってきている。高調波損失は大きく2つに大別され、回転電機のスロット形状や巻線配置等の回転電機の構造に起因する空間高調波損失と、インバータ駆動時の電圧波形に含まれる高調波成分に起因する時間高調波損失が回転電機の損失を増加させている。これらの高調波損失を低減するための高効率化技術として、特許文献1〜5に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の技術では、固定子巻線に発生する時間高調波損失を低減するために、電流の表皮深さよりも導体の厚さを小さくする。
特許文献2に記載の技術では、固定子巻線に発生する時間高調波損失を低減するために、導体の厚さを交番磁界から求められる表皮厚さ以下とする。
特許文献3に記載の技術では、固定子巻線に発生する時間高調波損失を低減するために、回転電機用巻線導体が、複数の素線からなる矩形断面の束となるようにプレス成形される。
特許文献4に記載の技術では、回転子バーに発生する空間および時間高調波損失を低減するために、回転子ティース部の周方向先端形状が、ティース先端部からスロット内の導体棒に向かって円弧状に突出する凸部を有する。
特許文献5に記載の技術では、回転子バーに発生する空間高調波損失を低減するために、回転子スロット先端部の空間の深さを回転子スロット幅の3分の1以上の長さとする。
特開2012−146473号公報 特開2012−39836号公報 特開2002−27693号公報 特開2014−23413号公報 特開2011−87373号公報
上記特許文献1〜3の技術では、固定子巻線の時間高調波損失を低減できるが、回転電機に対する更なる高効率化の要求に応じることが難しい。また、特許文献4および5の技術は、誘導電動機の回転子巻線導体における高調波二次銅損を低減するものであり、固定子巻線に適用することは難しい。
そこで、本発明は、固定子巻線に発生する高調波損失を低減し、高効率な回転電機を提供すると共に、この回転電機を用いる回転電機駆動システムおよび鉄道車両を提供する。
上記課題を解決するために、本発明による回転電機は、複数の導体を含む固定子巻線を有する固定子と、空隙を介して固定子と対向する回転子と、を備えるものであって、導体の各厚さが、空隙における磁束の空間高調波に対する表皮深さ以下の値に設定される。
また、本発明による回転電機駆動システムは、電源から入力する電力を三相交流電力に変換して出力する変換器と、変換器が出力する前記三相交流電力によって回転駆動される回転電機と、を備えるものであって、回転電機が上記本発明による回転電機である。
さらに、本発明による鉄道車両は、台車と、台車に回転可能に軸支される複数の車輪と、複数の車輪を駆動する回転電機と、を備えるものであって、回転電機が上記本発明による回転電機である。
本発明によれば、固定子巻線に発生する空間高調波による損失を低減できるので、回転電機の効率を向上できる。また、回転電機駆動システムや回転電機によって駆動される鉄道車両で発生する損失を低減することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1である回転電機の全体構成および部分断面図を示す。 パーミアンス脈動による空間高調波損失の発生原理を示す。 実施例1におけるパーミアンスの脈動周波数と導体の幅の関係を示す。 本発明による実施例2である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。 回転子巻線に発生する銅損と導体厚さの関係の一例を示す。 固定子巻線構造による銅損の大きさの比較を示す。 本発明による実施例3である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。 本発明による実施例4である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。 本発明による実施例4である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。 本発明による実施例5である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。 本発明による実施例6である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。 本発明による実施例7である回転電機駆動システムを示す。 本発明による実施例8である鉄道車両を示す。 高調波の次数と、基本波に対する高調波成分の割合の関係の一例を示す。
以下、本発明の実施例を図面に従い詳細に説明する。各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。なお、実施例1について説明する回転電機の全体構成は、各実施例についても同様である。
図1は、本発明の実施例1である回転電機すなわち鉄道車両などに用いられる誘導電動機の全体構成およびその部分断面図を示す。部分断面図は、全体構成におけるA−A’断面を示す。
図1において、固定子10は軸方向に連続的に形成された固定子スロット12を内周部に設け、かつ電磁鋼板等の薄鋼板を軸方向に沿って複数枚積層された固定子鉄心11と、固定子スロット12に巻装された固定子巻線13を備えている。
固定子巻線13は、固定子スロット12内で、断面形状が略矩形となる導体16が複数回巻かれることによって構成されている。それぞれの導体16の外周表面はガラスクロス、マイカの積層体等からなる絶縁被覆15によって覆われている。これにより、図1に示すような部分断面内、すなわち固定子スロット12内において、互いに隣接する導体16どうしが、電気的に接触して導通することがないようにしている。さらに、これらの導体16は樹脂組成物等からなる主絶縁14によって複数本で束ねられた状態で固定子スロット12に収められる。これにより、本実施例1においては、固定子スロット12内に、絶縁被覆15が施される複数の導体を有する固定子巻線が、固定子あるいは回転電機の径方向に沿って、2個並置されて格納される。各固定子巻線においては、絶縁被覆15が施される複数の導体が、各導体の厚さ方向が回転電機の径方向となるように、2列に積層される。そして、このような積層体が主絶縁14によって被覆されて、一つの固定子巻線が構成される。
本実施例において、固定子スロット12は、開放型スロットである。このため、固定子巻線13は、回転子20に対向する固定子スロット12の開口部に設けられる溝に嵌め込まれる楔17によって、固定子鉄心11に固定される。
固定子10と、空隙を介して同心軸上の内周側に位置する回転子20は、周方向に所定の間隔を持って配設され、軸方向に連続的に形成される複数の回転子スロット21を外周部に設け、かつ電磁鋼板等の薄鋼板を軸方向に沿って複数枚積層される回転子鉄心24を有している。さらに回転子20は、軸方向に延びる複数の回転子スロット21に挿入される銅等の導体から成る回転子バー22と、電磁鋼板等の薄鋼板が軸方向に沿って複数枚積層される回転子鉄心24の両端側に設置され、かつ外周端部と回転子バー22の端部がロウ付けされることにより、複数の回転子バー22を電気的に接続する円環状の導体である銅等からなるエンドリング23と、軸方向を長手方向とした回転子鉄心24の内周側に配置されるシャフト25と、回転子鉄心24の両端面に回転子鉄心抑え26を備えている。
本実施例では、回転子鉄心24の外周表面には溝が入っており、この溝は回転子スロット21における固定子10側における開口部となっているが、回転子20の周方向において、溝の幅は、回転子スロット21の幅よりも狭い。すなわち、本実施例における回転子スロット21は、回転子スロット21の開口部において、回転子バー22の外周側が回転子鉄心24によって部分的に覆われる、いわゆる半閉型の回転子スロット形状を有している。このような回転子鉄心24の外周表面の溝は、固定子巻線13に三相交流電流を通電した際に生じる磁束を、回転子バー22に効率的に鎖交させるため、すなわち漏れ磁束を少なくし、力率を向上させるために設けられている。しかし、回転子鉄心24の外周表面に溝を設けることで、固定子10と回転子20との間の空隙となるギャップ部においては、空間的に、磁束の通り易さ、すなわちパーミアンスに脈動が生じるため、空間磁場分布に脈動が生じる。
本発明者の検討によれば、パーミアンス脈動によって固定子巻線に生じる空間高調波損失が、回転電機の効率低下の一要因となる。以下、本発明者による検討について説明する。
図2は、パーミアンス脈動による空間高調波損失の発生原理を示す。回転子鉄心24の比透磁率は一般に1000〜3000程度であり、回転子鉄心24の外周表面の溝の部分(空気)の比透磁率は1である。つまり、固定子巻線13から見ると、回転子20が回転した際に、磁束が通り易い部分(鉄心部)と磁束が通り難い部分(空気)が交互に通過することとなる。すなわち、固定子巻線13の内周側に位置する導体16に鎖交する磁束は、回転子スロット21の数と、回転子20の回転速度に応じた周波数成分を有することになる。この時、固定子巻線13の導体16に鎖交する磁束量が変化すると、その変化量に応じて導体16中には、脈動磁束を打ち消す向きに渦電流が誘導される。このため、導体16における導通領域が、導体16の表面付近に偏る。このため、導体に高周波電流を流した場合に発生する、いわゆる表皮効果と同様に、導体16に発生する損失が増加する。この損失よって、回転電機の効率が低下する。
そこで、本実施例では、導体16の厚さを、回転電機の構造(本実施例では、回転子スロット21の数)と仕様(回転速度)によって生じるパーミアンス脈動の周波数による表皮深さ以下にすることで、固定子巻線13の導体16に発生する空間高調波損失を低減して、回転電機を高効率化する。なお、ここでは、パーミアンス脈動によって導体16に生じる導通領域の偏り具合を、通常の表皮効果の場合と同様に「表皮深さ」と記す。
以下、パーミアンス脈動周波数による損失を低減するための導体16の厚さの設定について説明する。なお、ここで述べる導体16の厚さとは、図1の部分拡大図に示す導体の厚さhのことである。
本発明者は、導体16の厚さを設定するために、一般的な表皮効果による表皮深さの関係式を、パーミアンス脈動による「表皮深さ」に対して適用する。すなわち、導体16の電気抵抗率をρ(Ω・m)、導体16の透磁率をμ(H/m)、パーミアンス脈動周波数をf(Hz)とすると、表皮深さd(m)は式(1)で表わされる。
d=(ρ/(π・f・μ))0.5 …(1)
パーミアンス脈動周波数fは、回転電機の構造(回転子スロット21の数)と、仕様(回転速度)等から算出される。ただし、インバータ等で駆動される可変速の回転電機は、様々な回転速度条件において使用されるので、式(1)の表皮深さdは、回転速度に応じて変化し、回転電機の最高回転速度において最小となる。すなわち、導体16が発生する損失は、回転電機の回転速度に応じて変化し、回転電機の最高回転速度において最大となる。そこで、パーミアンス脈動周波数による損失を低減し、全速度域での高効率化を実現するために、回転電機の仕様で定められた最高回転速度を基準として表皮深さdを算出することが好ましい。
最高回転速度nmax(min―1)と最高回転速度時の電源周波数fmax(Hz)との関係は、極対数をP、すべりをsとして、式(2)および(3)で表わされる。
max=60・fmax・(1−s)/P …(2)
max=nmax・P/(60・(1−s)) …(3)
また、回転子スロット21の数をNとすると、交流電源の電気角1周期において、回転子20が回転した際に、固定子巻線13に対して回転子スロット21が相対的に通過する数はN/Pとなるので、パーミアンス脈動周波数f(Hz)は、式(4)で表わされる。
=fmax・(N/P)=nmax・N/(60・(1−s)) …(4)
パーミアンス脈動周波数による表皮深さd(m)は、式(1)に式(4)を代入し、式(5)で表わされる。
d=(ρ・60・(1−s)/(π・μ・nmax・N))0.5 …(5)
即ち、図1に示したように、導体16の厚さh(m)を式(5)から算出される表皮深さdよりも小さくすることにより、パーミアンス脈動周波数によって発生する損失を低減できる。ただし、仕様に記載された最高回転速度nmax(min―1)にすべりsが含まれる場合においては、パーミアンス脈動周波数による表皮深さd(m)は式(6)で表わされる。
d=(ρ・60/(π・μ・nmax・N))0.5 …(6)
以下、本実施例について、鉄道車両用回転電機を対象にした導体16の厚さh(m)の計算例を示す。
導体16の電気抵抗率を2.50×10−8(Ω・m)、導体16の透磁率を1.26×10−6(H/m)、回転子20の最高回転速度を5000(min―1)、回転子スロット21の数を50、すべりを0.03(=3%)としたときに、式(5)により、表皮深さdは式(7)となり、高効率化が可能な導体16の厚さhの範囲は式(8)となる。
d=(2.50×10−8・60・(1−0.03)/(π・1.26×10−6・5000・50))0.5=0.00121(m) …(7)
h≦d=0.00121(m) …(8)
図3は、本実施例におけるパーミアンスの脈動周波数fと導体16の厚さの関係を示す。図3において、横軸は回転子スロット21の数と回転電機の最高回転速度により設定されるパーミアンスの脈動周波数f(Hz)を示し、縦軸は導体16の厚さの比率(p.u)を示す。図中、網掛けした範囲が、本実施例の領域である。ただし、縦軸が示す導体16の厚さの比率(p.u)は、従来の鉄道用回転電機の範囲内となるパーミアンス脈動周波数が2000(Hz)を基準(1.0)として示している。また、導体16の厚さは、式(1)を用いて算出しているが、導体16の電気抵抗率(Ω・m)と、導体16の透磁率(H/m)は、従来の鉄道用回転電機で使用される導体における値を用いている。
図3が示すように、従来の鉄道用回転電機の導体16の厚さは、図3に示す空間高調波を考慮しない領域で設定されている。また、パーミアンス脈動周波数が2000(Hz)における本実施例について算出される厚さ0.6(p.u)は、基準とする従来値(1.0p.u.)に対し、1.7倍(=1/0.6)も薄い。即ち、本実施例における導体の厚さは、従来の回転電機においては、過小であり、適用されない厚さである。
以下、本実施例の効果について、先行技術と比較しながら述べる。
従来、回転電機へ印加する電圧の電源周波数に起因するいわゆる表皮効果に伴い導体に発生する時間高調波損失を低減するために、電流の表皮深さよりも導体の厚さを小さくすることは知られているが(例えば、特許文献1〜3参照)、本従来技術では、回転電機の構造による空間高調波に起因する損失については考慮されていない。
また、従来、本実施例と同様に空間高調波について考慮し、回転子スロット形状を改良し、回転子導体に発生する高調波損失を低減することが知られている(例えば、特許文献4および特許文献5参照)。しかし、これらの技術は、空間高調波について考慮してはいるが、固定子巻線に発生する高調波損失については考慮されていない。
これらに対し、本実施例では、回転子スロット数や回転子の回転速度によるパーミアンス脈動周波数に起因する空間高調波によって固定子導体に損失が発生するという、新規な知見に基づき、固定子巻線の導体の厚さをパーミアンス脈動周波数に応じた表皮深さ以下に設定することにより、本損失を低減することができる。
なお、本発明者が、既存の鉄道用回転電機で使用される導体16の厚さで最も薄いものを基準(1.0p.u)として、上記従来技術(例えば、特許文献1〜3)に基づいて、既存の鉄道用回転電機で使用される電源周波数(0〜200Hz)に対して導体16の厚さを検討したところ、3.84(p.u)程度となる。このような値は、従来の鉄道用回転電機で使用されている導体16の厚さよりも大きく、本実施例による厚さとはさらに乖離した値となる。
本実施例は、鉄道用誘導電動機を対象にしたが、パーミアンス脈動を有する他の回転電機にも同様に適用できる。
また、本実施例は、回転子スロット21の形状が半閉型であるが、磁束の脈動が半閉型スロットよりも大きくなる全閉型スロットの場合にも、大きな損失低減効果が得られる。また、アルミダイカストロータのように、回転子鉄心における回転子スロットの半閉部にアルミ(非磁性体)が充填される場合にも適用でき、同様の効果が得られる。
さらに、本実施の回転電機に使用する材料に関しては、式(5)および(6)を適用できる任意の材料を適用できる。
上述したように、実施例1によれば、固定子巻線導体の厚さを、パーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値、好ましくは式(1)、(5)、(6)によって算出できるような値以下の値に設定することにより、固定子巻線で発生する損失を低減して、回転電機を高効率化することができる。
図4は、本発明による実施例2である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。なお、比較のために、従来例も記載する。本実施例2は、実施例1とは異なり、導体16の外周表面が絶縁被覆15に覆われていない裸線とし、かつ、隣接する導体16間には絶縁シート18が介在し、これら導体16と絶縁シート18が、固定子スロット12内で、固定子あるいは回転子の径方向に沿って、各導体の厚さ方向が回転電機の径方向となるように、交互に配置される。なお、固定子スロット12の断面内において、固定子スロット12の高さ方向、すなわち回転電機の径方向において、従来例では複数の導体16が2列に配列されるのに対し、本実施例2では1列に配列される。このため、一つの導体の幅を、固定子スロット12の幅程度に広げられる。これと、後述する本実施例2における固定子巻線の絶縁構成とが相俟って、本実施例2では、固定子スロット12内における導体の占積率を増大することができる。各導体16の厚さについては、実施例1と同様に、パーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値に設定される。
図5は、回転子巻線に発生する銅損と導体厚さの関係の一例を示す。固定子巻線に生じる銅損は、直流抵抗分による直流損と、パーミアンス脈動等に起因する高周波抵抗分による交流損に区分できる。従来例で用いられる絶縁被覆有の素線30を薄くした場合、交流損は大幅に低減できる一方で、固定子スロット12内における導体16の占積率が低下し、直流損が増加する。すなわち、直流損と交流損はトレードオフの関係にある。このようなトレードオフ関係は、従来例および実施例1、2において、互いに損失の大きさの大小はあるものの、同様の傾向を示す。本実施例2によれば、後述するように、直流損を低減して、直流損と交流損のトレードオフ関係を向上することができる。
本実施例2では、絶縁被覆を施さない素線31と、絶縁シート18を、回転電機の径方向に交互に積層するように配置している。すなわち、径方向においては、素線の絶縁被覆によらず、絶縁シート18を用いて、隣接する導体16間が絶縁される。ここで、電気的な絶縁耐力は、絶縁シート18のみによって確保されるように、絶縁シート18の絶縁特性(tanδ、部分放電開始電圧、最大放電電荷量、絶縁破壊)、厚さ寸法や材料などが選択される。また、他の方向においては、素線の絶縁被覆や絶縁シート18によらず、積層された複数の導体16と複数の絶縁シート18の周囲を被覆する主絶縁14によって絶縁が確保される。従って、所望の絶縁性を確保しながらも、固定子スロット12の断面内において、絶縁部材の占める割合(占積率)を低減することができる。
図6は、本実施例2を含む固定子巻線構造による銅損(直流損および交流損)の大きさの比較を示す。なお、各構造について、固定子スロットは同一スペースを有する。
図6に示すように、本実施例2では、前述したように導体16の厚さをパーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値に設定することにより交流損(高調波損失)を低減しつつ、固定子スロット12の断面内において絶縁部材の占積率を低減して導体16の占積率を向上することにより導体16の電気抵抗を小さくできるため、直流損を低減することができる。
上述したように、実施例2によれば、パーミアンス脈動周波数による空間高調波損失の低減に加え、固定子巻線の直流損も低減できるため、固定子巻線で発生する損失を低減して、回転電機を高効率化することができる。
図7は、本発明による実施例3である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。本実施例3は、実施例1、2と異なり、絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31を併用する。
本実施例3では、絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31が、実施例2と同様に固定子スロットの断面内においてスロットの高さ方向、すなわち回転電機の径方向に、一列に配列されると共に、交互に積層される。このため、固定子スロット内において、隣接する導体16間は、絶縁被覆有の素線30の絶縁被覆によって絶縁される。ここで、電気的な絶縁耐力は、素線30の絶縁被覆のみによって確保される。
本実施例3によれば、実施例2と同様に、固定子スロットの断面内において絶縁部材の占積率を低減して導体16の占積率を向上することができる。さらに、本実施例3においては、固定子巻線の製造工程において導体16間を絶縁するために、絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31を準備すれば、実施例2における絶縁シート18のような絶縁部材を積層する工程を省略できるので、製造工程を簡素化することができる。例えば、具体的な製造工程として、絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31の2種の巻線のロールから、巻線機を用いて固定子巻線13を成型すれば、厚さがパーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値に設定された複数の薄い導体16を積層した構造の固定子巻線を製作することができる。
本実施例では絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31を各1種類として、合わせて2種類の素線を有しているが、導体の断面積を変えたり、絶縁被覆の厚さを変えたりして、3種以上の複数種の素線を用いても良い。
上述したように、実施例3によれば、固定子巻線で発生する損失を低減して、回転電機を高効率化することができると共に、固定子巻線の製造を容易にして、回転電機のコストを低減できる。
図8(a)および図8(b)は、本発明による実施例4である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。本実施例3は、実施例1〜3と異なり、複数の素線により一つのターンが構成され、ターンごとに絶縁が施される。ここで、ターンとは、素線の導体部が略同電位となる複数の素線の集合である。
図8(a)に示す固定子巻線においては、実施例3の構成が一部適用される。すなわち、二つの絶縁被覆無の素線31と一つの絶縁被覆有の素線30が一つのターンを構成する。これらの三つの素線は、絶縁被覆有の素線30を間にして、各導体の厚さ方向が、回転電機の径方向となるように積層される。図8(a)の固定子巻線は、複数ターンすなわち4ターン備えており、各ターンは、マイカテープ等の絶縁物で被覆されるターン間絶縁19が施される。このため、隣接するターン間の絶縁は、各ターンに施されるターン間絶縁19によって確保される。これら複数のターンは、各導体の厚さ方向が、回転電機の径方向となるように積層され、このような積層体が主絶縁14によって被覆されて、一つの固定子巻線が構成される。
図8(b)に示す固定子巻線においては、実施例2の構成が一部適用される。すなわち、図8(a)と異なり、二つの絶縁被覆無の素線31と一つの絶縁シート18が一つのターンを構成する。これら素線および絶縁シートは、絶縁シート18を間にして、各導体の厚さ方向が、回転電機の径方向となるように積層される。固定子巻線の他の構成は、図8(a)と同様である。
ここで、固定子巻線13の巻数は、回転電機の仕様(入力電圧、回転電機の外径、鉄心の積厚等)に対して所望の回転電機の特性が得られるように設定される。また、生産性の観点から、扱える導体の厚さ寸法には制約が生じる。このような制限のもとでも、本実施例4によれば、次に説明するように、厚さがパーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値に設定された複数の薄い導体を用いて、導体間の絶縁が確保された固定子巻線を所望の巻数分設けた回転電機を生産性良く製作することができる。
本実施例4では、各ターンを絶縁することで、絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31は必ずしも交互に配置することなく、導体間の絶縁を確保できる。これによって、固定子巻線13内の導体16の配置の自由度を向上させることができる。さらに、複数の素線の積層体からなるターンを準備することにより、厚さがパーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値に設定された複数の薄い導体を用いながらも、製造工程における部材の支持や処理が容易になり、生産性が向上する。
上述したように、実施例4によれば、パーミアンス脈動周波数による空間高調波損失の低減や固定子巻線の直流損の低減に加え、回転電機高調波損失を低減するための厚さの薄い導体を用いる固定子巻線の構成の自由度が向上するので、所望の性能を有しかつ高効率な回転電機を実現できる。
図9は、本発明による実施例5である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。
本実施例5は、前述した実施例3と同様に、絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31が、固定子スロットの断面内においてスロットの高さ方向、すなわち回転電機の径方向に交互に積層される。さらに、本実施例5では、実施例3と異なり、複数の素線が、複数列、本実施例5では2列に配置される。このため、実施例2と固定子スロットの寸法及び形状が同じならば、本実施例5における一つの素線の導体16の幅は、実施例3の場合よりも小さくなる。なお、列間では、絶縁被覆有の素線30同士、並びに絶縁被覆無の素線31同士が、それぞれ水平方向に隣接する。
本実施例5によれば、導体16の断面形状の幅と厚さのアスペクト比(幅/厚さ)を低減できるので、厚さがパーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値に設定された薄い導体を用いながらも、アスペクト比が過大になることを抑制することができる。
導体16のアスペクト比が過大になると、回転電機の製造時の固定子巻線の曲げ工程において、導体16の薄手方向と厚手方向とで曲げ易さ(あるいは曲げ難さ)が極端に異なるために、加工処理が難しくなる。これに対し、本実施例5によれば、導体16のアスペクト比を低減することができるので、厚さがパーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値に設定された複数の薄い導体を用いながらも、加工処理の困難性が軽減され、生産性が向上する。
本実施例5では、素線の配列数が2列であるが、これに限らず、3列以上の複数列でも良い。また、本実施例5は、実施例3を基に素線の配列数を複数列にしているが、他の実施例において素線の配列数を複数列にしても良い。
上述したように、本実施例5によれば、パーミアンス脈動周波数による空間高調波損失の低減や固定子巻線の直流損の低減に加え、高効率の回転電機の生産性を向上することができる。
図10は、本発明による実施例6である回転電機の固定子巻線の部分断面図を示す。
本実施例6は、前述した実施例5と同様に、絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31が、固定子スロットの断面内においてスロットの高さ方向、すなわち回転電機の径方向に交互にかつ複数列に積層される。さらに、本実施例6では、実施例5と異なり、列間では、絶縁被覆有の素線30と絶縁被覆無の素線31とが、水平方向に隣接する。これにより列間には、絶縁被覆有の素線30の絶縁被覆が介在するので、素線の列間の絶縁性が向上する。従って、回転電機を高電圧化することができる。
上述したように、本実施例6によれば、パーミアンス脈動周波数による空間高調波損失の低減や固定子巻線の直流損の低減に加え、回転電機を高電圧化できるので、回転電機の出力を向上できると共に高効率化できる。
図11は、本発明による実施例7である回転電機駆動システムを示す。
本実施例7においては、電源40から供給される三相交流電力を、変換器41により、周波数や電圧が異なる三相交流電力に変換して、変換された三相交流電力によって回転電機1が回転駆動される。そして、回転電機1の回転出力によって、負荷42、例えば後述するような鉄道車両が駆動される。なお、変換器41としては、電源40から供給される三相交流電力をまず直流電力に変換した後、インバータ回路によって三相交流電力に変換する電力変換器や、電源40から供給される三相交流電力を、直流電力に変換することなく、直接、周波数や電圧が異なる三相交流電力に変換する、いわゆるマトリクスコンバータが適用できる。
本実施例7における回転電機1としては、前述した実施例2(図4参照)の回転電機が適用される。このため、回転電機1におけるパーミアンス脈動周波数による空間高調波損失が低減されると共に直流損が低減されるので、回転電機駆動システムにおける電力損失が低減され、同システムを高効率化することができる。
さらに、本実施例によれば、回転電機1の固定子巻線が、厚さがパーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値に設定された薄い導体を有するため、変換器41が出力する電圧波形に含有される高調波成分によって固定子巻線に流れる高調波電流に起因する近接効果や表皮効果によって発生する損失(時間高調波損失)を低減することができる。
上述したように、本実施例7によれば、回転電機において発生する、パーミアンス脈動周波数に起因する空間高調波損失および変換器出力電圧波形の高調波成分に起因する時間高調波損失を共に低減できるため、回転電機駆動システムの電力損失を大幅に低減して、同システムの効率を大幅に向上することができる。
なお、回転電機1は、実施例2の回転電機に限らず、実施例1、3〜6(図1、7〜10参照)のいずれかの回転電機でも良い。また、変換器41は、電源電力として、三相交流電力を入力するものに限らず、単相交流電力や直流電力を入力するものでも良い。
図12は、本発明による実施例8である鉄道車両を示す。
図12に示すように、鉄道車両50は、台車53と、台車53に増速ギア51を介して車軸54によって回転可能に軸支される複数の車輪52と、増速ギア51を介して複数の車輪52に機械的に接続され、複数(4個)の車輪52を駆動する複数台(2台)の回転電機1を備える。このように、本実施例8の駆動系は、1軸1モータにて構成される。回転電機1は、図示されないが鉄道車両50に搭載される変換器と共に、前述した実施例7(図11参照)による回転電機駆動システムを構成する。従って、図12における回転電機1としては、前述した実施例2(図4参照)の回転電機が適用される。なお、本実施例8において、図示しない変換器は、架線や鉄道車両に搭載される蓄電システムなどから電源電力を入力する。
本実施例8において、駆動系は、1軸1モータで2軸を駆動する駆動方式であり、計2台の回転電機を備えているが、これに限らず、他の駆動方式を用いて、1台あるいは3台以上の複数台の回転電機を備えるものでも良い。
鉄道車両用回転電機には、限られた架線の直流電力に対して、回生電力向上等を目的として最大出力向上というニーズがあり、回転電機に入力する電圧実効値を可能な限り大きくすることが要求される。そのため、鉄道車両の一定速度以上の速度域では、PWM(パルス幅変調)で変調率を100%まで利用した同期1パルス電圧波形を変換器から出力して回転電機が駆動される。変調率を100%とすることで、電圧実効値は大きくできる一方で、回転電機に流れる電流に高調波成分が多く重畳される。
図13は、高調波の次数と、基本波に対する高調波成分の割合の関係の一例を示す。本図13は、回転電機に入力するPWM電圧波形が同期1パルスの際に、固定子巻線に流れる高調波電流の大きさの比較を示すものである。
図13が示すように、低次の高調波電流の割合が多く、次数が大きくなるほど割合は小さくなり、23次よりも大きな次数の成分はほぼゼロとなる。このような関係に基づき、本実施例8における回転電機1においては、固定子巻線の導体の厚さhが、前述したようなパーミアンス脈動周波数による表皮深さ以下の値、好ましくは式(1)、(5)、(6)によって算出できるような値以下の値であるとともに、式(9)に示すように、最高回転速度時において回転電機1を駆動する電源、すなわち、変換器41(図11)が出力する三相交流電力の23次高調波成分に対する表皮深さd’以下の値であることが好適である。なお、式(9)において、周波数fmax(Hz)は、最高回転速度時において回転電機を駆動する三相交流電力の基本波成分の周波数である。
h≦d’=(ρ/(π・23fmax・μ))0.5 …(9)
上述したように、本実施例8により、鉄道車両用特有の1パルス駆動時の時間高調波損失と、パーミアンス脈動周波数による空間高調波損失の両者を低減した、高効率な鉄道車両を提供できる。
なお、本発明は前述した実施例1〜8に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した各実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、上述した回転電機および回転機駆動システムは、鉄道車両に限らず、回転電機でコンプレッサ等を駆動するポンプシステム、回転電機で掘削用のドリル等を駆動する掘削システム、回転電機で切粉用のミル等を駆動する切粉システム、回転電機でファンを駆動するファンシステム等にも適用できる。特に、空間高調波損失の割合が大きい回転電機を高速回転で使用するシステムに使用することで、大きな効率向上効果が得られる。
1…回転電機
10…固定子
11…固定子鉄心
12…固定子スロット
13…固定子巻線
14…主絶縁
15…絶縁被覆
16…導体
17…楔
18…絶縁シート
20…回転子
21…回転子スロット
22…回転子バー
23…エンドリング
24…回転子鉄心
25…シャフト
26…回転子鉄心抑え
30…絶縁被覆有の素線
31…絶縁被覆無の素線
40…電源
41…変換器
42…負荷
50…鉄道車両
51…増速ギア
52…車輪
53…台車

Claims (15)

  1. 複数の導体を含む固定子巻線を有する固定子と、
    空隙を介して前記固定子と対向する回転子と、
    を備える回転電機において、
    前記複数の導体の各厚さが、前記空隙における磁束の空間高調波に対する表皮深さ以下の値に設定されることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記固定子は、前記固定子巻線が収納される固定子スロットを有する固定子鉄心を備え、
    前記回転子は、外周側に複数の回転子スロットを有する回転子鉄心を備えることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機において、
    前記複数の回転子スロットは、前記固定子側において開口していることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項2に記載の回転電機において、
    前記導体の電気抵抗率をρ(Ω・m)とし、前記導体の透磁率をμ(H/m)とし、前記複数の回転子スロットの個数をN2とし、前記回転子の最高回転速度をnmax(min−1)とし、すべりをsとすると、前記複数の導体の各厚さh(m)は、次式を満足することを特徴とする回転電機。
    h≦(ρ・60・(1−s)/(π・μ・nmax・N))0.5
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記複数の導体は、互いに絶縁される複数の素線からなることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項5に記載の回転電機において、
    前記複数の素線は、複数の裸線からなり、前記複数の素線と交互に配置される複数の絶縁部材によって互いに絶縁されることを特徴とする回転電機。
  7. 請求項5に記載の回転電機において、
    前記複数の素線は、絶縁被覆を有する複数の第1の素線と、裸線からなる複数の第2の素線とを含み、前記複数の第1の素線と前記複数の第2の素線は交互に配置され、前記複数の素線は、前記第2の素線の絶縁被覆によって互いに絶縁されることを特徴とする回転電機。
  8. 請求項5に記載の回転電機において、
    前記複数の素線は、一つのターンに属する、第1の絶縁被覆を有する複数の第1の素線および裸線からなる複数の第2の素線を含み、
    前記複数の第1の素線と前記第2の複数の素線とは、前記第1絶縁被覆によって互いに絶縁され、
    前記一つのターンは、第2の絶縁被覆を有し、前記第2の絶縁被覆によって他のターンと絶縁されることを特徴とする回転電機。
  9. 請求項5に記載の回転電機において、
    前記複数の素線は、一つのターンに属し、裸線からなる複数の第1の素線を含み、
    前記複数の第1の素線は絶縁部材によって互いに絶縁され、
    前記一つのターンは絶縁被覆を有し、前記絶縁被覆によって他のターンと絶縁されることを特徴とする回転電機。
  10. 請求項7に記載の回転電機において、
    前記複数の第1の素線と前記複数の第2の素線は複数列に配列されることを特徴とする回転電機。
  11. 請求項10に記載の回転電機において、
    前記複数列の内、隣り合う列間では、前記第1の素線どうしが隣接し、かつ前記第2の素線どうしが隣接することを特徴とする回転電機。
  12. 請求項10に記載の回転電機において、
    前記複数列の内、隣り合う列間では、前記第1の素線と前記第2の素線が隣接することを特徴とする回転電機。
  13. 電源から入力する電力を三相交流電力に変換して出力する変換器と、前記変換器が出力する前記三相交流電力によって回転駆動される回転電機と、を備える回転電機駆動システムにおいて、
    前記回転電機は、
    複数の導体を含む固定子巻線を有する固定子と、
    空隙を介して前記固定子と対向する回転子と、
    を備え、
    前記複数の導体の各厚さが、前記空隙における磁束の空間高調波に対する表皮深さ以下の値に設定されることを特徴とする回転電機駆動システム。
  14. 請求項13に記載の回転電機駆動システムにおいて、
    前記回転電機の最高回転速度(min−1)における前記三相交流電力の周波数fmax(Hz)に対して、前記複数の導体の各厚さh(m)は、次式を満足することを特徴とする回転電機。
    h≦(ρ/(π・23・fmax・μ))0.5
  15. 台車と、
    前記台車に回転可能に軸支される複数の車輪と、
    前記複数の車輪を駆動する回転電機と、
    を備える鉄道車両において、
    前記回転電機は、
    複数の導体を含む固定子巻線を有する固定子と、
    空隙を介して前記固定子と対向する回転子と、
    を備え、
    前記複数の導体の各厚さが、前記空隙における磁束の空間高調波に対する表皮深さ以下の値に設定されることを特徴とする鉄道車両。
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