JP2016082094A - 色素増感太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の基板同士をロールトゥロール方式で接着するプロセスに対応可能で、接着剤の塗布量と塗布パターンを適正に制御でき、接着剤層のパターンを高精度且つ生産性良く形成することが可能な色素増感太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】対向して配置される一対の基板2A,2Bと、この一対の基板2A,2B上に、それぞれ対向するように設けられる光電極及び対向電極と、を備える色素増感太陽電池1の製造方法であり、ローラー13の表面13aに接着剤Bを所定のパターンで担持させる担持工程と、ローラー13の表面13aに担持させた接着剤Bを一対の基板2A,2Bの内の一方の基板2A上に接触させて塗工し、所定のパターンの接着剤層5を形成する塗工工程と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、色素増感太陽電池の製造方法に関する。
色素増感太陽電池は、発電性能の向上等を目的として、光電極側の基板上に配置される各機能膜をパターニングすることで、基板上にアレイ状の素子配列を形成した構成が採用されるようになっている。ここで、光電極基板と対向電極基板との接合(接着)、基板上に形成されたアレイ状の各素子間の分離(隔壁)、セル内部への電解質(電解液)の保持及び外部雰囲気のセル内侵入抑制(封止)等は、一対の基板間に配置したシール材によってなされる。
従来、一対の基板間にシール材を配置する方法としては、例えば、接着剤(二液混合硬化型、光硬化型、熱硬化型等)を用いて、ディスペンサーによって基板上に描画塗布する方法が知られており、例えば、ホットメルト型接着剤をノズルから吐出し、基板上にパターン形成しながら塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、一対の基板同士を接着しながら色素増感太陽電池を製造するにあたり、従来から採用されているロールトゥロール方式で生産可能な方法として、例えば、熱硬化型樹脂を所望の形状として離形シートに配置した接着剤付きシートを用い、パターン化された接着剤を転写する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2011−183576号公報 国際公開第2014/112624号
ここで、特許文献1に記載の方法のように、ディスペンサーを用いて基板上に接着剤を塗布する場合、一対の基板間での接着及び封止を確実にするため、塗布パターンにおける始点と終点とを確実に重ね合わせる必要がある。しかしながら、このように、パターンの始点と終点とを重ね合わせた場合、この部分の厚みが、他の部分と比べて均一でなくなるという問題がある。
また、ディスペンサーを用いて基板上に接着剤を塗布する場合、塗布パターンの横断面が略凸状に盛り上がった形状になることから、加熱圧着する際に、パターンの幅方向着中心に対して、左右の何れかの側に不規則にずれた形状となる場合がある。このような形状のずれを最小限に抑制するためには、例えば、基板上におけるホットメルト型接着剤ののり代を大きくすることが考えられる。しかしながら、この場合、例えば、電極側に大きなのり代を確保すると、内包される電解質を必要以上に増量することが必要になったり、あるいは、電極側と接着剤側との隙間が大きくなり、空気等の脱気に時間がかかるという問題が生じると考えられる。また、特許文献1のようなディスペンサーを用いた方法だと、例えば、ロールから繰り出される基板とともにディスペンサーを並進させることは困難であることから、ロールトゥロール方式への適用は難しいという問題がある。
一方、特許文献2に記載の技術によれば、基板に対して、接着剤付きシートを、接着剤の形状が崩れない程度で軽く押しつけることで、基板に接着剤が付着するとされる。しかしながら、特許文献2のような、パターン化された接着剤を予め準備して転写する方法等においては、基板に形成される接着剤のパターンの精度の維持や、基板への転写確率等に懸念があり、安定性や生産性の観点から問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、一対の基板同士をロールトゥロール方式で接着するプロセスに対応可能で、接着剤の塗布量と塗布パターンを適正に制御でき、接着剤層のパターンを高精度且つ生産性良く形成することが可能な色素増感太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、対向して配置される一対の基板と、該一対の基板上に、それぞれ対向するように設けられる光電極及び対向電極と、を備える色素増感太陽電池の製造方法であって、ローラーの表面に接着剤を所定のパターンで担持させる担持工程と、前記ローラーの表面に担持させた接着剤を前記一対の基板の内の一方の基板上に接触させて塗工し、前記所定のパターンの接着剤層を形成する塗工工程と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、前記担持工程が、表面に前記所定のパターンが形成されたローラーを用いることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、前記ローラーが、ローラー本体と、表面に所定のパターンが形成され前記ローラー本体の外周面に着脱自在に取り付け可能な薄板状の版部材とを備えていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、前記塗工工程が、前記一方の基板に対して前記ローラーを相対的に移動且つ接触させ、連続的又は間欠的に前記一方の基板上に前記所定のパターンの接着剤層を形成することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、前記ローラーの表面の前記パターンが、ストライプ状に形成された溝部、格子状に形成された溝部、ドット状に形成された穴部の内の少なくとも何れかからなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、さらに、前記一対の基板の内、前記一方の基板又は他方の基板の何れかの上に、少なくとも一以上の光電極を形成する光電極形成工程と、前記一対の基板の内、前記光電極が形成された基板と反対側の基板上における前記光電極と対応する位置に対向電極を形成する対向電極形成工程と、を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、さらに、前記塗工工程の後工程として、前記一対の基板同士を、前記光電極と前記対向電極とが対向して挟み込まれるように重ね合わせ、前記一方の基板上に形成された前記接着剤層によって前記一対の基板同士を、一対の加圧ロールで挟み込んで加圧することで接着する接着工程が備えられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、前記接着剤がホットメルト型接着剤からなり、前記接着工程は、前記一対の加圧ロールが加熱されており、前記一方の基板上に形成された前記接着剤層を加熱しながら、前記一対の基板を前記一対の加圧ロールで挟み込んで加圧することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、前記接着剤が熱硬化型接着剤からなり、前記接着工程は、前記一対の加圧ロールが加熱されており、前記一方の基板上に形成された前記接着剤層を加熱して硬化させながら、前記一対の基板を前記一対の加圧ロールで挟み込んで加圧することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の色素増感太陽電池の製造方法であって、前記接着剤が光硬化型接着剤からなり、前記接着工程は、前記接着剤層に光を照射して硬化させながら、前記一対の基板を前記一対の加圧ロールで挟み込んで加圧することを特徴とする。
本発明に係る色素増感太陽電池の製造方法によれば、まず、担持工程において、予め、ローラーの表面に接着剤をパターン化して担持させた後、塗工工程において、一方の基板上に、ローラーの表面にパターン化して担持された接着剤を転写し、所定のパターンを有する接着剤層を形成する方法なので、一対の基板同士をロールトゥロール方式で接着するプロセスに容易に対応できる。また、接着剤の塗布量と塗布パターンを適正に制御することができ、接着剤層のパターンを高精度で生産性良く形成することが可能となり、密封性に優れ、高い電池特性を有する色素増感太陽電池を製造することが可能となる。
本発明の一実施形態である色素増感太陽電池の製造方法によって得られる色素増感太陽電池について説明する模式断面図である。 本発明の一実施形態である色素増感太陽電池の製造方法を模式的に説明する図であり、ロールトゥロール方式によって一対の基板同士を繰り出しながら連続的に接着する工程を説明する概略図である。 本発明の一実施形態である色素増感太陽電池の製造方法を模式的に説明する図であり、(a)は接着剤が予め担持されるローラー示す斜視図、(b)はローラー本体の外周部に取り付けられる薄板状の版部材を展開した状態で、溝部のパターンを示す平面図である。 本発明の一実施形態である色素増感太陽電池の製造方法を模式的に説明する図であり、接着剤層を形成する前の一方の基板上に形成された光電極を示す平面図である。 本発明の一実施形態である色素増感太陽電池の製造方法を模式的に説明する図であり、光電極が形成された一方の基板上に、さらに、図3(a)、(b)に示すローラーで接着剤層を形成した状態を示す平面図である。
以下、本発明に係る色素増感太陽電池の製造方法の一実施形態について、図1〜図5を適宜参照しながらその構成を説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
<色素増感太陽電池>
図1に示すように、本実施形態の色素増感太陽電池の製造方法によって得られる色素増感太陽電池1は、少なくとも、対向して配置される一対の基板2(2A,2B)と、この一対の基板2A,2B上に、それぞれ対向するように設けられる光電極3及び対向電極4とを備える。また、図1に示す色素増感太陽電池1は、一対の基板2A,2Bの周縁部が、接着剤層5によって封止されている。また、光電極3と対向電極4との間は、一定の厚み寸法を有するように対向して配置された構成とされており、これらの間に電解質6が設けられ、この電解質6は、接着剤層5によって封止されている。また、図1では図示を省略しているが、一対の基板2A,2B上には、各々、光電極3と対向電極4との間で発生させた電流を集電するための配線パターンが形成されている(図4中に示す配線パターン33を参照)。
以下、本実施形態の製造方法によって得られる色素増感太陽電池1をなす各構成について詳述する。
(一対の基板)
一対の基板2A,2Bは、上述したように、一方の基板2Aと他方の基板2Bとが、それぞれ対向して配置される。また、図1中において上側に配置される一方の基板2Aの一面側には光電極3が設けられるとともに、図中において下側に配置される他方の基板2Bの一面側には対向電極4が設けられる。
一方の基板2Aは、光電極3を支持する光電極基板として機能する透明部材であり、導電性を有するとともに、光電極並びに光電極が用いられる色素増感太陽電池等の製造及び利用に適用可能であって、且つ、可視光に対して透明な材質で構成されていれば、その材質等は特に限定されない。例えば、湾曲部や凹凸部等を有する場所への設置自由度を高める点から、一方の基板2Aとしては、透明な導電性樹脂材料からなるフィルム基材を用いることが好ましい。このような樹脂材料としては、詳細な図示は省略するが、例えば、ITO(錫ドープ酸化インジウム)やFTO(フッ素ドープ酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)からなる導電材料層を、PET、PEN、ポリカーボネート、アクリル等の樹脂からなる透明基材上に成膜したもの等が挙げられる。
また、一方の基板2Aとしては、銀、銅、アルミニウム、鉄、チタン、ステンレス、ニッケル、マンガン、亜鉛等の金属、又は合金をメッシュ状として導電材料層とし、これを上記の樹脂からなる透明基材上に成膜した膜等が挙げられる。上記のような樹脂材料を一方の基板2Aに使用することで、軽量で薄くフレキシブルな光電極基板が用いられてなる色素増感太陽電池を製造することが可能となる。
他方の基板2Bは、対向電極4の基台(対向電極基板)となる部材であり、色素増感太陽電池1の製造及び利用に適用可能な材質で構成されていれば、その材質等は特に限定されないが、光電極3側と対向電極4の両面受光が可能になるという観点から、上述した一方の基板2Aの場合と同様、導電性を有する透明部材からなり、可視光に対して透明な材質であることが好ましい。また、他方の基板2Bとしては、詳細な図示は省略するが、光電極3が支持される一方の基板2Aと同様、湾曲部や凹凸部等を有する場所への設置自由度を高める点から、透明な導電性樹脂材料からなるフィルム基材を用いることが好ましく、例えば、ITO、FTO、ATO、GZO、AZOからなる導電材料層を、PET、PEN、ポリカーボネート、アクリル等の樹脂からなる基材上に成膜したものが挙げられる。
また、他方の基板2Bとしては、銀、銅、アルミニウム、鉄、チタン、ステンレス、ニッケル、マンガン、亜鉛等の金属、又は合金をメッシュ状として導電材料層とし、これを、上記樹脂からなる基材上に成膜した膜等が挙げられる。上述のような樹脂材料を他方の基板2Bに使用することで、軽量で薄くフレキシブルな対向電極基板が用いられてなる色素増感太陽電池を製造することが可能となる。
また、他方の基板2Bは、必ずしも透明性を有している必要性はなく、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅、銀、チタン、白金、金、モリブデン、マンガン、クロム、ニッケル等の金属、あるいは合金からなる導電材料層を、PET、PEN、ポリカーボネート、アクリル等の樹脂からなる基材上に成膜したものの他、上記金属材料からなる金属箔等を他方の基板2Bに代えて用いることもできる。
(光電極)
図1に示す例のように、光電極3は、一方の基板2A上に設けられ、詳細な図示を省略するが、半導体層31に色素32が吸着担持されてなる。図示例においては、光電極3の一方の基板2Aが上側に配置されている。また、図1に示す例の光電極3は、一方の基板2Aの幅方向で概略中心付近に形成されている。
光電極3を構成する半導体層31は、一方の基板2A上に形成され、その材料は特に限定されず、後述の色素32の吸着が可能な、従来から色素増感太陽電池の光電極に用いられている半導体材料を何ら制限無く用いることができる。このような半導体材料としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)等の金属酸化物からなる多孔質材料等を用いることができる。
半導体層31が金属酸化物半導体の微粒子によって構成される場合、半導体層31は、微粒子を含む公知のペーストが一方の基板2A上で焼成されることで形成されたものであってもよい。また、金属酸化物半導体の微粒子を、搬送ガスによって一方の基板2A上に吹き付けることにより、微粒子同士が接合された状態で形成される多孔質構造として、半導体層31を構成してもよい。上述のような、金属酸化物半導体の微粒子を一方の基板2A上に吹き付けて多孔質構造の半導体層31を形成する方法としては、例えば、エアロゾルデポジション法(AD法)が挙げられる。
ここで、半導体層31を構成する金属酸化物半導体の微粒子の一次粒子径としては、当該微粒子を一方の基板2A上に成膜する方法によって好適な範囲が異なる場合があるが、通常は、1nm〜500μmが好ましく、1nm〜250μmがより好ましく、5nm〜100μmがさらに好ましく、10nm〜10μmが特に好ましい。なお、金属酸化物半導体の微粒子の一次粒子径を求める方法としては、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いた測定によって得られた体積平均径の分布のピーク値から決定する方法や、SEM観察によって複数の微粒子の長径方向の寸法を測定した後、その平均値を算出する方法等が挙げられる。これらのうち、金属酸化物半導体の微粒子の一次粒子径は、SEM観察によって測定することが好ましい。
半導体層31は多孔質構造とされていることが好ましい。このように、半導体層31が、少なくともその表面が多孔質構造とされていることで、後述の色素32の半導体層31上への吸着可能面積が増加し、色素の吸着量を増加させることができる。これにより、変換効率が向上し、高い電池特性を得ることが可能となる。
色素32は、光電極3において半導体層31に吸着するように形成される、増感色素からなる層である。この色素32は、照射された光によって励起され、電子を放出する作用を有する。そして、色素32から放出された電子は、バンドギャップが広い半導体層31に受け渡され、この半導体層31内を拡散して一方の基板2Aに円滑に移動する。
光電極3を構成する色素32は、半導体層31に吸着するように設けられることが好ましく、且つ、半導体層31の表面(内部表面も含む)が色素32で被覆されるように形成されることが好ましい。
上述のように、照射された光によって電子を放出する色素32としては、例えば、ルテニウム錯体、シアニンやクロロフィルといった公知の有機色素が挙げられる。
(対向電極)
図1に示す例のように、対向電極4は、他方の基板2B上に積層して設けられる触媒層から構成されており、図示例においては、他方の基板2Bが下側とされている。また、図1に示す例の対向電極4は、他方の基板2B上のほぼ全面にわたって形成されている。
対向電極4を構成する触媒層は、例えば、スパッタリング法や印刷法等の公知の方法で、他方の基板2Bの板面上に形成される。このような触媒層としては、公知の材質のものを用いることができ、例えば、電解質6の酸化還元反応に対して触媒能を有する材料等が選択可能である。
なお、他方の基板2B及び対向電極4は、色素増感太陽電池に照射される光に対して透明でなくてもよいが、例えば、光照射方向の自由度確保の観点からは、透明であることが好ましい。
(電解質)
電解質6は、光電極3と対向電極4との間で、接着剤層5で囲まれた空間に充填されている。電解質6は、色素増感太陽電池1において、継続的に電気を流すための酸化還元反応を生ずる酸化還元対を含む物質からなる。このような酸化還元対としては、例えば、ヨウ素レドックス等が挙げられる。ヨウ素レドックスを含む電解質6には、例えば、アセトニトリルやプロピオニトリル等の非水系溶媒、又は、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムやヨウ化ブチルメチルイミダゾリウム等のイオン性液体等に、ヨウ化リチウムとヨウ素とが混合されてなる溶液が用いられる。また、電解質6には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、フィラーや増粘剤等の他の添加剤が含有されていても良い。
なお、電解質6における酸化還元対の濃度は特に制限されないが、電解質6が液体状の電解液である場合、好ましくは0.1〜10mol/Lであり、より好ましくは0.2〜2mol/Lである。また、電解質6の溶媒中にヨウ素を添加する場合における、ヨウ素の濃度の好ましい範囲は、0.01〜1mol/Lである。
また、本実施形態では、液体状の電解質に代えて、半固体状(ゲル状)又は固体状のものを電解質6に用いても良い。このような電解質6としては、例えば、電解液にゲル化剤又は増粘剤を添加したゲル状電解質が適用できる。また、従来公知のp型導電性高分子の溶液を用い、溶媒を除去することによって固体化したものが適用できる。このように、液体状の電解質に代えて、ゲル状又は固体状の電解質6を用いることにより、色素増感太陽電池1から液状の電解質が漏出するリスクが解消される。
(接着剤層)
本実施形態の色素増感太陽電池1に備えられる接着剤層5は、詳細を後述する製造方法によって形成され、一対の基板2A,2B同士を接着することで、電池封止材として機能するものである。接着剤層5としては、電解質6を電池内部に保持できる部材であることが好ましい。このような接着剤層5としては、従来公知の合成樹脂からなるものを採用することができ、例えば、ホットメルト型接着剤や、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤等を何ら制限無く採用することができる。
これらの内、ホットメルト型接着剤に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、好ましくはヒートシール性に優れるアイオノマー樹脂等が挙げられる。また、このホットメルト樹脂の融点としては、フィルム状基板からなる一対の基板2A,2Bの耐熱温度以下で、具体的には150℃以下であることが望ましい。また、ホットメルト樹脂の溶融粘度は100〜100000mPa・sの範囲が望ましく、必要に応じて溶媒を添加することで粘度調整を行ってもよい。
また、熱硬化型接着剤としては、特に限定されないが、好ましくは、硬化時に揮発物質を副生せず、寸法精度に優れるエポキシ加熱硬化性樹脂等が挙げられる。特に、主剤と硬化剤が予め混合されている一液型が好ましく、従来公知の各種一液型エポキシ加熱硬化性樹脂等を用いることができる。この熱硬化型接着剤の粘度は100〜100000mPa・sの範囲であることが望ましく、希釈剤を加えるか、あるいは溶融漕での加熱で粘度調整を行うことができる。
また、光硬化型接着剤としては、アクリレート系ラジカル重合型樹脂やエポキシ系カチオン重合型樹脂等が挙げられる。また、この光硬化型接着剤としては、紫外線硬化性であることが好ましく、硬化処理雰囲気中の酸素による硬化反応阻害を受け難く、且つ、硬化後は太陽電池としてのフレキシブル性を損なわないよう、軟性のエポキシ系紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。また、この光硬化型接着剤の粘度は100〜100000mPa・sの範囲であることが望ましく、樹脂分子の配合条件、あるいは溶融漕での加熱で粘度調整を行うことができる。
<色素増感太陽電池の製造方法>
次に、本実施形態の色素増感太陽電池1を製造する方法について、図2〜図5を参照しながら説明する(図1も適宜参照)。図2は、ロールトゥロール方式によって一対の基板2A,2B同士を繰り出しながら連続的に接着する工程を説明する概略図である。また、図3(a)は、接着剤Bが予め担持されるローラー13を示す斜視図、図3(b)はローラー13のローラー本体13Aの外周部に取り付けられる薄板状の版部材13Bを展開した状態で、表面13aにおける溝部13bのパターンを示す平面図である。また、図4は、接着剤層5を形成する前の一方の基板A上に形成された光電極3を示す平面図であり、図5は、光電極3が形成された一方の基板2A上に、ローラー13でパターン化された接着剤層5を形成した状態を示す平面図である。なお、図4及び図5に示す一方の基板A上には、図1に示す光電極3と対向電極4との間で発生した電流を集電するための配線パターン33が形成されている。
本実施形態の製造方法は、図1に示すような、対向して配置される一対の基板2(2A,2B)上に、それぞれ対向するように設けられる光電極3及び対向電極4を備える色素増感太陽電池1を製造する方法である。そして、本実施形態の製造方法は、図2中に示すような製造装置10を用いた場合に、少なくとも以下の各工程(1),(2)を備える方法である。
(1)ローラー13の表面13aに接着剤Bを所定のパターンで担持させる担持工程。
(2)ローラー13の表面13aに担持させた接着剤Bを、一対の基板2A,2Bの内の一方の基板2A上に接触させて塗工し、所定のパターンの接着剤層5を形成する塗工工程。
さらに、本実施形態で説明する例においては、一対の基板2A,2Bの内、一方の基板2A又は他方の基板2Bの上に、少なくとも一以上の光電極3を形成する光電極形成工程(A)と、一対の基板2A,2Bの内、光電極3が形成された基板と反対側の基板上において光電極3と対応する位置に対向電極4を形成する対向電極形成工程(B)とが備えられている。本実施形態においては、一対の基板2A,2Bの内、一方の基板2A上に光電極3を形成し、他方の基板2B上に対向電極4を形成する例を挙げて説明する。
さらに、本実施形態では、一方の基板2A上に形成された接着剤層5で囲まれた領域に図示略の電解質を供給する電解質供給工程(3)と、一対の基板2A,2B同士を、光電極3と対向電極4とが対向して挟み込まれるように重ね合わせ、一方の基板2A上に形成された接着剤層5によって一対の基板2A,2B同士を接着する接着工程(4)が備えられている。
なお、図2中の製造装置10においては、一対の基板2Aが繰り出し可能に巻回されている第1ロール11とラインロール11Aとの間に光電極形成部12が備えられており、他方の基板2Bが繰り出し可能に巻回されている第2ロール16とラインロール16Aとの間に対向電極形成部17が備えられている。本実施形態の製造方法においては、図示例のように、上記の光電極形成部12及び対向電極形成部17が備えられた製造装置10を用いることで、搬送される一方の基板2A又は他方の基板2Bに対し、光電極3又は対向電極4を形成できる構成とされている。
ここで、上記の光電極形成工程(A)は、塗工工程(2)よりも前の工程であれば、何れの段階に備えられていてもよく、また、上記の対向電極形成工程(B)は、上記の接着工程(4)よりも前の工程であれば、何れの段階に備えられていてもかまわない。このため、以下の各工程の詳細な説明においては、まず、光電極形成工程(A)及び対向電極形成工程(B)について詳述した後、各工程(1)〜(4)について詳述する。
(A)光電極形成工程
本実施形態の製造方法においては、まず、第1ロール11から光電極基板となる一方の基板2Aが繰り出される。光電極形成工程(A)は、塗工工程(2)よりも前に行われる工程であり、本工程においては、繰り出された一方の基板2Aの片面側、図示例においては製造装置10中で搬送される際の下面側に、図1中に示すような光電極3を形成する。本実施形態の光電極形成工程では、図2中に示すように、一方の基板2Aの搬送経路中に備えられる光電極形成部12において光電極を形成する。
光電極形成工程では、光電極形成部12において、例えば、上述したAD法を用いることにより、図1に示すように、一方の基板2Aの片面側にTiOを積層することで半導体層31を形成した後、さらに、半導体層31上に色素32を常法によって吸着させることで、光電極3を形成する。光電極3が形成された一方の基板2Aは、図2中に示すラインロール11Aにガイドされながら、ローラー13側に向けて順次搬送される。
(B)対向電極形成工程
本実施形態の製造方法では、少なくとも、後述する接着工程(4)の前に、予め、対向電極形成工程(B)において、他方の基板2B上に、一方の基板2A上に形成された光電極3と対応する位置で、対向電極4を形成する(図1を参照)。本実施形態の対向電極形成工程では、図2中に示すように、他方の基板2Bの搬送経路中に備えられる対向電極形成部17において、図1中に示すように、他方の基板2Bの片面側を覆うように対向電極4を形成する。
なお、本実施形態では、例えば、予め、一方の基板2A上に光電極3を形成するとともに、他方の基板2B上に対向電極4を形成することで、各電極が予め形成された状態の一対の基板2A,2Bを各ロールから繰り出す方法を採用することも可能である。
対向電極形成工程では、詳細な図示は省略するが、対向電極形成部17において、例えば、スパッタリング法を用いることにより、他方の基板2Bの片面側に白金(Pt)を積層して触媒層を形成することで、対向電極4を形成する。対向電極4が形成された他方の基板2Bは、ラインロール16Aの位置で、光電極3が形成された一方の基板2Aと合流して重ね合わせられ、詳細を後述する接着工程(4)において接着される。
(1)担持工程
本実施形態の製造方法に備えられる担持工程(1)は、上述したように、ローラー13の表面13aに接着剤Bをパターン化して担持させる工程である。
図2に示す例の製造装置10においては、溶融槽14中に、溶融あるいは溶解状態の接着剤Bが貯留されており、ローラー13の一部が溶融槽14の開口14aから内部に入り込んで接着剤Bに浸漬された状態とされている。そして、溶融槽14中で接着剤Bを一定温度にコントロールして加熱溶融させた状態を維持しながら、ローラー13を軸部13c(図3(a)も参照)を中心に回動させる。この際、接着剤Bをローラー13の表面に付着させながら連続的に巻き上げることにより、表面13aに所定のパターンで形成された溝部13bに接着剤Bが入り込んで担持される。また、この際に巻き上げられる接着剤Bの量は、ローラー13の表面13aの近傍に設けられたドクターブレード19によって調整される。
上述のように、担持工程(1)においては、予め、ローラー13の表面13aに形成された所定のパターンからなる溝部13bに接着剤Bを担持させることで、後工程である塗工工程(2)における接着剤Bの塗布量と塗布パターンを適正に制御することができる。
担持工程(1)において用いられるローラー13としては、特に限定されず、図2に示す例のように、ローラー13のローラー本体13Aの表面13aに直接、溝部13bが形成されていても良い。あるいは、図3(a)、(b)に示す例のように、ローラー本体13Aの外周部に、表面に所定のパターンが形成された薄板状の版部材13Bが脱着可能に取り付けられてなるものを採用してもよい。ここで、図3(a)中に示すローラー13表面の版部材13Bにおける符号A−A’及びB−B’の位置は、図3(b)中に示す版部材13Bにおける符号A−A’及びB−B’の位置に、各々対応している。
上述のように、表面に所定のパターンが形成された版部材13Bがローラー本体13Aに脱着可能に取り付けられた構成とすることで、例えば、機種単位で接着剤層5のパターンを変更する際、版部材13Bの交換のみで対応可能となるので、工程における作業性が向上する。
また、ローラー13の表面13aには、接着剤Bを塗工する一方の基板2Aとの位置合わせのためのアライメントマークが設けられていることがより好ましい。さらに、ローラー13の表面13aには、コーティング処理や、微細形状処理等が施されていてもよい。
なお、本実施形態の担持工程(1)においては、上述したような、ローラー13の表面13aに形成されたパターンが、ストライプ状に形成された溝部13bからなる構成を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、担持工程(1)で用いるローラー表面に形成される、接着剤Bを担持させるためのパターンは、格子状に形成された溝部からなるパターンでもよいし、あるいは、ドット状に形成された穴部からなるパターンであってもよい。さらに、溝部13bの断面形状としても、通常の角溝の他、U溝やV溝等、特に限定されない。
本実施形態では、ローラー表面のパターン形状を上記の何れとした場合であっても、例えば、色素増感太陽電池の機種毎の仕様に応じて、各種形状で接着剤Bをパターン化して担持し、このパターンに応じたパターン形状で接着剤層5を形成することが可能となる。
また、本実施形態の担持工程(1)において、溶融あるいは溶解状態で用いられる接着剤Bとしては、上述したような、ホットメルト型接着剤や熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤等が挙げられ、後工程の接着工程(4)において、接着剤Bの種類に応じた硬化処理が行われる。
(2)塗工工程
次に、塗工工程(2)においては、一方の基板2A上に、ローラー13の表面13aに担持された接着剤Bを接触させ、この接着剤Bを一方の基板2A上に塗工・転写することにより、パターン化された接着剤層5を形成する。本実施形態では、図2に示すようなロールトゥロール方式による一対の基板2A,2Bの供給方法を採用し、塗工工程において、搬送される一方の基板2Aに対してローラー13を接触させることで、連続的且つ所定のパターンに対応する形状で、一方の基板2上に接着剤層5を形成する。
この際、一方の基板2A上には、例えば、図4に示すような光電極3のパターンが形成されている。図4においては、一方の基板2Aの長さ方向において、複数の光電極3のパターンが順次並べられて形成されている。
次に、図4に示すような光電極3が形成された一方の基板2A上に、図3(b)に示すようなパターンで接着剤Bを塗工することで、接着剤層5を連続的に形成する。これにより、図5に示すように、光電極3の周囲を囲むようなパターンで接着剤層5が形成される。
その後、接着剤層5が形成された一方の基板2Aは、順次、乾燥器15内に導入され、元の接着剤Bに含まれた溶剤等を蒸発させる。
そして、一方の基板2Aは、一対の加圧ロール18(18A,18B)側に向けて順次搬送される。
ここで、接着剤Bをローラー13に担持される担持工程(1)と、ローラー13に担持された接着剤Bを一方の基板2Aに塗工・転写する塗工工程(2)とは、同一のローラー13を用いて連続的に行われる。このため、まず、担持工程(1)で接着剤Bの担持処理を開始し、この初期段階で担持された接着剤Bが一方の基板2Aに塗工された後は、担持工程(1)と塗工工程(2)とが同時に行われることとなる。
なお、接着剤Bを一方の基板2Aに塗工・転写する際の、ローラー13の一方の基板2Aに対する押し付け力は、接着剤層5の形状・パターン配置が崩れない程度であれば、特に制限されない。例えば、接着剤層5の形状が大きく変形しないか、又は、ほとんど変形しない程度の低い圧力で、一方の基板2Aにローラー13を押しつけることができる。これにより、ローラー13の表面13aに所定のパターンで担持された接着剤Bは、ほとんど同一パターンのままで一方に基板2Aに塗工・転写される。この際、塗工条件を適正に設定することにより、その幅や厚み(高さ)をほぼ均一に維持しながら、一方の基板2A上に接着剤層5を形成することができる。
即ち、本実施形態では、上記の塗工工程を備えることで、一対の基板2A,2B同士をロールトゥロール方式で連続的に接着するプロセスにおいて、接着剤層5のパターンを、より高精度で生産性良く形成することができる。
なお、本実施形態においては、ローラー13を一つだけ用いて、一段塗りで接着剤Bを担持させる方法を説明しているが、これには限定されず、例えば、複数のローラー13を配置して、接着剤Bを重ね塗りしたり、あるいは、複雑パターンで塗布して接着剤層5を形成する方法を採用することも可能である。
(3)電解質供給工程
塗工後に形成される接着剤層5は、一方の基板2A上において光電極3を囲むように堰状に配置される。電解質供給工程においては、接着剤層5で囲まれた領域に、図示略の電解質を連続的に供給する。この際、電解質が液状の電解液であっても、接着剤層5によって外に漏れ出すのが堰き止められた状態となる。
なお、本実施形態における電解質の供給タイミングは上記に限定されるものではない。例えば、一対の基板2A,2Bの何れか一方に貫通孔を形成しておき、後工程である接着工程(4)が完了した後、貫通孔から電解質を注入し、貫通孔を封止する手順とすることも可能であり、適宜、選択することが可能である。
(4)接着工程
次に、接着工程(4)においては、一対の基板2A,2B同士を、光電極3と対向電極4とが対向して挟み込まれるように重ね合わせ、一方の基板2A上に形成された接着剤層5によって一対の基板2A,2B同士を接着する。本実施形態で説明する例においては、上記の対向電極形成工程(B)において、他方の基板2Bの片面側(上面側)が覆われるように対向電極4(図1を参照)が形成されているので、接着剤層5及び対向電極4を介して一対の基板2A,2B同士が接着される。
この接着工程(4)では、例えば、まず、乾燥器15を通過した、光電極3が形成された一方の基板2Aと、対向電極4が形成された他方の基板2Bとを、光電極3と対向電極4とが対向するように並進させながら、ラインロール16A上で上下に重ね合わせる。この際、一方の基板2Aと他方の基板2Bとは接触せず、両基板間のギャップは接着剤層5の厚み(高さ)によって制御できる。そして、この状態で重ね合わせられた一対の基板2A,2Bを、一対の加圧ロール18(18A,18B)側に向けて順次搬送する。
重ね合わせられた一対の基板2A,2Bは、一対の加圧ロール18A,18Bで挟み込まれ、加圧される。この際、一対の加圧ロール18A,18Bに図示略の加熱手段が備えられ、これら一対の加圧ロール18A,18Bが加熱されることにより、一対の基板2A,2Bの間に狭持された状態の接着剤層5を加熱しながら加圧する。この際、接着剤層5がホットメルト型接着剤から形成されている場合には、上記の加熱及び加圧により、一対の基板2A,2B同士が均一に接着される。これにより、一対の基板2A,2Bの間で対向するように配置された光電極3及び対向電極4は、セル単位でそれぞれ封止され、一対の基板2A,2Bの長さ方向で連結された色素増感太陽電池1が得られる。
また、接着剤層5に熱硬化型接着剤を用いた場合も、上記同様、一対の基板2A,2Bの間に狭持された状態の接着剤層5を加熱しながら加圧することで、接着剤層5を硬化させながら、一対の基板2A,2B同士を高強度で接着することができる。
ここで、接着剤層5に光硬化型接着剤を用いた場合には、例えば、一対の加圧ロール18A,18Bの下流側に、図示略の発光手段と、その下流側に、さらに図示略の一対の加圧ロールとを設けることにより、接着剤層5に光を照射して硬化させながら、一対の基板2A,2Bを二対の加圧ロールで挟み込んで加圧することで、一対の基板2A,2B同士を高強度で接着することができる。
そして、封止後の長尺状に連結された色素増感太陽電池1は、図示略の製品ロールに巻回されて回収される。その後、製造された色素増感太陽電池1は、その目的や用途に応じて適宜切断することにより、複数のセルユニットからなる色素増感太陽電池1が得られる。この際の切断方法としては、例えば、レーザー照射を用いて焼き切る方法等が挙げられる。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の色素増感太陽電池の製造方法によれば、担持工程(1)において、予め、ローラー13の表面13aに接着剤Bをパターン化して担持させた後、塗工工程(2)において、一方の基板2A上に、ローラー13の表面13aにパターン化して担持された接着剤Bを転写し、所定のパターンを有する接着剤層5を形成する方法なので、一対の基板2A,2B同士をロールトゥロール方式で接着するプロセスに容易に対応できる。また、上記の担持工程(1)と塗工工程(2)とを備えることにより、接着剤Bの塗布量と塗布パターンを適正に制御することができ、接着剤層5のパターンを高精度で生産性良く形成することが可能となるので、密封性に優れ、高い電池特性を有する色素増感太陽電池1を製造できる。
次に、本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、以下の条件及び手順で光電極及び対向電極を作製して、これら各電極の間に電解質が充填された色素増感太陽電池を作製した。
まず、表面に透明導電層としてITO膜を備えたPENフィルム(厚さ=150μm)を基材(一方の基板:光電極基板)とし、その透明導電層上に、平均粒径50nmの酸化チタン含有ペースト(ペクセルテクノロジーズ社製:PECC−K01)をスクリーン印刷法によって塗布して、多孔質酸化チタン膜をパターン形成した。さらに、ナノ銀ペースト(三ツ星ベルト社製:MDot)をスクリーン印刷することで集電配線パターンを形成した後、150℃のコンベア炉で加熱処理を行なった。その後、ジ−テトラブチルアンモニウムcis−ビス(イソチオシアナート)ビス(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボキシラート)ルテニウム(II)を、濃度が0.3mMとなるようにエタノール溶液に溶解させた色素溶液を、上記の多孔質酸化チタン膜を形成した部分に塗布した後、乾燥させることにより、図4に示すような光電極を作製した。
また、接着剤にはホットメルト型接着剤を用いた。このホットメルト型接着剤としては、φ20μmのSiOスペーサービーズを1重量部加えたアイオノマー樹脂(デュポン社製:ハイミラン1557)を用い、ロールコーター(溶融温度140℃)を用いて、上記の一方の基板に対して接着剤のパターン塗布を行い、接着剤層を形成した(図5を参照)。このとき、ロールコーター外周部のロール版におけるパターン部面内(図3(b)中に示すハッチング領域を参照)に、均一に溶融した接着剤を保持させること目的として、溝幅1000μm、ピッチ500μmの格子状に形成された凹溝を設けた。
次いで、PETフィルム上に白金膜(厚さ=100nm)を部分蒸着した対向電極基板(他方の基板)を上記の光電極基板に重ね合わせた後、ホットプレス(140℃、0.1MPa)することで、一対の基板同士を貼り合わせた。
そして、対向電極基板側に設けられた孔部より、ヨウ化リチウム(0.1M)、ヨウ素(0.03M)、ジメチルプロピルイミダゾリウムヨージド(0.6M)、tert−ブチルピリジン(0.5M)をγ−ブチロラクトンに溶解させた電解液を注入した後、UV硬化樹脂を用いて孔部を封止することで、色素増感太陽電池を作製した。
[実施例2]
実施例2においては、接着剤層に用いるホットメルト型接着剤として、東亜合成社製アロンメルトPESを、トルエン:メチルエチルケトンの8:2溶媒に50重量%溶解させた溶液を用い、加熱溶融を行うことなく、ロールコーターを用いてパターン塗布した後、塗膜に含まれる溶媒を80℃の温風で乾燥除去し、接着剤層のパターン形成を行った点以外は、実施例1と同様の方法で色素増感太陽電池を作製した。
以上で説明した各実施形態及び各実施例における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態及び各実施例によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1…色素増感太陽電池、2…一対の基板、2A…一方の基板、2B…他方の基板、3…光電極、4…対向電極、5…接着剤層、6…電解質、13…ローラー、13A…ローラー本体、13B…版部材、13a…表面(ローラー)、13b…溝部、18,18A,18B…加圧ロール(一対の加圧ロール)、B…接着剤。

Claims (10)

  1. 対向して配置される一対の基板と、該一対の基板上に、それぞれ対向するように設けられる光電極及び対向電極と、を備える色素増感太陽電池の製造方法であって、
    ローラーの表面に接着剤を所定のパターンで担持させる担持工程と、
    前記ローラーの表面に担持させた接着剤を前記一対の基板の内の一方の基板上に接触させて塗工し、前記所定のパターンの接着剤層を形成する塗工工程と、
    を備えることを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  2. 前記担持工程では、表面に前記所定のパターンが形成されたローラーを用いることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  3. 前記ローラーは、ローラー本体と、表面に所定のパターンが形成され前記ローラー本体の外周面に着脱自在に取り付け可能な薄板状の版部材とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  4. 前記塗工工程は、前記一方の基板に対して前記ローラーを相対的に移動且つ接触させ、連続的又は間欠的に前記一方の基板上に前記所定のパターンの接着剤層を形成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  5. 前記ローラーの表面の前記パターンが、ストライプ状に形成された溝部、格子状に形成された溝部、ドット状に形成された穴部の内の少なくとも何れかからなることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  6. さらに、前記一対の基板の内、前記一方の基板又は他方の基板の何れかの上に、少なくとも一以上の光電極を形成する光電極形成工程と、
    前記一対の基板の内、前記光電極が形成された基板と反対側の基板上における前記光電極と対応する位置に対向電極を形成する対向電極形成工程と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  7. さらに、前記塗工工程の後工程として、前記一対の基板同士を、前記光電極と前記対向電極とが対向して挟み込まれるように重ね合わせ、前記一方の基板上に形成された前記接着剤層によって前記一対の基板同士を、一対の加圧ロールで挟み込んで加圧することで接着する接着工程が備えられていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  8. 前記接着剤がホットメルト型接着剤からなり、
    前記接着工程は、前記一対の加圧ロールが加熱されており、前記一方の基板上に形成された前記接着剤層を加熱しながら、前記一対の基板を前記一対の加圧ロールで挟み込んで加圧することを特徴とする請求項7に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  9. 前記接着剤が熱硬化型接着剤からなり、
    前記接着工程は、前記一対の加圧ロールが加熱されており、前記一方の基板上に形成された前記接着剤層を加熱して硬化させながら、前記一対の基板を前記一対の加圧ロールで挟み込んで加圧することを特徴とする請求項7に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  10. 前記接着剤が光硬化型接着剤からなり、
    前記接着工程は、前記接着剤層に光を照射して硬化させながら、前記一対の基板を前記一対の加圧ロールで挟み込んで加圧することを特徴とする請求項7に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
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