JP2020150223A - 電気モジュール及び電気モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色素増感型太陽電池とバリア層との間に気泡が残留するのを抑制することができ、水蒸気に対するバリア性に優れるとともに外観特性にも優れた電気モジュール及び電気モジュールの製造方法を提供する。【解決手段】光電極支持体12と対向電極支持体22との間において、発電部の両側に配置した複数の封止材40と、互いに隣り合う発電部を封止した封止材40同士の間に配置される複数の導通材50と、光電極支持体12及び対向電極支持体22の外表面12b,22bを被覆する光電極側バリア層70又は対向電極側バリア層80と、光電極支持体12及び対向電極支持体22のうちの何れか一方又は両方の外表面12b、22bにおいて、光電極側バリア層70又は対向電極側バリア層80との間に介在するように配置した1以上の光電極側マスク部材60又は対向電極側マスク部材65とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電気モジュール及び電気モジュールの製造方法に関する。
近年、クリーンな発電源として、光エネルギーを直接かつ即時に電力に変換することができ、二酸化炭素等の汚染物質を排出しないエネルギー源として、太陽電池等の電気モジュールを用いた太陽光発電が注目されている。
太陽電池としては、主に結晶シリコン系太陽電池が最も普及している。しかしながら、結晶シリコン系太陽電池は、原料である高純度シリコンの安定供給や高コストといった課題を有する。
一方、色素増感型太陽電池(DSC)は、比較的簡易な方法により製造され、かつ原材料の単価が安価であるため、次世代太陽電池として期待されている。
色素増感型太陽電池としては、一般に、所謂グレッツェル型の電池が知られている。グレッツェル型の色素増感型太陽電池は、光電極と、対向電極と、電荷移動体とを備えて構成される。また、光電極としては、少なくとも、透明導電層と、半導体層と、半導体層の表面に吸着された色素とで構成される。このような色素増感型太陽電池においては、例えば、光電極側に光が照射されると、半導体層に吸着された色素が光を吸収し、色素分子内の電子が励起され、その電子が半導体へ渡される。そして、光電極側で発生した電子が外部回路を通じて対向電極側に移動し、この電子が電解液を通じて光電極側に戻る。このような過程が繰り返されることで、電気エネルギーが生じる。
従来、色素増感型太陽電池は、一般的に支持体がガラスで構成されており、水蒸気に対して充分なバリア性を有しているとされる(例えば、特許文献1を参照)。一方、ガラスの支持体から構成される色素増感型太陽電池は、重量が大きく、また、厚さが大きくなる他、割れやすいという欠点もあり、取扱性や設置性等の観点で問題がある。
これに対して、支持体がフィルム材料から構成されているフィルム型の色素増感型太陽電池は、上記のような、重量や厚さ、並びに割れやすさの問題を解決できる。しかしながら、支持体にフィルム材料を用いた色素増感型太陽電池の場合、水蒸気に対するバリア性が劣ることから、光電変換特性に劣るという問題がある。
このため、フィルム型の色素増感型太陽電池に対して水蒸気バリア性を付与する方法として、水蒸気バリア性を有したバリアフィルムで色素増感型太陽電池を被覆することが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2に記載の技術のように、バリアフィルムで色素増感型太陽電池を被覆する場合、光電極側は受光可能であることが求められることから、光電極側には、例えば、ガラスや樹脂基材にバリア素材を成膜した透明なバリアフィルムが配置される。一方、光電極と対向する対向電極側に配置されるバリアフィルムには、光の透過性が不要なので、高い水蒸気バリア性を有するとともに安価であるという観点から、例えば、アルミニウム箔に代表される金属箔等が用いられる。その他、対向電極側に配置されるバリアフィルムとしては、アルミニウム箔に比べて若干コスト高となるが、例えば、延伸加工した樹脂フィルム上に酸化金属化合物をスパッタで成膜したフィルム等も用いられる。
色素増感型太陽電池を被覆するバリアフィルムとしては、例えば、バリア性の指標である水蒸気透過率(WVTR:Water Vapor Transmission Rate)が、10−2[g/(m/24h)]以下のものであることが好ましいとされている。
水蒸気バリア性を有するバリアフィルムで色素増感型太陽電池を包装する方法としては、例えば、真空ラミネート法が挙げられる(例えば、特許文献3を参照)。真空ラミネート法においては、例えば、光電極側から、バリアフィルム(透明基材)/接着剤/色素増感型太陽電池/接着剤/バリアフィルム(アルミニウム箔)等の順で、製造装置のステージ上で積層した後、真空下で加温した状態でダイヤフラムやローラーによって加圧することで、これら各層を圧着する。
特許第4310961号公報 特開2012−186037号公報 特開2000−349308号公報
上記のような真空ラミネート法を用いた工程は、電気モジュールとしての全体的な接着強度を確保するとともに、色素増感型太陽電池とバリアフィルム(透明基材又はアルミニウム箔)との間の空隙(気泡・エア残り)を除去する観点からも重要である。このような空隙は、色素増感型太陽電池とバリアフィルムとを接着剤を介して積層したときに、これらの間に生じ、この積層体を真空環境下に移した後も残存する。このため、色素増感型太陽電池とバリアフィルムとを接着するにあたっては、従来から、オートクレーブ等を用いて、高温且つ高圧でプレスすることで接着剤を溶融させ、色素増感型太陽電池とバリアフィルムとの間の空隙を外部に排出させながらラミネート処理する方法が採用されている。また、空隙を外部に排出させるための他の手段としては、例えば、接着剤として熱可塑性樹脂を用いることで、長時間にわたるプレスで徐々に空隙を外部に押し出しながら、色素増感型太陽電池とバリアフィルムとを接着する方法も採用されている。
一方、色素増感太陽電池は内部に電解液等の液体を含んでおり、且つ、この液体を樹脂部材で封止しているため、長時間にわたって高温且つ高圧でプレスした場合には、樹脂部材が破損して電解液等の液漏れが生じるおそれもある。このように、色素増感太陽電池は、長時間にわたって高温・高圧でプレスすることは難しいことから、例えば、接着剤として常温で接着可能なものを用いることで、高温下での処理を不要とする方法も考えられる。しかしながら、常温で接着可能な接着剤を用いた場合、色素増感型太陽電池とバリアフィルムとを接着剤を介して積層したときに、色素増感型太陽電池の自重によって接着剤が色素増感型太陽電池に固着し、気泡(エア残り)の逃げ場がない状態となり、空隙として残存するという問題がある。このような空隙を外部に排出するためには、やはり、上記同様、色素増感型太陽電池とバリアフィルムとの積層体を高温・高圧でプレスする必要が生じ、この場合には、色素増感太陽電池に上記のような液漏れ等が発生するおそれがある。
また、色素増感型太陽電池とバリアフィルムとの間に空隙が残存した状態だと、この空隙によって水蒸気に対するバリア性が低下することから、光電変換特性が劣化するおそれがある。また、空隙によって電気モジュールの膜厚が局所的に変化した状態となることから、外観特性も劣化するという問題がある。上記のような空隙は、特に、色素増感型太陽電池の表面における、複数のセル間を電気的に接続するための導通材に対応する位置が局所的に盛り上がって突出していることから、この突出部分が接着剤と触れることで、突出部分以外の位置での層間離間が生じることで発生すると考えられる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、色素増感型太陽電池とバリアフィルムとの間に空隙(気泡)が残留するのを抑制することができ、水蒸気に対するバリア性に優れるとともに、外観特性にも優れた電気モジュール及び電気モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、フィルム型の色素増感型太陽電池とバリア層との間に気泡が残留するのを抑制するため、鋭意検討を重ねた。この結果、色素増感型太陽電池における対極電極支持体の表面にマスク部材を設けることで、バリアフィルムの接着時に発生する気泡の外部への逃げ道を確保でき、接着面に空隙が残留するのを効果的に抑制できることを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の態様を有する。
[1] 光電極支持体と、前記光電極支持体に対向する対向電極支持体と、前記光電極支持体と前記対向電極支持体との間に配置した複数の発電部とを備え、前記光電極支持体と前記対向電極支持体との間において、前記複数の発電部の各々における両側に配置した複数の封止材と、前記複数の発電部の各々の間において、該発電部の両側に配置した前記複数の封止材の間に配置し、前記複数の発電部同士を接続する複数の導通材と、前記光電極支持体及び前記対向電極支持体の外表面を、接着層を介して被覆するバリアフィルムと、前記光電極支持体及び前記対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面において、前記光電極支持体又は前記対向電極支持体と前記バリアフィルムとの間に介在するように配置した1以上のマスク部材と、を備える電気モジュール。
[2] 前記マスク部材を、前記光電極支持体の面方向において、前記複数の発電部の受光領域と重ならない位置に配置した、上記[1]に記載の電気モジュール。
[3] 前記対向電極支持体の外表面における、前記複数の導通材に対応する位置が、該複数の導通材に由来して盛り上がった凸部であり、該凸部の高さが前記マスク部材の膜厚よりも大きいとき、前記マスク部材を、前記対向電極支持体の面方向において、前記複数の導通材と重なる位置に配置した、上記[1]又は[2]に記載の電気モジュール。
[4] さらに、前記対向電極支持体又は前記光電極支持体の外表面において、前記複数の封止材に沿った方向に対して直交する方向で、前記複数の封止材の両端部側の位置に延設するように配置した1以上のマスク部材を備える、上記[1]〜[3]の何れかに記載の電気モジュール。
[5] 前記マスク部材の膜厚が20μm以上500μm以下である、上記[1]〜[4]の何れかに記載の電気モジュール。
[6] 前記マスク部材が、前記複数の導通材に沿った方向で延設した長尺のテープ状部材からなる、上記[1]〜[5]の何れかに記載の電気モジュール。
[7] 上記[1]〜[6]の何れかに記載の電気モジュールを製造する、電気モジュールの製造方法であって、前記光電極支持体上に光電極導電層を形成し、前記光電極導電層上に、前記複数の発電部をなす複数の無機半導体層を形成する光電極形成工程と、前記対向電極支持体上に対向電極導電層を形成する対向電極形成工程と、前記光電極導電層上に、少なくとも前記複数の無機半導体層の両側に配置して複数の封止材を形成する封止材形成工程と、前記複数の封止材同士の間に、前記複数の無機半導体層の位置に対応するように、前記複数の発電部をなす複数の電荷移動体を配置する電荷移動体注入工程と、前記複数の発電部の各々の間において、該発電部の両側に配置した前記複数の封止材の間に、前記複数の発電部同士を接続する複数の導通材を配置する導通材形成工程と、前記光電極と前記対向電極とを、前記複数の電荷移動体、前記複数の導通材及び前記複数の封止材を挟み込むように貼り合わせる積層工程と、前記光電極支持体及び前記対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面側に、1以上の前記マスク部材を配置するマスク部材配置工程と、前記光電極支持体及び前記対向電極支持体の外表面側を覆うようにバリアフィルムを形成するとともに、該バリアフィルムを、前記光電極支持体及び前記対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面側に配置した前記マスク部材を挟み込むように形成する保護層形成工程と、を備える、電気モジュールの製造方法。
本発明に係る電気モジュール及び電気モジュールの製造方法によれば、上記した構成により、以下の効果を奏する。
即ち、本発明に係る電気モジュールによれば、光電極支持体及び対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面側に、光電極支持体又は対向電極支持体とバリアフィルムとの間に介在するように1以上のマスク部材を配置した構成を採用している。これにより、光電極支持体又は対向電極支持体とバリアフィルムとの間に気泡が発生した場合でも、この気泡を効果的に外部に排出でき、空隙が残留した状態になるのを抑制することができる。従って、水蒸気に対する優れたバリア性、優れた光電変換特性、並びに優れた外観特性が得られる。
また、本発明に係る電気モジュールの製造方法によれば、光電極支持体及び対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面側に、1以上のマスク部材を配置するマスク部材配置工程と、光電極支持体及び対向電極支持体の外表面側を覆うようにバリアフィルムを形成するとともに、このバリアフィルムを、光電極支持体及び対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面側に配置したマスク部材を挟み込むように形成する保護層形成工程と、を備えた方法を採用している。これにより、保護層形成工程において、光電極支持体又は対向電極支持体とバリアフィルムとの間に気泡が発生した場合でも、気泡を効果的に外部に排出させ、空隙が残留した状態になるのを抑制できる。従って、水蒸気に対する優れたバリア性、優れた光電変換特性、並びに優れた外観特性を備えた電気モジュールを製造することが可能になる。
本発明を適用した一実施形態である電気モジュールの構成を模式的に説明する図であり、光電極側から見た一例を示す平面図である。 本発明を適用した一実施形態である電気モジュールの構成を模式的に説明する図であり、図1中に示すX−X断面図である。 本発明を適用した一実施形態である電気モジュールの構成を模式的に説明する図であり、光電極側から見た他の例を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る電気モジュール及び電気モジュールの製造方法の実施の形態について、電気モジュールの一種である保護層付き色素増感型太陽電池を例に挙げ、図1〜図3を適宜参照しながら、その構成を詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示する材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1〜図3は、本発明に係る電気モジュールの一実施形態である保護層付き色素増感型太陽電池の構成を模式的に説明する図であり、図1は、保護層付き色素増感型太陽電池を光電極側から見た一例を示す平面図、図2は、図1中に示すX−X断面図である。また、図3は、保護層付き色素増感型太陽電池を光電極側から見た他の例を示す平面図である。なお、図1及び図3においては、説明の都合上、バリアフィルムの図示を省略している。
<保護層付き色素増感型太陽電池(電気モジュール)の構成>
図1及び図2に示すように、本発明を適用した本実施形態の保護層付き色素増感型太陽電池(電気モジュール)100は、色素増感型太陽電池1の両面側に、光電極側バリア層(バリアフィルム)70及び対向電極側バリア層(バリアフィルム)80を備えて構成される。
具体的には、色素増感型太陽電池1は、光電極10と、対向電極20と、電荷移動体30と、封止材40と、導通材50とを備えて概略構成される。光電極10と対向電極20とは対向している。電荷移動体30は、光電極10と対向電極20の間に介在するように位置している。封止材40は、電荷移動体30を封止している。電荷移動体30は、光電極10及び対向電極20の双方に接している。
そして、本実施形態の保護層付き色素増感型太陽電池100は、詳細を後述するように、光電極支持体12の外表面12b及び対向電極支持体22の外表面22bのうちの何れか一方又は両方において、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間、又は、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間に介在するように、1以上のマスク部材(光電極側マスク部材65又は対向電極側マスク部材60)を配置している。図1,2に示す例の保護層付き色素増感型太陽電池100では、まず、光電極10が備える光電極支持体12の外表面12b側に、光電極支持体12と光電極側マスク部材65との間に介在するように、光電極側マスク部材65を複数で配置している。さらに、図示例では、対向電極20が備える対向電極支持体22の外表面22b側に、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間に介在するように、対向電極側マスク部材60を複数で配置している。
また、本実施形態の保護層付き色素増感型太陽電池100は、図2中に示す封止材40で囲まれた領域(セル)が、図1及び図2中に示すD1方向及びD2方向で、複数で並列及び直列に連結した構造を有する。また、保護層付き色素増感型太陽電池100は、上記構成によってフィルム型に構成され、一定の可撓性を有している。
色素増感型太陽電池1は、光電極10及び対向電極20の少なくとも一方が光透過性を有する。即ち、光透過性を有する光電極10又は対向電極20が、光入射面を形成するものであり、本実施形態においては、光電極10側が光透過性を有する例を説明する。なお、本明細書中の説明における、光電極10又は対向電極20に必要な「光透過性」とは、色素増感型太陽電池1が発電できる程度に光を透過することをいう。
光電極10は、光電極支持体12と、該光電極支持体12の内表面12aに配置した光電極導電層14と、光電極導電層14の表面において、光電極導電層14の面方向に沿って離間するように複数配置した無機半導体層16とを有する。即ち、光電極支持体12と光電極導電層14と無機半導体層16とは、この順で位置している。
無機半導体層16は、電荷移動体30に接している。また、無機半導体層16は、光電極導電層14の一部を覆っている。さらに、無機半導体層16の外方で、光電極導電層14の一部は、電荷移動体30と接している。
光電極支持体12は、光電極導電層14、発電部の一部を構成する無機半導体層16や封止材40の基台となる。
光電極支持体12は、柔軟性を有するフィルム又はシート、金属箔等である。光電極10が光入射面を形成する場合、光電極支持体12は光透過性を有する。この場合、光電極支持体12としては、いわゆる透明基材が好ましい。
光電極支持体12の材質としては、例えば、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール、ポリアミド等が挙げられる。
光電極支持体12の素材は、樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)がより好ましい。光電極支持体12が樹脂製であれば、色素増感型太陽電池1の薄型化や軽量化を図ることができる。加えて、光電極支持体12が樹脂製であれば、色素増感型太陽電池1に可撓性を付与しやすい。
光電極支持体12の厚みは、特に限定されず、例えば、10〜500μmが好ましい。本実施形態で説明する光電極支持体12の厚みとは、マイクロメータで測定した任意の10点の平均値である。
光電極導電層14は、光電極支持体12の内表面12a(即ち、光電極支持体12における対向電極20側の面)のD1方向全体にわたって成膜、配置したものである。
光電極導電層14の材質は、導電性を有するものであれば特に制限されず、従来から色素増感型太陽電池で用いられている材料を何ら制限無く採用できる。
光電極10が光入射面を形成する場合、光電極導電層14は光透過性を有する。即ち、光電極導電層14としては、所謂透明導電層を用いることが好ましい。
光電極導電層14の材料としては、例えば、金、白金、銀、銅、クロム、タングステン、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、マンガン、亜鉛、鉄及びこれらの合金等の金属;フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、CuI、インジウムスズ酸化物(ITO)、SnO、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)等の導電性透明無機材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの素材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせで用いてもよい。
光電極導電層14の厚みは、光電極導電層14を構成する材料に応じて、適宜決定する。
光電極導電層14が金属材料からなる場合、光電極導電層14の厚みは、10〜50nmが好ましい。光電極導電層14の厚みが上記の下限値以上であれば、欠損を防止しやすい。光電極導電層14の厚みが上記の上限値以下であれば、光透過性を高めやすい。
光電極導電層14が導電性透明無機材料又は導電性透明ポリマーの場合、光電極導電層14の厚みは、100〜500μmが好ましい。光電極導電層14の厚みが上記の下限値以上であれば、欠損を防止しやすい。光電極導電層14の厚みが上記の上限値以下であれば、光透過性をより高められる。
光電極導電層14の厚みの測定方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。即ち、光電極導電層14と光電極支持体12との合計の厚みT1をマイクロメータで測定する。このとき、任意の10点の厚みT1を測定し、その平均値をave(T1)とする。次いで、光電極支持体12の厚みT2をマイクロメータで測定する。このとき、任意の10点の厚みT2を測定し、その平均値をave(T2)とする。そして、ave(T1)−ave(T2)を光電極導電層14の厚みとする。
無機半導体層16は、光電極導電層14の表面(即ち、光電極導電層14における対向電極20側の面)に複数で位置している。無機半導体層16は、図1中に示すD1方向において、互いに離間して複数設けられている。
無機半導体層16は、例えば、金属酸化物等に増感色素が担持されることによって染色された多孔質層であり、増感色素から電子を受け取って輸送する機能を有する。即ち、無機半導体層16は、増感色素を吸着可能な半導体材料であればよい。このような半導体材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム等の酸化物、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、酸化第一銅、三酸化モリブデン、五酸価バナジウム、酸化タングステン等の酸化物、チオシアン酸銅(I)、ヨウ化銅、二硫化モリブデン、二セレン化モリブデン、硫化銅(I)等が挙げられる。
無機半導体層16は、稠密層であってもよく、多孔質層であってもよい。色素増感型太陽電池1の光電変換効率のさらなる向上を図る観点からは、無機半導体層16は、多孔質層が好ましい。さらに、無機半導体層16は、微粒子同士が焼結又は粉体吹付け法による物理的衝突で接合された多孔質層であることがより好ましい。
無機半導体層16を形成する微粒子の平均粒子径は、特に限定されず、例えば、10〜500nmである。微粒子の平均粒子径が上記範囲内であれば、無機半導体層16の比表面積を高め、かつ入射光の利用率を適度に高めやすい。
本実施形態で説明する微粒子の平均粒子径とは、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置の測定により得られる体積平均径の分布のピーク値である。また、本実施形態の微粒子の平均粒子径は、例えば、任意の10個の微粒子の長径の平均値である。微粒子の長径は、例えば、SEM観察で求められる値である。
無機半導体層16の比表面積は、20〜100m/kgが好ましい。比表面積が上記の下限値以上であれば、増感色素の担持量をより高められる。比表面積が上記の上限値以下であれば、無機半導体層16の強度を高められる。無機半導体層16の比表面積は、例えば、ガス吸着法で求められる値である。
無機半導体層16の厚みとしては、例えば、1〜40μmが好ましく、3〜30μmがより好ましく、5〜25μmがさらに好ましい。無機半導体層16の厚みが上記の下限値以上であれば、取り込める光が多くなり、発電量を高められる。無機半導体層16の厚みが上記の上限値以下であれば、増感色素を無機半導体層16に担持するのが容易になる。加えて、無機半導体層16の厚みが上記の上限値以下であれば、無機半導体層16の可撓性が高まりやすい。このため、色素増感型太陽電池1を屈曲した際に無機半導体層16が損傷しにくい。
無機半導体層16の厚みの測定方法は、例えば、以下の方法が挙げられる。即ち、光電極10の厚みT10をマイクロメータで測定する。このとき、任意の10点の厚みT10を測定し、その平均値をave(T10)とする。次いで、光電極支持体12と光電極導電層14との合計の厚みT1をマイクロメータで測定する。このとき、任意の10点の厚みT1を測定し、その平均値をave(T1)とする。そして、ave(T10)−ave(T1)を無機半導体層16の厚みとする。
増感色素は、シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)(以下、N3ということがある)、シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)のビス−TBA塩(以下、N719ということがある)、シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)のテトラ−TBA塩(以下、N712ということがある)、トリ(チオシアナト)−(4,4’,4’’−トリカルボキシ−2,2’:6’,2’’−ターピリジン)ルテニウムのトリス−テトラブチルアンモニウム塩(以下、N749ということがある)、シス−ジ(チオシアナト)−(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)(4,4’−ビス(5’−ヘクチルチオ−5−(2,2’−ビチエニル))ビピリジル)ルテニウム(II)のモノ−テトラブチルアンモニウム塩(以下、ブラックダイということがある)等のルテニウム系色素;クマリン系、ポリエン系、シアニン系、ヘミシアニン系、チオフェン系、インドリン系、キサンテン系、カルバゾール系、ペリレン系、ポルフィリン系、フタロシアニン系、メロシアニン系、カテコール系及びスクアリリウム系等の各種有機色素;これらの色素を組み合わせたドナー−アクセプター複合色素等である。中でも、増感色素は、N3、N719、N712の少なくとも1種を含むことが好ましく、N3、N719及びN712の少なくとも1種がより好ましい。
これらの増感色素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせで用いてもよい。
無機半導体層16に対する増感色素の担持量は、増感色素の種類や、色素増感型太陽電池1に求める発電能力等を勘案して決定できる。無機半導体層16に対する増感色素の担持量は、0.4×10−2〜2.0×10−2mmol/cmが好ましく、0.6×10−2〜1.2×10−2mmol/cmがより好ましい。増感色素の担持量が上記の下限値以上であれば、色素増感型太陽電池1の光電変換効率のさらなる向上を図ることができる。また、増感色素の担持量が上記の範囲内であれば、色素を担持した無機半導体層16が適切な量のキャリアを輸送するので、光電変換効率をより高められる。さらに、増感色素の担持量が上記の下限値以上であれば、入射した光量に対するキャリアの発生量が増加し、光電変換効率がより高まる。増感色素の担持量が上記の上限値以下であれば、半導体表面に吸着する増感色素が適正な量となり、キャリアの輸送を良好にして、光電変換効率をより高められる。
本実施形態における無機半導体層16の体積は、長さ及び幅をノギス又は定規で測定し算出した面積と、上記方法で測定された厚みとを掛け合わせて求められる値である。
なお、本実施形態においては、光電極10が備える光電極支持体12の外表面12b側に、詳細を後述する複数の光電極側マスク部材65を配置している。
また、図2に示す例では、光電極導電層14の表面における、後述の封止材40に対応する位置の一部に、光電極導電層14を貫通し、且つ、光電極支持体12の内表面12aに若干入り込むように形成した、凹状の絶縁部14aを設けている。
対向電極20は、光電極支持体12に対向する対向電極支持体22と、対向電極支持体22の内表面22a(対向電極支持体22における光電極10側の面)に配置した対向電極導電層24とを有する。
光電極10と対向電極20とは、無機半導体層16と対向電極導電層24とを向き合わせて対向している。
対向電極支持体22は、対向電極導電層24及び封止材40の基台となる。対向電極支持体22の材質は、光電極支持体12と同様に、RtoR方式を用いた太陽電池の連続生産に適用できる程度に柔軟性を有し、大面積フィルム状に形成可能な材質であれば、特に限定されない。対向電極支持体22の材質としては、例えば、光電極支持体12と同様の樹脂材料が挙げられる。
対向電極支持体22の材料としては、光電極支持体12の材料と同様、フィルム又はシート、金属箔等である。対向電極20が光入射面を形成する場合、対向電極支持体22は光透過性を有する。この場合、対向電極支持体22としては、いわゆる透明支持体が好ましい。対向電極支持体22の素材は、光電極支持体12の素材と同じでもよいし、異なってもよい。
対向電極支持体22の厚みは、光電極支持体12の厚みと同様に、10〜500μmが好ましい。また、対向電極支持体22の厚みは、光電極支持体12の厚みと同じでもよいし、異なってもよい。
対向電極導電層24は、対向電極支持体22の内表面22aのD1方向全体にわたって成膜、配置したものである。
対向電極導電層24の材料としては、光電極導電層14の素材と同様に、金属、導電性透明無機材料、導電性透明ポリマー等である。また、対向電極導電層24と光電極導電層14とは、同じで材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。対向電極20が光入射面を形成する場合、対向電極導電層24は、光透過性を有する。この場合、対向電極導電層24としては、いわゆる透明導電層が好ましい。
対向電極導電層24の厚みは、光電極導電層14の厚みと同様に、10〜500μmが好ましい。また、対向電極導電層24の厚みは、光電極導電層14の厚みと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、本実施形態においては、対向電極20が備える対向電極支持体22の外表面22b側に、詳細を後述する複数の対向電極側マスク部材60を配置している。
また、図2に示す例では、対向電極導電層24の表面における、後述の封止材40に対応する位置の一部に、対向電極導電層24を貫通し、且つ、対向電極支持体22の内表面22aに若干入り込むように形成した、凹状の絶縁部24aを設けている。
本実施形態の保護層付き色素増感型太陽電池100においては、無機半導体層16と、後述の電荷移動体30とによって発電部を構成している。即ち、本実施形態では、発電部を、光電極10と対向電極20との間に挟まれ、光電極10及び対向電極20の面方向(図1中に示すD1方向)に沿って、間隔をおいて複数配置している。
電荷移動体30は、電解液、ゲル電解質又は固体電解質である。本実施形態の電荷移動体30は、光電極10と対向電極20との間で、光電極導電層14と対向電極導電層24との間に介在するとともに、無機半導体層16に対応した位置で、光電極10及び対向電極20の面方向に沿って離間するように複数配置する。電荷移動体30は、無機半導体層16、光電極導電層14及び対向電極導電層24に接している。また、電荷移動体30は、増感色素に電子を供給可能な酸化還元対を有する。
電解液は、分散媒(以下、「電解液分散媒」ということがある)と、電解液分散媒に分散している酸化還元対とを有する。ゲル電解質及び固体電解質は、電解液をゲル状又は固体状にしたものである。ゲル電解質及び固体電解質の製造方法は、例えば、電解液にゲル化剤又は増粘剤を加え、ゲル状又は固体状にする。必要に応じて、ゲル状又は固体状の電荷移動体の溶剤を除去する。ゲル電解質及び固体電解質の電荷移動体30は、色素増感型太陽電池1の耐久性を高める。
電解液分散媒は、非水系溶剤、イオン液体等である。非水系溶剤としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。イオン液体としては、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム、ヨウ化ブチルメチルイミダゾリウム等が挙げられる。
酸化還元対としては、支持電解質とハロゲン分子との組み合わせである。
支持電解質は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等のヨウ素塩等のヨウ化物;臭化ナトリウム、臭化カリウム等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド、イミダゾリウムブロマイド等の臭素塩等の臭素化合物が挙げられる。
ハロゲン分子としては、ヨウ素分子、臭素分子等が挙げられる。
支持電解質とハロゲン分子との組み合わせとしては、ヨウ化物とヨウ素分子との組み合わせ、臭素化合物と臭素分子との組み合わせが好ましい。
電荷移動体30の総体積に対する支持電解質の含有量は、支持電解質の種類等を勘案して決定できる。電荷移動体30の総体積に対する支持電解質の含有量は、例えば、0.1〜10mmol/Lが好ましく、0.2〜2mmol/Lがより好ましい。
電荷移動体30の総体積に対するハロゲン分子の含有量は、支持電解質の含有量等を勘案して決定できる。電荷移動体30の総体積に対するハロゲン分子の含有量は、0.001〜1mmol/Lが好ましい。
電荷移動体30は、t−ブチルピリジンを含んでもよい。電荷移動体30は、t−ブチルピリジンを含むことで、逆電子移動反応を防止しやすい。
電荷移動体30がゲル電解質又は固体電解質である場合、電荷移動体30は、導電性高分子を含んでもよい。
封止材40は、光電極10と対向電極20との間に位置し、光電極10及び対向電極20の面方向に沿って電荷移動体30の両側に配置する。封止材40は、平面視で任意の領域を囲み、電荷移動体30を封止している。封止材40は、図1及び図2中に示すD1方向に沿って、発電部を構成する電荷移動体30の両側に複数で配置する。
封止材40は、さらに、光電極10と対向電極20とを貼り合わせて互いを接着するための樹脂等を含む。このような封止材40の材質としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は紫外線硬化性樹脂のうち少なくとも一種を含む樹脂材料が挙げられる。
封止材40の厚みは、例えば、10〜200μmが好ましい。封止材40の厚みの測定方法は、例えば、光電極支持体12の面と直交する断面の画像における、任意の10点の測定値の平均値とすることができる。
図2中に示すD1方向において、互いに隣り合う電荷移動体30を封止した封止材40同士の間には、導通材50を配置している。導通材50は、無機半導体層16、電荷移動体30を含む発電部同士を接続するための導電構造である。なお、図2中では、1つの発電部(セル)のみを示しているが、本実施形態では、導通材50を、複数の発電部とともに複数で設け、複数の発電部の各々の間において、この発電部の両側に配置した複数の封止材40の間に配置し、複数の発電部同士を電気的に接続するように構成している。
導通材50の材質としては、導通可能な素材であれば特に限定されず、例えば、公知の導電材、導電ペースト、又は導電性微粒子と接着剤の混合物等が挙げられる。なお、例えば、保護層付き色素増感型太陽電池100を所望のパターンで切り出す場合に、導通材50を容易に切断可能とする観点からは、導通材50の材質として、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の接着剤54に適量の導電粒子52を混合した導通ペーストを採用することが好ましい。また、導通材50は、封止材40と同様の材料からなるバインダーを含んでいてもよい。
光電極側バリア層70は、光電極10が有する光電極支持体12の外表面12b側に、光電極側バリア層70の一方の面に形成した光電極側接着層72による接着で配置する。
また、対向電極側バリア層80は、対向電極20が有する対向電極支持体22の外表面22b側に、対向電極側バリア層80の一方の面に形成した対向電極側接着層82による接着で配置する。
これら、光電極側バリア層70及び対向電極側バリア層80は、保護層付き色素増感型太陽電池100(色素増感型太陽電池1)の水蒸気に対するバリア性を高めるために、色素増感型太陽電池1の両面側に配置する。
本実施形態において、光電極側バリア層70は透光性を有している。光電極側バリア層70が透光性を有することで、受光面から発電部に光が入射する。本明細書における「透光性」とは、発電部が発電できる程度に光を透過する性質のことをいう。
光電極側バリア層70としては、例えば、樹脂基材に蒸着又はスパッタで製膜した無機材料層を有するフィルムが挙げられる。樹脂基材としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。無機材料層を形成する無機材料としては、シリカ等が挙げられる。
光電極側バリア層70の厚みは、その素材を勘案しながら決定できる。光電極側バリア層70の厚みは、例えば、10〜200μmが好ましく、15〜150μmがより好ましく、20〜80μmがさらに好ましい。光電極側バリア層70の厚みが上記下限値以上であれば、光電極側バリア層70の水蒸気透過率をさらに低減できる。また、光電極側バリア層70の厚みが上記上限値以下であれば、保護層付き色素増感型太陽電池100の柔軟性をさらに高められる。
光電極側バリア層70の水蒸気透過率(WVTR)は、等圧法又は差圧法で求められる。
光電極側バリア層70の水蒸気透過率は、0〜1×10−2g/m/dayが好ましく、0〜5×10−3g/m/dayがより好ましく、0〜1×10−3g/m/dayがさらに好ましい。光電極側バリア層70の水蒸気透過率が上記上限値以下であれば、電解液への水分の浸入をさらに抑制できる。なお、光電極側バリア層70の水蒸気透過率は、光電極側バリア層70の素材と厚みとの組み合わせで調節できる。
光電極側バリア層70の硬度特性としても、特に限定されないが、例えば、JIS K5600−5−4で規定される鉛筆硬度がH程度、デュロメータでの測定による押し込み硬さが90以上(Code D)、ロックウェル硬度がMスケール換算で60〜120(より好ましくは80〜110)であることが好ましい。光電極側バリア層70の硬度が上記下限値以上であれば、色素増感型太陽電池1を効果的に保護できる。また、光電極側バリア層70の硬度が上記上限値以下であれば、無駄に硬度を上昇させることなく、製造コストを抑制できる。
光電極側接着層72の材料としては、特に限定されないが、常温下においても充分な粘着力を有し、且つ、積層後の光透過率を勘案し、可能な限り透明度の高い、所謂OCA(Optical Clear Adhesive)と呼ばれる接着性組成物の硬化物を採用することが好ましい。このような接着性組成物としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ブチルゴム、又はポリビニールアルコール等が挙げられる。
光電極側接着層72の厚みは、接着剤の種類を勘案して決定でき、例えば、3〜80μmが好ましく、5〜50μmがより好ましく、10〜30μmがさらに好ましい。光電極側接着層72の厚みが上記下限値以上であれば、色素増感型太陽電池1に対して光電極側バリア層70をより強固に接着できる。また、光電極側接着層72の厚みが上記上限値以上であれば、保護層付き色素増感型太陽電池100の柔軟性をさらに高められる。
光電極側接着層72の水蒸気透過率も、上記同様、等圧法又は差圧法で求められる。
光電極側接着層72の水蒸気透過率は、0〜200g/m/day以下が好ましく、0〜100g/m/day以下がより好ましく、0〜10g/m/day以下がさらに好ましい。
光電極側接着層72の粘度特性としても、特に限定されないが、硬化前の粘度が2000〜7000MPa・s(Rheo−meter@25℃)であることが好ましく、3000〜6000MPa・sであればよい。
光電極側接着層72の硬化後の硬度特性としても、特に限定されないが、上述した光電極側バリア層70と同様の理由により、デュロメータでの測定による押し込み硬さが5〜30(Code E)であることが好ましい。
光電極支持体12と光電極側バリア層70との間の剥離強度は、例えば、3〜20N/cmが好ましく、5〜18N/cmがより好ましく、8〜15N/cmがさらに好ましい。光電極支持体12と光電極側バリア層70との間の剥離強度が上記下限値以上であれば、光電極支持体12に対して光電極側バリア層70が剥がれにくくなり、光電極支持体12と光電極側バリア層70との界面に水蒸気が侵入するのを効果的に防止できる。これにより、電解液の含水量が増加するのをさらに抑制できる。また、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間の剥離強度が上記上限値以下であれば、光電極側バリア層70を光電極支持体12に容易に接着できる。なお、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間の剥離強度は、光電極支持体12の素材、光電極側バリア層70の素材、光電極側接着層72を形成する接着性組成物の種類、及び、光電極側接着層72の厚みの各条件の組み合わせにより、適宜調節できる。
対向電極側バリア層80は、光電極側バリア層70と同様に透光性を有してもよいし、透光性を有しなくてもよい。
対向電極側バリア層80としては、光電極側バリア層70と同様のフィルムが挙げられる。加えて、対向電極側バリア層80としては、例えば、金属箔、金属箔と樹脂基材との積層フィルム等が挙げられる。中でも、対向電極側バリア層80としては、金属箔又は金属箔と樹脂基材との積層フィルムが好ましい。
対向電極側バリア層80に用いる金属箔としては、例えば、アルミニウム箔等が挙げられる。
また、対向電極側バリア層80に用いる積層フィルムの樹脂基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。
対向電極側バリア層80の好ましい水蒸気透過率は、上述した光電極側バリア層70の水蒸気透過率と同様である。また、対向電極側バリア層80の水蒸気透過率は、光電極側バリア層70の水蒸気透過率と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
対向電極側バリア層80の厚みも、上述した光電極側バリア層70の厚みと同様とすることができる。また、対向電極側バリア層80の厚みは、光電極側バリア層70の厚みと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
対向電極側バリア層80の好ましい硬度特性も、上述した光電極側バリア層70の硬度特性と同様である。また、対向電極側バリア層80の硬度特性は、光電極側バリア層70の硬度特性と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
対向電極側接着層82を形成する接着性組成物は、光電極側接着層72を形成する接着性組成物と同様とすることができる。また、対向電極側接着層82を形成する接着性組成物は、光電極側接着層72を形成する接着性組成物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
対向電極側接着層82の厚みも、上述した光電極側接着層72の厚みと同様とすることができる。また、対向電極側接着層82の厚みは、光電極側接着層72の厚みと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
対向電極側接着層82の水蒸気透過率も、上述した光電極側接着層72の水蒸気透過率と同様とすることができる。また、対向電極側接着層82の水蒸気透過率は、光電極側接着層72の水蒸気透過率と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
対向電極側接着層82の硬化前の粘度特性も、上述した光電極側接着層72の硬化前の粘度と同様とすればよい。また、対向電極側接着層82の硬化前の粘度は、光電極側接着層72の硬化前の粘度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
対向電極側接着層82の硬化後の硬度特性も、上述した光電極側接着層72と同様の理由により、この光電極側接着層72と同様の硬化後の硬度であることが好ましい。また、対向電極側接着層82の硬化後の硬度は、光電極側接着層72の硬化後の硬度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間の好ましい剥離強度は、上述した光電極支持体12と光電極側バリア層70との間の剥離強度と同様である。また、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間の剥離強度は、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間の剥離強度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態の電気モジュールである保護層付き色素増感型太陽電池100においては、対向電極支持体22の外表面22bにおいて、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80(対向電極側接着層82)との間に介在するように配置した、断面略矩形状で複数の対向電極側マスク部材(マスク部材)60を備える。さらに、図1及び図2に示す例の保護層付き色素増感型太陽電池100においては、光電極支持体12の外表面12bにおいて、光電極支持体12と光電極側バリア層70(光電極側接着層72)との間に介在するように配置した、断面略矩形状で複数の光電極側マスク部材(マスク部材)65を備える。
対向電極側マスク部材60は、対向電極20が備える対向電極支持体22の外表面22b側に複数で配置する。図1及び図2に示す例では、対向電極側マスク部材60は、対向電極支持体22の外表面22b側に、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間に介在するように位置している。また、図示例では、対向電極側マスク部材60が、対向電極20の面方向において複数の電荷移動体(発電部)30と重ならない箇所に位置しており、図2中においては、導通材50に対応する箇所に配置している。
光電極側マスク部材65は、光電極10が備える光電極支持体12の外表面12b側に複数で配置する。図1及び図2に示す例では、光電極側マスク部材65は、光電極支持体12の外表面12b側に、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に介在するように位置している。また、光電極側マスク部材65も、光電極10の面方向において複数の電荷移動体30と重ならない箇所、即ち、発電部における受光領域と重ならない箇所に位置しており、図示例では、対向電極側マスク部材60と同様、導通材50に対応する箇所に配置している。
上記により、本実施形態では、対向電極側マスク部材60が、対向電極支持体22の外表面22bにおける導通材50に対応した位置を覆うように位置している。
また、本実施形態では、光電極側マスク部材65が、光電極支持体12の外表面12bにおける導通材50に対応した位置を覆うように位置している。
また、本実施形態では、対向電極側バリア層80を、対向電極支持体22に対して、対向電極側接着層82を用いて接着している。同様に、本実施形態では、光電極側バリア層70を、光電極支持体12に対して、光電極側接着層72を用いて接着している。
従って、図示例においては、複数の対向電極側マスク部材60を対向電極側接着層82中に埋め込むように配置し、複数の光電極側マスク部材65を光電極側接着層72中に埋め込むように配置している。また、図示例においては、光電極側接着層72の表面が、光電極支持体12の外表面12bに設けた光電極側マスク部材65によって若干盛り上がった形状を有しているとともに、対向電極側接着層82の表面が、対向電極支持体22の外表面22bに設けた対向電極側マスク部材60によって盛り上がった形状を有している。
また、図1中においては保護層付き色素増感型太陽電池100の裏面側となるが、対向電極側マスク部材60は、図中のD2に沿った方向で長尺に延設した複数のテープ状の部材からなる。さらに、図1及び図2に示す例では、光電極側マスク部材65は、複数の導通材50に沿った方向、即ち、図中のD2に沿った方向で長尺に延設した複数のテープ状の部材からなる構成を示している。
対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65としては、所定の厚みを有した部材であれば、特に限定されないが、例えば、長尺のテープ状部材からなるものを用いることができる。対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65に長尺のテープ状部材を採用することで、後述のRtoR(ロールツーロール)方式を用いた製造工程における生産性が向上する効果が得られる。
また、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65に用いる長尺のテープ状部材の材質としても、特に限定されず、他の電池構成との相性等に鑑みて適宜選択することができる。ここで、本実施形態で説明するテープ状部材とは、例えば、テープ基材の片面側に粘着剤層を設けたもの、あるいは、その他の方法で光電極支持体12又は対向電極支持体22に固定可能なもの等が挙げられる。
上記のようなテープ状部材の材質としては、例えば、紙、布、テフロン(登録商標)、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ガラスクロス、セロハン、ゴム、又はビニール等が挙げられる。
これらの中でも、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65に用いるテープ状部材としては、紙、布、テフロン(登録商標)、ポリイミド、又はビニールが好ましい。
対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65は、光電極支持体12の外表面12b、又は、対向電極支持体22の外表面22bに対して、上記のRtoRによってテープ状部材を供給することで配置・形成できる。
一方、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65は、上記のようなテープ状部材を配置した構成には限定されない。例えば、従来公知のディスペンサー等を用いて、対向電極支持体22の外表面22b、又は、光電極支持体12の外表面12bに、光硬化型のアクリル樹脂系材料等を塗布し、平面視長尺状の対向電極側マスク部材及び光電極側マスク部材を配置した構成であってもよい。あるいは、後述する光電極10と対向電極20とを貼り合わせる積層工程において、対向電極支持体22の外表面22b及び光電極支持体12の外表面12bに対し、超音波溶融による型押し処理によって光硬化型のアクリル樹脂系材料を付着させ、平面視長尺状の対向電極側マスク部材及び光電極側マスク部材を配置する方法を採用してもよい。
上記のように、保護層付き色素増感型太陽電池100は、対向電極側マスク部材60を介在させるように、対向電極支持体22の外表面22b側に対向電極側バリア層80を配置することで、略橋脚状に複数で配置した対向電極側マスク部材60により、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間に、一時的に隙間を確保できる。これにより、積層加工時に、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間に気泡が発生した場合でも、対向電極側マスク部材60で一時的に確保した隙間が気泡の通路として機能する。従って、上記の気泡を、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間から外部に向けて効果的に排出でき、空隙が残存するのを抑制できる。
同様に、保護層付き色素増感型太陽電池100は、光電極側マスク部材65を介在させるように、光電極支持体12の外表面12b側に光電極側バリア層70を配置することで、略橋脚状に複数で配置した光電極側マスク部材65により、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に、一時的に隙間を確保できる。これにより、上記同様、積層加工時に、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に発生した気泡を、光電極側マスク部材65によって一時的に確保した隙間から、外部に向けて効果的に排出でき、空隙が残存するのを抑制できる。
その後、保護層付き色素増感型太陽電池100を真空ラミネート処理することにより、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65によって一時的に確保した隙間は消滅する。これにより、空隙の残存によって生じる、水蒸気に対するバリア性の低下を防止できるので、高い光電変換特性が得られ、発電特性に優れた電気モジュール(保護層付き色素増感型太陽電池100)が実現できる。
また、空隙の残存を抑制することで、対向電極側マスク部材60の外表面、及び、光電極側マスク部材65の外表面において、空隙の残存による凹凸が生じるのを防止できるので、優れた外観特性も得られる。
また、色素増感型太陽電池1に対向電極側バリア層80及び光電極側バリア層70を接着する工程において、高温・高圧の工程条件が不要となるので、保護層付き色素増感型太陽電池100全体へのダメージを軽減することが可能になる。また、高温・高圧の工程条件が不要となることで、例えば、従来の工程条件で生じていた、高温・高圧でのプレスによる封止部の破損等を防止でき、液漏れ等が生じることなく、且つ、耐久性にも優れた保護層付き色素増感型太陽電池100が実現できる。
さらに、従来の保護層付き色素増感型太陽電池において、複数のセル(発電部)間に存在していた透明な箇所を、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の配色を調整することで、電池外表面全体を同一色とすることも可能になるので、意匠的な観点での選択肢も拡大する効果が得られる。
また、図1及び図2に示す例のように、複数の対向電極側マスク部材60及び複数の光電極側マスク部材65を、導通材50に対応する箇所に配置した場合には、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の位置が、面方向において複数の電荷移動体30と重ならない位置となる。これにより、特に、光電極側マスク部材65によって発電部への入射光が遮られることなく、優れた発電効率を確保できる。また、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65を、導通材50に対応する箇所に配置することで、この箇所における導通材50に起因した局所的な突出部分を覆い隠すことが可能になることから、外観特性にも優れたものとなる。さらに、例えば、対向電極側バリア層80が透光性を有する材料からなる場合には、その外表面から入射した光が対向電極側マスク部材60によって遮られることがないので、さらに優れた発電効率を確保できる。
対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の膜厚、即ち、対向電極支持体22の外表面22bからの対向電極側マスク部材60の高さ、及び、光電極支持体12の外表面12bからの光電極側マスク部材65の高さは、特に限定されない。しかしながら、気泡を確実に排出できるサイズの一時的な隙間を確保する観点からは、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の膜厚が、例えば、20μm以上500μm以下であることが好ましい。対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の膜厚が20μm以上であれば、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間、並びに光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に、気泡を外部に効果的に排出することが可能なサイズの隙間を確保できる。一方、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の膜厚が500μm以下であれば、真空ラミネート処理における加圧の際に、各マスク部材に起因するモジュール全体の屈曲や、各バリア層の浮き等が発生するのを防止できる。
また、上記の作用が得られる観点からは、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の膜厚は、30μm以上300μm以下であることがより好ましく、50μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
なお、本実施形態で説明する対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の膜厚とは、マイクロメータで測定した任意の10点の平均値である。
また、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の平面視における幅、即ち、これら各マスク部材を構成するテープ状部材の幅方向の寸法についても、特に限定されない。一方、上記同様、気泡を確実に排出できるサイズの一時的な隙間を確保する観点からは、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の幅は、例えば、2mm以上10mm以下であることが好ましい。
また、上記の観点から、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65を、導通材50に対応する位置に配置した場合には、対向電極側マスク部材60の幅は、導通材50の平面視における幅よりも大きな幅であることがより好ましい。一方、光電極側マスク部材65の幅が大きすぎると、発電部における受光領域の実質的な面積が減少してしまうため、光電極側マスク部材65の幅は、導通材50の幅に対して、−(マイナス)2mm〜+(プラス)1mm程度であることがより好ましい。
また、図1及び図2に示すように、複数の対向電極側マスク部材60及び複数の光電極側マスク部材65を長尺のテープ状部材から構成した場合において、各々のテープ状部材の配列間隔(ピッチ)は、特に限定されない。また、複数の対向電極側マスク部材60及び複数の光電極側マスク部材65のピッチは、これら各マスク部材を複数の導通材50に対応する位置で配置した場合には、この導通材50の位置等にも依存する。
これらを踏まえ、複数の対向電極側マスク部材60及び複数の光電極側マスク部材65の各々における配列ピッチは、これらを気泡のガイドレールとして確実に機能させ、気泡の排出性をより効果的に発現させる観点から、200mm以下であることが好ましく、100mm以下であることがより好ましく、50mm以下であることがさらに好ましい。
複数の対向電極側マスク部材60及び複数の光電極側マスク部材65の配列ピッチが200mm以下であれば、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間、又は、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に発生した気泡を効果的に排出できるサイズの隙間を確保できる。一方、上記の配列ピッチが200mmを超えると、製造時に各バリア層が各支持体に対して早期に密着してしまい、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65を備えることによる気泡の排出性が低下するおそれがある。
なお、本実施形態で説明する複数の対向電極側マスク部材60及び複数の光電極側マスク部材65の配列ピッチとは、各マスク部材の幅によっても変化するが、概略で、各々の対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の中心間距離のことをいう。
なお、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の断面形状は、図2中に示すような略矩形状のものには限定されず、例えば、断面略楕円形状のテープ状部材等、適宜の形状のものを採用できる。
また、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65の平面視形状についても、図1中に示すような、長尺矩形状のものには限定されず、例えば、円形状や四角形状からなるドット状のもの等を適宜採用することができる。
また、対向電極側マスク部材及び光電極側マスク部材の形成位置は、図1及び図2に示す例にのみ限定されるものではない。図示例においては、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65を、対向電極支持体22の外表面22b、又は、光電極支持体12の外表面12bにおける、複数の導通材50に対応した位置で設けているが、上記のような気泡を外部に排出できる効果は、各マスク部材を他の位置で設けた場合でも十分に得られる。具体的には、例えば、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65を、対向電極支持体22の外表面22b、又は、光電極支持体12の外表面12bにおける、電荷移動体(発電部)30に対応する位置に設けた場合であっても、上記同様の効果が得られる。一方、光電極側マスク部材65については、保護層付き色素増感型太陽電池100における光の入射性を考慮し、光電極支持体12の外表面12bにおける、複数の導通材50に対応した位置で設けることがより好ましい。
また、詳細な図示を省略するが、例えば、対向電極支持体22の外表面22bにおける導通材50に対応した位置が、該導通材50に由来して盛り上がった凸部であり、該凸部の高さが対向電極側マスク部材60の膜厚よりも大きい場合には、対向電極側マスク部材60を、対向電極支持体22の面方向において、導通材50と重なる位置に配置することが好ましい。
一方、例えば、対向電極支持体22の外表面22bにおける上記の凸部の高さが、対向電極側マスク部材60の膜厚よりも小さい場合には、対向電極側マスク部材60を、対向電極支持体22の面方向において発電部と重なる位置を含む何れの位置に配置しても構わない。この場合、対向電極側マスク部材60の対向電極支持体22の外表面22bからの高さ(膜厚)は、上記の凸部よりも高くなるので、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間から気泡を排出するのに十分な空隙を確保することが可能になる。
さらに、本実施形態においては、例えば、図3に示す例のように、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65に加え、他の対向電極側マスク部材及び光電極側マスク部材を1以上で設けてもよい。図示例においては、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65に加え、さらに、対向電極支持体22の外表面22bにおいて、複数の封止材40に沿った方向に対して直交する方向(図3中に示すD1方向)で、複数の封止材40の両端部側の位置に延設した複数のテープ状部材からなる対向電極側マスク部材61を設けている。さらに、図示例では、光電極支持体12の外表面12bにおいて、複数の封止材40に沿った方向に対して直交する方向(図3中に示すD1方向)で、複数の封止材40の両端部側の位置に延設した複数のテープ状部材からなる光電極側マスク部材66を設けている。このような構成を採用することにより、上述したような、対向電極支持体22と対向電極側マスク部材60との間、並びに、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間から、気泡を外部に効果的に排出でき、空隙が残存するのを抑制する効果がより顕著に得られる。
<保護層付き色素増感型太陽電池の製造方法>
次に、本発明に係る保護層付き色素増感型太陽電池(電気モジュール)の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の保護層付き色素増感型太陽電池の製造方法は、例えば、RtoR(ロールツーロール)方式を採用する図視略の製造装置を用いて、所定の方向に沿って連続的に搬送される長尺の光電極10と、所定の方向に沿って連続的に搬送される対向電極20とを貼り合わせることにより、図1及び図2に示すような保護層付き色素増感型太陽電池100を製造する方法とすることができる。
本実施形態の保護層付き色素増感型太陽電池100の製造方法は、以下の(1)〜(8)の各工程を備えて概略構成される。
(1)光電極支持体12の内表面12aに光電極導電層14を形成し、光電極導電層14の表面に、光電極導電層14の面方向に沿って離間して配置しながら、発電部をなす複数の無機半導体層16を形成して光電極10を得る光電極形成工程。
(2)対向電極支持体22の内表面22aに対向電極導電層24を形成して対向電極20を得る対向電極形成工程。
(3)光電極導電層14の表面に、少なくとも複数の無機半導体層16の両側に配置して複数の封止材40を形成する封止材形成工程。
(4)複数の封止材40同士の間に、複数の無機半導体層16の位置に対応するように、複数の発電部をなす複数の電荷移動体30を配置する電荷移動体注入工程。
(5)複数の発電部の各々の間において、この発電部の両側に配置した複数の封止材40の間に、複数の発電部同士を接続する複数の導通材50を配置する導通材形成工程。
(6)光電極10と対向電極20とを、複数の電荷移動体30、複数の導通材50、及び複数の封止材40を挟み込むように貼り合わせる積層工程。
(7)光電極支持体22及び対向電極支持体22のうちの何れか一方又は両方の外表面(外表面12b又は外表面22b)側に、1以上のマスク部材(光電極側マスク部材65又は対向電極側マスク部材60)を配置するマスク部材配置工程。
(8)光電極支持体12及び対向電極支持体22の外表面(外表面12b又は外表面22b)側を覆うようにバリアフィルム(光電極側バリア層70又は対向電極側バリア層80)を形成するとともに、このバリアフィルムを、光電極支持体12及び前記対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面(外表面12b又は外表面22b)側に配置したマスク部材(光電極側マスク部材65又は対向電極側マスク部材60)を挟み込むように形成する保護層形成工程。
なお、本実施形態の製造方法においては、上記の「(7)マスク部材配置工程」が、光電極支持体12の外表面12b側に複数の光電極側マスク部材65を配置するとともに、対向電極支持体22の外表面22bに複数の対向電極側マスク部材60を配置する方法を例示して説明する。また、本実施形態では、上記の「(8)保護層形成工程」が、光電極支持体12の外表面12b側に、複数の光電極側マスク部材65を挟み込むように光電極側バリア層70を形成するとともに、対向電極支持体22の外表面22b側に、複数の対向電極側マスク部材60を挟み込むように対向電極側バリア層80を形成する方法を例示して説明する。
[(1)光電極形成工程]
光電極形成工程においては、上記のように、光電極支持体12の内表面12aに光電極導電層14を形成し、光電極導電層14の表面に、光電極導電層14の面方向に沿って離間して配置しながら複数の無機半導体層16を形成して光電極10を得る。なお、予め、内表面12aに光電極導電層14が形成されている光電極支持体12を用いても構わない。
まず、光電極支持体12の内表面12aに光電極導電層14を形成する。光電極導電層14を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、印刷法等の公知の方法が挙げられる。
次いで、光電極導電層14上に複数の無機半導体層16を形成する。無機半導体層16を形成する方法としては、例えば、半導体材料の粒子を光電極導電層14に吹き付ける方法等が挙げられる。このように、半導体材料の粒子を吹き付け、無機半導体層16を形成する方法としては、例えば、公知のエアロゾルデポジション法(Aerosol Deposition method:AD法)等が挙げられる。また、無機半導体層16を形成する方法としては、例えば、半導体材料を含むペーストを光電極導電層14上に塗布し、塗布したペーストを焼成して無機半導体層16を形成する方法等も挙げられる。
光電極形成工程においては、無機半導体層16に増感色素を担持する。
この際の担持操作は、例えば、以下の手順とすることができる。
まず、増感色素を分散媒(以下「色素溶液分散媒」ということがある)に分散し、色素増感型太陽電池の光電極製造用の色素溶液(以下、単に「色素溶液」ということがある)を調製する。増感色素を色素溶液分散媒に分散する方法としては、色素溶液分散媒を撹拌しつつ、増感色素を色素溶液分散媒に添加する方法等が挙げられる。
次いで、色素溶液を無機半導体層16に接触させる。無機半導体層16に接触した色素溶液は、無機半導体層16の表面又は内部に浸透する。そして、所望の量の色素溶液を無機半導体層16に浸透した後、色素溶液分散媒を除去することにより、増感色素を無機半導体層16に担持する。
これにより、光電極10が得られる。
色素溶液分散媒としては、アルコール、ニトリル、エーテル、エステル、ケトン、炭化水素、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール等が挙げられる。
ニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリル等である。
エーテルは、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。
これらの色素溶液分散媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上の組み合わせで用いてもよい。
色素溶液を無機半導体層16に接触する方法としては、色素溶液を無機半導体層16に塗布する方法(塗布法)、色素溶液を無機半導体層16に噴霧する方法(噴霧法)、基板電極を色素溶液に浸漬する方法(浸漬法)等が挙げられる。
浸漬法における浸漬時間は、特に限定されず、例えば、0.1〜200時間とすることができる。
浸漬法における色素溶液の温度(浸漬温度)は、色素溶液分散媒の種類を勘案して決定できる。浸漬温度は、例えば、10〜70℃とすることができる。
無機半導体層16に色素溶液を接触させた後、色素溶液分散媒を除去する方法としては、基板電極を減圧下に置く方法、基板電極を加熱する方法等が挙げられる。
基板電極に対する加熱温度は、色素溶液分散媒を揮発できる温度であればよい。基板電極に対する加熱温度は、例えば、30〜70℃とすることができる。
なお、例えば、無機半導体層16に増感色素が予め担持された基板電極を入手し、この基板電極用いてもよい。
また、光電極形成工程では、必要に応じて、図2中に示すように、光電極導電層14の表面における、後述する封止材40の形成予定位置に対応する箇所の一部に、絶縁部14aを形成する。図示例では、絶縁部14aを、光電極導電層14を貫通し、且つ、光電極支持体12に若干入り込むように、凹状に形成している。
光電極導電層14の表面に絶縁部14aを形成する方法としては、特に限定されず、例えば、ダイカットロールを備えた加工装置の他、レーザー加工装置、押圧用の金型、エッチング液の塗布装置等を用いた方法が挙げられる。
[(2)対向電極形成工程]
対向電極形成工程においては、上記のように、対向電極支持体22の内表面22aに対向電極導電層24を形成して対向電極20を得る。なお、予め、内表面22aに対向電極導電層24が形成されている対向電極支持体22を用いても構わない。
対向電極形成工程では、対向電極支持体22の内表面22aに、光電極形成工程と同様の方法により、対向電極導電層24を形成することができる。
また、対向電極形成工程においても、必要に応じて、図2中に示すように、対向電極導電層24の表面における、後述の封止材40に対応する位置の一部に、絶縁部24aを形成する。図示例では、絶縁部24aを、対向電極導電層24を貫通し、且つ、対向電極支持体22の内表面22aに若干入り込むように、凹状に形成している。
対向電極導電層24の表面に絶縁部24aを形成する方法としては、上記の絶縁部14aを形成する場合と同じ方法を採用できる。
[(3)封止材形成工程]
封止材形成工程においては、上記のように、光電極10における光電極導電層14の表面に、少なくとも複数の無機半導体層16の両側に配置して複数の封止材40を形成する。
具体的には、光電極10に対して、従来公知のディスペンサー等を用いて、封止材料の粘性等を勘案した適切な流量で封止材料を吐出させ、光電極導電層14の表面に封止材料を塗布する。
[(4)電荷移動体注入工程]
電荷移動体注入工程においては、上記のように、光電極10における光電極導電層14の表面において、複数の封止材40同士の間に、複数の無機半導体層16の位置に対応するように、複数の電荷移動体30を配置する。
具体的には、例えば、従来公知のディスペンサー等を用いて、電解液の粘性等を勘案した適切な流量で電解液を吐出させ、封止材40に挟まれた領域に位置する複数の無機半導体層16及び光電極導電層14の露出部分に電解液を注入する。これにより、複数の電荷移動体30を配置する。
[(5)導通材形成工程]
導通材形成工程においては、上記のように、複数の発電部の各々の間において、この発電部の両側に配置した複数の封止材40の間に、複数の発電部同士を接続する複数の導通材50を配置する。
具体的には、従来公知のディスペンサー等を用いて、光電極導電層14の表面に導通材50を形成する。即ち、光電極導電層14の表面に、配線材料の粘性等を勘案した適切な流量で、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の接着剤54に適量の導電粒子52を混合した導通ペーストからなる配線材料を塗布する。その後、配線材料を硬化させることにより、導通材50を形成する。
[(6)積層工程]
積層工程においては、上記のように、光電極10と対向電極20とを、複数の電荷移動体30、複数の導通材50及び複数の封止材40を挟み込むように貼り合わせて色素増感型太陽電池1とする。
具体的には、まず、上記のように重ね合わせた光電極10及び対向電極20を、図視略の押圧ロールに通過させることにより、光電極10と対向電極20とを互いに押圧する。
次いで、押圧された状態の光電極10及び対向電極20に対して、図示略のUVランプ等を用いて紫外線を照射する等の方法により、封止材40を硬化させ、光電極10と封止材40とを貼り合わせるとともに、対向電極20と封止材40とを貼り合わせる。
これにより、色素増感型太陽電池1が得られる。
[(7)マスク部材配置工程]
本実施形態のマスク部材配置工程においては、上記のように、対向電極支持体22の外表面22b側に、対向電極20の面方向において複数の電荷移動体30と重ならない位置に配置しながら複数の対向電極側マスク部材60を配置する。さらに、本実施形態のマスク部材配置工程においては、光電極支持体12の外表面12b側に、光電極10の面方向において複数の電荷移動体30と重ならない位置に配置しながら複数の光電極側マスク部材65を配置する。
具体的には、例えば、従来公知のRtoR(ロールツーロール)方式により、図視略の原反ロールに捲回されたテープ状部材を巻きだして、対向電極支持体22の外表面22bの複数箇所に供給する。このとき、対向電極支持体22の外表面22bにおけるテープ状部材の供給位置は、特に限定されないが、対向電極20の面方向において複数の電荷移動体30と重ならない位置、例えば、複数の封止材40及び複数の導通材50に沿った方向で、この複数の導通材50に対応した位置に配置しながら、対向電極支持体22の外表面22bの複数箇所に貼着する。
これにより、対向電極支持体22の外表面22b側に、複数の対向電極側マスク部材60を配置・形成する。
さらに、本実施形態におけるマスク部材配置工程では、同様の方法及び条件により、光電極支持体12の外表面12bの複数箇所にテープ状部材を供給する。このとき、上記同様、テープ状部材を、光電極10の面方向において複数の電荷移動体30と重ならない位置、即ち、複数の導通材50に対応した位置に配置しながら、光電極支持体12の外表面12bの複数箇所に貼着する。
これにより、光電極支持体12の外表面12b側に、複数の光電極側マスク部材65を配置・形成する。
なお、複数の対向電極側マスク部材60及び複数の光電極側マスク部材65を形成する方法は、上記方法には限定されない。例えば、従来公知のディスペンサー等を用いて、対向電極支持体22の外表面22b、又は、光電極支持体12の外表面12bに、光硬化型のアクリル樹脂系材料等を塗布し、平面視長尺状の対向電極側マスク部材及び光電極側マスク部材を配置・形成する方法を採用してもよい。あるいは、上記の積層工程において、対向電極支持体22の外表面22b及び光電極支持体12の外表面12bに対し、超音波溶融による型押し処理によって光硬化型のアクリル樹脂系材料を付着させ、これを硬化させることで、平面視長尺状の対向電極側マスク部材及び光電極側マスク部材を配置・形成する方法を採用してもよい。
また、マスク部材配置工程は、例えば、光電極形成工程及び対向電極形成工程よりも前の工程、即ち、光電極支持体12に光電極導電層14を形成する前、並びに、対向電極支持体22に対向電極導電層24を形成する前に行ってもよい。
[(8)保護層形成工程]
本実施形態の保護層形成工程においては、上記のように、光電極支持体12の外表面12b側に、複数の光電極側マスク部材65を挟み込むように光電極側バリア層70を形成する。さらに、本実施形態の保護層形成工程においては、対向電極支持体22の外表面22b側に、複数の対向電極側マスク部材60を挟み込むように対向電極側バリア層80を形成する。
具体的には、まず、光電極側バリア層70及び対向電極側バリア層80として、例えば、延伸加工した樹脂フィルム上に酸化金属化合物をスパッタで成膜したフィルム材料を準備する。
次いで、光電極側バリア層70の一方の面の全面に接着材料を塗布することにより、光電極側接着層72を形成する。また、対向電極側バリア層80の一方の面の全面に接着材料を塗布することにより、対向電極側接着層82を形成する。この際、光電極側接着層72及び対向電極側接着層82に用いる接着材料として、OCA、具体的にはアクリル樹脂系のOCAを採用することができる。
次いで、対向電極支持体22の外表面22bに、複数の対向電極側マスク部材60を挟み込むように、対向電極側接着層82を介して対向電極側バリア層80を貼着する。
同様に、光電極支持体12の外表面12bに、複数の光電極側マスク部材65を挟み込むように、光電極側接着層72を介して光電極側バリア層70を貼着する。
あるいは、本実施形態の保護層形成工程においては、光電極側バリア層70又は対向電極側バリア層80の一方の面に接着シートを貼着し、この積層シートをラミネートしたものを準備したうえで、これらを、光電極支持体12の外表面12b又は対向電極支持体22の外表面22bに貼着する方法を採用することも可能である。
保護層形成工程においては、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間に気泡が発生した場合でも、対向電極側マスク部材60によって確保した隙間が気泡の通路として機能する。これにより、上記の気泡を、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間から、外部に向けて効果的に排出できる。同様に、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に気泡が発生した場合でも、光電極側マスク部材65によって確保した隙間から外部に向けて効果的に排出できる。
そして、保護層形成工程においては、上記の積層体を真空ラミネート処理することにより、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65によって確保した隙間を消滅させる。
以上の各工程により、保護層付き色素増感型太陽電池100が得られる。
[その他の工程]
本実施形態の製造方法では、上記のマスク部材配置工程の後であって、保護層形成工程の前に、さらに、図1中に示すD2方向に沿って保護層付き色素増感型太陽電池100を複数のセルに区画する境界において、図視略の超音波付与装置等を用いて、光電極10及び対向電極20に超音波振動を付与し、図視略のシール部を形成する工程を備えることができる。
また、上記の各工程の後、さらに、必要に応じて、保護層付き色素増感型太陽電池100から、所望のパターンで、実際に使用される保護層付き色素増感型太陽電池を切り出してもよい。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の保護層付き色素増感型太陽電池(電気モジュール)100によれば、少なくとも、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に介在するように1以上の光電極側マスク部材65を配置するか、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間に介在するように1以上の対向電極側マスク部材60を配置した構成を採用している。これにより、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間、又は、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に気泡が発生した場合でも、この気泡を効果的に外部に排出でき、空隙が残留した状態になるのを抑制することができる。従って、水蒸気に対する優れたバリア性、優れた光電変換特性、並びに優れた外観特性が得られる。
また、本実施形態の保護層付き色素増感型太陽電池100の製造方法によれば、光電極支持体12の外表面12b側、及び、対向電極支持体22の外表面22b側のうちの何れか一方又は両方に、1以上の光電極側マスク部材65又は対向電極側マスク部材60を配置するマスク部材配置工程と、光電極支持体12の外表面12b側を覆うように光電極側バリア層70を形成し、且つ、対向電極支持体22の外表面22b側を覆うように対向電極側バリア層80を形成するとともに、これら光電極側バリア層70及び対向電極側バリア層80を、光電極支持体12の外表面12b側に配置した光電極側マスク部材65、又は、対向電極支持体22の外表面22b側に配置した対向電極側マスク部材60を挟み込むように形成する保護層形成工程と、を備えた方法を採用している。これにより、保護層形成工程において、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間、又は、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に気泡が発生した場合でも、この気泡を効果的に外部に排出させ、空隙が残留した状態になるのを抑制できる。従って、水蒸気に対する優れたバリア性、優れた光電変換特性、並びに優れた外観特性を備えた保護層付き色素増感型太陽電池100を製造することが可能になる。
<その他の形態>
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本発明においては、上記の対向電極導電層24上に、さらに複数の触媒層を設けてもよい。触媒層の材料としては、例えば、モリブデン、モリブデンと他の金属との合金等が挙げられる。モリブデンと他の金属との合金としては、例えば、モリブデンとチタンとの合金、モリブデンとタングステンとの合金、モリブデンとイットリウムとの合金、モリブデンとニオブとの合金等が挙げられる。
また、本実施形態においては、電気モジュールとして保護層付き色素増感型太陽電池を例に挙げて説明しているが、本発明は、結晶シリコン系太陽電池、有機薄膜太陽電池、又はペロブスカイト太陽電池等にも適用可能である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
本実施例においては、上記実施形態に示した本発明に係る電気モジュールの製造方法の手順で、図1及び図2に示すような本発明に係る保護層付き色素増感型太陽電池(電気モジュール)100を作製した。
本実施例では、以下に示すような材料を用いて、まず、色素増感型太陽電池1の対向電極支持体22の外表面22b側に長尺のテープ状部材を貼着することにより、封止材40及び導通材50に沿った方向で、複数の導通材50に対応した位置で対向電極側マスク部材60を配置した。
同様に、光電極支持体12の外表面12b側にも長尺のテープ状部材を貼着することにより、封止材40及び導通材50に沿った方向で、複数の導通材50に対応した位置で光電極側マスク部材65を配置した。
次いで、対向電極側バリア層80一方の面の全面に接着材料を塗布することにより、対向電極側接着層82を形成した。
同様に、光電極側バリア層70の一方の面の全面に接着材料を塗布することにより、光電極側接着層72を形成した。
次いで、対向電極支持体22の外表面22bに、複数の対向電極側マスク部材60を挟み込むように、対向電極側接着層82を介して対向電極側バリア層80を貼着した。
同様に、光電極支持体12の外表面12bに、複数の光電極側マスク部材65を挟み込むように、光電極側接着層72を介して光電極側バリア層70を貼着した。
このとき、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間、並びに、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に空隙が確保されていることが確認できた。
次いで、上記のような、色素増感型太陽電池1の両面側に対向電極側バリア層80及び光電極側バリア層70をそれぞれ設けた積層体を真空ラミネート処理することにより、対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65によって確保した隙間を消滅させた。
以上のような手順により、図1及び図2に示すような保護層付き色素増感型太陽電池100を作製した。
(1)対向電極側マスク部材60:和紙
(2)光電極側マスク部材65 :和紙
(3)光電極側バリア層70 :PET(ポリエチレンテレフタレート)
(4)光電極側接着層72 :ゴム系接着剤
(5)対向電極側バリア層80 :PET−アルミニウム積層フィルム
(6)対向電極側接着層82 :ゴム系接着剤
そして、保護層付き色素増感型太陽電池100の両面側、即ち、対向電極側バリア層80側の表面、及び、対向電極側接着層82側の表面を目視確認したところ、凹凸が少なく概略平滑な面となっており、外観特性に優れていることが確認できた。
この結果、本実施例では、対向電極支持体22と対向電極側バリア層80との間、並びに、光電極支持体12と光電極側バリア層70との間に空隙が殆ど残存していないことが確認できた。従って、本実施例の保護層付き色素増感型太陽電池100は、水蒸気に対するバリア性に優れており、これに伴って光電変換特性にも優れていることが明らかである。
[比較例]
比較例においては、上記の対向電極側マスク部材60及び光電極側マスク部材65を設けなかった点を除き、実施例と同様の条件及び手順で、比較例の保護層付き色素増感型太陽電池を作製した。
そして、上記実施例と同様、比較例の保護層付き色素増感型太陽電池の両面側、即ち、対向電極側バリア層側の表面、及び、対向電極側接着層側の表面を目視確認したところ、何れの表面においても、気泡に起因すると考えられる凹凸が表出しており、外観特性が著しく劣化していることを確認した。
この結果、比較例では、対向電極支持体と対向電極側バリア層との間、並びに、光電極支持体と光電極側バリア層との間に多くの空隙が残存していることを確認した。従って、比較例の保護層付き色素増感型太陽電池は、水蒸気に対するバリア性に劣り、これに伴って光電変換特性も劣化していることが明らかである。
本発明の保護層付き色素増感型太陽電池は、水蒸気に対するバリア性に優れ、光電変換特性に優れるとともに、外観特性にも優れたものなので、特に、屋外等の厳しい環境に設置される太陽電池として非常に好適である。
100…保護層付き色素増感型太陽電池(電気モジュール)
1…色素増感型太陽電池
10…光電極
12…光電極支持体
12a…内表面
12b…外表面
14…光電極導電層
14a…絶縁部
16…無機半導体層(発電部)
20…対向電極
22…対向電極支持体
22a…内表面
22b…外表面
24…対向電極導電層
24a…絶縁部
30…電荷移動体(発電部)
40…封止材
50…導通材
52…導電粒子
54…接着剤
60,61…対向電極側マスク部材(1以上のマスク部材)
65,66…光電極側マスク部材(1以上のマスク部材)
70…光電極側バリア層(バリアフィルム)
72…光電極側接着層
80…対向電極側バリア層(バリアフィルム)
82…対向電極側接着層

Claims (7)

  1. 光電極支持体と、前記光電極支持体に対向する対向電極支持体と、前記光電極支持体と前記対向電極支持体との間に配置した複数の発電部とを備え、
    前記光電極支持体と前記対向電極支持体との間において、前記複数の発電部の各々における両側に配置した複数の封止材と、
    前記複数の発電部の各々の間において、該発電部の両側に配置した前記複数の封止材の間に配置し、前記複数の発電部同士を接続する複数の導通材と、
    前記光電極支持体及び前記対向電極支持体の外表面を、接着層を介して被覆するバリアフィルムと、
    前記光電極支持体及び前記対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面において、前記光電極支持体又は前記対向電極支持体と前記バリアフィルムとの間に介在するように配置した1以上のマスク部材と、を備える電気モジュール。
  2. 前記マスク部材を、前記光電極支持体の面方向において、前記複数の発電部の受光領域と重ならない位置に配置した、請求項1に記載の電気モジュール。
  3. 前記対向電極支持体の外表面における、前記複数の導通材に対応する位置が、該複数の導通材に由来して盛り上がった凸部であり、該凸部の高さが前記マスク部材の膜厚よりも大きいとき、前記マスク部材を、前記対向電極支持体の面方向において、前記複数の導通材と重なる位置に配置した、請求項1又は請求項2に記載の電気モジュール。
  4. さらに、前記対向電極支持体又は前記光電極支持体の外表面において、前記複数の封止材に沿った方向に対して直交する方向で、前記複数の封止材の両端部側の位置に延設するように配置した1以上のマスク部材を備える、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電気モジュール。
  5. 前記マスク部材の膜厚が20μm以上500μm以下である、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の電気モジュール。
  6. 前記マスク部材が、前記複数の導通材に沿った方向で延設した長尺のテープ状部材からなる、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電気モジュール。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の電気モジュールを製造する、電気モジュールの製造方法であって、
    前記光電極支持体上に光電極導電層を形成し、前記光電極導電層上に、前記複数の発電部をなす複数の無機半導体層を形成する光電極形成工程と、
    前記対向電極支持体上に対向電極導電層を形成する対向電極形成工程と、
    前記光電極導電層上に、少なくとも前記複数の無機半導体層の両側に配置して複数の封止材を形成する封止材形成工程と、
    前記複数の封止材同士の間に、前記複数の無機半導体層の位置に対応するように、前記複数の発電部をなす複数の電荷移動体を配置する電荷移動体注入工程と、
    前記複数の発電部の各々の間において、該発電部の両側に配置した前記複数の封止材の間に、前記複数の発電部同士を接続する複数の導通材を配置する導通材形成工程と、
    前記光電極と前記対向電極とを、前記複数の電荷移動体、前記複数の導通材及び前記複数の封止材を挟み込むように貼り合わせる積層工程と、
    前記光電極支持体及び前記対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面側に、1以上の前記マスク部材を配置するマスク部材配置工程と、
    前記光電極支持体及び前記対向電極支持体の外表面側を覆うようにバリアフィルムを形成するとともに、該バリアフィルムを、前記光電極支持体及び前記対向電極支持体のうちの何れか一方又は両方の外表面側に配置した前記マスク部材を挟み込むように形成する保護層形成工程と、
    を備える、電気モジュールの製造方法。
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WO2018047550A1 (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 日本ゼオン株式会社 太陽電池モジュール

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