JP2016082072A - チョークコイル、バイアスt回路および通信装置 - Google Patents

チョークコイル、バイアスt回路および通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】容易に小型化できること。
【解決手段】チョークコイル100は、入出力端子間に設けられ、コイル状に巻回された導電体のコイルパターン101と、1本のパターンを折り曲げ形成し、当該パターンの端部が所定のギャップを有し所定長で対向する対向片102bを有し、コイルパターン101の内部空間に配置され、コイルパターン101との間に所定の容量を有する磁気バンドギャップ102とを有する。コイルパターン101と磁気バンドギャップ102との間には、所定の誘電率を有する基材が設けられる。基材としては、例えば、多層のプリント基板を用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョークコイルと、このチョークコイルを備えたバイアスT回路および通信装置に関する。
電力線通信(PLC:Power Line Communication)では、信号(AC)と電源(DC)が重畳して伝送され、これら信号と電源の重畳および分離には、バイアスT回路を備えた通信装置が用いられる。例えば、PLCの通信装置を自動車に設けることにより、自動車と携帯電話端末との間の通信と同時に携帯電話端末に対する電源供給を行うことができる。
通信装置を小型化するためには、バイアスT回路で用いられるDCカットコンデンサや高周波信号を減衰するチョークコイルの小型化が必要となる。デバイスの小型化にメタマテリアル技術が利用されている。例えば、メタマテリアル技術により大きなインダクタンスを得るLH伝送線路や、ノード間に直列キャパシタと並列インダクタをメタマテリアルで構成したフィルタがある(例えば、下記特許文献1、2参照。)。また、誘電体と導電体からなるプリント基板上にEBG(Electromagnetic Band Gap)構造のキャパシタを構成した電磁バンドギャップ構造素子がある(例えば、下記特許文献3、4参照。)。また、スパイラル形状の平面型インダクタンス素子を電磁バンドギャップ素子により形成した電磁バンドギャップ構造素子がある(例えば、下記特許文献5参照。)。
特表2010−507321号公報 特開2006−222971号公報 特開2011−171900号公報 特開2010−10183号公報 国際公開第2009/082003号
しかしながら、従来のチョークコイルは、メタマテリアル技術を利用しても、所定のインダクタンスやキャパシタンス(容量)を得るためのスペースを必要とし、さらなる小型化が行えなかった。また、チョークコイルを搭載するバイアスT回路や通信装置において広帯域な通信の周波数帯域を得るためには、高周波から低周波までの周波数帯域でチップ素子のチョークコイルをプリント基板上に複数搭載する必要があり、小型化できなかった。
一つの側面では、本発明は、容易に小型化できることを目的とする。
一つの案では、チョークコイルは、入出力端子間に設けられ、コイル状に巻回されたコイルパターンと、1本のパターンを折り曲げ形成し、当該パターンの端部が所定のギャップを有し所定長で対向する対向片を有し、前記コイルパターンの内部空間に配置され、前記コイルパターンとの間に所定の容量を有する磁気バンドギャップと、を備えたことを要件とする。
一つの実施形態によれば、容易に小型化できる。
図1は、実施の形態にかかるチョークコイルの構成例を示す斜視図である。 図2は、実施の形態にかかるチョークコイルの構成例を示す平面図である。 図3は、実施の形態にかかるチョークコイルを多層のプリント基板を用いて形成した場合の各層の配線パターンを示す平面図である(上部層)。 図4は、実施の形態にかかるチョークコイルを多層のプリント基板を用いて形成した場合の各層の配線パターンを示す平面図である(中間層)。 図5は、実施の形態にかかるチョークコイルを多層のプリント基板を用いて形成した場合の各層の配線パターンを示す平面図である(下部層)。 図6は、実施の形態にかかるチョークコイルの各層間の電気的特性を示す図である。 図7は、実施の形態にかかるチョークコイルの等価回路を示す図である。 図8は、実施の形態にかかるチョークコイルのEBGによる磁気バンドギャップの作用を説明する図である。 図9は、EBGを設けない場合の磁気作用を説明する図である。 図10は、実施の形態にかかるCRLHのモデル例と特性を示す図表である。 図11は、実施の形態にかかるチョークコイルの周波数特性を示す図表である。 図12は、実施の形態にかかるEBGのサイズ別の周波数特性を示す図表である。 図13は、実施の形態にかかるチョークコイルを備えたプリント基板の構成例を示す側面図である。 図14は、実施の形態にかかるチョークコイルとチップコイルを組み合わせた周波数特性を示す図表である。 図15は、他の実施の形態にかかるチョークコイルの構成例を示す斜視図である。 図16は、他の実施の形態にかかるチョークコイルを多層のプリント基板を用いて形成した場合の各層の配線パターンを示す平面図である。 図17は、実施の形態にかかるチョークコイルを備えたバイアスT回路を示す回路図である。 図18は、実施の形態のチョークコイルを有するバイアスT回路を備えた通信装置の構成例を示す回路図である。 図19は、実施の形態のチョークコイルを有する通信装置を示す図である。
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施の形態にかかるチョークコイルの構成例を示す斜視図、図2は、実施の形態にかかるチョークコイルの構成例を示す平面図である。図中、Xは長さ方向、Yは幅方向、Zは高さ方向とする。
図1(a)に示すように、このチョークコイル100は、入出力の端子である一端と他端の間がコイル状に巻回されたコイルパターン101と、コイルパターン101の内部空間に配置された1本のパターンを折り曲げ形状としたEBG(EBGのパターン)102と、を有する。コイルパターン101は、図示の例では長さ方向Xを軸として矩形状に巻回された構成であるが、他に円形状や多角形状としてもよく所定径(内径)を有する。コイルパターン101の一端101Aはチョークコイルの入力端子、他端101Bは出力端子である。
コイルパターン101は、上部コイルパターン101aと下部コイルパターン101bと、一対の側部コイルパターン101c,101dにより接続して構成したものである。一部の接続構成を説明すると、上部コイルパターン101aの一端部101aaは、側部コイルパターン101cを介して下部コイルパターン101bの一端部101baに接続される。また、上部コイルパターン101aの他端部101abは、側部コイルパターン101dを介して下部コイルパターン101bの他端部101bbに接続される。
そして、上部コイルパターン101a〜側部コイルパターン101c〜下部コイルパターン101b〜側部コイルパターン101d〜上部コイルパターン101aへの接続、が繰り返されることで、1本の所定長を有するコイル状のコイルパターン101が形成されることになる。なお、1本の導体をコイル状に巻回させてコイルパターン101を構成することもできる。
EBG102は、コイルパターン101内部に配置され、コイルパターン101に電気的に接触しないよう配置される。図1の例では、EBG102は、コイルパターン101の内部空間の上下に2つ配置されているが、少なくとも一つ配置されていればよい。EBG102自体は、直接外部に接地等はされていない。
図1(b)は、EBG102だけを示した図であり、このEBG102は、長さ方向Xに対しコイルパターン101と同等の長さを有する。このEBG102は、平面でみて1本の導電体パターン102aを折り曲げて、一端部が長さ方向Xにわたって所定長さ(スプリット長)を有して対向する一対の対向片102bを有する。
コイルパターン101およびEBG102は、導電性を有する金属等の材質からなる。コイルパターン101とEBG102との間には、所定の誘電率を有する基材を設ける。基材としては、所定の誘電率を有するガラスエポキシ樹脂等のプリント基板や、テフロン(登録商標)などを用いることができ、基材を充填する方法により形成してもよい。このほか、基材を設ける領域の大部分を空気層とすることもできる(この場合、コイルパターン101内の一部にEBG102保持用の固定部材を設ける)。
図3〜図5は、実施の形態にかかるチョークコイルを多層のプリント基板を用いて形成した場合の各層の配線パターンを示す平面図である。コイルパターン101と、EBG102を多層のプリント基板(PCB:Printed Circuit Board)を用いて形成する構成例について説明する。多層のプリント基板のうち4層の各層にそれぞれ所定の導電体パターンを形成することでチョークコイル100を形成できる。なお、これら図3〜図5においてプリント基板そのものは記載していない。
プリント基板は、例えばガラスエポキシ(FR4)の材質を用いる。第1層301〜第4層304に各層は、各層分の厚さで離れており、各層上に形成される各導電体パターンは層分の所定間隔を有して離れている。
図3は、プリント基板の第1層(上部層)301を示す図であり、図1に示した上部コイルパターン101aの導電体パターンを形成する。図示のように、上部コイルパターン101aは、長さ方向Xに所定角度傾斜する複数の導電体パターンからなる。上部コイルパターン101aの全体の長さはLa、幅はW1である。
図4は、プリント基板の第2層302と第3層303(中間層)を示す図であり、これら第2層302と第3層303には、いずれも図1に示したEBG102の導電体パターン102aを形成する。図示のように、EBG102は、平面でみて1本の導電体パターン102aを折り曲げて、長さ方向Xに対し長さLa3を有して対向する一対の対向片102bを有する。一対の対向片102b,102b間は間隔(ギャップ)Gを有する。EBG102の幅方向Yの大きさW2は、上部コイルパターン101aの幅W1よりも小さい。
図5は、プリント基板の第4層(下部層)304を示す図であり、この第4層(下部層)304には、図1に示した下部コイルパターン101bの導電体パターンを形成する。図示のように、下部コイルパターン101bは、長さ方向Xに所定角度傾斜する複数の導電体パターンからなる。下部コイルパターン101bの傾斜方向は、上部コイルパターン101aの傾斜方向と逆方向である。下部コイルパターン101bの各部の寸法は、上部コイルパターン101aと同様であり、全体の長さはLa、幅はW1である。
そして、第1層301の上部コイルパターン101aの一端部101aaは、図1に記載した側部コイルパターン101cを介して第4層304の下部コイルパターン101bの一端部101baに接続される。この側部コイルパターン101cは、第1層301から第4層304間に設けたスルーホール(ビア)で形成される。同様に、第1層301の上部コイルパターン101aの他端部101abは、側部コイルパターン101dを介して第4層304の下部コイルパターン101bの他端部101bbに接続される。この側部コイルパターン101dについても、第1層301から第4層304間に設けたビアで形成される。
下部コイルパターン101bの傾斜方向は、上部コイルパターン101aの傾斜方向と逆方向である。そして、平面でみて同一位置上の上部コイルパターン101aと下部コイルパターン101bとを多層のプリント基板のビアを介して層間で電気的に接続する。これにより、図1等に示したコイル状に巻回された所定長のコイルパターン101を多層のプリント基板上で形成することができる。
上記のチョークコイル100の各部の寸法例を説明する。チョークコイル100の全寸法は、幅W1=1.1mm、長さLa=2.2mm、厚さd=0.4mmである。上部コイルパターン101aと下部コイルパターン101b上での導電体パターンの幅La1=0.1mm、間隔La2=0.1mm、巻回されたコイルパターン101全長(コイル長)=25mmである。このように、実施の形態では、プリント基板上の長さLa=2.2mm、幅W1=1.1mmの領域を用いてコイル長25mmの長さを得ることができる。
また、EBG102は幅W2=0.7mm、導電体パターンの幅W3=0.1mm、折り返した導電体パターン102aの幅W4=0.3mm、導電体パターン102aと対向片102bとの間隔W5=0.1mm、対向片102bの長さ(スプリット長)La3=2mm、EBG102の全長9.7mm、ギャップG=0.1mmである。長さLaは、上部コイルパターン101aおよび下部コイルパターン101bと同じく2.2mmである。
また、プリント基板特性は、4層基板、基板厚d=0.4mm(図6参照)、誘電率=3.95、Tanδ=0.012、導電体パターンの材質=Cu5.8e7s/m、導体厚さ=0.018mm、ビア直径=0.06mmである。
図6は、実施の形態にかかるチョークコイルの各層間の電気的特性を示す図である。第1層301および第4層304にはチョークコイル100のコイルパターン101a,101bを形成する複数の導電体パターンが形成され、これら各導電体パターンは長さ方向Xに対しそれぞれ分割されたインダクタンス成分Lを有する。また、第2層302のEBG102は、長さ方向X(全長)で所定のインダクタンス成分L1を有する。
そして、第1層301と第4層304の導電体パターンは、中間の第2層302、第3層303に対して、長さ方向Xの各形成位置で多層のプリント基板が有する所定の容量(キャパシタンス成分)C1−2,C3−4を有する。第1層301と第2層302間は容量C1−2、第3層303と第4層304間は容量C3−4である。図中dは、多層のプリント基板の厚さである。第2層302と第3層303間は容量C0を有する。
図7は、実施の形態にかかるチョークコイルの等価回路を示す図である。チョークコイルの入力端子101Aの第1層301と出力端子101Bの第4層304間には、上部コイルパターン101aと下部コイルパターン101bが有するインダクタンス成分Lと容量C1−2、LとC3−4の並列回路が形成される。
入力端子101Aと出力端子101B間には、ビアのインダクタンス成分Lが直接接続される。第1層301と第4層304のそれぞれの並列回路間には、EBG102の導電体パターンによるインダクタンス成分L1とギャップGによる容量C1の並列回路が接続される。一対のEBG102の並列回路は、第2層302と第3層303間の容量C0を介して接続される。
上記寸法例で第1層301と第4層304のコイルパターン101a,101bの導電体パターンを形成し、これらの層間をビア接続することにより、コイル状に巻回されたチョークコイル100が形成される。また、第1層301と第4層304との間の第2層302および第3層303にそれぞれEBG102を形成する。そして、右手左手系媒体(CRLH)の原理をEBG102を用いて実現する。図7に示したEBG102が形成するインダクタンス成分L1と容量C1の並列回路は、上部コイルパターン101aおよび下部コイルパターン101bに対する磁気バンドギャップとして機能する。
図8は、実施の形態にかかるチョークコイルのEBGによる磁気バンドギャップの作用を説明する図である。図7に示した第1層301の上部コイルパターン101aと第4層304の下部コイルパターン101bとの間の距離は、薄い基板厚d(0.4mm)程度である。実施の形態のチョークコイルでは、薄いプリント基板のため上部コイルパターン101aと下部コイルパターン101bとが近づいて配置されることになる。
ここで、実施の形態では、上部コイルパターン101aと下部コイルパターン101bとの間にEBG102を設けた構成であるため、図中矢印で示すように、上部コイルパターン101aおよび下部コイルパターン101bの磁束は、EBG102に沿って流れる。これにより、コイルパターン101に磁界を生じさせることができ、コイルパターン101に電流を流すことができる。
EBG102は、フェライト等の磁性体と同様の作用を有することとなり、フェライトより加工しやすく、プリント基板上に汎用のパターンで形成できるため、簡単で安価に形成できる。
図9は、EBGを設けない場合の磁気作用を説明する図である。図9は、図8と対比してEBG102を設けていない点が異なる。このように、薄いプリント基板でコイルパターン101を形成し、EBG102を設けない場合、上部コイルパターン101aの磁束と、下部コイルパターン101bの磁束とが衝突し、打ち消し合うため、コイルパターン101に電流が流れない。
上記のように、実施の形態では、プリント基板等を用いて第1層301の上部コイルパターン101aと第4層304の下部コイルパターン101bとが近接する場合、EBG102を設けて、磁束が打ち消し合う現象を遮断している。
チョークコイル100の共振周波数は、EBG102のインダクタンス成分L、容量Cの定数を変更することにより制御できる。EBG102が磁気バンドギャップとなるため、上部コイルパターン101aの磁束と、下部コイルパターン101bの磁束とを分離する。これにより、薄厚のプリント基板上の導電体パターンでコイルパターン101を形成した場合でも、上下からの磁束が打ち消し合う作用を減衰でき、コイルパターン101のインダクタンス量が変化しない効果が得られる。
上記のように、EBG102は、CRLHの原理にしたがってプリント基板の第2層302と第3層303(中間層)に導電体パターンを形成するだけで簡単に形成できる。そして、第1層301と第4層304(上下層)およびビアを使用したコイル状のチョークコイル100の第2層302にEBG102を設けることにより、チョークコイル100を小型化しつつ、送受信感度を向上できるようになる。
ここで、上述したように、EBG102を二重(2層)に形成することにより、容量Cを大きくでき、チョークコイル100を小型化できる。EBG102は、多層のプリント基板のコイルパターン101を形成した上部層および下部層の間に位置する中間層に設ければよく、1層以上の多層に設けることができる。例えば、EBG102を1層にだけ形成してもよく、この場合、3層のプリント基板を用い、第1層(上部層)と第3層(下部層)を用いてコイルパターン101を形成し、これら第1層と第3層の間に位置する第2層(中間層)にEBG102を形成すればよい。
EBG102は、図4に示したように、基本的に、プリント基板上に1本の導体(導電体パターン102a)を6カ所で折り曲げて略リング状に形成するため、導電体パターン102aは、全長を稼ぐことができ、インダクタンス成分L1を増やすことができる。また、一対の対向片102bは長さ(スプリット長)La3を有し、ギャップG間で対向するため、容量成分C1も増やすことができる。
このEBG102の導電体パターン102aの面に垂直な磁場成分が入射すると、導電体パターン102a上に入射磁場を打ち消す反抗磁場を作り、誘導電流が電磁誘導の原理にしたがい誘起され、ギャップGにより電流が遮断される。ギャップGの間隔とスプリット長La3により電荷が蓄積され、この容量C1が逆方向の電流となりLC共振器の閉回路が構成される。チョークコイル100の共振周波数f0は、コイルパターン101およびEBG102のインダクタンス成分Lおよび容量Cに基づき基本的な下記式(1)で定まる。f0は、所望周波数に設定する。
f0=1/2π√CL …(1)
EBG102の逆誘導電流により、反抗磁場で透磁率μが変化し、EBG102の入射電磁波がEBG102に共鳴し吸収される。吸収される作用は透磁率μを変化させる効果になる。よって、磁場吸収作用は透磁率μを負にさせる効果となり、メタマテリアルの定義となる屈折率nが負になることを満足することになり、EBG102はメタマテリアル構造となる。
EBG102の関係式
誘電率εと透磁率μについて 誘電率ε=n/z、透磁率μ=nz
屈折率nとインピーダンスzについて
Figure 2016082072
11はメタマテリアル(EBG102)に平面波照射時の反射係数、S21は透過係数
定数k、dについて k=2πf/C、d=EBG102の基板幅
図10は、実施の形態にかかるCRLHのモデル例と特性を示す図表である。CRLH線路は、理想左手系線路の直列容量と直列インダクタンスの回路と、並列インダクタンスと並列キャパシタンスを挿入した単位素子モデルで表される。CRLHでは、回路区間の長さΔzは格子定数aの単位素子の区間として取り扱う。
分散特性に示すωは角振動数、βは位相定数(波数)である。CRLH線路はΔzが有限地の周期構造として取り扱われ伝搬波の周期性を有し、低周波側に左手系伝送帯域をもち、高周波側に右手系伝送帯域をもつ線路である。CRLH線路は、周波数によって特性が変化し、低周波数側〜高周波数側につれて順に、ハイパスカットオフ、左手系伝搬帯域、バンドギャップ、右手系伝搬帯域、ローパスカットオフの特性を有する。ローパスカットオフとハイパスカットオフは、単位素子が有限であることから生じる。周期構造をもつ1次元のCRLH線路の遮断波数はπ/aであり、ブラッグ反射の条件に相当する。
位相速度(vp)、群速度(vg)、特性インピーダンスについて、βの絶対値が小さい場合には均質媒質近似が成り立ち、実効的な誘電率や透磁率を定義できるが、βの絶対値が大きい場合、波はブロッホ波としての効果が大きくなるため、周期構造として取り扱う。この周期構造の場合、線路の特性インピーダンスは一義的に決まらないが周期構造中のブロッホ波に対するインピーダンスZBは、図示のように算出される。ZL=(LL/CL1/2である。
図11は、実施の形態にかかるチョークコイルの周波数特性を示す図表である。横軸は周波数、縦軸は減衰量である。図示のように、上記寸法例(EBG102の対向片102bの長さ(スプリット長La3=2mm))によれば、高周波の2.65GHz付近に共振周波数f0を有するチョークコイル100を得ることができる。
図12は、実施の形態にかかるEBGのサイズ別の周波数特性を示す図表である。横軸は周波数、縦軸は減衰量である。EBG102の対向片102bの長さ(スプリット長La3)を2mm(図11参照)〜1mm間で変更したときの各コイル長での共振周波数を示す。
スプリット長La3が2mmのとき最も低い共振周波数f0=2.65GHzとなり、スプリット長La3が1.5mmではf0=2.82GHz、スプリット長La3が1mmではf0=2.93GHz付近となる。このように、スプリット長La3を短くするほどf0が高周波側に移動する。すなわち、所望するf0に適合するEBG102のスプリット長La3を設定すれば任意のf0を得ることができる。
また、EBG102をプリント基板の複数の層に設け、各層のEBG102のスプリット長La3が異なるように設定すれば、各層のEBG102毎に異なるf0を得ることができる。そして、EBG102毎に異なるf0によって高周波で広帯域な周波数特性(減衰特性)を有するチョークコイル100を得ることができる。
図13は、実施の形態にかかるチョークコイルを備えたプリント基板の構成例を示す側面図である。プリント基板1301上には、IC1302,1303の電源端子が表面実装用のバンプ1302a,1303aを介して実装されている。IC1303に代えて電源のコネクタが搭載されてもよい。例えば、プリント基板1301には、不図示の電源ICが搭載され、この電源ICから電源ライン1305に電源が供給される。
このプリント基板1301は、不図示の電子機器に設けられ、電子機器の各部に電源を供給する。電子機器としては、高周波を扱う、例えば、携帯電話端末などの通信機器が含まれる。携帯電話端末は、内蔵するプリント基板1301の小型化が要求されている。
プリント基板1301は、多層基板であり複数層を有する。プリント基板1301の所定の層には、電源ライン1305が形成され、電源ライン1305は、ビア1304を介してIC1302,1303の電源端子(バンプ1302a,1303a)に接続されている。電源ライン1305は、プリント基板1301の平面からみて所定の配線パターンを有する。
プリント基板1301の層のうち、複数の層の一部の領域は、上述したチョークコイル100として用いられる。チョークコイル100は、上述したように、プリント基板1301の各層のうち、計4層(第1層301〜第4層304)を用いる。図13には、チョークコイル100で使用する4層にそれぞれ符号を付してある。そして、電源ライン1305に接続されたビア1304にチョークコイル100の一方の入力端子101Aを接続し、他方の出力端子101Bをビア1304を介してIC1302に接続する。
このように、チョークコイル100は、プリント基板1301の内層にパターンで形成されるため、プリント基板1301上の電子部品の直下に形成でき、プリント基板1301上の実装スペースを不要にできる。
また、図示の例では、電源ライン1305は、ビア1304によってプリント基板1301の表面に導出され、プリント基板1301上のチップコイル1306に接続されている。チップコイル1306は、チョークコイル100に直列接続されている。
ところで、図13には、IC1302等の電子部品が搭載されるプリント基板1301の一部の領域(内層)を使用してチョークコイル100を形成した例を示した。実施の形態のチョークコイル100は、インダクタンスの電子部品として単体で構成することもでき、図1に示したコイルパターン101とEBG102を有するプリント基板で構成することもでき、この場合、上述したように、チョークコイル100の全寸法は、幅W1=1.1mm、長さLa=2.2mm、厚さd=0.4mmと小型に形成できる。
さらにチョークコイル100の他の構成例としては、EBG102を棒状の基板上に形成する。そして、EBG102の基板に対し、金属の導体(導線)を用いてコイルパターン101をコイル状に巻回する。チョークコイル100(コイルパターン101)の断面は、例えば円形状とすることができる。コイルパターン101である金属導体は所定の誘電率を有する外皮で覆い、EBG102と電気的に絶縁すればよい。
図14は、実施の形態にかかるチョークコイルとチップコイルを組み合わせた周波数特性を示す図表である。実施の形態によるチョークコイル100を用いることにより、所定のf0を有する急峻な減衰特性(図12参照)が得られる。また、汎用(従来)のチップコイル1306はなだらかで比較的広帯域の周波数特性(減衰特性)を有する(図中点線)。したがって、図13に示したチョークコイル100とチップコイル1306を組み合わせることで、チョークコイル100の減衰特性に、チップコイル1306分(図示の例では−22dB程度)を加算(全体シフト)した減衰特性(図中実線)を得ることができる。これにより、信号成分について電源ノイズを抑制した良好なDCカット特性が得られる。
図15は、他の実施の形態にかかるチョークコイルの構成例を示す斜視図、図16は、他の実施の形態にかかるチョークコイルを多層のプリント基板を用いて形成した場合の各層の配線パターンを示す平面図である。
上述した実施の形態では、チョークコイル100のコイルパターン101を長さ方向Xを軸として巻回した構成とした。他の実施の形態のチョークコイル100は、チョークコイル100のコイルパターン101の巻回方向を異ならせ、高さ方向Zを軸として同一面内(プリント基板の各層の面内)でスパイラル状に巻回した構成としている。
図16(a)に示すように、第1層301には、上部コイルパターン101aを入力端子101Aを起点として、接続端101abまでの間で渦巻き(スパイラル)状に形成する。また、図16(b)に示すように、第2層302と第3層303には、上述した実施の形態と同様のEBG102の導電体パターン102aを形成する。また、図16(c)に示すように、第4層304には、下部コイルパターン101bを接続端101baを起点として、出力端子101Bまでの間で渦巻き(スパイラル)状に形成する。
そして、上部コイルパターン101aの接続端101abと、下部コイルパターン101bの接続端101baとを平面でみて同一位置に設け、これら接続端101ab,101baとをビア1601で接続する。このコイルパターンによれば、図1に示したコイルパターンの構成に比してビア1601の数を最小限(1個)に減らすことができ、コイルパターン101の形成を容易に行えるようになる。
このように、チョークコイル100のコイルパターン101の巻回方向を変更した場合でも、プリント基板上の限られた領域内で所定のコイル長(インダクタンス成分)を得ることができ、上記実施の形態同様の作用効果を得ることができる。
(チョークコイルを用いたバイアスT回路)
図17は、実施の形態にかかるチョークコイルを備えたバイアスT回路を示す回路図である。バイアスT回路1700は、3つの端子1701,1702,1703と、端子1701,1702間に直列接続された容量(コンデンサ)C(1704)と、端子1701,1703間に直列に接続されたインダクタL(1705)と、を有する。
信号端子1701には、信号とDC電源が重畳されたPLCの信号が入力され、DC電源は端子1703から出力され、DC成分をカットした信号は端子1702から出力される。また、端子1702から信号を入力し、端子1703からDC電源を入力すれば、端子1701から信号とDC電源を重畳したPLCの信号を出力できる。
このバイアスT回路1700のインダクタL(1705)として上述したチョークコイル100を用いることができる。ここで、EBG102をプリント基板の複数の層に設け、各層のEBG102のスプリット長La3が異なるように設定すれば、各層のEBG102毎に異なるf0を得ることができ、広帯域な周波数特性を有するバイアスT回路1700が得られる。
チョークコイル100は、上述したように、プリント基板1301の内層にパターンで形成することができる(図13参照)。また、プリント基板1301上には、必要に応じてインダクタL(1705)としてさらにチップコイル1306と、コンデンサ1704を設けることができる。このように、バイアスT回路1700としてプリント基板1301の内層にチョークコイル100を用いることで、プリント基板1301のスペースを有効に利用でき、バイアスT回路1700の小型化を図ることができるようになる。
一般に、チョークコイルはフェライトに巻いた線(インダクタ)を使用しているが、このチョークコイルは、高周波での減衰量が小さいために高周波回路には使用されていない。また、周波数帯域が広帯域になると、高周波から低周波までの複数のチョークコイルが必要となり、プリント基板上のチップ部品の実装スペースが増大していく。この点、実施の形態のチョークコイル100は、プリント基板1301の内層にパターンで形成できるため、高周波回路および広い周波数帯域に適応できる。
また、上記例では、バイアスT回路1700に用いるプリント基板の内層にチョークコイル100を形成した例を説明したが、チョークコイル100は、バイアスT回路1700に用いるに限らず、各種電子機器のインダクタとして用いることができる。この場合でも、電子機器に用い、各種電子部品が搭載されるプリント基板の内層を用いてチョークコイルを形成することができるため、プリント基板の小型化および電子部品の実装スペースの増大を図ることができる。
(バイアスT回路を備えた通信装置の構成例)
図18は、実施の形態のチョークコイルを有するバイアスT回路を備えた通信装置の構成例を示す回路図である。この通信装置1800は、自動車等の車両内での車両1801と携帯電話端末1811との間の通信、および車両1801から携帯電話端末1811に対する電源供給を行う。通信装置1800は、車両1801内部の回路と、車両1801に接続される通信ユニット1821とから構成される。
車両1801側には、送信部1802と受信部1803が設けられ、車両1801外部の携帯電話網等のネットワークに対する信号の送受信を行う。これら送信部1802と受信部1803はスプリッタ1804に接続され、バイアスT回路1700を介して車両1801の入出力端子(例えばシガレットライタソケット)1805に接続される。
スプリッタ1804はバイアスT回路1700の端子1702に接続され、信号が入出力される。バイアスT回路1700の端子1703にはDC電源1806からDC電源が供給入力され、端子1701から信号とDC電源を重畳したPLCの信号を出力する。
ユーザは、車両1801の入出力端子(例えばシガレットライタソケット)1805に電子機器を接続することにより、電子機器は車両1801を介して外部の無線通信網との間の通信を行うことができると同時に、車両1801から電子機器を動作させるためのDC電源の供給を受けることができる。
図示の例では、車両1801の入出力端子(例えばシガレットライタソケット)1805に通信ユニット1821の信号端子1822を接続し、通信ユニット1821を介して携帯電話端末1811に対する信号の入出力とDC電源の供給を行う。
通信ユニット1821は、信号端子がバイアスT回路1700の端子1701に接続され、信号とDC電源が重畳されたPLCの信号が入力される。バイアスT回路1700は、端子1702からDCカットした信号を出力し、端子1703から電源線1825を介してDC電源を出力する。端子1702には、スプリッタ1823を介して複数のアンテナ1824が接続される。アンテナ1824は、携帯電話端末1811に対してブルートゥース(登録商標)等の近距離無線により信号を送受信する。
また、アンテナ1824を設けず、アンテナ線を携帯電話端末1811のアンテナ端子に接続する構成としてもよい。また、DC電源は、携帯電話端末1811に対して電磁誘導等による無接触給電部1826による無接触給電、あるいは電源コネクタ接続による給電が可能である。
例えば、上記各構成部の数値例は、送信部1802と受信部1803の通信周波数は900MHz、IF周波数は400kHz、DC電源電圧は1.0V、アンテナ1824の中心周波数は1GHz、バイアスT回路1700のコンデンサCは1.0pF、インダクタLは1.0nHである。
現在、携帯電話端末1811が使用する通信周波数は、例えば、200MHz〜2.5GHzと広帯域である。特に、高周波1GHz〜2.5GHzの帯域で必要となるチョークコイル100をチップコイルで得ようとすると、減衰量が小さく、耐電流も小さい。この点、実施の形態によれば、高周波1GHz〜2.5GHzのチョークコイル100を耐電流が高く、高減衰量の特性を有しつつ、小型化できるようになる。
上記構成例では、車両1801と通信ユニット1821との間でPLCの通信を行い、車両1801と通信ユニット1821には、それぞれバイアスT回路1700が設けられる。このバイアスT回路1700としてプリント基板1301の内層にチョークコイル100を用いることで、プリント基板1301のスペースを有効に利用でき、バイアスT回路1700の小型化を図ることができる。これにより、バイアスT回路1700を有する通信装置1800(車両1801側装置と通信ユニット1821)をいずれも小型化できるようになる。
上記構成例の通信装置1800は、車両1801と携帯電話端末1811との間に介在し、通信データ等を相互に転送する構成とした。これに限らず、実施の形態の通信装置は、少なくとも上記のチョークコイル100を備えればよく、バイアスT回路1700を含まない構成としてもよい。例えば、内部にチョークコイル100を有する携帯電話端末1811自体も通信装置とすることができる。この通信装置は、チョークコイル100を有し、高周波の周波数特性(減衰特性)が良好で小型化できる。通信装置としては、携帯電話端末1811に限らず、チョークコイルが必要な各種の通信端末装置や伝送装置等に幅広く適用できる。
図19は、実施の形態のチョークコイルを有する通信装置を示す図である。この例では、図18に示した通信装置1800の構成例を説明する。
車両1801のポケット1901部分には、通信装置1800の通信ユニット1821を設け、車両1801側の装置から通信ユニット1821に対してPLCによる信号が伝送される。なお、この場合、車両1801の入出力端子(例えばシガレットライタソケット)1805を用いずに、車両内部のPLC伝送路を用いてもよい。
そして、ポケット1901に携帯電話端末1811(例えば、スマートフォン1811aや従来型の携帯電話機1811b)が収容できるようにする。そして、このポケット1901には、例えば底面に無接触給電部1826を設け、側面にアンテナ1824を設ける。ポケット1901に携帯電話端末1811を収容することで、通信装置1800と携帯電話端末1811とが無接触状態(コネクタ接続等なし)で信号の送受信、および携帯電話端末1811に対するDC電源の供給を簡単に行えるようになる。
車両1801内は、全体が金属で覆われて携帯電話端末1811の電波がつながりにくい。また、携帯電話端末1811のナビゲーション機能を使用した場合も、電波状態が不安定でトンネル走行時などには位置精度が悪くなる。無線LAN等の車内無線通信を行う技術もあるが、車内無線通信では通信速度が遅くなったり、隣接の車両に信号が伝搬されたり干渉が生じたりしてセキュリティ的に安全とはいえない。この点、上記の通信装置1800を用いることで、携帯電話端末1811は通信状態を安定化でき、安全なデータの送受信が行えるようになる。
以上説明した実施の形態によれば、コイル状のコイルパターンの内部空間にCRLHの原理によりEBGを設けたチョークコイルの構造とした。EBGは、1本のパターンを折り曲げ形状にして所定のインダクタンスを有し、ギャップ間の対向片により所定の容量を有する。EBGに対してコイルパターンからの磁束が入射すると、EBGのリング上に入射磁場を打ち消す反抗磁場を作り、誘導電流が電磁誘導の原理にしたがい誘起され、ギャップにより電流が遮断される。ギャップの間隔で電荷が蓄積され、この容量により逆方向の電流となりLC共振器の閉回路を構成する。逆誘導電流により、反抗磁場で透磁率が変化しEBGの入射電磁波がEBGに共鳴し吸収される。吸収される作用は透磁率を変化させる効果になる。磁場吸収作用は透磁率が負になる効果となり、メタマテリアルの定義となる屈折率が負になり、EBGはメタマテリアル構造となる。このEBGは、コイルパターンに流れる電流により発生する磁束を分離する磁気バンドギャップとして作用する。これにより、高周波帯域で高減衰量を有するチョークコイルを小型化して得ることができる。
チョークコイルは、多層のプリント基板のうち複数層を用いて形成できる。例えば、第1層と第4層にコイルパターンを導電体パターンで形成し、第1層と第4層の導電体パターン間をビア接続して所定のコイル長を小さなスペースで形成でき、中間の第2層と第3層にEBGを形成する。なお、EBGを1層に形成すれば計3層でチョークコイルを形成できる。
このように、薄厚のプリント基板上にチョークコイルのコイルパターンを形成した場合でも、EBGがコイルパターンの上下層からの磁束による磁力を打ち消す作用を減衰させることができ、コイルパターンのインダクタンス量を変化させない効果を有する。また、プリント基板を用いることで、安価にチョークコイルを形成できる。
また、チョークコイルの共振周波数は、コイルパターンおよびEBGのインダクタンスおよび容量に基づき定まる。これら導電体パターンおよびEBGが同一のプリント基板内で重ねて配置されるため、チョークコイルの領域(長さと幅)を変更させることで任意の共振周波数を簡単に得ることができる。特に、高周波用のチョークコイルをプリント基板内に省スペースで設けることができるようになる。
また、チョークコイルの共振周波数は、EBGのスプリット長に対応して得ることができるため、任意のスプリット長として対応する共振周波数を簡単に得ることができる。さらには、プリント基板の中間層の複数層に異なるスプリット長のEBGをそれぞれ形成してもよい。これにより、1枚のプリント基板により、各層で異なる共振周波数を重ね、高周波で広帯域な周波数特性(減衰特性)を有するチョークコイルを得ることもできる。
そして、実施の形態のチョークコイルを有するバイアスT回路や、バイアスT回路を有する通信装置は、省スペースのチョークコイルにより小型化できるようになる。例えば、多数のチョークコイルを内蔵する構成でも、機器内部に複数設けることができるようになる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)入出力端子間に設けられ、コイル状に巻回されたコイルパターンと、
1本のパターンを折り曲げ形成し、当該パターンの端部が所定のギャップを有し所定長で対向する対向片を有し、前記コイルパターンの内部空間に配置され、前記コイルパターンとの間に所定の容量を有する磁気バンドギャップと、
を備えたことを特徴とするチョークコイル。
(付記2)前記コイルパターンと前記磁気バンドギャップとの間に所定の誘電率を有する基材を設けたことを特徴とする付記1に記載のチョークコイル。
(付記3)前記基材は、多層のプリント基板であり、
前記コイルパターンは、前記プリント基板の上部層と下部層にそれぞれ形成した複数の導電体パターンと、前記上部層および前記下部層の複数の各導電体パターンの同一位置の両端部を接続するビアと、からなり、
前記磁気バンドギャップは、前記プリント基板の中間層に形成した導電体パターンからなることを特徴とする付記2に記載のチョークコイル。
(付記4)前記基材は、多層のプリント基板であり、
前記コイルパターンは、前記プリント基板の上部層と下部層の面内にそれぞれ1本ずつ形成したスパイラル状の導電体パターンと、前記上部層および前記下部層の導電体パターンの端部を接続するビアと、からなり、
前記磁気バンドギャップは、前記プリント基板の中間層に形成した導電体パターンからなることを特徴とする付記2に記載のチョークコイル。
(付記5)前記磁気バンドギャップは、前記プリント基板の複数の中間層にそれぞれ形成した導電体パターンからなることを特徴とする付記3または4に記載のチョークコイル。
(付記6)前記プリント基板上に形成された前記磁気バンドギャップの前記対向片の長さおよび前記ギャップの間隔に基づき所定の共振周波数を得ることを特徴とする付記3〜5のいずれか一つに記載のチョークコイル。
(付記7)前記プリント基板の複数の中間層に、それぞれ異なる共振周波数を有する前記磁気バンドギャップを設けたことを特徴とする付記6に記載のチョークコイル。
(付記8)所定の電子回路が搭載される多層のプリント基板の一部の領域に、複数の層を用いて前記コイルパターンと前記磁気バンドギャップを設けたことを特徴とする付記3〜7のいずれか一つに記載のチョークコイル。
(付記9)付記1〜8のいずれか一つに記載されたチョークコイルを備えたことを特徴とするバイアスT回路。
(付記10)付記9に記載されたバイアスT回路を備えたことを特徴とする通信装置。
(付記11)付記1〜8のいずれか一つに記載されたチョークコイルを備えたことを特徴とする通信装置。
100 チョークコイル
101 コイルパターン
101A 一端(入力端子)
101B 他端(出力端子)
101a 上部コイルパターン
101b 下部コイルパターン
101c,101d 側部コイルパターン
102 磁気バンドギャップ(EBG)
102a 導電体パターン
102b 対向片
301 第1層
302 第2層
303 第3層
304 第4層

Claims (10)

  1. 入出力端子間に設けられ、コイル状に巻回されたコイルパターンと、
    1本のパターンを折り曲げ形成し、当該パターンの端部が所定のギャップを有し所定長で対向する対向片を有し、前記コイルパターンの内部空間に配置され、前記コイルパターンとの間に所定の容量を有する磁気バンドギャップと、
    を備えたことを特徴とするチョークコイル。
  2. 前記コイルパターンと前記磁気バンドギャップとの間に所定の誘電率を有する基材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のチョークコイル。
  3. 前記基材は、多層のプリント基板であり、
    前記コイルパターンは、前記プリント基板の上部層と下部層にそれぞれ形成した複数の導電体パターンと、前記上部層および前記下部層の複数の各導電体パターンの同一位置の両端部を接続するビアと、からなり、
    前記磁気バンドギャップは、前記プリント基板の中間層に形成した導電体パターンからなることを特徴とする請求項2に記載のチョークコイル。
  4. 前記基材は、多層のプリント基板であり、
    前記コイルパターンは、前記プリント基板の上部層と下部層の面内にそれぞれ1本ずつ形成したスパイラル状の導電体パターンと、前記上部層および前記下部層の導電体パターンの端部を接続するビアと、からなり、
    前記磁気バンドギャップは、前記プリント基板の中間層に形成した導電体パターンからなることを特徴とする請求項2に記載のチョークコイル。
  5. 前記磁気バンドギャップは、前記プリント基板の複数の中間層にそれぞれ形成した導電体パターンからなることを特徴とする請求項3または4に記載のチョークコイル。
  6. 前記プリント基板上に形成された前記磁気バンドギャップの前記対向片の長さおよび前記ギャップの間隔に基づき所定の共振周波数を得ることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載のチョークコイル。
  7. 前記プリント基板の複数の中間層に、それぞれ異なる共振周波数を有する前記磁気バンドギャップを設けたことを特徴とする請求項6に記載のチョークコイル。
  8. 所定の電子回路が搭載される多層のプリント基板の一部の領域に、複数の層を用いて前記コイルパターンと前記磁気バンドギャップを設けたことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一つに記載のチョークコイル。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載されたチョークコイルを備えたことを特徴とするバイアスT回路。
  10. 請求項9に記載されたバイアスT回路を備えたことを特徴とする通信装置。
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