JP2016081987A - 原子セル、原子セルの製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体 - Google Patents

原子セル、原子セルの製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】周波数安定度を向上させることができる原子セルおよびその製造方法を提供すること、また、かかる原子セルを備える量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体を提供すること。
【解決手段】本発明の原子セル2は、アルカリ金属原子と、アルカリ金属原子が封入されている内部空間Sを構成している胴体部21および窓部22、23と、内部空間Sに配置されているゲッター材Gと、を備える。ゲッター材Gは、チタン、バリウム、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、バナジウム、インジウム、カルシウムのうちの少なくとも1つを含む合金、または、Al−Zr−V−Fe系合金であることが好ましい。
【選択図】図4

Description

本発明は、原子セル、原子セルの製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体に関するものである。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式とに大別される。いずれの原子発振器も、一般に、アルカリ金属を封入した原子セル(ガスセル)を備える(例えば、特許文献1参照)。また、原子セル内に、アルカリ金属の他に、窒素、アルゴン、ネオン等の不活性ガスを緩衝ガスとして封入することも一般的に行われている。
しかし、従来の原子発振器では、製造過程等において原子セル内にアルカリ金属や緩衝ガス以外の不要物が混入し、その不要物に起因して周波数安定度が低下するという問題があった。例えば、量子干渉効果を利用した原子発振器では、原子セル内のアルカリ金属に2つの共鳴光を照射し、その2つの共鳴光の周波数差が特定の値のときに2つの共鳴光の双方が原子セル内のアルカリ金属に吸収されずに透過する電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象に伴って発生する急峻な信号であるEIT信号を基準信号として用いるが、従来では、原子セル内の不要物によってアルカリ金属原子の挙動が変化し、その変化がEIT信号に影響を及ぼし、その結果、周波数安定度が低下するという問題があった。
特開2009−283526号公報
本発明の目的は、周波数安定度を向上させることができる原子セルおよびその製造方法を提供すること、また、かかる原子セルを備える量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の原子セルは、金属原子と、
前記金属原子が封入されている内部空間を構成している壁部と、
前記内部空間に配置されているゲッター材と、
を備えることを特徴とする。
このような原子セルによれば、内部空間にゲッター材が配置されているため、内部空間にある気体状の不要物の少なくとも一部をゲッター材に吸着または吸収させることができる。そのため、原子セル内に浮遊する不要物の量を低減でき、その結果、原子セル内の不要物によって金属原子の挙動が変化してEIT信号に影響を与えることによる周波数安定度の低下を防止または低減することができる。よって、周波数安定度を向上させることができる。
[適用例2]
本発明の原子セルでは、前記壁部は、
一方の面側に開口している凹部を有する第1基板と、
前記第1基板の前記一方の面側に接合されていて、前記第1基板とともに前記内部空間を構成している第2基板と、
を有することが好ましい。
これにより、原子セルの小型化を図ることができる。また、原子セルの小型化を図ると、原子セル内の不要物がEIT信号に影響を与えやすくなるため、このような構造の原子セルに本発明を適用することにより、その効果が顕著となる。
[適用例3]
本発明の原子セルでは、前記内部空間に面している壁部の表面にコーティング膜を備えることが好ましい。
これにより、原子セル内の気体状の金属原子の挙動を安定化し、その結果、周波数安定度を向上させることができる。
[適用例4]
本発明の原子セルでは、前記ゲッター材は、前記コーティング膜に保持されていることが好ましい。
これにより、ゲッター材の移動を防止または低減し、その結果、ゲッター材自体がEIT信号に影響を及ぼすのを防止または低減することができる。
[適用例5]
本発明の原子セルの製造方法は、一方の面側に開口している凹部を有する第1基板と、第2基板と、金属を含む固体状の金属化合物と、ゲッター材と、を準備する準備工程と、
前記凹部に前記金属化合物を配置する配置工程と、
前記第1基板の前記一方の面側に前記第2基板を接合して前記凹部を封止する封止工程と、
前記金属化合物を分解反応させることにより前記金属を取り出す化合物分解工程と、
を有することを特徴とする。
このような原子セルの製造方法によれば、得られる原子セルにおいて、内部空間にゲッター材が配置されているため、内部空間にある気体状の不要物の少なくとも一部をゲッター材に吸着または吸収させることができる。そのため、得られる原子セルにおいて、原子セル内に浮遊する不要物の量を低減でき、その結果、原子セル内の不要物によって金属原子の挙動が変化してEIT信号に影響を与えることによる周波数安定度の低下を防止または低減することができる。よって、得られる原子セルにおいて、周波数安定度を向上させることができる。
また、固体状の金属化合物を用いて内部空間に金属原子を封入するため、封止工程において、第1基板と第2基板との接合面に金属原子が付着するのを防止することができる。そのため、第1基板と第2基板とを簡単かつ強固に接合することができる。その結果、原子セルの信頼性を向上させることができる。
[適用例6]
本発明の原子セルの製造方法では、前記金属化合物が塩化セシウムであり、
前記配置工程において、前記凹部にカルシウムをも配置することが好ましい。
カルシウムを還元剤として塩化セシウムを還元させることによりセシウムを生成させることができる。そのため、原子セル内にセシウム原子を封入することができる。
[適用例7]
本発明の原子セルの製造方法では、前記金属化合物がアジ化セシウムであることが好ましい。
アジ化セシウムを還元させることによりセシウムを生成させることができる。そのため、原子セル内にセシウム原子を封入することができる。
[適用例8]
本発明の原子セルの製造方法では、前記化合物分解工程において、前記金属化合物にエネルギー線を照射することにより前記分解反応を生じさせることが好ましい。
これにより、封止された内部空間に配置された金属化合物を分解反応させることができる。
[適用例9]
本発明の原子セルの製造方法では、前記ゲッター材は、チタン、バリウム、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、バナジウム、インジウム、カルシウムのうちの少なくとも1つを含む合金、または、Al−Zr−V−Fe系合金であることが好ましい。
これにより、原子セル内の不要物をゲッター材に吸着または吸収させることができる。
[適用例10]
本発明の原子セルの製造方法では、前記第1基板がシリコンを含み、
前記第2基板がガラスを含んでいることが好ましい。
これにより、エッチング技術やフォトリソグラフィ技術を用いて小型で高精度な原子セルを製造することができる。
[適用例11]
本発明の原子セルの製造方法では、前記封止工程において、前記第1基板と前記第2基板との接合を加熱接合により行うことが好ましい。
加熱接合では第1基板および第2基板が高温となる一方、例えばアルカリ金属は融点および沸点が比較的低い。そのため、加熱接合時にアルカリ金属単体が存在していると、第1基板と第2基板との接合面にアルカリ金属が付着してしまい、接合強度の低下を招いてしまう。したがって、このような接合により封止を行う場合、本発明を適用することによる効果が顕著となる。
[適用例12]
本発明の原子セルの製造方法では、前記封止工程において、前記第1基板と前記第2基板との接合を陽極接合により行うことが好ましい。
陽極接合では第1基板および第2基板が高温となる一方、例えばアルカリ金属単体は融点および沸点が比較的低い。そのため、加熱接合時にアルカリ金属単体が存在していると、第1基板と第2基板との接合面にアルカリ金属が付着してしまい、接合強度の低下を招いてしまう。したがって、このような接合により封止を行う場合、本発明を適用することによる効果が顕著となる。
[適用例13]
本発明の原子セルの製造方法では、前記準備工程において、前記第1基板が前記凹部を複数有することが好ましい。
これにより、効率的に原子セルを製造することができる。
[適用例14]
本発明の原子セルの製造方法では、前記封止工程の後に、前記第1基板と前記第2基板とを接合した接合体を前記凹部ごとに個片化する個片化工程を有することが好ましい。
これにより、効率的に原子セルを製造することができる。
[適用例15]
本発明の量子干渉装置は、本発明の原子セルを備えることを特徴とする。
これにより、優れた周波数安定度を有する量子干渉装置を提供することができる。
[適用例16]
本発明の原子発振器は、本発明の原子セルを備えることを特徴とする。
これにより、優れた周波数安定度を有する原子発振器を提供することができる。
[適用例17]
本発明の電子機器は、本発明の原子セルを備えることを特徴とする。
これにより、周波数安定度を向上させることができる原子セルを備える電子機器を提供することができる。
[適用例18]
本発明の移動体は、本発明の原子セルを備えることを特徴とする。
これにより、周波数安定度を向上させることができる原子セルを備える移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置)を示す概略図である。 アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。 (a)は、図1に示す原子発振器が備える原子セルの縦断面図、(b)は、(a)中のA−A線断面図(横断面図)である。 図4に示す原子セルの製造方法における準備工程に用いる部材を示す図である。 図4に示す原子セルの製造方法における準備工程、配置工程および封止工程を示す図である。 図4に示す原子セルの製造方法における化合物分解工程および個片化工程を示す図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る原子発振器が備える原子セルの縦断面図、(b)は、(a)中のA−A線断面図(横断面図)である。 図8に示す原子セルの製造方法における準備工程、配置工程および封止工程を示す図である。 図8に示す原子セルの製造方法における化合物分解工程および個片化工程を示す図である。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。 本発明の移動体の一例を示す図である。
以下、本発明の原子セル、原子セルの製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.原子発振器(量子干渉装置)
まず、本発明の原子発振器(本発明の量子干渉装置を備える原子発振器)について説明する。なお、以下では、本発明の量子干渉装置を原子発振器に適用した例を説明するが、本発明の量子干渉装置は、これに限定されず、原子発振器の他、例えば、磁気センサー、量子メモリー等にも適用可能である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置)を示す概略図である。また、図2は、アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図3は、光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。
図1に示す原子発振器1は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。この原子発振器1は、図1に示すように、原子セル2(ガスセル)と、光出射部3と、光学部品41、42、43、44と、光検出部5と、ヒーター6と、温度センサー7と、磁場発生部8と、制御部10とを備える。
まず、原子発振器1の原理を簡単に説明する。
図1に示すように、原子発振器1では、光出射部3が原子セル2に向けて励起光LLを出射し、原子セル2を透過した励起光LLを光検出部5が検出する。
原子セル2内には、ガス状のアルカリ金属(金属原子)が封入されており、アルカリ金属は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有し、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
光出射部3から出射された励起光LLは、周波数の異なる2種の共鳴光1、2を含んでおり、この2種の共鳴光1、2を前述したようなガス状のアルカリ金属に照射したとき、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
例えば、光出射部3が共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部5の検出強度は、図3に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
以下、原子発振器1の各部を簡単に説明する。
[原子セル]
原子セル2内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。また、原子セル2内には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属ガスとともに封入されていてもよい。
また、原子セル2内には、上記のほか、アルカリ金属化合物、ゲッター材等が配置されている。なお、この点については、原子セル2の構成とともに、後に詳述する。
[光出射部]
光出射部3(光源)は、原子セル2中のアルカリ金属原子を励起する励起光LLを出射する機能を有する。
より具体的には、光出射部3は、励起光LLとして、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を出射するものである。共鳴光1は、原子セル2内のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態へ励起(共鳴)し得るものである。一方、共鳴光2は、原子セル2内のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態へ励起(共鳴)し得るものである。
この光出射部3としては、前述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
なお、光出射部3は、図示しない温度調節素子(発熱抵抗体、ペルチェ素子等)により、所定温度に温度調節される。
[光学部品]
複数の光学部品41、42、43、44は、それぞれ、前述した光出射部3と原子セル2との間における励起光LLの光路上に設けられている。ここで、光出射部3側から原子セル2側へ、光学部品41、光学部品42、光学部品43、光学部品44の順に配置されている。
光学部品41は、レンズである。これにより、励起光LLを無駄なく原子セル2へ照射することができる。
また、光学部品41は、励起光LLを平行光とする機能を有する。これにより、励起光LLが原子セル2の内壁で反射するのを簡単かつ確実に防止することができる。そのため、原子セル2内での励起光の共鳴を好適に生じさせ、その結果、原子発振器1の発振特性を高めることができる。
光学部品42は、偏光板である。これにより、光出射部3からの励起光LLの偏光を所定方向に調整することができる。
光学部品43は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、原子セル2に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができる。そのため、光出射部3の出力が大きい場合でも、原子セル2に入射する励起光を所望の光量とすることができる。本実施形態では、前述した光学部品42を通過した所定方向の偏光を有する励起光LLの強度を光学部品43により調整する。
光学部品44は、λ/4波長板である。これにより、光出射部3からの励起光LLを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。
後述するように磁場発生部8の磁場により原子セル2内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、仮に直線偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位に均等に分散して存在することとなる。その結果、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数が他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に少なくなるため、所望のEIT現象を発現する原子数が減少し、所望のEIT信号の強度が小さくなり、その結果、原子発振器1の発振特性の低下をもたらす。
これに対し、後述するように磁場発生部8の磁場により原子セル2内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振器1の発振特性を向上させることができる。
[光検出部]
光検出部5は、原子セル2内を透過した励起光LL(共鳴光1、2)の強度を検出する機能を有する。
この光検出部5としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
[ヒーター]
ヒーター6(加熱部)は、前述した原子セル2(より具体的には原子セル2中のアルカリ金属)を加熱する機能を有する。これにより、原子セル2中のアルカリ金属を適切な濃度のガス状に維持することができる。
このヒーター6は、例えば、通電により発熱する発熱抵抗体を含んで構成されている。この発熱抵抗体は、原子セル2に対して接触して設けられていてもよいし、原子セル2に対して非接触で設けられていてもよい。
例えば、発熱抵抗体を原子セル2に対して接触して設ける場合、原子セル2の1対の窓部にそれぞれ発熱抵抗体を設ける。これにより、原子セル2の窓部にアルカリ金属原子が結露するのを防止することができる。その結果、原子発振器1の特性(発振特性)を長期にわたり優れたものとすることができる。このような発熱抵抗体は、励起光に対する透過性を有する材料、具体的には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物等の透明電極材料で構成される。また、発熱抵抗体は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着等の乾式メッキ法、ゾル・ゲル法等を用いて形成することができる。
また、発熱抵抗体を原子セル2に対して非接触で設ける場合、熱伝導性に優れる金属等、セラミックス等の部材を介して発熱抵抗体から原子セル2へ伝熱すればよい。
なお、ヒーター6は、原子セル2を加熱することができるものであれば、前述した形態に限定されず、各種ヒーターを用いることができる。また、ヒーター6に代えて、または、ヒーター6と併用して、ペルチェ素子を用いて、原子セル2を加熱してもよい。
[温度センサー]
温度センサー7は、ヒーター6または原子セル2の温度を検出するものである。そして、この温度センサー7の検出結果に基づいて、前述したヒーター6の発熱量が制御される。これにより、原子セル2内のアルカリ金属原子を所望の温度に維持することができる。
なお、温度センサー7の設置位置は、特に限定されず、例えば、ヒーター6上であってもよいし、原子セル2の外表面上であってもよい。
温度センサー7としては、それぞれ、特に限定されず、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。
[磁場発生部]
磁場発生部8は、原子セル2内のアルカリ金属の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン分裂させる磁場を発生させる機能を有する。これにより、ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器1の発振周波数の精度を高めることができる。
この磁場発生部8は、例えば、原子セル2を挟むように配置されたヘルムホルツコイル、または、原子セル2を覆うように配置されたソレノイドコイルで構成されている。これにより、原子セル2内に一方向の均一な磁場を生じさせることができる。
また、磁場発生部8が発生する磁場は、定磁場(直流磁場)であるが、交流磁場が重畳されていてもよい。
[制御部]
制御部10は、光出射部3、ヒーター6および磁場発生部8をそれぞれ制御する機能を有する。
この制御部10は、光出射部3の共鳴光1、2の周波数を制御する励起光制御部12と、原子セル2中のアルカリ金属の温度を制御する温度制御部11と、磁場発生部8からの磁場を制御する磁場制御部13とを有する。
励起光制御部12は、前述した光検出部5の検出結果に基づいて、光出射部3から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。より具体的には、励起光制御部12は、前述した周波数差(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、光出射部3から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。
ここで、励起光制御部12は、図示しないが、電圧制御型水晶発振器(発振回路)を備えており、その電圧制御型水晶発振器の発振周波数を光検出部5の検知結果に基づいて同期・調整しながら、その電圧制御型水晶発振器の出力信号を原子発振器1の出力信号として出力する。
例えば、励起光制御部12は、図示しないが、この電圧制御型水晶発振器からの出力信号を周波数逓倍する逓倍器を備えており、この逓倍器により逓倍された信号(高周波信号)を直流バイアス電流に重畳して駆動信号として光出射部3に入力する。これにより、光検出部5でEIT信号が検出されるように電圧制御型水晶発振器を制御することで、電圧制御型水晶発振器から所望の周波数の信号が出力されることとなる。この逓倍器の逓倍率は、例えば、原子発振器1からの出力信号の所望の周波数をfとしたとき、ω0/(2×f)である。これにより、電圧制御型水晶発振器の発振周波数がfであるとき、逓倍器からの信号を用いて、光出射部3に含まれる半導体レーザー等の発光素子を変調して、周波数差(ω1−ω2)がω0となる2つの光を出射させることができる。
また、温度制御部11は、温度センサー7の検出結果に基づいて、ヒーター6への通電を制御する。これにより、原子セル2を所望の温度範囲内に維持することができる。例えば、原子セル2は、ヒーター6により、例えば、70℃程度に温度調節される。
また、磁場制御部13は、磁場発生部8が発生する磁場が一定となるように、磁場発生部8への通電を制御する。
このような制御部10は、例えば、基板上に実装されたICチップに設けられている。
以上、原子発振器1の構成を簡単に説明した。
(原子セルの詳細な説明)
図4(a)は、図1に示す原子発振器が備える原子セルの縦断面図、図4(b)は、図4(a)中のA−A線断面図(横断面図)である。
なお、以下では、説明の便宜上、図4(a)中の上側を「上」、下側を「下」という。
図4(a)に示すように、原子セル2は、胴体部21と、胴体部21を挟んで設けられた1対の窓部22、23とを有している。この原子セル2では、胴体部21が1対の窓部22、23の間に配置されていて、気体状のアルカリ金属が封入されている内部空間Sを胴体部21および1対の窓部22、23が区画形成(構成)している。
ここで、胴体部21および窓部22、23は内部空間Sを構成(区画形成)している「壁部」を構成しており、胴体部21および窓部22は、一方の面側に開口している凹部を有する「第1基板」を構成し、また、窓部23は、第1基板の前記一方の面側に接合されていて第1基板とともに内部空間Sを構成している「第2基板」を構成している。このような複数の基板の積層構造により、原子セル2の小型化を図ることができる。また、原子セル2の小型化を図ると、原子セル2内の不要物がEIT信号に影響を与えやすくなるため、このような構造の原子セル2に本発明を適用することにより、その効果が顕著となる。なお、胴体部21および窓部23が、一方の面側に開口している凹部を有する「第1基板」を構成し、また、窓部22が、第1基板の前記一方の面側に接合されていて第1基板とともに内部空間Sを構成している「第2基板」を構成しているともいえる。
胴体部21は、上下方向を厚さ方向とする板状をなしており、この胴体部21には、胴体部21の厚さ方向(上下方向)に貫通している貫通孔211、212と、胴体部21の上面に開口していて貫通孔211と貫通孔212とを連通させている溝213(凹部)と、が形成されている。
この胴体部21の構成材料としては、特に限定されず、ガラス材料、水晶、金属材料、樹脂材料、シリコン材料等が挙げられるが、中でも、ガラス材料、水晶、シリコン材料のいずれかを用いることが好ましく、シリコン材料を用いることがより好ましい。これにより、幅や高さが10mm以下となるような小さい原子セル2を形成する場合であっても、エッチング等の微細加工技術を用いて、高精度な胴体部21を容易に形成することができる。特に、シリコンは、エッチングによる微細加工が可能である。したがって、胴体部21をシリコンを用いて構成することにより、原子セル2の小型化を図っても、胴体部21を簡単かつ高精度に形成することができる。また、窓部22、23がガラスで構成されている場合、胴体部21と窓部22、23とを陽極接合により簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。
このような胴体部21の下面には、窓部22が接合され、一方、胴体部21の上面には、窓部23が接合されている。これにより、貫通孔211、212の下端側開口が窓部22により封鎖されるとともに、貫通孔211、212の上端側開口および溝213の開口が窓部23により封鎖されている。そして、貫通孔211、212および溝213で構成された内部空間Sが気密空間として形成されている。
胴体部21と窓部22、23との接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、気密的に接合できるものであれば、特に限定されないが、例えば、接着剤による接合方法、直接接合法、陽極接合法、表面活性化接合法等を用いることができるが、直接接合法または陽極接合法を用いることが好ましい。これにより、胴体部21と窓部22、23とを簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。
このような胴体部21に接合されている各窓部22、23は、前述した光出射部3からの励起光に対する透過性を有している。そして、一方の窓部22は、原子セル2の内部空間S内へ励起光LLが入射する入射側窓部であり、他方の窓部23は、原子セル2の内部空間S内から励起光LLが出射する出射側窓部である。
また、窓部22、23は、それぞれ、板状をなしている。ここで、窓部22、23は、それぞれ、胴体部21に積層されている「基板」を構成していると言える。
窓部22、23(基板)の構成材料としては、前述したような励起光に対する透過性を有していれば、特に限定されず、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられるが、ガラス材料を用いることが好ましい。これにより、励起光に対する透過性を有する窓部22、23を実現することができる。また、胴体部21がシリコンで構成されている場合、ガラスを用いて窓部22、23を構成することにより、胴体部21と窓部22、23とを陽極接合により簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。なお、窓部22、23の厚さや励起光の強度によっては、窓部22、23をシリコンで構成することもできる。この場合、胴体部21と窓部22、23とを直接接合することができる。
このような胴体部21および窓部22、23により区画形成された内部空間Sには、気体状のアルカリ金属が収納されている。この内部空間S内に収納されている気体状のアルカリ金属は、貫通孔211内において、励起光LLによって励起される。すなわち、貫通孔211内の空間の少なくとも一部は、励起光LLが通過する「光通過空間」を構成する。本実施形態では、貫通孔211の横断面は、円形をなしており、一方、光通過空間の横断面は、図示しないが、貫通孔211の横断面と相似形状(すなわち円形)をなし、かつ、貫通孔211の横断面よりも若干小さく設定されている。なお、貫通孔211の横断面形状は、円形に限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形、楕円形等であってもよい。
また、内部空間Sの貫通孔212内の空間は、溝213内の空間を介して貫通孔211内の空間に連通している。本実施形態では、貫通孔212の横断面は、矩形をなしている。なお、貫通孔212の横断面形状は、矩形に限定されず、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等であってもよい。
この貫通孔212内の空間には、液体状または固体状のアルカリ金属Mが収納されている。すなわち、貫通孔212内の空間は、内部空間Sの一部を構成または内部空間Sに連通している空間であって、液体状または固体状のアルカリ金属Mが配置されている「金属溜り部」を構成している。この液体状または固体状のアルカリ金属Mは、内部空間S内の気体状のアルカリ金属と飽和蒸気圧で平衡状態となっており、これにより、内部空間S内の気体状のアルカリ金属を所定濃度に保つことができる。また、貫通孔211内の空間とは離れた貫通孔212内の空間にアルカリ金属Mを配置することにより、アルカリ金属Mが周波数特性に影響を与えるのを低減することができる。
また、貫通孔212内の空間には、化合物Pおよびゲッター材Gが配置されている。
化合物Pは、後述する原子セル2の製造に用いた金属化合物P1の分解反応後の残渣であり、例えば、未反応の金属化合物P1である。また、化合物Pは、金属化合物P1の分解反応により生成したアルカリ金属以外の生成物を含むこともある。また、貫通孔211内の空間とは離れた貫通孔212内の空間に化合物Pを配置することにより、化合物Pが周波数特性に影響を与えるのを低減することができる。
なお、金属化合物P1の分解反応により生じるアルカリ金属以外の生成物のすべてが気体であり、かつ、金属化合物P1が完全に分解反応した場合、内部空間Sには、固体状の化合物Pは存在しない。この場合、金属化合物P1の分解反応により生じるアルカリ金属以外の生成物は、内部空間Sに気体として存在するか、または、ゲッター材Gに吸着または吸収されることとなる。なお、金属化合物P1の分解反応により生じるアルカリ金属以外の生成物が窒素等の不活性ガスである場合、かかる生成物を緩衝ガスの一部として用いることができる。
ゲッター材Gは、所望のアルカリ金属ガスおよび緩衝ガス以外のガスを吸着または吸収する機能を有する。これにより、内部空間Sにあるアルカリ金属原子以外の不要物の少なくとも一部をゲッター材Gに吸着または吸収させることができる。そのため、原子セル2内に浮遊する不要物の量を低減でき、その結果、原子セル2内の不要物によってアルカリ金属原子の挙動が変化してEIT信号に影響を与えることによる周波数安定度の低下を防止または低減することができる。よって、周波数安定度を向上させることができる。また、貫通孔211内の空間とは離れた貫通孔212内の空間にゲッター材Gを配置することにより、ゲッター材Gが周波数特性に影響を与えるのを低減することができる。
なお、化合物P、金属化合物P1およびゲッター材Gについては、後述する原子セル2の製造方法とともに詳述する。
以上説明したような原子発振器1は、ゲッター材Gが内部空間Sに配置されている原子セル2を備えているため、優れた周波数安定度を有する。
また、以上説明したような原子発振器1が備える原子セル2は、以下のようにして製造することができる。
(原子セルの製造方法)
以下、本発明の原子セルの製造方法について、前述した原子セル2を製造する場合を例に説明する。なお、以下では、胴体部21がシリコンで構成され、窓部22、23がガラスで構成されている場合を例に説明する。
図5は、図4に示す原子セルの製造方法における準備工程に用いる部材を示す図である。図6は、図4に示す原子セルの製造方法における準備工程、配置工程および封止工程を示す図である。図7は、図4に示す原子セルの製造方法における化合物分解工程および個片化工程を示す図である。
原子セル2の製造方法は、[1]準備工程と、[2]配置工程と、[3]封止工程と、[4]化合物分解工程と、[5]個片化工程と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
[1]準備工程
まず、図5に示すように、胴体部形成用基板210および窓部形成用基板220、230を準備する。
胴体部形成用基板210は、前述した胴体部21を形成するためのシリコン基板であって、貫通孔211、212および溝213を有する。また、窓部形成用基板220は、前述した窓部22を形成するためのガラス基板である。同様に、窓部形成用基板230は、前述した窓部23を形成するためのガラス基板である。
このように、胴体部形成用基板210がシリコンを含み、窓部形成用基板220、230がそれぞれガラスを含んでいることにより、エッチング技術やフォトリソグラフィ技術を用いて小型で高精度な原子セル2を製造することができる。
本実施形態では、胴体部形成用基板210は、複数組の貫通孔211、212および溝213を有し、後述する[5]個片化工程で個片化されることにより、胴体部21となる。また、窓部形成用基板220、230は、後述する[5]個片化工程で個片化されることにより窓部22、23となる。
そして、図6(a)に示すように、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板220とを接合する。これにより、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板220とが接合された接合体(積層体)が得られる。この接合体は、一方の面側に開口している貫通孔211、212および溝213による凹部を有する「第1基板」を構成している。また、窓部形成用基板230は、「第2基板」を構成している。
胴体部形成用基板210と窓部形成用基板220との接合は、加熱接合の1種である陽極接合により行うことが好ましい。これにより、比較的簡単に、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板220とを気密的に接合することができる。
なお、本工程において、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板230とを接合してもよい。この場合、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板230とが接合された接合体が、一方の面側に開口している貫通孔211、212および溝213による凹部を有する「第1基板」を構成し、また、窓部形成用基板220が、「第2基板」を構成することとなる。また、この場合、後述する[3]封止工程において、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板220とを接合すればよい。
[2]配置工程
次に、図6(b)に示すように、貫通孔212による凹部内に金属化合物P1およびゲッター材Gを配置する。また、このとき、図示しないが、かかる凹部内に、必要に応じて、金属化合物P1の分解反応に必要な還元剤を配置する。
金属化合物P1は、アルカリ金属を含む化合物であって、分解反応(還元)により単体のアルカリ金属を生成(放出)する化合物である。この金属化合物P1としては、分解反応(還元)により単体のアルカリ金属を生成する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、塩化セシウム(CsCl)、アジ化セシウム(CsN)クロム酸セシウム(CsCr)等が挙げられる。ここで、金属化合物P1は、後述する[3]封止工程における加熱下において分解反応を実質的に生じないもの、すなわち、分解反応が生じる温度が[3]封止工程における加熱温度よりも高いものであることが好ましい。これにより、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板230との接合面にアルカリ金属が付着するのを防止または低減することができる。
また、金属化合物P1の分解反応に用いる還元剤は、特に限定されないが、例えば、金属化合物P1が塩化セシウムである場合、カルシウムを用いる。なお、この還元剤は、金属化合物P1と別体であってもよいし、金属化合物P1との混合物または集合体として一体であってもよい。
また、ゲッター材Gは、所望のアルカリ金属ガスおよび緩衝ガス以外のガスを吸着または吸収する機能を有する。このゲッター材Gとしては、かかる機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、チタン、バリウム、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、バナジウム、インジウム、カルシウムのうちの少なくとも1つを含む合金、または、Al−Zr−V−Fe系合金が挙げられる。このようなゲッター材Gを用いることにより、後述する[3]封止工程後において内部空間Sの気体状の不要物をゲッター材Gに吸着または吸収させることができる。なお、ゲッター材Gは、金属化合物P1と別体であってもよいし、金属化合物P1との混合物または集合体として一体であってもよい。
[3]封止工程
次に、図6(c)に示すように、胴体部形成用基板210(第1基板の一方の面側)と窓部形成用基板230とを接合する。これにより、貫通孔211、212および溝213で構成された凹部が封止され、内部空間Sが形成される。
胴体部形成用基板210と窓部形成用基板230との接合方法としては、前述した胴体部形成用基板210と窓部形成用基板230との接合方法と同様の方法を用いることができる。すなわち、[3]封止工程において、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板230との接合を加熱接合の一種である陽極接合により行うことができる。
陽極接合では胴体部形成用基板210および窓部形成用基板220、230が高温となる一方、例えばアルカリ金属単体は融点および沸点が比較的低い。そのため、加熱接合時にアルカリ金属単体が存在していると、胴体部形成用基板210および窓部形成用基板230との接合面にアルカリ金属が付着してしまい、接合強度の低下を招いてしまう。したがって、このような接合により封止を行う場合、本発明を適用することによる効果が顕著となる。すなわち、本発明では、[3]封止工程において、貫通孔211、212および溝213で構成された凹部内に配置された金属化合物P1は、陽極接合時の熱のもとでも固体状を維持するため、胴体部形成用基板210および窓部形成用基板230との接合面にアルカリ金属が付着することを防止または低減することができる。
[4]化合物分解工程
次に、図7(a)に示すように、レーザー(エネルギー線)を金属化合物P1に照射する。これにより、金属化合物P1を分解反応させることにより、アルカリ金属単体を取り出す。
このとき、金属化合物P1の分解反応により、アルカリ金属以外の反応生成物が生じるとともに、未反応の金属化合物P1が残渣として残り化合物Pとなる。
具体的に説明すると、例えば、金属化合物P1が塩化セシウムであり、還元剤としてカルシウムを用いた場合、
本工程では、2CsCl+Ca→2Cs↑+CaClの反応が生じる。このように、カルシウムを還元剤として塩化セシウムを還元させることによりセシウムを単体として取り出すことができる。そのため、原子セル2内にセシウム原子を封入することができる。
また、金属化合物P1がアジ化セシウムである場合、
本工程では、2CsN→2Cs+3Nの反応が生じる。このように、アジ化セシウムを還元させることによりセシウムを単体として取り出すことができる。そのため、原子セル2内にセシウム原子を封入することができる。
本工程では、金属化合物P1にエネルギー線を照射することにより分解反応を生じさせるため、封止された内部空間Sに配置された金属化合物P1を分解反応させることができる。なお、図7(a)では、レーザーを用いて金属化合物P1の分解反応を生じさせる場合を例に図示しているが、金属化合物P1の分解反応を生じさせることができれば、レーザーに限定されず、例えば、レーザー以外の光、X線、γ線のような電磁波、電子線、イオンビームのような粒子線等や、またはこれらのエネルギー線を2種以上組み合わせたものが挙げられる。また、電磁誘導により金属化合物P1を加熱して分解反応を生じさせてもよい。
[5]個片化工程
次に、例えばダイシングにより、胴体部形成用基板210および窓部形成用基板220、230からなる積層構造体(接合体)を個片化する。これにより、図7(b)に示すように、原子セル2が得られる。
本実施形態では、前述したように、[1]準備工程において、第1基板が貫通孔211、212および溝213による凹部を複数有し、[3]封止工程の後の[5]個片化工程において、第1基板と第2基板とを接合した接合体、すなわち、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板220、230とを接合した接合体を貫通孔211、212および溝213による凹部ごとに個片化する。これにより、効率的に原子セルを製造することができる。
以上説明したような原子セル2の製造方法によれば、前述したような効果を奏する原子セル2を得ることができる。
また、固体状の金属化合物P1を用いて内部空間Sにアルカリ金属原子を封入するため、[3]封止工程において、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板230との接合面にアルカリ金属原子が付着するのを防止することができる。そのため、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板230とを簡単かつ強固に接合することができる。その結果、原子セル2の信頼性を向上させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8(a)は、本発明の第2実施形態に係る原子発振器が備える原子セルの縦断面図、図8(b)は、図8(a)中のA−A線断面図(横断面図)である。
本実施形態は、原子セルの内壁面にコーティング膜を設けた以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図8に示す原子セル2A(ガスセル)では、内部空間Sの壁面にコーティング膜24が配置されている。これにより、原子セル2A内の気体状のアルカリ金属原子の挙動を安定化し、その結果、周波数安定度を向上させることができる。より具体的には、このコーティング膜24は、気体状のアルカリ金属が内部空間Sの内壁面に衝突したときの挙動(例えばスピン)の変化を抑制または低減する機能を有する。これにより、原子セル2Aを小型化しても、アルカリ金属が原子セル2Aの内壁面に衝突することによる挙動の変化が特性に悪影響を与えるのを抑制し、原子発振器1の発振特性を優れたものとすることができる。
このコーティング膜24の構成材料は、フッ素系樹脂、シロキサン系化合物または鎖式飽和炭化水素を含んでいるのが好ましい。これにより、アルカリ金属がコーティング膜24に衝突した際の挙動の変化を効果的に低減することができ、また、化学的安定性に優れる。また、コーティング材料の沸点を金属原子の沸点よりも高くすることができる。
なお、コーティング膜24の形成に用いるコーティング材料、すなわち、コーティング膜24の構成材料またはその前駆体については、後述する原子セル2Aの製造方法の説明においてより具体的に説明する。
また、本実施形態では、ゲッター材Gおよび化合物Pがコーティング膜24に保持されている。これにより、ゲッター材G等の移動を防止または低減し、その結果、ゲッター材G等自体がEIT信号に影響を及ぼすのを防止または低減することができる。
なお、図8では、貫通孔212内の空間に余剰のコーティング剤Cが配置されている。このコーティング剤Cは、原子セル2Aの製造時にコーティング膜24を形成するために用いたコーティング剤の余剰分であり、製造時に余剰分が生じない量のコーティング剤を用いた場合は存在しない。
以上説明したような原子セル2Aは、以下のようにして製造することができる。
図9は、図8に示す原子セルの製造方法における準備工程、配置工程および封止工程を示す図である。図10は、図8に示す原子セルの製造方法における化合物分解工程および個片化工程を示す図である。
原子セル2Aの製造方法は、[1A]準備工程と、[2A]配置工程と、[3A]封止工程と、[4A]化合物分解工程と、[5A]個片化工程と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
[1A]準備工程
まず、前述した第1実施形態と同様、胴体部形成用基板210および窓部形成用基板220、230を準備し、図9(a)に示すように、胴体部形成用基板210と窓部形成用基板220とを接合する。
[2A]配置工程
次に、図9(b)に示すように、貫通孔212による凹部内に金属化合物P1、ゲッター材Gおよびコーティング剤Cを配置する。
コーティング剤Cは、前述したような機能を有するコーティング膜24を形成することができるものであれば、特に限定されないが、フッ素系樹脂、シロキサン系化合物および鎖式飽和炭化水素のうちのいずれかの化合物またはその前駆体であることが好ましい。
コーティング剤Cとして用いるフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられる。
また、コーティング剤Cとして用いるシロキサン系化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン、加水分解性基含有シロキサン等のシロキサン等が挙げられる。
また、コーティング剤Cとして用いる鎖式飽和炭化水素としては、例えば、パラフィン(炭素原子の数が20以上のアルカン)等が挙げられる。
[3A]封止工程
次に、前述した第1実施形態と同様、図9(c)に示すように、胴体部形成用基板210(第1基板の一方の面側)と窓部形成用基板230とを接合する。これにより、貫通孔211、212および溝213で構成された凹部が封止され、内部空間Sが形成される。
[4A]化合物分解工程
次に、図10(a)に示すように、前述した第1実施形態と同様、レーザー(エネルギー線)を金属化合物P1に照射する。これにより、金属化合物P1を分解反応させることにより、アルカリ金属を生成させる。このとき、コーティング剤Cもレーザーで加熱することにより、コーティング剤Cを気化させ、その気化したコーティング剤を内部空間Sの壁面に付着させ凝固・固化させることにより、化合物Pを保持した状態のコーティング膜24が形成される。
ここで、コーティング剤Cへのレーザーの照射は、金属化合物P1へのレーザーの照射と同時に行ってもよいし、金属化合物P1へのレーザーの照射の前または後であってもよい。
[5A]個片化工程
次に、前述した第1実施形態と同様、胴体部形成用基板210および窓部形成用基板220、230からなる積層構造体(接合体)を個片化する。これにより、図10(b)に示すように、原子セル2Aが得られる。
2.電子機器
以上説明したような原子発振器は、各種電子機器に組み込むことができる。
以下、本発明の電子機器について説明する。
図11は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図11に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の原子発振器1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
3.移動体
図12は、本発明の移動体の一例を示す図である。
この図において、移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、原子発振器1が内蔵されている。
なお、本発明の電子機器は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局、GPSモジュール等に適用することができる。
以上、本発明の原子セル、原子セルの製造方法、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果を利用してセシウム等を共鳴遷移させる量子干渉装置に本発明の原子セルを用いた場合を例として説明したが、本発明の原子セルは、これに限定されず、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用してルビジウム等を共鳴遷移させる二重共鳴装置にも用いることができる。
1‥‥原子発振器
2‥‥原子セル
2A‥‥原子セル
3‥‥光出射部
5‥‥光検出部
6‥‥ヒーター
7‥‥温度センサー
8‥‥磁場発生部
10‥‥制御部
11‥‥温度制御部
12‥‥励起光制御部
13‥‥磁場制御部
21‥‥胴体部
22‥‥窓部
23‥‥窓部
24‥‥コーティング膜
41‥‥光学部品
42‥‥光学部品
43‥‥光学部品
44‥‥光学部品
100‥‥測位システム
200‥‥GPS衛星
210‥‥胴体部形成用基板
211‥‥貫通孔
212‥‥貫通孔
213‥‥溝
220‥‥窓部形成用基板
230‥‥窓部形成用基板
300‥‥基地局装置
301‥‥アンテナ
302‥‥受信装置
303‥‥アンテナ
304‥‥送信装置
400‥‥GPS受信装置
401‥‥アンテナ
402‥‥衛星受信部
403‥‥アンテナ
404‥‥基地局受信部
1500‥‥移動体
1501‥‥車体
1502‥‥車輪
C‥‥コーティング剤
G‥‥ゲッター材
LL‥‥励起光
M‥‥アルカリ金属
P‥‥化合物
P1‥‥金属化合物
S‥‥内部空間

Claims (18)

  1. 金属原子と、
    前記金属原子が封入されている内部空間を構成している壁部と、
    前記内部空間に配置されているゲッター材と、
    を備えることを特徴とする原子セル。
  2. 前記壁部は、
    一方の面側に開口している凹部を有する第1基板と、
    前記第1基板の前記一方の面側に接合されていて、前記第1基板とともに前記内部空間を構成している第2基板と、
    を有する請求項1に記載の原子セル。
  3. 前記内部空間に面している壁部の表面にコーティング膜を備える請求項1または2に記載の原子セル。
  4. 前記ゲッター材は、前記コーティング膜に保持されている請求項3に記載の原子セル。
  5. 一方の面側に開口している凹部を有する第1基板と、第2基板と、金属を含む固体状の金属化合物と、ゲッター材と、を準備する準備工程と、
    前記凹部に前記金属化合物を配置する配置工程と、
    前記第1基板の前記一方の面側に前記第2基板を接合して前記凹部を封止する封止工程と、
    前記金属化合物を分解反応させることにより前記金属を取り出す化合物分解工程と、
    を有することを特徴とする原子セルの製造方法。
  6. 前記金属化合物が塩化セシウムであり、
    前記配置工程において、前記凹部にカルシウムをも配置する請求項5に記載の原子セルの製造方法。
  7. 前記金属化合物がアジ化セシウムである請求項5に記載の原子セルの製造方法。
  8. 前記化合物分解工程において、前記金属化合物にエネルギー線を照射することにより前記分解反応を生じさせる請求項5ないし7のいずれか1項に記載の原子セルの製造方法。
  9. 前記ゲッター材は、チタン、バリウム、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、バナジウム、インジウム、カルシウムのうちの少なくとも1つを含む合金、または、Al−Zr−V−Fe系合金である請求項5ないし8のいずれか1項に記載の原子セルの製造方法。
  10. 前記第1基板がシリコンを含み、
    前記第2基板がガラスを含んでいる請求項5ないし9のいずれか1項に記載の原子セルの製造方法。
  11. 前記封止工程において、前記第1基板と前記第2基板との接合を加熱接合により行う請求項10に記載の原子セルの製造方法。
  12. 前記封止工程において、前記第1基板と前記第2基板との接合を陽極接合により行う請求項11に記載の原子セルの製造方法。
  13. 前記準備工程において、前記第1基板が前記凹部を複数有する請求項5ないし12のいずれか1項に記載の原子セルの製造方法。
  14. 前記封止工程の後に、前記第1基板と前記第2基板とを接合した接合体を前記凹部ごとに個片化する個片化工程を有する請求項13に記載の原子セルの製造方法。
  15. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セルを備えることを特徴とする量子干渉装置。
  16. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セルを備えることを特徴とする原子発振器。
  17. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セルを備えることを特徴とする電子機器。
  18. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セルを備えることを特徴とする移動体。
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