JP2016079100A - 1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法 - Google Patents
1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016079100A JP2016079100A JP2014208685A JP2014208685A JP2016079100A JP 2016079100 A JP2016079100 A JP 2016079100A JP 2014208685 A JP2014208685 A JP 2014208685A JP 2014208685 A JP2014208685 A JP 2014208685A JP 2016079100 A JP2016079100 A JP 2016079100A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- cfc
- vdf
- reactor
- hcfc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
【課題】効率的で、安全性の高い、1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン(HCFC−233fb)の製造方法の提供。【解決手段】触媒の存在下、トリクロロフルオロメタンと1,1−ジフルオロエチレンを接触させる、HCFC−233fbの製造方法。好ましくは、該触媒が、ルイス酸触媒であるHCFC−233fbの製造方法。より好ましくは、該ルイス酸触媒が、B、Al、Ga、In、Fe、Ni、Co、Sb、Nb、Sn、Ti、Zr、Hf、W及びTaから選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲン化物又はハロゲン化酸化物であるHCFC−233fbの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法に関する。
1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン(HCFC−233fb)は、機能性材料の原料モノマーおよび合成用中間体として有用なヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)である。本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。
HCFC−233fbは、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1223za)を得るための合成用中間体として、有用である。HCFO−1223zaは、洗浄剤、冷媒、発泡剤、溶剤、エアゾールなどの用途に用いられる化合物である。
HCFC−233fbを得る方法としては、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン(HCFC−253fb)を光照射下に塩素(Cl2)と反応させて、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパン(HCFC−243fa)およびHCFC−233fbを含む混合物を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、HCFC−253fbと塩素の原料混合ガスを、光を照射した反応場に供給し、一定時間滞留させることで、HCFC−253fb中の1つまたは2つの水素原子と、塩素原子との置換反応が起こり、HCFC−243faおよびHCFC−233fbが生成する。
しかしながら、上記した方法において原料として用いるHCFC−253fbは、合成が容易ではなく、合成の際に副生する異性体の蒸留分離が必要であるために、調達が容易とはいえなかった。また、原料に塩素ガスを使用するため、安全面において有利とはいえなかった。さらに、HCFC−233fbの1モルを生成する際に、2モルの塩化水素(HCl)が副生するため、多量の塩化水素の処理が必要となるという課題があった。
本発明は、効率的で、塩素ガスを使用する必要がなく安全性の高い、HCFC−233fbの製造方法の提供を目的とする。
本発明は、触媒の存在下、トリクロロフルオロメタン(CFC−11)と1,1−ジフルオロエチレン(VdF)を接触させて、HCFC−233fbを製造する方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、塩素ガスを使用しないため安全に、HCFC−233fbを効率的に製造することができる。
本発明の製造方法は、CFC−11とVdFとを触媒の存在下で接触させて、HCFC−233fbを製造する方法である。
本発明の製造方法において、CFC−11とVdFを接触させる方法は特に限定されず、例えば、反応器内にCFC−11とVdFを供給することで行うことができる。CFC−11とVdFの接触は液相で行うことが好ましい。また、上記触媒が、ルイス酸触媒であることが好ましい。以下、本発明の製造方法について、CFC−11とVdFの反応を液相で行う例を用いて説明する。
本発明の製造方法は、連続式の製造方法であっても、バッチ式の製造方法であってもよい。連続式の製造方法において、CFC−11とVdFの反応器への供給、反応器内でのCFC−11とVdFの反応およびHCFC−233fbの前記反応器からの取り出しは、いずれも連続的に行われる。
バッチ式の製造方法では、CFC−11とVdFの反応器内への供給は、どちらが先であっても、あるいは同時であってもよい。すなわち、CFC−11とVdFのいずれか一方の供給の際に、反応器内に他方が供給されていない場合でも、先に供給された成分が反応器内に滞留中に、後から供給される成分が供給され、CFC−11とVdFが反応器内で所定の時間接触し、反応すればよい。本発明の製造方法は、製造効率の点で連続式の方法であることが好ましい。
反応器に供給するCFC−11とVdFの割合は、特に限定されず、どのような割合であってもHCFC−233fbが生成する。反応器に供給するCFC−11とVdFの割合は、製造効率の向上の点から、VdF/CFC−11で示されるモル比(以下、「VdF/CFC−11」と称する。)で、0.1〜1.5が好ましく、0.8〜1.5がより好ましく、1.0〜1.1が最も好ましい。VdF/CFC−11を0.1以上とすれば、CFC−11の転化率を向上させて、製造効率を向上させることができる。また、1.5以下であることで、未反応のVdFの量を少なくして、製造効率を向上させることができる。
(原料成分)
本発明の製造方法において、CFC−11とVdFはいずれも公知の方法で製造可能である。また、市販品も入手可能である。
本発明の製造方法において、CFC−11とVdFはいずれも公知の方法で製造可能である。また、市販品も入手可能である。
(ルイス酸触媒)
ルイス酸触媒は、上記式(1)で示すCFC−11とVdFの反応に触媒作用を有する。CFC−11とVdFの接触をルイス酸触媒の存在下に行う場合、CFC−11とVdFの反応は、CFC−11とVdFが供給される反応器に、ルイス酸触媒を供給して行う。
ルイス酸触媒は、上記式(1)で示すCFC−11とVdFの反応に触媒作用を有する。CFC−11とVdFの接触をルイス酸触媒の存在下に行う場合、CFC−11とVdFの反応は、CFC−11とVdFが供給される反応器に、ルイス酸触媒を供給して行う。
具体的には、反応器内にルイス酸触媒を収容し、この反応器に、CFC−11とVdFを供給することで行う。この場合、ルイス酸触媒は、固定床型または流動床型のいずれの形式で収容してもよい。なお、反応器へのルイス酸触媒および原料成分(CFC−11とVdF)の供給の順序は、上記に限定されず、原料成分を収容した反応器にルイス酸触媒を供給してもよく、または原料成分とルイス酸触媒を同時に反応器に供給してもよい。
本発明の製造方法において用いられるルイス酸触媒としては、13族元素(B、Al、Ga、In等)、4族元素(Ti、Zr、Hf等)、5族元素(Nb、Ta等)、鉄族元素(Fe、Co、Ni等)、Sb、SnおよびW(以下、これらの元素を「元素A」という。)から選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲン化物またはハロゲン化酸化物を用いることができる。ルイス酸触媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ルイス酸触媒としては、上記したなかでも、13族、4族および5族元素のハロゲン化物またはハロゲン化酸化物であることがより好ましい。
元素Aのハロゲン化物としては、CFC−11とVdFの反応性を高め、製造効率を向上させる点から、元素Aのうち、B、Al、Ga、In、Fe、Ni、Co、Sb、Nb、Sn、Ti、Zr、Hf、W、Taからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲン化物またはハロゲン化酸化物が好ましい。例えば塩素化物、フッ素化物または塩素化フッ素化物が好ましい。
元素Aのハロゲン化物として、具体的には、BF3、AlCl3、AlClF2、GaCl3、InCl3、FeCl3、NiCl2、CoCl2、SbF5、SbCl2F3、NbCl5、SnCl2、TiCl4、TiCl2F2、ZrCl4、ZrCl2F2、ZrClF3、HfCl4、HfClF3、WCl6、TaCl5等が好ましく用いられる。なかでも、元素Aのハロゲン化物として、Al、Zr、TiおよびHfから選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲン化物であることがより好ましい。
ルイス酸触媒としては、CFC−11とVdFの反応性および目的物の選択性を高める点から、元素Aのハロゲン化物であることがより好ましく、AlCl3、ZrCl4が特に好ましい。
元素Aのハロゲン化酸化物とは、上記元素Aの1種のみの酸化物または上記元素Aのうち2種以上の複合酸化物を、ハロゲン化剤で処理することにより調製したものをいう。上記元素Aの酸化物として具体的には、Al2O3、ZrO2、TiO2、HfO2等が好ましく用いられる。上記元素Aの複合酸化物として具体的には、ZrO2/Al2O3等が好ましく用いられる。上記元素Aの酸化物または複合酸化物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記元素Aが2種以上の金属である場合、ルイス酸触媒はそれらの金属の混合物のハロゲン化物またはハロゲン化酸化物であってもよく、2種以上の元素Aを含む合金のハロゲン化物またはハロゲン化酸化物であってもよい。
上記元素Aの酸化物または複合酸化物を、ハロゲン化剤で処理する方法としては、気相または液相のハロゲン化剤と接触させる方法が挙げられる。ハロゲン化剤としては、例えばCFC−11、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(CFC−113)等のクロロフルオロカーボン(CFC)、ジクロロフルオロメタン(HCFC−21)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)等のヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、塩素、フッ化水素、フッ素等を用いることができる。
元素Aのハロゲン化酸化物の調製条件は、用いる酸化物やハロゲン化剤により適宜変更することができる。ハロゲン化酸化物の調製においては、酸化物または複合酸化物に対して過剰モル量のハロゲン化剤を用いることが好ましい。また、ハロゲン化酸化物のルイス酸触媒の調製温度は、調製を気相で行う場合には、100〜500℃であることが好ましく、200〜450℃がより好ましい。調製温度は、調製を液相で行う場合には、0〜200℃であることが好ましく、20〜120℃がより好ましい。
ルイス酸触媒は、前記元素Aのハロゲン化物またはハロゲン化酸化物以外に、Si、Zn、Mg、Cr、Cu、V、Bi、Moから選ばれる1種以上の元素を含んでいてもよい。この場合、当該元素は、通常、ハロゲン化物またはハロゲン化酸化物として含有される。これらの元素の含有量は、当該元素のハロゲン化物またはハロゲン化酸化物の量として合計量で、ルイス酸触媒の全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。
上記ルイス酸触媒は、反応性向上の観点から、予め活性化処理されていることが好ましい。活性化処理の方法としては、ルイス酸触媒を、気相または液相で活性化処理剤と接触させる方法が挙げられる。活性化処理剤としては、フルオロカーボン類を用いることができる。なかでも、活性化速度が速いことから、CFC−11、HCFC−21等が好ましい。
反応器内のルイス酸触媒は、反応器に収容する前に活性化処理されていてもよいが、操作が簡便で作業効率がよいため、反応器に収容した状態で活性化処理を行うことが好ましい。そのため、原料を供給する前に、ルイス酸触媒を収容した反応器内に活性化処理剤を導入して、活性化処理を行うことが好ましい。
上記反応に用いるルイス酸触媒の量は、反応器に供給されるCFC−11およびVdFの合計100質量部に対して、0.001〜50質量部が好ましく、0.005〜10質量部がより好ましく、0.01〜10質量部が最も好ましい。ルイス酸触媒の量が、0.001質量部未満の場合には反応速度が十分に得られないことがあり、50質量部を超える場合にはルイス酸触媒量が多くなりすぎ、製造効率が低下するおそれがある。
[液相反応]
本発明におけるCFC−11とVdFの反応は通常、液相で行うことが好ましい。反応を液相で行うことで、反応器を小型化することができる。また、反応を液相で行うと、原料混合ガスをあらかじめ調製する必要がないため、反応操作の簡略化が可能である。液相反応は反応溶剤の存在下に実施することが好ましい。
本発明におけるCFC−11とVdFの反応は通常、液相で行うことが好ましい。反応を液相で行うことで、反応器を小型化することができる。また、反応を液相で行うと、原料混合ガスをあらかじめ調製する必要がないため、反応操作の簡略化が可能である。液相反応は反応溶剤の存在下に実施することが好ましい。
(反応溶媒)
本発明の製造方法においては、CFC−11およびVdFの供給される反応器に、反応溶媒を供給してもよい。反応溶媒を用いることで、CFC−11およびVdF、VdFの多付加体の生成等の副反応を抑制することができる。本発明の製造方法における反応溶媒としては、原料成分を溶解することができ、かつ原料成分に対して不活性であって、蒸留等によって目的生成物(HCFC−233fb)との分離が容易な溶媒を、特に限定なく用いることができる。
本発明の製造方法においては、CFC−11およびVdFの供給される反応器に、反応溶媒を供給してもよい。反応溶媒を用いることで、CFC−11およびVdF、VdFの多付加体の生成等の副反応を抑制することができる。本発明の製造方法における反応溶媒としては、原料成分を溶解することができ、かつ原料成分に対して不活性であって、蒸留等によって目的生成物(HCFC−233fb)との分離が容易な溶媒を、特に限定なく用いることができる。
このような反応溶媒として、HFC類、HCFC類、PFC(パーフルオロカーボン)類、具体的には、HCFC−225ca、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロ(−ブチルテトラヒドロフラン)等を使用することができる。なかでも、低コストで、HCFC−233fb(沸点:95℃)と十分な沸点差を有することから、HCFC−225ca(沸点:52℃)好ましい。
また、反応溶媒としてCFC−11を用いることも可能である。反応溶媒としてCFC−11を用いることで、反応初期にVdFとの反応に供給されるCFC−11の量を多くすることができるため、反応効率を向上させることができる。また、HCFC−233fbの精製に際して、工程数を削減することができ、効率のよいHCFC−233fbの製造が可能となる。
また、反応溶媒として、HCFC−233fbを用いることも可能である。これは、HCFC−233fbと、CFC−11およびVdFとの反応性が低いことによる。このため、HCFC−233fbを反応溶媒に用いた場合の収率と、例えば、上記HCFC−225caを反応溶媒として用いた場合の収率との差は小さく、製造上問題にならない程度である。また、HCFC−233fbを溶媒とした場合、反応生成物と反応溶媒との分離精製を行う必要がないことから、工程数が削減され、蒸留によるエネルギー消費を省くことができ、効率のよいHCFC−233fbの製造が可能となる。
反応溶媒としては、CFC−11またはHCFC−233fbを用いることがより好ましく、HCFC−233fbの精製を簡素化する点で、反応溶媒としては、これら以外の化合物を用いないことがさらに好ましい。
また、本発明の製造方法において用いる反応溶媒の量は特に限定されないが、例えば、原料成分(CFC−11およびVdFの合計量)の100質量%に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜50質量%となる量を用いることができる。
CFC−11とVdF反応を連続式で行う本実施形態の製造方法において、反応器へのCFC−11、VdFおよび反応溶媒の供給は別々に行ってもよく、予め混合して行ってもよい。また、連続式の製造方法を採る本実施形態においては、反応器への原料成分の供給量の比、原料成分と反応溶媒の供給量の比は、単位時間当たりの流量の比で表わされる。
(反応器)
CFC−11およびVdFを反応させる反応器としては、形状および構造は特に限定されない。反応器の材質としては、ガラス、鉄、ニッケル、または鉄、ニッケルを主成分とする合金等が挙げられ、これらの中でもステンレス鋼が好ましく用いられる。また、反応器は、温度調節手段を内部に備えていてもよい。
CFC−11およびVdFを反応させる反応器としては、形状および構造は特に限定されない。反応器の材質としては、ガラス、鉄、ニッケル、または鉄、ニッケルを主成分とする合金等が挙げられ、これらの中でもステンレス鋼が好ましく用いられる。また、反応器は、温度調節手段を内部に備えていてもよい。
(反応条件)
反応器内の温度(反応温度)は、−20〜50℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。反応器内の温度が−20℃未満の場合には反応効率が十分に得られないことがある。一方、50℃を超える場合には、加熱量が多くなり、さらに反応器に供給したVdFがCFC−11との反応の前に揮発してしまうため、反応効率が低下することがある。
反応器内の温度(反応温度)は、−20〜50℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。反応器内の温度が−20℃未満の場合には反応効率が十分に得られないことがある。一方、50℃を超える場合には、加熱量が多くなり、さらに反応器に供給したVdFがCFC−11との反応の前に揮発してしまうため、反応効率が低下することがある。
反応器内の圧力は、反応器内の温度によって適宜調節することができる。反応器内の圧力は、上記反応温度条件下で、上記式(1)の反応を液相で行い得る圧力とすることが好ましい。例えば、反応器内の温度が−20〜50℃の場合には、反応器内を加圧せずに、上記反応を常圧で行ってもよく、反応器内を0.1〜0.9MPaに加圧してもよい。なお、本明細書において特に断らない限り、反応器内の圧力は、反応器内の最大圧力であり、ゲージ圧で示す。
(反応生成物)
本発明の製造方法における上記CFC−11とVdFの反応においては、HCFC−233fbを含む反応粗液を反応生成物として得る。反応粗液に含有されるHCFC−233fb以外の化合物としては、未反応原料であるCFC−11およびVdFに加えて、四塩化炭素(PCC−10)、CFC−12、クロロトリフルオロメタン(CFC−13)、HCFC−1223za、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロピン等が挙げられる。
本発明の製造方法における上記CFC−11とVdFの反応においては、HCFC−233fbを含む反応粗液を反応生成物として得る。反応粗液に含有されるHCFC−233fb以外の化合物としては、未反応原料であるCFC−11およびVdFに加えて、四塩化炭素(PCC−10)、CFC−12、クロロトリフルオロメタン(CFC−13)、HCFC−1223za、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロピン等が挙げられる。
反応粗液に含まれる、HCFC−233fb以外の上記成分は、蒸留等の既知の手段により、望まれる程度に除去することができる。また、反応粗液から、蒸留等によってHCFC−233fbを分離して、未反応のCFC−11とVdFを、原料の一部として反応器に戻す(リサイクル)ことができる。これにより、HCFC−233fbの製造効率をより向上させることができる。
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[分析条件]
組成分析はガスクロマトグラム(GC)を用いた。カラムはDB−1301(長さ60m×内径250μm×厚み1μm、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。
組成分析はガスクロマトグラム(GC)を用いた。カラムはDB−1301(長さ60m×内径250μm×厚み1μm、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いた。
[ルイス酸触媒の調製例]
圧力計を備えた1リットルのSUS316製オートクレーブにZrCl4の100g(0.43モル)を加え、オートクレーブ内の気相部を真空ポンプで−0.1MPaまで減圧した。反応器の内温を−5℃に冷やした後、HCFC−21の104g(1.01モル)を加えて圧力変動がなくなるまで攪拌した。容器内部の残存ガスを空放により排出し、さらに内部に残存する液相部を減圧下除去し、HCFC−21活性化ZrCl4の96.6gを得た。
圧力計を備えた1リットルのSUS316製オートクレーブにZrCl4の100g(0.43モル)を加え、オートクレーブ内の気相部を真空ポンプで−0.1MPaまで減圧した。反応器の内温を−5℃に冷やした後、HCFC−21の104g(1.01モル)を加えて圧力変動がなくなるまで攪拌した。容器内部の残存ガスを空放により排出し、さらに内部に残存する液相部を減圧下除去し、HCFC−21活性化ZrCl4の96.6gを得た。
[実施例1]
反応器として、圧力計を備えた200ミリリットルのSUS316製オートクレーブを用いた。この反応器内にルイス酸触媒であるAlCl3の4.95g(0.021モル)を収容し、反応器内の気相部を真空ポンプで−0.1MPaまで減圧した。反応器の内温を5℃に冷却し、その後、CFC−11の95.48g(0.70モル)を加えて攪拌を開始し、3時間かけて5℃から30℃に昇温することで、AlCl3を活性化した。
反応器として、圧力計を備えた200ミリリットルのSUS316製オートクレーブを用いた。この反応器内にルイス酸触媒であるAlCl3の4.95g(0.021モル)を収容し、反応器内の気相部を真空ポンプで−0.1MPaまで減圧した。反応器の内温を5℃に冷却し、その後、CFC−11の95.48g(0.70モル)を加えて攪拌を開始し、3時間かけて5℃から30℃に昇温することで、AlCl3を活性化した。
その後、反応器の内温(実測値)を30℃に維持し、CFC−11の液相部に、VdFを14.93g/hの流量で断続的に加え、反応を行った。この際、VdFの供給圧を0.2MPaとして、VdFを加えた後、VdFの逆流防止のため、反応器の内圧が下がったのを確認し、その後再度VdFを加える動作を繰り返し行った。このときの反応器の内圧(実測値)の最大値は、0.20MPaであった。CFC−11と等モル量のVdFを加えた後、攪拌を停止した。VdF供給量は44.79gであった。
反応器内の反応粗液を加圧ろ過機でろ過し、反応粗液59.03gを回収した。反応粗液の組成(モル%)を、上記GCを用いて分析した。結果を反応条件とともに表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、ルイス酸触媒の種類をZrCl4に変更し、その4.81gを用いた以外は実施例1と同様の条件および操作で反応を行った。CFC−11とVdFの反応の際の、反応器の内圧(実測値)の最大値は、0.18MPaであった。反応後の反応器内の反応粗液を加圧ろ過機でろ過して回収した。反応粗液の回収量は、55.45gであった。回収した反応粗液の組成(モル%)を、上記GCを用いて分析した。結果を反応条件とともに表1に示す。VdF供給量は45.53gであった。
実施例1において、ルイス酸触媒の種類をZrCl4に変更し、その4.81gを用いた以外は実施例1と同様の条件および操作で反応を行った。CFC−11とVdFの反応の際の、反応器の内圧(実測値)の最大値は、0.18MPaであった。反応後の反応器内の反応粗液を加圧ろ過機でろ過して回収した。反応粗液の回収量は、55.45gであった。回収した反応粗液の組成(モル%)を、上記GCを用いて分析した。結果を反応条件とともに表1に示す。VdF供給量は45.53gであった。
[実施例3]
実施例1において、ルイス酸触媒の種類を上記調製例で調製したルイス酸触媒(HCFC−21活性化ZrCl4)に変更し、4.12gを反応器に収容した。また、反応器内にCFC−11を99.56g供給し、さらに反応溶媒として1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HCFC−225ca)を34.16g(0.17モル)、加えた。その後、反応器の内温(実測値)を0℃に維持し、CFC−11の液相部に、VdFを2.47g/hの流量で断続的に加え、VdF/CFC−11モル比が0.09となる量のVdFを反応器に供給した後、VdFの供給を停止した。VdF供給量は4.12gであった。その他は実施例1と同様の条件および操作で反応を行った。CFC−11とVdFの反応の際の、反応器の内圧(実測値)の最大値は、0.20MPaであった。
実施例1において、ルイス酸触媒の種類を上記調製例で調製したルイス酸触媒(HCFC−21活性化ZrCl4)に変更し、4.12gを反応器に収容した。また、反応器内にCFC−11を99.56g供給し、さらに反応溶媒として1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HCFC−225ca)を34.16g(0.17モル)、加えた。その後、反応器の内温(実測値)を0℃に維持し、CFC−11の液相部に、VdFを2.47g/hの流量で断続的に加え、VdF/CFC−11モル比が0.09となる量のVdFを反応器に供給した後、VdFの供給を停止した。VdF供給量は4.12gであった。その他は実施例1と同様の条件および操作で反応を行った。CFC−11とVdFの反応の際の、反応器の内圧(実測値)の最大値は、0.20MPaであった。
反応後の反応器内の反応粗液を加圧ろ過機でろ過して回収した。反応粗液の回収量は、84.93gであった。反応粗液の組成(モル%)を、上記GCを用いて分析した。分析結果から、反応粗液に含まれる成分のうち、反応に関与しない反応溶媒(HCFC−225ca)を除いた成分の合計を100モル%として、各成分の組成を算出した。結果を反応条件とともに表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、ルイス酸触媒であるAlCl3の量を1.22g、反応器内へのCFC−11供給量を105.73gに変更した。さらに、反応器内のCFC−11に、反応溶媒としてHCFC−225caを32.36g(0.16モル)を加えた。その後、反応器の内温(実測値)を40℃に維持し、CFC−11の液相部に、VdFを4.17g/hの流量で断続的に加え、反応を行った。VdFを、VdF/CFC−11モル比が0.10となる量まで加えた後、VdFの供給を停止した。その他は実施例1と同様の条件および操作で反応を行った。CFC−11とVdFの反応の際の、反応器の内圧(実測値)の最大値は、0.32MPaであった。VdF供給量は5.14gであった。
実施例1において、ルイス酸触媒であるAlCl3の量を1.22g、反応器内へのCFC−11供給量を105.73gに変更した。さらに、反応器内のCFC−11に、反応溶媒としてHCFC−225caを32.36g(0.16モル)を加えた。その後、反応器の内温(実測値)を40℃に維持し、CFC−11の液相部に、VdFを4.17g/hの流量で断続的に加え、反応を行った。VdFを、VdF/CFC−11モル比が0.10となる量まで加えた後、VdFの供給を停止した。その他は実施例1と同様の条件および操作で反応を行った。CFC−11とVdFの反応の際の、反応器の内圧(実測値)の最大値は、0.32MPaであった。VdF供給量は5.14gであった。
反応後の反応器内の反応粗液を加圧ろ過機でろ過して回収した。反応粗液の回収量は89.58gであった。反応粗液の組成(モル%)を、上記GCを用いて分析した。分析結果から、反応粗液に含まれる成分のうち、反応に関与しない反応溶媒(HCFC−225ca)を除いた成分の合計を100モル%として、各成分の組成を算出した。結果を反応条件とともに表1に示す。
表1に示すように、CFC−11とVdfを反応させることで、HCFC−233fbを製造できたことが分かる。
Claims (5)
- 触媒の存在下、トリクロロフルオロメタンと1,1−ジフルオロエチレンを接触させることを特徴とする、1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法。
- 前記触媒が、ルイス酸触媒である請求項1に記載の1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法。
- 前記ルイス酸触媒が、B、Al、Ga、In、Fe、Ni、Co、Sb、Nb、Sn、Ti、Zr、Hf、WおよびTaからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲン化物またはハロゲン化酸化物である請求項2に記載の1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法。
- 前記ルイス酸触媒が、Al、Zr、TiおよびHfからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲン化物である請求項2または3に記載の1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法。
- 前記接触を液相で行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014208685A JP2016079100A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014208685A JP2016079100A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016079100A true JP2016079100A (ja) | 2016-05-16 |
Family
ID=55955874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014208685A Pending JP2016079100A (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016079100A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107434759A (zh) * | 2016-05-25 | 2017-12-05 | 浙江省化工研究院有限公司 | 一种制备1,1,3,3,3-五氟丙烯的方法 |
WO2020218336A1 (ja) * | 2019-04-25 | 2020-10-29 | Agc株式会社 | ハイドロクロロフルオロカーボンの製造方法、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法、1-クロロ-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテンの製造方法 |
-
2014
- 2014-10-10 JP JP2014208685A patent/JP2016079100A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107434759A (zh) * | 2016-05-25 | 2017-12-05 | 浙江省化工研究院有限公司 | 一种制备1,1,3,3,3-五氟丙烯的方法 |
CN107434759B (zh) * | 2016-05-25 | 2019-12-13 | 浙江省化工研究院有限公司 | 一种制备1,1,3,3,3-五氟丙烯的方法 |
WO2020218336A1 (ja) * | 2019-04-25 | 2020-10-29 | Agc株式会社 | ハイドロクロロフルオロカーボンの製造方法、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法、1-クロロ-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテンの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6673395B2 (ja) | 1,2−ジフルオロエチレン及び/又は1,1,2−トリフルオロエタンの製造方法 | |
JP5926488B2 (ja) | フッ素化されたオレフィンを生成するための方法 | |
JP5704264B2 (ja) | 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 | |
JP6687780B2 (ja) | 2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを脱塩化水素化するための触媒 | |
CN102282114B (zh) | 1,1,3,3-四氟丙烯的异构化 | |
JP2018115195A (ja) | HFC−245faからHFO trans−1234zeを生産するための方法 | |
US20080207962A1 (en) | Compositions containing chromium, oxygen, and at least two modifier metals selected the group consisting of gold, silver, and palladium, their preparation, and their use as catalysts and catalyst precursors | |
EP2678300B1 (en) | Catalytic dehydrochlorination of hydrochlorofluorocarbons | |
JP6763431B2 (ja) | 1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレンの製造方法 | |
JP2015501800A (ja) | ヒドロフルオロオレフィンを製造するための方法 | |
JP2011190272A (ja) | 1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するためのプロセス | |
JP2014500858A (ja) | 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 | |
JP2014532046A (ja) | 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 | |
JP2017014160A (ja) | 1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 | |
US9676688B2 (en) | Method for producing 1,1-dichloro-3,3,3-trifluoropropane | |
JP2013151532A (ja) | フッ素化有機化合物の製造方法 | |
KR20150130330A (ko) | 단계식 불화 방법 및 반응기 시스템 | |
EP3705468B1 (en) | Azeotropic or near-azeotropic compositions of hf and 253fb | |
JP2016079100A (ja) | 1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法 | |
KR101928224B1 (ko) | 클로로프로펜의 제조 방법 및 2,3,3,3-테트라플루오로프로펜의 제조 방법 | |
EP2970056B1 (en) | Process for the manufacture of fluorinated olefins | |
JP2016079099A (ja) | 1,1,1−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロパンの製造方法 | |
JP2017122063A (ja) | 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 | |
JP2016006110A (ja) | 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 | |
CN115803308A (zh) | 1-氯-2,3,3-三氟丙烯的制造方法 |