本発明は、車両が停車した際に、車両後方の安全を確保するために車両後方へ向けて停車状態を表示するための三角停止表示器に関する。
従来、この種の三角停止表示器としては、マグネットシートにプラスチック製のシートが貼り合わされ三角形を表示するLEDが配置されて、複数の着脱可能な吸盤により着脱可能に構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、後部ドアやトランクの内側に設置され、三角形を表示する発光体が設けられたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
登録実用新案第3167213号公報
特開2004−203196号公報
しかしながら、上述の特許文献1の構成では、停車した際に運転手等が車両から一旦降車して車体の後部に設置する必要があるため、設置作業が煩雑であり、そもそも車両から一旦降車する行為自体が危険である。
また、特許文献2の構成では、後部ドアやトランクを開ける必要があるため、作業が煩雑であるとともに、特許文献1と同様に車両から一旦降車する必要があるため、危険である。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、安全かつ簡単に停止を示す三角形を表示できる三角停止表示器を提供することを目的とする。
請求項1に記載された三角停止表示器は、車両のリアガラスに設置され、停車の際に車両後方へ向けて停車状態を示す三角形を表示するための三角停止表示器であって、一方面側から他方面側が視認可能な板状の基板と、この基板を前記リアガラスに固定する固定手段と、前記基板の周縁部における周縁面に沿って配設されたLEDモジュールと、このLEDモジュールに電力を供給する電力供給手段と、前記LEDモジュールを覆うように前記周縁部に取り付けられ前記LEDモジュールの光の進行方向を前記基板の中心部側へ制限する遮光部材と、前記基板において前記周縁部より中心部側に位置し平面視で三角形状に形成された少なくとも1つの溝部と、この溝部の側面の少なくとも一部が着色され前記LEDモジュールからの光を前記車両の後方側へ反射可能な着色反射部とを具備するものである。
請求項2に記載された三角表示停止器は、請求項1記載の三角表示停止器において、基板は、周縁面が着色された着色部を有し、LEDモジュールで発光した光は、前記着色部を介してこの着色部の色の光として前記基板の中心部側へ進行するものである。
本発明によれば、一方面側から他方面側が視認可能な基板が用いられ、溝部に着色反射部が設けられたことにより、LEDモジュールの光を着色反射部にて反射させて着色反射部の色の三角形を表示できるため、予めリアガラスに設置されていても発光モジュールを発光させなければ後方を視認でき、運転の妨げになりにくい。そのため、予め車両のリアガラスに設置でき、停車した際に発光モジュールを発光させればよいので、安全かつ簡単に停車を示す三角形を表示できる。
本発明の一実施の形態に係る三角停止表示器の構成を示す平面図である。
同上三角停止表示器を示す側面図である。
同上三角停止表示器の一部を拡大した断面図である。
以下、本発明の一実施の形態の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2において、1は三角停止表示器であり、この三角停止表示器1は、車両のリアガラスに設置されて、例えば車両が緊急で停車した際等に、後続車両の追突等を防止して車両後方の安全を確保するため、車両後方へ向けて停車状態を示す三角形を表示するものである。
三角停止表示器1は、板状の基板2を備えている。この基板2は、図1に示す平面視で略三角形状である。また、基板2は、車両の進行方向の前方側である一方面3側から車両の進行方向の後方側である他方面4側が視認可能なように透明である。このような基板2の材料としては、例えばアクリル樹脂等のプラスチックのように透明性が良好で、耐衝撃性や耐候性に優れた材料が用いられることが好ましい。
基板2の各角部の近傍には、基板2をリアガラスに固定するための固定手段としての吸盤5が取り付けられている。これら吸盤5は、吸着面が車両の進行方向の後方側に位置するように基板2に取り付けられている。そして、各吸盤5をリアガラスの車内側の面に吸着させることにより、車内において三角停止表示器1がリアガラスに設置される。
図3に示すように、基板2は、周縁部における周縁面6が例えば赤色に着色された着色部7を有する。この着色部7は、基板2の周縁面6に沿って1周するように連続して配設されている。また、基板2の周縁部には、着色部7の外側にLEDモジュール8が周縁面6に沿って1周するように配設されている。すなわち、LEDモジュール8と基板2の周縁面6との間に着色部7が設けられ、基板の周縁部にて着色部7とLEDモジュール8とが対向するように配置されている。
さらに、基板2の周縁部には、着色部7およびLEDモジュール8を覆うように遮光部材9が取り付けられている。
LEDモジュール8は、複数のLEDを直列に接続して構成されている。また、LEDモジュール8には、LEDを発光させるために電力を供給する電力供給手段11が接続されている。この電力供給手段11は、一端がLEDモジュール8に接続されたコード部材12を有している。このコード部材12は、例えば図示しない電力変換装置およびシガープラグ等を介して電源部材としてのシガーソケットに接続されている。なお、電力供給手段11は、シガーソケットへのシガープラグの挿脱により、電力供給の有無を切り替える構成でも、シガープラグを予めシガーソケットに接続しておき切り替えスイッチにより電力供給の有無を切り替える構成でもよい。
遮光部材9は、例えば合成樹脂等のようにLEDの光が透過しないような遮光性を有しかつ可撓性を有する材料にて、図3に示す断面視で略コ字状に形成されている。より具体的には、遮光部材9は、コ字状の先端部間の寸法が基板2の厚みよりやや短く構成され、コ字状の基端部の幅寸法は基板2の厚みと同等に構成され、基端部から先端部へ向けてやや細くなるコ字状に形成されている。
そして、遮光部材9は、コ字状の先端部間を離間させるように弾性変形させた状態で、着色部7およびLEDモジュール8を外側から覆うように基板2の周縁部に嵌め込まれ、先端部間の復元力により周縁部を把持するように取り付けられた状態が保持される。
このように遮光部材9が取り付けられた状態では、遮光部材9は、基板2の周縁部の一方面3側から他方面4側に渡って配置されることで、基板2の周縁部にLEDモジュール8を固定するとともに、LEDモジュール8の三方向を覆ってLEDモジュール8から発光した光の進行方向を基板2の中心側への1方向に制限する。
ここで、基板2の周縁部より中心部側には、平面視で三角形状の複数、例えば5つの溝部13,14,15,16,17が形成されている。
溝部13,14,15,16,17は、基板2の他方面4から一方面3側へ凹状に形成されており、基板2の周縁部側に位置する側面である一側面18と、基板2の中心部側に位置する側面である他側面19と、底面20とを有している。
溝部13,14,15,16,17のうちの最も周縁部側に位置する溝部13は、一側面18が例えば赤色に着色されて着色反射部21が形成されている。
この着色反射部21は、平面視で溝部13に沿って三角形状に連続して配設され、基板2を通って進行してきたLEDモジュール8の光を赤色の光として基板2の他方面4側へ、すなわち車両の進行方向の後方へ反射可能である。
次に、上記一実施の形態の作用および効果を説明する。
三角停止表示器1を予めリアガラスに設置した車両が、例えば緊急で停車した際には、まず、電力供給手段11をシガーソケットに接続して、LEDモジュール8に電力が供給された電力供給状態にする。
電力供給状態では、LEDモジュール8が発光する。このLEDモジュール8の光は、遮光部材9により光の進行方向が基板2の中心部側へ制限される。
進行方向が基板2の中心部側へ制限されたLEDモジュール8の光は、着色部7を透過して赤色の光となり、透明な基板2中を中心部へ向かって進行する。
基板2の中心部へ向かって進行する光は、一部が溝部13に設けられた着色反射部21で、車両の進行方向の後方へ赤色の光として反射される。
また、基板2の中心部へ向かって進行する光のうち溝部13で反射されなかった光は、溝部14,15,16,17で順次反射される。
そして、各溝部13,14,15,16,17で反射された光は、外側から内側へ向かって赤色が薄くなるグラデーション状の三角形を構成し、この三角形が車両の後方側から目視可能である。
上記三角停止表示器1によれば、一方面3側から他方面4側へ視認可能な基板2が用いられ、溝部13に着色反射部21が設けられたことにより、LEDモジュール8の光を着色反射部21に反射させて溝部13,14,15,16,17に沿って着色反射部21の色(赤色)の三角形を表示できる。そのため、運転中等の通常時において、LEDモジュール8を発光させなければ基板2を介して車両の後方を目視で確認でき運転中の後方確認の妨げになりにくい。したがって、予め車両のリアガラスに設置した状態で運転でき、例えば緊急時等に停車した際に電力供給手段11の電力供給状態を切り替えてLEDモジュール8を発光させ三角形を表示すればよいので、上記特許文献1および特許文献2のように停車した際に車両の外に出ることなく、安全かつ簡単に停車を示す三角形を表示できる。
また、LEDモジュール8の光を溝部13,14,15,16,17で反射させて三角形を表示する構成であるため、基板2の周縁面6を1周するようにLEDモジュール8を設けるだけでよいので、例えばLEDモジュール8を三角形状に何重にも配置する必要がなく、LEDモジュール8のコストを抑えることができる。
基板2が着色部7を有することにより、LEDモジュール8の光を着色部7の色、例えば赤色の光として基板2の中心部側へ進行できるため、より明確に停車を示す三角形を表示できる。
また、基板2が着色部7を有することにより、いわゆる自然光(白色光)に発光するLEDモジュール8を用いた場合であっても、LEDモジュール8の光を着色部7の色の光として基板2の中心部側へ進行できる。
基板2の最も周縁部側に位置する溝部13において周縁部側の一側面18に着色反射部21を設けることにより、LEDモジュール8の光を反射する際に着色反射部21の色を反射光に反映しやすいため、明瞭に三角形を表示できる。
電力供給手段11の電源部材としてシガーソケットを利用することにより、三角停止表示器1を車両に後付けしやすいため、様々な車両に適用しやすい。
なお、上記一実施の形態では、三角停止表示器1を車両のリアガラスの車内側の面に設置する構成としたが、このような構成には限定されず、例えばリアガラスの車外側の面に設置する構成にしてもよい。
基板2は、平面視で三角形状の構成としたが、このような構成に限定されず、周縁部に設けられたLEDモジュール8から中心側へ光を透過できる構成であれば、例えば平面視で四角形状や円形状等のように適宜設計可能である。
また、基板2は、一方面3側から他方面4側が視認可能であればよく、例えば溝部13,14,15,16,17より中心側が切除されて空洞である構成等にしてもよい。
基板2の周縁面6には、着色部7が設けられた構成としたが、このような構成には限定されず、例えばLEDモジュール8を構成するLEDとして赤色に発光するLEDのようにいわゆる白色ではない色のLEDを用いる場合等には、着色部7が設けられていない構成にしてもよい。
また、着色部7が設けられた構成では、着色部7は、基板2の周縁面6に沿って連続して設けられた構成としたが、このような構成には限定されず、周縁面6に沿って配置されていれば例えば間欠的な構成にしてもよい。
基板2には固定手段としての吸盤5が取り付けられた構成としたが、このような構成には限定されず、固定手段は、三角停止表示器1を車両のリアガラスに固定できるものであればよく、例えば磁石やテープ等から適宜選択できる。
遮光部材9は、全体が遮光性を有する材料で形成された構成には限定されず、LEDモジュール8の光の進行方向を基板2の中心側へ制限できれば、例えば周縁面6近傍に配置される断面視でコ字状の基端部分のみが遮光性を有し先端部分が透明な構成等にしてもよい。このように遮光部材9の先端部分が透明な構成にすることにより、遮光部材9により車両後方の視界が遮られる面積を小さくでき、視認性を向上できる。
溝部13,14,15,16,17は、基板2の他方面4から一方面3側へ凹状に形成された構成としたが、このような構成には限定されず、基板の一方面3から他方面4側へ凹状に形成された構成にしてもよい。
また、溝部13,14,15,16,17は凹状に形成された構成には限定されず、着色反射部21を設けることができ、LEDモジュール8の光を車両の進行方向の後方へ反射できる形状であればよい。
着色反射部21は、赤色に着色された構成には限定されず、例えばLEDが発光する光の色との関係で反射した光が赤色や橙色等となり、停車状態を示す三角形を表示できる構成であればよい。
また、着色反射部21は、溝部13,14,15,16,17のうち最も基板2の周縁部側に位置する溝部13のみに設けられた構成には限定されず、溝部13,14,15,16,17のうちの少なくとも1つに反射着色部7が設けられていればよい。
さらに、着色反射部21は、一側面18に設けられた構成には限定されず、一側面18および他側面19の少なくともいずれかに設けられていればよい。
また、着色反射部21は、一側面18全体に設けられた構成には限定されず、反射光で三角形が表示できれば、例えば一側面18の一部に設けられた構成にしてもよい。
電力供給手段11は、シガーソケットを利用する構成には限定されず、例えば車両内の電源部材等にコード部材12を接続して電力を得る構成にしてもよい。
1 三角停止表示器
2 基板
3 一方面
4 他方面
5 固定手段としての吸盤
6 周縁面
7 着色部
8 LEDモジュール
9 遮光部材
11 電力供給手段
13 溝部
14 溝部
15 溝部
16 溝部
17 溝部
18 側面としての一側面
19 側面としての他側面
21 着色反射部
本発明は、車両が停車した際に、車両後方の安全を確保するために車両後方へ向けて停車状態を表示するための三角停止表示器に関する。
従来、この種の三角停止表示器としては、マグネットシートにプラスチック製のシートが貼り合わされ三角形を表示するLEDが配置されて、複数の着脱可能な吸盤により着脱可能に構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、後部ドアやトランクの内側に設置され、三角形を表示する発光体が設けられたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
登録実用新案第3167213号公報
特開2004−203196号公報
しかしながら、上述の特許文献1の構成では、停車した際に運転手等が車両から一旦降車して車体の後部に設置する必要があるため、設置作業が煩雑であり、そもそも車両から一旦降車する行為自体が危険である。
また、特許文献2の構成では、後部ドアやトランクを開ける必要があるため、作業が煩雑であるとともに、特許文献1と同様に車両から一旦降車する必要があるため、危険である。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、安全かつ簡単に停止を示す三角形を表示できる三角停止表示器を提供することを目的とする。
請求項1に記載された三角停止表示器は、車両のリアガラスに設置され、停車の際に車両後方へ向けて停車状態を示す三角形を表示するための三角停止表示器であって、一方面側から他方面側が視認可能な板状の基板と、この基板を前記リアガラスに固定する固定手段と、前記基板の周縁部における周縁面に沿って配設されたLEDモジュールと、このLEDモジュールに電力を供給する電力供給手段と、前記LEDモジュールを覆うように前記周縁部に取り付けられ前記LEDモジュールの光の進行方向を前記基板の中心部側へ制限する遮光部材と、前記基板において前記周縁部より中心部側に位置し平面視で三角形状に形成され、前記基板の表面に対して略垂直な少なくとも1つの側面を有する少なくとも1つの溝部と、前記側面の少なくとも一部に形成され前記LEDモジュールからの光を前記車両の後方側へ反射可能な着色反射部とを具備するものである。
請求項2に記載された三角表示停止器は、請求項1記載の三角表示停止器において、基板は、周縁面が着色された着色部を有し、LEDモジュールで発光した光は、前記着色部を介してこの着色部の色の光として前記基板の中心部側へ進行するものである。
本発明によれば、一方面側から他方面側が視認可能な基板が用いられ、溝部に着色反射部が設けられたことにより、LEDモジュールの光を着色反射部にて反射させて着色反射部の色の三角形を表示できるため、予めリアガラスに設置されていても発光モジュールを発光させなければ後方を視認でき、運転の妨げになりにくい。そのため、予め車両のリアガラスに設置でき、停車した際に発光モジュールを発光させればよいので、安全かつ簡単に停車を示す三角形を表示できる。
本発明の一実施の形態に係る三角停止表示器の構成を示す平面図である。
同上三角停止表示器を示す側面図である。
同上三角停止表示器の一部を拡大した断面図である。
以下、本発明の一実施の形態の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2において、1は三角停止表示器であり、この三角停止表示器1は、車両のリアガラスに設置されて、例えば車両が緊急で停車した際等に、後続車両の追突等を防止して車両後方の安全を確保するため、車両後方へ向けて停車状態を示す三角形を表示するものである。
三角停止表示器1は、板状の基板2を備えている。この基板2は、図1に示す平面視で略三角形状である。また、基板2は、車両の進行方向の前方側である一方面3側から車両の進行方向の後方側である他方面4側が視認可能なように透明である。このような基板2の材料としては、例えばアクリル樹脂等のプラスチックのように透明性が良好で、耐衝撃性や耐候性に優れた材料が用いられることが好ましい。
基板2の各角部の近傍には、基板2をリアガラスに固定するための固定手段としての吸盤5が取り付けられている。これら吸盤5は、吸着面が車両の進行方向の後方側に位置するように基板2に取り付けられている。そして、各吸盤5をリアガラスの車内側の面に吸着させることにより、車内において三角停止表示器1がリアガラスに設置される。
図3に示すように、基板2は、周縁部における周縁面6が例えば赤色に着色された着色部7を有する。この着色部7は、基板2の周縁面6に沿って1周するように連続して配設されている。また、基板2の周縁部には、着色部7の外側にLEDモジュール8が周縁面6に沿って1周するように配設されている。すなわち、LEDモジュール8と基板2の周縁面6との間に着色部7が設けられ、基板の周縁部にて着色部7とLEDモジュール8とが対向するように配置されている。
さらに、基板2の周縁部には、着色部7およびLEDモジュール8を覆うように遮光部材9が取り付けられている。
LEDモジュール8は、複数のLEDを直列に接続して構成されている。また、LEDモジュール8には、LEDを発光させるために電力を供給する電力供給手段11が接続されている。この電力供給手段11は、一端がLEDモジュール8に接続されたコード部材12を有している。このコード部材12は、例えば図示しない電力変換装置およびシガープラグ等を介して電源部材としてのシガーソケットに接続されている。なお、電力供給手段11は、シガーソケットへのシガープラグの挿脱により、電力供給の有無を切り替える構成でも、シガープラグを予めシガーソケットに接続しておき切り替えスイッチにより電力供給の有無を切り替える構成でもよい。
遮光部材9は、例えば合成樹脂等のようにLEDの光が透過しないような遮光性を有しかつ可撓性を有する材料にて、図3に示す断面視で略コ字状に形成されている。より具体的には、遮光部材9は、コ字状の先端部間の寸法が基板2の厚みよりやや短く構成され、コ字状の基端部の幅寸法は基板2の厚みと同等に構成され、基端部から先端部へ向けてやや細くなるコ字状に形成されている。
そして、遮光部材9は、コ字状の先端部間を離間させるように弾性変形させた状態で、着色部7およびLEDモジュール8を外側から覆うように基板2の周縁部に嵌め込まれ、先端部間の復元力により周縁部を把持するように取り付けられた状態が保持される。
このように遮光部材9が取り付けられた状態では、遮光部材9は、基板2の周縁部の一方面3側から他方面4側に渡って配置されることで、基板2の周縁部にLEDモジュール8を固定するとともに、LEDモジュール8の三方向を覆ってLEDモジュール8から発光した光の進行方向を基板2の中心側への1方向に制限する。
ここで、基板2の周縁部より中心部側には、平面視で三角形状の複数、例えば5つの溝部13,14,15,16,17が形成されている。
溝部13,14,15,16,17は、基板2の他方面4から一方面3側へ凹状に形成されており、基板2の周縁部側に位置し基板2の表面である一方面3および他方面4に対して略垂直な側面である一側面18と、基板2の中心部側に位置し基板2の表面である一方面3および他方面4に対して略垂直な側面である他側面19と、底面20とを有している。
溝部13,14,15,16,17のうちの最も周縁部側に位置する溝部13は、一側面18が例えば赤色に着色されて着色反射部21が形成されている。
この着色反射部21は、平面視で溝部13に沿って三角形状に連続して配設され、基板2を通って進行してきたLEDモジュール8の光を赤色の光として基板2の他方面4側へ、すなわち車両の進行方向の後方へ反射可能である。
次に、上記一実施の形態の作用および効果を説明する。
三角停止表示器1を予めリアガラスに設置した車両が、例えば緊急で停車した際には、まず、電力供給手段11をシガーソケットに接続して、LEDモジュール8に電力が供給された電力供給状態にする。
電力供給状態では、LEDモジュール8が発光する。このLEDモジュール8の光は、遮光部材9により光の進行方向が基板2の中心部側へ制限される。
進行方向が基板2の中心部側へ制限されたLEDモジュール8の光は、着色部7を透過して赤色の光となり、透明な基板2中を中心部へ向かって進行する。
基板2の中心部へ向かって進行する光は、一部が溝部13に設けられた着色反射部21で、車両の進行方向の後方へ赤色の光として反射される。
また、基板2の中心部へ向かって進行する光のうち溝部13で反射されなかった光は、溝部14,15,16,17で順次反射される。
そして、各溝部13,14,15,16,17で反射された光は、外側から内側へ向かって赤色が薄くなるグラデーション状の三角形を構成し、この三角形が車両の後方側から目視可能である。
上記三角停止表示器1によれば、一方面3側から他方面4側へ視認可能な基板2が用いられ、溝部13に着色反射部21が設けられたことにより、LEDモジュール8の光を着色反射部21に反射させて溝部13,14,15,16,17に沿って着色反射部21の色(赤色)の三角形を表示できる。そのため、運転中等の通常時において、LEDモジュール8を発光させなければ基板2を介して車両の後方を目視で確認でき運転中の後方確認の妨げになりにくい。したがって、予め車両のリアガラスに設置した状態で運転でき、例えば緊急時等に停車した際に電力供給手段11の電力供給状態を切り替えてLEDモジュール8を発光させ三角形を表示すればよいので、上記特許文献1および特許文献2のように停車した際に車両の外に出ることなく、安全かつ簡単に停車を示す三角形を表示できる。
また、LEDモジュール8の光を溝部13,14,15,16,17で反射させて三角形を表示する構成であるため、基板2の周縁面6を1周するようにLEDモジュール8を設けるだけでよいので、例えばLEDモジュール8を三角形状に何重にも配置する必要がなく、LEDモジュール8のコストを抑えることができる。
基板2が着色部7を有することにより、LEDモジュール8の光を着色部7の色、例えば赤色の光として基板2の中心部側へ進行できるため、より明確に停車を示す三角形を表示できる。
また、基板2が着色部7を有することにより、いわゆる自然光(白色光)に発光するLEDモジュール8を用いた場合であっても、LEDモジュール8の光を着色部7の色の光として基板2の中心部側へ進行できる。
基板2の最も周縁部側に位置する溝部13において周縁部側の一側面18に着色反射部21を設けることにより、LEDモジュール8の光を反射する際に着色反射部21の色を反射光に反映しやすいため、明瞭に三角形を表示できる。
電力供給手段11の電源部材としてシガーソケットを利用することにより、三角停止表示器1を車両に後付けしやすいため、様々な車両に適用しやすい。
なお、上記一実施の形態では、三角停止表示器1を車両のリアガラスの車内側の面に設置する構成としたが、このような構成には限定されず、例えばリアガラスの車外側の面に設置する構成にしてもよい。
基板2は、平面視で三角形状の構成としたが、このような構成に限定されず、周縁部に設けられたLEDモジュール8から中心側へ光を透過できる構成であれば、例えば平面視で四角形状や円形状等のように適宜設計可能である。
また、基板2は、一方面3側から他方面4側が視認可能であればよく、例えば溝部13,14,15,16,17より中心側が切除されて空洞である構成等にしてもよい。
基板2の周縁面6には、着色部7が設けられた構成としたが、このような構成には限定されず、例えばLEDモジュール8を構成するLEDとして赤色に発光するLEDのようにいわゆる白色ではない色のLEDを用いる場合等には、着色部7が設けられていない構成にしてもよい。
また、着色部7が設けられた構成では、着色部7は、基板2の周縁面6に沿って連続して設けられた構成としたが、このような構成には限定されず、周縁面6に沿って配置されていれば例えば間欠的な構成にしてもよい。
基板2には固定手段としての吸盤5が取り付けられた構成としたが、このような構成には限定されず、固定手段は、三角停止表示器1を車両のリアガラスに固定できるものであればよく、例えば磁石やテープ等から適宜選択できる。
遮光部材9は、全体が遮光性を有する材料で形成された構成には限定されず、LEDモジュール8の光の進行方向を基板2の中心側へ制限できれば、例えば周縁面6近傍に配置される断面視でコ字状の基端部分のみが遮光性を有し先端部分が透明な構成等にしてもよい。このように遮光部材9の先端部分が透明な構成にすることにより、遮光部材9により車両後方の視界が遮られる面積を小さくでき、視認性を向上できる。
溝部13,14,15,16,17は、基板2の他方面4から一方面3側へ凹状に形成された構成としたが、このような構成には限定されず、基板の一方面3から他方面4側へ凹状に形成された構成にしてもよい。
また、溝部13,14,15,16,17は凹状に形成された構成には限定されず、基板2の表面に対して略垂直な側面を有し、この側面に着色反射部21を設けることができ、LEDモジュール8の光を車両の進行方向の後方へ反射できる形状であればよい。
着色反射部21は、赤色に着色された構成には限定されず、例えばLEDが発光する光の色との関係で反射した光が赤色や橙色等となり、停車状態を示す三角形を表示できる構成であればよい。
また、着色反射部21は、溝部13,14,15,16,17のうち最も基板2の周縁部側に位置する溝部13のみに設けられた構成には限定されず、溝部13,14,15,16,17のうちの少なくとも1つに反射着色部7が設けられていればよい。
さらに、着色反射部21は、一側面18に設けられた構成には限定されず、一側面18および他側面19の少なくともいずれかに設けられていればよい。
また、着色反射部21は、一側面18全体に設けられた構成には限定されず、反射光で三角形が表示できれば、例えば一側面18の一部に設けられた構成にしてもよい。
電力供給手段11は、シガーソケットを利用する構成には限定されず、例えば車両内の電源部材等にコード部材12を接続して電力を得る構成にしてもよい。
1 三角停止表示器
2 基板
3 一方面
4 他方面
5 固定手段としての吸盤
6 周縁面
7 着色部
8 LEDモジュール
9 遮光部材
11 電力供給手段
13 溝部
14 溝部
15 溝部
16 溝部
17 溝部
18 側面としての一側面
19 側面としての他側面
21 着色反射部