JP2016078470A - 車両の荷箱マウントブラケット - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡易で、フレーム部材に応力が集中せず、かつ荷箱を確実に支持できる荷箱マウントブラケットを提供すること。
【解決手段】荷箱マウントブラケットは、車両後部の荷箱が載置される上板と、上板の前縁に上端が設けられ、下端部が緩衝部を介して車両のフレーム部材の上面に取り付けられる前板と、上板の後縁に上端が設けられ、下端部が緩衝部を介して前板の下端部より後方のフレーム部材の上面に取り付けられる後板と、前板と後板の少なくとも一方と連続して設けられ、フレーム部材の側面に緩衝部を介して取り付けられる側面取付片と、を備えている。側面取付片は、フレーム部材の側面に対し垂直である。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に荷箱を固定するための、フレーム部材に設けられる荷箱マウントブラケットに関する。
乗員が載るキャビンの後方に荷箱を備えた、いわゆるピックアップトラックと呼ばれる車両がある。ピックアップトラックの荷箱は、車両のフレーム部材に設けられた荷箱マウントブラケットを介して、フレーム部材に取り付けられている。
荷箱マウントブラケットには、荷箱を確実に固定するため、堅牢さと耐久性とが要求されている。例えば、荷箱マウントブラケットは、荷箱が取り付けられる上板の周囲に3カ所から4か所縦板を設け、各縦板の下端部をそれぞれフレーム部材に溶接してフレーム部材に設けられていた。
実開平6−40544号公報 特許第4132346号公報
従来の荷箱マウントブラケットは、構造が複雑で製造やフレーム部材への取り付け作業に手間がかかっていた。又、走行中に車両後方が突き上げられて、車両にいわゆるピッチングが発生すると、荷箱の荷重が前方に偏り、前方に設けられた荷箱マウントブラケットに一時的に大きな荷重がかかることがある。すると、荷箱マウントブラケットの縦板を介して、縦板が取り付けられた溶接部分に応力が集中し、そこに過大な負荷がかかることが考えられる。
一方、荷箱マウントブラケットの縦板の剛性を低下させ、ピッチングによる応力集中が生じないようにすると、車両の左右方向に大きな荷重が発生した場合、その荷重に対して荷箱マウントブラケットが十分に対応できなくなるおそれが考えられる。
本発明は、構成が簡易で、フレーム部材に応力が集中せず、かつ荷箱を確実に支持できる荷箱マウントブラケットを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、荷箱マウントブラケットを次のように構成した。荷箱マウントブラケットは、車両後部の荷箱が載置される上板と、上板の前縁に上端が設けられ、下端部が緩衝部を介して車両のフレーム部材の上面に取り付けられる前板と、上板の後縁に上端が設けられ、下端部が緩衝部を介して前板の下端部より後方のフレーム部材の上面に取り付けられる後板と、前板と後板の少なくとも一方と連続して設けられ、フレーム部材の側面に緩衝部を介して取り付けられる側面取付片と、を備えている。更に、側面取付片は、フレーム部材の側面に対して垂直に取り付けられている。
本発明によれば、構成が簡易で、フレーム部材に応力が集中せず、かつ荷箱を確実に支持できる荷箱マウントブラケットを提供できる。
本発明にかかる一実施形態の荷箱マウントブラケットを備えた車両を示す分解斜視図。 同荷箱マウントブラケットを示す斜視図。 同荷箱マウントブラケットを示す正面図。 同荷箱マウントブラケットを示す側面図。 同荷箱マウントブラケットを示す平面図。 同荷箱マウントブラケットを示す背面図。 同荷箱マウントブラケットを示す部分断面斜視図。 同荷箱マウントブラケットの前湾曲部を示す断面図。 同荷箱マウントブラケットをフレーム部材に取り付けた状態を示す部分断面正面図。 同荷箱マウントブラケットをフレーム部材に取り付けた状態を示す部分断面斜視図。
本発明にかかる一実施形態の荷箱マウントブラケットついて説明する。図1は、一実施形態の荷箱マウントブラケット32をサイドフレーム18に備え、サイドフレーム18から荷箱14を取り外した状態を示す車両10の分解斜視図である。図2は、斜め上方から荷箱マウントブラケット32を示す斜視図である。図3は、正面から荷箱マウントブラケット32を示す正面図である。
図4は、側面から荷箱マウントブラケット32を示す側面図である。図5は、上方から荷箱マウントブラケット32を示す平面図である。図6は、後方から荷箱マウントブラケット32を示す背面図である。
車両10は、図1に示すように、前方にキャビン12を備え、キャビン12の後方に荷箱14を取り付けた、いわゆるピックアップトラックである。以下、車両10の前進方向を前方、その逆を後方とし、それを基準に左右を定め、重力の方向を下方、その逆を上方として説明する。又、車両10の中心に向かう方向を内側、あるいは内方と呼び、その逆を外側あるいは外方と呼ぶ。
車両10の下部には、フレーム部材16が設けられている。フレーム部材16は、車両10の前後方向に沿って設けられた左右2本のサイドフレーム18と、左右のサイドフレーム18の間をつなぐ、幅方向に設けられた複数のクロスメンバ20等から形成されている。フレーム部材16には、エンジン等の駆動機構や前輪22や後輪24等の走行装置が取り付けられている。
キャビン12には、運転席の他、同乗者用の座席が設けられている。キャビン12は、キャブマウントを介してフレーム部材16に取り付けられている。キャブマウントは、弾性部材などを備え、適度な弾性をもってキャビン12を支持している。
荷箱14は、底板部26と、底板部26の周囲を囲うように設けられた側板部28やリヤフェンダ30等を備えている。フレーム部材16には、本実施形態にかかる荷箱マウントブラケット32を含め第1から第4までの4つの荷箱マウントブラケットが左右に一対設けられている。荷箱14は、これら荷箱マウントブラケットを介してフレーム部材16に取り付けられている。
左右のサイドフレーム18のそれぞれには、第1ブラケットとしての荷箱マウントブラケット32の後方に、第2ブラケット34から第4ブラケット38まで適度な間隔をあけて順に設けられている。第2ブラケット34から第4ブラケット38は、従来と同様の構成を有する荷箱マウントブラケットである。
図2に、荷箱マウントブラケット32を示す。荷箱マウントブラケット32は、左側のサイドフレーム18に取り付けられている。荷箱マウントブラケット32は、4つの荷箱マウントブラケットの最も前位置に設けられている、第1ブラケットである。
尚、右側のサイドフレーム18に取り付けられている荷箱マウントブラケットは、車両10の中心を挟んで左側のサイドフレーム18に取り付けられている荷箱マウントブラケットとほぼ左右対称の構成であり、説明は省略する。又、荷箱マウントブラケットという場合、荷箱マウントブラケット32を単体で指す他、荷箱マウントブラケット32と第2ブラケット34と第3ブラケット36と第4ブラケット38とを含めた全体を指す場合がある。
荷箱マウントブラケット32は、図2に示すように、上板40と、上板40の前方に設けられた前板42と、上板40の後方に設けられた後板44と、前板42に設けられた前側面取付片46と、後板44に設けられた後側面取付片48とを備えている。
荷箱マウントブラケット32は、所定の厚みを有する金属板に、基本的にプレスによる打ち抜きと曲げ加工を施して形成されている。尚、荷箱マウントブラケット32の加工方法はこれに限るものではなく、他の加工方法を用いてもよい。
上板40は、図5に示すように、上面視矩形形状で、車両10の幅方向に細長く形成してある。上板40は、平板状で、荷箱マウントブラケット32が図1に示すようにサイドフレーム18に取り付けられた状態では、車両10の水平面(前輪22と後輪24が接地する面と平行な面)と基本的に平行に配置される。
上板40には、ボルト孔50と位置決め孔52が設けられている。ボルト孔50には、荷箱14を固定するボルト51が通される。位置決め孔52には、荷箱14に形成された位置決め用の凸部54が挿し入れられる(いずれも図9参照)。尚、左側の位置決め孔52は、長円形に形成してあり、凸部54に対して若干隙間を備えている。
前板42は、上板40の前方、つまり、請求項でいう上板40の前縁41に上板40に連続して設けられている。前板42と上板40とは、図4に示すように前縁41でほぼ直角の角度に屈曲した形で形成されている。
前板42は、図3に示すように右側の右側端縁42a(図3に示す正面視では左側に位置している)が、上板40の右上端縁40aから下方に下がるにしたがい左側に湾曲している。前板42の左側の左側端縁42bは、上板40の左上端縁40bから直線状に下がり、前側面取付片46に連続している。
前側面取付片46は、前板42の左下方に、前板42の左側端縁42bより外側にずらした位置に設けられている。又、前側面取付片46は、図4に示すように前板42から角度α前方向に屈曲している。
前板42の下方には、図2等に示すように前湾曲部56が形成してある。前湾曲部56は、図7に示すように前板42の下端部が前方向に突出するように形成されている。図8に、前湾曲部56を前後方向に沿った縦断面F8で破断した断面図を示す。前湾曲部56は、左右方向に設定した中心軸D1を中心としたほぼ円弧状に湾曲形成されている。前湾曲部56は、前方部分がサイドフレーム18の上面19に溶接されており、その溶接部分から円弧状に立ち上がって、前板42に連続している。図7、図8の×印は、前湾曲部56や前側面湾曲部58とサイドフレーム18との溶接部分を示す。
前側面取付片46の右側方には、前側面湾曲部58が形成されている。前側面湾曲部58は、図7に示すように前側面取付片46の右側端縁46aが前方向に突出するように形成されている。前側面湾曲部58は、図7で前後方向に沿った横断面Fで破断して示すように、ほぼ上下方向に設定した中心軸D2を中心とした円弧状に湾曲形成されている。前側面湾曲部58は、図8に示す前湾曲部56とほぼ同様にして、前方部分がサイドフレーム18の側面21に溶接されており、その溶接部分から中心軸D2を中心として円弧状に立ち上がって、前側面取付片46に連続している。
前湾曲部56と前側面湾曲部58とは、前湾曲部56と前側面湾曲部58とが有する湾曲形状とほぼ同一形状の湾曲形状で連続して形成されている。かつ、前湾曲部56と前側面湾曲部58とのそれぞれの先端縁56a、58aは、サイドフレーム18の上部左側の角部Aの形状に沿った形状に形成されている。前湾曲部56と前側面湾曲部58は、請求項でいう緩衝部である。
後板44は、図4に示すように上板40の後方に上板40に連続して設けられている。後板44は、前板42の長さより長さが短く、請求項でいう上板40の後縁43に、上板40から角度γ後方に屈曲した形で設けられている。
後板44は、図6に示すように右側の右側端縁44aが、上板40の右上端縁40aから下方に下がるにしたがい左側に湾曲する形状を有している。又、後板44の左側の左側端縁44bは、上板40の左上端縁40bから直線状に下がり、後側面取付片48に連続している。
後側面取付片48は、後板44の左下方に、後板44の左側端縁44bより外側にずらした位置に設けられている。又、後側面取付片48は、図4に示すように後板44から角度β後方に屈曲している。
後板44の下方には、図2等に示すように後湾曲部60が形成してある。後湾曲部60は、後板44の下端部が後方向に突出するように形成されている。後湾曲部60は、図8に示す前湾曲部56と同様、前後方向に沿った縦断面で、左右方向に設定した中心軸を中心とした円弧状に湾曲形成されている。そして、後湾曲部60は、後方部分がサイドフレーム18の上面19に溶接されており、その溶接部分から円弧状に立ち上がって、後板44に連続している。
後側面取付片48の右側方には、後側面湾曲部62が形成されている。後側面湾曲部62は、後側面取付片48の右側端縁48aが後方向に突出するように形成されている。後側面湾曲部62は、前側面湾曲部58と同様、前後方向に沿った横断面で、ほぼ上下方向に設定した中心軸を中心にして円弧状に湾曲形成されている。そして、後側面湾曲部62は、後方部分がサイドフレーム18の側面21に溶接されており、その溶接部分から円弧状に立ち上がって、後側面取付片48に連続している。
後湾曲部60と後側面湾曲部62とは、後湾曲部60と後側面湾曲部62とが有する湾曲形状とほぼ同一形状の湾曲形状で連続して形成されている。かつ、後湾曲部60と後側面湾曲部62とのそれぞれの先端縁60a、62aは、サイドフレーム18の上部左側の角部Aの形状に沿った曲率で形成され、角部Aに沿って溶接されている。後湾曲部60と後側面湾曲部62は、請求項でいう緩衝部である。
次に、荷箱マウントブラケット32について、荷箱マウントブラケット32がサイドフレーム18に取り付けられたときの荷箱マウントブラケット32とサイドフレーム18との位置関係、及び各部の作用等について説明する。
図9は、荷箱マウントブラケット32をサイドフレーム18に取り付けた状態の正面図である。サイドフレーム18の前方には、図1に示すようにキャビン12が取り付けられている。サイドフレーム18は、キャビン12の後方で若干上方に湾曲し、湾曲した箇所に、後輪24が配置される。荷箱マウントブラケット32は、サイドフレーム18が上方に湾曲している個所の途中の傾斜部分に取り付けられている。
サイドフレーム18に取り付けられた荷箱マウントブラケット32は、上板40が、車両10の水平面と平行に設定されている。前板42は、上板40と垂直に屈曲し、車両10の水平面に対して垂直にサイドフレーム18に取り付けられている。車両10の水平面とは、車両10を水平な床面上に前輪22と後輪24で配置したとき、床面と平行な平面である。
前板42は、図10にも示すように、前湾曲部56の先端縁56aがサイドフレーム18の上面19に接し、サイドフレーム18の上面19に接した前湾曲部56の先端縁56aが、前湾曲部56に沿ってサイドフレーム18の上面19に溶接されている。したがって、前板42は、湾曲した前湾曲部56を介して、サイドフレーム18の上面19に固着されている。前板42と上板40とはほぼ直角の角度で交わっているので、前板42は、上板40の前縁41の直下より若干前方の位置でサイドフレーム18の上面19と接合されている。
前側面取付片46は、サイドフレーム18の車両左側(外方)の側面21に取り付けられている。前側面取付片46は、前板42と同様、前側面湾曲部58の先端縁58aがサイドフレーム18の側面21に接し、側面21に接している前側面湾曲部58の先端縁58aとサイドフレーム18の側面21とが溶接により固着されている。
又、前湾曲部56と前側面湾曲部58とを連結している連結部分の湾曲部も、その先端縁がサイドフレーム18の角部Aの湾曲に沿って溶接により固着されている。したがって、前湾曲部56と前側面湾曲部58とは、それぞれの先端縁56a、58aによりサイドフレーム18に連続して固着されている。
後板44は、図10に示すように上板40から斜め後方下方に傾斜した状態でサイドフレーム18に取り付けられている。後板44は、前板42と同様に、後湾曲部60の先端縁60aがサイドフレーム18の上面19に接し、サイドフレーム18の上面19に接した後湾曲部60の先端縁60aが、後湾曲部60に沿ってサイドフレーム18に溶接されている。したがって、後板44は、湾曲した後湾曲部60を介して、サイドフレーム18の上面19に固着されている。後板44と上板40とは、直角以上の角度(後方に角度γ傾斜)を有しており、後板44の下端部は、上板40の後縁43の直下の位置より所定距離後方に下がった位置でサイドフレーム18に接合している。
後側面取付片48は、サイドフレーム18の車両左側(外方)の側面21に取り付けられている。後側面取付片48は、後板44と同様、後側面湾曲部62の先端縁62aがサイドフレーム18の側面21に接し、側面21に接している後側面湾曲部62の先端縁62aとサイドフレーム18の側面21とが溶接により固着されている。
又、後湾曲部60と後側面湾曲部62とを連結している連結部分の湾曲部も、その先端縁がサイドフレーム18の角部Aの湾曲に沿って溶接により固着されている。したがって、後湾曲部60と後側面湾曲部62とは、それぞれの先端縁60a、62aによりサイドフレーム18に連続して固着されている。
第1ブラケットとしての荷箱マウントブラケット32は、左右のサイドフレーム18に上述したように取り付けられている。そして、更に第2ブラケット34から第4ブラケット38を左右のサイドフレーム18に取り付け、全ての荷箱マウントブラケットがフレーム部材16に取り付けられたら、フレーム部材16に荷箱14を、位置決め孔52と凸部54を基準にして組み付ける。荷箱14をフレーム部材16に組み付けたら、ボルト孔50にボルト51を通し、荷箱14を各荷箱マウントブラケットに固定する。
荷箱14は、第1ブラケットとしての荷箱マウントブラケット32から第4ブラケット38までの各荷箱マウントブラケットで、車両10のフレーム部材16に固定される。
荷箱14に搭載された荷物の重さは、適宜各荷箱マウントブラケットにかかる。荷箱マウントブラケット32にかかる荷重は、前板42と後板44を介して、サイドフレーム18にかかる。
次に、車両10にピッチングが生じた場合について説明する。例えば、路面上の段差等により走行中に車両10の後方が前方に対して突き上げられたとする。すると、荷箱14の荷重が前方に偏り、荷箱14の重みが荷箱マウントブラケット32に大きくかかる。
荷箱マウントブラケット32の前板42と後板44は、それぞれ下端部が前湾曲部56及び後湾曲部60を介してサイドフレーム18に接合している。そのため、荷箱マウントブラケット32に大きな荷重がかかると前板42と後板44の前湾曲部56及び後湾曲部60がそれぞれ適度に弾性変形する。これにより、車両10の後方が突き上げられた瞬間に、荷箱14の重みが荷箱マウントブラケット32に集中したとしても、前湾曲部56等が弾性変形することによりフレーム部材16への荷重伝達が緩和され、荷箱マウントブラケット32からサイドフレーム18に伝達される荷重の最大値が低下する。
又、前板42に設けられた前側面取付片46が、前側面湾曲部58を介してサイドフレーム18に接合されている。同様に、後板44に設けられた後側面取付片48が、後側面湾曲部62を介してサイドフレーム18の側面21に接合されている。
更に、前板42と前側面取付片46とが所定の角度αで連結され、かつ前湾曲部56と前側面湾曲部58とが、ほぼ同一の湾曲形状で連続してL字状に形成されている。同様に、後板44と後側面取付片48とが所定の角度βで連結され、かつ後湾曲部60と後側面湾曲部62とが、ほぼ同一の湾曲形状で連続してL字状に形成されている。
これら所定の角度αとβを有することにより前後方向の荷重に対して前湾曲部56と後湾曲部60がより弾性変形しやすくなるとともに、過大な荷重を受けた場合でも座屈等を生じさせない。
次に、車両10の幅方向に荷重が生じた場合について説明する。例えば、車両10が旋回したり傾斜した道路を走行して、荷箱14に左方向への偏りが生じ、荷箱マウントブラケット32のボルト51に左方向への荷重がかかったとする。
荷箱マウントブラケット32のボルト51にかかった左方向への荷重は、ボルト51とサイドフレーム18とが上下方向に離れ、いわばオフセットされた状態であることにより、モーメントを生じさせる。その結果、荷箱マウントブラケット32には、前後方向に設定した中心軸を車両前側から見て、中心軸を中心にして時計回り方向へのモーメントがかかる。そのモーメントは、前板42から前側面取付片46に伝わり、又後板44から後側面取付片48に伝わる。
前側面取付片46及び後側面取付片48は、それぞれ前側面湾曲部58及び後側面湾曲部62を介してサイドフレーム18の左側の側面21に垂直に接合されており、車両10の荷箱14への左方向への荷重は、前側面取付片46及び後側面取付片48からサイドフレーム18の左側の側面21に加えられる。
これにより、左側のサイドフレーム18に設けられた荷箱マウントブラケット32は、サイドフレーム18の左側の側面21に接合された前側面取付片46及び後側面取付片48で効果的に保持される。したがって、前板42と後板44だけでなく、サイドフレーム18の左側の側面21に対して垂直に取り付けられた前側面取付片46及び後側面取付片48が側方に設けられていることにより、荷箱マウントブラケット32は、左方向に荷重が偏った場合でも、荷箱14を確実に支持できる。
更に、上述したように、前湾曲部56と前側面湾曲部58とがほぼ同一の湾曲面をもって連続し、同様に後湾曲部60と後側面湾曲部62とがほぼ同一の湾曲面をもって連続して形成されているので、前板42と前側面取付片46と、及び後板44と後側面取付片48とが強固に連結され、左方向に荷重がかかる荷箱14を確実に支持できる。
又、右側のサイドフレーム18に設けられた荷箱マウントブラケット32にも車両10の左方向への荷重はかかる。この場合も、左側の荷箱マウントブラケット32と同様にモーメントは中心軸を前後方向に設定し、車両前側から見て時計回り方向にかかるので、左側の荷箱マウントブラケット32とは異なり、右側の荷箱マウントブラケット32は、右側のサイドフレーム18の上面19に設けられた前板42と後板44が荷重を保持し、荷箱14を確実に支持できる。
更に、荷重が車両10の右方向に偏った場合でも、同様にして左右の荷箱マウントブラケット32が、それぞれの前側面取付片46及び後側面取付片48並びに前板42と後板44により荷重を保持し、荷箱14を確実に支持できる。
このように、荷箱マウントブラケット32は、前板42の前湾曲部56等が荷重に応じて適度に弾性変形するので、車両10にピッチングが生じたとしても、フレーム部材16に応力集中を生じさせることがない。
又、荷箱マウントブラケット32は、前側面取付片46と後側面取付片48がサイドフレーム18の側面21に取り付けられていることから、車両10の幅方向に生じる荷重に対しても十分に対応でき、旋回時や傾斜した路面を走行して荷重が左右に偏った場合でも荷箱14を確実に支持できる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、適宜変更して実施できる。例えば、前側面取付片46と後側面取付片48は、双方なくともよく、いずれか一方であってもよい。前湾曲部56等は、円筒状に湾曲した形状でなく、弾性機能が得られれば他の形状でもよい。前湾曲部56と前側面湾曲部58等とは、連続して形成されていなくともよい。本実施形態の荷箱マウントブラケット32は、第1ブラケットでなく、他の位置に取り付けられる荷箱マウントブラケットであってもよい。
本発明は、荷箱を備えた車両において、荷箱をフレームに取り付ける荷箱マウントブラケットに利用できる。
10…車両、12…キャビン、14…荷箱、16…フレーム部材、18…サイドフレーム、19…上面、20…クロスメンバ、21…側面、26…底板部、28…側板部、32…荷箱マウントブラケット、40…上板、40a…右上端縁、40b…左上端縁、42…前板、42a…右側端縁、42b…左側端縁、44…後板、44a…右側端縁、44b…左側端縁、46…前側面取付片、48…後側面取付片、50…ボルト孔、51…ボルト、52…位置決め孔、54…凸部、56…前湾曲部、58…前側面湾曲部、60…後湾曲部、62…後側面湾曲部

Claims (6)

  1. 車両後部の荷箱が載置される上板と、
    前記上板の前縁に上端が設けられ、下端部が緩衝部を介して前記車両のフレーム部材の上面に取り付けられる前板と、
    前記上板の後縁に上端が設けられ、下端部が緩衝部を介して前記前板の前記下端部より後方の前記フレーム部材の上面に取り付けられる後板と、
    前記前板と前記後板の少なくとも一方と連続して設けられ、前記フレーム部材の側面に緩衝部を介して取り付けられる側面取付片と、を備え、
    前記側面取付片は、前記フレーム部材の前記側面に対し垂直であることを特徴とする荷箱マウントブラケット。
  2. 前記緩衝部は、前後方向に沿って湾曲した弾性変形可能な湾曲部からなることを特徴とする請求項1に記載の荷箱マウントブラケット。
  3. 前記側面取付片の前記緩衝部と、前記前板と前記後板の前記側面取付片が設けられたものの前記緩衝部とが、ほぼ同一の湾曲形状で連続して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の荷箱マウントブラケット。
  4. 前記緩衝部は、前記湾曲部の先端縁を前記フレーム部材に取り付け、前記湾曲部が荷重に応じて弾性変形して前記フレーム部材にかかる衝撃を緩和させることを特徴とする請求項2又は3に記載の荷箱マウントブラケット。
  5. 前記側面取付片は、前記前板と前記後板の双方に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の荷箱マウントブラケット。
  6. 前記荷箱マウントブラケットは、前記フレーム部材に取り付けられた、荷箱を固定する複数のマウントブラケットの内の最前の位置に設けたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の荷箱マウントブラケット。
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