JP2016078244A - 板状建材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】厚さ方向に見て長方形状とされた板状建材1を製造する方法であって、少なくとも前記板状建材の長さに応じた長さ寸法とされた複数本の未乾燥角柱状木材2を前記板状建材の幅方向に沿う方向に突き合わせて集成接着した集成材3をスライスして集成単板9を作成し、この集成単板を乾燥し、この乾燥済み集成単板10と最表層側の化粧単板11とを基材13の表面側に積層一体化する。
【選択図】図1
Description
例えば、下記特許文献1には、合板基材上に、ロータリー単板とスライス単板とを積層した床材が開示されている。
図1及び図2は、本実施形態に係る板状建材の製造方法の一例及び同製造方法によって製造された板状建材の一例を模式的に示す図である。
また、本実施形態では、図2(a)、(c)に示すように、積層工程において、化粧単板11と乾燥済み集成単板10との間に、化粧単板11の収縮を抑制する緩衝材12を介在させて積層するようにしている。
また、本実施形態では、図2(b)、(c)に示すように、積層工程を経た板状建材1の表面側に、化粧溝14を設けるようにしている(溝形成工程)。
なお、板状建材1は、床材として用いられるものに限られず、壁材や天井材、家具材等として用いられるものとしてもよい。
また、上記のような乱貼り状集成材6を、適宜、公知のスライサー装置を用いてスライスして湿式スライス単板としての化粧単板11を得るようにしてもよい。
この化粧単板11は、突板程度の厚さ(0.2mm程度)とされたものとしてもよく、または、0.3〜1.5mm程度、好ましくは0.6〜1.0mm程度の厚さとされた厚単板としてもよい。
なお、最表層側の化粧単板11としては、各短尺フリッチ5がスライスされた部位によって乱貼り状の外観を呈するものに限られず、板状建材1の全体に亘って継目なく一連状に設けられるような大判状の湿式スライス単板としてもよい。さらには、化粧単板11としては、このような湿式スライス単板に限られず、ロータリーレース等によって得られた乾式のロータリー単板としてもよい。
また、図例では、略同寸同形状とされた縦長フリッチ2を、板幅方向に突き合わせた構成としている。この縦長並列状集成材3の板長手方向及び板幅方向に沿う寸法は、当該縦長並列状集成材3から得られる集成単板としての未乾燥集成単板9(乾燥済み集成単板10)の厚さ方向に見た各寸法に応じた寸法としてもよい。
また、図例では、縦長並列状集成材3の列数を、上記した乱貼り状集成材6の列数よりも多くしている。つまり、縦長並列状集成材3を構成する縦長フリッチ2の板幅方向に沿う寸法を、乱貼り状集成材6を構成する短尺フリッチ5の板幅方向に沿う寸法よりも小さい寸法としている。このような構成とすれば、縦長フリッチ2同士の継目(集成層)が表面側に露出することがないので見栄えを阻害するようなことなく、板幅方向に沿う寸法が比較的に小さい寸法とされた縦長フリッチ2を採用することができ、省資源化を図ることができる。図例では、縦長並列状集成材6を、縦長フリッチ2を板幅方向に5列状となるように、かつ板厚方向に3段となるように突き合わせて集成した構成としている。
これら複数本の縦長フリッチ2は、互いに同じ樹種の木材から得られたものとしてもよい。また、これら複数本の縦長フリッチ2は、互いの収縮率が概ね同程度とされたものを用いるようにしてもよい。
また、各縦長フリッチ2は、上記同様、例えば、高圧水蒸気による加熱処理が施されて湿潤状態とされた木材や、生材等の含水率(乾量基準含水率)が30%超の未乾燥材からなるものとしてもよい。
なお、縦長並列状集成材3の集成態様としては、上記のような態様に限られず、その他、種々の態様の採用が可能であり、2本以上の縦長フリッチ2を板幅方向に突き合わせて集成されたもの等としてもよい。
まず、上記のように集成接着された縦長並列状集成材3をスライスして湿式スライス集成単板としての未乾燥集成単板9を得るスライス工程を実行する。
このように縦長並列状集成材3をスライスして得られた未乾燥集成単板9は、図1(b)に示すように、各縦長フリッチ2がスライスされた部位としての板幅方向に複数本の縦長状部位9aが全長に亘って延びるように並列状に設けられた構成となる。
この未乾燥集成単板9は、適宜、公知のスライサー装置を用いて得るようにしてもよい。
また、未乾燥集成単板9の厚さが0.3〜1.5mm程度、好ましくは0.6〜1.0mm程度の厚さとなるようにスライスするようにしてもよい。
本実施形態では、未乾燥集成単板9を、105度以下の温度で乾燥する構成としている。
この未乾燥集成単板9を乾燥する乾燥温度は、好ましくは100度以下としてもよく、より好ましくは70〜90度程度としてもよい。また、乾燥時間は、数分〜数十分程度としてもよく、好ましくは2〜20分程度としてもよく、より好ましくは3〜10分程度としてもよい。
また、乾燥後の乾燥済み集成単板10の含水率が30%以下となるように乾燥するようにしてもよく、好ましくは3〜10%程度の含水率となるように乾燥するようにしてもよい。
このような乾燥装置4としては、比較的に低温乾燥が可能なものとしてもよい。図例では、未乾燥集成単板9を乾燥装置4内において板長手方向に沿う方向に搬送しながら乾燥するようにしている。また、未乾燥集成単板9の長手方向に沿って間隔を空けて複数対の搬送ローラーが設けられたいわゆるロールドライヤーを乾燥装置4とした例を示している。
この乾燥装置4内において、一枚の未乾燥集成単板9を搬送しながら乾燥するようにしてもよく、複数枚の未乾燥集成単板9を重ね合わせた状態で搬送しながら乾燥するようにしてもよい。なお、乾燥装置4としては、このような温風式のものに限られず、輻射式のものでもよく、その他、種々の乾燥装置4の採用が可能であり、例えば、箱状の乾燥装置4内に複数枚の未乾燥集成単板9を静置した状態で乾燥するような態様等としてもよい。
この積層工程においては、基材13の表面側に、乾燥済み集成単板10、緩衝材12及び化粧単板11をこの順に積層接着して積層一体化する態様としてもよい。または、乾燥済み集成単板10と緩衝材12と化粧単板11と積層接着した複層化粧板を、基材13の表面側に積層接着して積層一体化する態様としてもよい。
なお、これら乾燥済み集成単板10と化粧単板11との間に更にいずれかと同様な単板または異なる単板を積層するようにしてもよい。
なお、熱プレスの条件は、上記に限られず、種々の条件の採用が可能であり、2層の各単板10,11の厚さ寸法や積層態様に応じて、適宜設定するようにしてもよく、また、接着剤も上記した例に限られず、その他、種々の接着剤の採用が可能である。
また、乾燥済み集成単板10と基材13との間に、上記と同様な緩衝材12を更に介在させて積層接着するようにしてもよい。
図例では、化粧単板11を構成する複数の短尺フリッチ5がスライスされた部位同士の継目に沿うように、板長手方向に延びる化粧溝14及び板幅方向に延びる化粧溝14を設けるようにした例を示している。なお、このような態様に代えて、板長手方向に延びる化粧溝(縦溝)14のみを設けるようにしてもよい。また、図1(c)に示すように、この化粧溝14を、乾燥済み集成単板10の層内に達するように設けた例を示している。
上記のような工程を経て、板状建材1が製造される。
なお、板状建材1の表面側の周縁部に面取り部を設けるようにしてもよい。また、板状建材1の四周の側端部に、適宜、必要に応じて実部を設けるようにしてもよい。
また、適宜、板状建材1の表面に、着色塗装を施したり、最表層側の化粧単板11の地色を阻害しないような微着色塗装を施したり、透明または半透明のトップコート層(保護層)を設けたりしてもよい。
つまり、乾燥済み集成単板10と最表層側の化粧単板11とを基材13の表面側に積層一体化するようにしている。従って、基材13の表面側に複数層の単板10,11が設けられるので、基材13の露出を抑制することができ、また、無垢感を向上させることができる。また、本実施形態のように、板状建材1の表面側に化粧溝14を設けるような場合には、化粧溝14の溝深さを深くしながらも、基材13の露出を抑制することができ、見栄えを向上させることができる。
また、化粧単板11と基材13との間に乾燥済み集成単板10を設けるようにしているので、湿式スライス単板を複数層設けるような態様とした場合と比べて、乾燥済み集成単板10自体が収縮し難いので、その表面側の化粧単板11の割れ等を抑制できる。また、乾燥済み集成単板10側から基材13側に水分が移行し難くなり、板状建材1の反りを抑制することができる。
2 縦長フリッチ(未乾燥角柱状木材)
3 縦長並列状集成材(集成材)
9 未乾燥集成単板(集成単板)
10 乾燥済み集成単板
11 化粧単板
13 基材
Claims (2)
- 厚さ方向に見て長方形状とされた板状建材を製造する方法であって、
少なくとも前記板状建材の長さに応じた長さ寸法とされた複数本の未乾燥角柱状木材を前記板状建材の幅方向に沿う方向に突き合わせて集成接着した集成材をスライスして集成単板を作成し、この集成単板を乾燥し、
この乾燥済み集成単板と最表層側の化粧単板とを基材の表面側に積層一体化することを特徴とする板状建材の製造方法。 - 請求項1において、
前記集成単板を、105度以下の温度で乾燥することを特徴とする板状建材の製造方法。
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2014
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