JP2016078162A - ステージ姿勢調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みの薄型化が容易であって送りが円滑なステージ姿勢調整装置を提供する。【解決手段】内側ガイド部材7の円弧状のキー溝11,外側ガイド部材9の円弧状のキー溝12,キー溝11に移動不能に圧入されてキー溝12との間での摺動を許容された円弧状のキー13からなるガイド手段4を、スクリュー14とナット15からなる送り機構5の配設位置を挟むようにして、円弧軌跡Rを含む平面の法線の方向に並べて配置することによりステージ姿勢調整装置1の薄型化を図ると共に、可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力が作用する摺接面の位置と可動ステージ2を移動させる力が加わるナット15の位置との間に生じる円弧軌跡Rの法線方向に沿ったズレを軽減し、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントによって消費される送り力の無駄を軽減して、可動ステージ2の送りを円滑化する。【選択図】図5

Description

本発明は、ワークを載置する可動ステージの傾斜姿勢を調整するステージ姿勢調整装置の改良に関する。
ワークを載置する可動ステージと、可動ステージを支える固定ステージと、可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と、可動ステージを前記円弧軌跡に沿って移動させることで可動ステージの姿勢を変化させる送り機構を備えたステージ姿勢調整装置に類するものとしては、特許文献1に開示されるテーブル姿勢調整装置や特許文献2に開示されるステージ機構が既に公知である。
特許文献1に開示されるテーブル姿勢調整装置は、固定ステージの上面に形成された下に凸の円弧状のニ次曲面と此れに倣って可動ステージの下面に形成された円弧状のニ次曲面をガイド手段として可動ステージの移動軌跡を規制し、更に、固定ステージの一側に回転自在かつ軸方向移動不能な状態で基部を取り付けられたスクリューの先端に、可動ステージの下面に突設されたジョイント機構内のナットを螺合させ、スクリューを回転させることによって可動ステージに送りを掛けて可動ステージの姿勢を変化させるものである。
此のような構成を適用した場合は、固定ステージ上のニ次曲面に沿って可動ステージが移動する際に固定ステージに対して可動ステージが上下方向に変位し、此れに伴って、可動ステージの下面に突設されたジョイント機構も固定ステージに水平に取り付けられたスクリューに対して上下方向に変位するが、特許文献1に開示されるテーブル姿勢調整装置にあっては、ジョイント機構に内嵌されたナットとジョイント機構との間に生じる上下方向の変位を許容する構成がジョイント機構内に設けられているので、水平に設置されたスクリューによって支障なく可動ステージに送りを掛けることができる。
しかし、固定ステージの上面に形成された下に凸の円弧状のニ次曲面と此れに倣って可動ステージの下面に形成された円弧状のニ次曲面との間のガタツキを防止するためには、高度な加工技術を要するドーブテールやアリ溝等を其の摺接部に設ける必要があり、しかも、二次曲面上にドーブテールやアリ溝等を形成しなければならないので、加工の難易度が増すといった不都合を生じる場合がある。
また、可動ステージの移動を阻害する摩擦力は固定ステージ上のニ次曲面との摺接部である可動ステージ下面の円弧状のニ次曲面に作用することになるが、可動ステージに送りを掛けるナットおよび此れを可動ステージに取り付けるためのジョイント機構は、可動ステージの下面の円弧状のニ次曲面から下方に向けて突出して設けられているので、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する位置と可動ステージを移動させる力が加わる位置との間に二次曲面の法線方向に沿ったズレが生じることになり、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントがジョイント機構に作用して送り力の一部が無駄に消費される恐れや、更には、固定ステージと可動ステージとの間にカジリに似た現象が発生するといった恐れもあり、円滑な送りが妨げられる原因となり兼ねない。
また、可動ステージの移動方向を円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と可動ステージを円弧軌跡に沿って移動させることで可動ステージの姿勢を変化させる送り機構とがステージの厚み方向に沿って上下に重合して配置された構成であるため、厚みの薄いステージ姿勢調整装置を製作するのが難しい。
一方、特許文献2に開示されるステージ機構は、専ら、可動ステージに送りを掛けるために必要とされるナット&スクリューの間に生じるバックラッシやガタツキを徹底的に排除することを目的としたもので、軸方向の両端部にネジ山を残した状態で軸方向中央部周辺のネジ山を除去することによって軸方向中央部周辺の断面積を削減すると共に断面積を削減した部分に軸方向の圧縮応力もしくは引張応力を残留させたナットにスクリューを螺合し、更に、断面積を削減された部分とスクリューの外周面との間にバックラッシ吸収用の有機樹脂を充填した構成を採用することで、其の目的を達成している。
しかしながら、ガイド手段となる可動ステージと固定ステージとの間の摺接部の構造に関しては前述した特許文献1のものと同様であり、可動ステージに送りを掛けるナットおよび此れを可動ステージに取り付けるためのジョイント機構が、可動ステージの下面の円弧状のニ次曲面から下方に向けて突出しているため、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する位置と可動ステージを移動させる力が加わる位置との間に、二次曲面の法線方向に沿ったズレが生じることになり、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントがジョイント機構に作用して送り力の一部が無駄に消費される恐れや、固定ステージと可動ステージとの間にカジリに似た現象が発生するといった恐れを否定しきれない。
また、固定ステージ上の可動ステージのガタツキを防止するための手段としては、高度な加工技術を要するドーブテールやアリ溝等に代え、固定ステージおよび可動ステージの摺接面の双方に矩形溝を設けてキーで可動ステージの移動をガイドする構成を採用しているため、必要とされる加工技術それ自体は、ドーブテールやアリ溝等の場合と比較して或る程度の容易化が可能であるが、可動ステージが固定ステージから浮き上がるのを防止するための手段として、別途、固定ステージを下から上に貫通して可動ステージに取り付けられる押圧ボルト,押圧ボルトのヘッドを支えて其の移動を許容するためのスライドレール部材,ガタツキ防止のためのスプリング,段付きの長穴等が新たに必要となり、パーツ点数が増大したり加工の工数が増大する不都合が生じる場合がある。
また、可動ステージの移動方向を円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と可動ステージを円弧軌跡に沿って移動させることで可動ステージの姿勢を変化させる送り機構との配置に関しては、前述した特許文献1のものと同様、ステージの厚み方向に沿って上下に重合して配置する構成であるため、厚みの薄いステージ姿勢調整装置の作成が難しい。
特許第3848304号公報(段落0098,図1) 特開2013−103303号公報(段落0033,0035,0037〜0038,0058,0065〜0066,図5,図7)
本発明の目的は、可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段を容易に加工できるようにすると共に、上下方向の厚みの薄型化が容易であって更なる送りの円滑化が可能なステージ姿勢調整装置を提供することにある。
本発明のステージ姿勢調整装置は、ワークを載置する可動ステージと、前記可動ステージを支える固定ステージと、前記可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と、前記可動ステージを前記円弧軌跡に沿って移動させることで前記可動ステージの姿勢を変化させる送り機構を備えたステージ姿勢調整装置であり、前記目的を達成するため、特に、
前記固定ステージは、前記固定ステージの全体を支える基部と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有して前記基部の上面に一定の間隔を置いて前記外側面が相互に平行となるように配置された2本の内側ガイド部材を有し、
前記可動ステージは、ワークを載置するワーク載置部と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有して前記ワーク載置部の下面に前記2本の内側ガイド部材における外側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて取り付けられた2本の外側ガイド部材を有し、
前記ガイド手段は、前記円弧軌跡に沿って一定の幅で前記内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧軌跡に沿って一定の幅で前記外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝と、何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーとによって構成され、
前記送り機構は、前記固定ステージにおける2本の内側ガイド部材間の中央部において前記円弧軌跡を含む平面と平行に配置されて其の基部を回転自在かつ軸方向移動不能な状態で前記固定ステージの一側に取り付けられたスクリューと、前記可動ステージの下面に軸周りの回転を抑制して取り付けられて前記スクリューに螺合するナットを備えたことを特徴とする構成を有する。
なお、「取り付けられた」ではなく「配置された」とする記載から明らかなように、「2本の内側ガイド部材」は、部材とはいっても、「固定ステージの全体を支える基部」の上に一体に形成することが可能である。
以上の構成において、可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段は、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有して固定ステージの全体を支える基部の上面に一定の間隔を置いて其の外側面が相互に平行となるように配置された2本の内側ガイド部材の外側面に前記円弧軌跡に沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有して可動ステージにおけるワーク載置部の下面に前記2本の内側ガイド部材における外側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて取り付けられた2本の外側ガイド部材の内側面に前記円弧軌跡に沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝と、何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーとによって構成される。
円弧状のキーは、内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝に圧入して外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝の円弧方向に沿って移動を許容される構成としてもよいし、あるいは、外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝に圧入して内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝の円弧方向に沿って移動を許容される構成としてもよい。円弧状のキーを内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝に圧入して外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝の円弧方向に沿って移動を許容される構成とした場合にあっては、可動ステージおよび可動ステージのワーク載置部に載置されたワークの重量が円弧状のキーの上面と外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝の上面との当接作用によって支えられる一方、固定ステージから可動ステージを引き離そうとする方向のガタツキは、円弧状のキーの下面と外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝の下面との当接作用によって抑制されることになる。また、円弧状のキーを外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝に圧入して内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝の円弧方向に沿って移動を許容される構成とした場合にあっては、可動ステージおよび可動ステージのワーク載置部に載置されたワークの重量が円弧状のキーの下面と内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝の下面との当接作用によって支えられる一方、固定ステージから可動ステージを引き離そうとする方向のガタツキは、円弧状のキーの上面と内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝の上面との当接作用によって抑制されることになる。前記円弧軌跡を含む平面の法線方向に発生しようとするガタツキが固定ステージ側の内側ガイド部材における外側面と可動ステージ側の外側ガイド部材における内側面との当接作用によって抑制される点に関しては、何れの構成においても同じである。
そして、送り機構の一部を構成するスクリューは、固定ステージにおける2本の内側ガイド部材間の中央部において前記円弧軌跡を含む平面と平行に配置されて其の基部を回転自在かつ軸方向移動不能な状態で固定ステージの一側に取り付けられ、また、送り機構の他の一部を構成するナットは、可動ステージの下面に取り付けられてスクリューに螺合している。なお、可動ステージ側の2本の外側ガイド部材は、既に述べた通り、固定ステージ側に配置された2本の内側ガイド部材における外側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて取り付けられているので、スクリューが固定ステージにおける2本の内側ガイド部材間の中央部に設置されているということは、スクリューが可動ステージにおける2本の外側ガイド部材間の中央部に設置されていることをも意味する。
ここで、前記円弧軌跡を含む平面と平行に配置されて其の基部を回転自在かつ軸方向移動不能な状態で固定ステージの一側に取り付けられたスクリューを回転させると、此のスクリューが、可動ステージの下面に軸周りの回転を抑制して取り付けられているナットに送りを掛ける。
スクリューを螺合したナットの取り付け位置は背景技術の欄で述べた公知例と同様に可動ステージの下面であるが、本発明にあっては、前記円弧軌跡に沿って可動ステージの移動方向を規制するガイド手段は、固定ステージの上面に形成された下もしくは上に凸の円弧状のニ次曲面と此れに倣って可動ステージの下面に形成された下もしくは上に凸の円弧状のニ次曲面によって構成されているのではなく、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有して固定ステージの全体を支える基部の上面に一定の間隔を置いて其の外側面が相互に平行となるように配置された2本の内側ガイド部材の外側面に前記円弧軌跡に沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有して可動ステージにおけるワーク載置部の下面に前記2本の内側ガイド部材における外側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて取り付けられた2本の外側ガイド部材の内側面に前記円弧軌跡に沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝と、何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーとによって構成され、しかも、内側ガイド部材のキー溝,外側ガイド部材のキー溝,何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーは、スクリューとナットを備えた送り機構の配設位置を挟むようにして、前記円弧軌跡を含む平面の法線の方向、すなわち、ステージ姿勢調整装置の幅方向に並んでおり、可動ステージの移動を阻害する摩擦力は、前述の通り、円弧状のキーの上面と外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝の上面との摺接面,円弧状のキーの下面と外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝の下面との摺接面,円弧状のキーの下面と内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝の下面との摺接面,円弧状のキーの上面と内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝の上面との摺接面,固定ステージ側の内側ガイド部材における外側面と可動ステージ側の外側ガイド部材における内側面との摺接面に作用することになる。従って、固定ステージの上面に形成された下もしくは上に凸の円弧状のニ次曲面と此れに倣って可動ステージの下面に形成された下もしくは上に凸の円弧状のニ次曲面によって可動ステージの移動方向を規制するガイド手段を構成し、且つ、可動ステージの下面の円弧状のニ次曲面よりも下方にスクリューを螺合したナットを設けた公知のステージ姿勢調整装置との比較において、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する位置と可動ステージを移動させる力が加わる位置との間に生じる前記円弧軌跡の法線方向に沿ったズレを軽減することができ、其の結果、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントによって消費される送り力の無駄が軽減され、同時に、固定ステージと可動ステージとの間に生じるカジリのような現象も軽減化されて、円滑な送りが実現される。
また、可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段を構成する円弧状のキー溝や円弧状のキーは、円弧補完コマンドを実行可能な自動プログラミング言語、例えば、APT言語等を解するNC工作機械によって極めて容易に加工できるので、二次曲面上にドーブテールやアリ溝等を形成する必要のあるガイド手段を利用したステージ姿勢調整装置との比較において、ガイド手段の加工が著しく容易化される。
しかも、内側ガイド部材のキー溝,外側ガイド部材のキー溝,何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーからなるガイド手段は、スクリューとナットを備えた送り機構の配設位置を挟むようにして、前記円弧軌跡を含む平面の法線の方向、すなわち、ステージ姿勢調整装置の幅方向に並べられているので、可動ステージの移動方向を円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と可動ステージを円弧軌跡に沿って移動させることで可動ステージの姿勢を変化させる送り機構をステージの厚み方向に沿って上下に重合して配置したステージ姿勢調整装置との比較において、ステージ姿勢調整装置における上下方向の厚みの薄型化が容易である。
あるいは、前記と同様の目的を達成するために、ワークを載置する可動ステージと、前記可動ステージを支える固定ステージと、前記可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と、前記可動ステージを前記円弧軌跡に沿って移動させることで前記可動ステージの姿勢を変化させる送り機構を備えたステージ姿勢調整装置において、
前記固定ステージは、前記固定ステージの全体を支える基部と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有して前記基部の上面に一定の間隔を置いて前記内側面が相互に平行となるように取り付けられた2本の外側ガイド部材を有し、
前記可動ステージは、ワークを載置するワーク載置部と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有してワーク載置部の下面に前記2本の外側ガイド部材における内側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて配置された2本の内側ガイド部材を有し、
前記ガイド手段は、前記円弧軌跡に沿って一定の幅で前記内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧軌跡に沿って一定の幅で前記外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝と、何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーとによって構成され、
前記送り機構は、前記固定ステージにおける2本の外側ガイド部材間の中央部において前記円弧軌跡を含む平面と平行に配置されて其の基部を回転自在かつ軸方向移動不能な状態で前記固定ステージの一側に取り付けられたスクリューと、前記可動ステージの下面に軸周りの回転を抑制して取り付けられて前記スクリューに螺合するナットを備えたことを特徴とする構成を適用してもよい。
なお、「取り付けられた」ではなく「配置された」とする記載から明らかなように、「2本の内側ガイド部材」は、部材とはいっても、「ワークを載置するワーク載置部」の下面に一体に形成することが可能である。
此の場合、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有する外側ガイド部材が固定ステージの側に取り付けられ、また、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有する内側ガイド部材が可動ステージの側に配置されることになるが、他の構成に関しては上記と同様である。従って、前記と同様の作用,効果を達成することができる。
更に、前記可動ステージが前記円弧軌跡の下死点もしくは上死点に位置する状態で、前記ナットと、前記内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧状のキーと、前記外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝とが、前記円弧軌跡を含む平面の法線方向から見て同一直線上に位置する構成を適用してもよい。
なお、上に凸の円弧軌跡に下死点はなく、下に凸の円弧軌跡に上死点はないので、下死点もしくは上死点といった場合、下死点の記載に対応する円弧軌跡は必然的(一義的かつ直接的)に下に凸の円弧軌跡であり、また、上死点の記載に対応する円弧軌跡は必然的(一義的かつ直接的)に上に凸の円弧軌跡である。
此のような構成を適用した場合にあっては、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する位置と可動ステージを移動させる力が加わる位置との間に生じる前記円弧軌跡の法線方向に沿ったズレが大幅に軽減され、其のズレ量を実質的に零に近い値とすることができるので、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントは殆ど発生せず、ナットに螺合されたスクリューの回転によってナットに与えられる送り力の無駄は殆どなくなり、同時に、固定ステージと可動ステージとの間のカジリのような現象も殆ど発生しなくなるので、より円滑な送りが実現される。
また、前記スクリューの基部は、此の基部を支点として前記円弧軌跡を含む平面と平行な平面内での前記スクリューの揺動を許容する第一の回転許容機構を介して前記固定ステージの一側に取り付けられると共に、
前記ナットは、前記円弧軌跡を含む平面に直交する回転軸の周りで前記ナットの微小回転を許容する第二の回転許容機構を介して前記可動ステージの下面に取り付けられていることが望ましい。
此のような構成自体は特許文献2によって公知であり、此の構成によりスクリューの軸の向きは常に可動ステージの下面に形成された円弧状のニ次曲面の接線方向と略一致するが、特許文献2の公知技術にあっては、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する位置と可動ステージを移動させる力が加わる位置との間に可動ステージの下面に形成された円弧状のニ次曲面の法線方向に沿ったズレがあるため、スクリューの軸の向きを可動ステージの下面に形成された円弧状のニ次曲面の接線方向と略一致させても、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する摺接面に沿って可動ステージを移動させる力を作用させることはできない。本発明にあっては、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する位置と可動ステージを移動させる力が加わる位置との間に生じる円弧状の軌跡の法線方向に沿ったズレを殆ど零の状態とすることができるので、第一,第二の回転許容機構によってスクリューの軸の向きを円弧状の軌跡の法線方向と略一致させることによって可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する摺接面に沿って可動ステージを移動させる力を作用させることが可能となり、送りの円滑性が更に向上する。
また、前記ナットは、軸方向の両端部にネジ山を残した状態で軸方向中央部周辺のネジ山を除去されることによって軸方向中央部周辺の断面積を削減されると共に断面積を削減された部分に軸方向の圧縮応力もしくは引張応力を残留させてスクリューに螺合され、前記断面積を削減された部分と前記スクリューの外周面との間にバックラッシ吸収用の有機樹脂を充填されていることが望ましい。
此のような構成と其の作用,効果は既に述べた通りに特許文献2によって公知であるが、前述の通り、本発明によれば、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する摺接面に沿って可動ステージを移動させる力を作用させることが可能となり、スクリューとナットとの間のバックラッシやガタツキが中間物を介さずに可動ステージの送りにダイレクトな影響を与える状況となるので、此の構成に合わせ、より精度の高いナット&スクリューを利用した送り機構を採用することが望ましい。
本発明のステージ姿勢調整装置は、可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段を、円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有して固定ステージ基部の上面に一定の間隔を置いて其の外側面が相互に平行となるように配置された2本の内側ガイド部材の外側面に前記円弧軌跡に沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有して可動ステージにおけるワーク載置部の下面に前記2本の内側ガイド部材における外側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて取り付けられた2本の外側ガイド部材の内側面に前記円弧軌跡に沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝と、何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーとによって構成するか、または、円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有して固定ステージ基部の上面に一定の間隔を置いて其の内側面が相互に平行となるように取り付けられた2本の外側ガイド部材の内側面に前記円弧軌跡に沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有して可動ステージにおけるワーク載置部の下面に前記2本の外側ガイド部材における内側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて配置された2本の内側ガイド部材の外側面に前記円弧軌跡に沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝と、何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーとによって構成すると共に、此れらの構成要素を前記円弧軌跡を含む平面の法線の方向、すなわち、ステージ姿勢調整装置の幅方向に並べて其の中央部に可動ステージの送り機構を配置しており、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する位置(円弧状のキーの上下面,円弧状のキー溝の上下面,内側ガイド部材における外側面と外側ガイド部材における内側面)と可動ステージを移動させる力が加わる位置(可動ステージの下面)との間に生じる前記円弧軌跡の法線方向に沿ったズレを軽減することができるので、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントによって消費される送り力の無駄が軽減され、同時に、固定ステージと可動ステージとの間に生じるカジリのような現象も軽減化されて、円滑な送りが実現される。
また、可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段を構成する円弧状のキー溝や円弧状のキーは、円弧補完コマンドを実行可能な自動プログラミング言語、例えば、APT言語等を解するNC工作機械によって極めて容易に加工できるので、二次曲面上にドーブテールやアリ溝等を形成する必要のあるガイド手段を利用したステージ姿勢調整装置との比較において、ガイド手段の加工が著しく容易化される。
しかも、内側ガイド部材のキー溝,外側ガイド部材のキー溝,何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーからなるガイド手段は、スクリューとナットを備えた送り機構の配設位置を挟むようにして、前記円弧軌跡を含む平面の法線の方向、すなわち、ステージ姿勢調整装置の幅方向に並べられているので、可動ステージの移動方向を円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と可動ステージを円弧軌跡に沿って移動させることで可動ステージの姿勢を変化させる送り機構をステージの厚み方向に沿って上下に重合して配置したステージ姿勢調整装置との比較において、ステージ姿勢調整装置における上下方向の厚みの薄型化が容易である。
特に、可動ステージが前記円弧軌跡の下死点もしくは上死点に位置する状態で、前記ナットと、内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝と、円弧状のキーと、外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝とが、前記円弧軌跡を含む平面の法線方向から見て同一直線上に位置する構成を適用した場合にあっては、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する位置と可動ステージを移動させる力が加わる位置との間に生じる前記円弧軌跡の法線方向に沿ったズレが大幅に軽減され、其のズレ量を実質的に零に近い値とすることができるので、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントは殆ど発生せず、ナットに螺合されたスクリューの回転によってナットに与えられた送り力の無駄が殆どなくなり、同時に、固定ステージと可動ステージとの間のカジリのような現象も殆ど発生しなくなるので、より円滑な送りが実現され得る。
更に、スクリューの基部を支点として前記円弧軌跡を含む平面と平行な平面内でのスクリューの揺動を許容する第一の回転許容機構を介して固定ステージの一側にスクリューを取り付けると共に、前記円弧軌跡を含む平面に直交する回転軸の周りでナットの微小回転を許容する第二の回転許容機構を介して可動ステージの下面にナットを取り付けるようにすることにより、可動ステージの移動を阻害する摩擦力が作用する摺接面に沿って可動ステージを移動させる力を作用させることが可能となり、送りの円滑性が更に向上する。
また、スクリューとナットとの間のバックラッシやガタツキが中間物を介さずに可動ステージの送りにダイレクトな影響を与える構成に合わせ、ナット&スクリューの構造を、軸方向の両端部にネジ山を残した状態で軸方向中央部周辺のネジ山を除去されることによって軸方向中央部周辺の断面積を削減されると共に断面積を削減された部分に軸方向の圧縮応力もしくは引張応力を残留させてスクリューに螺合され、断面積を削減された部分とスクリューの外周面との間にバックラッシ吸収用の有機樹脂を充填したものとすることで、送りの円滑性が更に向上する。
本発明を適用した一実施形態のステージ姿勢調整装置の外観を示した斜視図である。 同実施形態のステージ姿勢調整装置を示した平面図である。 同実施形態のステージ姿勢調整装置を正面側から示した図で、図3(a)は同実施形態のステージ姿勢調整装置の正面図、また、図3(b)は図2におけるA−A断面を示した図である。 同実施形態のステージ姿勢調整装置を左側面から示した図で、図4(a)は同実施形態のステージ姿勢調整装置の左側面図、また、図4(b)は同実施形態のステージ姿勢調整装置から外側ガイド部材を取り外して示した左側面図、更に、図4(c)は図2におけるB−B断面を示した図である。 同実施形態のステージ姿勢調整装置を背面側から示した図で、図5(a)は同実施形態のステージ姿勢調整装置の背面図、また、図5(b)は図2におけるC−C断面を示した図である。 同実施形態のステージ姿勢調整装置を構成要素に分解して示した斜視図である。 同実施形態のステージ姿勢調整装置の可動ステージが中立位置にあるときの状態について示した図で、図7(a)は同実施形態のステージ姿勢調整装置の左側面図、また、図7(b)は同実施形態のステージ姿勢調整装置から外側ガイド部材を取り外して示した左側面図、更に、図7(c)は図2におけるB−B断面を示した図である。 同実施形態のステージ姿勢調整装置の可動ステージを片側に送って姿勢を変化させたときの状態の一例について示した図で、図8(a)は同実施形態のステージ姿勢調整装置の左側面図、また、図8(b)は同実施形態のステージ姿勢調整装置から外側ガイド部材を取り外して示した左側面図、更に、図8(c)は図2におけるB−B断面を示した図である。
次に、本発明を適用した一実施形態のステージ姿勢調整装置について図面を参照して具体的に説明する。
図1は一実施形態のステージ姿勢調整装置1の外観を示した斜視図、図2は同ステージ姿勢調整装置1を示した平面図、図4(a)は同ステージ姿勢調整装置1の左側面図、図4(b)は同ステージ姿勢調整装置1から図1中の外側ガイド部9を取り外して示した左側面図、図5(a)はステージ姿勢調整装置の背面図、図5(b)は同ステージ姿勢調整装置1を図2におけるC−C断面で割って示した断面図である。
また、図6はステージ姿勢調整装置1を機能的な構成要素ではなく機械的な構成要素に分解して示した斜視図である。
ステージ姿勢調整装置1は、図1に示す通り、ワークを載置する可動ステージ2と、可動ステージ2を支える固定ステージ3と、可動ステージ2の移動方向を図4(b)中の二点鎖線によって示されるような下に凸の円弧軌跡Rに沿って規制するガイド手段4と、可動ステージ2を円弧軌跡Rに沿って移動させることで可動ステージ2の姿勢(傾斜角度)を変化させる送り機構5を備える。
図5(b)に示される通り、固定ステージ3は、固定ステージ3の全体を支える基部6と、円弧軌跡Rを含む平面と平行をなす外側面7a,7aを有して基部6の上面に一定の間隔を置いて外側面7a,7aが相互に平行となるように配置された2本の内側ガイド部材7,7を有する。
また、可動ステージ2は、ワークを載置するワーク載置部8と、円弧軌跡Rを含む平面と平行をなす内側面9a,9aを有してワーク載置部8の下面に前述した2本の内側ガイド部材7,7における外側面7a,7a間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて取り付けられた2本の外側ガイド部材9,9を有する。
なお、ここでいう円弧軌跡Rを含む平面とは、例えば、図4(b)の紙面を形成する平面によって代表される平面である。
此の実施形態における内側ガイド部材7,7は、図5(b)に示される通り、固定ステージ3の全体を支える基部6上に一体に形成されており、更に、図6および図5(a)に示されるように、内側ガイド部材7,7の長手方向の端部の各々と基部6の上面とが、中央に孔を備えた板状の連合部7b,7cによって相互に接続されている。
但し、此のような構造となるのは、固定ステージ3の材料となる矩形状の金属ブロックの左右両側に対して基部6の厚さ相当分を残した切削加工を施すと共に此の金属ブロックの中央部に矩形状のポケット加工を施すことによって左右の内側ガイド部材7,7を形成しているという事情があるからに過ぎず、板状の連合部7b,7cは構成上の必須要件とは無関係である。
また、平板からなる基部6の上面に位置決め用の角溝を形成したりノックピンを植設した上で、其の上に独立して角柱状に形成された内側ガイド部材7,7を取り付け、更に、基部6の下面からネジ止めするといったようなことも技術的には可能であるが、加工や組み立てに係る最終的な累積誤差や加工工数を考慮すれば、其のような行為に格別の意義はない。
一方、可動ステージ2側の外側ガイド部材9,9は、図1や図6に示される通り、可動ステージ2のワーク載置部8を上下に貫通する各2の六角穴付きボルト10,10によってワーク載置部8の下面に取り付けられている。
可動ステージ2の移動方向を図4(b)中の二点鎖線で示されるような下に凸の円弧軌跡Rに沿って規制するためのガイド手段4は、図4(b)および図5(b)に示されるように、円弧軌跡Rに沿って一定の幅で内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに刻設された円弧状のキー溝11,11と、図4(a)および図5(b)に示されるように、円弧軌跡Rに沿って一定の幅で外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに刻設された円弧状のキー溝12,12と、一方のキー溝であるキー溝11,11に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝であるキー溝12,12との間でキー溝12,12の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキー13,13によって構成される。
此のうち内側ガイド部材7,7における円弧状のキー溝11,11は図4(b)および図6に示されるような両端止まりの長穴であって円弧状のキー13,13を内側ガイド部材7,7における外側面7a,7a上の特定位置に固定するが、外側ガイド部材9,9における円弧状のキー溝12,12は図6に示される通りの止まりのない貫通溝であって、円弧状のキー13,13がキー溝12,12の円弧方向に沿って移動することを制限しない。
なお、円弧状のキー13,13をキー溝12,12に移動不能に圧入してキー溝11,11との間で円弧状のキー13,13の移動を許容する構成としてもよいが、其の場合は、圧入側となるキー溝12,12を両端止まりの長穴とし、摺動側となるキー溝11,11の側を止まりのない貫通溝とする必要がある。
取り付け先となるパーツの機械的な強度を勘案すれば、円弧状のキー13,13は、内側ガイド部材7,7の側に圧入して取り付けることが望ましい。
ここで、円弧状のキー13,13を内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに刻設された円弧状のキー溝11,11に圧入して外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに刻設された円弧状のキー溝12,12の円弧方向に沿って移動を許容する構成とした場合にあっては、可動ステージ2およびワーク載置部8に載置されたワークの重量が円弧状のキー13,13の上面と外側ガイド部材9,9の内側面に刻設された円弧状のキー溝12,12の上面との当接作用によって支えられる一方、固定ステージ3から可動ステージ2を引き離そうとする方向のガタツキは、円弧状のキー13,13の下面と外側ガイド部材9,9の内側面に刻設された円弧状のキー溝12,12の下面との当接作用によって抑制されることになる。
此れに対し、円弧状のキー13,13を外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに刻設された円弧状のキー溝12,12に圧入して内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに刻設された円弧状のキー溝11,11の円弧方向に沿って移動を許容する構成とした場合にあっては、可動ステージ2およびワーク載置部8に載置されたワークの重量が円弧状のキー13,13の下面と内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに刻設された円弧状のキー溝11,11の下面との当接作用によって支えられる一方、固定ステージ3から可動ステージ2を引き離そうとする方向のガタツキは、円弧状のキー13,13の上面と内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに刻設された円弧状のキー溝11,11の上面との当接作用によって抑制されることになる。
円弧軌跡Rを含む平面の法線方向に発生しようとするガタツキ、つまり、図5(b)中の左右方向に発生するガタツキが固定ステージ3側の内側ガイド部材7,7における外側面7a,7aと可動ステージ2側の外側ガイド部材9,9における内側面9a,9aとの当接作用によって抑制される点に関しては、何れの構成においても同じである。
ガイド手段4を構成する円弧状のキー溝11,12や円弧状のキー13は、円弧補完コマンド(Gコードの一種)を実行可能な自動プログラミング言語、例えば、APT言語等を解するNC工作機械によって極めて容易に加工できるので、二次曲面上にドーブテールやアリ溝等を形成する必要のあるガイド手段を利用した従来型のステージ姿勢調整装置との比較において、ガイド手段4の加工が著しく容易化されるメリットがある。
また、円弧状のキー13は、例えば、円管状の母材から切り出した矩形断面の円輪を其の円弧方向に所定の長さで切断して切り分けることによって多数個取りするといったことも可能である。
キー溝11の加工位置に上下方向の位置ズレや溝幅の誤差が生じた場合、あるいは、キー溝11とキー溝12の相対的な加工位置に位置ズレが生じたような場合には、円弧状のキー13とキー溝11の側壁との間に薄いシムを介装することによって修正することも可能であるから、キー溝11やキー13の製造に高度な加工技術は要求されない。
当然、円弧状のキー13をキー溝12に圧入する構成を採用した場合にあっては、円弧状のキー13とキー溝12の側壁との間にシムを介装することになる。
図3(a)はステージ姿勢調整装置1の正面図、図3(b)はステージ姿勢調整装置1を図2におけるA−A断面で割って示した断面図、図4(c)はステージ姿勢調整装置1を図2におけるB−B断面で割って示した断面図である。
可動ステージ2を円弧軌跡Rに沿って移動させることによって可動ステージ2の姿勢(傾斜角度)を変化させる送り機構5は、図5(b)に示されるように固定ステージ3における2本の内側ガイド部材7,7間の中央部において円弧軌跡Rを含む平面と平行に配置されて其の基部14aを図4(c)に示されるようにして回転自在かつ軸方向移動不能な状態で固定ステージ3の一側に取り付けられたスクリュー14と、図3(b)に示されるように可動ステージ2の下面に軸周りの回転を抑制して取り付けられてスクリュー14に螺合したナット15とを備える。
送り機構5の一部を構成するスクリュー14は、図3(b)に示されるように、軸方向中央部における直径方向の両側に形成されたテーパ状の押さえ穴16a,16aを有してスクリュー14の基部14aに回転自在に環装されたスリーブ16と、固定ステージ3の一側すなわち図4(b)における右端部の位置で固定ステージ3の内側ガイド部材7,7を外側から内側に向けて貫通して先端の3次元テーパ面17a,17aをスリーブ16における押さえ穴16a,16aに突入させることによって押さえ穴16a,16aを通る直線を支点として円弧軌跡Rを含む平面と平行な平面内でスリーブ16の微小回転を許容する六角穴付きセットスクリュー17,17とを介して、其の基部14aを図4(b)および図4(c)に示されるようにして回転自在かつ軸方向移動不能な状態として固定ステージ3の一側に取り付けられている。
なお、図4(c)における符号18,19は摩擦軽減のための平ワッシャー、また、符号20は抜け止め用の六角ナットであり、此れらのパーツによってスクリュー14がスリーブ16に対して回転自在かつ軸方向移動不能な状態で取り付けられる。
スリーブ16は円弧軌跡Rを含む平面と平行な平面内で微小回転を許容され、此れに取り付けられたスクリュー14の揺動を、其の基部14aを支点として、円弧軌跡Rを含む平面と平行な平面内で許容することになるので、スリーブ16と此れを支える六角穴付きセットスクリュー17,17によって此の実施形態における第一の回転許容機構21が構成されていることになる。
また、送り機構5の一部を構成するナット15は、図5(b)に示されるように、軸方向中央部における直径方向の両側に形成されたテーパ状の押さえ穴22a,22aを有してナット15を回転不能かつ軸方向移動不能に内嵌するスリーブ22と、スクリュー14の軸方向に沿って中央部を貫通する孔23aを有して可動ステージ2におけるワーク載置部8の下面に六角穴付きボルト24,24で固着されたジョイント部材23と、ジョイント部材23の左右両側の壁部23b,23bを中央部で外側から内側に向けて貫通して先端の3次元テーパ面25a,25aをスリーブ22における押さえ穴22a,22aに突入させることによって押さえ穴22a,22aを通る直線を支点として円弧軌跡Rを含む平面に直交する回転軸の周りでスリーブ22の微小回転を許容する六角穴付きセットスクリュー25,25とを介して、可動ステージ2の下面に軸周りの回転が不能な状態で取り付けられている。
スリーブ22は円弧軌跡Rを含む平面に直交する回転軸の周りで微小回転を許容され、此れに回転不能かつ軸方向移動不能に内嵌されたナット15の微小回転を、円弧軌跡Rを含む平面に直交する回転軸の周りで許容することになるので、スリーブ22と此れを支える六角穴付きセットスクリュー25,25によって此の実施形態における第ニの回転許容機構26が構成されていることになる。
ナット15は軸方向の両端部にネジ山を残した状態で軸方向中央部周辺のネジ山を除去されることによって軸方向中央部周辺の断面積を削減されると共に、断面積を削減された部分に軸方向の圧縮応力もしくは引張応力を残留させてスクリュー14に螺合され、更に、断面積を削減されたナット15の部分、つまり、実質的に拡径されたナット15の内周面とスクリュー14の外周面との間にバックラッシ吸収用の有機樹脂を充填されている。
此の種のナットの構成に関しては、既に、特開2013−103303号公報等で公知である。
軸方向の両端部にネジ山を残した状態で軸方向中央部周辺のネジ山を除去したナット15を得るための方法としては、ナットにおける軸方向の中央部を直径方向に貫通するようにして、ナットの谷径(スクリュー14の山径)と同等もしくは僅かに太い直径のドリルで貫通孔を穿設するのが最も簡単である。
また、断面積を削減された部分に軸方向の圧縮応力を残留させる方法としては、例えば、ナット15をスクリュー14に螺合する際に、ナット15の谷径(スクリュー14の山径)よりも僅かに太い直径の貫通孔を有する2枚の治具板でナット15における軸方向の両端部を挟んでバイス等で挾圧し、断面積を削減された部分つまりナット15の軸方向の中央部に作用する単位断面積あたりの荷重を他部よりも増大させて弾性変形させた状態でスクリュー14を螺合させるといったものが考えられる。
バックラッシ吸収用の有機樹脂は、ナット15に穿設された径方向の貫通孔を利用してナット15の内周面とスクリュー14の外周面との間に充填することが可能である。
図5(b)、および、図5(b)に示される断面の位置を特定した図2から明らかなように、此の実施形態のステージ姿勢調整装置1にあっては、可動ステージ2が下に凸の円弧軌跡Rの下死点に位置した状態で、ナット15と、内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに刻設された円弧状のキー溝11,11と、円弧状のキー13,13と、外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに刻設された円弧状のキー溝12,12とが、円弧軌跡Rを含む平面の法線方向から見て同一直線上に、つまり、図5(b)および図2における左右の方向に一直線上に並んで位置することになる。
此のようにできる理由は、図5(b)からも分かるように、内側ガイド部材7,7のキー溝11,11と、外側ガイド部材9,9のキー溝12,12と、キー溝11,11に移動不能に圧入されると共にキー溝12,12との間でキー溝12,12の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキー13,13とからなるガイド手段4が、スクリュー14とナット15を備えた送り機構5の配設位置を挟むようにして、円弧軌跡Rを含む平面の法線の方向、すなわち、ステージ姿勢調整装置1の幅方向(図5(b)および図2における左右方向)に並べられているからである。
そして、此のような構成により、可動ステージの移動方向を円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と可動ステージを円弧軌跡に沿って移動させて可動ステージの姿勢を変化させる送り機構をステージの厚み方向に沿って上下に重合して配置した従来型のステージ姿勢調整装置との比較において、ステージ姿勢調整装置1における上下方向の厚みの薄型化が実現されるのである。
なお、図6における符号27はスリーブ22に内嵌されたナット15のズレや脱落を防止するためにスリーブ22の端部に取り付けられるリテーナ、符号28はステージ姿勢調整装置1の内部に埃が侵入するのを防止するための底蓋、符号29はワーク載置部8にワークを取り付けるためのタップ穴、符号30は固定ステージ3を作業台等にセットするための貫通穴である。
ここでは、一例として、円弧軌跡Rを含む平面と平行をなす外側面7a,7aを有する内側ガイド部材7,7を固定ステージ3の側に配置し、円弧軌跡Rを含む平面と平行をなす内側面9a,9aを有する外側ガイド部材9,9を可動ステージ2の側に取り付けた例について詳細に説明しているが、円弧軌跡Rを含む平面と平行をなす内側面を有する外側ガイド部材を固定ステージ3の側に取り付け、円弧軌跡Rを含む平面と平行をなす外側面を有する内側ガイド部材を可動ステージ2の側に配置した構成としてもよい。
また、下に凸の円弧軌跡Rに代えて、上に凸の円弧軌跡に沿って可動ステージ2を移動させて可動ステージ2の姿勢(傾斜角度)を変化させるようにすることも容易である。其の場合は、円弧状のキー溝11と円弧状のキー溝12を上に凸の円弧軌跡に沿った形状に変更する修正が必要である。但し、円弧状のキー13に関しては、此れを転倒させた状態での取り付けが可能であるため、円弧軌跡の曲率半径を大きく変更しない限り特に新造する必要はない。また、曲率半径に多少の差があった場合でも、円弧状のキー13を圧入する円弧状のキー溝によってキー13の曲率を或る程度は規制することが可能であるから、円弧状のキー13の新造は不要である。此のような構成を適用した場合は、可動ステージ2が上に凸の円弧軌跡の上死点に位置した状態で、ナット15と、内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに刻設された円弧状のキー溝11,11と、円弧状のキー13,13と、外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに刻設された円弧状のキー溝12,12とが、円弧軌跡を含む平面の法線方向から見て同一直線上に位置するように、此れらのパーツや円弧状のキー溝11,12の配置を決定することになる。
此れらの変形例,応用例に関しては、当業者によって容易に理解され得る程度の設計事項であるので、図面等を用いた詳細な説明は省略する。
次に、ステージ姿勢調整装置1の全体的な動作について図7および図8を参照して説明する。
図7(a)はワーク載置部8の上面が水平となる中立位置に可動テーブル2を位置させた状態でステージ姿勢調整装置1を示した左側面図、図7(b)はワーク載置部8の上面が水平となる中立位置に可動テーブル2を位置させた状態で外側ガイド部材9を取り外してステージ姿勢調整装置1を示した左側面図、図7(c)はワーク載置部8の上面が水平となる中立位置に可動テーブル2を位置させた状態で図2におけるB−B断面に沿ってステージ姿勢調整装置1を示した断面図である。
また、図8(a)は可動テーブル2を移動させてワーク載置部8の上面を傾斜させた状態でステージ姿勢調整装置1を示した左側面図、図8(b)は可動テーブル2を移動させてワーク載置部8の上面を傾斜させた状態で外側ガイド部材9を取り外してステージ姿勢調整装置1を示した左側面図、図8(c)は可動テーブル2を移動させてワーク載置部8の上面を傾斜させた状態で図2におけるB−B断面に沿ってステージ姿勢調整装置1を示した断面図である。なお、図8(a)中に示される点Oは円弧奇跡Rの曲率中心である。
まず、図7(a),図7(b),図7(c)に示されるような中立位置に可動テーブル2を位置させた状態で、固定ステージ3の一側にスリーブ16と六角穴付きセットスクリュー17,17を介して基部14aを回転自在かつ軸方向移動不能な状態で取り付けられたスクリュー14を回転させる。すると、スリーブ22と六角穴付きセットスクリュー25,25とジョイント部材23と六角穴付きボルト24,24を介して可動ステージ2の下面に軸周りの回転を抑制して取り付けられたナット15とスクリュー14との螺合状態が変化し、ナット15には、リードネジとして機能するスクリュー14による送りが掛けられる。
スクリュー14とナット15が正ネジであれば、スクリュー14の右回転によりナット15にはスクリュー14の基部14aに向けて引き寄せられる方向の力が加わり、また、スクリュー14を左回転させれば、ナット15にはスクリュー14の基部14aから離間する方向の力が加わることになる。
スクリュー14とナット15が逆ネジであれば、力が加わる方向は、当然、其の逆である。
スクリュー14を螺合したナット15の取り付け位置は背景技術の欄で述べた公知例と同様に可動ステージ2の下面ではある。
しかし、此の実施形態にあっては、円弧軌跡Rに沿って可動ステージ2の移動方向を規制するガイド手段4を、円弧軌跡Rを含む平面と平行をなす外側面7a,7aを有して固定ステージ3の基部6の上面に一定の間隔を置いて其の外側面7a,7aが相互に平行となるように配置された2本の内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに円弧軌跡Rに沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝11,11と、円弧軌跡Rを含む平面と平行をなす内側面9a,9aを有して可動ステージ2におけるワーク載置部8の下面に内側ガイド部材7,7における外側面7a,7a間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて取り付けられた2本の外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに円弧軌跡Rに沿って一定の幅で刻設された円弧状のキー溝12,12と、一方のキー溝11,11に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝12,12との間でキー溝12,12の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキー13,13とによって構成し、しかも、内側ガイド部材7,7のキー溝11,11と外側ガイド部材9,9のキー溝12,12と円弧状のキー13,13が、スクリュー14とナット15を備えた送り機構5の配設位置を挟むようにして、円弧軌跡Rを含む平面の法線の方向、すなわち、ステージ姿勢調整装置1の幅方向(図7(a),図7(b),図7(c)における紙面の厚み方向)に並べている。
従って、可動ステージ2に正荷重が働く場合に可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力は、円弧状のキー13,13の上面と外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに刻設された円弧状のキー溝12,12の上面との摺接面、および、固定ステージ3側の内側ガイド部材7,7における外側面7a,7aと可動ステージ2側の外側ガイド部材9,9における内側面9a,9aとの摺接面に作用し、また、可動ステージ2に負の荷重が働く場合、例えば、ステージ姿勢調整装置1を転倒させて利用したような場合には、可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力は、円弧状のキー13,13の下面と外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに刻設された円弧状のキー溝12,12の下面との摺接面、および、固定ステージ3側の内側ガイド部材7,7における外側面7a,7aと可動ステージ2側の外側ガイド部材9,9における内側面9a,9aとの摺接面に作用することになるので、可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力が作用する位置(摺接面)と可動ステージ2を移動させる力が加わる位置(ナット15の取り付け位置)との間に生じる円弧軌跡Rの法線方向(図7(a),図7(b),図7(c)における上下方向)に沿ったズレが少なく、其の結果、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントによって消費される送り力の無駄が軽減され、同時に、固定ステージ3の円弧状のキー13,13と可動ステージ2の円弧状のキー溝12,12との間に生じるカジリのような現象も軽減化されて、円滑な送りが実現される。
特に、此の実施形態にあっては、可動ステージ2が下に凸の円弧軌跡Rの下死点に位置した状態で、ナット15と、内側ガイド部材7,7の外側面7a,7aに刻設された円弧状のキー溝11,11と、円弧状のキー13,13と、外側ガイド部材9,9の内側面9a,9aに刻設された円弧状のキー溝12,12とが、円弧軌跡Rを含む平面の法線方向から見て同一直線上に位置するようなレイアウトを採用しているので、可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力が作用する位置(摺接面)と可動ステージ2を移動させる力が加わる位置(ナット15の取り付け位置)との間に生じる円弧軌跡Rの法線方向に沿ったズレが大幅に軽減され、其のズレ量を実質的に零に近い値とすることができるので、此のズレを腕の長さとする曲げモーメントは殆ど発生せず、ナット15に螺合されたスクリュー14の回転によってナット15に与えられる送り力の無駄は殆どなくなり、より円滑な送りが実現される。
しかも、送りネジとして機能するスクリュー12の基部12aは、基部12aを支点として円弧軌跡Rを含む平面と平行な平面内におけるスクリュー14の揺動を許容する第一の回転許容機構21を介して固定ステージ3の一側に取り付けられ、かつ、ナット15は、円弧軌跡Rを含む平面に直交する回転軸の周りでナット15の微小回転を許容する第二の回転許容機構26を介して可動ステージ2の下面に取り付けられているので、可動ステージ2の送りに伴うナット15の上下移動に応動してスクリュー14が円弧軌跡Rを含む平面と平行な平面内で、例えば、図8(c)に示されるようにして僅かに揺動するものの、スクリュー14の軸の向きは円弧軌跡Rの法線方向に略一致した状態に維持される。
此の結果、前記のようにして可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力が作用する位置(摺接面)と可動ステージ2を移動させる力が加わる位置(ナット15の取り付け位置)との間に生じる円弧軌跡Rの法線方向に沿ったズレを殆ど零とした状態で、しかも、第一の回転許容機構21および第二の回転許容機構26によってスクリュー14の軸の向きを円弧軌跡Rの法線方向と略一致させて、可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力が作用する摺接面に沿って可動ステージ2を移動させる力を作用させることが可能となり、送りの円滑性が更に向上する。
なお、図8(a),図8(b),図8(c)では可動ステージ2のワーク載置部8の法線L1と垂線L2がなす角αが3°となる位置つまりワーク載置部8の上面と水平面がなす角が3°となる位置にまで可動ステージ2に送りを掛けた状態を示しており(図8(a)参照)、此のとき、スクリュー14の軸線L3と水平線L4がなす角βは0°26′となるので(図8(c)参照)、厳密に言えば、可動ステージ2を移動させる力が作用する方向(スクリュー14の軸線L3の方向)と可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力が作用する摺接面の方向(ジョイント部材23の取り付け位置における円弧軌跡Rの接線方向)がなす角は3°26′となり、3°26′の偏差を生じることになる。此の偏差は下に凸の円弧軌跡Rの下死点から可動ステージ2が離間するに従って増大するが、ステージ姿勢調整装置1は、そもそも、光学実験におけるミラーやレンズの角度調整あるいは顕微鏡検査における試料の姿勢調整といった極めて高精度で微小な姿勢調整に利用されるものであって、可動ステージ2に大きな送りを掛けて可動ステージ2の傾斜角を大きく変更することは殆どないので、此の種の偏差が実用上の問題となることはない。
以上に述べた通り、此の実施形態のステージ姿勢調整装置1は、可動ステージ2の移動を阻害する摩擦力が作用する摺接面に沿ってスクリュー14の送り力を作用させることができ、其の結果、無駄なアソビがない。
よって、送り機構5の送り精度それ自体が可動ステージ2の送り精度に与える影響は、公知のステージ姿勢調整装置に比べて相対的に大きくなるが、送り機構5の構成要素となるナット15は、軸方向の圧縮応力もしくは引張応力を残留させてスクリュー14に螺合され、かつ、ナット15の中央部内周面とスクリュー14の外周面との間にバックラッシ吸収用の有機樹脂を充填されることによって、ナット&スクリューの間に生じるバックラッシやガタツキが徹底的に排除されているので、高精度で円滑な送りを実現することができる。
特に、送り力の伝達経路に無駄なアソビがないことから、スクリュー14を正逆に回転させて可動ステージ2の姿勢を微調整するような場合において、的確なレスポンスを得ることができる。
本発明は、円弧軌跡に沿って可動ステージの姿勢を変化させるステージ姿勢調整装置に適用することができる。
1 ステージ姿勢調整装置
2 可動ステージ
3 固定ステージ
4 ガイド手段
5 送り機構
6 固定ステージの基部
7 内側ガイド部材
7a 外側面
7b,7c 連合部
8 ワーク載置部
9 外側ガイド部材
9a 内側面
10 六角穴付きボルト
11 円弧状のキー溝
12 円弧状のキー溝
13 円弧状のキー
14 スクリュー
14a スクリューの基部
15 ナット
16 スリーブ
16a 押さえ穴
17 六角穴付きセットスクリュー
17a テーパ面
18,19 平ワッシャー
20 六角ナット
21 第一の回転許容機構
22 スリーブ
22a 押さえ穴
23 ジョイント部材
23a 孔
23b 壁部
24 六角穴付きボルト
25 六角穴付きセットスクリュー
25a テーパ面
26 第ニの回転許容機構
27 リテーナ
28 底蓋
29 タップ穴
30 貫通穴
R 下に凸の円弧軌跡
L1 法線
L2 垂線
L3 スクリューの軸線
L4 水平線
α 法線と垂線がなす角
β スクリューの軸線と水平線がなす角
O 円弧軌跡の曲率中心

Claims (5)

  1. ワークを載置する可動ステージと、前記可動ステージを支える固定ステージと、前記可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と、前記可動ステージを前記円弧軌跡に沿って移動させることで前記可動ステージの姿勢を変化させる送り機構を備えたステージ姿勢調整装置であって、
    前記固定ステージは、前記固定ステージの全体を支える基部と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有して前記基部の上面に一定の間隔を置いて前記外側面が相互に平行となるように配置された2本の内側ガイド部材を有し、
    前記可動ステージは、ワークを載置するワーク載置部と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有して前記ワーク載置部の下面に前記2本の内側ガイド部材における外側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて取り付けられた2本の外側ガイド部材を有し、
    前記ガイド手段は、前記円弧軌跡に沿って一定の幅で前記内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧軌跡に沿って一定の幅で前記外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝と、何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーとによって構成され、
    前記送り機構は、前記固定ステージにおける2本の内側ガイド部材間の中央部において前記円弧軌跡を含む平面と平行に配置されて其の基部を回転自在かつ軸方向移動不能な状態で前記固定ステージの一側に取り付けられたスクリューと、前記可動ステージの下面に軸周りの回転を抑制して取り付けられて前記スクリューに螺合するナットを備えたことを特徴とするステージ姿勢調整装置。
  2. ワークを載置する可動ステージと、前記可動ステージを支える固定ステージと、前記可動ステージの移動方向を下もしくは上に凸の円弧軌跡に沿って規制するガイド手段と、前記可動ステージを前記円弧軌跡に沿って移動させることで前記可動ステージの姿勢を変化させる送り機構を備えたステージ姿勢調整装置であって、
    前記固定ステージは、前記固定ステージの全体を支える基部と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす内側面を有して前記基部の上面に一定の間隔を置いて前記内側面が相互に平行となるように取り付けられた2本の外側ガイド部材を有し、
    前記可動ステージは、ワークを載置するワーク載置部と、前記円弧軌跡を含む平面と平行をなす外側面を有してワーク載置部の下面に前記2本の外側ガイド部材における内側面間の離間距離に匹敵する一定の間隔を置いて配置された2本の内側ガイド部材を有し、
    前記ガイド手段は、前記円弧軌跡に沿って一定の幅で前記内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧軌跡に沿って一定の幅で前記外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝と、何れか一方のキー溝に移動不能に圧入されると共に他方のキー溝との間でキー溝の円弧方向に沿った移動を許容された円弧状のキーとによって構成され、
    前記送り機構は、前記固定ステージにおける2本の外側ガイド部材間の中央部において前記円弧軌跡を含む平面と平行に配置されて其の基部を回転自在かつ軸方向移動不能な状態で前記固定ステージの一側に取り付けられたスクリューと、前記可動ステージの下面に軸周りの回転を抑制して取り付けられて前記スクリューに螺合するナットを備えたことを特徴とするステージ姿勢調整装置。
  3. 前記可動ステージが前記円弧軌跡の下死点もしくは上死点に位置する状態で、前記ナットと、前記内側ガイド部材の外側面に刻設された円弧状のキー溝と、前記円弧状のキーと、前記外側ガイド部材の内側面に刻設された円弧状のキー溝とが、前記円弧軌跡を含む平面の法線方向から見て同一直線上に位置することを特徴とする請求項1または請求項2記載のステージ姿勢調整装置。
  4. 前記スクリューの基部が、此の基部を支点として前記円弧軌跡を含む平面と平行な平面内での前記スクリューの揺動を許容する第一の回転許容機構を介して前記固定ステージの一側に取り付けられると共に、
    前記ナットは、前記円弧軌跡を含む平面に直交する回転軸の周りで前記ナットの微小回転を許容する第二の回転許容機構を介して前記可動ステージの下面に取り付けられていることを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3のうち何れか一項に記載のステージ姿勢調整装置。
  5. 前記ナットは、軸方向の両端部にネジ山を残した状態で軸方向中央部周辺のネジ山を除去されることによって軸方向中央部周辺の断面積を削減されると共に断面積を削減された部分に軸方向の圧縮応力もしくは引張応力を残留させて前記スクリューに螺合され、前記断面積を削減された部分と前記スクリューの外周面との間にバックラッシ吸収用の有機樹脂を充填されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4のうち何れか一項に記載のステージ姿勢調整装置。
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