JP2016077109A - 固定子鉄心の製造方法および回転電機 - Google Patents

固定子鉄心の製造方法および回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気抵抗を増加させずに強度を維持することができる固定子鉄心の製造方法および回転電機を提供することである。
【解決手段】短手方向の端部が所定形状に加工された長板状の圧延材(鉄心材)をプレスして、ヨーク部とティース部とを有するプレス材を成形するプレス工程(S2)と、プレス材のヨーク部を円形状に成形するヘリカル工程(S3)とを有する。この構成によれば、ヨーク部には切欠きが無いので、磁気抵抗を増加させずに、ヨーク部の強度を維持することができる。短手方向の端部をプレスすることでヨーク部を円形状に成形するので、径方向に延びるティース部を備える固定子鉄心を製造できる。プレス工程はヨーク部とティース部とを成形するだけなので、材料の歩留まりを高めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヨーク部と複数のティース部を備える固定子鉄心を製造する固定子鉄心の製造方法と、当該固定子鉄心を含む回転電機とに関する。
従来では、鉄板の歩留まりを向上させ、簡易な工程により製造できることを目的とするステータコア(固定子鉄心)の製造方法に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。このステータコアの製造方法は、ティース本体を有する第1部分を鉄板から打ち抜く第1ステップと、ヨーク部を環状に折り曲げて螺旋に積層する第2ステップと、ティース本体の先端にティース先端を有する第2部分を係合する第3ステップとを含む。第1ステップは、ヨーク部における各ティース本体の間に切欠き(第1切欠き,第2切欠き)を形成する。
特開2013−055766号公報
しかし、特許文献1に記載の技術を適用すると、ヨーク部に切欠きを形成する必要がある。このようにヨーク部に形成される切欠きは、磁気抵抗を増加させるとともに、ヨーク部の強度が低下する、という問題点がある。
上記問題点を解決する方策として、ヨーク部に切欠きを形成することなく固定子鉄心を製造する方法としてヘリカル工法がある。ところが、ヘリカル工法はティースを外径方向に配置する固定子鉄心には適用することができない、という問題点がある。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、ティースを外径方向に配置する固定子鉄心について、磁気抵抗を増加させずに強度を維持することができる固定子鉄心の製造方法および回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、ヨーク部(Yo)と、前記ヨーク部から径方向に延びる複数のティース部(Te)とを備える固定子鉄心(15)を製造する固定子鉄心の製造方法において、短手方向の端部が所定形状に加工された長板状の鉄心材(10)をプレスして、前記ヨーク部と前記ティース部とを成形するプレス工程(S2)と、前記プレス工程によって加工された前記鉄心材の前記ヨーク部を円形状に成形するヘリカル工程(S3)とを有することを特徴とする。
この構成によれば、プレス工程によって鉄心材にヨーク部とティース部とを成形し、ヘリカル工程によってヨーク部を円形状に成形することで、固定子鉄心を製造する。ヨーク部には切欠きが無いので、磁気抵抗を増加させずに、ヨーク部の強度を維持することができる。短手方向の端部をプレスすることでヨーク部を円形状に成形するので、径方向に延びるティース部を備える固定子鉄心を製造することができる。プレス工程はヨーク部とティース部とを成形するだけなので、材料の歩留まりを高めることができる。
第2の発明は、前記鉄心材にかかる短手方向の端部を前記所定形状に圧延する圧延工程(S1)を有することを特徴とする。
この構成によれば、圧延工程は、ヘリカル工程でプレスする部位(短手方向の端部)を圧延して所定形状に成形する。加工を容易に行えるので、コストや手間を要しない。
第3の発明は、回転電機(100)において、請求項1から7のいずれか一項に記載の固定子鉄心の製造方法によって製造された前記固定子鉄心(105)を含むことを特徴とする。
この構成によれば、磁気抵抗を増加させずに強度を維持することができる固定子鉄心を含む回転電機を提供することができる。
固定子鉄心の製造処理の一例を示すフローチャート図である。 フープ材の一例を模式的に示す斜視図である。 圧延工程の第1例を模式的に示す正面図である。 図3に示すIV方向から見た側面図である。 図4に示すV−V線の断面図である。 プレス工程の第1例を模式的に示す平面図である。 図6に示すVII−VII線の断面図である。 ヘリカル工程の一例を模式的に示す正面図である。 図8に示すIX方向から見た側面図である。 図9に示すX−X線の断面図である。 ヘリカル材の一例を模式的に示す平面図である。 ヘリカル工程の一例を模式的に示す斜視図である。 固定子鉄心の一部を模式的に示す断面図である。 回転電機の構成例を模式的に示す断面図である。 プレス工程の第2例を模式的に示す平面図である。 図15に示すXVI方向から見た側面図である。 プレス工程の第3例を模式的に示す平面図である。 図17に示すXVIII−XVIII線の断面図である。 ティース部の他の成形例を模式的に示す平面図である。 プレス工程の第4例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。英数字の連続符号は記号「〜」を用いて略記する。例えば、「圧延材12A〜12C」は「圧延材12A,12B,12C」を意味する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は、所定形状をテーパ形状とする例であって、図1〜図14を参照しながら説明する。図1に示す固定子鉄心の製造処理は、圧延工程(S1)、プレス工程(S2)、ヘリカル工程(S3)、積層工程(S4)などを有する。鉄心材10は、分かり易くするために工程に応じて、フープ材11、圧延材12(圧延材12A〜12C)、プレス材13(プレス材13A〜13E)、ヘリカル材14などと称する。以下では、各工程について簡単に説明する。
(圧延工程;S1)
圧延工程では、図2に示すフープ材11に対して、図3に示す圧延加工機20を用いて圧延を行う。圧延材12Aは、フープ材11が図4に示す矢印D2のように供給され、圧延加工機20で圧延加工されて得られる。図4に示す圧延加工機20は、互いに逆方向(矢印D1,D3を参照)に回転する上下のローラで構成される。
圧延加工機20によって成形された圧延材12Aは、図5に示すようにヨーク部Yoやティース部Teとなり得る部位で形状が異なる。また圧延材12Aは、フープ材11の短手方向(図面では左右方向)で対称な形状である。ヨーク部Yoとなり得る部位では厚さL1である。ヨーク部Yoとなり得る部位には、厚さL1から厚さL2(ただしL2>L1)まで板厚方向(図5では上下方向)に厚みが変化するテーパ部位Taを有する。図5に示す例のテーパ部位Taは、ティース部Teとなり得る部位よりも高さH1だけ高く、短手方向の端面に向かって角度θの傾斜がある。高さH1と角度θは、後述するヘリカル材14の半径R(図11を参照)に対応して設定する。
(プレス工程;S2)
プレス工程では、図6に示す圧延材12Aに対して、図示しないプレス加工機を用いてプレス(型抜き)を行う。プレス材13Aは、圧延材12Aが図6に示す矢印D4のように供給され、プレス加工機でプレス加工されて得られる。具体的には図6に示すように、片側端部(図6では左側端部)のヨーク部Yoとなる部位と、ティース部Teとなり得る部位とを打ち抜く。成形されるプレス材13Aは、ティース部Teとヨーク部Yoとからなる。ヨーク部Yoは、図7に示すようにまだテーパ部位Taを有する。
(ヘリカル工程;S3)
ヘリカル工程では、プレス材13Aに対して、図8,図9に示すヘリカル加工機30を用いてヘリカル加工を行う。本形態のヘリカル工程は、ティース部Teが外径側に延び、ヨーク部Yoが円形状となるように変形させるヘリカル加工を行う。ヘリカル材14は、プレス材13Aが図9に示す矢印D6のように供給され、ヘリカル加工機30でヘリカル加工されて得られる。図9に示すヘリカル加工機30は、互いに逆方向(矢印D5,D7を参照)に回転する上下のローラで構成される。
ヘリカル加工機30によって成形されたヘリカル材14は、図10に示すようにヨーク部Yoとティース部Teで同じ厚さL1になる。すなわち、テーパ部位Taが平板状となるようにヨーク部Yoがプレスされる。こうしてヨーク部Yoがプレスされると、図11に示すようにヨーク部Yoが中心点Pcを中心とする半径Rの円形状になる。ヘリカル材14は、円の1周分だけ成形されるごとに切断される。ヘリカル材14は、固定子鉄心15を構成するのに必要な長さで切断し、図12に示す巻取り部材16に巻取りながら積層する。
(積層工程;S4)
ヘリカル工程によって製造されたヘリカル材14を巻取り部材16で巻取りながら所望の積層厚になるように積層すると、図13に示す固定子鉄心15が製造される。ヘリカル材14を積層する積層数は、固定子鉄心15の厚さやヘリカル材14の厚さL1に応じて任意に設定してよい。
上述のようにして製造された固定子鉄心15を含む回転電機100の一例を図14に示す。なお図14では、固定子鉄心15を固定子鉄心107として示す。
図14に示す回転電機100は、回転子101(ロータ),固定子105(ステータ),軸受104,被固定部材108(ホルダ),支軸109などを有する。この回転電機100は、固定子105の外径側に回転子101が配置されるアウタロータ型である。
回転子101は、支持体103の内壁面に対して、回転子鉄心102(ロータコア)が固定される。回転子鉄心102には磁石を含む。固定子105は、固定子巻線106(コイル)や固定子鉄心107(ステータコア)などを有する。固定子巻線106は、固定子鉄心107のスロット(ティース部Teの相互間における空間)に収容されるように巻き付けられる。固定子鉄心107は、被固定部材108を介して支軸109に固定される。回転子101と固定子105との間には軸受104が介在し、回転子101が回転自在となるように構成される。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は、所定形状を部分的に成形するテーパ形状とする例であって、図15,図16を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1と相違する点を説明する。
図15には、圧延工程で成形される圧延材12Bと、プレス工程で成形されるプレス材13Bとを示す。圧延材12Bは、圧延材12Aと比べて、ヨーク部Yoとなり得る部位に成形されるテーパ部位Ta点が異なる。具体的には、圧延工程でヨーク部Yoとなり得る部位のうち、プレス工程で成形されるティース部Teに対応する部位にテーパ部位Taが成形される。図16に示すように、ヨーク部Yoにはテーパ部位Taが成形される部位と成形されない部位が交互にあらわれる。なお、プレス工程は実施の形態1と同様にプレスが行われ、プレス材13Bになる。また、VII−VII線の断面は図7に示す通りである。
図16に示すプレス材13Bに対して、図8,図9に示すヘリカル加工機30を用いてヘリカル加工を行うと、図11に示すヘリカル材14が成形される。ヘリカル材14は、固定子鉄心15を構成するのに必要な長さで切断し、図12に示す巻取り部材16に巻取りながら積層する。積層した後は図13に示す固定子鉄心15が製造される。
こうして製造される固定子鉄心15は、実施の形態1と同様に、固定子鉄心107として回転電機100に含めることができる(図14を参照)。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、所定形状を凸形状とする例であって、図17,図18を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1,2で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1,2と相違する点を説明する。
図17には、圧延工程で成形される圧延材12Cと、プレス工程で成形されるプレス材13Cとを示す。圧延材12Cは、圧延材12Aと比べて、ヨーク部Yoとなり得る部位にはテーパ部位Taに代えて凸状部位Coが成形される点が異なる。プレス工程は実施の形態1,2と同様にプレスが行われ、プレス材13Cになる。プレス材13Cの凸状部位Coは、図18に示すように板厚方向(図18では上下方向)に突起する部位である。
図示しないが、圧延材12Cは、ヨーク部Yoに凸状部位Coが成形される部位と成形されない部位が交互にあらわれるように圧延工程で成形してもよい(図16を参照)。
図18に示すプレス材13Cに対して、図8,図9に示すヘリカル加工機30を用いてヘリカル加工を行うと、図11に示すヘリカル材14が成形される。ヘリカル材14は、固定子鉄心15を構成するのに必要な長さで切断し、図12に示す巻取り部材16に巻取りながら積層する。積層した後は図13に示す固定子鉄心15が製造される。図17に示す凸状部位Coは、短手方向の幅W3と、ティース部Teとなり得る部位よりも高さH3とを有する。すなわち、凸状部位Coは厚さL3(ただしL3>L1)になる。高さH3と幅W3は、ヘリカル材14の半径R(図11を参照)に対応して設定する。
こうして製造される固定子鉄心15は、実施の形態1,2と同様に、固定子鉄心107として回転電機100に含めることができる(図14を参照)。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜3に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態1〜3では、鉄心材10としてフープ材11が供給され、圧延工程(S1)、プレス工程(S2)、ヘリカル工程(S3)、積層工程(S4)を行う構成とした(図1を参照)。この形態に代えて、鉄心材10として圧延材12A,12B(図5,図6,図15を参照)が供給される場合は、プレス工程(S2)、ヘリカル工程(S3)および積層工程(S4)を行う構成としてもよい。また、鉄心材10としてプレス材13A,13B(図5,図6,図15を参照)が供給される場合は、ヘリカル工程(S3)と積層工程(S4)を行う構成としてもよい。いずれの構成にせよ、図13に示す固定子鉄心15を製造することができる。したがって、実施の形態1,2と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜3のプレス工程は、先端部が矩形状となるようにティース部Teを打ち抜く構成とした(図6を参照)。この形態に代えて、先端部が矩形状以外の他の形状となるようにティース部Teを打ち抜く構成としてもよい。他の形状は、例えば図19に示すように周方向に延びるツバ部位Brを有する形状などが該当する。図19に示すプレス材13Dのティース部Teは、全体的にT字状となる。ティース部Teの形状が相違するに過ぎないので、実施の形態1,2と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1の圧延工程は、所定形状として、プレス材13A(鉄心材)の板厚方向に厚みが変化するテーパ部位Ta(テーパ形状)を含むように成形する構成とした(図5,図7を参照)。また実施の形態2の圧延工程は、所定形状として、プレス材13A(鉄心材)の板厚方向に突起する凸状部位Co(凸形状)を含むように成形する構成とした(図17を参照)。これらの形態に代えて、テーパ部位Taや凸状部位Co以外の他の形状部位を含むように成形する構成としてもよい。
上述した他の形状は、ヘリカル工程によってヨーク部Yoとティース部Teで同じ厚さL1となるようにプレスされると、ヨーク部Yoが半径Rの円形状になる形状である(図11を参照)。例えば図20に示すように、短手方向の端面側(図20では図面右側)だけにプレス材13E(鉄心材)の板厚方向に厚みが変化するテーパ部位Ta(テーパ形状)が該当する。図示しないが、図20以外の形状であってヘリカル工程によってヨーク部Yoが半径Rの円形状になる形状であれば任意である。他の形状部位を含むように圧延加工しても、図13に示す固定子鉄心15を製造することができる。したがって、実施の形態1,2と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜3の圧延工程は、フープ材11の短手方向で対称な形状となるようにフープ材11を圧延する構成とした(図3〜図5を参照)。この形態に代えて、フープ材11の短手方向で非対称な形状、すなわち短手方向の一方側端部だけヨーク部Yoとなり得る部位が成形されるようにフープ材11を圧延する構成としてもよい。この構成では、図7に示す断面形状のような圧延材12が得られる。プレス工程は、ティース部Teが成形されるように打ち抜けばよい。図6に示す圧延材12Aのうちで他方側端部(図6では左側端部)のヨーク部Yoとなり得る部位を打ち抜く必要がなくなるので、フープ材11を無駄なく有効に利用することができる。その他については、実施の形態1,2と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜3の回転電機100は、固定子105の外径側に回転子101が配置されるアウタロータ型で構成した(図14を参照)。この形態に代えて、複数の固定子105を備え、固定子105の相互間に回転子101を介在させるダブルステータ型で構成してもよい。固定子105の数が相違するに過ぎないので、実施の形態1,2と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜3のヘリカル工程は、ティース部Teが外径側に延び、ヨーク部Yoが内径側で円形状となるように変形させるヘリカル加工を行う構成とした(図11を参照)。この形態に代えて、ティース部Teが内径側に延び、ヨーク部Yoが外径側で円形状となるように変形させるヘリカル加工を行う構成としてもよい。これを実現するにあたっては、圧延工程において成形するテーパ部位Taや凸状部位Coの形状を実施の形態1,2とは異ならせる必要がある。テーパ部位Taが高さH1となる位置や、凸状部位Coの位置は、実施の形態1,2ではティース部Te側に設けるのに対して、フープ材11の短手方向の端面側に設ければよい。こうして製造される固定子鉄心15は、固定子105の内径側に回転子101が配置されるインナロータ型の回転電機100を構成できる。ティース部Teが延びる方向が相違するに過ぎないので、実施の形態1,2と同様の作用効果が得られる。
〔作用効果〕
上述した実施の形態および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)固定子鉄心の製造方法において、短手方向の端部が所定形状に加工された長板状の圧延材12A,12B(鉄心材)をプレスして、ヨーク部Yoとティース部Teとを有するプレス材13A,13B,13Cを成形するプレス工程(S2)と、プレス材13A,13B,13Cのヨーク部Yoを円形状に成形するヘリカル工程(S3)とを有する構成とした(図1〜図13,図15〜図18を参照)。この構成によれば、ヨーク部Yoには切欠きが無いので、磁気抵抗を増加させずに、ヨーク部Yoの強度を維持することができる。短手方向の端部をプレスすることでヨーク部Yoを円形状に成形するので、外径方向に延びるティース部Teを備える固定子鉄心15を製造することができる(図12を参照)。プレス工程はヨーク部Yoとティース部Teとを成形するだけなので(図6を参照)、材料の歩留まりを高めることができる。
(2)フープ材11(鉄心材)にかかる短手方向の端部を所定形状(図5,図17を参照)に圧延する圧延工程(S1)を有する構成とした(図3,図4を参照)。この構成によれば、ヘリカル工程でプレスする部位(短手方向の端部)を圧延して所定形状に成形する加工は容易に行えるので、コストや手間を要しない。
(3)圧延工程は、フープ材11(鉄心材)にかかる短手方向で対称となるように圧延する構成とした(図3〜図5,図15を参照)。この構成によれば、不具合(例えば歪みや曲がり等)の発生を防止しながらも、鉄心材の一部に所定形状を成形できる。
(4)圧延工程は、所定形状として、プレス材13A(鉄心材)の板厚方向に厚みが変化するテーパ部位Ta(テーパ形状;図5,図7を参照)、または、プレス材13A(鉄心材)の板厚方向に突起する凸状部位Co(凸形状)を含むように成形する構成とした(図17を参照)。この構成によれば、ヘリカル工程において、テーパ部位Taや凸状部位Coによって、ティース部Teが外径方向に延びるようにヨーク部Yoを円形状に成形することが容易に行える(図11を参照)。
(5)プレス工程は、テーパ部位Taまたは凸状部位Coがヨーク部Yoに含まれるようにプレスする構成とした(図6,図15を参照)。この構成によれば、ヨーク部Yoを円形状に成形するにあたり、当該ヨーク部Yoをプレスすればよい。よって加工が容易に行えるので、コストや手間を要しない。
(6)ヘリカル工程は、圧延工程によって加工された所定形状の部位(テーパ部位Taまたは凸状部位Co)を平板状にプレスする構成とした(図8〜図10を参照)。この構成によれば、ヨーク部Yoを円形状に成形するにあたって、所定形状の部位を平板状にプレスすればよい。よって、平板状にプレスする以外の加工を行う必要がないので加工が容易に行え、コストや手間を要しない。
(7)ヘリカル工程は、ヨーク部Yoとティース部Teとが同じ厚さ(L1)となるように、所定形状の部位をプレスする構成とした(図8〜図10を参照)。この構成によれば、ヘリカル加工後の板厚が一定となるので、積層隙間を無くして高占積率の固定子鉄心15を製造することができる。
(8)回転電機100は、固定子鉄心の製造方法(S1〜S3)によって製造された固定子鉄心105(固定子鉄心15に相当する)を含む構成とした(図14を参照)。この構成によれば、磁気抵抗を増加させずに強度を維持することができる固定子鉄心15を含む回転電機100を提供することができる。
10 鉄心材
11 フープ材(鉄心材)
12(12A〜12C) 圧延材(鉄心材)
13(13A〜13E) プレス材(鉄心材)
14 ヘリカル材(鉄心材)
15,105 固定子鉄心
100 回転電機
S1 圧延工程
S2 プレス工程
S3 ヘリカル工程
Te ティース部
Yo ヨーク部

Claims (8)

  1. ヨーク部(Yo)と、前記ヨーク部から径方向に延びる複数のティース部(Te)とを備える固定子鉄心(15)を製造する固定子鉄心の製造方法において、
    短手方向の端部が所定形状に加工された長板状の鉄心材(10)をプレスして、前記ヨーク部と前記ティース部とを成形するプレス工程(S2)と、
    前記プレス工程によって加工された前記鉄心材の前記ヨーク部を円形状に成形するヘリカル工程(S3)と、
    を有することを特徴とする固定子鉄心の製造方法。
  2. 前記鉄心材にかかる短手方向の端部を前記所定形状に圧延する圧延工程(S1)を有することを特徴とする請求項1に記載の固定子鉄心の製造方法。
  3. 前記圧延工程は、前記鉄心材にかかる短手方向で対称となるように圧延することを特徴とする請求項2に記載の固定子鉄心の製造方法。
  4. 前記圧延工程は、前記所定形状として、前記鉄心材の板厚方向に厚みが変化するテーパ形状、または、前記鉄心材の板厚方向に突起する凸形状を含むように成形することを特徴とする請求項2または3に記載の固定子鉄心の製造方法。
  5. 前記プレス工程は、前記テーパ形状または前記凸形状が前記ヨーク部に含まれるようにプレスすることを特徴とする請求項4に記載の固定子鉄心の製造方法。
  6. 前記ヘリカル工程は、前記圧延工程によって加工された前記所定形状の部位を平板状にプレスすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の固定子鉄心の製造方法。
  7. 前記ヘリカル工程は、前記ヨーク部と前記ティース部とが同じ厚さとなるように、前記所定形状の部位をプレスすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の固定子鉄心の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の固定子鉄心の製造方法によって製造された前記固定子鉄心(105)を含むことを特徴とする回転電機(100)。
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