JP2004358490A - 磁性体コアの製造方法および磁性体コア用鋼帯の圧延方法およびその圧延ロール - Google Patents
磁性体コアの製造方法および磁性体コア用鋼帯の圧延方法およびその圧延ロール Download PDFInfo
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Abstract
【課題】巻き重ねた状態で鋼帯間に隙間ができないようにして占積率の向上を図った磁性体コアの製造方法および磁性体コア用鋼帯の圧延方法およびその圧延ロールを提供すること。
【解決手段】平坦部分21,31と傾斜部分22,32とを有する圧延ロール2,3を用いて鋼帯の圧延を行う。これにより得られる鋼帯10は,一定の板厚の平坦部分と,板厚が変化している傾斜部分とを有している。平坦部分をティース部11とし,傾斜部分をヨーク部12とする。ヨーク部12における板厚の傾斜は,巻き重ね時の曲げ加工による不均一な板厚減少を見込んだものである。そして,スリット加工,ティース形成の後,鋼帯10を巻き重ねてステータコアとする。巻き重ねの際には,ヨーク部12の厚肉側が外側に,薄肉側が内側になるようにする。
【選択図】 図5
【解決手段】平坦部分21,31と傾斜部分22,32とを有する圧延ロール2,3を用いて鋼帯の圧延を行う。これにより得られる鋼帯10は,一定の板厚の平坦部分と,板厚が変化している傾斜部分とを有している。平坦部分をティース部11とし,傾斜部分をヨーク部12とする。ヨーク部12における板厚の傾斜は,巻き重ね時の曲げ加工による不均一な板厚減少を見込んだものである。そして,スリット加工,ティース形成の後,鋼帯10を巻き重ねてステータコアとする。巻き重ねの際には,ヨーク部12の厚肉側が外側に,薄肉側が内側になるようにする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,モータ等の回転電機に用いられる磁性体コアに関する。さらに詳細には,磁性体コアを螺旋工法により製造する場合において占積率の向上を図った製造方法,磁性体コア用鋼帯の圧延方法,そしてその圧延ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から,例えば特許文献1,2に開示されるように,いわゆる螺旋工法による回転電機のコアの製造が行われている。すなわち図11に示すように,長尺状の鋼帯90の一端にティース91を設けておき,これを螺旋状に巻き重ねてコアとするのである。そして,これらの特許文献に記載された技術では,鋼帯90のヨーク部92(ティース91以外の部分)を,ティース91側から他端側に向けて板厚が減少する形状となるように圧延している。これにより,板厚のばらつきや,そのばらつきによる巻き取り加工上の不具合を防止している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−224817号公報
【特許文献2】
特開昭62−244248号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来の技術には,次に述べるような問題点があった。すなわち,巻き重ねた鋼帯間に,特にヨーク部92の外周側において隙間ができてしまう。このため占積率が悪いのである。ヨーク部92の外周側に鋼帯間の隙間ができる原因は,巻き重ねにより鋼帯90が曲げ変形を受けていることにある。すなわち,ヨーク部92の外周側は長さ方向に引っ張りを受けているため,その分厚さが減少しているのである。その減少分が巻き重ねた状態での鋼帯間の隙間となるのである。特に,特許文献1,2に記載されているものでは,鋼帯間の隙間が著しいという問題がある。外側が薄肉となる板厚傾斜をヨーク部に意図的につけているためである。
【0005】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,巻き重ねた状態で鋼帯間に隙間ができないようにして占積率の向上を図った磁性体コアの製造方法および磁性体コア用鋼帯の圧延方法およびその圧延ロールを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の磁性体コアの製造方法では,鋼帯を圧延して,その幅方向の少なくとも一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,その鋼帯にティースを形成し,その鋼帯を,傾斜部分の厚肉側が外側に位置するように螺旋状に巻き重ねて磁性体コアとする。すなわち本発明では,傾斜部分の厚肉側が外側に来るのである。このため,曲げ変形を受けて外周側が引っ張りを受けると,厚さの減少により,巻き重ね状態では板厚の傾斜が相殺されることとなる。結果として,巻き重ね状態では鋼帯間に隙間がほとんどなく,占積率の高い磁性体コアが得られる。
【0007】
そして本発明の磁性体コアの製造方法では,圧延による傾斜部分の形成を,700〜800℃の範囲内の温度にて行うことが望ましい。圧延加工を700℃以上の熱間で行うことにより,加工時の鋼帯の硬度を下げることができる。このため加工しやすいというメリットがある。また,焼鈍効果により加工歪みが解消されるので,加工による磁気特性の劣化を抑制できる。むろん,同様の理由により,ティースの形成も700〜800℃の範囲内の温度にて行うことが望ましい。さらに,巻き重ねも700〜800℃の範囲内の温度にて行うことが望ましい。
【0008】
また,本発明の磁性体コア用鋼帯の圧延方法では,鋼帯を圧延して磁性体コア用鋼帯とするに際し,径が幅方向位置により異なる傾斜領域と,径が幅方向位置によらず一定である平坦領域とを有する圧延ロールを用い,その圧延ロールの傾斜領域により,鋼帯の幅方向の一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,圧延ロールの平坦領域により,鋼帯の幅方向の残部に,厚さが幅方向位置によらず一定である平坦部分を形成する。この圧延方法により,傾斜部分と平坦部分とを有する磁性体コア用鋼帯が得られる。この磁性体コア用鋼帯を,傾斜部分の厚肉側が外側に来るように巻き重ねることにより,占積率の高い磁性体コアが得られる。
【0009】
しかして本発明の圧延ロールは,径が幅方向位置により異なる傾斜領域と,径が幅方向位置によらず一定である平坦領域とを有し,傾斜領域により,鋼帯の幅方向の一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,平坦領域により,鋼帯の幅方向の残部に,厚さが幅方向位置によらず一定である平坦部分を形成するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した実施の形態を,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,モータのステータに用いられるコアの螺旋工法による製造過程に本発明を適用したものである。
【0011】
本形態におけるステータコアの製造過程の大要は,図1の通りである。すなわち,出発材である電磁鋼板の鋼帯コイル1に対し,まず圧延が行われる。このときの圧延ロール2,3の形状およびそれによる圧延後の鋼帯の形状には,後述するような特徴がある。次いで,圧延後の鋼帯がスリット加工される。そして,スリット加工により切断された個々の鋼帯10に,打ち抜き加工によりティース11が形成される。ティース形成後の鋼帯10のうち,ティース11以外の,長手方向に連続している部分がヨーク部12である。ティース11を形成した後の鋼帯10が,図2に示すように巻き重ねに供される。
【0012】
ティース形成後の鋼帯10は,図3の幅方向断面図に示すように,ティース部11とヨーク部12とで異なる断面プロファイルを有している。すなわち,ティース部11の板厚はt1で一定である。これに対しヨーク部12は,ティース部11から離れるほど厚くなっており,図3中右端での厚さはt2(>t1)となっている。これより,板厚に関して,ティース部11は平坦部分でありヨーク部12は傾斜部分であるということができる。このような断面形状は,図1中の圧延ロール2,3による圧延により形成されたものである。
【0013】
そして,この鋼帯10は,巻き重ねの際,ティース部11が内側に,ヨーク部12が外側にされる。したがってステータコアにおいては,図2に示されるように,ヨーク部12のティース部11側(図3中左側,薄肉側)が内側に,ヨーク部12におけるティース部11とは反対の側(図3中右側,厚肉側)が外側に位置する。すなわち,巻き重ね後のステータコアにおいて,ヨーク部12におけるティース部11とは反対の側は,巻き重ね前と比して,長手方向に引っ張り加工を受けて伸張していることになる。このためヨーク部12におけるティース部11とは反対の側の厚さは,巻き重ね前に比べて減少している。したがって,巻き重ね前における板厚の傾斜が相殺され,ほぼ均一な板厚となっている(図4)。このため,巻き重ね後のステータコア13(図2)においては,ティース部11はもちろんヨーク部12についても,鋼帯10と鋼帯10との間の厚さ方向の隙間がほとんどない。したがって占積率が非常に高い。
【0014】
ここで,巻き重ね前におけるヨーク部12の板厚プロファイルについて詳述する。当該プロファイルは,巻き重ね後におけるヨーク部12の断面が,完全に平坦,すなわち一定の厚さt1を持つように定めるのが最善である。そこで,巻き重ね後のヨーク部12が,巻き重ね前と比べていかなる変形を受けているかを考察する。ここで,図2中に示したように巻き重ね後のヨーク部12の内半径をrとする。そして,図3中に示したようにヨーク部12の幅をwとする。すると,巻き重ね後のヨーク部12の外半径は,r+wとなる。これより,ヨーク部12の1周当たりの周長は,
内周:2πr
外周:2π(r+w)
となる。これより,巻き重ね後のヨーク部12の外周部分は,巻き重ね前に比して,長手方向に1+(w/r)倍に伸張されていることになる。
【0015】
また,1周当たりの体積Vは,
と求められる。πは円周率である。
【0016】
よって,巻き重ね前におけるヨーク部12は,長さ2πr当たりで上記の体積Vを持つ必要がある。巻き重ね前におけるヨーク部12は,上底t1,下底t2,高さwの台形断面を持つ柱状体と考えられるから,その長さ2πr当たりの体積V’は,
で与えられる。このV’がVと等しくなければならないので,
πwr(t1+t2) = πw(2r+w)t1
が成り立つ必要がある。この式をt2について解くと,
t2 = (1+(w/r))t1
と求められる。これより,巻き重ね前におけるヨーク部12の,ティース部11とは反対の側は,ティース部11側に比して 1+(w/r)倍の厚さを持つ必要があることがわかる。言い換えると,巻き重ね時の伸張により厚さが減少する分を見込んだ厚さを持たせておくのである。
【0017】
巻き重ね前の鋼帯10が持つ上記の断面形状は前述のように,図1中の圧延ロール2,3により形成される。そこで,圧延ロール2,3について詳述する。
【0018】
圧延ロール2,3の表面には,図5の部分断面図に示すように,平坦部分21,31と傾斜部分22,32とが交互に設けられている。各傾斜部分22,32は,傾斜面と垂直面とからなる溝であり,圧延ロール2,3の全周にわたるリング状をなしている。また,平坦部分21と平坦部分31とが向き合い,傾斜部分22と傾斜部分32とが向き合っている。平坦部分21,31と,これに連続的につながる傾斜部分22,32との組が,1本分の鋼帯10に相当する。したがって,平坦部分21と平坦部分31とに挟まれた領域でティース部11が形成され,傾斜部分22と傾斜部分32とに挟まれた領域でヨーク部12が形成される。また,傾斜面部分22,32とその図5中上隣の平坦部分21,31との間の垂直面の箇所は,図6に示すように圧延後の鋼帯がスリット加工により切断される箇所である。いうまでもなく,平坦部分21と平坦部分31との間隔および傾斜部分22,32の傾斜角は,前述した鋼帯10の板厚プロファイルを実現するように調整されている。
【0019】
さらに,上記の圧延ロール2,3による圧延から,スリット加工,ティース形成,巻き重ねに至る一連の加工は,鋼帯を加熱した状態で行う。より詳細には,鋼帯を700〜800℃の範囲内の温度に維持しながら一連の加工を行う。これにより,一連の加工がしやすいという利点がある。このような熱間では鋼帯の硬度が低下しているからである。さらに,加工による歪みが焼鈍効果により除去されるという点でも利点がある。特に,巻き重ねまでを熱間で行うことにより,できあがったステータコアに加工歪みがほとんど残らないという利点がある。巻き重ね後にはもはや塑性加工が存在しないからである。
【0020】
ただし,800℃を超えるほどに加熱してしまうと,磁気特性が劣化するのでよくない。再結晶が起こってフェライト組織がランダムになってしまうからである。すなわち,700〜800℃の範囲内の温度で一連の加工を行うことにより,鋼帯の結晶配向の方向性を維持しつつ,加工性や歪み除去といった利点を活用できるのである。
【0021】
以下,変形例を説明する。以下の変形例では,図6に相当する図により説明する。
【0022】
図7に示す第1の変形例は,各鋼帯10の向きを交互に配置したものである。すなわち図7の例では,隣り合う鋼帯10同士で,ティース部11とヨーク部12との向きが逆になるように配置されている。図6のものとの相違点は,図6のものではすべての鋼帯10が同じ向きに配置されていることである。図7の例では,圧延ロールの溝形状として,図5に示したような垂直面が不要であるという特徴がある。このことにより,圧延ロール自体を製造しやすいという利点がある。また,圧延ロールの溝形状に対する鋼帯の形状の追従性がよいという利点もある。
【0023】
図8に示す第2の変形例は,片面を平坦面としたものである。すなわち図8の例では,図中上側の面の傾斜のみで,ヨーク部42の板厚の傾斜が実現されている。図6のものとの相違点は,図6のものでは鋼帯を表裏対称に圧延しており,両面に傾斜面を形成することで,ヨーク部12の板厚の傾斜を実現していることである。図8のものでは,圧延ロールの一方は通常の平坦な表面を持つもので済むという利点がある。またそれにより,圧延ロール間の軸方向の精密な位置合わせが不要であるという利点もある。反面,巻き重ね加工時には,図6のような表裏対称のと比較してやや不利である。ヨーク部42に表裏の一方に偏った変形が生じうるからである。とはいえ,製造しようとするステータコアの仕様によっては,図8のものでも十分実用になる。なお,図8のような片面タイプであっても,図7に示したような交互配置が可能である。
【0024】
図9に示す第3の変形例は,ヨーク部52ばかりでなくティース部51をも傾斜部分としたものである。むろん,図9の例を実現するための圧延ロールは,1本分の鋼帯50に相当する区間の全体が傾斜部分とされているものである。ティースの形状によっては,このようなものが好適である。すなわち,ティースの幅(鋼帯50としては長手方向)が広く,長さ(鋼帯50としては幅方向)が短い場合である。ティースがこのような形状である場合には,ヨーク部52ばかりでなくティース部51にも曲げ加工が加わるからである。なお,図9のような全体傾斜タイプであっても,図7に示したような交互配置,図8に示したような片面タイプ,さらにはそれらの併用が可能である。
【0025】
また,本発明は,図10に示すように,インナーステータ63に対しても適用可能である。この場合の鋼帯60のヨーク部62も板厚の傾斜を有している。ただし,ヨーク部62におけるティース部61側が厚く,ティース部11とは反対の側が薄くなっている。これにより,巻き重ねの際に厚肉側が外側となり,薄肉側が内側となるのである。したがって,図2に示したアウターステータの場合と同様に,巻き重ね後においてヨーク部62の厚さが均一となり,高い占積率が得られるのである。むろん,インナーステータの場合であっても,図7〜図9に示したもののような種々のバリエーションが可能である。
【0026】
以上詳細に説明したように本実施の形態では,鋼帯コイル1から巻き出された鋼板を圧延する段階で,巻き重ね時の曲げ加工による不均一な板厚減少を見込んだ断面形状とすることとしている。具体的には,傾斜部分22,32を有する圧延ロール2,3を用い,その傾斜部分22,32により鋼帯10に,板厚が連続的に変化しているヨーク部12を形成するのである。また,圧延ロール2,3の平坦部分21,31により鋼帯10に,板厚が均一なティース部11を形成するのである。そして,スリットおよびティース形成後の巻き重ねの際に,ヨーク部12の厚肉側が外側に,薄肉側が内側になるようにしている。これにより,巻き重ね後のステータコアの状態で,鋼帯10の厚さが均一になるようにしているのである。このため,本実施の形態の手法により製造されたステータコアにおいては,鋼帯10間の隙間がほとんどない。すなわち占積率が非常に高い。また,螺旋工法であるから鋼帯の歩留まりが高い。また,鋼帯の本来の磁化容易方向をステータコアの全周にわたって生かすことができる。
【0027】
そして本実施の形態では,圧延ロール2,3による圧延からスリット加工,ティース形成,巻き重ねに至る一連の加工を熱間で行うこととしている。これにより,加工の負荷が低く,また,ステータコアに加工歪みがほとんど残らないのである。かくして,磁気特性が非常に良好なステータコアが製造されるのである。上記のようにして,製品の磁気特性,鋼材の歩留まり,加工負荷のいずれにも優れたステータコアの製造方法が実現されている。
【0028】
このことは特に,ヨーク部12が幅広であるステータコアを製造する場合にその意義が大きい。ヨーク部12が幅広であると,その外側での引っ張り加工の程度が激しく,板厚の減少もその分顕著だからである。一方でヨーク部12が幅広であることは,大出力確保のためには有利である。よって,本実施の形態の方法は,大出力のモータのステータコアを螺旋工法で製造する場合に特に有益であるといえる。
【0029】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,モータに限らず発電機のコアの製造にも適用可能である。また,対象とするコアは,ヨーク部とティース部とからなる形状のものであればよい。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,巻き重ねた状態で鋼帯間に隙間ができないようにして占積率の向上を図った磁性体コアの製造方法および磁性体コア用鋼帯の圧延方法およびその圧延ロールが提供されている。これにより,磁気特性に優れた磁性体コアを,材料の歩留まりよく製造できるようにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るステータコアの製造過程の概略を示す図である。
【図2】鋼帯を巻き重ねてステータコアとする状況を示す平面図である。
【図3】巻き重ね前における鋼帯の断面図である。
【図4】巻き重ね後における鋼帯の断面図である。
【図5】実施の形態で使用する圧延ロールの表面形状を説明する部分断面図である。
【図6】圧延後の鋼帯の断面形状と切断箇所との関係を示す断面図である。
【図7】第1の変形例における圧延後の鋼帯の断面形状と切断箇所との関係を示す断面図である。
【図8】第2の変形例における圧延後の鋼帯の断面形状と切断箇所との関係を示す断面図である。
【図9】第3の変形例における圧延後の鋼帯の断面形状と切断箇所との関係を示す断面図である。
【図10】鋼帯を巻き重ねてステータコアとする状況を示す平面図である。
【図11】一般的な螺旋工法を説明する図である。
【符号の説明】
2,3 圧延ロール
11,41,51 ティース部
12,42,52 ヨーク部(鋼帯の傾斜部分)
21,31 圧延ロールの平坦部分
22,32 圧延ロールの傾斜部分
【発明の属する技術分野】
本発明は,モータ等の回転電機に用いられる磁性体コアに関する。さらに詳細には,磁性体コアを螺旋工法により製造する場合において占積率の向上を図った製造方法,磁性体コア用鋼帯の圧延方法,そしてその圧延ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から,例えば特許文献1,2に開示されるように,いわゆる螺旋工法による回転電機のコアの製造が行われている。すなわち図11に示すように,長尺状の鋼帯90の一端にティース91を設けておき,これを螺旋状に巻き重ねてコアとするのである。そして,これらの特許文献に記載された技術では,鋼帯90のヨーク部92(ティース91以外の部分)を,ティース91側から他端側に向けて板厚が減少する形状となるように圧延している。これにより,板厚のばらつきや,そのばらつきによる巻き取り加工上の不具合を防止している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−224817号公報
【特許文献2】
特開昭62−244248号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来の技術には,次に述べるような問題点があった。すなわち,巻き重ねた鋼帯間に,特にヨーク部92の外周側において隙間ができてしまう。このため占積率が悪いのである。ヨーク部92の外周側に鋼帯間の隙間ができる原因は,巻き重ねにより鋼帯90が曲げ変形を受けていることにある。すなわち,ヨーク部92の外周側は長さ方向に引っ張りを受けているため,その分厚さが減少しているのである。その減少分が巻き重ねた状態での鋼帯間の隙間となるのである。特に,特許文献1,2に記載されているものでは,鋼帯間の隙間が著しいという問題がある。外側が薄肉となる板厚傾斜をヨーク部に意図的につけているためである。
【0005】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,巻き重ねた状態で鋼帯間に隙間ができないようにして占積率の向上を図った磁性体コアの製造方法および磁性体コア用鋼帯の圧延方法およびその圧延ロールを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の磁性体コアの製造方法では,鋼帯を圧延して,その幅方向の少なくとも一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,その鋼帯にティースを形成し,その鋼帯を,傾斜部分の厚肉側が外側に位置するように螺旋状に巻き重ねて磁性体コアとする。すなわち本発明では,傾斜部分の厚肉側が外側に来るのである。このため,曲げ変形を受けて外周側が引っ張りを受けると,厚さの減少により,巻き重ね状態では板厚の傾斜が相殺されることとなる。結果として,巻き重ね状態では鋼帯間に隙間がほとんどなく,占積率の高い磁性体コアが得られる。
【0007】
そして本発明の磁性体コアの製造方法では,圧延による傾斜部分の形成を,700〜800℃の範囲内の温度にて行うことが望ましい。圧延加工を700℃以上の熱間で行うことにより,加工時の鋼帯の硬度を下げることができる。このため加工しやすいというメリットがある。また,焼鈍効果により加工歪みが解消されるので,加工による磁気特性の劣化を抑制できる。むろん,同様の理由により,ティースの形成も700〜800℃の範囲内の温度にて行うことが望ましい。さらに,巻き重ねも700〜800℃の範囲内の温度にて行うことが望ましい。
【0008】
また,本発明の磁性体コア用鋼帯の圧延方法では,鋼帯を圧延して磁性体コア用鋼帯とするに際し,径が幅方向位置により異なる傾斜領域と,径が幅方向位置によらず一定である平坦領域とを有する圧延ロールを用い,その圧延ロールの傾斜領域により,鋼帯の幅方向の一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,圧延ロールの平坦領域により,鋼帯の幅方向の残部に,厚さが幅方向位置によらず一定である平坦部分を形成する。この圧延方法により,傾斜部分と平坦部分とを有する磁性体コア用鋼帯が得られる。この磁性体コア用鋼帯を,傾斜部分の厚肉側が外側に来るように巻き重ねることにより,占積率の高い磁性体コアが得られる。
【0009】
しかして本発明の圧延ロールは,径が幅方向位置により異なる傾斜領域と,径が幅方向位置によらず一定である平坦領域とを有し,傾斜領域により,鋼帯の幅方向の一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,平坦領域により,鋼帯の幅方向の残部に,厚さが幅方向位置によらず一定である平坦部分を形成するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した実施の形態を,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,モータのステータに用いられるコアの螺旋工法による製造過程に本発明を適用したものである。
【0011】
本形態におけるステータコアの製造過程の大要は,図1の通りである。すなわち,出発材である電磁鋼板の鋼帯コイル1に対し,まず圧延が行われる。このときの圧延ロール2,3の形状およびそれによる圧延後の鋼帯の形状には,後述するような特徴がある。次いで,圧延後の鋼帯がスリット加工される。そして,スリット加工により切断された個々の鋼帯10に,打ち抜き加工によりティース11が形成される。ティース形成後の鋼帯10のうち,ティース11以外の,長手方向に連続している部分がヨーク部12である。ティース11を形成した後の鋼帯10が,図2に示すように巻き重ねに供される。
【0012】
ティース形成後の鋼帯10は,図3の幅方向断面図に示すように,ティース部11とヨーク部12とで異なる断面プロファイルを有している。すなわち,ティース部11の板厚はt1で一定である。これに対しヨーク部12は,ティース部11から離れるほど厚くなっており,図3中右端での厚さはt2(>t1)となっている。これより,板厚に関して,ティース部11は平坦部分でありヨーク部12は傾斜部分であるということができる。このような断面形状は,図1中の圧延ロール2,3による圧延により形成されたものである。
【0013】
そして,この鋼帯10は,巻き重ねの際,ティース部11が内側に,ヨーク部12が外側にされる。したがってステータコアにおいては,図2に示されるように,ヨーク部12のティース部11側(図3中左側,薄肉側)が内側に,ヨーク部12におけるティース部11とは反対の側(図3中右側,厚肉側)が外側に位置する。すなわち,巻き重ね後のステータコアにおいて,ヨーク部12におけるティース部11とは反対の側は,巻き重ね前と比して,長手方向に引っ張り加工を受けて伸張していることになる。このためヨーク部12におけるティース部11とは反対の側の厚さは,巻き重ね前に比べて減少している。したがって,巻き重ね前における板厚の傾斜が相殺され,ほぼ均一な板厚となっている(図4)。このため,巻き重ね後のステータコア13(図2)においては,ティース部11はもちろんヨーク部12についても,鋼帯10と鋼帯10との間の厚さ方向の隙間がほとんどない。したがって占積率が非常に高い。
【0014】
ここで,巻き重ね前におけるヨーク部12の板厚プロファイルについて詳述する。当該プロファイルは,巻き重ね後におけるヨーク部12の断面が,完全に平坦,すなわち一定の厚さt1を持つように定めるのが最善である。そこで,巻き重ね後のヨーク部12が,巻き重ね前と比べていかなる変形を受けているかを考察する。ここで,図2中に示したように巻き重ね後のヨーク部12の内半径をrとする。そして,図3中に示したようにヨーク部12の幅をwとする。すると,巻き重ね後のヨーク部12の外半径は,r+wとなる。これより,ヨーク部12の1周当たりの周長は,
内周:2πr
外周:2π(r+w)
となる。これより,巻き重ね後のヨーク部12の外周部分は,巻き重ね前に比して,長手方向に1+(w/r)倍に伸張されていることになる。
【0015】
また,1周当たりの体積Vは,
と求められる。πは円周率である。
【0016】
よって,巻き重ね前におけるヨーク部12は,長さ2πr当たりで上記の体積Vを持つ必要がある。巻き重ね前におけるヨーク部12は,上底t1,下底t2,高さwの台形断面を持つ柱状体と考えられるから,その長さ2πr当たりの体積V’は,
で与えられる。このV’がVと等しくなければならないので,
πwr(t1+t2) = πw(2r+w)t1
が成り立つ必要がある。この式をt2について解くと,
t2 = (1+(w/r))t1
と求められる。これより,巻き重ね前におけるヨーク部12の,ティース部11とは反対の側は,ティース部11側に比して 1+(w/r)倍の厚さを持つ必要があることがわかる。言い換えると,巻き重ね時の伸張により厚さが減少する分を見込んだ厚さを持たせておくのである。
【0017】
巻き重ね前の鋼帯10が持つ上記の断面形状は前述のように,図1中の圧延ロール2,3により形成される。そこで,圧延ロール2,3について詳述する。
【0018】
圧延ロール2,3の表面には,図5の部分断面図に示すように,平坦部分21,31と傾斜部分22,32とが交互に設けられている。各傾斜部分22,32は,傾斜面と垂直面とからなる溝であり,圧延ロール2,3の全周にわたるリング状をなしている。また,平坦部分21と平坦部分31とが向き合い,傾斜部分22と傾斜部分32とが向き合っている。平坦部分21,31と,これに連続的につながる傾斜部分22,32との組が,1本分の鋼帯10に相当する。したがって,平坦部分21と平坦部分31とに挟まれた領域でティース部11が形成され,傾斜部分22と傾斜部分32とに挟まれた領域でヨーク部12が形成される。また,傾斜面部分22,32とその図5中上隣の平坦部分21,31との間の垂直面の箇所は,図6に示すように圧延後の鋼帯がスリット加工により切断される箇所である。いうまでもなく,平坦部分21と平坦部分31との間隔および傾斜部分22,32の傾斜角は,前述した鋼帯10の板厚プロファイルを実現するように調整されている。
【0019】
さらに,上記の圧延ロール2,3による圧延から,スリット加工,ティース形成,巻き重ねに至る一連の加工は,鋼帯を加熱した状態で行う。より詳細には,鋼帯を700〜800℃の範囲内の温度に維持しながら一連の加工を行う。これにより,一連の加工がしやすいという利点がある。このような熱間では鋼帯の硬度が低下しているからである。さらに,加工による歪みが焼鈍効果により除去されるという点でも利点がある。特に,巻き重ねまでを熱間で行うことにより,できあがったステータコアに加工歪みがほとんど残らないという利点がある。巻き重ね後にはもはや塑性加工が存在しないからである。
【0020】
ただし,800℃を超えるほどに加熱してしまうと,磁気特性が劣化するのでよくない。再結晶が起こってフェライト組織がランダムになってしまうからである。すなわち,700〜800℃の範囲内の温度で一連の加工を行うことにより,鋼帯の結晶配向の方向性を維持しつつ,加工性や歪み除去といった利点を活用できるのである。
【0021】
以下,変形例を説明する。以下の変形例では,図6に相当する図により説明する。
【0022】
図7に示す第1の変形例は,各鋼帯10の向きを交互に配置したものである。すなわち図7の例では,隣り合う鋼帯10同士で,ティース部11とヨーク部12との向きが逆になるように配置されている。図6のものとの相違点は,図6のものではすべての鋼帯10が同じ向きに配置されていることである。図7の例では,圧延ロールの溝形状として,図5に示したような垂直面が不要であるという特徴がある。このことにより,圧延ロール自体を製造しやすいという利点がある。また,圧延ロールの溝形状に対する鋼帯の形状の追従性がよいという利点もある。
【0023】
図8に示す第2の変形例は,片面を平坦面としたものである。すなわち図8の例では,図中上側の面の傾斜のみで,ヨーク部42の板厚の傾斜が実現されている。図6のものとの相違点は,図6のものでは鋼帯を表裏対称に圧延しており,両面に傾斜面を形成することで,ヨーク部12の板厚の傾斜を実現していることである。図8のものでは,圧延ロールの一方は通常の平坦な表面を持つもので済むという利点がある。またそれにより,圧延ロール間の軸方向の精密な位置合わせが不要であるという利点もある。反面,巻き重ね加工時には,図6のような表裏対称のと比較してやや不利である。ヨーク部42に表裏の一方に偏った変形が生じうるからである。とはいえ,製造しようとするステータコアの仕様によっては,図8のものでも十分実用になる。なお,図8のような片面タイプであっても,図7に示したような交互配置が可能である。
【0024】
図9に示す第3の変形例は,ヨーク部52ばかりでなくティース部51をも傾斜部分としたものである。むろん,図9の例を実現するための圧延ロールは,1本分の鋼帯50に相当する区間の全体が傾斜部分とされているものである。ティースの形状によっては,このようなものが好適である。すなわち,ティースの幅(鋼帯50としては長手方向)が広く,長さ(鋼帯50としては幅方向)が短い場合である。ティースがこのような形状である場合には,ヨーク部52ばかりでなくティース部51にも曲げ加工が加わるからである。なお,図9のような全体傾斜タイプであっても,図7に示したような交互配置,図8に示したような片面タイプ,さらにはそれらの併用が可能である。
【0025】
また,本発明は,図10に示すように,インナーステータ63に対しても適用可能である。この場合の鋼帯60のヨーク部62も板厚の傾斜を有している。ただし,ヨーク部62におけるティース部61側が厚く,ティース部11とは反対の側が薄くなっている。これにより,巻き重ねの際に厚肉側が外側となり,薄肉側が内側となるのである。したがって,図2に示したアウターステータの場合と同様に,巻き重ね後においてヨーク部62の厚さが均一となり,高い占積率が得られるのである。むろん,インナーステータの場合であっても,図7〜図9に示したもののような種々のバリエーションが可能である。
【0026】
以上詳細に説明したように本実施の形態では,鋼帯コイル1から巻き出された鋼板を圧延する段階で,巻き重ね時の曲げ加工による不均一な板厚減少を見込んだ断面形状とすることとしている。具体的には,傾斜部分22,32を有する圧延ロール2,3を用い,その傾斜部分22,32により鋼帯10に,板厚が連続的に変化しているヨーク部12を形成するのである。また,圧延ロール2,3の平坦部分21,31により鋼帯10に,板厚が均一なティース部11を形成するのである。そして,スリットおよびティース形成後の巻き重ねの際に,ヨーク部12の厚肉側が外側に,薄肉側が内側になるようにしている。これにより,巻き重ね後のステータコアの状態で,鋼帯10の厚さが均一になるようにしているのである。このため,本実施の形態の手法により製造されたステータコアにおいては,鋼帯10間の隙間がほとんどない。すなわち占積率が非常に高い。また,螺旋工法であるから鋼帯の歩留まりが高い。また,鋼帯の本来の磁化容易方向をステータコアの全周にわたって生かすことができる。
【0027】
そして本実施の形態では,圧延ロール2,3による圧延からスリット加工,ティース形成,巻き重ねに至る一連の加工を熱間で行うこととしている。これにより,加工の負荷が低く,また,ステータコアに加工歪みがほとんど残らないのである。かくして,磁気特性が非常に良好なステータコアが製造されるのである。上記のようにして,製品の磁気特性,鋼材の歩留まり,加工負荷のいずれにも優れたステータコアの製造方法が実現されている。
【0028】
このことは特に,ヨーク部12が幅広であるステータコアを製造する場合にその意義が大きい。ヨーク部12が幅広であると,その外側での引っ張り加工の程度が激しく,板厚の減少もその分顕著だからである。一方でヨーク部12が幅広であることは,大出力確保のためには有利である。よって,本実施の形態の方法は,大出力のモータのステータコアを螺旋工法で製造する場合に特に有益であるといえる。
【0029】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,モータに限らず発電機のコアの製造にも適用可能である。また,対象とするコアは,ヨーク部とティース部とからなる形状のものであればよい。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,巻き重ねた状態で鋼帯間に隙間ができないようにして占積率の向上を図った磁性体コアの製造方法および磁性体コア用鋼帯の圧延方法およびその圧延ロールが提供されている。これにより,磁気特性に優れた磁性体コアを,材料の歩留まりよく製造できるようにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るステータコアの製造過程の概略を示す図である。
【図2】鋼帯を巻き重ねてステータコアとする状況を示す平面図である。
【図3】巻き重ね前における鋼帯の断面図である。
【図4】巻き重ね後における鋼帯の断面図である。
【図5】実施の形態で使用する圧延ロールの表面形状を説明する部分断面図である。
【図6】圧延後の鋼帯の断面形状と切断箇所との関係を示す断面図である。
【図7】第1の変形例における圧延後の鋼帯の断面形状と切断箇所との関係を示す断面図である。
【図8】第2の変形例における圧延後の鋼帯の断面形状と切断箇所との関係を示す断面図である。
【図9】第3の変形例における圧延後の鋼帯の断面形状と切断箇所との関係を示す断面図である。
【図10】鋼帯を巻き重ねてステータコアとする状況を示す平面図である。
【図11】一般的な螺旋工法を説明する図である。
【符号の説明】
2,3 圧延ロール
11,41,51 ティース部
12,42,52 ヨーク部(鋼帯の傾斜部分)
21,31 圧延ロールの平坦部分
22,32 圧延ロールの傾斜部分
Claims (5)
- 鋼帯を圧延して,その幅方向の少なくとも一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,
その鋼帯にティースを形成し,
その鋼帯を,前記傾斜部分の厚肉側が外側に位置するように螺旋状に巻き重ねて磁性体コアとすることを特徴とする磁性体コアの製造方法。 - 請求項1に記載する磁性体コアの製造方法において,
圧延による傾斜部分の形成を,700〜800℃の範囲内の温度にて行うことを特徴とする磁性体コアの製造方法。 - 請求項2に記載する磁性体コアの製造方法において,
ティースの形成および巻き重ねをも700〜800℃の範囲内の温度にて行うことを特徴とする磁性体コアの製造方法。 - 鋼帯を圧延して磁性体コア用鋼帯とする圧延方法において,
径が幅方向位置により異なる傾斜領域と,径が幅方向位置によらず一定である平坦領域とを有する圧延ロールを用い,
前記圧延ロールの傾斜領域により,鋼帯の幅方向の一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,
前記圧延ロールの平坦領域により,鋼帯の幅方向の残部に,厚さが幅方向位置によらず一定である平坦部分を形成することを特徴とする磁性体コア用鋼帯の圧延方法。 - 径が幅方向位置により異なる傾斜領域と,径が幅方向位置によらず一定である平坦領域とを有し,
前記傾斜領域により,鋼帯の幅方向の一部に,厚さが幅方向位置により異なる傾斜部分を形成し,
前記平坦領域により,鋼帯の幅方向の残部に,厚さが幅方向位置によらず一定である平坦部分を形成することを特徴とする圧延ロール。
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-
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