JP2016076636A - 半導体冷却装置の製造方法および半導体冷却装置 - Google Patents

半導体冷却装置の製造方法および半導体冷却装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体冷却器を構成する本体容器部(容器状部材)に上蓋部(板状部材)を接合する際に、摩擦撹拌接合により発生する押付荷重による本体容器部の変形を防止する。【解決手段】上蓋部42(板状部材)に形成された溝部42a,42bを、摩擦撹拌接合を行う際に発生する押付荷重Fを吸収するダンパー領域として作用させて、押付荷重Fの放熱フィン29への伝達を緩和して、摩擦撹拌接合を行う際の本体容器部41(容器状部材)の変形を防止する。【選択図】図5

Description

本発明は、電気自動車のモータ制御等に用いられるスイッチング素子である半導体パワーデバイスを冷却する半導体冷却装置の製造方法、およびその製造方法によって製造された半導体冷却装置に関するものである。
IGBT素子やパワートランジスタ素子等の半導体パワーデバイスは、スイッチング時に大電流が流れるため、多くの熱を発生する。そのため、使用時には半導体素子を冷却する必要があり、従来から多くの半導体冷却装置が知られている(例えば特許文献1)。
こうした半導体冷却装置の一例について、図7を用いて説明する。図7は、熱交換器である半導体冷却装置23の断面図である。半導体冷却装置23は、図7に示すように、裏面側に複数の放熱フィン29(29a,29b)が形成されたアッパーケースである上蓋部42と、ロアーケースである、凹状部410を有する本体容器部41と、が上蓋取付部411,411において閉止され、回転工具52によって摩擦撹拌接合されることによって製造される。
特開2009−135477号公報
しかしながら、このような半導体冷却装置にあっては、摩擦撹拌接合を行う際に、回転工具52によって接合する部材に加えられる押付荷重Fが、アッパーケースである上蓋部42の裏面側に形成された放熱フィン29aを介してロアーケースである本体容器部41に伝わるため、図7に2点鎖線で示すように、製造時にロアーケース41が変形してしまうという課題があった。
すなわち、摩擦撹拌接合を行う際には、回転工具52によって、上蓋取付部411,411に大きな押付荷重Fが加えられる。この押付荷重Fは、図7に点線状矢印で示すように、押付荷重Faとして上蓋部42の内部を伝わって放熱フィン29に伝達される。そして、さらに、点線状矢印で示す押付荷重Fbとして、放熱フィン29のうち、先端が本体容器部41の底面部28bに接触している放熱フィン29aの内部を伝わって、底面部28bを図7の紙面下方に向かって押し下げる。そのため、本体容器部41の底面部28bが放熱フィン29aに押されて変形してしまい、半導体冷却装置としての所定の性能を発揮できなくなる虞があった。
上記課題を解決するために、本発明の半導体冷却装置の製造方法は、冷却液流路となる凹状部を有する、容器状部材を形成する容器状部材形成工程と、裏面に複数の放熱フィンを有する、板状部材を形成する板状部材形成工程と、前記板状部材の表面の縁部に、前記放熱フィンの突設位置に沿って延びる溝部を形成する溝部形成工程と、前記板状部材によって前記容器状部材を閉止する閉止工程と、前記板状部材と前記容器状部材とを摩擦撹拌接合によって接合する接合工程と、前記板状部材の表面を切削することによって前記溝部を除去して、発熱型半導体が当接される当接面を形成する切削工程と、によって製造されることを特徴とする。
また、本発明の半導体冷却装置は、前記した製造方法によって製造されることを特徴とする。
本発明に係る半導体冷却装置の製造方法によれば、板状部材の表面に形成された溝部が、板状部材と容器状部材とを摩擦撹拌接合する際に、押し当てた回転工具によって発生する押付荷重を吸収するダンパー領域として作用するため、板状部材内における押付荷重の伝達が緩和されて、板状部材の裏面に形成された放熱フィンに伝わり難くなる。したがって、放熱フィンを介して容器状部材の凹状部を形成する底面部に伝わる押付荷重が減少するため、摩擦撹拌接合を行う際の半導体冷却装置の変形を防止することができる。
また、本発明に係る半導体冷却装置によれば、製造時の変形が防止されるため、冷却性能のばらつきを小さくすることができる。
本発明の実施例に係る半導体冷却装置の斜視図である。 図1の分解斜視図である。 図1において弾性部材が圧接している位置を、矢印Aの方向から見た断面図である。 摩擦撹拌接合によって部材を接合している様子を示す斜視図である。 本発明に係る半導体冷却装置の製造方法について説明する図であり、(a)は容器状部材形成工程について説明する図である。(b)は板状部材形成工程について説明する図である。(c)は溝部形成工程について説明する図である。(d)は閉止工程について説明する図である。(e)は接合工程について説明する図である。(f)は切削工程について説明する図である。 本発明の実施例の変形例について説明する図であり、(a)は半円形状の断面を有する溝部を形成した例である。(b)は三角形状の断面を有する溝部を形成した例である。(c)は断続溝部を形成した例である。 従来の摩擦撹拌接合の問題点について説明する断面図である。
以下、本発明の半導体冷却装置の製造方法の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
図1,図2は、本発明の一実施形態である半導体冷却構造21を示す斜視図である。まず、図1,図2を用いて、半導体冷却構造21の全体構成について説明する。
[全体構成の説明]
図1の斜視図、および図2の分解斜視図に示すように、半導体冷却構造21は、少なくとも1個の発熱型半導体22a(半導体)が収容されたパワーモジュール22と、このパワーモジュール22の下面側に当接配置された下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)と、パワーモジュール22の上面に当接配置された上部半導体冷却装置24と、この上部半導体冷却装置24の上部に当接配置された荷重受板25と、この荷重受板25の上面側に設けられて荷重受板25を介して上部半導体冷却装置24をパワーモジュール22の上面へ圧接可能な弾性部材26と、を備えている。なお、発熱型半導体22aとしては、例えば、IGBT素子やパワートランジスタ素子に代表されるパワーデバイスが用いられる。
図3は、図1に示す半導体冷却構造21のうち、弾性部材26が圧接している位置を矢印Aの方向から見た断面図である。
下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)は、図3に示すように、内部に冷却液流路27となる凹状部410を有する下部冷却装置本体28(容器状部材)を備えている。この下部冷却装置本体28の一端側には冷却液流路27と連通する冷却液入口23a(図1または図2)が設けられ、下部冷却装置本体28の他端側には冷却液流路27と連通する冷却液出口23b(図2)が設けられている。そして、下部冷却装置本体28の上面には、パワーモジュール22を当接配置可能な当接面28aが設けられている。また、当接面28aの裏面側には、冷却液流路27に沿って延びる互いに平行な複数の放熱フィン29(29a,29b)が設けられている。
なお、図3に示すように、上蓋部42(板状部材)の幅方向中央付近に設けられた放熱フィン29aの先端部は、上蓋部42の幅方向左右端付近に設けられた放熱フィン29bの先端部よりも下方に延長されて、本体容器部41(容器状部材)の底面部28bに当接している。即ち、上蓋部42の幅方向左右端付近の放熱フィン29bの先端部と下部冷却装置本体28の底面部28bとの間には、僅かな隙間28cが設けられている。
このように、上蓋部42の幅方向中央付近の放熱フィン29aの先端部を本体容器部41(容器状部材)の底面部28bに当接させることによって、弾性部材26による圧接に耐えて、パワーモジュール22と下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)を確実に当接させることができ、これによって、パワーモジュール22の高い冷却効果を得ることができる。
また、上蓋部42の幅方向左右端付近の放熱フィン29bの先端部よりも下の部分の冷却液流路27を互いに連通させることによって、下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)の幅方向への伝熱を促進することにより、放熱フィン29の間を完全に隔離して下部半導体冷却装置23の幅方向への伝熱を抑制した場合と比べて高い冷却効率を得ることができる。
再び図1,図2に戻って、パワーモジュール22は、発熱型半導体22a(半導体)を3個内蔵する平面視長方形状の板状体とされている。なお、発熱型半導体22aの設置数は、3個に限るものではない。
そして、下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)と上部半導体冷却装置24とは、パワーモジュール22の全面を覆い隠して、十分な冷却効果を得るようにするために、パワーモジュール22よりも一回り程度以上大きい平面視長方形状のものとされている。
下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)と上部半導体冷却装置24とは、ボルトなどの締結具31(図1または図2)を用いて直接締結固定されている。本実施例においては、締結具31は、下部半導体冷却装置23と上部半導体冷却装置24との4箇所のコーナー部に取り付けられている。なお、締結具31の取付位置はこれに限るものではない。
そして、下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)の一端側に設けた冷却液入口23aから供給された冷却液L(図1または図2)は、下部半導体冷却装置23の内部を長手方向の一端側から他端側へと流れて、下部半導体冷却装置23の他端側に設けた冷却液出口23bから排出されると共に、上部半導体冷却装置24の他端側に設けた冷却液入口24a(図2)から上部半導体冷却装置24の内部へ入り、上部半導体冷却装置24の内部を他端側から一端側へと流れて、上部半導体冷却装置24の一端側に設けた冷却液出口24b(図1または図2)から排出されるように構成されている。すなわち、上部半導体冷却装置24も下部半導体冷却装置23と同様、液冷式のものとされている。
なお、下部半導体冷却装置23他端側の冷却液出口23bと、上部半導体冷却装置24他端側の冷却液入口24aとの間には、シール部材32(図2)または、シール性を有する接続部材が設けられる。即ち、下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)と上部半導体冷却装置24とは、連続した一つの冷却液Lの流れが形成されるように接続されている。
また、上記した荷重受板25は、パワーモジュール22の全面を圧接し得るようにするために、パワーモジュール22よりも一回り程度以上大きい平面視長方形状のものとされている。
弾性部材26は、上部半導体冷却装置24の幅方向へ延びる短冊状のものとされると共に、その中間部に、荷重受板25を部分的に押圧可能な押圧部26a(図1または図2)を少なくとも一つ有している。弾性部材26は、その両端部を下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)の側面に一体に固定された取付部33に、ボルトなどの締結具34を用いて締結固定される。弾性部材26は、上部半導体冷却装置24の長手方向に対し少なくとも一箇所設けられている。本実施例においては、3個の発熱型半導体22a(半導体)の間の2箇所の位置に設けられている。
[摩擦撹拌接合の説明]
図3に示すように、下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)の下部冷却装置本体28は、少なくとも、冷却液流路27の下部を構成する凹状部410を有する本体容器部41(容器状部材)と、表面に当接面28aを有し、裏面に複数の放熱フィン29(29a,29b)を有して、本体容器部41(容器状部材)の凹状部410の上縁に設けられた、肉厚d0の段差部を有する上蓋取付部411に対し、摩擦撹拌接合によって閉止固定可能な上蓋部42(板状部材)と、を有している。
上蓋部42(板状部材)は、凹状部410を閉止することによって、冷却液流路27の上部を構成する。また、上蓋部42(板状部材)は、表面に当接面28aを有し、裏面に複数の放熱フィン29(29a,29b)を有することにより、伝熱促進部材として使用される。上蓋取付部411は、本体容器部41(容器状部材)の上面に対して、上蓋部42(板状部材)を面一状態で取付可能な段差部とされる。本体容器部41(容器状部材)および上蓋部42(板状部材)は、摩擦撹拌接合が可能で、しかも、熱伝導率の高い金属、例えば、アルミニウムや銅などによって構成されている。
ここで、本体容器部41(容器状部材)を上蓋部42(板状部材)で閉止する際の加工法である摩擦撹拌接合について、図4を用いて説明する。摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding、略してFSW)は、図4に示すように、先端に突起状のプローブ51を有する円柱状の回転工具52を回転させながら、接合しようとする部材53,54に強い力で押し付けて、プローブ51を部材53,54の接合部55に嵌入させることにより、摩擦熱を発生させて部材53,54を軟化させると共に、回転工具52の回転力によって接合部55の周辺を塑性流動させて練り混ぜるようにしつつ部材53,54を一体化する接合方法である。そして、さらに、部材53,54の接合部55に沿って、回転工具52を移動させながら接合を行うことによって、部材53,54の接合部55が一体化される。
本実施例においては、本体容器部41(容器状部材)の上蓋取付部411と、上蓋取付部411に取り付けられた上蓋部42(板状部材)と、の境界部分が摩擦撹拌接合によって接合されることによって閉止される。
[半導体冷却装置の製造方法の説明]
次に、本実施例の下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)の製造方法について、図5(a)〜図5(f)を用いて説明する。
(容器状部材形成工程)
まず、図5(a)に示すように、ダイキャスト成形によって、冷却液流路27(図3)となる凹状部410を有する本体容器部41(容器状部材)を形成する。なお、上蓋取付部411,411の肉厚dは、本体容器部41として成形されたときの最終的な肉厚d0(図3)に対して、より厚くなるように成形される。
(板状部材形成工程)
次に、図5(b)に示すように、上蓋部42(板状部材)を押出成形することによって、その裏面側に複数の放熱フィン29(29a,29b)を形成する。このとき、上蓋部42の肉厚dは、最終的に形成される下部半導体冷却装置23(図3)の上蓋部42の肉厚d0(図3)に対して、より厚くなるように成形される。
(溝部形成工程)
次に、図5(c)に示すように、上蓋部42(板状部材)表面の外周縁部に、放熱フィン29(29a,29b)の突設位置に沿って延びる角断面を有する溝部42a,42bを形成する。この溝部42a,42bは、上蓋部42(板状部材)のうち、放熱フィン29bが形成された領域の表面側に形成される。なお、この溝部42a,42bは、先に説明した板状部材形成工程において、放熱フィン29(29a,29b)と同時に押出成形によって形成してもよいし、放熱フィン29(29a,29b)を有する板状部材を形成した後で、切削加工によって、別途形成してもよい。
なお、溝部42a,42bの深さhは、上蓋部42の肉厚d,最終的に形成される下部半導体冷却装置23(図3)の上蓋部42の肉厚d0(図3)に対して、h<d−d0となるように形成される。
(閉止工程)
次に、図5(d)に示すように、溝部42a,42bが形成された上蓋部42(板状部材)を、本体容器部41(容器状部材)の上蓋取付部411,411に嵌め込んで閉止する。
(接合工程)
そして、図5(e)に示すように、回転工具52を用いて、上蓋取付部411,411に沿って摩擦撹拌接合を行い、上蓋部42(板状部材)と本体容器部41(容器状部材)とを接合する。このようにして、下部半導体冷却装置30a(23)が形成される。
(切削工程)
最後に、図5(f)に示すように、下部半導体冷却装置30a(23)の溝部42a,42bを含む切削部位43を面切削して除去し、上蓋部42(板状部材)を最適な肉厚d0にするとともに、パワーモジュール22(図1,図2)を当接配置可能な平面状の当接面28aを形成する。このようにして、下部半導体冷却装置30b(23)が形成される。こうして形成された下部半導体冷却装置30bが、図1,図2で説明した下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)として用いられる。
[溝部の作用の説明]
ここで、上蓋部42の表面に形成した溝部42a,42bの作用について、図5(e)を用いて説明する。
摩擦撹拌接合による加工によって、上蓋取付部411,411に加えられた押付荷重Fは、上蓋部42(板状部材)の内部を通って放熱フィン29に伝達されるが、その伝達経路の途中に溝部42a,42bが形成されているため、押付荷重Fは溝部42a,42bに伝達されて、溝部42a,42bを変形させるように作用する。
したがって、溝部42a,42bを超えて、上蓋部42(板状部材)の幅方向中央付近に向かって伝達される荷重は減少する。これによって、上蓋部42(板状部材)の幅方向中央付近の放熱フィン29aに伝達される荷重が減少するため、本体容器部41(容器状部材)の底面部28bに伝達される荷重が減少して、本体容器部41(容器状部材)の底面部28bの変形が防止される。即ち、本実施例において、溝部42a,42bは、押付荷重Fを吸収して緩和するダンパー領域として作用する。
このように、放熱フィン29aに伝達される押付荷重Fを緩和させるため、溝部42c,42dは、放熱フィン29bが形成された領域に設けられる。
なお、形成する溝部42a,42bの幅や深さを変化させることによって、吸収できる押付荷重Fの大きさが変化する。即ち、溝部42a,42bの幅を大きくする、もしくは、溝部42a,42bの深さを深くすることによって、より大きな押付荷重Fを吸収することができる。しかしながら、幅や深さが大きい溝部42a,42bを形成すると、上蓋部42(板状部材)の強度が減少して、摩擦撹拌接合による加工中に上蓋部42(板状部材)が破損する虞があるため、溝部42a,42bの幅と深さは、上蓋部42(板状部材)の厚さや強度、また、摩擦撹拌接合の加工条件(例えば、入力される押付荷重Fの大きさ)に応じて、適切な値が設定される。
[実施例1の変形例の説明]
次に、実施例1の変形例について、図6(a)〜図6(c)を用いて説明する。図6(a)は、角断面をなす溝部42a,42bの代わりに、半円形状の断面を有する溝部42c,42dを形成した例である。この溝部42c,42dは、前述したように、放熱フィン29bが形成された領域に設けられる。
また、図6(b)は、角断面をなす溝部42a,42bの代わりに、三角形状の断面を有する溝部42e,42fを形成した例である。この溝部42e,42fも、放熱フィン29bが形成された領域に設けられる。
このように角断面以外の断面形状を有する溝部42c〜42fを形成した場合であっても、放熱フィン29aへの押付荷重Fの伝達を緩和する効果が期待できるため、角断面形状の溝部42a,42bを形成した場合と同様の効果を奏する。なお、溝部の具体的な断面形状は、上蓋部42(板状部材)の厚さや強度、また、摩擦撹拌接合の加工条件(入力される押付荷重Fの大きさ、プローブ51(図4)のサイズ等)に応じて、適切な断面形状を選択すればよい。
さらに、実施例1では溝部42a,42bは、上蓋部42(板状部材)の長手方向に沿って連続的に形成したが、これは、図6(c)に示すように、上蓋部42(板状部材)の長手方向に沿って断続的な溝部を有する断続溝部42g,42hとして形成しても、押付荷重F(図5(a))を受け止めて吸収するダンパー領域を構成することができるため、上蓋部42の内部を伝達する押付荷重Fを緩和する効果が期待できる。
以上説明したように、実施例1に係る下部半導体冷却装置23(30b)(半導体冷却装置)の製造方法によれば、上蓋部42(板状部材)の表面に形成された溝部42a,42bが、上蓋部42(板状部材)と本体容器部41(容器状部材)とを摩擦撹拌接合する際に、押し当てた回転工具52によって発生する押付荷重Fを吸収するダンパー領域として作用するため、上蓋部42(板状部材)内における押付荷重Fの伝達が緩和されて、上蓋部42(板状部材)の裏面に形成された放熱フィン29(29a)に伝わり難くなる。したがって、放熱フィン29(29a)を介して本体容器部41(容器状部材)の凹状部410を形成する底面部28bに伝わる押付荷重Fbが減少するため、摩擦撹拌接合を行う際の下部半導体冷却装置23(30b)(半導体冷却装置)の変形を防止することができる。これにより、下部半導体冷却装置23(30b)の品質差が小さくなるため、歩留まりが高くなって半導体冷却装置の生産効率を向上させることができる。
また、実施例1の製造方法によって製造された下部半導体冷却装置23(30b)(半導体冷却装置)によれば、下部半導体冷却装置23(30b)を製造する際の変形が防止されるため、冷却性能のばらつきを小さくすることができる。
さらに、実施例1に係る下部半導体冷却装置23(30b)(半導体冷却装置)によれば、複数の放熱フィン29(29a,29b)のうち少なくとも一部の放熱フィン29aの先端部が、本体容器部41(容器状部材)の底面部28bに当接するため、弾性部材26による圧接に耐えて、パワーモジュール22と下部半導体冷却装置23(30b)を確実に当接させて、パワーモジュール22の高い冷却効果を得ることができる。また、一部の放熱フィン29bの先端部よりも下の部分を互いに連通させることによって、下部半導体冷却装置23(半導体冷却装置)の幅方向への伝熱が促進されるため、放熱フィン29の間を完全に隔離して下部半導体冷却装置23(30b)の幅方向への伝熱を抑制した場合と比べて高い冷却効率を得ることができる。
なお、実施例1において、上蓋部42(板状部材)に形成する溝部42a,42bの位置(上蓋取付部411からの距離)は、加工する上蓋部42(板状部材)の材質や厚さ、本体容器部41の材質や厚さ、摩擦撹拌接合の加工条件(入力される押付荷重Fの大きさ等)を勘案して、適切な値が設定される。
また、実施例1では、下部半導体冷却装置23と上部半導体冷却装置24を用いて、2パス方式の半導体冷却構造21を構成する例をあげて説明したが、本発明に係る半導体冷却装置の製造方法によって製造される半導体冷却装置は、4パス方式等、それ以外の冷却構造にも同様に適用可能である。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
23,30a,30b 下部半導体冷却装置(半導体冷却装置)
28a 当接面
28b 底面部
29,29a,29b 放熱フィン
41 本体容器部(容器状部材)
42 上蓋部(板状部材)
42a,42b 溝部
43 切削部位
52 回転工具
410 凹状部
411 上蓋取付部
F 押付荷重
d,d0 肉厚
h 深さ

Claims (3)

  1. 冷却液流路となる凹状部を有する、容器状部材を形成する容器状部材形成工程と、
    裏面に複数の放熱フィンを有する、板状部材を形成する板状部材形成工程と、
    前記板状部材の表面の縁部に、前記放熱フィンの突設位置に沿って延びる溝部を形成する溝部形成工程と、
    前記板状部材によって前記容器状部材を閉止する閉止工程と、
    前記板状部材と前記容器状部材とを摩擦撹拌接合によって接合する接合工程と、
    前記板状部材の表面を切削することによって前記溝部を除去して、発熱型半導体が当接される当接面を形成する切削工程と、によって製造されることを特徴とする半導体冷却装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載された製造方法によって製造されることを特徴とする半導体冷却装置。
  3. 前記複数の放熱フィンのうち少なくとも一部の放熱フィンの先端部は、前記容器状部材の底面部に当接することを特徴とする請求項2に記載の半導体冷却装置。
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