JP2016076294A - リチウムイオン二次電池用正極活物質、これを用いた正極及びリチウムイオン二次電池、並びに評価選別方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質、これを用いた正極及びリチウムイオン二次電池、並びに評価選別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル耐性の高いリチウムイオン二次電池を実現できる正極活物質を提供する。【解決手段】リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を含み、透過X線吸収分光法により測定された以下の特性:ニッケルK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度に係る特性、コバルトK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度に係る特性、ニッケルK吸収スペクトルから得られたニッケル原子周辺の動径分布関数における、ニッケル原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値に係る特性、及び第二近接である金属原子に起因するピークの値に係る特性、並びにコバルトK吸収スペクトルから得られたコバルト原子周辺の動径分布関数における、コバルト原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値に係る特性、及び第二近接である金属原子に起因するピークの値に係る特性、から選ばれる一つ以上を有する正極活物質。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質、これを用いた正極及びリチウムイオン二次電池、並びに評価選別方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度や動作電圧が高い、充放電サイクルによる劣化が小さいなどの優れた特性を有するため、携帯電話やノート型パソコンをはじめとする携帯型情報端末や小型の産業用機器に広く用いられている。また近年では、電気自動車用蓄電池や電力貯蔵用蓄電池などへ利用されており、電池の大型化のための研究開発が進められている。
リチウムイオン二次電池の正極材料には、マンガン酸リチウム等のリチウム遷移金属混合酸化物が用いられる。中でも、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物は、高い安定性と高容量を兼ね備えることが可能な正極材料として有望な材料である。
例えば特許文献1では、良好な電池特性を得るための条件として、正極材料の粉体の粒径が適切な値をとり、かつ均一となることを挙げ、これを実現するリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の製造方法を提案している。
また、特許文献2には、構造安定性に優れたNiを含む正極活物質を提供し、これを用いることにより、優れた電池特性を示す正極および非水二次電池を提供することを課題とし、Niの周りの結晶構造の安定性を反映した指標として、動径構造関数のピーク変化の程度を規定することが記載されている。具体的には、リチウムニッケル含有複合酸化物からなる正極活物質において、Niの最近接原子である酸素原子に由来する、Niの周りの動径構造関数の満充電におけるピーク強度が、未充電状態を基準にして、80〜120%の範囲内にあることを特徴とする正極活物質が記載されている。そして、この正極活物質の初期組成として、Li1.3Mn0.5Ni0.2Co0.2Al0.1が好ましいことが記載されている。
WO2011/067935A1 特開2003−346806号公報
リチウムイオン二次電池の正極材料として、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を用いた場合、特にサイクル耐性が低くなる問題がある。
本発明の目的は、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン・混合酸化物からなり、サイクル耐性の高いリチウムイオン二次電池を実現できる正極活物質、及びその評価選別方法、並びにその正極活物質を用いた正極及びリチウムイオン二次電池を提供することにある。
一言に結晶性といっても、結晶性を表す物性量や指標には、点欠陥の多少、結晶子の大きさ、格子定数等様々なものがある。本発明者らは、検討を重ねた結果、結晶性を表す物性量や指標のうち、透過X線吸収分光法により得られる遷移金属原子K端の規格化吸収スペクトルの特徴、およびこれから求められる遷移金属周辺の動径分布関数の特徴と、リチウムイオン二次電池のサイクル耐性との間に相関関係があることを見出し、本発明を完成した。
本発明の一態様によるリチウムイオン二次電池用正極活物質は、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を含み、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物が下記の特性(A)〜(F):
(A)透過X線吸収分光法により測定されたニッケルK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度が1.52よりも大きいこと、
(B)透過X線吸収分光法により測定されたコバルトK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度が1.57よりも大きいこと、
(C)透過X線吸収分光法によるニッケルK吸収スペクトルから得られたニッケル原子周辺の動径分布関数において、ニッケル原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値が7.44Å−4よりも大きいこと、
(D)透過X線吸収分光法によるコバルトK吸収スペクトルから得られたコバルト原子周辺の動径分布関数において、コバルト原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値が12.3Å−4よりも大きいこと、
(E)透過X線吸収分光法によるニッケルK吸収スペクトルから得られたニッケル原子周辺の動径分布関数において、ニッケル原子の第二近接である金属原子に起因するピークの値が16.6Å−4よりも大きいこと、及び
(F)透過X線吸収分光法によるコバルトK吸収スペクトルから得られたコバルト原子周辺の動径分布関数において、コバルト原子の第二近接である金属原子に起因するピークの値が14.3Å−4よりも大きいこと、から選ばれる一つ以上の特性を有する。
本発明の他の態様によるリチウムイオン二次電池用正極は、上記のリチウムイオン二次電池用正極活物質を含む。
本発明の他の態様によるリチウムイオン二次電池は、上記のリチウムイオン二次電池用正極を含む。
本発明の他の態様によるリチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法は、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法であって、
リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物に対し透過X線吸収分光測定を行い、
ニッケルK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度(a)、
コバルトK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度(b)、
ニッケルK吸収スペクトルから得られたニッケル原子周辺の動径分布関数のニッケル原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値(c)、および第二近接である金属原子に起因するピークの値(e)、並びに
コバルトK吸収スペクトルから得られたコバルト原子周辺の動径分布関数のコバルト原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値(d)、および第二近接である金属原子に起因するピークの値(f)から選ばれる一つ以上の値によって前記リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の結晶性を評価して、リチウムイオン二次電池用正極活物質としての適否を判定し、選別する。
本発明の実施形態によれば、サイクル耐性の高いリチウムイオン二次電池を実現できる正極活物質、及びその評価選別方法、並びにその正極活物質を用いた正極及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
正極活物質(試料A、B及びC)のニッケルK端透過X線吸収スペクトルを示す。 正極活物質(試料A、B及びC)のコバルトK端透過X線吸収スペクトルを示す。 正極活物質(試料A、B及びC)のニッケル原子周辺の動径分布関数を示す。 正極活物質(試料A、B及びC)のコバルト原子周辺の動径分布関数を示す。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池用正極活物質は、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を含み、このリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物が上記の特性(A)〜(F)から選ばれる一つ以上の特性を有し、少なくとも特性(A)を有することが好ましく、特性(A)と、他の特性(B)〜(F)の少なくとも一つを有することがより好ましい。また、特性(A)及び(B)を有することが好ましく、特性(A)及び(B)と、他の特性(C)〜(F)の少なくとも一つを有することがより好ましく、さらに特性(C)及び特性(D)を有することがより一層好ましく、全ての特性(A)〜(F)を有することが特に好ましい。
特性(A)におけるピーク強度は、1.52より大きいことが必要であり、1.55以上がより好ましく、1.57以上がさらに好ましく、1.6以上が特に好ましい。
特性(B)におけるピーク強度は、1.57より大きいことが必要であり、1.58以上がより好ましく、1.59以上がさらに好ましい。
特性(C)におけるピーク値は、7.44Å−4より大きいことが必要であり、7.7Å−4以上がより好ましく、8.0Å−4以上がさらに好ましい。
特性(D)におけるピーク値は、12.3Å−4より大きいことが必要であり、12.5Å−4以上がより好ましく、12.6Å−4以上がさらに好ましい。
特性(E)におけるピーク値は、16.6Å−4より大きいことが必要であり、17.0Å−4以上がより好ましく、17.5Å−4以上がさらに好ましい。
特性(F)におけるピーク値は、14.3Å−4より大きいことが必要であり、14.4Å−4以上がより好ましく、14.5Å−4以上がさらに好ましい。
リチウムを含有する遷移金属酸化物をリチウムイオン二次電池の正極活物質として用いるには、その物性を把握して制御する必要がある。リチウムを含有する遷移金属酸化物、とりわけリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の局所構造について、上記の特性(A)〜(F)から選ばれる少なくとも一つ、好ましくは少なくとも特性(A)を有し、より好ましくはさらに特性(B)を有し、より一層好ましくはさらに特性(C)及び特性(D)を有し、特に好ましくは特性(A)〜(F)の全てを有するものは、結晶性が高く、安定となるため、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いた場合、リチウムイオン二次電池のサイクル耐性を良好にできる。
本発明の他の実施形態によるリチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法は、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法であって、ピーク強度(a)、(b)及びピークの値(c)〜(f)から選ばれる一つ以上の値によって前記リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の結晶性を評価して、リチウムイオン二次電池用正極活物質としての適否を判定し、選別する。
この評価選別方法において、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物が下記の特性(A)〜(F):
(A)ピーク強度(a)が1.52よりも大きいこと(好ましくは1.55以上、より好ましく1.57以上、さらに好ましく1.6以上)、
(B)ピーク強度(b)が1.57よりも大きいこと(好ましくは1.58以上、より好ましくは1.59以上)、
(C)ピークの値(c)が7.44Å−4よりも大きいこと(好ましくは7.7Å−4以上、より好ましくは8.0Å−4以上)、
(D)ピークの値(d)が12.3Å−4よりも大きいこと(好ましくは12.5Å−4以上、より好ましくは12.6Å−4以上)、
(E)ピークの値(e)が16.6Å−4よりも大きいこと(好ましくは17.0Å−4以上、より好ましくは17.5Å−4以上)、及び
(F)ピークの値(f)が14.3Å−4よりも大きいこと(好ましくは14.4Å−4以上、より好ましくは14.5Å−4以上)から選ばれる少なくとも一つの特性を有すれば、リチウムイオン二次電池用正極活物質として適していると判定し、選別することが好ましい。リチウムイオン二次電池用正極活物質として適すると判定する際は、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物が、少なくとも特性(A)を有することが好ましく、特性(A)と、他の特性(B)〜(F)の少なくとも一つを有することがより好ましい。また、特性(A)及び(B)を有することが好ましく、特性(A)及び(B)と、他の特性(C)〜(F)の少なくとも一つを有することがより好ましく、さらに特性(C)及び特性(D)を有することがより一層好ましく、全ての特性(A)〜(F)を有することが特に好ましい。
このような評価選別方法によれば、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の正極活物質としての適否の判定を、二次電池を作製してそのサイクル試験を実施することなくできるため、評価選別の効率を向上できる。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池用正極活物質は、固相反応法、ゾル・ゲル法、共沈法、水熱法等の一般的な方法で製造することができる。しかしながら、これらの方法で製造される正極活物質の結晶構造は、その製造方法の種類および製造条件等の様々な要因によって大きく変化するため、サイクル耐性の高いリチウムイオン二次電池を提供できる正極活物質を得るためには、上記の特性(A)〜(F)から選ばれる一つ以上を指標として結晶構造を制御することが必要になる。
例えば、固相反応法では、遷移金属源としてのニッケル、コバルト、マンガンのそれぞれの水酸化物等と、リチウム源としての水酸化リチウムあるいは炭酸リチウム等とを混合し、高温焼成することでリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を得ることができる。高温焼成後は、解砕、分級等の工程を経て、目的のリチウムイオン二次電池用正極活物質を得ることができる。上記の遷移金属源はニッケル、コバルト、マンガンをそれぞれ含有するアルカリ水溶液から晶析反応により作製したものを用いることができ、また、ニッケル・コバルト・マンガン複合水酸化物であってもよい。得られるリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン複合酸化物の結晶性は、高温焼成の温度や時間、リチウム源として用いる水酸化リチウムと炭酸リチウムの割合、遷移金属水酸化物と水酸化リチウム、炭酸リチウムの混合条件等によって制御される。
また、ゾル・ゲル法では、リチウム塩、ニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩の水溶液を加水分解することで水酸化物あるいは水和酸化物を沈殿させ、その後熱処理によりリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン酸化物の粉体を得ることができる。得られるリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン複合酸化物の結晶性は、加水分解時の溶液のpH値等の条件、熱処理の温度、時間等により制御される。
このように、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の製造過程には数多くの選択肢があり、また、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の結晶性を表す物性量や指標には様々なものがあるため、リチウムイオン二次電池のサイクル耐性を向上できる特定の結晶構造を見出すことは困難であった。本発明者らは、鋭意検討した結果、リチウムイオン二次電池のサイクル耐性と相関のある結晶性を表す指標を見出し、その指標に基づいてリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を作製し、サイクル耐性の向上したリチウムイオン二次電池を提供できる正極活物質を得ることができた。すなわち、上記の特性(A)〜(F)から選ばれる1つ以上、好ましくは少なくとも特性(A)を有し、より好ましくはさらに特性(B)を有し、より一層好ましくはさらに特性(C)及び(D)を有し、特に好ましくは特性(A)〜(F)の全てを有する正極活物質を得、この正極活物質を用いることにより、サイクル耐性の改善されたリチウムイオン二次電池を得ることができる。その際、ピーク強度(a)、(b)及びピークの値(c)〜(f)から選ばれる一つ以上の値によってリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の結晶性を評価して、リチウムイオン二次電池用正極活物質としての適否を判定し、選別することで、効率的に所望の正極活物質を得ることができる。
次に、本発明の実施形態による正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池は、上記の特性(A)〜(F)から選ばれる1つ以上、好ましくは少なくとも特性(A)を有し、より好ましくはさらに特性(B)を有し、より一層好ましくはさらに特性(C)及び(D)を有し、特に好ましくは特性(A)〜(F)の全てを有するリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を正極活物質として含有する正極を有することを特徴とするものである。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池は、例えば、正極、負極及びセパレータと、電解液と、これらを収容する外装体を含む。正極は、上記の本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池用正極活物質を含有する活物質層が正極集電体上に形成されたものを用いることができる。負極は、負極活物質を含有する活物質層が負極集電体上に形成されたものを用いることができる。これらの正極と負極は、電解液を含む多孔質セパレータを介して対向配置される。多孔質セパレータは、負極の活物質層および正極の活物質層に対して略平行に配置される。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池の形状には、特に制限はないが、例えば、円筒型、角型、コイン型、ラミネートパックなどが挙げられる。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池の正極には、例えば、本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池用正極活物質、カーボンブラック等の導電性物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤を混合し、これにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶媒を加えて分散混練してスラリーを調製し、これを金属箔等の正極集電体上に塗布し、乾燥し、必要に応じて加圧することで作製できる。正極活物質には本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池用正極活物質のみを用いてもよいが、リチウムイオン二次電池の用途に応じて他の種類の正極活物質を含んでもよい。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池の負極には、黒鉛等の負極活物質と、PVdF等の結着剤、必要に応じてカーボンブラック等の導電性物質を混合し、これにNMP等の溶媒を加えて分散混練してスラリーを調製し、これを金属箔等の負極集電体上に塗布し、乾燥し、必要に応じて加圧することで作製できる。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池は、乾燥空気または不活性ガス雰囲気において、負極および正極を、セパレータを介して積層し、あるいは積層したものを捲回した後に、電池缶に収容したり、合成樹脂と金属箔との積層体からなる可とう性ラミネートフィルム等によって包み、封口することによって製造することができる。
セパレータには、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、フッ素樹脂等の樹脂材料からなる多孔性フィルム、あるいはこれらの多孔性フィルムにアルミナ等のセラミクス層を積層した積層構造を有するフィルム等を好適に用いることができる。
電解液としては、非プロトン性溶媒にリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。
非プロトン性溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類が挙げられ、また、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、フッ素化カルボン酸エステルなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒は、一種を単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCCO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiB1Cl10、LiCBO、低級脂肪族カルボン酸カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などが挙げられる。また、電解液に代えてポリマー電解質を用いてもよい。
なお、本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池は、正極活物質に本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池用正極活物質が含有されること以外は、一般的なリチウムイオン二次電池の構造を採用でき、また一般的なリチウムイオン二次電池に通常使用される材料を用いることができ、また、リチウムイオン二次電池の製造においては通常行われている方法を適用することができる。
正極活物質として、層状岩塩型構造を有するリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の3種類の試料(実施例1:活物質A、実施例2:活物質B、比較例:活物質C)を作製し、これらの評価を行った。作製した活物質A、B及びCの組成式は、Li(Ni0.5Co0.2Mn0.3)Oであり、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、酸素の組成比は、いずれも1:0.5:0.2:0.3:2である。
活物質A、B及びCは、次の通り固相反応法で作製した。遷移金属源としてのニッケル、コバルト、マンガンのそれぞれの水酸化物と、リチウム源としての水酸化リチウムを混合し、高温焼成し、その後、解砕、分級することでリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を得た。上記の遷移金属源はニッケル、コバルト、マンガンをそれぞれ含有するアルカリ水溶液から晶析反応により作製したものを用いた。
活物質A、B及びCを用いて正極を作製し、この正極と黒鉛を主成分とする負極を用いてリチウムイオン二次電池(コイン型テストセル)を作製し、サイクル耐性を測定した。その結果、活物質Aを用いた電池のサイクル耐性が最も高く、次いで活物質Bを用いた電池のサイクル耐性が高く、活物質Cを用いた電池のサイクル耐性が最も低かった。
活物質A、B及びCの結晶性の評価は次のようにして行った。
まず、一般的な結晶性評価手法であるX線回折によって活物質A、B及びCの結晶性を評価した。表1に、各活物質の格子定数a、c、及びリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の結晶性を表す指標としてよく用いられている、(003)回折ピークと(104)回折ピークの強度比I(003)/I(104)を示す。これらの数値と、上述したサイクル耐性との間に相関関係は見られない。
Figure 2016076294
次に、活物質A、B及びCについて、遷移金属周辺の局所構造を評価するために、透過X線吸収分光法による測定を行った。
図1に各活物質のニッケルK吸収端近傍のX線吸収規格化スペクトルを示す。X線吸収スペクトルの規格化は以下のようにして行われる。まず測定されたスペクトルの吸収端位置から低エネルギー側をX線エネルギーの一次関数で近似する。続いてこの一次関数をバックグラウンドとして測定スペクトルから差し引く。さらに吸収端位置から高エネルギー側をX線エネルギーの二次関数で近似し、この二次関数の吸収端位置での値でバックグラウンドを差し引いたスペクトルを割って、規格化スペクトルとする。また、スペクトルの吸収端位置:Eは、本発明の実施形態においては、規格化スペクトルの値(吸収度)が0.5となる入射X線エネルギーと定義するので、吸収端位置の決定と測定されたスペクトルの規格化は、Eが一定値に収束するまで交互に行われる。このようにして得た各活物質のEは活物質間で差異はほとんど無く、およそ8344eVである。すなわち、ニッケルの価数について活物質間の差異は小さい。一方、8353eV付近にあるピークの高さには活物質間の差異がある。このピークは原子軌道で考えれば、ニッケルの1s軌道から4p軌道への電子遷移に起因するとされるが、より現実的な分子軌道で考えた場合、すなわちニッケル原子と最近接の酸素原子の原子軌道の混成を考慮した場合、ピークの帰属はニッケルの1s軌道から4t1u軌道(ニッケルの4p軌道と酸素の2p軌道が混成した軌道)への電子遷移と考えられる。よって、8353eV付近のピーク高さはニッケルとこれに最近接する酸素との結合状態に依存する。例えば、ニッケルに最近接する酸素の多少やニッケル−酸素結合の結合長の分布/ばらつき等を反映すると考えられる。ピーク高さを比較すると、活物質A及び活物質Bのピーク高さはそれぞれ1.64及び1.62、活物質Cのピーク高さは1.52であることから、特に活物質Cではニッケルの最近接酸素が活物質A及びBに比べて相対的に少ない、あるいは活物質Cのニッケル−酸素結合の結合長の分布/ばらつきが活物質Aや活物質Bとは異なっていると考えられる。
図2は、各活物質のコバルトK吸収端近傍のX線吸収規格化スペクトルを示す。このスペクトルにおいても、各活物質のEは活物質間で差異はほとんど無く、およそ7725eVである。一方、7730eV付近のピークの高さについては、NiK吸収端の場合と同様、差異がある。活物質A及び活物質Bのピーク高さはそれぞれ1.60及び1.59であるが、活物質Cのピーク高さは1.57であり、活物質A及びBよりも小さい。ニッケルの場合と同様に考えれば、コバルトについても価数の活物質間差は小さく、活物質Cではコバルトの最近接酸素が活物質A及びBに比べて相対的に少ない、あるいは活物質Cのコバルト−酸素結合の結合長の分布/ばらつきが活物質Aや活物質Bとは異なっていると考えられる。
さらに、ニッケル原子およびコバルト原子の周辺の局所構造を明らかにするために、動径分布関数を求めて、活物質間で比較した。ここで言う動径分布関数は、広域X線吸収スペクトルの振動成分χ(k)にkを乗じてフーリエ変換しその絶対値をとることで得られたものである。
図3は、ニッケルK吸収端の広域X線吸収スペクトルから求めたニッケル原子周辺の動径分布関数である。横軸rはニッケル原子からの距離を表し、縦軸は、電子密度に相当する。
rが1.57Å付近のピークは最近接する酸素原子との結合に関するピークである。ピーク値(高さ)は、活物質Aが8.89Å−4、活物質Bが8.09Å−4、活物質Cが7.44Å−4である。ここでは、ピークの高低がニッケル原子に配位する酸素原子の数の多少に対応すると解釈する。すると、活物質C、活物質B、活物質Aの順番で、ニッケル原子に配位する酸素原子の数が少ない(活物質Cにおいて最も少ない)、あるいはニッケル−酸素結合の結合長のばらつきが大きい(活物質Cにおいて最も大きい)と考えられる。
rが2.52Å付近のピークは第二近接の金属原子(理想的にはニッケル、コバルト、マンガンのいずれか)に関するピークである。活物質A及び活物質Bのピーク高さはそれぞれ17.8及び18.0Å−4であり、ほぼ同じであるが、活物質Cのピーク高さは16.6Å−4であり、明らかに小さい。活物質Cのピーク高さが低いことの原因としては、ニッケル、コバルト、あるいはマンガンといった遷移金属原子の数が少ないことや、本来、ニッケル、コバルト、あるいはマンガン原子が位置すべき位置の一部がリチウム原子により占有されていること、ニッケルと第二近接金属原子の間の距離のばらつきが大きい等が考えられる。
図4は、コバルトK吸収端の広域X線吸収スペクトルから求めたコバルト原子周辺の動径分布関数である。
rが1.47Å付近のピークは最近接する酸素原子との結合に関するピークである。ピーク値(高さ)は、活物質Aが13.2Å−4、活物質Bが12.7Å−4、活物質Cが12.3Å−4である。ニッケルの場合と同様に解釈すると、活物質C、活物質B、活物質Aの順番で、コバルト原子に配位する酸素原子数が少ない(活物質Cにおいて最も少ない)、あるいはコバルト−酸素結合の結合長のばらつきが大きい(活物質Cにおいて最も大きい)と考えられる。
rが2.45Å付近のピークは第二近接の金属原子(理想的にはニッケル、コバルト、マンガンのいずれか)に関するピークである。活物質A、活物質B及び活物質Cのピーク高さは、順に、14.8Å−4、14.6Å−4、14.3Å−4であり、活物質Cのピーク高さが低い傾向にある。コバルトの場合も、第二近接のニッケル、コバルト、あるいはマンガンといった遷移金属原子の数が少ないことや、本来、ニッケル、コバルト、あるいはマンガン原子が位置すべき位置の一部がリチウム原子により占有されていること、コバルトと第二近接金属原子の間の距離のばらつきが大きいこと等が、活物質Cのr=2.45Å付近のピーク値(高さ)が小さい原因と考えられる。
以上の測定結果から、リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の局所構造と、そのリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池のサイクル耐性との間に以下の関係があると考えられる。すなわち、(i)ニッケルおよびコバルト原子の最近接酸素原子の数が相対的に多いほど、あるいはニッケル−酸素結合およびコバルト−酸素結合の結合長のばらつきが小さいほどサイクル耐性が高い、(ii)ニッケルおよびコバルト原子の第二近接のニッケル、コバルトおよびマンガン原子の数が相対的に多いほど、あるいは、ニッケル、コバルト、およびマンガン原子とリチウム原子の入れ替わりが相対的に少ないほど、ニッケル−第二近接金属間の距離のばらつき及びコバルト−第二近接金属間の距離のばらつきが小さいほど、サイクル耐性が高い。
酸素原子の数、遷移金属原子の数、遷移金属原子とリチウム原子の入れ替わりがサイクル特性へ影響する現象の機構としては、酸素原子/遷移金属原子の欠損、あるいは遷移金属原子とリチウム原子との入れ替わりが生じたサイトが低容量相の生成核となり、これがサイクル試験中に成長し、サイクル特性が劣化することなどが考えられる。結合長/原子間距離のばらつきのサイクル特性への影響機構としては、結合長/原子間距離がその平均値からずれたサイトが低容量相の生成核となり、これがサイクル試験中に成長し、サイクル特性が劣化すること等が考えられる。結合長/原子間距離のばらつきは結晶の周期性を乱すため、リチウムの拡散を阻害する要因にもなりうる。
したがって、上記の特性(A)〜(F)から選ばれる1つ以上、好ましくは少なくとも特性(A)を有し、より好ましくはさらに特性(B)を有し、より一層好ましくはさらに特性(C)及び(D)を有し、特に好ましくは特性(A)〜(F)の全てを有するリチウムイオン二次電池用正極活物質を用いれば、サイクル耐性の高いリチウムイオン二次電池を得ることができる。
1 活物質A(実施例1)のニッケルK端透過X線規格化吸収スペクトル
2 活物質B(実施例2)のニッケルK端透過X線規格化吸収スペクトル
3 活物質C(比較例)のニッケルK端透過X線規格化吸収スペクトル
4 活物質A(実施例1)のコバルトK端透過X線規格化吸収スペクトル
5 活物質B(実施例2)のコバルトK端透過X線規格化吸収スペクトル
6 活物質C(比較例)のコバルトK端透過X線規格化吸収スペクトル
7 活物質A(実施例1)のニッケル原子周辺の動径分布関数
8 活物質B(実施例2)のニッケル原子周辺の動径分布関数
9 活物質C(比較例)のニッケル原子周辺の動径分布関数
10 活物質A(実施例1)のコバルト原子周辺の動径分布関数
11 活物質B(実施例2)のコバルト原子周辺の動径分布関数
12 活物質C(比較例)のコバルト原子周辺の動径分布関数

Claims (10)

  1. リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質であって、
    リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物が下記の特性(A)〜(F):
    (A)透過X線吸収分光法により測定されたニッケルK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度が1.52よりも大きいこと、
    (B)透過X線吸収分光法により測定されたコバルトK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度が1.57よりも大きいこと、
    (C)透過X線吸収分光法によるニッケルK吸収スペクトルから得られたニッケル原子周辺の動径分布関数において、ニッケル原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値が7.44Å−4よりも大きいこと、
    (D)透過X線吸収分光法によるコバルトK吸収スペクトルから得られたコバルト原子周辺の動径分布関数において、コバルト原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値が12.3Å−4よりも大きいこと、
    (E)透過X線吸収分光法によるニッケルK吸収スペクトルから得られたニッケル原子周辺の動径分布関数において、ニッケル原子の第二近接である金属原子に起因するピークの値が16.6Å−4よりも大きいこと、及び
    (F)透過X線吸収分光法によるコバルトK吸収スペクトルから得られたコバルト原子周辺の動径分布関数において、コバルト原子の第二近接である金属原子に起因するピークの値が14.3Å−4よりも大きいこと、から選ばれる一つ以上の特性を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  2. 少なくとも特性(A)を有する請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 特性(A)と、他の特性(B)〜(F)の少なくとも一つの特性を有する請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  4. 特性(A)及び(B)と、他の特性(C)〜(F)の少なくとも一つの特性を有する請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質を含むリチウムイオン二次電池用正極。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用正極を含むリチウムイオン二次電池。
  7. リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法であって、
    リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物に対し透過X線吸収分光測定を行い、
    ニッケルK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度(a)、
    コバルトK吸収端の規格化スペクトルに現れるピーク強度(b)、
    ニッケルK吸収スペクトルから得られたニッケル原子周辺の動径分布関数のニッケル原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値(c)、および第二近接である金属原子に起因するピークの値(e)、並びに
    コバルトK吸収スペクトルから得られたコバルト原子周辺の動径分布関数のコバルト原子の第一近接である酸素原子に起因するピークの値(d)、および第二近接である金属原子に起因するピークの値(f)から選ばれる一つ以上の値によって前記リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物の結晶性を評価して、リチウムイオン二次電池用正極活物質としての適否を判定し、選別する、リチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法。
  8. リチウム・ニッケル・コバルト・マンガン混合酸化物が、下記の特性(A)〜(F):
    (A)ピーク強度(a)が1.52よりも大きいこと、
    (B)ピーク強度(b)が1.57よりも大きいこと、
    (C)ピークの値(c)が7.44Å−4よりも大きいこと、
    (D)ピークの値(d)が12.3Å−4よりも大きいこと、
    (E)ピークの値(e)が16.6Å−4よりも大きいこと、及び
    (F)ピークの値(f)が14.3Å−4よりも大きいこと、から選ばれる少なくとも一つの特性を有すれば、リチウムイオン二次電池用正極活物質として適していると判定し、選別する、請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法。
  9. 少なくとも特性(A)を有すれば、リチウムイオン二次電池用正極活物質として適していると判定し、選別する、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法。
  10. 特性(A)と、他の特性(B)〜(F)の少なくとも一つの特性を有すれば、リチウムイオン二次電池用正極活物質として適していると判定し、選別する、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の評価選別方法。
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