JP2016074612A - 2,6−テトラリンジメチルアルコールとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂原料、液晶組成物、高分子改質剤、医薬中間体などとしての利用が考えられる新規テトラリン誘導体である2,6-テトラリンジメチルアルコール、及びその製造方法を提供する。【解決手段】2,6−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステルを、溶媒と銅クロム系水素化触媒の存在下、水素で接触還元反応させることにより、2,6−テトラリンジメチルアルコール(1)を製造する。【選択図】なし
Description
本発明は新規なジオール化合物である2,6−テトラリンジメチルアルコールとその製造方法に関するものである。
脂環式ジオールは、その構造からポリエステルやポリカーボネート、ポリウレタン等のポリマー原料として、透明性、寸法安定性の向上用途に用いられ、様々な種類が存在する。
公知の脂環式ジオールとしては、たとえば、特許文献1には、デカヒドロナフタレンジメタノールの製造法が示され、特許文献2には8,9−ジヒドロキシメチル−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカンが、特許文献3には8,9−ジヒドロキシメチル−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エンの脂環式ジオール化合物の製造法が記載されている。
本発明の課題は、ポリエステルやポリカーボネート、ポリウレタンなどの樹脂原料、液晶組成物、高分子改質剤、医薬中間体などとして有用と考えられる新規なテトラリン骨格を有するジオール化合物、及び、その製造方法を提供することである。
本発明者らは、2,6−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステルを銅クロム系触媒を用いて溶媒中で水素と反応させることにより、下記式(1)で表される2,6−テトラリンジメチルアルコールを合成できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
式(1)で表される2,6−テトラリンジメチルアルコール。
[2]
2,6−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステルを、溶媒と銅クロム系水素化触媒の存在下、水素で接触還元することを特徴とする2,6−テトラリンメチルアルコールの製造方法。
[3]
接触還元を反応温度50〜250℃の範囲で行なうことを特徴とする請求項2に記載の2,6−テトラリンジメチルアルコールの製造方法。
[4]
水素添加に用いる溶媒の使用量が、原料の2,6−テトラリンジカルボン酸ジメチルに対する重量比で3〜40の範囲であることを特徴とする請求項2または3に記載の1,4−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステルの製造方法。
[1]
式(1)で表される2,6−テトラリンジメチルアルコール。
2,6−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステルを、溶媒と銅クロム系水素化触媒の存在下、水素で接触還元することを特徴とする2,6−テトラリンメチルアルコールの製造方法。
[3]
接触還元を反応温度50〜250℃の範囲で行なうことを特徴とする請求項2に記載の2,6−テトラリンジメチルアルコールの製造方法。
[4]
水素添加に用いる溶媒の使用量が、原料の2,6−テトラリンジカルボン酸ジメチルに対する重量比で3〜40の範囲であることを特徴とする請求項2または3に記載の1,4−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステルの製造方法。
本発明によれば、2,6−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステルを銅含有水素化触媒を用いて水素化することにより新規なテトラリン骨格を有するジオール化合物である2,6−テトラリンジメチルアルコールを工業的に製造することができる。
2,6−テトラリンジメチルアルコールはポリエステルやポリカーボネート、ポリウレタンなどの樹脂原料、液晶組成物、高分子改質剤、医薬中間体などとしての利用が考えられるため、その工業的な意義は大きい。
2,6−テトラリンジメチルアルコールはポリエステルやポリカーボネート、ポリウレタンなどの樹脂原料、液晶組成物、高分子改質剤、医薬中間体などとしての利用が考えられるため、その工業的な意義は大きい。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の2,6−テトラリンジメチルアルコール(以下2,6−TDMAと記載する)は、2,6−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステル(以下2,6−TDCEと記載する)を溶媒中で銅含有水素化触媒を用いて水素と反応させることにより製造できる。
[1.反応に用いられる原料2,6−TDCE]
本実施形態で反応の原料として用いる2,6−TDCEとしては、エステルを形成するアルキル基がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等である化合物が挙げられ、より好ましい原料はアルキル基がメチル基、エチル基である化合物であり、さらに好ましい原料はアルキル基がメチル基である2,6−テトラリンジカルボン酸ジメチルである。
2,6−TDCEは、例えば、J.Chem.Eng.Data,1969,14(4),pp489に記載されているように、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアルキルエステルをニッケル系触媒存在下で水素と反応させることによって製造できる。
本実施形態で反応の原料として用いる2,6−TDCEとしては、エステルを形成するアルキル基がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等である化合物が挙げられ、より好ましい原料はアルキル基がメチル基、エチル基である化合物であり、さらに好ましい原料はアルキル基がメチル基である2,6−テトラリンジカルボン酸ジメチルである。
2,6−TDCEは、例えば、J.Chem.Eng.Data,1969,14(4),pp489に記載されているように、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアルキルエステルをニッケル系触媒存在下で水素と反応させることによって製造できる。
[2.反応に用いられる触媒]
本実施形態で反応に用いられる触媒は、銅含有水素化触媒であり、好ましくは銅クロム系水素化触媒である。該銅クロム系水素化触媒の組成は、酸化された状態で、銅原子として10〜40重量%、クロム原子として5〜30重量%の範囲であることが好ましく、助触媒としてマンガン、バリウム、マグネシウムを加えてもよい。これらの助触媒成分を含有する場合、その含有量はマンガン原子として0.1〜5重量%、バリウム原子として0.1〜5重量%、マグネシウム原子として0.1〜5重量%の範囲であることが好ましい。各成分の組成が前記の範囲にあれば、高い収率で2,6−TDMAを製造することが出来て好ましい。
本実施形態で反応に用いられる触媒は、銅含有水素化触媒であり、好ましくは銅クロム系水素化触媒である。該銅クロム系水素化触媒の組成は、酸化された状態で、銅原子として10〜40重量%、クロム原子として5〜30重量%の範囲であることが好ましく、助触媒としてマンガン、バリウム、マグネシウムを加えてもよい。これらの助触媒成分を含有する場合、その含有量はマンガン原子として0.1〜5重量%、バリウム原子として0.1〜5重量%、マグネシウム原子として0.1〜5重量%の範囲であることが好ましい。各成分の組成が前記の範囲にあれば、高い収率で2,6−TDMAを製造することが出来て好ましい。
前記の触媒は、そのまま用いることもできるが、使用する前に溶媒の存在下で水素による還元処理をした後で反応に供することが好ましい。触媒の還元処理で使用する溶媒は、特に限定されないが、例えば、ヘキサンやヘプタン等の炭化水素溶媒が好ましい。
前記触媒の形態は、回分或いは連続の懸濁反応には粉末触媒が、固定床反応にはタブレット触媒等が用いられるが特に限定されず、選択される反応形態に応じて粉末状、タブレット状等適宜選択して使用される。入手容易さから粉末状のものを用いるものが好ましい。
前記触媒の使用量は、原料の2,6−TDCEに対する触媒の重量比で好ましくは50〜1000%、より好ましくは100〜600%、特に好ましくは200〜400%である。
[3.反応に用いられる溶媒]
本実施形態で反応に用いられる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。例えば、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。より好ましい溶媒は、メタノールである。
本実施形態で反応に用いられる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。例えば、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。より好ましい溶媒は、メタノールである。
前記溶媒の使用量は、2,6−TDCEに対する溶媒の重量比(SR)が好ましくは3〜40、より好ましくは6〜20である。SRが上記範囲にあれば、適度な反応器容積で反応を実施出来るとともに、溶媒の分離、回収が容易になり好ましい。
[4.反応条件]
本実施形態の反応は、通常オートクレーブ等の加圧容器中で実施される。使用する水素ガスの圧力は、好ましくは1〜20MPa、より好ましくは8〜20MPaである。上記の水素圧力範囲で反応を行なうことで、反応の選択性が高くなり、効率良く2,6−TDMAを製造できる。
本実施形態の反応は、通常オートクレーブ等の加圧容器中で実施される。使用する水素ガスの圧力は、好ましくは1〜20MPa、より好ましくは8〜20MPaである。上記の水素圧力範囲で反応を行なうことで、反応の選択性が高くなり、効率良く2,6−TDMAを製造できる。
反応温度は、通常50〜250℃、より好ましくは90〜180℃、特に好ましくは100〜150℃である。上記の温度範囲で反応を行なうことで、反応の選択性が高くなり、また、適度な反応速度が得られ効率良く2,6−TDMAを製造できる。
[5.反応生成物の精製]
反応終了後、例えば反応混合物から触媒を濾別し、必要に応じて触媒を水または前記溶媒で洗浄して得た液を母液と合わせた後、溶媒を留去する方法、あるいは母液を再結晶する方法により、2,6−TDMAを取り出すことができる。
更に、再結晶、蒸留やカラムクロマトグラフィー等の手段により精製を行ってもよい。
反応終了後、例えば反応混合物から触媒を濾別し、必要に応じて触媒を水または前記溶媒で洗浄して得た液を母液と合わせた後、溶媒を留去する方法、あるいは母液を再結晶する方法により、2,6−TDMAを取り出すことができる。
更に、再結晶、蒸留やカラムクロマトグラフィー等の手段により精製を行ってもよい。
以下で実施例により本発明の方法を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例および比較例において、組成はガスクロマトグラフィー分析により得られた面積百分率値を示す。
<分析方法、条件>
(1)ガスクロマトグラフィー
装置 : Agilent6890N
カラム: DB−1 UI30m×0.5mmI.D. 膜圧0.5μm
昇温条件:100℃(5min)−10℃/min−250℃(10min)
(1)ガスクロマトグラフィー
装置 : Agilent6890N
カラム: DB−1 UI30m×0.5mmI.D. 膜圧0.5μm
昇温条件:100℃(5min)−10℃/min−250℃(10min)
(2)GC−TOF/MS
装置 : Agilent7890A/WatersGCTpremier
カラム: DB−5MS UI30m×0.25mmI.D. 膜圧0.5μm
昇温条件: 200℃(0min)−10℃/min−320℃(0min)
内部標準物質(質量補正): Heptacosa(m/z=218.9856)
試料調製: 結晶をクロロホルムに溶解したものを測定し、測定後ピーク強度が飽和しない濃度まで希釈して得たデータを精密質量解析に用いた。
装置 : Agilent7890A/WatersGCTpremier
カラム: DB−5MS UI30m×0.25mmI.D. 膜圧0.5μm
昇温条件: 200℃(0min)−10℃/min−320℃(0min)
内部標準物質(質量補正): Heptacosa(m/z=218.9856)
試料調製: 結晶をクロロホルムに溶解したものを測定し、測定後ピーク強度が飽和しない濃度まで希釈して得たデータを精密質量解析に用いた。
(3)NMR
装置:Bruker AvanceII 600MHz−NMR
プローブ:DCH CryoProbe
モード:1H,13C,13C−ig,dept135,HSQC,HMBC,INADEQUATE(測定時間12時間)
試料調製:結晶100mgを重クロロホルム500μLに溶解させた。
装置:Bruker AvanceII 600MHz−NMR
プローブ:DCH CryoProbe
モード:1H,13C,13C−ig,dept135,HSQC,HMBC,INADEQUATE(測定時間12時間)
試料調製:結晶100mgを重クロロホルム500μLに溶解させた。
<実施例1>
200mLオートクレーブ(日東高圧社製ハステロイC製)に、日揮触媒化成社製、銅―クロム粉末(N−203SD)16.0g、ヘプタン100mLを仕込んだ。室温でオートクレーブ内を窒素1MPaで2回置換し、次いで水素1MPaで2回置換した。その後常圧まで落圧した後、内温170℃に昇温し、水素で10MPaまで加圧し、同温度、同圧力で1時間攪拌した(回転数1500rpm)。溶媒を濾別し、メタノール50mLで2回洗浄した後、2,6−テトラリンジカルボン酸ジメチル(以下2,6−TDCMと記載する)5.6g、メタノール100mL(79g)を仕込んだ。室温で、オートクレーブ内を窒素1MPaで2回置換し、次いで水素1MPaで2回置換した。その後常圧まで落圧した後、内温140℃に昇温し、水素で10MPaまで加圧し、同温度、同圧力で4時間攪拌した(回転数1500rpm)。
反応後、室温まで冷却し、水素を放出し、窒素1MPaで2回置換した後、反応液を濾別し、触媒をメタノール50mLで2回洗浄し反応液と混合した。得られた母液から溶媒をエバポレーターより除去して、4.1gの粗2,6−TDMAを得た。
ガスクロマトグラフィーで分析を行ったところ、得られた粗結晶の組成は、2,6−TDCM:0.8%、2,6−TDMA:66.3%、2,6−テトラリンモノメチルアルコールモノカルボン酸メチル(以下2,6−TMMA):13.3%であった。
200mLオートクレーブ(日東高圧社製ハステロイC製)に、日揮触媒化成社製、銅―クロム粉末(N−203SD)16.0g、ヘプタン100mLを仕込んだ。室温でオートクレーブ内を窒素1MPaで2回置換し、次いで水素1MPaで2回置換した。その後常圧まで落圧した後、内温170℃に昇温し、水素で10MPaまで加圧し、同温度、同圧力で1時間攪拌した(回転数1500rpm)。溶媒を濾別し、メタノール50mLで2回洗浄した後、2,6−テトラリンジカルボン酸ジメチル(以下2,6−TDCMと記載する)5.6g、メタノール100mL(79g)を仕込んだ。室温で、オートクレーブ内を窒素1MPaで2回置換し、次いで水素1MPaで2回置換した。その後常圧まで落圧した後、内温140℃に昇温し、水素で10MPaまで加圧し、同温度、同圧力で4時間攪拌した(回転数1500rpm)。
反応後、室温まで冷却し、水素を放出し、窒素1MPaで2回置換した後、反応液を濾別し、触媒をメタノール50mLで2回洗浄し反応液と混合した。得られた母液から溶媒をエバポレーターより除去して、4.1gの粗2,6−TDMAを得た。
ガスクロマトグラフィーで分析を行ったところ、得られた粗結晶の組成は、2,6−TDCM:0.8%、2,6−TDMA:66.3%、2,6−テトラリンモノメチルアルコールモノカルボン酸メチル(以下2,6−TMMA):13.3%であった。
<実施例2>
反応温度を100℃とした以外は、実施例2と同様に水素添加反応と反応液の処理を行い反応生成物の粗結晶4.2gを得た。
得られた粗結晶の組成は、2,6−TDCM:17.7%、2,6−TDMA:12.4%、2,6−TMMA:68.7%であった。
反応温度を100℃とした以外は、実施例2と同様に水素添加反応と反応液の処理を行い反応生成物の粗結晶4.2gを得た。
得られた粗結晶の組成は、2,6−TDCM:17.7%、2,6−TDMA:12.4%、2,6−TMMA:68.7%であった。
<比較例1>
200mLオートクレーブ(日東高圧社製ハステロイC製)に、日揮触媒化成社製、銅―亜鉛粉末(E−01X)16.0g、2,6−TDCM32.0gを仕込んだ。室温でオートクレーブ内を窒素1MPaで2回置換し、次いで水素1MPaで2回置換した。その後常圧まで落圧した後、内温180℃に昇温し、水素で10MPaまで加圧し、同温度、同圧力で3時間攪拌した(回転数1500rpm)。反応後、室温まで冷却し、水素を放出し、窒素1MPaで2回置換した後、触媒を濾別し、触媒をメタノール50mLで2回洗浄した。得られた母液からエバポレーターにより溶媒を除去して、5.0gの粗結晶を得た。組成は、2,6−TDCM:90.6%、2,6−TMMA:1.1%であり、2,6−TDMAは得られなかった。
200mLオートクレーブ(日東高圧社製ハステロイC製)に、日揮触媒化成社製、銅―亜鉛粉末(E−01X)16.0g、2,6−TDCM32.0gを仕込んだ。室温でオートクレーブ内を窒素1MPaで2回置換し、次いで水素1MPaで2回置換した。その後常圧まで落圧した後、内温180℃に昇温し、水素で10MPaまで加圧し、同温度、同圧力で3時間攪拌した(回転数1500rpm)。反応後、室温まで冷却し、水素を放出し、窒素1MPaで2回置換した後、触媒を濾別し、触媒をメタノール50mLで2回洗浄した。得られた母液からエバポレーターにより溶媒を除去して、5.0gの粗結晶を得た。組成は、2,6−TDCM:90.6%、2,6−TMMA:1.1%であり、2,6−TDMAは得られなかった。
<生成物の同定>
実施例1で得られた粗2,6−TDMA4、1gにヘプタン10g、アセトン30gを加えて、リフラックスにより全溶解後、0℃にて結晶を析出させることにより2,6−TDMAの再結晶による精製を行い、純度99.5%の2,6−TDMAの結晶を得た。以下この結晶について化合物の同定を行った。
まず、GC−TOF/MSによる分析を行ったところ、得られた結晶の分子量は192であった。次に、NMRにて1H、13C、13C−ig、dept135、dept90、HSQC、HH−COSY、HMBCの各モードで測定を行った結果、構造を1,4−TDCMと同定した。測定結果を図1〜図8に示す。
実施例1で得られた粗2,6−TDMA4、1gにヘプタン10g、アセトン30gを加えて、リフラックスにより全溶解後、0℃にて結晶を析出させることにより2,6−TDMAの再結晶による精製を行い、純度99.5%の2,6−TDMAの結晶を得た。以下この結晶について化合物の同定を行った。
まず、GC−TOF/MSによる分析を行ったところ、得られた結晶の分子量は192であった。次に、NMRにて1H、13C、13C−ig、dept135、dept90、HSQC、HH−COSY、HMBCの各モードで測定を行った結果、構造を1,4−TDCMと同定した。測定結果を図1〜図8に示す。
本発明によれば、2,6−テトラリンジカルボン酸ジアルキルエステルを選択的に水素添加することにより新規テトラリン誘導体である2,6−テトラリンジメチルアルコールを工業的に作り出すことができる。
2,6−テトラリンジメチルアルコールはポリエステルやポリカーボネート、ポリウレタンとして、液晶組成物、高分子改質剤、医薬中間体などとしての利用が考えられるため、その工業的な意義は大きい。
2,6−テトラリンジメチルアルコールはポリエステルやポリカーボネート、ポリウレタンとして、液晶組成物、高分子改質剤、医薬中間体などとしての利用が考えられるため、その工業的な意義は大きい。
Claims (4)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014204483A JP2016074612A (ja) | 2014-10-03 | 2014-10-03 | 2,6−テトラリンジメチルアルコールとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014204483A JP2016074612A (ja) | 2014-10-03 | 2014-10-03 | 2,6−テトラリンジメチルアルコールとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016074612A true JP2016074612A (ja) | 2016-05-12 |
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ID=55949575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014204483A Pending JP2016074612A (ja) | 2014-10-03 | 2014-10-03 | 2,6−テトラリンジメチルアルコールとその製造方法 |
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