JP2016074051A - 砥石、砥石面形状の決定方法、及び、砥石の製造方法 - Google Patents

砥石、砥石面形状の決定方法、及び、砥石の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内輪の断面における軌道面の形状が非直線形状であっても、その軌道面の全面を同等の加工精度に砥石により仕上げる。
【解決手段】砥石10において、軌道面6に接触させる砥石面11の幅寸法は、軌道面6の幅寸法以上であり、砥石面11は、軌道面6の幅方向一方側に接触可能でありマタギ方向に幅広となっている第1幅広部21と、軌道面6の幅方向他方側に接触可能でありマタギ方向に幅広となっている第2幅広部22と、軌道面6の幅方向中央部に接触可能であり第1幅広部21及び第2幅広部22よりもマタギ方向に幅狭となっている幅狭部23とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ワークの被加工面に対して仕上げ加工を行うための砥石、その砥石の砥石面形状の決定方法、及び、砥石の製造方法に関する。
例えば円筒形のワーク(加工物)の表面精度を高めるために、超仕上げ加工が行われる。具体例として、円すいころ軸受の外輪及び内輪(外輪及び内輪を総称して軌道輪という)の各軌道面の表面精度を高めるために、超仕上げ加工が行われており、この加工は、軌道輪を回転させて砥石を軌道面に接触させることにより行われる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の超仕上げ加工では、軌道面(被加工面)に対して砥石が接触する面となる砥石面の幅寸法が、軌道面の幅寸法よりも小さいことから、軌道輪を回転させながら砥石を軌道面に沿って何度も往復させる必要があり、加工時間を要する。
そこで、図19の斜視図に示すように、砥石面96の幅方向の寸法を軌道面98の幅方向の寸法以上に設定した角柱形状の砥石97を、軌道面98に接触させて行う超仕上げ加工方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−260829号公報 国際公開第2006/104130号
図19に示す砥石97を用いた超仕上げ加工方法によれば、加工時間の短縮化が可能となるが、砥石面96の形状が長方形であり、また、軌道輪99の軌道面98は、この軌道面98を模式的に示す断面図に示すように、クラウニング形状を有していることから、軌道面98の幅方向両側のクラウニング部95,95と中央部94とで、砥石97による加工性に差が生じる。なお、この図19の一部に示す断面図では、クラウニング形状をわかり易く説明するために実際よりも強調している。
特に軌道面98の幅方向両側のクラウニング部95が深い場合、クラウニング部95と中央部94とで砥石面96の接触状態が大きく異なり、クラウニング部95では所望の面粗度(精度)を得ることができないことがある。つまり、円すいころ軸受の軌道輪99が有する軌道面98のようにクラウニング形状があって、被加工面(98)が非直線形状である場合、被加工面(98)の各部において取り代や面粗度に差が生じるおそれがある。なお、このような問題点は、ころ軸受の軌道輪99のみならず、ワークの回転中心線を含む断面における被加工面の形状が非直線形状である他のワークにおいても生じる。
そこで、本発明は、ワークの回転中心線を含む断面における被加工面の形状が非直線形状であっても、被加工面の全面を同等の加工精度に仕上げることを可能とするための砥石、砥石面形状の決定方法、及び、砥石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ワークを回転させ、当該ワークの回転中心線を含む断面において非直線形状である被加工面に接触させて仕上げ加工を行うための砥石であって、前記被加工面に接触させる砥石面の幅寸法は、当該被加工面の幅寸法以上であり、前記砥石面は、前記被加工面の接線方向に平行なマタギ方向に幅広となっている幅広部と、前記マタギ方向に前記幅広部よりも幅狭となっている幅狭部とを有している。
回転中心線を含む断面における被加工面の形状が非直線形状となるワークに対して砥石を接触させて超仕上げ加工を行う場合、本発明の発明者は、被加工面と砥石面との接触状態に応じて被加工面の各部で受ける仕事量が異なること、そして、これにより取り代や面粗度等の加工精度に差が生じることを見出した。その結果として、本発明は、砥石(砥石面)から被加工面の各部が受ける仕事量を幅方向で均一にすることで加工精度の均一化を図ることに着目して得られたものである。
つまり、被加工面の各部が受ける仕事量の大小に応じて、被加工面に接触させる砥石面がマタギ方向に幅広である幅広部と、この幅広部よりも幅狭となっている幅狭部とを有するようにして砥石を構成することで、被加工面の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
具体的には、前記砥石において、砥石面のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に受ける仕事量が大きくなる前記被加工面の部分に対して、前記幅狭部が設けられ、砥石面のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に受ける仕事量が小さくなる前記被加工面の部分に対して、前記幅広部が設けられるのが好ましい。
この場合、被加工面に対して幅狭部及び幅広部を有する砥石が接触することで、この被加工面の各部における仕事量が均一化され、被加工面の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
また、前記ワークは、ころ軸受の内輪又は外輪となる軌道輪であり、前記被加工面は、前記軌道輪のクラウニング形状を有する軌道面である場合、前記砥石面は、前記軌道面の幅方向一方側に接触可能であり当該軌道面の接線方向に平行なマタギ方向に幅広となっている第1幅広部と、前記軌道面の幅方向他方側に接触可能であり前記マタギ方向に幅広となっている第2幅広部と、前記軌道面の幅方向中央部に接触可能であり前記第1幅広部及び前記第2幅広部よりも前記マタギ方向に幅狭となっている幅狭部とを有している。
この場合、前記砥石は、ころ軸受の内輪又は外輪となる軌道輪を回転させ、当該軌道輪のクラウニング形状を有する軌道面に接触させて仕上げ加工を行うための砥石であって、前記軌道面に接触させる砥石面の幅寸法は、当該軌道面の幅寸法以上であり、前記砥石面は、前記軌道面の幅方向一方側に接触可能であり当該軌道面の接線方向に平行なマタギ方向に幅広となっている第1幅広部と、前記軌道面の幅方向他方側に接触可能であり前記マタギ方向に幅広となっている第2幅広部と、前記軌道面の幅方向中央部に接触可能であり前記第1幅広部及び前記第2幅広部よりも前記マタギ方向に幅狭となっている幅狭部とを有しているものとなる。
ころ軸受の軌道輪において、クラウニング形状を有する軌道面では、従来のように砥石面のマタギ方向の寸法が幅方向に一定である場合、つまり、砥石面が長方形である場合、幅方向両側で砥石による仕事量が小さくなり、幅方向中央で砥石による仕事量が大きくなる。そこで、砥石面が、幅方向両側に第1及び第2の幅広部を有し、幅方向中央に幅狭部を有するようにして砥石を構成することにより、軌道面の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
また、本発明は、ワークを回転させ、当該ワークの回転中心線を含む断面において非直線形状である被加工面に接触させて仕上げ加工を行うための砥石の砥石面形状を決定する方法であって、砥石面における前記被加工面の接線方向に平行なマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に前記被加工面の各部が前記砥石から受ける仕事量を求める演算工程と、前記砥石面の形状に関して、前記被加工面のうちの前記仕事量が大きくなる部分に接触させる領域を前記マタギ方向に幅狭に設定し、前記仕事量が小さくなる部分に接触させる領域を前記マタギ方向に幅広に設定する形状設定工程とを含む。
従来のように、砥石面のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であり、また、被加工面の形状が、ワークの回転中心線を含む断面において非直線形状である場合、被加工面と砥石面との接触状態によって被加工面の各部の受ける仕事量が異なるが、本発明の前記決定方法によれば、砥石面をマタギ方向に幅狭や幅広とすることで被加工面の各部が受ける仕事量を均一化することが可能となる。この結果、この決定方法によって定められた砥石面形状を有する砥石によって仕上げ加工を行うことで、被加工面の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
また、前記決定方法において、前記形状設定工程では、前記演算工程において求めた、仕事量の基準値と、前記被加工面の各部における仕事量との比から、当該各部に対する前記砥石面の前記マタギ方向の寸法を決定することができる。
例えば、仕事量の基準値(最小値)と、被加工面の所定の一部における仕事量との比が、値Kであれば、砥石面のマタギ方向の基準寸法の1/K倍の値を、当該所定の一部に対する砥石面のマタギ方向の寸法に設定する。
また、本発明の砥石の製造方法は、砥粒と結合剤とを含む混合材を角柱形状に固めて焼成する成形焼成ステップと、前記焼成して得た角柱形状の中間品が、前記決定方法により決定された砥石面形状を有するように当該中間品を加工する加工ステップとを含む。
本発明の製造方法により製造された砥石によって仕上げ加工を行うことで、被加工面の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
本発明の砥石によれば、ワークの被加工面の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
本発明の砥石面形状の決定方法及び砥石の製造方法により得られる砥石を用いることで、ワークの被加工面の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
砥石を用いて行う超仕上げ加工の様子を示す概略斜視図である。 軌道面の説明図である。 超仕上げ加工において、軌道面と砥石との接触状態を説明する説明図である。 砥石面のなじみ処理の説明図である。 砥石面を砥石の長さ方向(X方向)から見た図である。 砥石の製造方法を説明するためのフローチャートである。 砥石面形状の決定方法を説明するためのフローチャートである。 演算工程を説明するフローチャートである。 形状設定工程を説明するフローチャートである。 コンピュータが演算工程を行うために、軌道面及び砥石面の形状をモデル化した説明図である。 面圧分布の時間変化を示す説明図である。 砥石及び内輪を示す模式図である。 軌道面の各部における位置と、その位置における仕事量を示す説明図である。 (A)は従来の砥石、(B)は本実施形態の砥石、(C)は軌道面における砥石の接触長さを説明する説明図である。 本実施形態の砥石により内輪の軌道面を超仕上げ加工した場合の面粗度の時間変化を示したグラフ(実験結果)である。 従来例の砥石の場合のグラフである。 本実施形態の砥石により軌道面を超仕上げ加工した場合の完成品精度を示すグラフである。 従来例の砥石の場合のグラフである。 従来の砥石を用いて行う超仕上げ加工の様子を示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、砥石10を用いて行う超仕上げ加工の様子を示す概略斜視図である。本実施形態において、超仕上げ加工の対象となるワークは、円すいころ軸受の内輪5であり、この内輪5の外周面に設けられている軌道面6が、砥石10により超仕上げ加工が行われる被加工面となる。内輪5は、半径方向に突出している環状の鍔部3,4を軸方向両側に有しており、これら鍔部3,4の間に軌道面6が設けられている。軌道面6は、図示しない円すいころ軸受が備えている複数の円すいころが転動する面である。
図2は、軌道面6の説明図である。図2に示すように、軌道面6にはクラウニングが設けられており、軌道面6は、中央の領域を占め半径R1を有する円弧部からなる中央部7と、中央部7の両側を占め(直線状に)傾斜しているクラウニング部8,9とを有している。つまり、軌道面6の幅方向の中央部7と、幅方向の両側のクラウニング部8,9とで、高低差があり、中央部7とクラウニング部8,9とで、基準線L0からの深さ(寸法〔X+CR〕)が異なっている。寸法Xは、中央部7の最大深さの寸法であり、寸法CRはクラウニング部8,9の深さ寸法である。なお、このクラウニング形状は研磨により形成され、その後、本実施形態の砥石10により、クラウニング形状を有する軌道面6の超仕上げ加工が行われる。
図3は、超仕上げ加工において、軌道面6と砥石10との接触状態を説明する説明図である。なお、図3では、クラウニング形状について、わかり易く説明するために実際よりも強調しており、また、内輪5(図1参照)の鍔部3,4を省略している。図3に示すように、砥石10を軌道面6に対して押し付けた状態として幅方向に振動(以下、オシレーションという。)させる。なお、内輪5(図1参照)は、その中心線C0回りに回転させる。
図3に示すように、砥石10が軌道面6と接触する面となる砥石面11の幅方向の寸法と、その軌道面6の幅方向の寸法とを比べると、砥石面11の方が大きい。つまり、砥石面11の幅方向の寸法(幅寸法)Zwは、軌道面6の幅方向の寸法(幅寸法)Za以上に設定されている。
なお、本実施形態(図1参照)において、内輪5(軌道面6)における幅方向とは、一方の鍔部3から他方の鍔部4側へ向かう軌道面6に沿った方向(Z方向)であり、幅方向の仮想線は、内輪5のコーンセンタで中心線C0と交差する。そして、砥石10における幅方向は、内輪5の幅方向と平行な方向(Z方向)である。このZ方向を砥石幅方向ともいう。
また、砥石10の(後述する)マタギ方向とは、軌道面6の接線に平行な方向であり、前記幅方向と直交する方向(Y方向)である。そして、幅方向とマタギ方向とに直交する方向(X方向)が、砥石10の長さ方向であり、この長さ方向に向かう押し付け力によって砥石10は軌道面6に押し付けられる。なお、前記砥石10のオシレーション方向(振動方向)は、幅方向となる。
図4は、砥石10(砥石面11)のなじみ処理の説明図である。後に記載する砥石10の製造方法でも説明するが、図4(A)に示すように、(超仕上げ加工前では)砥石面11は平面であり、超仕上げ加工を開始する前に、なじみ処理を行うことで、砥石面11を図4(B)に示す凹形状とする。なじみ処理については後に説明する。
図5は、砥石面11を砥石10の長さ方向(X方向)から見た図である。なお、このX方向から見た場合の砥石10の形状は、前記なじみ処理の前後を通じて同じである。図5に示すように、砥石面11は、マタギ方向(Y方向)に幅広となっている幅広部21,22と、マタギ方向(Y方向)に幅広部21,22よりも幅狭となっている幅狭部23とを有している。より具体的に説明すると、砥石面11は、マタギ方向に幅広となっている第1幅広部21を有しており、この第1幅広部21は、軌道面6(図1参照)の幅方向一方側のクラウニング部8に接触可能となる。また、砥石面11は、マタギ方向に幅広となっている第2幅広部22を有しており、この第2幅広部22は、軌道面6(図1参照)の幅方向他方側のクラウニング部9に接触可能となる。そして、砥石面11は、第1幅広部21及び第2幅広部22よりもマタギ方向に幅狭となっている幅狭部23を有しており、この幅狭部23は、軌道面6(図1参照)の中央部7に接触可能である。
図5に示すように、砥石面11の形状に関して、幅狭部23と、幅広部21,22それぞれとの境界において、マタギ方向の寸法が急変しており、砥石面11はI形を有している。
また、図2に示すように軌道面6の断面円弧形状となっている中央部7の形状変化に応じて、この中央部7が接触する砥石面11の幅狭部23の両側形状は円弧形状となっている。そして、幅狭部23の幅方向の中央で最も幅狭となっている。
〔砥石10の製造方法〕
以上の構成を有する砥石10の製造方法について説明する。図6は、砥石10の製造方法を説明するためのフローチャートである。この製造方法には、成形焼成ステップSt1と、加工ステップSt2とが含まれる。さらに、この製造方法には、前記なじみ処理を行う準備ステップSt3が含まれており、図6では、準備ステップSt3が加工ステップSt2の後に行われているが、成形焼成ステップSt1の後であって加工ステップSt2の前に行われてもよい。
成形焼成ステップSt1は、従来の砥石の製造において行われている工程と同様であり、所定の配合の砥粒、結合剤及び充填材を混合し、乾燥させ、型で固める。この際、砥粒等を含む混合材は、角柱形状となるようにして型で固められ、プレスされる。その後、脱型して焼成する。このように、成形焼成ステップSt1は、砥粒と結合剤とを含む混合材を角柱形状に固めて焼成する。
そして、加工ステップSt2では、焼成して得た角柱形状の中間品を所定形状に加工する。つまり、加工ステップSt2では、前記中間品が、以下に説明する砥石面形状の決定方法により決定された砥石面形状を有するように、この中間品を加工する。例えば、中間品に対して研削加工を行うことで、所定形状の砥石10とする。
準備ステップSt3では、図4に示すように、断面凸形状である軌道面6に応じて砥石面11を凹形状とするためのなじみ処理が行われる。なじみ処理では、処理用として内輪5が準備され、この処理用の内輪5の軌道面6にダイヤモンドペーストを固着する。そして、この処理用の内輪5の軌道面6に対して砥石面11を接触させ(図4(A)参照)、超仕上げ加工と同様の動作を内輪5及び砥石10にさせる。これにより、砥石10の砥粒が脱落し、砥石面11が凹形状に形成される。なお、ダイヤモンドペーストを固着しない処理用の内輪5を用いてなじみ処理を行ってもよく、この場合、複数個の処理用の内輪5が用いられる。
〔砥石面形状の決定方法〕
図7は、砥石面形状の決定方法を説明するためのフローチャートである。この決定方法には、演算工程St12及び形状設定工程St13が含まれる。
図7の演算工程St12について説明する。演算工程St12では、ある条件の下で軌道面6の各部が受ける仕事量を求める。以下、その具体例について説明する。
図8は、演算工程St12を説明するフローチャートである。この演算工程St12に含まれる各ステップは、コンピュータを用いた演算処理によって実行される。なお、この演算工程St12及び次の形状設定工程St13において行われる処理は、特に説明しない限り、コンピュータが行う処理である。
先ず、砥石10による超仕上げ加工を行うための加工条件に関する情報、ワークに関する情報、砥石10に関する情報等が、コンピュータに入力される(図8のステップSt21)。加工条件に関する状態としては、オシレーション振幅、オシレーション速度(周波数)、軌道面6に対する砥石10の加圧力、ワーク(内輪5)の回転速度が含まれる。ワークに関する情報としては、図2に示すように、軌道面6の幅寸法であるCR幅、中央部7の幅寸法であるX幅、軌道面6の曲率半径R1、クラウニング部8,9の深さであるCRの寸法等の軌道面6の断面における形状に関する情報が含まれる。砥石10に関する情報としては、軌道面6の断面における形状に関する情報に準じて、なじみ処理後の砥石面11の形状が含まれる。なお、このなじみ処理後の砥石面11形状は、軌道面6のクラウニング形状とオシレーション振幅とに基づいて計算により求めることができる。
図10は、演算工程St12を行うために、前記入力された各情報に基づいて、コンピュータが軌道面6及び砥石面11の形状をモデル化した説明図である。図10に示すように、軌道面6を砥石幅方向(Z方向)に複数に分割する。これにより、軌道面6は、複数のスライス円筒面に分割される。本実施形態では、軌道面6がN個に分割されている(N分割)。以下において、スライス円筒面を、単位領域ともいう。
また、超仕上げ加工では、砥石10をオシレーションすることから、図10及び図11に示すように、N個すべてのスライス円筒面に対して同時に砥石面11が接触しない。そこで、砥石面11が同時に接触するスライス円筒面の数をNc個(図10参照)としている。
なお、図11は、軌道面6と砥石面11とが接触することで生じる面圧分布の時間変化を示す説明図である。図11(A)と(B)とに示すように、軌道面6に対して砥石10を幅方向(Z方向)に微小変位させる(オシレーションさせる)ことで、面圧分布はZ方向に変化する。つまり、時間によって砥石面11と軌道面6との接触状態が変化し、面圧分布は変化する。
また、コンピュータが演算処理を行うために、本実施形態では、軌道面6(スライス円筒面)における円周方向の面圧は一様であると仮定し、また、時間に対して研削量は変化しないと仮定し、更に、砥石面11と軌道面6との間に生じる面圧は、これら砥石面11と軌道面6との弾性接近量δにより決定されると仮定する。
以上より、砥石10から、軌道面6の幅方向(Z方向)の各部に相当するスライス円筒面に作用する荷重をΔQとすると、この荷重ΔQは、弾性接近量δを用いて次の式(1)〔Palmgrenの式〕で表され、また、砥石10の軌道面6に対するX方向の押し付け力Fは、次の式(2)で表される。なお、前記弾性接近量δは、砥石10と軌道面6とが接触した場合のX方向の値である。

そこで、弾性変形量の仮の値(初期値)δ0を設定し、このδ0を用いて前記式(1)及び式(2)の演算を行い、砥石10の押し付け力Fが入力値と等しくなる弾性接近量δを収束計算する(図8のステップSt22:Newton−Raphason法)。なお、押し付け力の前記入力値とは、前記ステップSt21で入力した砥石10の軌道面6に対する加圧力(押し付け力)である。また、前記式(1)中のΔL(=単位領域の有効接触長さ)、E′(=等価ヤング率)及びNc(=接触するスライス円筒面の数)は、定数である。
このようにして、ある時間における弾性変形量δが求まると、Palmgrenの式(前記式(1))より、軌道面6の幅方向(Z方向)の各部(単位領域)に作用する荷重(面圧)ΔQが求められる。さらに、軌道面6の各部における砥石10と軌道面6との相対速度V(図12に示す内輪から見た砥石の速度)が算出され、各部における荷重ΔQと相対速度Vとの積により、単位時間Δtに受ける仕事量(PV・Δt)が算出される。なお、図12に示す相対速度Vは、砥石10がオシレーションすることによるZ方向の速度と、内輪5の回転による速度とを合成した速度である。図12は、砥石10及び内輪5を示す模式図である。
そして、幅方向(Z方向)の各部における仕事量(PV・Δt)の時間積分の値が求められる。なお、Δtは、前記コンピュータが行う解析における単位時間(任意に設定される値)であり、時間分解能を意味する。
この軌道面6の幅方向の各部(単位領域)における仕事量(PV・Δt)の時間積分の値は、軌道面6を線で考えた場合にその軌道面6の各部(単位領域)が受ける仕事量となる。そこで、内輪5は回転し砥石10からマタギ方向に広がる領域で仕事を受けていることから、幅方向の各部における仕事量(PV・Δt)の時間積分の値と、砥石面11のマタギ方向の寸法との積により、各部での仕事量が求められる。
本実施形態では、幅方向の各部における仕事量(PV・Δt)の時間積分の値と、マタギ方向の寸法の基準値との積により、各部での仕事量が求められる。前記マタギ方向の寸法の基準値は一定値であり、このため、ここで求められる仕事量は仮の値(理論値)となる。マタギ方向の寸法の基準値は、例えばマタギ方向の寸法の最大値とすることができ、この基準値は、幅狭部23における寸法を基準としてもよく、幅広部21,22における寸法を基準としてもよい。
軌道面6の幅方向(Z方向)の各部における仕事量(PV・Δt)の時間積分の値は、軌道面6の単位領域において単位時間(Δt)当たりに受ける仕事量の時間積分(PV・Δtの時間積分)となる。そして、本実施形態では、軌道面6がテーパ形状であるため、この仕事量の値が補正される。
そして、軌道面6の幅方向(Z方向)の各部に関して求められた(補正した)仮の仕事量の値を用いて、砥石面11の幅方向(Z方向)の各部におけるマタギ方向の寸法が求められる。
以上のように、図8のステップSt22において、Newton−Raphason法を用いて弾性接近量δが求められ、軌道面6の幅方向(Z方向)の各部に対してなされた仕事量(PV・Δt)が求められる(図8のステップSt23)。
そして、次の単位時間に更新され(t=t+Δt:ステップSt24)、砥石位置Zが更新される(ステップSt25)。
以上の処理を、砥石10を幅方向にオシレーションさせる際の、オシレーションの1周期分の時間について行う(ステップSt26)。これにより、砥石10のオシレーションの1周期における仕事量が計算される。
そして、軌道面6の各部における仕事量が算出され、各部の幅方向(Z方向)についての位置(座標)と、その位置における仕事量の値とが対応付けられて、コンピュータの記憶装置に記憶される。なお、軌道面6の各部の幅方向についての位置は、複数に分割された前記スライス円筒面(図10参照)のZ方向の位置に対応する。
図7に戻って、形状設定工程St13について説明する。形状設定工程St13では、砥石面11のマタギ方向の寸法が設定される。以下、その具体例について説明する。
図9は、形状設定工程St13を説明するフローチャートである。この形状設定工程St13における各ステップは、コンピュータを用いた演算処理によって実行される。前記のとおり、コンピュータの記憶装置に記憶されている軌道面6の各部の幅方向(Z方向)についての位置と、その位置における仕事量の値との情報が用いられる。
まず、基準砥石寸法の情報が設定される(図9のステップSt31)。基準砥石寸法は、砥石面11のマタギ方向の寸法の基準値YZZであり、本実施形態では、前記ステップSt21で入力された情報のうちの砥石10のマタギ方向の寸法(最大値)の1/2としている。
そして、軌道面6の各部のうちの最も端部に対応する位置、つまり、軌道面6の幅方向の初期位置Zにおける砥石面11のマタギ方向の寸法が計算される(図9のステップSt32)。
具体的に説明すると、コンピュータの記憶装置には、軌道面6の各部の幅方向についての位置(Z)と、その位置(Z)における仕事量の値(WZn)とを対応付けた対応情報〔Z,WZn〕が記憶されていることから、幅方向(Z方向)についての初期位置Z(n=0)における仕事量WZ0が、前記記憶装置から抽出される。つまり、抽出された情報は〔Z,WZ0〕となる。
また、記憶装置に蓄積されている仕事量の値(WZn)の情報の中から、その最小値Wminが抽出される。
そこで、コンピュータを用いた演算により、初期位置Zでの仕事量WZ0と、仕事量の最小値Wminとの比から、この初期位置Zに対応する砥石面11のマタギ方向の寸法YZ0を算出する。この算出は、次の式(3)に基づく。
以下、軌道面6の幅方向の位置Zを変更し(図9のステップSt34)、つまり、複数に分割された前記スライス円筒面のZ方向の各位置を変更する。つまり、コンピュータによる処理としては前記nを0,1,2,3,・・・と変更し、軌道面6の全てについて前記式(3)と、記憶装置に蓄積されている情報〔Z、WZn〕とから、幅方向の各位置Zに対応する砥石面11のマタギ方向の寸法YZnが算出される。なお、算出される幅寸法YZnは、設定されるべき砥石面11のマタギ方向の寸法の1/2の値である(図5参照)。
このようにして算出された位置Zと幅寸法YZnとを、二次元座標上に表現したものが、図5であり、本実施形態の砥石面形状の決定方法によれば、図5に示す砥石面11の形状が得られる。
なお、砥石面11の形状が、図5に示す形状となる他、本実施形態では、砥石10(図1参照)のX方向に直交する断面形状も、図5に示す形状となる。
そして、このようにして定められた砥石面11を有する砥石10により、軌道面6が受ける仕事量は、計算上、図13の実線による直線に示すように、軌道面6の全面にわたって均一となる。図13は、軌道面6の各部における位置(縦軸)と、その位置における仕事量(横軸)を示す説明図である。なお、図13中の破線は、従来の砥石面形状が矩形である砥石により、軌道面が受ける仕事量を示している。図13の破線に示すように、従来の砥石の場合、軌道面の中央で仕事量が大きくなり、その両側では仕事量が小さくなっている。
そして、軌道面6が受ける砥石10からの仕事量は、PV・Δtの時間積分となり、砥石10による研磨量は、この仕事量(PV・Δtの時間積分値)に比例すると考えられる。
以上のように、従来の砥石面が矩形である砥石(図14(A)参照)の場合では、軌道面6におけるクラウニング部8,9が受ける仕事量が少なくなるに対して、本実施形態のようにI形の砥石面11を有する砥石10(図14(B)参照)とすることで、軌道面6におけるクラウニング部8,9に対する砥石接触長さを大きくすることができ(図14(C)参照)、これらクラウニング部8,9が受ける仕事量を増やし、これらに対して研削力を備えさせることができる。なお、図14(C)の矢印は、軌道面6に対する砥石10のマタギ方向の接触長さのイメージを示している。
〔本実施形態の砥石面形状の決定方法に関して〕
前記のとおり、本実施形態の砥石面形状の決定方法には、演算工程St12と、形状設定工程St13とが含まれる。演算工程St12では、超仕上げ加工を行う加工条件を用いて、砥石面11のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に軌道面6の各部が砥石10から受ける仕事量を求める。そして、形状設定工程St13では、砥石面11の形状に関して、軌道面6のうちの前記演算工程St12で求めた仕事量が大きくなる部分に接触させる領域をマタギ方向に幅狭に設定し、前記演算工程St12で求めた仕事量が小さくなる部分に接触させる領域をマタギ方向に幅広に設定する。
特に、本実施形態の形状設定工程St13では、演算工程St12において求めた、仕事量の基準値(最小値)と、軌道面6の幅方向(Z方向)の各部における仕事量との比から、軌道面6の各部に対する砥石面11のマタギ方向の寸法が決定される。例えば、前記式(3)により、仕事量の基準値(最小値Wmin)と、軌道面6の所定の一部(YZn)における仕事量(WZn)との比が、1.1であれば、砥石面11のマタギ方向の基準寸法(YZZ)の1/1.1倍の値が、この所定の一部(YZn)に対する砥石面11のマタギ方向の寸法に設定される。
そして、従来(図14(A)参照)のように、砥石面98のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であり、また、本実施形態のように軌道面6の形状が断面において非直線形状である場合、軌道面6と砥石面98との接触状態によって軌道面6の各部の受ける仕事量が異なるが(図13の破線)、本実施形態の前記決定方法によれば、砥石面11をマタギ方向に幅狭や幅広とすることで軌道面6の各部が受ける仕事量を均一化することが可能となる(図13の実線)。この結果、この決定方法によって定められた砥石面形状を有する砥石10によって超仕上げ加工を行うことで、軌道面6の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
本実施形態の決定方法によれば、砥石面11の理想形状を、コンピュータを用いた解析により導出することができる。そして、クラウニング部8,9の深さが大きい軌道輪(内輪5)に対しても、本実施形態の決定方法を適用することが可能である。つまり、軌道面6のクラウニング形状に応じて、砥石面11のマタギ方向の寸法を最適化することが可能となる。
また、軌道面6のクラウニング形状が変化しても、その形状に応じて砥石面11を設定することができ、超仕上げ加工装置側を改造する必要がない。
〔本実施形態の砥石について〕
図15は、本実施形態の砥石10(図1参照)により内輪5の軌道面6を超仕上げ加工した場合の面粗度の時間変化を示したグラフ(実験結果)である。図15の縦軸が面粗度であり、横軸は、加工時間である。図15中の線L1は、軌道面6のうち、直径が大きい側の鍔部4に近いクラウニング部9についてのグラフであり、線L2は、軌道面6のうち、直径が小さい側の鍔部3に近いクラウニング部8についてのグラフであり、線L3は、軌道面6の中央部7についてのグラフである。図15に示すように、加工開始後から終了までの時間にわたって、両側のクラウニング部8,9と中央部7とで面粗度が均一であり、軌道面6全面が同等の加工精度に仕上げられることがわかる。
これに対して、図16は、従来例の砥石(図14(A))の場合のグラフである。加工開始後、軌道面6の中央部7(線L3)の面粗度と、クラウニング部8,9(線L1、L2)における面粗度とに差が生じており、軌道面6全面が同等の精度で加工が進んでいないことがわかる。
さらに、図15に示す本実施形態の場合、図16の従来例の場合に比較して、軌道面6が全体として早期に所望の面粗度以下となる。なお、図中の破線は、所望の面粗度の値を示している。
以上のように、本実施形態の砥石10によれば、軌道面6全面が同等の精度で加工が進み、軌道面6全面が同等の加工精度に仕上げられる。
図17は、本実施形態の砥石10により軌道面6を超仕上げ加工した場合の完成品精度を示すグラフである。なお、図17の横軸は、クラウニング部8(9)の深さであり、この深さについて3種類変更して、面粗度の測定を行った実験結果である。図17に示すように、クラウニング部8(9)の深さが変化しても、さらに、クラウニング部8(9)の深さが大きくなっても、軌道面6の中央部7及びその両側のクラウニング部8,9において、同等の加工精度が得られている。
しかも、中央部7とクラウニング部8,9とで加工性(面粗度)は同等である。
図18は、従来例の砥石(図14(A))の場合のグラフである。従来例の場合、クラウニング部8(9)の深さが小さい場合、軌道面6の中央部7及びその両側のクラウニング部8(9)において、略同等の加工精度が得られているが、クラウニング部8(9)の深さが大きくなるにしたがって、軌道面6の幅方向両側のクラウニング部8(9)において加工精度が低くなっている。
以上より、本実施形態(図1参照)の砥石10は、内輪5の回転中心線C0を含む断面において非直線形状である軌道面6に接触させて仕上げ加工を行うための砥石であり、砥石面11は、マタギ方向に幅広となっている幅広部(21,22)と、マタギ方向に幅広部(21,22)よりも幅狭となっている幅狭部(23)とを有している。
特に本実施形態では、砥石10において、従来(図14(A)参照)の砥石面98のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に受ける仕事量が比較的大きくなる軌道面6の部分(中央部7)に対して、幅狭部23が設けられ、従来(図14(A)参照)の砥石面98のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に受ける仕事量が比較的小さくなる軌道面6の部分(クラウニング部8,9)に対して、幅広部21,22が設けられる。
この場合、軌道面6に対して幅狭部23及び幅広部21,22を有する砥石10が接触することで、この軌道面6の各部における仕事量が均一化され、軌道面6の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。つまり、円すいころ軸受の軌道輪(内輪5)において、クラウニング形状を有する軌道面6では、従来(図14(A))のように砥石面98のマタギ方向の寸法が幅方向に一定である場合、つまり、砥石面11が長方形である場合、幅方向両側で砥石97による仕事量が小さくなり、幅方向中央で砥石97による仕事量が大きくなる。そこで、図14(B)に示すように、砥石面11が、幅方向両側に第1及び第2の幅広部21,22を有し、幅方向中央に幅狭部23を有するようにして砥石10を構成することにより、軌道面6の全面を同等の加工精度に仕上げることが可能となる。
〔付記〕
本発明の砥石10及び砥石面形状の決定方法は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
前記砥石面形状の決定方法に関する実施形態では、Newton−Raphason法を用いて弾性接近量δを収束計算する場合について説明したが、これ以外の方法であってもよい。また、前記実施形態では、Palmgrenの式を用いる場合について説明したが、これ以外の方法であってもよく、例えば有限要素法(FEM)によるコンピュータ解析を用いてもよい。
また、超仕上げ加工の対象となる物品に関して、本実施形態では内輪5の場合について説明したが、外輪であってもよい。更に、超仕上げ加工の対象となる物品は、軌道輪以外であってもよい。つまり、回転して超仕上げ加工を行うワークの被加工面が、このワークの回転中心線を含む断面において非直線形状であるものに対して、本発明を適用することが可能となる。
5:内輪(ワーク) 6:軌道面(被加工面) 10:砥石
11:砥石面 21:第1幅広部 22:第2幅広部
23:幅狭部 C0:回転中心線 Zw:砥石面の幅方向の寸法(幅寸法)
Za:軌道面の幅方向の寸法(幅寸法)

Claims (6)

  1. ワークを回転させ、当該ワークの回転中心線を含む断面において非直線形状である被加工面に接触させて仕上げ加工を行うための砥石であって、
    前記被加工面に接触させる砥石面の幅寸法は、当該被加工面の幅寸法以上であり、
    前記砥石面は、前記被加工面の接線方向に平行なマタギ方向に幅広となっている幅広部と、前記マタギ方向に前記幅広部よりも幅狭となっている幅狭部と、を有していることを特徴とする砥石。
  2. 砥石面のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に受ける仕事量が大きくなる前記被加工面の部分に対して、前記幅狭部が設けられ、
    砥石面のマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に受ける仕事量が小さくなる前記被加工面の部分に対して、前記幅広部が設けられる請求項1に記載の砥石。
  3. 前記ワークは、ころ軸受の内輪又は外輪となる軌道輪であり、
    前記被加工面は、前記軌道輪のクラウニング形状を有する軌道面であり、
    前記砥石面は、前記軌道面の幅方向一方側に接触可能であり当該軌道面の接線方向に平行なマタギ方向に幅広となっている第1幅広部と、前記軌道面の幅方向他方側に接触可能であり前記マタギ方向に幅広となっている第2幅広部と、前記軌道面の幅方向中央部に接触可能であり前記第1幅広部及び前記第2幅広部よりも前記マタギ方向に幅狭となっている幅狭部と、を有している請求項1又は2に記載の砥石。
  4. ワークを回転させ、当該ワークの回転中心線を含む断面において非直線形状である被加工面に接触させて仕上げ加工を行うための砥石の砥石面形状を決定する方法であって、
    砥石面における前記被加工面の接線方向に平行なマタギ方向の寸法が幅方向に一定であると仮定した場合に前記被加工面の各部が前記砥石から受ける仕事量を求める演算工程と、
    前記砥石面の形状に関して、前記被加工面のうちの前記仕事量が大きくなる部分に接触させる領域を前記マタギ方向に幅狭に設定し、前記仕事量が小さくなる部分に接触させる領域を前記マタギ方向に幅広に設定する形状設定工程と、を含むことを特徴とする砥石面形状の決定方法。
  5. 前記形状設定工程では、前記演算工程において求めた、仕事量の基準値と、前記被加工面の各部における仕事量との比から、当該各部に対する前記砥石面の前記マタギ方向の寸法を決定する請求項4に記載の砥石面形状の決定方法。
  6. 砥粒と結合剤とを含む混合材を角柱形状に固めて焼成する成形焼成ステップと、
    前記焼成して得た角柱形状の中間品が、請求項4又は5に記載の決定方法により決定された砥石面形状を有するように当該中間品を加工する加工ステップと、
    を含むことを特徴とする砥石の製造方法。
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