本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、ダイレクトタンデム型カラーレーザプリンタである。プリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4と、画像が形成された用紙Pを排紙するための排紙部5とを備えている。
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容しており、フロントカバー6が設けられている。フロントカバー6は、本体ケーシング2に対して下端部を支点として揺動自在に設けられている。
なお、以下の説明において、プリンタ1に関し、方向について言及する場合には、プリンタ1を水平方向に載置した状態を上下の基準とする。具体的には、図1における紙面上
側を上側とし、図1における紙面下側を下側とする。また、フロントカバー6が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ7を備えている。給紙トレイ7は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ7の前上方には、給紙ガイド8と、1対のレジストローラ9とが設けられている。
給紙トレイ7に収容されている用紙Pは、1枚ごとに捌かれ、給紙ガイド8にガイドされて、1対のレジストローラ9間に向けて上側へ向かうに従って、後側へUターンするように給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4に向けて搬送される。
画像形成部4は、スキャナユニット10、プロセスユニット11、転写ユニット12、および定着ユニット13を備えている。
スキャナユニット10は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット10は、破線で示すように、画像データに基づいて、レーザービームをそれぞれ出射し、感光ドラム18を露光する。
プロセスユニット11は、前後方向に間隔を隔てて並列に配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックの色のトナーに対応するブラックプロセスユニット11Kと、イエローの色のトナーに対応するイエロープロセスユニット11Yと、マゼンタの色のトナーに対応するマゼンタプロセスユニット11Mと、シアンの色のトナーに対応するシアンプロセスユニット11Cとが、順次配置されている。
各プロセスユニット11は、感光ドラム18と、トナー収容部17と、スコロトロン型帯電器19と、現像ローラ22と、供給ローラ23と、層厚規制ブレード24と、ドラムクリーニングユニット30をそれぞれ備えている。なお、本明細書および図面において、感光ドラム18、現像ローラ22、クリーニングユニット30などを特定する場合には、プロセスユニット11K、11Y、11M、11Cに対応させて、K、Y、M、Cの記号を付すこととする。いずれのプロセスユニットもトナーの色以外は同じ構成であるため、以下、1つのプロセスユニット11について説明を行う。
感光ドラム18は、左右方向に長手の略円筒形状に形成されており、左右方向を軸として回転可能に構成されている。感光ドラム18は、感光体の一例である。
トナー収容部17は、左右方向に長手の略ボックス形状に形成されており、トナーが収容されている。
現像ローラ22は、感光ドラム18の前上方において、感光ドラム18と対向して配置されている。
また現像ローラ22は、後述の接離機構110によって、感光ドラム18に接触した接触位置(図1、図3の接触状態参照)と、感光ドラム18に対して離間した離間位置(図3の離間状態参照)とに、各色独立に変位する。現像ローラ22は、現像器の一例である。
供給ローラ23は、現像ローラ22の前上方において、現像ローラ22と対向して接触するように配置されている。
層厚規制ブレード24は、現像ローラ22に供給されたトナーの厚みを規制するように、現像ローラ22に対して上側から接触するように配置されている。
スコロトロン型帯電器19は、感光ドラム18の後上方に、感光ドラム18と間隔を隔てて対向配置されている。
ドラムクリーニングユニット30は、ドラムクリーナフレーム32と、ドラムクリーニングブレード33とを備えている。
ドラムクリーナフレーム32は、感光ドラム18の後側、かつ、スコロトロン型帯電器19の後下側に配置されている。ドラムクリーナフレーム32は、左右方向に延びる略角筒形状に形成されている。ドラムクリーナフレーム32の前壁には、ドラムクリーナフレーム32の上下方向中央に、左右方向にわたって、前壁端部によって形成された開口が形成されている。
ドラムクリーニングブレード33は、その上側部分が、ドラムクリーナフレーム32における開口を形成する前壁の上端部に固定されており、前後方向に厚みを有し、左右方向に長手の略平板形状に形成されている。また、ドラムクリーニングブレード33の下端部は、感光ドラム18に対して、後側から接触している。したがって、感光ドラム18に接触するドラムクリーニングブレード33は、感光ドラム18の回転に伴い、感光ドラム18の回転駆動に抵抗を生じさせる。これによって、ドラムクリーニングブレード33は感光ドラム18上のトナーをかきとり、結果、ドラムクリーニングユニット30は、感光ドラム18上のトナーを回収する。ドラムクリーニングユニット30は、回収部の一例である。また、感光ドラム18の回転は、回収の動作の一例である。
各プロセスユニット11K、11Y、11M、11Cは、フロントカバー6を介して本体ケーシング2に対して着脱可能である。すなわち、各プロセスユニット11K、11Y、11M、11Cは、交換可能である。なおプロセスユニット11を新品のプロセスユニット11に交換する場合としては、例えば、後に詳述のように、感光ドラム18の非画像部分にトナーが付着する場合が考えられる。
トナー収容部17内のトナーは、供給ローラ23に供給され、さらに、現像ローラ22に供給され、供給ローラ23と現像ローラ22との間で正極性に摩擦帯電される。
現像ローラ22に供給されたトナーは、現像ローラ22の回転に伴って、層厚規制ブレード24によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ22の表面に担持される。
感光ドラム18の表面は、スコロトロン型帯電器19にバイアスを印加されることにより、一様に帯電される。
そして、帯電された感光ドラム18は、スキャナユニット10からのレーザービームの高速露光により露光される。これにより、用紙Pに形成する画像に対応した静電潜像が感光ドラム18の表面に形成される。
感光ドラム18がさらに回転すると、現像ローラ22の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、現像ローラ22にバイアスを印加されることによって、感光ドラム18の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム18の静電潜像は可視像化され、感光ドラム18の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。なお、トナー像を形成する際に感光ドラム18の表面に載るトナーの量は、スコロトロン型帯電器19に印加されるバイアス、スキャナユニット10に印加されるバイアス、現像ローラ22に印加されるバイアス等に依存する。すなわち、感光ドラム18の表面に載るトナーの量は、スコロトロン型帯電器19による感光ドラム18の帯電電位、スキャナユニット10による露光の強度、現像ローラ22によるトナーの供給量等によって定まる。
転写ユニット12は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上方であって、プロセスユニット11の下方において、前後方向に沿って配置されている。転写ユニット12は、駆動ローラ37と、従動ローラ38と、搬送ベルト39と、複数の転写ローラ40とを備えている。
駆動ローラ37および従動ローラ38は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
搬送ベルト39は、複数の感光ドラム18に対して上下方向に対向し、その上側部分が複数の感光ドラム18と接触するように、駆動ローラ37および従動ローラ38の周りに巻回されている。また、搬送ベルト39は、駆動ローラ37の駆動により、複数の感光ドラム18と接触する搬送ベルト39の上側部分が前方から後方に向かって移動するように、図1から見て時計周りに周回移動されている。
複数の転写ローラ40は、複数の感光ドラム18と、それぞれ搬送ベルト39の上側部分を挟んで対向するように、設けられている。
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト39によって、前側から後側に向かって、感光ドラム18と転写ローラ40とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、複数の感光ドラム18に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、画像が形成される。
定着ユニット13は、転写ユニット12の後方に配置され、加熱ローラ48、および、加熱ローラ48に対向する加圧ローラ49を備えている。転写ユニット12において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ48と加圧ローラ49との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
排紙部5は、1対の排紙ローラ55と、排紙トレイ56とを備えている。
1対の排紙ローラ55は、用紙Pを上下方向から挟むように、上下方向に互いに対向配置されている。
続いて、プリンタ1の電気的構成について説明する。プリンタ1は、図2に示すように、制御装置100と、ROM101と、RAM102と、NVRAM(不揮発性RAM)103と、を備えている。また、プリンタ1は、給紙部3と、画像形成部4と、排紙部5と、接離機構110と、受付部120と、報知部125と、駆動部130と、タイマ140と、駆動検知部150と、湿度センサSと、を備え、これらが制御装置100に電気的に接続されている。
ROM101には、プリンタ1を制御するための各種制御プログラムや各種設定、初期値等が記憶されている。RAM102は、各種制御プログラムが読み出される作業領域として、あるいは、データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。制御装置100は、ROM101から読み出した制御プログラムに従って、その処理結果をRAM102またはNVRAM103に記憶させながら、プリンタ1の各構成要素を制御する。制御装置100は、制御部の一例である。
給紙部3、画像形成部4、排紙部5は、制御装置100によって、例えば、スコロトロン型帯電器19に印加されるバイアス、スキャナユニット10に印加されるバイアス、現像ローラ22に印加されるバイアス等が制御され、上述のように、用紙Pに画像形成を行う。
また、接離機構110を制御装置100により制御することで、現像ローラ22は、感光ドラム18に対して接触・離間可能となっている。以下、具体的に記載する。
各色のプロセスユニット11の上方の同位置には、それぞれ図3に示すような突起部111が設けられている。また、接離機構110は、各色のプロセスユニット11にそれぞれ対応して、前後方向に延びた直動カム112を備えている。直動カム112は、押上部113を備えている。押上部113が対応する突起部111の前方に位置する状態において、現像ローラ22は、感光ドラム18に接触した接触状態となっている。この状態から、駆動部130の駆動によって、直動カム112が後方向に動作することで、突起部111がそれぞれ対応する押上部113に押し上げられることにより、現像ローラ22もあわせて押し上げられる。すなわち、現像ローラ22は、感光ドラム18に対して上方に離間した離間状態となる。このような現像ローラ22の接触、離間は、例えば画像形成に応じて行われる。すなわち、画像形成を行わない場合において現像ローラは離間され、画像形成を行う場合において現像ローラは接触される。
受付部120は、例えばカラープリンタ1に対する画像形成の指示を受付けるものであり、例えば、LANケーブルやUSBケーブル等を介して接続された装置と通信を行うためのハードウェアおよびボタン群を備え、ユーザによる指示入力を受け付けるもの等である。なお、ボタン群は、スタートキー、ストップキー、テンキー等から構成される。
報知部125は、液晶ディスプレイを備え、ユーザに向けた各種の表示を行う。
駆動部130は、制御装置100によって制御され、給紙部3、画像形成部4、排紙部5、接離機構110等に駆動力を伝達する。駆動部130は、感光ドラム18の回転の際に生じる回転負荷によらず、略一定の回転速度を保つ構成となっている。具体的には、回転負荷によって駆動電流が変化する構成となっている。特に、ドラムクリーニングブレード33が感光ドラム18上のトナーをかきとる動作を実行している際に、トナーが感光ドラム18上に載っている量が多いほど、感光ドラム18の回転の際に生じる回転負荷は大きくなる。
タイマ140は、計測した時間に応じた信号を、制御装置100に伝達する。
駆動検知部150は、駆動部130の駆動電流に応じた値を出力する。特に本実施例では、感光ドラム18の回転中は、ドラムクリーニングブレード33が感光ドラム18上のトナーをかきとる。この状態において、駆動電流に応じた値を出力する。駆動検知部150は、検知部の一例である。なお、駆動検知部150で検知するのは駆動電流に限らず、感光ドラム18の回転の際に生じる回転負荷に応じた値であれば何でも良く、例えば入力電圧や消費電力等であってもよい。
湿度センサSは、プリンタ1の周囲環境の湿度に応じた信号を出力する。
次に、図4に示すフローチャートを参照して、プリンタ1が実施する、付着判断処理について詳細に説明する。なお、本実施例においては、感光ドラム18Kの駆動源は、感光ドラム18C、18M、18Yとは異なる駆動源であるとし、以下、感光ドラム18Kの行う処理について説明する。なお、単数の感光ドラム18を駆動する駆動源に接続された感光ドラム18であれば、ブラックの感光ドラム18Kでなくてもよい。
図4に示す、付着判断処理のフローチャートは、プリンタ1の電源スイッチがONされることによって、制御装置100によって実行される。
制御装置100は、まず付着判断タイミングが到来したか否かを判断する(S100)。具体的には、制御装置100は、受付部120によって画像形成の指示を受け付けた、あるいは、湿度センサSの値が閾値以上を満たした、の少なくともいずれか一方の条件を満たすか否かを判断する。受付部120によって画像形成開始の指示を受け付けた、あるいは、湿度センサSの値が閾値以上を満たした、の少なくともいずれか一方の条件を満たすと判断するまで(S100:NO)、繰り返し判断を行う。
受付部120によって画像形成の指示を受け付けた、あるいは、環境センサSの値が閾値以上を満たした、の少なくともいずれか一方の条件を満たすと判断する場合には(S100:YES)、制御装置100は、感光ドラム18Kの回転が行われていなければ感光ドラム18の回転を開始した後(S101)、画像形成の開始前か否かを判断する(S102)。具体的には、制御装置100は、S100で受付部120によって画像形成開始の指示を受け付けたか否かを判断する。
S100で受付部120によって画像形成開始の指示を受け付けたとして、画像形成の開始前であると判断した場合(S102:YES)、制御装置100は、接離機構110の状態を検知する不図示のセンサの出力値によって、現像ローラ22Kが感光ドラム18Kに対して離間されているか否かを判断する(S103)。
現像ローラ22Kが感光ドラム18Kに対して離間されていると判断する場合には(S103:YES)、S107の処理に進む。
一方、現像ローラ22Kが感光ドラム18Kに対して離間されていないと判断する場合には(S103:NO)、制御装置100は、上述のように現像ローラ22Kを感光ドラム18Kから離間させる(S105)。
S107の処理においては、制御装置100は、現像ローラ22Kが感光ドラム18Kに対して離間されてから、時間X1が経過したか否かをタイマ140の計測結果の出力により判断する(S107)。より具体的には、制御装置100は、S105において現像ローラ22Kを離間した場合は(S103:NO)、S105からの経過時間がX1以上か否かを判断する。一方、S103において、既に現像ローラ22Kが離間されていると判断した場合には(S103:YES)、制御装置100は、あらかじめ記憶しておいた現像ローラ22Kが離間された時刻を参照し、当該時刻からの経過時間がX1以上か否かを判断する。制御装置100は、時間X1が経過したと判断するまで(S107:NO)、繰り返し判断を行う。なお、時間X1は、感光ドラム18Kにトナーが付着していた場合であっても、ドラムクリーニングユニット30によって、充分にトナーが回収されると考えられる時間であって、あらかじめROM101等に格納されている。例えば感光ドラム18が2回転するのに要する時間である。特に、感光ドラム18が1回転するのに要する時間以上であってもよい。
時間X1が経過したと判断した場合(S107:YES)、制御装置100は、接離機構110によって、現像ローラ22を感光ドラム18に接触させる(S109)。
そして、制御装置100は、現在の、トナーの付着可能性の低い状態において、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流を取得する。すなわち、制御装置100は、駆動検知部150によって、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流を取得し、RAM102やNVRAM103等に、値N1として格納する(S111)。
S113において、制御装置100は、現像ローラ22Kが感光ドラム18Kに対して接触されてから、時間Y1が経過したか否かをタイマ140の計測結果の出力により判断する。制御装置100は、時間Y1が経過したと判断するまで(S113:NO)、繰り返し判断を行う。そして、制御装置100は、現在の、トナーの付着可能性の高い状態において、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流を取得する。すなわち、制御装置100は、時間Y1が経過したと判断した場合(S113:YES)、駆動検知部150によって、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流を取得し、RAM102やNVRAM103等に、値N2として格納する(S115)。ここまでの処理によれば、S115のN2取得格納時は、S109で現像ローラ22Kを接触してからの時間が、S111のN1取得格納時よりも長い。
そして、制御装置100は、現像ローラ22Kを接触してからの時間が短い状態であるN1取得格納時と、長い状態であるN2取得格納時とで、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化したとして、感光ドラム18Kに現像剤の付着が発生したか否かを判断する(S117)。すなわち、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化したとしたとは、感光ドラム18Kの駆動負荷が大きく変化したと考えられることから、感光ドラム18Kに現像剤の付着が発生したと判断する。具体的には、|N1−N2|≧Z1か否かを判断する。なお、値Z1は、N2取得格納時において感光ドラム18Kにトナーが付着していた場合に、|N1−N2|よりも小さくなる値であって、あらかじめROM101等に格納されている。なお、時間Y1は、感光ドラム18Kにトナーが付着する条件の場合に、充分にトナーが付着すると考えられる時間であって、あらかじめROM101等に格納されている。より詳しくは、時間Y1は、感光ドラム18Kにトナーが付着する条件の場合に、|N1−N2|≧Z1となる時間である。すなわち、駆動検知部150の値が、N1に対して一定以上の差が生じるN2となる時間である。この時間は、例えば、感光ドラム18Kが、現像ローラ22Kからドラムクリーニングブレード31までの回転+1周分回転する時間である。なお、それ以上の時間であっても良い。なお、感光ドラム18Kにトナーが付着する条件とは、例えば、トナー収容部17Kに収容するトナーが劣化し帯電量が低下している場合や、高温高湿環境や、低温低湿環境等である。
|N1−N2|≧Z1である場合、すなわち、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化したとして、感光ドラム18Kに現像剤の付着が発生したと判断する場合には(S117:YES)、制御装置100は、開始指示されていた画像形成の実行を中止するとともに、その旨報知部125の液晶ディスプレイに報知して(S119)、判断処理を終了する。この際必要に応じて感光ドラム18Kの回転を停止する。
一方、|N1−N2|≧Z1でない場合、すなわち、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化していないとして、感光ドラム18Kに現像剤の付着が発生していないと判断する場合には(S117:NO)、制御装置100は、開始指示されていた画像形成を実行する(S121)。すなわち、給紙部3から用紙Pを給紙、画像形成部4で画像形成、排紙部5に排紙の一連の画像形成動作を指示されていた画像形成枚数分行う。
開始指示されていた画像形成が完了した後、制御装置100は、接離機構110によって、上述のように現像ローラ22Kを感光ドラム18Kから離間させて(S123)、付着判断処理を終了する。このとき必要に応じて感光ドラム18Kの回転を停止する。
一方、S102で受付部120によって画像形成開始の指示を受け付けていないとして、画像形成の開始前でないと判断した場合(S102:NO)、制御装置100は、S125、S127、S129のそれぞれについて、S103、S105、S107と同様の処理を行う。すなわち、感光ドラム18Kにトナーが付着していた場合であっても、ドラムクリーニングユニット30によって、充分にトナーが回収されると考えられる時間待機する処理を行う。S129において、現像ローラ22Kを離間してから時間X1が経過したと判断した場合(S129:YES)、制御装置100は、S111と同様に、現在の、トナーの付着可能性の低い状態において、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流を取得する。すなわち、値N1を取得し格納する(S131)。
その後制御装置100は、S109と同様に現像ローラ22Kを感光ドラム18Kに接触させ(S133)、S114と同様に、現像ローラ22Kを接触させてから時間Y1経過するまで判断を繰り返す(S135:NO)。
そして、時間Y1経過したと判断する場合には(S135:YES)、制御装置100は、現像ローラ22Kを感光ドラム18Kから離間して(S137)、S115と同様に、現在の、トナーの付着可能性の高い状態において、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流を取得する。すなわち、値N2を取得し格納する(S139)。なお、S139のN2取得格納時は、S137で現像ローラ22Kを離間してからの時間が、時間X1よりも短い時間であるものとする。
そして、制御装置100は、現像ローラ22Kを離間してからの時間が短い状態であるN2取得格納時と、長い状態であるN1取得格納時とで、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化したとして、感光ドラム18Kに現像剤の付着が発生したか否かを判断する(S141)。具体的には、S117と同様に、|N1−N2|≧Z1か否かを判断する。
|N1−N2|≧Z1である場合、すなわち、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化したとして、感光ドラム18Kに現像剤の付着が発生したと判断する場合には(S141:YES)、制御装置100は、画像形成の開始指示の受付を中止するとともに、その旨報知部125の液晶ディスプレイに報知して(S143)、判断処理を終了する。このとき必要に応じて感光ドラム18Kの回転を停止する。
一方、|N1−N2|≧Z1でない場合、すなわち、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化していないとして、感光ドラム18Kに現像剤の付着が発生していないと判断する場合には(S141:NO)、制御装置100は、付着判断処理を終了する。このとき必要に応じて感光ドラム18Kの回転を停止する。
なお、S111で値N1を取得し格納している際の状態は第1状態の一例であり、S115で値N2を取得し格納している際の状態は第2状態の一例である。また、S131で値N1を取得し格納している際の状態は第1状態の一例であり、S139で値N2を取得し格納している際の状態は第2状態の一例である。 なお、第2状態、すなわち第1状態に比べて現像剤の回収度合いが低い状態とは、現像剤の付着可能性が高い状態を指す。これは、例えば、上述のように、第1状態に比べて、現像ローラ22の接触時間が長い状態や、現像ローラ22の接触後に現像ローラ22を離間してからの時間が短い状態である。他にも、第2状態は、現像ローラ22の接触後に現像ローラ22を離間してから所定時間が経過した状態であって、第2状態における所定時間は、第1状態における所定時間よりも感光ドラム18上に残留しているトナーの量が多くなるような時間であってもよい。所定時間は、予想されるトナーの付着量に対する回収の能力によって決定される時間となるから、予想されるトナーの付着量が多い場合や、回収の能力が低い場合等においては、第2状態に到達するまでの所定時間は第1状態における所定時間よりも長くなる場合がある。このほか、例えば、第2状態は、スコロトロン型帯電器19に印加されるバイアス、スキャナユニット10に印加されるバイアス、現像ローラ22に印加されるバイアス等の調整により、第1状態に比べてトナーが感光ドラム18に付着しやすい状態であっても良い。
また、Z1は、所定値の一例である。
また、S111やS131で値N1を取得し格納している処理は第1の検知処理の一例であり、S115やS139で値N2を取得し格納している処理は第2の検知処理の一例である。
また、S111で取得し格納した値N1と、S115で取得し格納した値N2を比較し(特に、|N1−N2|とZ1との大小を比較し)、感光ドラム18へのトナーの付着の有無を判断する処理(S117)は、判断処理の一例である。S141も同様である。なお、付着有と判断した場合の処理としては、例えば、上述のように、画像形成の中止(S119)や画像形成受付の中止(S143)のほか、プロセスユニット11の交換を促す旨を報知したり、現像剤の付着が生じ難い条件となるまで待機する等の処理が考えられる。なお、現像剤の付着が生じ難い条件とは、例えば環境が高温高湿環境でなく、かつ、低温低湿環境でない場合等である。また、付着無と判断した場合には、待機中だった処理の開始、再開、続行等が考えられる。
本実施形態によれば、S105等の処理で現像ローラ22を離間することによって現像ローラ22の接触による感光ドラム18へのトナーの付着を抑制し、感光体の駆動トルクの低い状態、すなわち付着可能性が低い状態を好適に生じさせてS111において駆動電流を検知し、トナーの付着可能性が低い状態と高い状態との感光ドラム18の駆動負荷に応じた値であるN1とN2を比較することによって(S117)、感光ドラム18の静電潜像が形成されていない部分である非画像部分へのトナーの付着を判断することができる。すなわち、トナーの付着が少ないと考えられる値N1の検知時における、トナーの感光ドラム18への付着を抑制し、感光ドラム18の静電潜像が形成されていない部分である非画像部分への現像剤の付着を適切に判断することができる。 また、S109等において、現像ローラ22を接触することによって感光ドラム18へのトナーの付着を促進し、トナーの付着可能性が高い状態を生じさせることができる。
また、S111とS115、S131とS139等、現像ローラ22の接離状態を同じとする状態同士の値N1、N2を比較することによって、現像ローラ22の接離状態の相違に伴う値N1、N2の誤差を低減させることができるので、より精度よく感光ドラム18の非画像部分へのトナーの付着を判断することができる。特に、離間状態同士の値を比較し判断する場合においては、接触状態同士の値を比較し判断する場合よりも、例えば、現像ローラ22と感光ドラム18との間に働く摩擦力の時間等によるばらつき等が、感光ドラム18の回転負荷に与える影響を低減できるので、より精度よく感光ドラム18の非画像部分へのトナーの付着を判断することができる。
また、トナーの付着可能性の高い状態を示す値であるN2取得格納時(S115)を、トナーの付着可能性の低い状態を示す値であるN1取得格納時(S111)よりも長く現像ローラ22を接触させた状態とすることで、トナーの付着可能性の高い状態と低い状態とを生じさせることができる。なお、トナーの付着可能性の高い状態を示す値であるN2取得格納時(S115)を、トナーの付着可能性の低い状態を示す値であるN1取得格納時(S111)よりも、現像ローラ22を接触させた状態としてからの感光ドラム18の回転数を多くする構成としてもよい。
また、トナーの付着可能性の低い状態を示す値であるN1取得格納時(S131)を、トナーの付着可能性の高い状態を示す値であるN2取得格納時(S139)よりも長く現像ローラ22を離間させた状態とすることで、トナーの付着可能性の高い状態と低い状態とを生じさせることができる。なお、トナーの付着可能性の低い状態を示す値であるN1取得格納時(S131)を、トナーの付着可能性の高い状態を示す値であるN2取得格納時(S139)よりも、現像ローラ22を離間させた状態としてからの感光ドラム18の回転数を多くする構成としてもよい。
また、S111とS115のように、N1、N2を同じ接触期間に取得格納することで、時間経過や接離の繰り返し等による判断誤差の発生を低減し、より精度よく感光ドラム18の非画像部分へのトナーの付着を判断することができる。
また、S117で、|N1−N2|≧Z1でない場合、すなわち、感光ドラム18の駆動源の駆動電流が大きく変化していないとして、感光ドラム18にトナーの付着が発生していないと判断する場合には(S117:NO)、制御装置100は、現像ローラ22を一旦離間せずに、開始指示されていた画像形成を実行する(S121)。すなわち、N1やN2を取得するためだけに現像ローラ22の接離を行う必要性が小さくなるため、画像形成開始までの待ち時間等を低減することができる。
続いて、図4とは異なる、図5、図6に示すフローチャートを参照して、プリンタ1が実施する付着判断処理についての他の例を詳細に説明する。
なお、本実施例においては、感光ドラム18Kの駆動源は、感光ドラム18C、18M、18Yと同じ駆動源であるとする。
図5に示す、付着判断処理のフローチャートは、プリンタ1の電源スイッチがONされることによって、制御装置100によって実行される。
制御装置100は、S100と同様に、まず付着判断タイミングが到来したか否かを判断する(S200)。付着判断タイミングが到来したと判断するまで(S200:NO)、判断を繰り返す。
付着判断タイミングが到来したと判断した場合には(S200:YES)、制御装置100は、同駆動源の感光ドラム18K、18Y、18M、18Cの回転を開始し(S201)、感光ドラム18K、18Y、18M、18Cに対応する現像ローラ22K、22Y、22M,22Cがすべて離間されているか否かをS103と同様の方法で判断する(S202)。
現像ローラ22K、22Y、22M,22Cがすべて離間されていると判断する場合には(S202:YES)、制御装置100は、S205に進む。
一方、現像ローラ22K、22Y、22M,22Cの少なくともいずれか1つが離間されていないと判断する場合には(S202:NO)、制御装置100は、現像ローラ22K、22Y、22M,22Cのすべてを、接離機構110によって、上述のように離間させる(S203)。
S205において、制御装置100は、すべての現像ローラ22K、22Y、22M、22Cが離間されてから時間X2経過したか否かを、タイマ140による計測結果の出力によって判断する。制御装置100は、X2経過したと判断するまで(S205:NO)、繰り返し判断を行う。なお、時間X2は、時間X1と同様に、感光ドラム18にトナーが付着していた場合であっても、ドラムクリーニングユニット30によって、充分にトナーが回収されると考えられる時間であって、あらかじめROM101等に格納されている。
すべての現像ローラ22K、22Y、22M、22Cが離間されてからX2経過したと判断した場合には(S205:YES)、制御装置100は、現在の、トナーの付着可能性の低い状態において、すべての感光ドラム18K、18Y、18M、18Cの駆動源の駆動電流を取得する。すなわち、制御装置100は、駆動検知部150によって、すべての感光ドラム18K、18Y、18M、18Cを駆動する駆動源の駆動電流を取得し、RAM102やNVRAM103等に、値N3として格納する(S207)。
S207の後、制御装置100は、現像ローラ22K、22Y、22M,22Cのすべてを、接離機構110によって上述のように接触させる(S209)。
S211において、制御装置100は、S113等と同様に、すべての現像ローラ22K、22Y、22M、22Cが感光ドラム18K、18Y、18M、18Cに対してそれぞれ接触されてから、時間Y2が経過したか否かをタイマ140の計測結果の出力によって判断する。時間Y2が経過したと判断するまで(S211:NO)、繰り返し判断を行う。
時間Y2が経過したと判断した場合(S211:YES)、制御装置100は、すべての現像ローラ22K、22Y、22M、22Cを対応する感光ドラム18K、18Y、18M、18Cから離間して(S213)、S209と同様に、現在の、トナーの付着可能性の高い状態において、すべての感光ドラム18K、18Y、18M、18Cの駆動源の駆動電流を取得する。すなわち、値N4を取得し格納する(S215)。なお、S215のN4取得格納時は、S215で現像ローラ22K、22Y、22M、22Cを離間してからの時間が、時間X2よりも短い時間であるものとする。
そして、制御装置100は、すべての現像ローラ22K、22Y、22M、22Cを離間してからの時間が短い状態であるN4取得格納時と、長い状態であるN3取得格納時とで、感光ドラム18K、18Y、18M、18Cの駆動源の駆動電流が大きく変化したとして、感光ドラム18K、18Y、18M、18Cの少なくともいずれか1つにトナーの付着が発生したか否かを判断する(S217)。具体的には、|N3−N4|≧Z2か否かを判断する。なお、値Z2は、N4取得格納時において感光ドラム18Kにトナーが付着していた場合に、|N3−N4|よりも小さくなる値であって、あらかじめROM101等に格納されている。また、時間Y2は、感光ドラム18にトナーが付着する条件の場合に、充分にトナーが付着すると考えられる時間であって、あらかじめROM101等に格納されている。つまり、時間Y2は、感光ドラム18にトナーが付着する条件の場合に、|N3−N4|≧Z2となる、すなわち駆動検知部150の値が、N3に対して一定以上の差が生じる値N4となる時間である。
|N3−N4|≧Z2である場合、すなわち、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化したとして、感光ドラム18Kにトナーの付着が発生したと判断する場合には(S217:YES)、制御装置100はS218の詳細判断処理に進む。
一方、|N3−N4|≧Z2でない場合、すなわち、感光ドラム18Kの駆動源の駆動電流が大きく変化していないとして、感光ドラム18Kにトナーの付着が発生していないと判断する場合には(S217:NO)、付着判断処理を終了する。このとき必要に応じて同駆動源の感光ドラム18K、18Y、18M、18Cについて回転を停止する。
制御装置100は、S218の詳細判断処理において、まず、感光ドラム18K、18Y、18M、18Cに対して、トナー付着が生じ易い順に順位を対応付け、その順位をRAM102や、NVRAM103に格納する(S219)。具体的に、トナー付着が生じ易い順とは、例えば対応する現在のプロセスユニット11の現像ローラ22の累積回転数が多い順である。一般に現像ローラ22の累積回転数が多いほど、トナーが劣化し、トナーの帯電量が低下し、トナー付着が生じやすくなる。なお、このようでなくてもよく、トナー収容部17内のトナーが劣化しているほどトナー付着が生じ易いため、トナー収容部17内のトナーが劣化していることを示す条件であればよい。ここでは説明のため、仮に、順位が高いほうから感光ドラム18K、18Y、18M、18Cであるものとする。さらに、S219において制御装置100は、トナーが付着しているか否かを未だ単独で判断していないことを示す「未判断」の値を、感光ドラム18K、18Y、18M、18Cに対応して、RAM102やNVRAM103等に格納しておく。
S219の後、制御装置100は、すべての現像ローラ22K、22Y、22M、22Cが離間されてからX3経過したか否かを、S205と同様に判断する。X3経過したと判断するまで(S221:NO)、制御装置100は繰り返し判断を行う。なお、時間X3は、時間X1、X2と同様に、感光ドラム18にトナーが付着していた場合であっても、ドラムクリーニングユニット30によって、充分にトナーが回収されると考えられる時間である。
すべての現像ローラ22K、22Y、22M、22Cが離間されてからX3経過したと判断した場合には(S221:YES)、S207と同様に、制御装置100は、現在の、トナーの付着可能性の低い状態において、すべての感光ドラム18K、18Y、18M、18Cの駆動源の駆動電流を取得する。すなわち、駆動検知部150によって、すべての感光ドラム18K、18Y、18M、18Cを駆動する駆動源の駆動電流を取得し、RAM102やNVRAM103等に、値N5として格納する(S223)。
S223の後、制御装置100は、未判断の値が格納されている感光ドラム18であって、S219で格納した順位のうち最も高順位に対応する感光ドラム18(以後、判断感光ドラム18Aと称する)について、対応する現像ローラ22(以後、判断現像ローラ22Aと称する)を接触させる(S225)。この説明においては、仮に順位が高いほうから感光ドラム18K、18Y、18M、18Cであるものとしたから、まずは、感光ドラム18Kについて、対応する現像ローラ22Kを接触させる。
次に、制御装置100は、S225で判断現像ローラ22Aを接触させてから、時間Y3が経過したか否かをタイマ140の計測結果の出力によって、判断する(S227)。時間Y3が経過したと判断するまで(S227:NO)、制御装置100は繰り返し判断を行う。
時間Y3が経過したと判断した場合(S227:YES)、制御装置100は、S225で接触させた判断現像ローラ22Aを対応する判断感光ドラム18Aから離間して(S229)、S229と同様に、現在の、トナーの付着可能性の高い状態において、判断感光ドラム18Aの駆動源の駆動電流を取得する。すなわち、値N6を取得格納する(S231)。具体的には、この説明においては、感光ドラム18Kについて、対応する現像ローラ22Kを離間させる。なお、S231のN6取得格納時は、S215で現像ローラ22K、22Y、22M、22Cを離間してからの時間が、時間X3よりも短い時間であるものとする。
S231の後、制御装置100は、判断現像ローラ22Aを離間してからの時間が短い状態であるN6取得格納時と、長い状態であるN5取得格納時とで、判断感光ドラム18Aの駆動源の駆動電流が大きく変化したとして、判断感光ドラム18Aに現像剤の付着が発生したか否かを判断する(S233)。具体的には、|N5−N6|≧Z3か否かを判断する。なお、値Z3は、N6取得格納時において判断感光ドラム18Aにトナーが付着していた場合に、|N5−N6|よりも小さくなる値であって、あらかじめROM101等に格納されている。。また、時間Y3は、判断感光ドラム18Aにトナーが付着する条件の場合に、充分にトナーが付着すると考えられる時間であって、あらかじめROM101等に格納されている。つまり、時間Y3は、判断感光ドラム18Aにトナーが付着する条件の場合に、|N5−N6|≧Z3となる、すなわち駆動検知部150の値が、N5に対して一定以上の差が生じる値N6となる時間である。 |N5−N6|≧Z3である場合、すなわち、判断感光ドラム18Aの駆動源の駆動電流が大きく変化したとして、判断感光ドラム18Aに現像剤の付着が発生したと判断する場合には(S233:YES)、制御装置100は、この判断感光ドラム18Aに対応する感光ドラム18の種類に対応付けて、「未判断」の値に代えて、「付着有」に対応する値をRAM102やNVRAM103等に格納する(S235)。具体的には、この説明においては感光ドラム18Kに対応付けて、「付着有」に対応する値を格納する。
一方、|N5−N6|≧Z3でない場合、すなわち、判断感光ドラム18Aの駆動源の駆動電流が大きく変化していないとして、判断感光ドラム18Aに現像剤の付着が発生していないと判断する場合には(S233:NO)、制御装置100は、「未判断」の値に代えて、「付着無」に対応する値をRAM102やNVRAM103等に格納する(S236)。具体的には、この説明においては感光ドラム18Kに対応付けて、「付着無」に対応する値を格納する。そして、判断感光ドラム18Aについて、駆動電流が大きく変化していない、すなわち、トナー付着が生じていないと判断するため、他の「未判断」の値もすべて「付着無」として、S239の処理に移行する。これは、判断感光ドラム18Aよりもトナー付着が生じにくい、「未判断」の値に対応付けられた残りの感光ドラム18についてもトナー付着が生じていないと考えるためである。
S237において、制御装置100は、すべての感光ドラム18に対応付けられて「付着有」の値がRAM102やNVRAM103に格納されているか否かを判断する(S237)。すなわち、すべての感光ドラムについて、単独でトナー付着の有無を判断したか否かを判断する。
すべての感光ドラム18に対応付けられて「付着有」の値がRAM102やNVRAM103に格納されていると判断し、すべての感光ドラムについて、単独でトナー付着の有無を判断したと判断した場合(S237:YES)、及び、「付着無」の値がRAM102やNVRAM103に格納された場合には、制御装置100は、「付着有」の値が対応付けて格納された、感光ドラム18に対応するプロセスユニット11について、交換を促す旨を報知部125の液晶ディスプレイに報知して(S239)、付着判断処理を終了する。このとき必要に応じて同駆動源の感光ドラム18K、18Y、18M、18Cの回転を停止する。
一方、少なくとも1つの感光ドラム18に対応付けられて「付着有」の値がRAM102やNVRAM103に格納されていないと判断し、すべての感光ドラム18について、単独でトナー付着の有無を判断していないと判断した場合には(S237:NO)、単独でトナー付着の有無を判断するS221からの一連の処理を、再度行う。この説明においては、感光ドラム18Kに対応する値が「付着有」であった場合、感光ドラム18Kに対応する値のみが「未判断」ではないから(S237:NO)、S221からの一連の処理を再度行う。この場合、単独でトナー付着の有無を判断する対象の感光ドラム18は、感光ドラム18Kの次の順位の感光ドラム18Yである。このように判断感光ドラム18Aに対応する値が「付着有」である限り、感光ドラム18Y、18M、18Cの順に単独でトナー付着の有無を判断する。すべての感光ドラム18に対応する値が「付着有」となるか(S237:YES)、1つの感光ドラム18に対応する値が「付着無」となったら、S239の処理を行い、詳細判断処理を終了し、付着判断処理を終了する。
Z2は、所定値の一例である。
本実施形態によれば、S219からS237の処理において、制御装置100は、トナーの付着がより生じやすい感光ドラム18ほど早く付着の判断を行い、トナーの付着無と判断された以降の感光ドラム18については、駆動検知部150の検知結果による判断を行わずに、付着無と判断することで、判断時間を低減することができる。これは、付着無と判断された感光ドラム18よりも付着がより生じ難い感光ドラム18については、付着無であると考えられるためである。
また、同駆動源の複数の感光ドラム18K、18Y、18M、18Cがある場合でも、制御装置100は、接離機構110を制御して付着判断処理を行う感光ドラム18のみについて現像ローラ22を接触させることによって、付着可能性が高い状態を生じさせることができる。
また、まずは複数の感光ドラム18K、18Y、18M、18C全体について付着の有無を判断する(S219)ため、最初から一部の感光ドラム18のみ判断する場合に比べ、感光ドラム18K、18Y、18M、18C全体について付着無の場合(S219:NO)の判断回数を抑制できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態
で利用できる。
(1)前記実施形態では、制御装置100がすべての制御を行っていたが、複数の制御装置100で実行されてもよい。また、実施形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
(2)前記実施形態では、画像形成装置をプリンタ1としたが、これに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などでもよい。また、カラープリンタではなく例えばモノクロプリンタ等であってもよい。
(3)前記実施形態では、回収部の一例として、感光ドラム18に接触するドラムクリーニングブレード33を含むドラムクリーニングユニット30を挙げたが、回収部はこれに限られない。例えば、感光ドラム18に接触し、電圧を印加されることによりトナーを静電吸着するローラ等であってもよい。すなわち、現像剤を回収する回収部であって、感光体の回転駆動に対して抵抗を生じさせるようなものであればよい。
(4)前記実施形態では、制御装置100は、S111とS115、S131とS139等、現像ローラ22の接離状態を同じとする状態同士の値N1、N2を比較していたが、接離状態の異なる状態同士の値を比較してもよい。この場合、制御装置100は、例えば現像ローラ22の接離状態の違いに応じ、駆動検知部150の検知結果についてあらかじめ定められた補正値を増減等させることにより、N1とN2の比較を行ってもよい。
(5)前記実施形態では、制御装置100は、S111とS115について、間に現像ローラ22の離間期間を挟まない同じ接触期間について、値N1、N2を取得格納していたが、このようでなくてもよい。例えば、間に現像ローラ22の離間期間を挟む接触期間であってもよい。この場合例えば、環境条件が同じ値同士を比較するように工夫しても良い。このような構成によれば、異なる離間あるいは接触期間における値同士であっても、より精度良く感光ドラム18へのトナーの付着を判断することができる。
(6)また、間に現像ローラ22の接触期間を挟まない同じ離間期間について、第1状態及び第2状態の値を取得格納し比較する構成であっても良い。すなわち、例えば、画像形成完了後、現像ローラ22を離間した直後の値(第1状態の値)と、離間してから所定時間経過した際の値(第2状態の値)とを比較する構成であっても良い。
(7)また、画像形成の実行の後、現像ローラ22が接触状態で駆動検知部150によって値を取得する場合には、画像形成の実行の後、値を取得してから現像ローラ22を離間する構成であってもよい。このようにすれば、値を取得するためだけに現像ローラ22の接離を行う必要性が小さくなるため、画像形成終了後に行う処理の待ち時間等を低減することができる。
(8)また、前記実施形態では、同駆動源の複数の感光ドラム18K、18Y、18M、18Cがある場合でも、制御装置100は、接離機構110を制御して付着判断処理を行う感光ドラム18のみについて現像ローラ22を接触させることによって、第2状態を生じさせていたが、このようでなくてもよい。例えば、第1状態に比べて帯電バイアスを小さくする、現像バイアスを大きくする、露光強度を強くする等の調整により、第1状態に比べてトナーが感光ドラム18に付着しやすい状態を生じさせてもよい。このような構成であれば、例えば付着判断処理を行う感光ドラム18のみについて現像ローラ22を接離できない構成である場合に特に有効である。
(9)また、前記実施形態では、S219からS237の処理において、制御装置100は、トナーの付着がより生じやすい感光ドラム18ほど早く付着の判断を行い、トナーの付着無と判断された以降の感光ドラム18については、付着の判断を行わない構成であったが、このようでなくてもよい。例えば、感光ドラム18の各N5、N6の差の和が、複数の感光ドラム18K、18Y、18M、18C全体について付着有とした場合のN3、N4の差に達した場合以降の感光ドラム18については、付着の判断を行わない構成であってもよい。このようにすれば、判断時間を低減することができる。また、制御装置100は、トナーの付着がより生じやすい感光ドラム18ほど遅く付着の判断を行い、トナーの付着有と判断された以降の感光ドラム18については、駆動検知部150の検知結果による判断を行わずに、付着有と判断する構成としてもよい。このようにすれば、付着有と判断された感光ドラム18よりも付着がより生じやすい感光ドラム18については、付着有であると考えられるため、判断時間を低減することができる。
(10)また、前記実施形態では、S100等において、付着判断タイミングが到来したか否かを判断する場合において、付着判断タイミングを、具体的に、受付部120によって画像形成の指示を受け付けた、あるいは、湿度センサSの値が閾値以上を満たした、の少なくともいずれか一方の条件を満たした場合としたが、このようでなくても良い。例えば画像形成後や、画像形成中の紙間等であってもよいし、湿度センサの値が閾値以下の場合であってもよいし、温度の値が所定以上或いは所定以下の場合等であってもよい。
(11)また、前記実施形態では、S107及びS129で同一の時間X1を、S113及びS135で同一の時間Y1を、S117及びS141で同一の値Z1を用いたが、これらは異なる時間や値であってもよい。
(12)また、前記実施形態では、トナーのかきとりが充分に行われたか否かを判断する場合や、感光ドラム18の非画像部分にトナーが付着する場合にトナーが充分付着したか否かを判断する場合に、時間X1、X2、X3や、Y1、Y2、Y3によって判断していたが、このようでなくてもよい。例えば、時間X1、X2、X3や、Y1、Y2、Y3にそれぞれ対応する感光ドラム18の回転数x1、x2、x3や、y1、y2、y3によって判断する構成であってもよい。