JP2016070542A - 蓄熱容器及び蓄熱容器を備えた蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱容器及び蓄熱容器を備えた蓄熱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成にて、吸熱及び発熱の効率と熱輸送量を向上でき、また、化学蓄熱材の破壊を防止できる蓄熱容器及び蓄熱容器を備えた蓄熱装置を提供する。【解決手段】一方の端部が閉塞された閉塞側端部と他方の端部が開口した開口側端部とを有する筒状体からなる外管と、該外管の閉塞側端部から一方の開口端部が突出し、他方の開口端部が前記外管の開口側端部よりも前記外管の閉塞側端部側に位置するように、前記外管内に挿入された内管と、前記外管の内面と前記内管の外面との間に形成された第1の空間部に収容された化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体と、前記蓄熱部構造体を前記第1の空間部の長手方向に貫通する第1の流路と、を備えた蓄熱容器。【選択図】図1

Description

本発明は、反応ガスと化学蓄熱材との化学反応により反応熱を放出し、上記反応の逆反応により吸熱する可逆反応を利用して、発熱と蓄熱を繰り返すことができる化学蓄熱材を使用した蓄熱器、該蓄熱器を備えた蓄熱装置に関する。
化学蓄熱材は、体積あたりの蓄熱量が大きく、蓄熱された化学蓄熱材を長期貯蔵しても熱損失が極めて少ないことなどから、エンジンや工業プラント等からの排熱の貯蔵及び利用に、活用することが期待されている。
そこで、図8に示すように、化学蓄熱材複合体53が内管51と外管52との間に収容され、化学蓄熱材複合体53の蓄熱・放熱に伴う反応物・反応生成物としての水蒸気が流通する反応流路54が、内管51内に構成され、化学蓄熱材複合体53との間で熱交換を行う熱交換媒体であるガス状の流体が流通する熱交換流路56が、外管52と外壁55との間に設けられた蓄熱装置50が、提案されている(特許文献1)。しかし、特許文献1の蓄熱装置50では、水蒸気を供給する反応流路54と熱交換媒体を供給する熱交換流路56を別個に設ける必要があるため、配管構成が複雑になるという問題があった。また、配管構成の複雑化により、蓄熱装置50に搭載できる化学蓄熱材複合体53の量が少なくなってしまうので、蓄熱装置50の単位体積当たりの利用熱量(蓄熱密度)が小さくなるという問題があった。
加えて、特許文献1の蓄熱装置50では、熱交換媒体としてガス状の流体を使用すると、ガス状の流体に顕熱が供給できるのみとなるので、熱交換媒体の熱輸送量が制限されるという問題、さらに、ガス状の熱交換媒体を蓄熱装置50に供給するためには、気化熱による熱交換媒体貯蔵容器の温度低下を防止するために、熱交換媒体貯蔵容器にエネルギーを投入する必要があるという問題があった。
また、反応ガスである水蒸気と、常温空気(熱輸送媒体に相当)を混合して、蓄熱材が収容された反応器に供給する蓄熱器が提案されている(特許文献2)。しかし、水蒸気が常温空気と混合された状態で蓄熱器に供給されると、空気が水蒸気の拡散を阻害して蓄熱材の反応速度が遅くなってしまうので、蓄熱材から供給される単位時間あたりの熱量が小さくなってしまうという問題があった。
一方で、アルカリ土類金属酸化物を充填した反応器、水を貯蔵する水タンク、上記水タンクの水を上記反応器に供給する水供給管、及び反応器から水を水タンクに戻す還流管からなる密閉サイクルを備え、アルカリ土類金属酸化物の水和反応に伴い発生する熱を利用するようにした化学発熱装置が提案されている(特許文献3)。しかし、蓄熱材であるアルカリ土類金属酸化物を水と反応させると、蓄熱材中に浸透した水が、蓄熱材の発熱により気化した際に、急激に膨張して蓄熱材を破壊するという問題があった。
特開2009−228952号公報 特開昭62−216633号公報 特開平7−180539号公報
本発明は上記した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成にて、吸熱及び発熱の効率と熱輸送量を向上でき、また、化学蓄熱材の破壊を防止できる蓄熱容器及び蓄熱容器を備えた蓄熱装置を提供することを目的とする。
本発明の態様は、一方の端部が閉塞された閉塞側端部と他方の端部が開口した開口側端部とを有する筒状体からなる外管と、該外管の閉塞側端部から一方の開口端部が突出し、他方の開口端部が前記外管の開口側端部よりも前記外管の閉塞側端部側に位置するように、前記外管内に挿入された内管と、前記外管の内面と前記内管の外面との間に形成された第1の空間部に収容された化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体と、前記蓄熱部構造体を前記第1の空間部の長手方向に貫通する第1の流路と、を備えた蓄熱容器である。
上記態様では、第1の流路は、化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の気化物の流路となっている。従って、第1の流路を流れる反応ガスと第1の空間部に収容された化学蓄熱材とが化学反応することで、化学蓄熱材に貯蔵されていた熱が反応熱として放出される。一方で、外管の閉塞側端部から突出した、内管の一方の開口端部から内管の内部へ、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が供給される。内管の内部へ供給された前記熱輸送流体の液化物は、内管の内部を一方の開口端部から他方の開口端部へ流れる間に、上記反応熱を受熱して気化する。内管の内部にて気化した前記熱輸送流体は、内管の他方の開口端部から第1の流路へ反応ガスとして供給される。第1の流路へ供給された反応ガスは、第1の流路を外管の開口側端部側から閉塞側端部側の方向へ流れていき、上記の通り、第1の空間部に収容された化学蓄熱材と化学反応して、化学蓄熱材から反応熱が放出される。
また、反応ガスとして使用されなかった、つまり、内管の他方の開口端部から第1の流路へ供給されなかった、余剰の気化した前記熱輸送流体は、上記反応熱を輸送する熱輸送媒体として、外管の開口側端部から熱利用先へ輸送される。
一方で、蓄熱容器の外管の壁面を介して、蓄熱容器の外部の熱が、外管内部の第1の空間部に収容された化学蓄熱材へ、移動可能となっている。この外管の内部へ熱移動した熱によって、反応ガスが、一旦化学反応により結合して反応熱を放出した化学蓄熱材から脱離する反応を起こし、化学蓄熱材が、外管の内部へ熱移動した熱を貯蔵する。化学蓄熱材から脱離した反応ガスは、第1の流路へ放出される。
本発明の態様は、前記内管の内部である第2の空間部に、ウィック構造体と前記ウィック構造体を前記第2の空間部の長手方向に貫通する第2の流路とが設けられている蓄熱容器である。
この態様では、ウィック構造体の毛細管力によって、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が、内管の内部へ供給される。内管の内部へ供給された前記熱輸送流体の液化物は、内管のウィック構造体内部にて上記反応熱を受熱することで気化してウィック構造体から第2の流路へ放出される。第2の流路へ放出された気体状の前記熱輸送流体は、第2の流路を内管の一方の開口端部側から他方の開口端部側の方向へ流れていく。
本発明の態様は、前記内管の壁面に、貫通孔が設けられた蓄熱容器である。本発明の態様は、前記内管の壁面に、貫通孔が設けられ、該貫通孔の部位には前記ウィック構造体が設けられていない蓄熱容器である。
本発明の態様は、前記外管の閉塞側端部から突出した前記内管の一方の開口端部が、前記化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が収容された熱輸送流体容器と接続されている蓄熱容器である。
本発明の態様は、前記外管の閉塞側端部から突出した前記内管の一方の開口端部が、前記化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が収容された熱輸送流体容器と接続され、前記熱輸送流体容器の底部が前記内管の一方の開口端部よりも上方にある蓄熱容器である。本明細書中、「下」とは、重力方向を意味し、「上」とは、重力方向と反対の方向を意味する。
本発明の態様は、前記化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体が、化学蓄熱材と、金属粉、粘土鉱物、有機物の炭化物及び金属製メッシュからなる群から選択された少なくとも1種との混合物の焼結体である蓄熱容器である。
本発明の態様は、一方の端部が閉塞された閉塞側端部と他方の端部が開口した開口側端部とを有する筒状体からなる外管と、該外管の閉塞側端部から一方の開口端部が突出し、他方の開口端部が前記外管の開口側端部よりも前記外管の閉塞側端部側に位置するように、前記外管内に挿入された内管と、前記外管の内面と前記内管の外面との間に形成された第1の空間部に収容された化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体と、前記蓄熱部構造体を前記第1の空間部の長手方向に貫通する第1の流路と、を備えた蓄熱容器と、前記外管の閉塞側端部から突出した前記内管の一方の開口端部と接続された、前記化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が収容された熱輸送流体容器と、前記外管の開口側端部と接続された、前記外管の開口側端部から放出される気化した前記熱輸送流体を液化させる凝縮器と、前記熱輸送流体容器と前記凝縮器を接続し、前記凝縮器によって得られた前記熱輸送流体の液化物を前記熱輸送流体容器へ供給する配管系と、を備えた、前記熱輸送流体の循環系を有し、前記循環系が、気密状態であり、脱気されている蓄熱装置である。
本発明の態様は、前記外管の表面が、熱源と熱的に接続されている蓄熱装置である。
本発明の態様によれば、該外管の閉塞側端部から一方の開口端部が突出し、他方の開口端部が前記外管の開口側端部よりも前記外管の閉塞側端部側に位置するように、前記外管内に挿入された内管の内部に、化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能も有する熱輸送流体の液化物が供給されることで、反応ガスの流路と熱輸送流体の流路とを分けて設ける必要がないので、簡易な構成の蓄熱容器とすることができる。このように、蓄熱容器を簡易な構成にすることができるので、蓄熱容器の単位体積あたりの蓄熱部構造体の搭載量が多くなり、吸熱及び発熱の効率が向上して、蓄熱容器としての蓄熱密度を高めることができる。
また、液状の前記熱輸送流体が内管の内部に供給されることで、液状の前記熱輸送流体は、第1の流路を流れる反応ガスと第1の空間部に収容された化学蓄熱材とが化学反応することで放出される反応熱を、顕熱としてだけでなく潜熱としても受熱できるので、前記熱輸送流体の熱輸送量が向上する。また、内管の壁面を介して、第1の空間部と内管の内部空間が相互に分離されていることから、第1の空間部に収容された蓄熱部構造体が、内管の内部に供給された液状の前記熱輸送流体と接触することを防止できるので、蓄熱部構造体の劣化が抑制され、さらに、蓄熱部構造体に浸透した液状の前記熱輸送流体が、気化して膨張することによって蓄熱部構造体が破壊されることを防止できる。
本発明の態様によれば、内管内部の第2の空間部に、ウィック構造体が設けられているので、ウィック構造体の有する毛細管力によって、反応ガスとしての機能を有する熱輸送流体の液化物が内管の内部空間に円滑に供給され、該毛細管力によって前記熱輸送流体の液化物を内管の長手方向に沿って確実に流すことができる。また、ウィック構造体を第2の空間部の長手方向に貫通する第2の流路が設けられているので、上記反応熱によってウィック構造体内部にて気化した前記熱輸送流体は、第2の流路へ放出され、第2の流路へ放出された気化した前記熱輸送流体は、反応ガスとして第1の流路へ流れるにあたり、その供給量が不足するのを防止できる。
本発明の態様によれば、内管の壁面に貫通孔が設けられるので、気化した前記熱輸送流体の第2の流路への放出量、すなわち、第1の流路への反応ガスの供給量が不足するのを確実に防止できる。さらに、本発明の態様によれば、上記貫通孔の部位にはウィック構造体が設けられていないので、第1の流路への反応ガスの供給量が不足するのをより確実に防止できる。
本発明の態様によれば、熱輸送流体容器の底部が、熱輸送流体容器と接続された内管の一方の開口端部よりも上方にあるので、重力作用によって、反応ガスとしての機能を有する熱輸送流体の液化物を内管の内部空間に供給することができる。
本発明の態様によれば、蓄熱装置における反応ガスとしての機能を有する熱輸送流体の循環系が、密閉状態であり、さらに脱気されていることにより、前記熱輸送流体を循環させるための機器を使用しなくても、前記熱輸送流体は、蓄熱装置内を円滑に循環することができる。また、前記循環系が、密閉状態であり、さらに脱気されていることにより、第2の流路へ放出された気化した前記熱輸送流体を、反応ガスとして、第1の流路へ円滑に流すことができる。
また、化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が収容された熱輸送流体容器が、内管に接続されることにより、熱輸送流体の気化熱による熱輸送流体容器の温度低下が防止でき、熱輸送流体容器に温度維持のためのエネルギーを投入することを防止できる。
本発明の第1実施形態例に係る蓄熱容器の側面断面図である。 本発明の第1実施形態例に係る蓄熱容器の正面断面図である。 本発明の第1実施形態例に係る蓄熱容器の使用方法例の側面断面図である。 本発明の第2実施形態例に係る蓄熱容器の側面断面図である。 本発明の第2実施形態例に係る蓄熱容器の正面断面図である。 本発明の第2実施形態例に係る蓄熱容器の使用方法例の側面断面図である。 本発明の実施形態例に係る蓄熱装置の説明図である。 従来の蓄熱装置の説明図である。
以下に、本発明の第1実施形態例に係る蓄熱容器について図面を用いながら説明する。図1に示すように、第1実施形態例に係る蓄熱容器1は、一方の端部が閉塞された閉塞側端部3と他方の端部が開口した開口側端部4とを有する筒状体からなる外管2と、外管2の閉塞側端部3から一方の開口端部6が突出し、他方の開口端部7が外管2の開口側端部4よりも外管2の閉塞側端部3側に位置するように、外管2内に挿入された内管5と、を備えている。外管2の閉塞側端部3には、内管5の外形に対応する形状と寸法を有する貫通穴が形成されている。該貫通穴に内管5が嵌挿されることにより、外管2の内部に内管5が配置、固定され、外管2の閉塞側端部3に密閉性が付与されている。
図2に示すように、蓄熱容器1では、外管2は円形状の管材を扁平加工した扁平形状であり、内管5は円形状の管材からなる。蓄熱容器1では、外管2の中心軸と内管5の中心軸は、同軸状に配置されている。
図1、2に示すように、外管2の内面と内管5の外面との間に、第1の空間部8が形成され、第1の空間部8には、化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体9が収容されている。蓄熱部構造体9は、外管2の内面及び内管5の外面と接触することで、外管2及び内管5と熱的に接続されている。蓄熱部構造体9は、外管2及び内管5の長手方向に対して平行方向に、内管5の他方の開口端部7またはその近傍から外管2の閉塞側端部3まで伸びている。
また、蓄熱部構造体9の内部には、第1の空間部8の長手方向に対して平行方向に、蓄熱部構造体9の内部を貫通する第1の流路10が設けられている。蓄熱容器1では、内管5の左右に、それぞれ、1つずつ、第1の流路10が配置されている。第1の流路10の形状は、特に限定されないが、蓄熱容器1では、第1の流路10内に流れる反応ガスと蓄熱部構造体9との接触面積を増大させて蓄熱部構造体9の発熱効率を向上させるために、正面視く字状となっている。第1の空間部8における、蓄熱部構造体9の体積と第1の流路10の体積の比率は、特に限定されないが、蓄熱密度と反応速度のバランスの点から2:1〜20:1が好ましく、5:1〜15:1が特に好ましい。
図1に示すように、内管5の内部である第2の空間部11には、ウィック構造体12が設けられている。ウィック構造体12は、第2の空間部11の長手方向に対して平行方向に、内管5の一方の開口端部6またはその近傍から他方の開口端部7またはその近傍まで伸びている。
図2に示すように、ウィック構造体12は、内管5の内周面を覆うように設けられている。また、ウィック構造体12は、内管5の内周面と接触しており、化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体9から放出された反応熱Hを、内管5を介して受熱できる。
さらに、内管5の内部では、内管5の他方の開口端部7またはその近傍から外管2の閉塞側端部3またはその近傍に相当する位置まで、第2の空間部11の長手方向にウィック構造体12を貫通する第2の流路13が伸びている。蓄熱部構造体9から放出された反応熱Hを、内管5を介して蓄熱部構造体9と熱的に接続されたウィック構造体12が受熱することで、ウィック構造体12中に含まれた反応ガスとしての機能を有する熱輸送流体の液化物が気化する。気化した反応ガスとしての機能を有する熱輸送流体(すなわち、反応ガスとしての機能を有する熱輸送流体の蒸気)Gは、ウィック構造体12から第2の流路13へ放出される。第2の流路13は、内管5の他方の開口端部7側で開口している。第2の流路13に放出された気化した前記熱輸送流体Gは、この第2の流路13の開口部から、外管2内部の開口側端部4近傍へ放出される。
第2の空間部11における、ウィック構造体12の体積と第2の流路13の体積の比率は、特に限定されないが、前記熱輸送流体Gの供給効率の点から2:1〜1:10が好ましく、1:1〜1:5が特に好ましい。また、第1の空間部8の体積と第2の空間部11の体積の比率は、特に限定されないが、蓄熱密度と前記熱輸送流体Gの供給効率とのバランスの点から3:1〜20:1が好ましく、5:1〜10:1が特に好ましい。
蓄熱部構造体9と反応ガスとが化学反応することで、反応熱Hを放出するとともに、第1の流路10内の反応ガスの蒸気圧が低下する。第1の流路10内における反応ガスの蒸気圧が低下すると、第2の流路13の開口部から、外管2内部の開口側端部4近傍へ放出された気化した前記熱輸送流体Gは、反応ガスとして、第1の流路10へ流れていく。また、内管5の他方の開口端部7が外管2の開口側端部4よりも外管2の閉塞側端部3側に位置する、すなわち、外管2の開口側端部4が内管5の他方の開口端部7よりも突出するように配置されることで、内管5の内部にて気化した前記熱輸送流体Gは、内管5の他方の開口端部7から第1の流路10へ、反応ガスとして、円滑に供給される。
内管5の第2の空間部11は、第2の流路13の閉塞した端部である外管2の閉塞側端部3またはその近傍に相当する位置から内管5の一方の開口端部6まで、ウィック構造体12によって充填されている。これにより、内管5の他方の開口端部7またはその近傍から外管2の閉塞側端部3またはその近傍に相当する位置まで存在するウィック構造体12に、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物を十分に供給することができる。
次に、第1実施形態例に係る蓄熱容器1に、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体を供給する方法の具体例を説明する。
図3に示すように、外管2の閉塞側端部3から突出した内管5の一方の開口端部6が、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物Lが収容された熱輸送流体容器30と接続されることで、蓄熱容器1に反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体を供給する。具体的には、内管5の一方の開口端部6には、第1の配管系31の一方の端部が接続され、第1の配管系31の他方の端部は、熱輸送流体容器30に収容された反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物L中に埋入されている。第1の配管系31の内部にはウィック構造体32が充填されているので、ウィック構造体32の毛細管力によって、熱輸送流体容器30に収容された前記熱輸送流体の液化物Lが第1の配管系31へ供給される。第1の配管系31に供給された前記熱輸送流体の液化物Lは、ウィック構造体32の毛細管力によって、第1の配管系31のウィック構造体32内を他方の端部側から一方の端部側へ輸送されていき、第1の配管系31の一方の端部から内管5のウィック構造体12へ輸送される。
第1の配管系31には、前記熱輸送流体の液化物Lの供給量及び供給のタイミングを調節するために、バルブ33が設けられている。なお、外管2の開口側端部4には第2の配管系34が接続されており、第1の流路10へは供給されなかった余剰の気化した前記熱輸送流体Gは、上記反応熱Hを輸送する熱輸送媒体として、第2の配管系34を介して、外管2の開口側端部4から熱利用先(図示せず)へ輸送される。
次に、蓄熱容器1の作用について説明する。蓄熱容器1が、例えば、熱回収対象である流体の流れ中に設置されると、外管2の外面が、前記流体から熱を受け、回収する。外管2の外面が前記流体から回収した熱は、外管2と接触し熱的に接続されている蓄熱部構造体9へ伝えられ、蓄熱部構造体9に含まれる化学蓄熱材が、蓄熱部構造体9へ伝えられた前記熱を貯蔵する。化学蓄熱材は、熱を貯蔵する際に、反応ガスを第1の流路10へ放出する。
一方、第1の流路10に存在する反応ガスと蓄熱部構造体9(熱を貯蔵した化学蓄熱材)とが反応することで、蓄熱部構造体9に貯蔵されていた熱が反応熱Hとして蓄熱部構造体9から放出される。第1の流路10の反応ガスと蓄熱部構造体9とが反応することで、第1の流路10における反応ガスの蒸気圧は低下するが、反応ガスの蒸気圧の低下に応じて、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体が、新たな反応ガスとして、第2の流路13から第1の流路10へ供給されるので、反応ガスの供給不足によって反応熱Hの放出が阻害されることを防止できる。蓄熱部構造体9から放出された反応熱Hは、内管5を介してウィック構造体12中の前記熱輸送流体の液化物Lへ伝えられ、前記熱輸送流体の液化物Lがウィック構造体12内部で上記反応熱Hを受熱して気化する。このうち、反応ガスとして第1の流路10へ供給されなかった余剰の気化した前記熱輸送流体Gが、該反応熱Hを輸送する熱媒体、すなわち、熱輸送流体として蓄熱容器1から熱利用先へ輸送される。
なお、熱回収対象である流体から受熱し、熱を回収する効率を向上させるために、外管2の外面に熱交換手段であるフィンを取り付けてもよい。
蓄熱部構造体9の成分は特に限定されず、例えば、化学蓄熱材と金属粉の混合物の焼結体、化学蓄熱材と粘土鉱物の混合物の焼結体、化学蓄熱材と金属製メッシュの混合物の焼結体、化学蓄熱材と有機物から生成した炭化物の混合の焼結体等を挙げることができる。化学蓄熱材と反応ガスは、特に限定されず、公知のものはいずれも使用でき、例えば、化学蓄熱材であるCaO及び/またはMgOと反応ガスであるHOとの組み合わせ、CaO及び/またはMgOと反応ガスであるCOとの組み合わせ等を挙げることができる。上記金属粉は、特に限定されず、例えば、銅粉、アルミニウム粉、鉄粉等を挙げることができる。また、金属製メッシュの材質は、特に限定されず、例えば、銅、アルミニウム、鉄、ステンレス、チタン等を挙げることができる。化学蓄熱材と金属粉とを混合し焼結することで、蓄熱部構造体9中に多孔質の金属が得られる。多孔質の金属により、蓄熱部構造体9の伝熱性が向上しつつ、化学蓄熱材を蓄熱部構造体9中に効率よく分散、担持できるので、蓄熱部構造体9の熱貯蔵性と熱放出性が向上する。
外管2、内管5の材質は、特に限定されず、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス等を挙げることができる。また、熱交換手段であるフィンの材質も、特に限定されず、例えば、同じく、銅、アルミニウム、ステンレス等を挙げることができる。
ウィック構造体12、32は、毛細管構造を有する構成であれば特に限定されず、例えば、メッシュ、ワイヤ等を有する部材を挙げることができる。
次に、本発明の第2実施形態例に係る蓄熱容器20について図面を用いながら説明する。なお、蓄熱容器1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。図4、5に示すように、第2実施形態例に係る蓄熱容器20では、内管5の壁面に、貫通孔21が複数設けられている。貫通孔21の位置及び数量は特に限定されないが、蓄熱容器20では、内管5の周方向について等間隔に4カ所、内管5の長手方向について等間隔に6カ所、計24個の貫通孔21が内管5に設けられている。各貫通孔21の位置に相当する部位にはウィック構造体12が設けられていない。
また、図5に示すように、蓄熱部構造体9の内部には、第1の空間部8の長手方向に対して平行方向に蓄熱部構造体9の内部を貫通する第1の流路10に代えて、外管2の内面と内管5の外面との間に形成された第1の空間部8の長手方向に対して平行方向に蓄熱部構造体9の内部を貫通する長手方向の流路と、それぞれの貫通孔21と該長手方向の流路とを連通させる短手方向の流路と、からなる第3の流路22が設けられている。
従って、内管5の内部にて気化した反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体Gは、内管5の他方の開口端部7から第3の流路22へ、反応ガスとして供給されるだけでなく、貫通孔21から蓄熱部構造体9の内部に設けられた第3の流路22へ、気化した前記熱輸送流体Gが放出されるので、蓄熱部構造体9への気化した前記熱輸送流体Gの放出量、すなわち、蓄熱部構造体9への反応ガスの供給量が、不足するのを確実に防止できる。
第1の空間部8における、蓄熱部構造体9の体積と第3の流路22の体積の比率は、特に限定されないが、蓄熱密度と反応速度のバランスの点から2:1〜20:1が好ましく、5:1〜15:1が特に好ましい。内管5の内部である第2の空間部11における、ウィック構造体12の体積と第2の流路13の体積の比率は、特に限定されないが、前記熱輸送流体Gの供給効率の点から2:1〜1:10が好ましく、1:1〜1:5が特に好ましい。また、第1の空間部8の体積と第2の空間部11の体積の比率は、特に限定されないが、蓄熱密度と前記熱輸送流体Gの供給効率とのバランスの点から3:1〜20:1が好ましく、5:1〜10:1が特に好ましい。
第2実施形態例に係る蓄熱容器20に、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体を供給する方法は、蓄熱容器1と同様の方法にて行うことができる。
すなわち、図6に示すように、外管2の閉塞側端部3から突出した内管5の一方の開口端部6が、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物Lが収容された熱輸送流体容器30と接続されることで、蓄熱容器20に反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体を供給する。具体的には、内管5の一方の開口端部6には、内部にウィック構造体32が充填された第1の配管系31の一方の端部が接続され、第1の配管系31の他方の端部は、熱輸送流体容器30に収容された反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物L中に埋入される。
次に、本発明の蓄熱容器の製造方法例を説明する。製造方法は特に限定されないが、例えば、外管の閉塞側端部に、内管の外形に対応する形状と寸法を有する貫通穴を形成し、該貫通穴に内管を嵌挿して外管の内部空間に内管を配置、固定する。次に、外管の内面と内管の外面との間に形成された第1の空間部に、該第1の空間部の形状と寸法に対応した形状と寸法を有し、第1の流路または第3の流路に相当する空隙部を有する蓄熱部構造体を挿入する。次に、内管の内部である第2の空間部に、外形が内管の内面に対応する形状と寸法を有し、第2の流路に相当する空隙部を有する(内管に貫通孔が形成されている場合には、各貫通孔の位置に相当する部位にも各貫通孔から第2の流路へ連通した空隙部がさらに形成されている)ウィック構造体を挿入することで、蓄熱容器を製造することができる。
次に、本発明の蓄熱容器を用いた蓄熱装置について、図面を用いながら説明する。
図7に示すように、本発明の実施形態例に係る蓄熱装置100は、複数の蓄熱容器1、20が並列に配置されている。それぞれの蓄熱容器1、20は、蓄熱容器1、20の外管2の閉塞側端部から突出した内管5の一方の開口端部が、ウィック構造体が充填された第1の配管系31を介して、化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が収容された熱輸送流体容器30と接続されている。前記熱輸送流体の液化物は、蓄熱容器1、20のウィック構造体及び第1の配管系31内のウィック構造体の毛細管力により、熱輸送流体容器30から蓄熱容器1、20の内管5の内部へ流入する。蓄熱容器1、20の内管5内部へ流入した前記熱輸送流体の液化物は、該内管5内部において気化し、内管5と外管2の間に形成された第1の流路へ流入して蓄熱部構造体の化学蓄熱材と化学反応し、化学蓄熱材が反応熱を放出する。
放出された反応熱は、新たに熱輸送流体容器30から蓄熱容器1、20の内管5内部へ流入する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体中へ移動する。前記反応熱を受熱した前記熱輸送流体は、上記と同様に気化し、化学蓄熱材との上記化学反応に使用されなかった余剰の、反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体は、蒸気として、蓄熱容器1、20から第2の配管系34へ放出される。
それぞれの蓄熱容器1、20は、外管2の開口側端部が、第2の配管系34を介して、蓄熱容器1、20から排出される反応ガスとしての機能を有する熱輸送流体の蒸気を液化する凝縮器35と接続されている。第2の配管系34へ放出された、上記化学反応に使用されなかった前記熱輸送流体の蒸気は、第2の配管系34中を凝縮器35の方向へ移動していき、凝縮器35へ導入される。
凝縮器35に導入された前記熱輸送流体の蒸気は、凝縮されて液化するとともに潜熱を放出する。凝縮器35にて放出された潜熱は、凝縮器と熱的に接続された熱利用先(図示せず)へ輸送される。このように、蓄熱装置100では、反応ガスを、熱利用先へ化学蓄熱材から放出された反応熱を輸送する熱輸送流体としても使用している。熱利用先としては、特に限定されず、例えば、内燃機関や暖房装置等を挙げることができる。
さらに、蓄熱装置100は、凝縮器35と熱輸送流体容器30を接続し、凝縮器35によって得られた反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物を熱輸送流体容器30へ戻す第3の配管系36を備えている。
蓄熱装置100は、第1の配管系31、第2の配管系34及び第3の配管系36によって、それぞれ、熱輸送流体容器30から蓄熱容器1、20へ、蓄熱容器1、20から凝縮器35へ、凝縮器35から熱輸送流体容器30へと、前記熱輸送流体が循環する循環系が形成されている。前記循環系は、気密状態であり、かつ脱気されている。
従って、前記熱輸送流体を循環させるための機器を使用しなくても、第1の配管系31内部に設けられたウィック構造体の前記熱輸送流体を輸送する毛細管力と、相対的に高温である蓄熱容器1、20内部と相対的に低温である凝縮器35との温度差と、蓄熱容器1、20内部と凝縮器35における前記熱輸送流体の蒸気圧差を駆動力として、前記熱輸送流体は、蓄熱装置100の循環系を循環することができる。
本発明の実施形態例に係る蓄熱装置100の使用方法は、特に限定されないが、例えば、図7に示すように、車両に搭載された内燃機関に接続された排気管40に蓄熱装置100の蓄熱容器1、20を搭載することで、排気管40内を流れる排ガス41中の熱を蓄熱容器1、20に蓄熱することができる。蓄熱容器1、20の外管2の外面が、排気管40内を流れる排ガス41と直接接触するように蓄熱容器1、20を配置することで、蓄熱容器1、20を熱源と熱的に接続することができる。
図7では、排気管40内を流れる排ガス41から熱を効率的に回収するために、それぞれの蓄熱容器1、20について、外管2の外面に、熱交換手段であるフィン37を、複数、取り付けている。また、蓄熱容器1、20の外管2は扁平形状なので、扁平形状の平坦部が排ガス41の流れ方向と平行となるように蓄熱容器1、20を配置することで、排ガス41の流れが、蓄熱容器1、20によって阻害されるのを抑制できる。
次に、本発明の他の実施形態例について説明する。第1の実施形態例である蓄熱容器1では、内管5内部にウィック構造体12が設けられていたが、これに代えて、ウィック構造体12を設けなくてもよい。この場合、熱輸送流体容器の底部を蓄熱容器よりも上方に設置して、重力作用によって、熱輸送流体容器から蓄熱容器へ反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物を供給することが好ましい。また、第1の実施形態例である蓄熱容器1では、第1の流路10の形状は、正面視く字状となっていたが、これに代えて、正面視円形状、正面視楕円形状、正面視矩形状でもよく、第1の流路10内に流れる反応ガスと蓄熱部構造体9との接触面積をさらに増大させるために、正面視波状等としてもよい。
また、第1、2の実施形態例である蓄熱容器1、20では、外管2は円形状の管材を扁平加工した扁平形状であり、内管5は円形状の管材であったが、外管及び内管の形状は特に限定されず、これに代えて、例えば、外管及び内管ともに、扁平形状または円形状でもよく、外管及び/または内管が、矩形状でもよい。また、第2実施形態例に係る蓄熱容器20では、各貫通孔21の位置に相当する部位にはウィック構造体12が設けられていないが、これに代えて、必要に応じて、貫通孔21の位置に相当する部位にもウィック構造体12が設けられている態様としてもよい。
簡易な構成にて、吸熱及び発熱の効率と熱輸送量を向上でき、また、化学蓄熱材の破壊を防止できる蓄熱容器及び蓄熱容器を備えた蓄熱装置を得ることができるので、エンジンや工業プラント等からの排熱の回収・貯蔵及び利用の分野、例えば、車両に搭載して排熱を回収・貯蔵及び利用する分野で、利用価値が高い。
1、20 蓄熱容器
2 外管
5 内管
9 蓄熱部構造体
10 第1の流路
12 ウィック構造体
13 第2の流路
21 貫通孔
30 熱輸送流体容器
100 蓄熱装置

Claims (9)

  1. 一方の端部が閉塞された閉塞側端部と他方の端部が開口した開口側端部とを有する筒状体からなる外管と、該外管の閉塞側端部から一方の開口端部が突出し、他方の開口端部が前記外管の開口側端部よりも前記外管の閉塞側端部側に位置するように、前記外管内に挿入された内管と、前記外管の内面と前記内管の外面との間に形成された第1の空間部に収容された化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体と、前記蓄熱部構造体を前記第1の空間部の長手方向に貫通する第1の流路と、を備えた蓄熱容器。
  2. 前記内管の内部である第2の空間部に、ウィック構造体と前記ウィック構造体を前記第2の空間部の長手方向に貫通する第2の流路とが設けられている請求項1に記載の蓄熱容器。
  3. 前記内管の壁面に、貫通孔が設けられた請求項2に記載の蓄熱容器。
  4. 前記内管の壁面に、貫通孔が設けられ、該貫通孔の部位には前記ウィック構造体が設けられていない請求項2に記載の蓄熱容器。
  5. 前記外管の閉塞側端部から突出した前記内管の一方の開口端部が、前記化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が収容された熱輸送流体容器と接続されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄熱容器。
  6. 前記外管の閉塞側端部から突出した前記内管の一方の開口端部が、前記化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が収容された熱輸送流体容器と接続され、前記熱輸送流体容器の底部が前記内管の一方の開口端部よりも上方にある請求項1に記載の蓄熱容器。
  7. 前記化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体が、化学蓄熱材と、金属粉、粘土鉱物、有機物の炭化物及び金属製メッシュからなる群から選択された少なくとも1種との混合物の焼結体である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蓄熱容器。
  8. 一方の端部が閉塞された閉塞側端部と他方の端部が開口した開口側端部とを有する筒状体からなる外管と、該外管の閉塞側端部から一方の開口端部が突出し、他方の開口端部が前記外管の開口側端部よりも前記外管の閉塞側端部側に位置するように、前記外管内に挿入された内管と、前記外管の内面と前記内管の外面との間に形成された第1の空間部に収容された化学蓄熱材を含有する蓄熱部構造体と、前記蓄熱部構造体を前記第1の空間部の長手方向に貫通する第1の流路と、を備えた蓄熱容器と、
    前記外管の閉塞側端部から突出した前記内管の一方の開口端部と接続された、前記化学蓄熱材の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応ガスとしての機能を有した熱輸送流体の液化物が収容された熱輸送流体容器と、
    前記外管の開口側端部と接続された、前記外管の開口側端部から放出される気化した前記熱輸送流体を液化させる凝縮器と、
    前記熱輸送流体容器と前記凝縮器を接続し、前記凝縮器によって得られた前記熱輸送流体の液化物を前記熱輸送流体容器へ供給する配管系と、
    を備えた、前記熱輸送流体の循環系を有し、
    前記循環系が、気密状態であり、脱気されている蓄熱装置。
  9. 前記外管の表面が、熱源と熱的に接続されている請求項8に記載の蓄熱装置。
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