JP2014125133A - 化学蓄熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化学蓄熱装置1は、水和反応により発熱し脱水反応により蓄熱する蓄熱材を充填してなる反応器2と、反応器2に供給する水蒸気を生成する蒸発器3と、反応器2から脱水された水蒸気を凝縮する凝縮器4と、凝縮器4において生じる凝縮熱を1又は複数の熱供給対象(熱媒空気A)へ供給する凝縮熱移動手段(熱交換部41)とを有する。
【選択図】図2
Description
かかる化学蓄熱装置は、上記蓄熱材を充填してなる反応器と、該反応器に供給する水蒸気を生成する蒸発器と、上記反応器から脱水された水蒸気を凝縮する凝縮器とを有する。これにより、反応器における蓄熱と発熱とを可能とし、時間をまたいで熱を有効利用することができる。
該反応器に供給する水蒸気を生成する蒸発器と、
上記反応器から脱水された水蒸気を凝縮する凝縮器と、
該凝縮器において生じる凝縮熱を1又は複数の熱供給対象へ供給する凝縮熱移動手段とを有することを特徴とする化学蓄熱装置にある(請求項1)。
なお、上記水タンクを上記蓄熱手段とする構成は、例えば、上記凝縮器において凝縮熱を受熱した熱媒流体を、上記水タンクの熱交換部に導くように構成することで実現することができる。これにより、水タンクに貯蔵された水の温度が高くなることで、水タンクに蓄熱されることとなる。それゆえ、上記反応器における水和反応時に、水タンクから蒸発器へ送られる水の温度を高くすることができ、その分、蒸発器に供給すべき蒸発潜熱の熱量を小さくすることができる。その結果、効率的に、上記反応器における水和反応を行うことができる。
上記化学蓄熱装置の実施例につき、図1、図2を用いて説明する。
本例の化学蓄熱装置1は、図1に示すごとく、反応器2と蒸発器3と凝縮器4とを有する。反応器2は、水和反応により発熱し脱水反応により蓄熱する蓄熱材を充填してなる。蒸発器3は、反応器2に供給する水蒸気を生成する。凝縮器4は、反応器2から脱水された水蒸気を凝縮する。
また、本例の化学蓄熱装置1は、上記凝縮器4によって凝縮された水を貯める水タンク5を有する。
また、水タンク5も、蒸発器3及び凝縮器4と、水配管112によって繋がれている。そして、水タンク5と蒸発器3との間の水配管112には、水タンク5の水を蒸発器3へ送るポンプ13が配設されている。
反応器2における蓄熱材は、例えば、酸化カルシウム(CaO)からなる。そして、蓄熱材は、蒸発器3から供給される水蒸気との水和反応によって発熱する。この反応熱を、室内15の暖房に用いている。また、水和反応後の蓄熱材を加熱して脱水することで、蓄熱材に蓄熱することができる。
そして、車両停車時(エンジン停止時)に、蒸発器2において生じた水蒸気を反応器2に送り、蓄熱材における水和反応によって発熱させることができる。この反応熱を室内15の空調に用いる。
そして、凝縮器4において凝縮した液体の水W2は、配管112を通じて、水タンク5に貯められる。そして、次の水和反応の際に、上述と同様に、蒸発器3へ送られる。
上記化学蓄熱装置1は、上記凝縮熱移動手段(凝縮器4に設けられた熱交換部41)を有する。それゆえ、凝縮器4において生じた凝縮熱を、上記熱供給対象(導風管62を流れる熱媒空気)へ供給することができる。これにより、凝縮熱を捨てることなく、上記熱供給対象(熱媒空気)において有効利用することができる。すなわち、凝縮熱によって熱媒空気の温度を上げて、高温の熱媒空気を用いて室内15の暖房に有効利用することができる。その結果、上記化学蓄熱装置1は、全体として、エネルギー効率を向上させることができる。
本例は、図3に示すごとく、蒸発器3を水タンク5よりも下方に配置し、重力を利用して、水タンク5から蒸発器3へ水を供給するよう構成した例である。
したがって、本例の化学蓄熱装置1は、水タンク5と蒸発器3との間の水配管112に、実施例1において用いたポンプ13(図1参照)を設けていない。水タンク5と蒸発器3との間の水配管112には、第3バルブ123が設けてある。それゆえ、反応器2における水和反応を行う際には、第3バルブ123を、第1バルブ121と共に開放することにより、水タンク5から蒸発器3へ水を供給することができる。
その他は、実施例1と同様である。なお、本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図4に示すごとく、凝縮熱移動手段として、凝縮器4に設けた熱交換部41の他に、蒸発器3に設けた熱交換部31をも有する化学蓄熱装置1の例である。
すなわち、本例の化学蓄熱装置1は、凝縮器4の下流側の導風管62が、蒸発器3の熱交換部31を経由して室内15に繋がっている。
このように、凝縮器4において生じる凝縮熱の一部は、熱媒空気Aを介して室内15の暖房に利用され、他の一部は、熱媒空気Aと水W2、W3とを介して、水タンク5に蓄熱される。
その他は、実施例1と同様である。なお、本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図6に示すごとく、凝縮器4よりも下流側における導風管62に、三方弁124を設けた例である。
そして、導風管62は、三方弁124を介して分岐した一方の枝管621が、室内15に直接繋がっており、他方の枝管622が、蒸発器3に設けた熱交換部31を経由して室内15に繋がっている。
すなわち、脱水反応時において、室内15の暖房を積極的に行う場合には、三方弁124を枝管621側に合わせて、凝縮器4を通過した熱媒空気を直接室内15へ送る。これにより、室内15の暖房に、凝縮熱の多くを利用することができる。
本例は、図7に示すごとく、凝縮器4の下流側の導風管62を、水タンク5に設けた熱交換部51に繋げた例である。
すなわち、本例の化学蓄熱装置1においては、凝縮器4における凝縮熱を受熱した熱媒空気は、水タンク5の熱交換部51へ導かれる。そして、高温の熱媒空気は、熱交換部51において水タンク5の水と熱交換し、水タンク5の水の温度を上昇させる。これにより、水タンク5に蓄熱する。
また、本例において、凝縮器4において凝縮した水を介して、水タンク5に熱を貯めるよう構成してもよい。
その他は、実施例1と同様である。なお、本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図8に示すごとく、凝縮器4の下流側の導風管62を、蒸発器3の熱交換部31を経由して、水タンク5の熱交換部51に繋げた例である。
そして、実施例3と同様に、蒸発器3から水タンク5へ水を導く水配管113を逆止弁14と共に設けている。
その他は、実施例5と同様である。なお、本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例3又は実施例5において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例3又は実施例5と同様の構成要素等を表す。
これにより、エネルギー効率に優れた化学蓄熱装置1の設計自由度を向上させることができる。その他、実施例3、実施例5と同様の作用効果を有する。
本例は、図9に示すごとく、水タンク5を圧力タンクとし、内部の圧力を大気圧よりも高い圧力に保つよう構成した例である。
例えば、水タンク5の圧力を0.3MPa程度とすることができる。
その他の構成は、実施例4と同様である。なお、本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例4と同様の構成要素等を表す。
その他、実施例4と同様の作用効果を有する。なお、本例は、水タンク5以外の構成を実施例4と同様の構成とした例を示したが、例えば、実施例5等、他の実施例の変形例として、本例を採用することもできる。
上記実施例1〜実施例7において、凝縮器4と水タンク5とは別体として説明しているが、凝縮器と水タンクとを一体化した構成とすることもできる。
また、上記実施例1〜実施例7において、凝縮器4と蒸発器3とは別体として説明しているが、凝縮器4と蒸発器3とを一体化した構成とすることもできる。すなわち、例えば、蒸発器及び凝縮器は一つの熱交換器として構成されており、水蒸気を生じさせる際には蒸発器として機能し、水蒸気を凝縮させる際には凝縮器として機能するものとすることもできる。ただし、この構成は、上記実施例3(図4)、実施例4(図6)、実施例6(図8)、実施例7(図9)の変形例としては採用できない。
2 反応器
3 蒸発器
4 凝縮器
41 熱交換部
5 水タンク
Claims (5)
- 水和反応により発熱し脱水反応により蓄熱する蓄熱材を充填してなる反応器(2)と、
該反応器(2)に供給する水蒸気を生成する蒸発器(3)と、
上記反応器(2)から脱水された水蒸気を凝縮する凝縮器(4)と、
該凝縮器(4)において生じる凝縮熱を1又は複数の熱供給対象(A、5)へ供給する凝縮熱移動手段(41、31、112、51)とを有することを特徴とする化学蓄熱装置(1)。 - 請求項1に記載の化学蓄熱装置(1)において、上記熱供給対象(A、5)の少なくとも一つは、室内(15)へ送られる熱媒空気(A)であることを特徴とする化学蓄熱装置(1)。
- 請求項1又は2に記載の化学蓄熱装置(1)において、上記熱供給対象(A、5)の少なくとも一つは、上記凝縮熱を蓄熱する蓄熱機能を備えた蓄熱手段(5)であることを特徴とする化学蓄熱装置(1)。
- 請求項3に記載の化学蓄熱装置(1)において、上記凝縮器(4)によって凝縮された水を貯める水タンク(5)を有し、該水タンク(5)が上記蓄熱手段であることを特徴とする化学蓄熱装置(1)。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化学蓄熱装置(1)において、車両に搭載され、上記反応器(2)において水和反応によって生じた熱は、上記車両の室内(15)の暖房に用いられるよう構成してあることを特徴とする化学蓄熱装置(1)。
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