JP6815755B2 - 蓄熱システム - Google Patents

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Description

本発明は、反応媒体と化学蓄熱材との反応により反応熱を放出し、上記反応の逆反応により吸熱する可逆反応を利用して、発熱と蓄熱を繰り返すことができる化学蓄熱材を使用した蓄熱システムに関する。
化学蓄熱材は、体積あたりの蓄熱量が大きく、蓄熱された化学蓄熱材を長期貯蔵しても熱損失が極めて少ないことなどから、エンジンや工業プラント等からの排熱の貯蔵及び利用に、活用することが期待されている。
そこで、粉体の化学蓄熱材と、化学蓄熱材に隣接して配置した発泡膨張材とを含有する化学蓄熱材複合体が内管と外管との間に収容され、化学蓄熱材の蓄熱・放熱に伴って放出される水蒸気が流通する反応流路が、内管内に構成され、化学蓄熱材との間で熱交換を行う熱交換媒体であるガス状の流体が流通する熱交換流路が、外管と該外管の外側に設けられた外壁との間に設けられた蓄熱容器が、提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1の蓄熱容器では、熱交換媒体としてガス状の流体を使用すると、ガス状の流体に顕熱が供給できるのみとなるので、熱交換媒体の熱輸送量が制限されるという問題、ガス状の熱交換媒体を蓄熱容器に供給するためには、気化熱による熱交換媒体貯蔵容器の温度低下を防止するために、熱交換媒体貯蔵容器にエネルギーを投入する必要があるという問題の他、反応流体として水蒸気等の気体を使用すると、化学蓄熱材からの放熱量を向上させることができないという問題があった。
また、特許文献1の蓄熱容器では、加熱対象の温度が必要以上に上昇することがあり、また化学蓄熱材の効率的な蓄熱・放熱動作の調整が難しいという問題があった。
特開2009−228952号公報
本発明は上記した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成にて、加熱対象の必要以上の温度上昇の防止や、化学蓄熱材の蓄熱・放熱の動作を効率化できる蓄熱システムを提供することを目的とする。
本発明の態様は、化学蓄熱材を備えた蓄熱容器と、前記蓄熱容器と接続された、前記反応媒体としての機能を有する熱輸送流体が収容された熱輸送流体容器と、前記蓄熱容器と接続された熱交換器と、前記蓄熱容器と前記熱輸送流体容器とを接続する、第1の熱輸送流体供給手段が設けられた第1の配管系と、前記熱輸送流体容器と前記熱交換器とを接続する、第2の熱輸送流体供給手段が設けられた第3の配管系と、を備えた循環系と、を有し、前記循環系が、気密状態であり、減圧されている蓄熱システムであって、前記蓄熱システムの稼働からの時間及び/または前記熱交換器の温度に応じて前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段の開閉を制御する蓄熱システムである。
本発明の態様は、前記蓄熱容器の温度S1を検知する第1の温度センサーを備える蓄熱システムである。
本発明の態様は、前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、(a1)前記熱交換器の温度S1が、第1の所定温度T1未満の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段が、開放され、(a2)前記熱交換器の温度S1が、前記第1の所定温度T1以上の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段が開放される蓄熱システムである。
本発明の態様は、前記蓄熱容器の温度S2を検知する第2の温度センサーを更に備え、前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、(b1)前記熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であり、前記蓄熱容器の温度S2が第2の所定温度T2未満の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段が開放され、(b2−1)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1未満であり、前記熱交換器の温度S2が前記第2の所定温度T2以上の場合、(b2−2)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記蓄熱容器の温度S2が前記第2の所定温度T2未満の場合、または(b2−3)前記熱交換器の温度S1が前記所第1の定温度T1以上であり、前記蓄熱容器の温度S2が前記第2の所定温度T2以上の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段が開放される蓄熱システムである。
本発明の態様は、前記熱輸送流体容器に収容された熱輸送流体の貯留量W1を検知する貯留量センサーを更に備え、前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、(c1)前記熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であり、前記貯留量W1が所定量L1超の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段が開放され、(c2−1)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1未満であり、前記貯留量W1が前記所定量L1以下の場合、(c2−2)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記貯留量W1が前記所定量L1超かつ熱輸送流体全量L2未満、または(c2−3)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記貯留量W1が前記所定量L1以下の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段が開放される蓄熱システムである。
本発明の態様は、前記蓄熱容器が、筐体と、該筐体に収容された化学蓄熱材と、前記化学蓄熱材の内部又は表面を貫通する流路と、前記化学蓄熱材と前記流路との間に設けられた拡散層と、を有する蓄熱システムである。
本発明の態様は、前記第1の熱輸送流体供給手段が、バルブである蓄熱システムである。
本発明の態様は、前記第2の熱輸送流体供給手段が、バルブである蓄熱システムである。
本発明の態様は、化学蓄熱材を備えた蓄熱容器と、前記蓄熱容器と接続された、前記反応媒体としての機能を有する熱輸送流体が収容された熱輸送流体容器と、前記蓄熱容器と接続され熱交換器と、前記熱交換器の温度S1を検知する第1の温度センサーと、前記蓄熱容器と前記熱輸送流体容器とを接続する、第1の熱輸送流体供給手段が設けられた第1の配管系と、前記熱輸送流体容器と前記熱交換器とを接続する、第2の熱輸送流体供給手段が設けられた第3の配管系と、を備えた循環系と、を有し、前記循環系が、気密状態であり、減圧されている蓄熱システムの制御方法であって、前記熱交換器の温度S1によって前記第1の熱輸送流体供給手段及び/または前記第2の熱輸送流体供給手段の開閉を制御する蓄熱システムの制御方法である。
本発明の態様は、前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、(a1)前記熱交換器の温度S1が、第1の所定温度T1未満の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、(a2)前記熱交換器の温度S1が、前記第1の所定温度T1以上の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖する蓄熱システムの制御方法である。
本発明の態様は、前記蓄熱容器の温度S2を検知する第2の温度センサーを更に備え、前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、(b1)前記熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であり、前記蓄熱容器の温度S2が第2の所定温度T2未満の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、(b2−1)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1未満であり、前記熱交換器の温度S2が前記第2の所定温度T2以上の場合、(b2−2)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記蓄熱容器の温度S2が前記第2の所定温度T2未満の場合、または(b2−3)前記熱交換器の温度S1が前記所第1の定温度T1以上であり、前記蓄熱容器の温度S2が前記第2の所定温度T2以上の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖する蓄熱システムの制御方法である。
本発明の態様は、前記熱輸送流体容器に収容された熱輸送流体の貯留量W1を検知する貯留量センサーを更に備え、前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、(c1)前記熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であり、前記貯留量W1が所定量L1超の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、(c2−1)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1未満であり、前記貯留量W1が前記所定量L1以下の場合、(c2−2)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記貯留量W1が前記所定量L1超かつ熱輸送流体全量L2未満、または(c2−3)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記貯留量W1が前記所定量L1以下の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖する蓄熱システムの制御方法である。
本発明の態様によれば、第1の熱輸送流体供給手段及び第2の熱輸送流体供給手段が、熱交換器の温度S1によって開閉を制御されるため、熱交換器の温度が必要以上に上がることを防止できる。また、第1の熱輸送流体供給手段及び第2の熱輸送流体供給手段の開閉を適切に制御することで、化学蓄熱材の蓄熱及び放熱の動作の効率を向上することができる。
本発明の態様によれば、第1の熱輸送流体供給手段及び第2の熱輸送流体供給手段が、蓄熱システムの稼働時に開放されることにより、循環系が稼働し、蓄熱容器に蓄熱されていた熱が放出される、つまり、蓄熱容器から熱交換器へ、蓄熱容器に蓄熱されていた熱が輸送されるので、低温状態である熱交換器に対し、熱を輸送して熱交換器を速やかに昇温させることができる。また、蓄熱システムの稼働から所定時間(t1)経過後、すなわち、熱交換器が昇温状態となった後に、第1の熱輸送流体供給手段が閉鎖されることで、蓄熱容器からの放熱が抑制され、熱交換器の温度、すなわち熱交換器に接続される加熱対象の温度が必要以上に上昇するのを防止できる。また、蓄熱システムの稼働から所定時間(t1)経過後に第1の熱輸送流体供給手段が閉鎖されることで、蓄熱容器は外部環境の熱を円滑に蓄熱できる。従って、熱交換器の温度状態に応じて、化学蓄熱材の蓄熱・放熱の動作を調整でき、結果、化学蓄熱材の蓄熱・放熱を効率化できる。
本発明の態様によれば、蓄熱システムの稼働時における熱交換器の温度S1が所定温度T1未満であることを第1の温度センサーが検知した場合に、循環系が稼働し、蓄熱容器に蓄熱されていた熱が放出されて蓄熱容器から熱交換器へ熱が輸送されるので、蓄熱容器から熱交換器へ、すなわち、蓄熱容器から加熱対象へ迅速に熱を供給することができる。
本発明の態様によれば、蓄熱システムの稼働時における熱交換器の温度S1が所定温度T1未満であることを第1の温度センサーが検知し、且つ蓄熱システムの稼働時における蓄熱容器の温度S2が所定温度T2未満であることを第2の温度センサーか検知した場合に、循環系が稼働し、蓄熱容器に蓄熱されていた熱が放出されて蓄熱容器から熱交換器へ熱が輸送されるので、蓄熱容器から熱利用先へ迅速に熱を供給することができる。
本発明の態様によれば、蓄熱システムの稼働時における熱交換器の温度S1が所定温度T1未満であることを第1の温度センサーが検知し、且つ蓄熱システムの稼働時における熱輸送流体の貯留量W1が所定量L1超であることを貯留量センサーが検知した場合に、循環系が稼働し、蓄熱容器に蓄熱されていた熱が放出されて蓄熱容器から熱交換器へ熱が輸送されるので、蓄熱容器から熱利用先へ迅速に熱を供給することができる。さらに、貯留量センサーにより蓄熱容器が十分な蓄熱状態であることが確認された上で、循環系が稼働するので、蓄熱容器の蓄熱をより効率化できる。
本発明の第1実施形態例に係る蓄熱システムの説明図である。 (a)図は、本発明の第1実施形態例に係る蓄熱システムで使用する蓄熱容器の側面断面図、(b)図は図1(a)における蓄熱容器のA−A’断面図である。 本発明の第2実施形態例に係る蓄熱システムの説明図である。 本発明の第3実施形態例に係る蓄熱システムの説明図である。 本発明の第4実施形態例に係る蓄熱システムの説明図である。 本発明の第5実施形態例に係る蓄熱システムの説明図である。 本発明の第6実施形態例に係る蓄熱システムの説明図である。 本発明の第2実施形態例に係る蓄熱システムの操作に関するフローチャート図である。 本発明の第3実施形態例に係る蓄熱システムの操作に関するフローチャート図である。 本発明の第4実施形態例に係る蓄熱システムの操作に関するフローチャート図である。
以下に、本発明の第1実施形態例に係る蓄熱システムについて図面を用いながら説明する。図1に示すように、第1実施形態例に係る蓄熱システム1は、発熱体101から放出される熱を蓄熱する蓄熱容器11が、第1の熱輸送流体供給手段として第1のバルブ17を備えた第1の配管系14を介して、化学蓄熱材(図示せず)の吸熱反応及び発熱反応に寄与する反応媒体としての機能を有する液相の熱輸送流体Lが収容された熱輸送流体容器12と接続されている。熱輸送流体容器12を、蓄熱容器11よりも高い位置に設置することで、第1のバルブ17を開放することにより、液相の熱輸送流体Lが、熱輸送流体容器12から蓄熱容器11内へ流入する。
蓄熱容器11内へ流入した液相の熱輸送流体Lは、蓄熱容器11内に収容された化学蓄熱材と反応し、化学蓄熱材から反応熱Hが放出される。一方で、蓄熱容器11内へ流入した液相の熱輸送流体Lは、蓄熱容器11内を移動する間に、化学蓄熱材から放出された反応熱Hを受熱して気化し、気相の熱輸送流体Gとなる。気相の熱輸送流体Gは、蓄熱容器11から第2の配管系15へ、熱輸送流体として放出される。
図1に示すとおり、蓄熱容器11は、第2の配管系15を介して、熱交換器13(例えば、凝縮器等)と接続されている。蓄熱容器11から第2の配管系15へ放出された気相の熱輸送流体Gは、第2の配管系15中を熱交換器13の方向へ移動し、熱交換器13へ導入される。熱交換器13では、第2の配管系15から導入された気相の熱輸送流体Gが冷却され、液相の熱輸送流体Lへ相変化する。
熱交換器13に導入された気相の熱輸送流体Gは、熱交換器13により凝縮されて液相の熱輸送流体Lに相変化するとともに、潜熱を放出する。熱交換器13にて放出された潜熱は、熱交換器13と熱的に接続された熱利用先100へ輸送される。このように、蓄熱システム1では、化学蓄熱材の反応媒体は、化学蓄熱材から放出された反応熱を熱利用先100へ輸送する熱輸送流体としても機能している。
さらに、蓄熱システム1は、熱交換器13と熱輸送流体容器12とを接続する第3の配管系16を備えている。熱交換器13で凝縮した液相の熱輸送流体Lは、第3の配管系を介して、熱交換器13から熱輸送流体容器12へ輸送される。また、第3の配管系16には、第2の熱輸送流体供給手段として第2のバルブ18が設けられている。
蓄熱システム1は、第1の配管系14、第2の配管系15及び第3の配管系16によって、それぞれ、熱輸送流体容器12から蓄熱容器11へ、蓄熱容器11から熱交換器13へ、熱交換器13から熱輸送流体容器12へと、熱輸送流体が循環する循環系が形成されている。前記循環系は、気密状態であり、かつ減圧されている。つまり、前記循環系は、ループ状のヒートパイプ構造となっている。また、蓄熱システム1では、熱輸送流体容器12は、蓄熱容器11よりも重力方向の上方位置に設置されている。すなわち、熱輸送流体容器12は、第1のバルブ17を開放した際に、液相の熱輸送流体Lが蓄熱容器11内へ供給されるように配置されている。
従って、循環系に収容された熱輸送流体を循環させるための機器(例えば、ポンプ等)を使用しなくても、第1の配管系14を経由して熱輸送流体Lを蓄熱容器11に供給することができる。また、相対的に高温である蓄熱容器11内部と相対的に低温である熱交換器13内部との温度差や、蓄熱容器11内部と熱交換器13内部との間における熱輸送流体の蒸気圧差によって、気相の熱輸送流体Gは、第2の配管系15を経由して熱交換器13へ輸送される。このように、蓄熱システム1では、熱輸送流体を強制的に循環させるための機器を利用しなくても、熱輸送流体が順次輸送されて循環系を円滑に循環することができる。
次に、蓄熱システム1の構成要素を用いて、蓄熱システム1の操作例を説明する。蓄熱システム1の稼働前では、第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも閉じられた状態となっている。また、蓄熱容器11内の化学蓄熱材は、完全に蓄熱された状態(反応による放熱をしていない状態)となっている。停止していた蓄熱システム1が稼働すると、第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも開放されて、液相の熱輸送流体Lが、熱輸送流体容器12から蓄熱容器11へ供給される。液相の熱輸送流体Lは、蓄熱容器11内の化学蓄熱材と速やかに反応して反応熱Hを放出するため、蓄熱容器11内にて液相の熱輸送流体Lが化学蓄熱材の反応熱Hにより気相の熱輸送流体Gに相変化する。相変化した気相の熱輸送流体Gは、蓄熱容器11から第2の配管系15を介して熱交換器13へ輸送される。熱交換器13へ導入された気相の熱輸送流体Gは、熱利用先100と熱的に接続されている熱交換器13へ潜熱を放出する。熱交換器13で放出された潜熱は、熱利用先100へ輸送される。
気相の熱輸送流体Gは、熱交換器13にて潜熱を放出することで、液相の熱輸送流体Lに相変化し、相変化した液相の熱輸送流体Lは、熱交換器13から、第3の配管系16を介して、熱輸送流体容器12へ返送される。
蓄熱システム1の起動から第1の所定時間t1が経過すると、液相の熱輸送流体Lの全てが、蓄熱容器11に供給される。従って、第1の所定時間t1経過後に、第1のバルブ17が閉鎖されて、蓄熱容器11への液相の熱輸送流体Lの供給が停止される。放熱が完了すると、化学蓄熱材は蓄熱容器11の外部環境の熱を受熱することで吸熱反応(蓄熱)が進行し、蓄熱容器11の化学蓄熱材が熱輸送流体を反応ガス(気相の熱輸送流体G)として放出する。化学蓄熱材から放出された反応ガスは、第2の配管系15、熱交換器13、第3の配管系16を介して熱輸送流体容器12へ輸送される。
蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖されることで、液相の熱輸送流体Lを熱輸送流体容器12内に閉じ込めて、蓄熱容器11の放熱及び蓄熱を停止する。
蓄熱システム1では、第1のバルブ17及び第2のバルブ18を閉鎖し、熱輸送流体Lの供給を停止することで、循環系のヒートパイプ動作を停止することができ、蓄熱容器11の外部環境の熱が熱交換器13へ輸送されないようにすることができる。すなわち、熱交換器13が十分昇温されている場合には、蓄熱容器11から熱交換器13へ、必要以上の熱が輸送されることを確実に防止できる。
蓄熱システム1の稼働、第1の所定時間t1、第2の所定時間t2は、例えば、センサーを用いて、検知、計測することができる。また、熱利用先100としては、例えば、車両に搭載される内燃機関(エンジン等)やバッテリ等を挙げることができる。また、蓄熱容器11に、熱を蓄熱させる手段として、例えば、エンジン等の内燃機関から排出される排ガスの流路に、蓄熱容器11を設置することが挙げられる。
化学蓄熱材と液相の熱輸送流体Lは、いずれも特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、化学蓄熱材であるCaO及び/またはMgOと熱輸送流体であるHOとの組み合わせ、CaO及び/またはMgOと熱輸送流体であるCOとの組み合わせ等を挙げることができる。
次に、本発明の第1実施形態例に係る蓄熱システム1に使用する蓄熱容器11の実施形態例について図面を用いながら説明する。図2(a)に示すように、実施形態例に係る蓄熱容器11は、両端部が開口した管状体である筒状体71と、筒状体71の内部に配置された化学蓄熱材72を備えている。また蓄熱容器11は、化学蓄熱材72の筒状体71の一方の端部73側に隣接して配置された多孔質体からなる第1の蓋体75と、化学蓄熱材72の筒状体71の他方の端部74側に隣接して配置された多孔質体からなる第2の蓋体76と、第1の蓋体75と第2の蓋体76との間に、化学蓄熱材72の内側側面に隣接して配置された、液体を輸送する拡散層である、毛細管構造を有するウィック構造体77を備えている。
管状体71の径方向の断面は、特に限定されないが、図2(b)に示すように、蓄熱容器11では、円形状である。また、化学蓄熱材72は、粉体が筒状に圧縮成型された態様であり、径方向の断面は中空円状である。筒状体71の中心軸と筒状である化学蓄熱材72の中心軸は、同軸状に配置されている。
第1の蓋体75と第2の蓋体76は、いずれも、中央部に孔部が形成された円筒状であり、第1の蓋体75の孔部75’の壁面と第2の蓋体76の孔部76’の壁面は、後述する流路78の壁面の一部であり、流路78の端部を形成してもいる。従って、孔部75’、76’は、流路78の径方向の断面の形状及び寸法に対応した形状及び寸法となっている。
図2(a)、(b)に示すように、蓄熱容器11では化学蓄熱材72、第1の蓋体75、第2の蓋体76、ウィック構造体77及び筒状体71によって周囲を被覆されている。また、ウィック構造体77は、第1の蓋体75と第2の蓋体76に、それぞれ、接続されている。
蓄熱容器11では、ウィック構造体77の形状は、筒状であり、径方向の断面は円形状である。つまり、ウィック構造体77の内側には、筒状体71を長軸方向に貫通する空間部、すなわち、流路78が設けられている。
化学蓄熱材72は、第1の蓋体75、第2の蓋体76、ウィック構造体77及び筒状体71で被覆されているので、反応媒体として水等の液体を使用しても、圧縮成型された化学蓄熱材72の形状を維持することができる。従って、ウィック構造体77は、化学蓄熱材72の形状の保持部材として機能する。また、液相の熱輸送流体Lは、第1の蓋体75を介して、化学蓄熱材72の一方の端部へ供給されるとウィック構造体77の有する毛細管力によって拡散し、化学蓄熱材72の内側側面全体へ、円滑に供給される。
ウィック構造体77、第1の蓋体75及び第2の蓋体76は、化学蓄熱材72と接触しているので、ウィック構造体77、第1の蓋体75及び第2の蓋体76で拡散された液相の熱輸送流体Lと化学蓄熱材72とが、速やかに反応して、化学蓄熱材72が反応熱Hを放出する。
化学蓄熱材72から放出された反応熱Hは、化学蓄熱材72と反応しない液相の熱輸送流体Lの一部へ移動する。反応熱Hにより、液相の熱輸送流体Lの一部は、気化して、気相の熱輸送流体Gとなる。気相の熱輸送流体Gは、流路78の他方の端部から蓄熱容器11外へ放出され、さらには熱交換器(図示せず)へ、潜熱として反応熱Hを輸送する。このように、流路78は、気相の熱輸送流体Gの通路として機能する。蓄熱容器11では、流路78の径方向の断面は円形状であり、流路78の中心軸は、筒状体71の中心軸と同軸状に配置されている。
第1の蓋体75及び第2の蓋体76は、液相の熱輸送流体Lの通過は可能であるが、化学蓄熱材72の粉体は通過しない寸法の貫通孔を有する多孔質体である。また、第1の蓋体75及び第2の蓋体76の材質は、特に限定されず、例えば、銅粉等の金属粉の焼結体、金属メッシュ、発泡金属、貫通孔を設けた金属箔、貫通孔を設けた金属板等を挙げることができる。
ウィック構造体77は、毛細管構造を有する構成であれば特に限定されず、例えば、粉末状の金属材料を焼成することで構築される金属焼結体、金属メッシュ等の部材を挙げることができる。また、ウィック構造体77は、蓄熱容器11のように、第1の蓋体75及び第2の蓋体76と別体でもよく、ウィック構造体77として、銅粉等の金属粉の焼結体や金属メッシュを使用する場合には、第1の蓋体75及び第2の蓋体76と一体としてもよい。筒状体71の材質は、特に限定されず、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス等を挙げることができる。
このように、液相の熱輸送流体Lは、化学蓄熱材に対する反応媒体として機能し、かつ化学蓄熱材に蓄熱された熱を熱利用先へ輸送する熱輸送流体としても機能するので、反応媒体の経路と熱輸送流体(熱輸送媒体)の経路を、それぞれ、別経路とする必要がなく、配管経路の構造を簡易化できる。また、蒸気ではなく液体が化学蓄熱材と反応するので、優れた蓄熱密度、すなわち優れた発熱速度と発熱量を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態例に係る蓄熱システムについて図面を用いながら説明する。なお、蓄熱システム1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。図3に示すように、第2実施形態例に係る蓄熱システム2は、さらに、熱交換器13の温度を検知する第1の温度センサー23が設けられている。
蓄熱システム2の操作例は、図3、8に示すように、蓄熱システム2の稼働前では、第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも閉じられた状態となっている。蓄熱システム2が起動した時における、第1の温度センサー23の検知する熱交換器の温度S1が、第1の所定温度T1未満の場合には、熱交換器13は、低温状態となっている。従って、(a1)熱交換器の温度S1が、第1の所定温度T1未満の場合、第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも開放されて、液相の熱輸送流体Lが、熱輸送流体容器12から蓄熱容器11へ供給される。液相の熱輸送流体Lは、蓄熱容器11内の化学蓄熱材と速やかに反応して反応熱Hを放出するため、蓄熱容器11内にて液相の熱輸送流体Lが化学蓄熱材の反応熱Hにより気相の熱輸送流体Gに相変化する。相変化した気相の熱輸送流体Gは、蓄熱容器11から熱交換器13へ輸送される。熱交換器13へ導入された気相の熱輸送流体Gは、熱利用先100と熱的に接続されている熱交換器13へ潜熱を放出する。
気相の熱輸送流体Gは、熱交換器13にて潜熱を放出することで、液相の熱輸送流体Lに相変化し、相変化した液相の熱輸送流体Lは、熱交換器13から、開状態である第2のバルブ18を介して、熱輸送流体容器12へ返送される。
蓄熱システム2の稼働から第1の所定時間t1が経過すると、熱交換器13が十分に昇温できるだけの、液相の熱輸送流体Lが、蓄熱容器11に供給されるため、第1の所定時間t1経過後に、第1のバルブ17が閉鎖されて、化学蓄熱材への液相の熱輸送流体Lの供給が停止される。放熱が完了すると、化学蓄熱材は蓄熱容器11の外部環境の熱を受熱することで吸熱反応(蓄熱)が進行し、蓄熱容器11の化学蓄熱材が熱輸送流体を反応ガスとして放出する。化学蓄熱材から放出された反応ガスは、第2の配管系15、熱交換器13、第3の配管系16を介して熱輸送流体容器12へ輸送される。
また、蓄熱システム2の起動から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖されることで液相の熱輸送流体Lを熱輸送流体容器12内に閉じ込めて、蓄熱容器11の蓄熱を停止する。第2の所定時間t2は、蓄熱システム2の稼働から化学蓄熱材の蓄熱が完了して、熱輸送流体が全て熱輸送流体容器12へ返送されるまでの時間である。なお、化学蓄熱材の蓄熱が完了する前に蓄熱システム2が停止した場合、第2のバルブは、第3の所定時間t3経過後、すなわち熱輸送流体が熱輸送流体容器12へ返送された後に閉鎖される。
一方で、蓄熱システム2が起動した時における、(a2)第1の温度センサー23の検知する蓄熱容器の温度S1が、第1の所定温度T1以上の場合には、熱交換器13は、既に昇温状態となっている。従って、熱交換器13を更に熱を供給する必要はないため、蓄熱システム2の起動時に第2のバルブ18が開放される。第1のバルブ17は開放されずに第2のバルブ18が開放されることで、外部環境の熱を蓄熱容器11が受熱して蓄熱することができる。
更に、蓄熱システム2の稼働から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖されることで液相の熱輸送流体Lを熱輸送流体容器12内に閉じ込めて、蓄熱容器11の放熱及び蓄熱を停止する。
蓄熱システム2では、起動時における熱交換器13の温度S1が第1の所定温度T1未満であることを第1の温度センサーが検知した場合に、蓄熱システム2が稼働し、蓄熱容器11に蓄熱されていた熱が放出されて蓄熱容器11から熱交換器13へ熱が輸送されるので、熱交換器13を速やかに昇温することができる。また、蓄熱システム2の稼働から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖するため、蓄熱容器11から熱交換器13へ、必要以上の熱が輸送されることを確実に防止できる。
次に、本発明の第3実施形態例に係る蓄熱システムについて図面を用いながら説明する。なお、蓄熱システム1、2と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。図4に示すように、第3実施形態例に係る蓄熱システム3は、蓄熱システム1に、さらに、熱交換器13の温度を検知する第1の温度センサー23と、蓄熱容器11の温度を検知する第2の温度センサー31が設けられた態様となっている。
蓄熱システム3の操作例は、図4、9に示すように、蓄熱システム3の稼働前では、第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも閉じられた状態となっている。蓄熱システム3が起動した時における、第1の温度センサー23の検知する熱交換器の温度S1が、第1の所定温度T1未満の場合には、熱交換器13は、低温状態となっている。また、蓄熱システム3が起動した時における、第2の温度センサー31の検知する蓄熱容器の温度S2が、第2の所定温度T2未満の場合には、蓄熱容器11内の化学蓄熱材は少なくとも十分には放熱されていない状態となっている。従って、(b1)熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満、且つ蓄熱容器の温度S2が第2の所定温度T2未満の場合には、第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも開放されて、液相の熱輸送流体Lが、熱輸送流体容器12から蓄熱容器11へ供給される。液相の熱輸送流体Lは、蓄熱容器11内の化学蓄熱材と速やかに反応して反応熱Hを放出するため、蓄熱容器11内にて液相の熱輸送流体Lが化学蓄熱材の反応熱Hにより気相の熱輸送流体Gに相変化する。相変化した気相の熱輸送流体Gは蓄熱容器11から熱交換器13へ輸送される。熱交換器13へ導入された気相の熱輸送流体Gは、熱利用先100と熱的に接続されている熱交換器13へ潜熱を放出する。
気相の熱輸送流体Gは、熱交換器13にて潜熱を放出することで、液相の熱輸送流体Lに相変化し、相変化した液相の熱輸送流体Lは、熱交換器13から、開状態である第2のバルブ18を介して、熱輸送流体容器12へ返送される。
蓄熱システム3の起動から第1の所定時間t1が経過すると、熱交換器13が十分に昇温できるだけの液相の熱輸送流体Lが、化学蓄熱材に供給される。従って、第1の所定時間t1経過後に、第1のバルブ17が閉鎖されて、化学蓄熱材への液相の熱輸送流体Lの供給が停止される。放熱が完了すると、化学蓄熱材は蓄熱容器11の外部環境の熱を受熱することで吸熱反応(蓄熱)が進行し、蓄熱容器11の化学蓄熱材が熱輸送流体を反応ガスとして放出する。化学蓄熱材から放出された反応ガスは、第2の配管系15、熱交換器13、第3の配管系16を介して熱輸送流体容器12へ輸送される。
蓄熱システム3の停止から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖されることで液相の熱輸送流体Lを熱輸送流体容器12内に閉じ込めて、蓄熱容器11の放熱及び蓄熱を停止する。
一方で、蓄熱システム3が起動した時における、第1の温度センサー23の検知する熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1以上の場合は、熱交換器13及び熱交換器13に接続される熱利用先100は、既に昇温状態となっている。また、蓄熱システム3が起動した時における、第2の温度センサー31の検知する蓄熱容器の温度S2が第2の所定温度T2以上の場合には、蓄熱容器11は、既に放熱している状態となっている。従って、(b2−1)熱交換器の温度S1が第1の所定の温度T1未満且つ蓄熱容器の温度S2が第2の所定の温度T2以上の場合、(b2−2)熱交換器の温度S1が第1の所定の温度T1以上且つ蓄熱容器の温度S2が第2の所定の温度T2未満の場合、または(b2−3)熱交換器の温度S1が第1の所定の温度T1以上且つ蓄熱容器の温度S2が第2の所定の温度T2以上の場合には、蓄熱システム3の起動時に第2のバルブ18が開放される。第1のバルブ17は開放されずに第2のバルブ18が開放されることで、発熱体101から放出される熱を蓄熱容器11が受熱して蓄熱する。
更に、蓄熱システム3の稼働から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖されることで液相の熱輸送流体Lを熱輸送流体容器12内に閉じ込めて、蓄熱容器11の放熱及び蓄熱を停止する。
蓄熱システム3では、起動時における熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であることを第1の温度センサーが検知し、且つ蓄熱容器11の温度S2が第2の所定温度T2未満であることを第2の温度センサーが検知した場合に、蓄熱システム3が稼働し、蓄熱容器11に蓄熱されていた熱が放出されて蓄熱容器11から熱交換器13へ熱が輸送されるので、熱交換器13を速やかに昇温することができる。また、蓄熱システム3の稼働から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖するため、蓄熱容器11から熱交換器13へ、必要以上の熱が輸送されることを確実に防止できる。
次に、本発明の第4実施形態例に係る蓄熱システムについて図面を用いながら説明する。なお、蓄熱システム1、2、3と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。図5に示すように、第4実施形態例に係る蓄熱システム4は、蓄熱システム1に、さらに、熱交換器13の温度を検知する第1の温度センサー23と、熱輸送流体容器12に収容された液相の熱輸送流体Lの貯留量W1を検知する貯留量センサー42が設けられた態様となっている。
蓄熱システム4の操作例は、図5、10に示すように、蓄熱システム4の稼働前では、第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも閉じられた状態となっている。蓄熱システム4が起動した時における、第1の温度センサー23の検知する熱交換器の温度S1が、第1の所定温度T1未満の場合には、熱交換器13、すなわち熱利用先100は低温状態となっている。また、蓄熱システム4が起動した時における、貯留量センサー42の検知する液相の熱輸送流体Lの貯留量W1が所定量L1超の場合には、蓄熱容器11の化学蓄熱材は蓄熱された状態となっている。従って、(c1)熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満、且つ貯留量W1が所定量L1超の場合には、第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも開放されて、液相の熱輸送流体Lが、熱輸送流体容器12から蓄熱容器11へ供給される。液相の熱輸送流体Lは、蓄熱容器11内の化学蓄熱材と速やかに反応して反応熱Hを放出するため、蓄熱容器11内にて液相の熱輸送流体Lが化学蓄熱材の反応熱Hにより気相の熱輸送流体Gに相変化する。相変化した気相の熱輸送流体Gは、蓄熱容器11から熱交換器13へ輸送される。熱交換器13へ導入された気相の熱輸送流体Gは、熱利用先100と熱的に接続されている熱交換器13へ潜熱を放出する。
気相の熱輸送流体Gは、熱交換器13にて潜熱を放出することで、液相の熱輸送流体Lに相変化し、相変化した液相の熱輸送流体Lは、熱交換器13から、開状態である第2のバルブ18を介して、熱輸送流体容器12へ返送される。
蓄熱システム4の起動から第1の所定時間t1が経過すると、熱交換器13が十分に昇温できるだけの、液相の熱輸送流体Lが、化学蓄熱材に供給されるため、第1の所定時間t1経過後に、第1のバルブ17が閉鎖されて、化学蓄熱材への液相の熱輸送流体Lの供給が停止される。放熱が完了すると、化学蓄熱材は蓄熱容器11の外部環境から放出される熱を受熱することで吸熱反応(蓄熱)が進行し、蓄熱容器11の化学蓄熱材が熱輸送流体を反応ガスとして放出する。化学蓄熱材から放出された反応ガスは、第2の配管系15、熱交換器13、第3の配管系16を介して熱輸送流体容器12へ輸送される。
従って、蓄熱システム4の起動から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖されることで液相の熱輸送流体Lを熱輸送流体容器12内に閉じ込めて、蓄熱容器11の蓄熱を停止する。
一方で、蓄熱システム4が起動した時における、第1の温度センサー23の検知する熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1以上の場合は、熱交換器13、すなわち熱利用先100は、既に昇温状態となっている。また、蓄熱システム4が起動した時における、貯留量センサー42の検知する液相の熱輸送流体Lの貯留量W1が所定量L1以下の場合には、蓄熱容器11は、蓄熱されていない状態となっている。従って、(c2−1)熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満且つ貯留量W1が所定量L1以下の場合、(c2−2)熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1以上且つ貯留量W1が所定量L1超熱輸送流体全量L2未満の場合、または(c2−3)熱交換器の温度S1が第1の所定量T1以上且つ貯留量W1が所定量L1以下の場合には、第2のバルブ18が開放される。第1のバルブ17は開放されずに第2のバルブ18が開放されることで、発熱体101から放出される熱を蓄熱容器11が受熱して蓄熱する。
更に、蓄熱システム4の稼働から所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖されることで液相の熱輸送流体Lを熱輸送流体容器12内に閉じ込めて、蓄熱容器11の蓄熱を停止する。
蓄熱システム4では、起動時における、第1の温度センサー23の検知する温度S1が所定温度T1以上であり、貯留量センサー42の検知する液相熱輸送流体Lの貯留量W1が熱輸送流体全量L2の場合には、蓄熱システム4の稼働前に閉鎖されていた第1のバルブ17及び第2のバルブ18は、いずれも、そのまま、閉鎖された状態となっている。
蓄熱システム4では、稼働時における熱交換器の温度S1が所定温度T1未満であることを第1の温度センサー23が検知し、稼働時における液相の熱輸送流体Lの貯留量W1が所定量L1超であることを貯留量センサー42が検知した場合に、蓄熱システム4が稼働し、蓄熱容器11に蓄熱されていた熱が放出されて蓄熱容器11から熱交換器13へ熱が輸送されるので、熱交換器13を速やかに昇温できる。また、蓄熱システム4の稼働から第2の所定時間t2経過後に、第2のバルブ18も閉鎖するため、蓄熱容器11から熱交換器13へ、必要以上の熱が輸送されることを確実に防止できる。さらに、貯留量センサー42により蓄熱容器11が十分な蓄熱状態であることが確認された上で、循環系が稼働するので、蓄熱容器11の蓄熱をより効率化できる。
次に、本発明の第5実施形態例に係る蓄熱システムについて図面を用いながら説明する。なお、蓄熱システム1、2、3、4と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。図6に示すように、第5実施形態例に係る蓄熱システム5は、蓄熱システム1に、さらに、冷却装置50が設けられている。
冷却装置50は、第2の配管系15に配置されている。すなわち、熱交換器13の、気相の熱輸送流体Gの流れの上流側の位置に、冷却装置50が設けられている。蓄熱システム5では、冷却装置50は、熱交換器13に隣接して配置されている。冷却装置50としては既知の冷却構造、例えば、放熱フィン、水冷装置、空冷装置等を挙げることができる。
熱交換器13の、気相の熱輸送流体Gの流れの上流側に、冷却装置50が設けられることにより、熱利用先100が既に昇温している状態において、蓄熱システム5が起動し、第1のバルブ17及び第2のバルブ18が開放されても、蓄熱容器11から放出された熱は、熱交換器13へ輸送される前に、冷却装置50にて回収される。従って、蓄熱システム5では、既に昇温している状態の熱利用先100へ、熱が輸送されることを確実に防止できる。
次に、本発明の第6実施形態例に係る蓄熱システムについて図面を用いながら説明する。なお、蓄熱システム1、2、3、4、5と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。図7に示すように、第6実施形態例に係る蓄熱システム6は、蓄熱システム1に、さらに、第2の配管系15と第3の配管系16とを連通させる第4の配管系60が設けられている。
従って、第2の配管系15を流通する、気相の熱輸送流体Gは、熱交換器13を介さずに、第4の配管系60を介して、熱輸送流体容器12へ返送されることが可能となる。また、第4の配管系60には、冷却装置50が設けられている。従って、第4の配管系60にて、気相の熱輸送流体Gは、液相の熱輸送流体Lに相変化する。
また、第4の配管系60には、第4の配管系60と第3の配管系16との接続部と、冷却装置50との間に、第3の熱輸送流体供給手段として、第3のバルブ61が設けられている。従って、第2のバルブ18を閉じ、第3のバルブ61を開くことで、気相の熱輸送流体Gは、熱交換器13へと供給されずに、第4の配管系60にて液相の熱輸送流体Lに相変化して、熱輸送流体容器12へ返送される。一方で、第2のバルブ18を開けて、第3のバルブ61を閉じることで、気相の熱輸送流体Gは、第4の配管系60を流通せずに、熱交換器13へ供給される。
蓄熱システム6でも、熱利用先100が既に昇温している状態において、蓄熱システム6が起動し、第1のバルブ17が開放されても、蓄熱容器11から放出された熱は、熱交換器13へ輸送されずに、第4の配管系60の冷却装置50にて回収される。従って、蓄熱システム6では、既に昇温している状態の熱利用先100へ、熱が輸送されることを確実に防止できる。
次に、本発明の他の実施形態例について説明する。本発明の第4実施形態例に係る蓄熱システムでは、蓄熱容器の温度を検知する第2の温度センサーは設けられていなかったが、必要に応じて、さらに、第2の温度センサーを設けてもよい。また、本発明の第2〜第4実施形態例に係る蓄熱システムでも、必要に応じて、第1実施形態例に係る蓄熱システムと同様に、さらに、第2の配管系15に冷却装置50を配置されてもよい。また、本発明の第2〜第4実施形態例に係る蓄熱システムでも、必要に応じて、第1実施形態例に係る蓄熱システムと同様に、第2の配管系と第3の配管系とを連通させる第4の配管系を設け、第4の配管系に冷却装置と第3のバルブを設けてもよい。
本発明の蓄熱システムは、簡易な構成にて、加熱対象の必要以上の温度上昇の防止や、化学蓄熱材の蓄熱・放熱の動作を効率化できるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、エンジン等の内燃機関からの排熱の回収・貯蔵及び利用の分野、例えば、車両に搭載してエンジンからの排熱を回収・貯蔵及び利用する分野で、利用価値が高い。
1、2、3、4 蓄熱システム
11 蓄熱容器
12 熱輸送流体容器
13 熱交換器
14 第1の配管系
15 第2の配管系
16 第3の配管系
17 第1のバルブ
18 第2のバルブ
23 第1の温度センサー
31 第2の温度センサー
42 貯留量センサー

Claims (9)

  1. 化学蓄熱材を備えた蓄熱容器と、
    前記蓄熱容器と接続された、前記反応媒体としての機能を有する熱輸送流体が収容された熱輸送流体容器と、
    前記蓄熱容器と接続された熱交換器と、前記蓄熱容器と前記熱輸送流体容器とを接続する、第1の熱輸送流体供給手段が設けられた第1の配管系と、前記熱輸送流体容器と前記熱交換器とを接続する、第2の熱輸送流体供給手段が設けられた第3の配管系と、を備えた循環系と、を有し、
    前記循環系が、気密状態であり、減圧されている蓄熱システムであって、
    前記蓄熱システムの稼働からの時間及び/または前記熱交換器の温度に応じて前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段の開閉を制御する
    蓄熱システムであり、
    前記熱交換器の温度S1を検知する第1の温度センサーを備え、
    前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、
    (a1)前記熱交換器の温度S1が、第1の所定温度T1未満の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段が開放され、
    前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段が閉鎖され、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段が閉鎖され、
    (a2)前記熱交換器の温度S1が、前記第1の所定温度T1以上の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段が開放され、
    前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段が閉鎖される蓄熱システム。
  2. 化学蓄熱材を備えた蓄熱容器と、
    前記蓄熱容器と接続された、前記反応媒体としての機能を有する熱輸送流体が収容された熱輸送流体容器と、
    前記蓄熱容器と接続された熱交換器と、前記蓄熱容器と前記熱輸送流体容器とを接続する、第1の熱輸送流体供給手段が設けられた第1の配管系と、前記熱輸送流体容器と前記熱交換器とを接続する、第2の熱輸送流体供給手段が設けられた第3の配管系と、を備えた循環系と、を有し、
    前記循環系が、気密状態であり、減圧されている蓄熱システムであって、
    前記蓄熱システムの稼働からの時間及び/または前記熱交換器の温度に応じて前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段の開閉を制御する
    蓄熱システムであり、
    前記熱交換器の温度S1を検知する第1の温度センサーを備え、
    前記蓄熱容器の温度S2を検知する第2の温度センサーを更に備え、
    前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、(b1)前記熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であり、前記蓄熱容器の温度S2が第2の所定温度T2未満の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段が開放され、
    前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段が閉鎖され、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段が閉鎖され、
    (b2−1)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1未満であり、前記熱交換器の温度S2が前記第2の所定温度T2以上の場合、(b2−2)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記蓄熱容器の温度S2が前記第2の所定温度T2未満の場合、または(b2−3)前記熱交換器の温度S1が前記所第1の定温度T1以上であり、前記蓄熱容器の温度S2が前記第2の所定温度T2以上の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段が開放され、
    前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段が閉鎖される蓄熱システム。
  3. 化学蓄熱材を備えた蓄熱容器と、
    前記蓄熱容器と接続された、前記反応媒体としての機能を有する熱輸送流体が収容された熱輸送流体容器と、
    前記蓄熱容器と接続された熱交換器と、前記蓄熱容器と前記熱輸送流体容器とを接続する、第1の熱輸送流体供給手段が設けられた第1の配管系と、前記熱輸送流体容器と前記熱交換器とを接続する、第2の熱輸送流体供給手段が設けられた第3の配管系と、を備えた循環系と、を有し、
    前記循環系が、気密状態であり、減圧されている蓄熱システムであって、
    前記蓄熱システムの稼働からの時間及び/または前記熱交換器の温度に応じて前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段の開閉を制御する
    蓄熱システムであり、
    前記熱交換器の温度S1を検知する第1の温度センサーを備え、
    前記熱輸送流体容器に収容された熱輸送流体の貯留量W1を検知する貯留量センサーを更に備え、
    前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、
    (c1)前記熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であり、前記貯留量W1が所定量L1超の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段が開放され、
    前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段が閉鎖され、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段が閉鎖され、
    (c2−1)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1未満であり、前記貯留量W1が前記所定量L1以下の場合、(c2−2)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記貯留量W1が前記所定量L1超かつ熱輸送流体全量L2未満、または(c2−3)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記貯留量W1が前記所定量L1以下の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段が開放され、
    前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段が閉鎖される蓄熱システム。
  4. 前記蓄熱容器が、筐体と、該筐体に収容された化学蓄熱材と、前記化学蓄熱材の内部又は表面を貫通する流路と、前記化学蓄熱材と前記流路との間に設けられた拡散層と、を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄熱システム。
  5. 前記第1の熱輸送流体供給手段が、バルブである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄熱システム。
  6. 前記第2の熱輸送流体供給手段が、バルブである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蓄熱システム。
  7. 化学蓄熱材を備えた蓄熱容器と、
    前記蓄熱容器と接続された、前記反応媒体としての機能を有する熱輸送流体が収容された熱輸送流体容器と、
    前記蓄熱容器と接続され熱交換器と、
    前記熱交換器の温度S1を検知する第1の温度センサーと、
    前記蓄熱容器と前記熱輸送流体容器とを接続する、第1の熱輸送流体供給手段が設けられた第1の配管系と、前記熱輸送流体容器と前記熱交換器とを接続する、第2の熱輸送流体供給手段が設けられた第3の配管系と、を備えた循環系と、を有し、
    前記循環系が、気密状態であり、減圧されている蓄熱システムの制御方法であって、
    前記熱交換器の温度S1によって前記第1の熱輸送流体供給手段及び/または前記第2の熱輸送流体供給手段の開閉を制御する蓄熱システムの制御方法であり、
    前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、
    (a1)前記熱交換器の温度S1が、第1の所定温度T1未満の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、
    前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、
    (a2)前記熱交換器の温度S1が、前記第1の所定温度T1以上の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、
    前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖する蓄熱システムの制御方法。
  8. 化学蓄熱材を備えた蓄熱容器と、
    前記蓄熱容器と接続された、前記反応媒体としての機能を有する熱輸送流体が収容された熱輸送流体容器と、
    前記蓄熱容器と接続され熱交換器と、
    前記熱交換器の温度S1を検知する第1の温度センサーと、
    前記蓄熱容器と前記熱輸送流体容器とを接続する、第1の熱輸送流体供給手段が設けられた第1の配管系と、前記熱輸送流体容器と前記熱交換器とを接続する、第2の熱輸送流体供給手段が設けられた第3の配管系と、を備えた循環系と、を有し、
    前記循環系が、気密状態であり、減圧されている蓄熱システムの制御方法であって、
    前記熱交換器の温度S1によって前記第1の熱輸送流体供給手段及び/または前記第2の熱輸送流体供給手段の開閉を制御する蓄熱システムの制御方法であり、
    前記蓄熱容器の温度S2を検知する第2の温度センサーを更に備え、
    前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、
    (b1)前記熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であり、前記蓄熱容器の温度S2が第2の所定温度T2未満の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、
    前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、
    (b2−1)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1未満であり、前記熱交換器の温度S2が前記第2の所定温度T2以上の場合、
    (b2−2)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記蓄熱容器の温度S2が前記第2の所定温度T2未満の場合、または
    (b2−3)前記熱交換器の温度S1が前記所第1の定温度T1以上であり、前記蓄熱容器の温度S2が前記第2の所定温度T2以上の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、
    前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖する蓄熱システムの制御方法。
  9. 化学蓄熱材を備えた蓄熱容器と、
    前記蓄熱容器と接続された、前記反応媒体としての機能を有する熱輸送流体が収容された熱輸送流体容器と、
    前記蓄熱容器と接続され熱交換器と、
    前記熱交換器の温度S1を検知する第1の温度センサーと、
    前記蓄熱容器と前記熱輸送流体容器とを接続する、第1の熱輸送流体供給手段が設けられた第1の配管系と、前記熱輸送流体容器と前記熱交換器とを接続する、第2の熱輸送流体供給手段が設けられた第3の配管系と、を備えた循環系と、を有し、
    前記循環系が、気密状態であり、減圧されている蓄熱システムの制御方法であって、
    前記熱交換器の温度S1によって前記第1の熱輸送流体供給手段及び/または前記第2の熱輸送流体供給手段の開閉を制御する蓄熱システムの制御方法であり、
    前記熱輸送流体容器に収容された熱輸送流体の貯留量W1を検知する貯留量センサーを更に備え、
    前記蓄熱システムの稼働時、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段は閉鎖されており、
    (c1)前記熱交換器の温度S1が第1の所定温度T1未満であり、前記貯留量W1が所定量L1超の場合には、前記第1の熱輸送流体供給手段及び前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、
    前記蓄熱システムの稼働から第1の所定時間t1経過後、前記第1の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、その後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖し、
    (c2−1)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1未満であり、前記貯留量W1が前記所定量L1以下の場合、
    (c2−2)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記貯留量W1が前記所定量L1超かつ熱輸送流体全量L2未満、または
    (c2−3)前記熱交換器の温度S1が前記第1の所定温度T1以上であり、前記貯留量W1が前記所定量L1以下の場合には、前記第2の熱輸送流体供給手段を開放し、
    前記蓄熱システムの稼働から第2の所定時間t2経過後、前記第2の熱輸送流体供給手段を閉鎖する蓄熱システムの制御方法。
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