JP2016070222A - 電磁ポンプ - Google Patents

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恵章 廣田
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恵章 廣田
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Abstract

【課題】電磁ポンプの効率が低下している状態が継続するのを抑制する。【解決手段】ピストン60のピストン本体62に、正常時にはポンプ室56と吐出ポート44とを連通せず、ポンプ室56のエア溜まりに起因する吐出圧の低下に伴ってポンプ室56と吐出ポート44とを連通する凹部64を形成する。これにより、ポンプ室56のエア溜まりに起因する吐出圧の低下が生じたときに、ポンプ室56内のエアを凹部64を介して吐出ポート44に排出することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁ポンプに関し、詳しくは、複数のポートを有するシリンダと、シリンダ内を摺動するピストンと、電磁力によりピストンを往動させる電磁部と、弾性力によりピストンを復動させる付勢部材とを備える電磁ポンプに関する。
従来、この種の電磁ポンプとしては、シリンダと、シリンダ内を摺動するピストンと、電磁力によりピストンを往動させるソレノイド部と、弾性力によりピストンを復動させるコイルスプリングとを備え、ピストンを往復動させることにより、吸入ポートから吸入用逆止弁を介して作動流体をポンプ室に吸入すると共に吸入した作動流体をポンプ室から吐出用逆止弁を介して吐出ポートに吐出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電磁ポンプでは、コイルスプリングの付勢力によりピストンがソレノイド部側に移動(復動)するときには、吸入用逆止弁が開弁すると共に吐出用逆止弁が閉弁して、ポンプ室の容積の拡大分に相当する量の作動流体が吸入ポートから吸入用逆止弁を介してポンプ室に吸入される。また、ソレノイド部の電磁力によりピストンが移動(往動)するときには、吐出用逆止弁が開弁すると共に吸入用逆止弁が閉弁して、ポンプ室の容積の縮小分に相当する量の作動流体がポンプ室から吐出用逆止弁を介して吐出ポートに吐出される。
特開2014−88856号公報
上述の電磁ポンプでは、エアが吸入ポートから吸い込まれてポンプ室に溜まると、ピストンを往復動させてポンプ室内の作動流体を吐出用逆止弁を介して吐出ポートに吐出する際に、ポンプ室内のエアを圧縮した後に吐出用逆止弁が開弁して作動流体を吐出ポートに吐出する。このため、圧縮したエアの分だけ吐出ポートに吐出する作動流体の量が減少し、吐出圧が低下して効率が低下する。また、ポンプ室内にエアが溜まると、吸入ポートから吸入用逆止弁を介してポンプ室内に作動流体を吸入するときに、ポンプ室内の負圧がエア溜まりによって大きくならず、作動流体をポンプ室に十分に吸入することができない。このため、ポンプ室から吐出ポートに吐出する作動流体の量が減少し、吐出圧が低下して効率が下がる。そして、これらの場合、エアを電磁ポンプ外に排出することができないと、吐出圧の低下が継続し、効率が低下している状態が継続する。
本発明の電磁ポンプは、電磁ポンプの効率が低下している状態が継続するのを抑制することを主目的とする。
本発明の電磁ポンプは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の電磁ポンプは、
複数のポートを有するシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンと、電磁力により前記ピストンを往動させる電磁部と、弾性力により前記ピストンを復動させる付勢部材とを備え、ピストンを往復動させることにより、吸入ポートを介して作動流体をポンプ室に吸入すると共に吸入した作動流体を前記ポンプ室から吐出ポートを介して吐出する電磁ポンプであって、
吐出圧の低下に伴って前記ポンプ室と所定ポートとを連通させる連通路を有する、ことを特徴とする。
この本発明の電磁ポンプでは、吐出圧の低下に伴ってポンプ室と複数のポートのうち所定ポート(例えば吐出ポート)とを連通する連通路を設ける。これにより、ポンプ室内にエア溜まりが生じて吐出圧が低下したときに、ポンプ室内のエアを連通路を介して所定ポートに排出することができるから、電磁ポンプの効率が低下している状態が継続するのを抑制することができる。
電磁ポンプ20の構成の概略を示す構成図である。 ピストン60および板バネ90の構成の概略を示す構成図である。 ピストン60のピストン本体62の凹部63よりシャフト部66側の部分の斜視図および断面図である。 ピストン60のストローク量について示す説明図である。 ピストン60のストローク量が正常時上限値のときのピストン60の位置を示す説明図である。 ピストン60のストローク量が正常時下限値のときのピストン60の位置を示す説明図である。 ピストン60のストローク量が正常時下限値より小さいときのピストン60の位置を示す説明図である。 ピストン本体62Bの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 ピストン本体62Cの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 ピストン本体62Dの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 ピストン本体62Eの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 ピストン本体62Fの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 ピストン本体62Gの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 ピストン本体62Hの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 ピストン本体62Iの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 ピストン本体62Jの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。 電磁ポンプ120のポンプ部140の一例の構成の概略を示す構成図である。 電磁ポンプ220のポンプ部240の一部を模式的に示した模式図である。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての電磁ポンプ20の構成の概略を示す構成図である。本実施形態の電磁ポンプ20は、図示するように、電磁力を発生させるソレノイド部30と、ソレノイド部30の電磁力により作動するポンプ部40と、を備える。なお、電磁ポンプ20は、例えば、エンジンと自動変速機とを搭載し、車速が所定車速未満などのエンジン停止条件が成立したときにエンジンを停止し、エンジン始動条件が成立したときに停止したエンジンを始動するアイドリングストップ機能付きの自動車において、エンジン停止時に自動変速機が備える摩擦係合要素のうち発進用の摩擦係合要素に所定の待機圧を供給するためのポンプとして構成されている。この電磁ポンプ20は、図1中上側が自動車の搭載時に上側となるように自動車に搭載される。
ソレノイド部30は、電磁コイル32と、電磁コイル32より内側に配置されて軸方向に移動するプランジャ34と、電磁コイル32とプランジャ34との間に配置される第1コア35と、プランジャ34や第1コア35よりポンプ部40側で且つ電磁コイル32より内側の内周部と電磁コイル32よりポンプ部40側のフランジ部とを有する第2コア36と、プランジャ34に連動して軸方向に移動するシャフト38と、これらを収容する有底筒状のソレノイドケース31と、を備える。第2コア36のプランジャ34側(図中右側)には、プランジャ34の外径より大きい内径の凹部36aが形成されている。
このソレノイド部30では、電磁コイル32に通電されると、ソレノイドケース31,第2コア36,プランジャ34,第1コア35,ソレノイドケース31を通る磁束により、プランジャ34が第2コア36側(図中左側)に吸引される。これにより、プランジャ34は、その先端面(図中左端面)に当接するシャフト38をポンプ部40側に移動させながら、先端部が第2コア36の凹部36aに侵入する。
ポンプ部40は、ピストンポンプとして構成されており、ソレノイド部30からの電磁力(図中左向きの付勢力)とコイルスプリング46による付勢力(図中右向きの付勢力)とによってピストン60が往復動することにより、作動油を圧送する。
このポンプ部40は、一端側(図中右端側)がソレノイド部30のソレノイドケース31に固定された中空円筒状のシリンダ本体50と、シリンダ本体50内を摺動可能に配置されるピストン60と、ピストン60の先端部(図中左端部)に取り付けられた板バネ90と、ピストン60をソレノイド部30側に付勢するコイルスプリング46と、を備える。また、ポンプ部40は、シリンダ本体50の他端部(図中左端部)の内周側に取り付けられた吸入用逆止弁70と、吸入用逆止弁70の吸入口に配設されると共に吸入される作動油に含まれるゴミなどの異物を捕捉するストレーナ47と、ピストン60に内蔵された吐出用逆止弁80と、シリンダ本体50の他端側(図中左端側)を覆うシリンダカバー48と、を備える。このポンプ部40には、吸入ポート42が、シリンダカバー48の軸中心に形成されており、吐出ポート44が、シリンダ本体50の側面に周方向の一部を切り欠くようにして形成されている。また、シリンダ本体50の内壁51とピストン60と吸入用逆止弁70とにより、ポンプ室56が形成されている。
図2は、ピストン60および板バネ90の構成の概略を示す構成図である。図1や図2に示すように、ピストン60は、円筒状のピストン本体62と、ピストン本体62より小さい外径でピストン本体62からシャフト38側に延出する円筒状のシャフト部66と、を有する。ピストン60は、シャフト部66のソレノイド部30側の端面(図1中右端面)がソレノイド部30のシャフト38の先端面(図1中左端面)と当接しており、ソレノイド部30のシャフト38に連動して軸方向に移動する。
ピストン60には、軸中心に中空部62aが形成されている。この中空部62aには、吐出用逆止弁80が配置されている。また、中空部62aは、ピストン60の先端側(図1,図2中左端側)からピストン本体62の内部を貫通してシャフト部66の内部の途中まで延びている。シャフト部66には、それぞれ径方向に貫通すると共に互いに周方向の90度の角度で交差する2つの貫通孔66a,66bが形成されている。シャフト部66の周囲には、吐出ポート44が形成されており、中空部62aは、2つの貫通孔66a,66bを介して吐出ポート44と連通している。
ピストン本体62の外周には、板バネ90を取り付けるための凹部63が全周に亘って形成されている。また、ピストン本体62の外周の凹部63よりシャフト部66側には、電磁ポンプ20(自動車への搭載時)における上側および下側に、ピストン本体62の軸方向に延びる2つの凹部64が形成されている。この凹部64の詳細については後述する。
吸入用逆止弁70は、吸入ポート42からポンプ室56に吸入する方向の作動油の流れを許容すると共に逆方向の作動油の流れを禁止する逆止弁として構成されている。この吸入用逆止弁70は、図1に示すように、吸入ポート42側(図中左側)から軸中心に中空部72aが形成された弁本体72と、中空部72aに配置されたボール74と、ボール74の座部となると共にボール74の外径より小さい内径の中心孔79を有するプラグ78と、ボール74をプラグ78側に付勢するコイルスプリング76と、を備える。
弁本体72は、円筒状の台座部73aと、台座部73aより小さい外径で台座部73aからピストン60側に延出する突出部73bと、を有する。弁本体72の内部に形成された中空部72aは、吸入ポート42側から台座部73aの内部を貫通して突出部73bの途中まで延びている。突出部73bのピストン60側(図中右側)の端部の軸中心には、中空部72aとポンプ室56とを連通させる中心孔72bが形成されている。また、突出部73bには、径方向に貫通すると共に互いに周方向の90度の角度で交差する2つの貫通孔72c,72dが形成されている。中空部72aは、この2つの貫通孔72c,72dを介してポンプ室56と連通している。
吸入用逆止弁70は、入力側(吸入ポート42側)の圧力P1と出力側(ポンプ室56側)の圧力P2との差圧(P1−P2)がコイルスプリング76の付勢力に打ち勝つ所定圧力以上のときには、コイルスプリング76の収縮を伴ってボール74がプラグ78の中心孔79から離される(図中右側に移動する)ことにより開弁し、上述した差圧(P1−P2)が所定圧力未満のときには、コイルスプリング76の伸張を伴ってボール74がプラグ78の中心孔79に押し付けられて中心孔79を塞ぐことにより閉弁する。
吐出用逆止弁80は、ポンプ室56から吐出ポート44に吐出する方向の作動油の流れを許容すると共に逆方向の作動油の流れを禁止する逆止弁として構成されている。この吐出用逆止弁80は、ボール84と、ボール84の座部となると共にボール84の外径より小さい内径の中心孔89を有するプラグ88と、ボール84をプラグ88側に付勢するコイルスプリング86と、を備える。
この吐出用逆止弁80は、入力側(ポンプ室56側)の圧力P2と出力側(吐出ポート44側)の圧力P3との差圧(P2−P3)がコイルスプリング86の付勢力に打ち勝つ所定圧力以上のときには、コイルスプリング86の収縮を伴ってボール84がプラグ88の中心孔89から離される(図中右側に移動する)ことにより開弁し、差圧(P2−P3)が所定圧力未満のときには、コイルスプリング86の伸張を伴ってボール84がプラグ88の中心孔89に押し付けられて中心孔89を塞ぐことにより閉弁する。
板バネ90は、図1や図2に示すように、周方向に沿って複数の連通孔が形成された円盤状の円盤部92と、円盤部92の外周縁から直交方向に延出する複数の脚部94と、脚部94の先端部に内側に屈曲するように形成された爪部94aと、備える。この板バネ90は、ピストン本体62の先端部側からピストン60に装着され、爪部94aがピストン本体62の凹部63に係合してカシメられることにより、ピストン60に取り付けられる。板バネ90がピストン60に取り付けられると、円盤部92の外周部分(連通孔を含まない部分)は、ピストン本体62の環状の端面と当接し、円盤部92の内周部分(連通孔を含む部分)は、プラグ88の端面との間でクリアランスが確保される。即ち、円盤部92の内周部分は弾性変形可能な領域を形成するから、この領域に対する衝撃を吸収する衝撃吸収部材として機能する。この円盤部92の弾性変形可能な領域の外径は、弁本体72の突出部73bの突出端面の外径R1より大きい値とされている。
シリンダ本体50は、内壁51とピストン60と吸入用逆止弁70とによって囲まれる空間によりポンプ室56を形成する。ポンプ室56は、コイルスプリング46の付勢力によりピストン60がソレノイド部30側に移動(復動)すると、ポンプ室56内の容積の拡大に伴って吸入用逆止弁70が開弁すると共に吐出用逆止弁80が閉弁して吸入ポート42を介して作動油を吸入し、ソレノイド部30の電磁力によりピストン60が吸入用逆止弁70側に移動(往動)すると、ポンプ室56内の容積の縮小に伴って吸入用逆止弁70が閉弁すると共に吐出用逆止弁80が開弁して吸入した作動油を吐出ポート44を介して吐出する。
また、シリンダ本体50には、ピストン本体62が摺接する内壁(ランド)52と、シャフト部66が摺接する内壁(ランド)54とが段差をもって形成されており、段差部分に吐出ポート44が形成されている。この段差部分は、ピストン本体62とシャフト部66との段差部分の環状の面(図1中右側の面)とシャフト部66の外周面とにより囲まれる空間を形成する。この空間は、ピストン本体62を隔ててポンプ室56とは反対側に形成されるから、ポンプ室56の容積が拡大する際に容積が縮小し、ポンプ室56の容積が縮小する際に容積が拡大する。ここで、ピストン60の、ポンプ室56側からの圧力を受ける面積(受圧面積)が吐出ポート44側から圧力を受ける面積(受圧面積)より大きいことから、この空間の容積変化は、ポンプ室56の容積変化より小さくなる。このため、この空間は第2ポンプ室58として機能する。即ち、コイルスプリング46の付勢力によりピストン60がソレノイド部30側に移動(復動)すると、ポンプ室56の容積の拡大分に相当する量の作動油が吸入ポート42から吸入用逆止弁70を介してポンプ室56に吸入されると共に第2ポンプ室58の容積の縮小分に相当する量の作動油が第2ポンプ室58から吐出ポート44を介して吐出され、ソレノイド部30の電磁力によりピストン60が移動(往動)すると、ポンプ室56の容積の縮小分に相当する量の作動油がポンプ室56から吐出用逆止弁80を介して第2ポンプ室58に送り出されると共にポンプ室56の容積の縮小分と第2ポンプ室58の容積の拡大分との差分に相当する量の作動油が吐出ポート44を介して吐出されることになる。したがって、ピストン60の1回の往復動で作動油が吐出ポート44から2回吐出されるから、吐出ムラを少なくすることができ、吐出性能を向上させることができる。
こうして構成される本実施形態の電磁ポンプ20では、図1に示すように、ピストン60のストローク量が値0のとき(プランジャ34がソレノイドケース31の内底面に最接近するまたは当接するとき)の、プランジャ34の先端面とこれに対向する第2コア36の凹部36aの底面との距離をL1とし、ピストン60の先端部(板バネ90)とこれに対向する弁本体72の突出端面との距離をL2とすると、「L1>L2」となるように設計されている。したがって、ソレノイド部30の駆動(電磁コイル32への通電)に伴ってピストン60が往動するときには、板バネ90が弁本体72の突出端面と衝突し、プランジャ34は第2コア36の凹部36aの底面に衝突しない。板バネ90は、その弾性変形可能な領域の外径R2が弁本体72の突出端面の外径R1より大きい値とされているから、ピストン60に加わる衝撃を弾性力により吸収し、衝突音の発生を抑制することができる。本実施形態の電磁ポンプ20では、車両に搭載されて車両の停車中のエンジン停止時に駆動されるから、乗員が異音の発生を感じやすい。このため、電磁ポンプ20の駆動に伴う衝突音の発生を抑制することにより、乗員の快適性をより向上させることができる。
また、本実施形態の電磁ポンプ20では、ピストン60の効率が高くなるようにストローク可能範囲のうち正常時ストローク範囲が定められ、ピストン60のストローク量が正常時ストローク範囲内で増減するように、電磁コイル32への通電と非通電とのデューティ制御が行なわれる。即ち、デューティ比に応じた電磁コイル32への通電時のピストン60のストローク量(以下、「オン時ストローク量」という)が正常時ストローク範囲の上限(以下、「正常時上限値」という)となり、デューティ比に応じた電磁コイル32への非通電時のピストン60のストローク量(以下、「オフ時ストローク量」という)が正常時ストローク範囲の下限「以下、「正常時下限値」という)となるように、電磁コイル32に対するデューティ制御が行なわれるのである。ここで、正常時は、ポンプ室56にエアが溜まっていないときを意味する。また、正常時上限値は、板バネ90が弁本体72の突出端面に当接するときのピストン60のストローク量である。
次に、本実施形態の電磁ポンプ20のポンプ部40のピストン60に形成された凹部64の詳細について説明する。図3は、ピストン60のピストン本体62の凹部63よりシャフト部66側の部分の斜視図および断面図である。図3(a)は、図3(b)の断面図(図1のピストン本体62の該当部分)を左斜め上側から見た斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の斜視図の軸中心A1を通る手前奥方向の平面の断面図である。また、図3(b)の点線は、凹部64を形成する前のピストン本体62の外形を示す。なお、図3(a)では、中空部72a等については図示を省略した。さらに、図3では、図中左右方向はピストン本体62の軸方向であり、図中左側はポンプ室56側であり、図中右側は吐出ポート44側である。
図3に示すように、凹部64は、軸方向の長さがシリンダ本体50の内壁52の軸方向の長さより若干長くなるように形成されている。また、この凹部64は、底面64aと、底面64aとピストン本体62の外周面とを繋ぐ壁面64bと、を有する。底面64aは、幅(図3(a)中上下方向の長さ)がポンプ室56側から吐出ポート44側に向かうにつれて徐々に狭くなる三角形状で且つ深さ(図3(b)中上下方向の長さ)が軸方向で一定の平坦面とされている。以下、凹部64をこのように形成する理由について説明する。
図4は、ピストン60のストローク量について示す説明図であり、図5は、ピストン60のストローク量が正常時上限値のときのピストン60の位置を示す説明図であり、図6は、ピストン60のストローク量が正常時下限値のときのピストン60の位置を示す説明図であり、図7は、ピストン60のストローク量が正常時下限値より小さいときのピストン60の位置を示す説明図である。
図4〜図6に示すように、正常時には、ピストン60のストローク量がストローク可能範囲のうち正常時ストローク範囲内で増減し、凹部64を介してポンプ室56と吐出ポート44とは連通されない。これに対して、吸入ポート42からエアが吸い込まれてポンプ室56に溜まると、ピストン60が吸入用逆止弁70側に移動(往動)するときに、エア溜まりの分だけポンプ室56から吐出ポート44に吐出する作動油の量が減少し、吐出圧が低下する。また、エアがポンプ室56に溜まると、ピストン60がソレノイド部30側に移動(復動)するときに、ポンプ室56の負圧が大きくならず、ポンプ室56に吸入する作動油の量が減少し、これにより、ポンプ室56から吐出ポート44に吐出する作動油の量が減少し、吐出圧が低下する。こうして吐出圧が低下すると、コイルスプリング46による付勢力と吐出ポート44(第2ポンプ室58)の油圧との差分が大きくなり、ピストン60のオフ時ストローク量が正常時下限値を下回り(図6の位置より右側に移動し)、ピストン60のストローク範囲(オン時ストローク量〜オフ時ストローク量)が正常時ストローク範囲よりソレノイド部30側(図4中右側)に移動する。このため、電磁ポンプ20の効率が低下する。そして、図4や図7に示すように、ピストン60のストローク量が正常時下限値から余裕代を減じた値より小さくなると、凹部64を介して、即ち、吸入用逆止弁70や吐出用逆止弁80を介さずに、ポンプ室56と吐出ポート44とが連通される。ここで、余裕代は、ピストン60のストローク量が正常時ストローク範囲内で増減するときにピストン本体62と内壁52との摺接面によりポンプ室56と吐出ポート44との間のシール性を確保することができるように定められる。また、図4では、ポンプ室56がエアが溜まって吐出圧が低下しているときのピストン60のストローク範囲を異常時ストローク範囲とし、凹部64によりポンプ室56と吐出ポート44とが連通されるピストン60のストローク範囲を連通範囲とした。凹部64は、このように、ピストン60のストローク量が正常時ストローク範囲内で増減するときにはポンプ室56と吐出ポート44とを連通せず、ピストン60のストローク量が連通範囲に至るときにポンプ室56と吐出ポート44とを連通するように、ピストン60のピストン本体62に形成されるのである。凹部64を介してポンプ室56と吐出ポート44とが連通すると、その凹部64を介して、ポンプ室56内のエアが吐出ポート44に排出されると共に吐出ポート44の作動油がポンプ室56に供給される。こうしてポンプ室56内のエアを排出すると、ピストン60のストローク範囲が吸入用逆止弁70側(図4中左側)に移動する。これにより、電磁ポンプ20の効率が低下している状態が継続するのを抑制することができる。しかも、本実施形態では、凹部64は、ポンプ室56側から吐出ポート44側に向かうにつれて幅が徐々に狭くなるように形成される。したがって、ポンプ室56にエアが溜まって吐出圧が低下してピストン60のストローク範囲がソレノイド部30側(図4中右側)に徐々に移動していくときに、凹部64の吐出ポート44側の開口面積が徐々に大きくなる。これにより、凹部の幅がポンプ室56側から吐出ポート44側まで一定となるものに比して、ピストン本体62とシリンダ本体50の内壁52との摺接面積を大きくしてこれらによるポンプ室56と吐出ポート44との間のシール性をより確保することができると共に、ピストン60のストローク量が低下するのにつれてポンプ室56のエアと吐出ポート44の作動油との置換量を滑らかに増加させることができる。
また、こうした凹部64をピストン本体62に形成することにより、ポンプ室56と吐出ポート44とで作動油やエアを常時やりとりできる連通路を設けるものに比して、正常時の電磁ポンプの効率を高くすることができる。また、こうした凹部64をピストン本体62に形成することにより、エアを排出用のバルブを設けるものに比して、バルブ用の追加スペースを設ける必要がなく、電磁ポンプの大型化を抑制することができる。
さらに、こうした凹部64をピストン本体62に形成することにより、ポンプ室56に溜まるエアの量が多くなって吸入用逆止弁72が開かなくなる場合でも、ポンプ室56と吐出ポート44との連通により、ポンプ室56と吐出ポート44との間でエアと作動油とを置換することができる。
以上説明した本実施形態の電磁ポンプ20によれば、ピストン60のピストン本体62に、ポンプ室56のエア溜まりに起因する吐出圧の低下に伴ってポンプ室56と吐出ポート44とを連通する凹部64を形成するから、ポンプ室56のエア溜まりに起因する吐出圧の低下が生じたときに、ポンプ室56内のエアを凹部64を介して吐出ポート44に排出することができる。この結果、電磁ポンプ20の効率が低下している状態が継続するのを抑制することができる。
上述の実施形態の電磁ポンプ20では、図3に示したように、ピストン60のピストン本体62に、ポンプ室56側から吐出ポート44側に向かうにつれて幅が狭くなり且つ深さが軸方向で一定の凹部64を形成するものとしたが、ポンプ室56のエア溜まりに起因する吐出圧の低下に伴ってポンプ室56と吐出ポート44とを連通する連通路を形成するものであればよい。図8〜図16は、他の実施形態に係るピストン60B〜60Jのピストン本体62B〜62Jの図3に相当する部分の斜視図および断面図である。図8(a)〜図16(a)は、図8〜図16(b)の断面図を左斜め上側から見た斜視図であり、図8(b)〜図16(b)は、図8(a)〜図16(a)の斜視図の軸中心A2〜A10を通る手前奥方向の平面の断面図である。また、図8(b)〜図16(b)の点線は、連通路を形成する前のピストン本体62B〜62Jの外形を示す。なお、図8(a)〜図16(a)では、図3(a)と同様に、中空部72a等については図示を省略した。また、図8(a),(b)〜図16(a),(b)では、図3(a),(b)と同様に、図中左右方向はピストン本体62B〜62Jの軸方向であり、図中左側はポンプ室56側であり、図中右側は吐出ポート44側である。
図8(a),(b)に示すように、ピストン60Bのピストン本体62Bには、連通路として、図中左端から右端側に向けてその途中まで、2つの凹部64Bが形成されている。凹部64Bは、底面64Baと、底面64Baとピストン本体62の外周面とを繋ぐ壁面64Bbと、を有する。底面64Baは、幅(図8(a)中上下方向の長さ)が軸方向の各位置で一定となる長方形状で且つ深さ(図8(b)中上下方向の長さ)が軸方向で一定の平坦面とされている。
図9(a),(b)に示すように、ピストン60Cのピストン本体62Cには、連通路として、図中左端から右端側に向けてその途中まで、2つの凹部64Cが形成されている。凹部64Cは、底面64Caと、底面64Caとピストン本体62Cの外周面を繋ぐ壁面64Cbと、を有する。底面64Caは、幅が軸方向の各位置で一定となる長方形状で且つ深さがポンプ室56側から吐出ポート44側に向かうにつれて徐々に浅くなる平坦面とされている。このように、深さがポンプ室56側から吐出ポート44側に向けて徐々に浅くなるように凹部64Cを形成することにより、ピストン60Cのストローク量が低下するのにつれて、ポンプ室56のエアと吐出ポート44の作動油との置換量を滑らかに増加させることができる。
図10(a),(b)に示すように、ピストン60Dのピストン本体62Dには、連通路として、図中左端から右端側に向けてその途中まで、2つの凹部64Dが形成されている。凹部64Dは、底面64Daと、底面64Daとピストン本体62Dの外周面を繋ぐ壁面64Dbと、を有する。底面64Daは、幅が軸方向の各位置で一定となり且つ深さがポンプ室56側から吐出ポート44側に向かうにつれて一旦深くなってから浅くなる曲面とされている。
図11(a),(b)に示すように、ピストン60Eのピストン本体62Eには、連通路として、図中左端から右端側に向けてその途中まで、2つの切欠64Eが形成されている。切欠64Eは、幅(図11(a)中上下方向の長さ)が軸方向の各位置で一定となる長方形状で且つ深さ(図11(b)中上下方向の長さ)が軸方向で一定の平坦面64Eaを有する。
図12(a),(b)に示すように、ピストン60Fのピストン本体62Fには、連通路として、図中左端から右端側に向けてその途中まで、2つの切欠64Fが形成されている。切欠64Fは、幅がポンプ室56側から吐出ポート44側に向けて徐々に狭くなり且つ深さがポンプ室56側から吐出ポート44側に向けて徐々に浅くなる平坦面64Faを有する。このように、幅がポンプ室56側から吐出ポート44側に向けて徐々に狭くなるように切欠64Fを形成することにより、上述の実施形態の凹部64と同様に、ピストン本体62Fとシリンダ本体50の内壁52との摺接面によるポンプ室56と吐出ポート44との間のシール性をより確保することができると共に、ピストン60Fのストローク量が低下するのにつれて、ポンプ室56のエアと吐出ポート44の作動油との置換量を滑らかに増加させることができる。また、深さがポンプ室56側から吐出ポート44側に向けて徐々に浅くなるように切欠64Fを形成することにより、ピストン60Fのストローク量が低下するのにつれて、ポンプ室56のエアと吐出ポート44の作動油との置換量を滑らかに増加させることができる。
図13(a),(b)に示すように、ピストン60Gのピストン本体62Gには、連通路として、図中左端より若干右側の位置から右端側に向けてその途中まで、2つの切欠64Gが形成されている。切欠64Gは、幅が軸方向の各位置で一定となる長方形状で且つ深さが軸方向で一定の平坦面64Gaを有する。
図14(a),(b)に示すように、ピストン60Hのピストン本体62Hは、連通路として、図中左端より若干右側の位置から右端側に向けてその途中まで、全周に亘ってピストン本体62の外径より小さい外径の凹部64Hが形成されている。
図15(a),(b)に示すように、ピストン60Iのピストン本体62Iは、連通路として、図中右端よりある程度左側の位置から左端に向けて外径が徐々に小さくなる円錐台部64Iを有する。このように、ポンプ室56側から吐出ポート44側に向けて徐々に外径が大きくなるように円錐台部62Iを形成することにより、ピストン60Iのストローク量が低下するのにつれて、ポンプ室56のエアと吐出ポート44の作動油との置換量を滑らかに増加させることができる。
図16(a),(b)に示すように、ピストン60Jのピストン本体62Jは、連通路として、図中左端から所定範囲の全周に亘る凹部65Jと、凹部65Jの右端からピストン本体62の右端側に向けてその途中までの軸方向に延在する2つの切欠64Jと、が形成されている。切欠64Jは、幅が軸方向の各位置で一定となる長方形状で且つ深さが軸方向で一定の平坦面64Jaを有する。
上述の実施形態の電磁ポンプ20では、連通路として、ピストン60のピストン本体62に、自動車に搭載されたときに上側となる位置と下側となる位置とに1つずつ凹部64を形成するものとしたが、ポンプ室56の上部にエアが溜まったときにそれを吐出ポートに排出することができればよいから、自動車に搭載されたときに上側となる位置にだけ形成するものとしてもよいし、この上側となる位置に1つ形成すると共に下側となる位置以外の位置に1つ形成するものとしてもよいし、上側となる位置に1つ形成すると共にその他の位置に2つ以上形成するものとしてもよい。
上述の実施形態の電磁ポンプ20では、ピストン60のピストン本体62に、ポンプ室56のエア溜まりに起因する吐出圧の低下に伴ってポンプ室56と吐出ポート44とを連通する凹部64を形成するものとしたが、ポンプ室56と吐出ポート44以外のポートとを連通する連通路を形成するものとしてもよい。図17は、他の実施形態の電磁ポンプ120のポンプ部140の一例の構成の概略を示す構成図である。この図17は、ピストン60のストローク量が正常時下限値のときのピストン60の位置を示す。図17に示すように、このポンプ部140では、シリンダ本体150の吐出ポート44よりシリンダカバー48側(図中左側)に、チェックバルブ(逆止弁)152に連通するエア抜き用ポート151が形成される。チェックバルブ152は、エア抜き用ポート151側からドレン側へのエアの流れを許容すると共に逆方向のエアの流れを禁止する逆止弁として構成されている。また、ピストン160のピストン本体162に形成される凹部164は、ピストン60のストローク量が正常時ストローク範囲内で増減するときにはポンプ室56とエア抜き用ポート151とを連通せず、ピストン60のストローク量が正常時下限値からある程度小さくなったとき(図17の位置からある程度右側に移動したとき)にポンプ室56とエア抜き用ポート151とを連通するように形成される。こうすれば、ポンプ室56にエアが溜まったときに、そのエアを凹部164,エア抜き用ポート151,チェックバルブ152を介してドレン(排出)することができる。なお、この場合、電磁ポンプ20でポンプ室56と吐出ポート44とを連通する場合とは異なり、ポンプ室56に作動油は流入しないから、エアの排出後に吸入ポート42からポンプ室56に作動油を吸入する際にエアの排出分を含めて吸入することになる。
上述の実施形態の電磁ポンプ20では、連通路としての凹部64をピストン60のピストン本体62に形成するものとしたが、連通路をピストン本体62には形成せずにシリンダ本体50に形成するものとしてもよいし、連通路をピストン本体62とシリンダ本体50との両方に形成するものとしてもよい。図18は、他の実施形態の電磁ポンプ220のポンプ部240の一部を模式的に示した模式図である。この図18は、連通路を、ピストン260のピストン本体262には設けずに、シリンダ本体250に凹部251として設けた場合を示す。また、図18は、ピストン260のストローク量が正常時下限値のときのピストン260の位置を示す。このポンプ部240では、シリンダ本体250に形成される連通路としての凹部251は、ピストン60のストローク量が正常時ストローク範囲内で増減するときにはポンプ室56と吐出ポート44とを連通せず、ピストン60のストローク量が正常時ストローク範囲の下限からある程度小さくなったとき(図18の位置からある程度右側に移動したとき)にポンプ室56と吐出ポート44とを連通するように形成される。こうすれば、ポンプ室56にエアが溜まったときに、そのエアを凹部264を介して吐出ポート44に排出することができる。
上述の実施形態の電磁ポンプ20では、ピストン60の先端部に板バネ90を取り付け、ピストン60のストローク量が値0のときの、プランジャ34の先端面とこれに対向する第2コア36の凹部36aの底面との距離L1より、ピストン60の先端部(板バネ90)とこれに対向する弁本体72の突出端面との距離L2を短くするものとしたが、ピストン60の先端部に板バネ90を取り付けないものとしてもよい。この場合、各部材の耐久性や衝突音の大きさなどを考慮して、距離L1と距離L2との大小関係を定めればよい。また、プランジャ34の先端面が第2コア36の凹部36aの底面に衝突せず、且つ、ピストン60の先端部が弁本体72の突出端面に衝突しない範囲で、ピストン60のストローク量の正常時上限値を定めて、電磁コイル32に対するデューティ制御を行なうものとしてもよい。
次に、本発明の電磁ポンプについて説明する。
本発明の電磁ポンプは、複数のポートを有するシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンと、電磁力により前記ピストンを往動させる電磁部と、弾性力により前記ピストンを復動させる付勢部材とを備え、ピストンを往復動させることにより、吸入ポートを介して作動流体をポンプ室に吸入すると共に吸入した作動流体を前記ポンプ室から吐出ポートを介して吐出する電磁ポンプであって、吐出圧の低下に伴って前記ポンプ室と所定ポートとを連通させる連通路を有する、ことを特徴とする。
この本発明の電磁ポンプでは、吐出圧の低下に伴ってポンプ室と複数のポートのうち所定ポート(例えば吐出ポート)とを連通する連通路を設ける。これにより、ポンプ室内にエア溜まりが生じて吐出圧が低下したときに、ポンプ室内のエアを連通路を介して所定ポートに排出することができるから、電磁ポンプの効率が低下している状態が継続するのを抑制することができる。
こうした本発明の電磁ポンプにおいて、前記吸入ポートから前記ポンプ室への作動流体の流れを許容する吸入用逆止弁と、前記ポンプ室から前記吐出ポートへの作動流体の流れを許容する吐出用逆止弁と、を備え、前記連通路は、吐出圧の低下に伴って、前記吸入用逆止弁および前記吐出用逆止弁を介さずに前記ポンプ室と前記所定ポートとを連通させる、ものとすることもできる。
本発明の電磁ポンプにおいて、前記連通路は、前記シリンダの内周面と前記ピストンの外周面との少なくとも一方に、軸方向に延在するように形成されている、ものとすることもできる。
本発明の電磁ポンプにおいて、前記連通路は、前記ポンプ室側から前記所定ポート側に向かうにつれて幅が狭くなるように形成されている、ものとすることもできる。こうすれば、幅が一定となるように形成されるものに比して、ピストンとシリンダとの摺接面積を大きくしてこれらによるポンプ室と所定ポートとの間のシール性をより確保することができると共に、ピストンのストローク量が低下するのにつれてポンプ室のエアの排出量を滑らかに増加させることができる。
本発明の電磁ポンプにおいて、前記連通路は、前記ポンプ室側から前記所定ポート側に向かうにつれて深さが浅くなるように形成されている、ものとすることもできる。こうすれば、ピストンのストローク量が低下するのにつれてポンプ室のエアの排出量を滑らかに増加させることができる。
本発明の電磁ポンプにおいて、前記連通路は、前記ピストンが所定範囲内に位置するときには前記ポンプ室と前記所定ポートとを連通せず、前記ピストンが前記所定範囲より前記電磁部側に位置するときには前記ポンプ室と前記所定ポートとを連通する、ものとすることもできる。
本発明の電磁ポンプにおいて、前記所定ポートは、前記吐出ポートであるものとすることもできるし、逆止弁が取り付けられたエア抜きポートであるものとすることもできる。前者の場合、連通路を介してポンプ室と吐出ポートとが連通されると、ポンプ室のエアが吐出ポートに排出されると共に吐出ポートの作動流体がポンプ室に供給される。後者の場合、連通路を介してポンプ室とエア抜きポートとが連通されると、ポンプ室のエアが連通路、エア抜きポート,逆止弁を介して排出される。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、シリンダ本体50とシリンダカバー48とが「シリンダ」に相当し、ピストン60が「ピストン」に相当し、ソレノイド部30が「電磁部」に相当し、コイルスプリング46が「付勢部材」に相当し、凹部64が「連通路」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、電磁ポンプの製造産業などに利用可能である。
20,120,220 電磁ポンプ、30 ソレノイド部、31 ソレノイドケース、32 電磁コイル、34 プランジャ、35 第1コア、36 第2コア、36a 凹部、38 シャフト、40,140,240 ポンプ部、42 吸入ポート、44 吐出ポート、46 コイルスプリング、47 ストレーナ、48 シリンダカバー、50,150,250 シリンダ本体、51,52,54 内壁、56 ポンプ室、58 第2ポンプ室、60,160,260 ピストン、62,62B,62C,62D,62E,62F,62G,62H,62I,62J,162,262 ピストン本体、62a 中空部、63,64,64B,64C,64D,64H,65J,164,251 凹部、64a,64Ba,64Ca,64Da 底面、64Ea,64Fa,64Ga,64Ja 平坦面、64b,64Bb,64Cb,64Db 壁面、64E,64F,64G,64J 切欠、66 シャフト部、66a,66b 貫通孔、70 吸入用逆止弁、72 弁本体、72a 中空部、72b 中心孔、72c,72d 貫通孔、73a 台座部、73b 突出部、74 ボール、76 コイルスプリング、78 プラグ、79 中心孔、80 吐出用逆止弁、84 ボール、86 コイルスプリング、88 プラグ、89 中心孔、90 板バネ、92 円盤部、94 脚部、94a 爪部、151 エア抜き用ポート、152 チェックバルブ。

Claims (8)

  1. 複数のポートを有するシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンと、電磁力により前記ピストンを往動させる電磁部と、弾性力により前記ピストンを復動させる付勢部材とを備え、ピストンを往復動させることにより、吸入ポートを介して作動流体をポンプ室に吸入すると共に吸入した作動流体を前記ポンプ室から吐出ポートを介して吐出する電磁ポンプであって、
    吐出圧の低下に伴って前記ポンプ室と所定ポートとを連通させる連通路を有する、
    ことを特徴とする電磁ポンプ。
  2. 請求項1記載の電磁ポンプであって、
    前記吸入ポートから前記ポンプ室への作動流体の流れを許容する吸入用逆止弁と、
    前記ポンプ室から前記吐出ポートへの作動流体の流れを許容する吐出用逆止弁と、
    を備え、
    前記連通路は、吐出圧の低下に伴って、前記吸入用逆止弁および前記吐出用逆止弁を介さずに前記ポンプ室と前記所定ポートとを連通させる、
    ことを特徴とする電磁ポンプ。
  3. 請求項1または2記載の電磁ポンプであって、
    前記連通路は、前記シリンダの内周面と前記ピストンの外周面との少なくとも一方に、軸方向に延在するように形成されている、
    ことを特徴とする電磁ポンプ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の電磁ポンプであって、
    前記連通路は、前記ポンプ室側から前記所定ポート側に向かうにつれて幅が狭くなるように形成されている、
    ことを特徴とする電磁ポンプ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の電磁ポンプであって、
    前記連通路は、前記ポンプ室側から前記所定ポート側に向かうにつれて深さが浅くなるように形成されている、
    ことを特徴とする電磁ポンプ。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の電磁ポンプであって、
    前記連通路は、前記ピストンが所定範囲内に位置するときには前記ポンプ室と前記所定ポートとを連通せず、前記ピストンが前記所定範囲より前記電磁部側に位置するときには前記ポンプ室と前記所定ポートとを連通する、
    ことを特徴とする電磁ポンプ。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載の電磁ポンプであって、
    前記所定ポートは、前記吐出ポートである、
    ことを特徴とする電磁ポンプ。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載の電磁ポンプであって、
    前記所定ポートは、逆止弁が取り付けられたエア抜きポートである、
    ことを特徴とする電磁ポンプ。
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