JP2016070123A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の始動直後の時期におけるNOxの排出の抑制と燃料消費増の抑制とを両立させる。
【解決手段】内燃機関のアイドル回転を停止させるアイドリングストップ機能を有するとともに、排気通路に装着した排気浄化用の触媒に流入するガスの空燃比をフィードバック制御する制御装置であって、アイドルストップした内燃機関の再始動直後の時期において空燃比のフィードバック制御を実施する際には、燃料噴射量を減少させるための補正量を燃料噴射量を増加させるための補正量よりも小さく設定し、かつそれら補正量を内燃機関の温度及びアイドルストップ時間の長さに応じて調整する内燃機関の制御装置を構成した。
【選択図】図5
【解決手段】内燃機関のアイドル回転を停止させるアイドリングストップ機能を有するとともに、排気通路に装着した排気浄化用の触媒に流入するガスの空燃比をフィードバック制御する制御装置であって、アイドルストップした内燃機関の再始動直後の時期において空燃比のフィードバック制御を実施する際には、燃料噴射量を減少させるための補正量を燃料噴射量を増加させるための補正量よりも小さく設定し、かつそれら補正量を内燃機関の温度及びアイドルストップ時間の長さに応じて調整する内燃機関の制御装置を構成した。
【選択図】図5
Description
本発明は、内燃機関における燃料噴射量を調整して空燃比を制御する制御装置に関する。
一般に、内燃機関の排気通路には、内燃機関の気筒から排出される排気ガス中に含まれる有害物質HC、CO、NOxを酸化/還元して無害化する三元触媒が装着されている。HC、CO、NOxの全てを効率よく浄化するには、排気ガスの空燃比をウィンドウと称する理論空燃比近傍の一定範囲に収める必要がある。そのために、触媒の上流及び下流にそれぞれ空燃比センサを配し、それら空燃比センサの出力信号を用いる二重のフィードバックループを構築して、空燃比をフィードバック制御する。
内燃機関の運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)は、気筒に充填される吸気(新気)の量に比例する基本噴射量に、触媒に流入するガスの空燃比に応じて変動するフィードバック補正係数FAFを乗じることで、インジェクタからの燃料噴射量を決定する。
ECUは、触媒の上流側のガスの空燃比を検出するフロントO2センサの出力電圧を、目標空燃比に相当する電圧値と比較して、その目標電圧値よりも高ければ空燃比リッチ、その目標電圧値よりも低ければ空燃比リーンと判定する。但し、フロントO2センサの出力電圧が目標電圧値を跨ぐように変動したときには、即時に空燃比の判定結果を反転させるのではなく、遅延時間の経過を待ってから判定結果を反転させる。つまり、フロントO2センサの出力電圧がリーンからリッチに切り替わった(目標電圧値を上回った)際には、リッチ判定遅延時間TDRの経過の後、空燃比がリーンからリッチに反転したと判断する。並びに、フロントO2センサの出力電圧がリッチからリーンに切り替わった(目標電圧値を下回った)際には、リーン判定遅延時間TDLの経過の後、空燃比がリッチからリーンに反転したと判断する。
ECUは、触媒の上流側のガスの空燃比の判定結果に基づき、フィードバック補正係数FAFを増減調整する。具体的には、空燃比がリッチであると判定している間、フィードバック補正係数FAFを単位時間あたりリーン積分値KIMだけ逓減させる一方、空燃比がリーンであると判定している間は、フィードバック補正係数FAFを単位時間あたりリッチ積分値KIPだけ逓増させる。
リッチ判定遅延時間TDR及びリーン判定遅延時間TDLについては、触媒の下流側のガスの空燃比に応じて設定する。即ち、触媒の下流側のガスの空燃比がリーンである期間が長いほど、リッチ判定遅延時間TDRを延長する。逆に、触媒の下流側のガスの空燃比がリッチである期間が長いほど、リーン判定遅延時間TDLを延長する(以上、下記特許文献を参照)。
内燃機関の再始動時には燃料噴射量を増量しているため、その再始動直後の時期における空燃比センサの出力信号は空燃比リッチを示す。この状態から空燃比のフィードバック制御を開始すると、ECUは理論空燃比近傍に設定される目標空燃比に向けて燃料噴射量を速やかに削減しようとする。結果、空燃比が目標空燃比を超えてリーン化するオーバシュート(リーンスパイク)が生じることがある。
一方で、内燃機関の停止中の三元触媒は多量の酸素を吸蔵していることが多い。従って、上述のリーンスパイクの発生により、有害物質NOxが浄化されずに排出されてしまう懸念がある。現状では、このような始動直後のNOxの排出を回避するべく、内燃機関の再始動後に燃料噴射量を増量して触媒内の吸蔵酸素をパージするための期間を設けている。だが、吸蔵酸素のパージによって燃料が浪費され、燃費性能が低下するという副作用がある。
以上の問題に着目してなされた本発明は、内燃機関の始動直後のNOxの排出の抑制と燃料消費増の抑制とを両立させることを所期の目的とする。
本発明では、内燃機関のアイドル回転を停止させるアイドリングストップ機能を有するとともに、排気通路に装着した排気浄化用の触媒に流入するガスの空燃比をフィードバック制御する制御装置であって、ガスの空燃比を検出する空燃比センサの出力信号が目標空燃比よりもリーンであることを示しているときには燃料噴射量を減少させるように補正する一方、目標空燃比よりもリッチであることを示しているときには燃料噴射量を減少させるように補正するものであり、アイドルストップした内燃機関の再始動直後の時期において空燃比のフィードバック制御を実施する際には、燃料噴射量を減少させるための補正量を燃料噴射量を増加させるための補正量よりも小さく設定し、かつそれら補正量を内燃機関の温度及びアイドルストップ時間の長さに応じて調整する内燃機関の制御装置を構成した。
本発明によれば、内燃機関の始動直後の時期におけるNOxの排出の抑制と燃料消費増の抑制とを両立させることができる。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気通路4における触媒41の上流及び下流には、排気通路を流通する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設置する。空燃比センサ43、44はそれぞれ、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよく、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよい。本実施形態では、触媒41の上流側及び下流側の各空燃比センサ43、44について、排気ガス中の酸素濃度に応じた電圧信号を出力するO2センサを想定している。O2センサ43、44の出力特性は、理論空燃比近傍の一定範囲(ウィンドウ)では空燃比に対する出力の変化率が大きく急峻な傾きを示し、それよりも空燃比が大きいリーン領域では低位飽和値に漸近し、空燃比が小さいリッチ領域では高位飽和値に漸近する、いわゆるZ特性曲線を描く。
外部EGR装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通するEGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量をアクセル開度(運転者が要求する機関出力、いわば要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、触媒41の上流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43から出力される空燃比信号f、触媒41の下流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ44から出力される空燃比信号g、吸気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力される吸気タイミング信号たるカム角信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気(新気)量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、要求EGR率(または、EGR量)、点火タイミング等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
ECU0は、所定のアイドルストップ条件が成立したときに、内燃機関のアイドル回転を停止させるアイドルストップを実行する。ECU0は、ブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧が閾値以上であり(ブレーキペダルが踏まれた)、内燃機関の冷却水温が所定以上に高く、車載のバッテリの充電量または端子電圧が所定以上に高く、エアコンディショナの冷媒圧縮用コンプレッサが稼働しておらず、シフトレンジが走行レンジであり、前回のアイドルストップ終了からある車速以上まで加速した経歴があり、かつ現在の車速がある車速以下である(例えば、車速が13.5km/h以上から13km/hまで低下した、または9.5km/h以上から7km/hまで低下した)、といった諸条件がおしなべて成立したことを以て、アイドルストップ条件が成立したものと判断する。
アイドルストップ条件の成立後、所定のアイドルストップ終了条件が成立したときには、内燃機関を再始動する。ECU0は、ブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧が0または0に近い閾値未満となった(ブレーキペダルが踏まれなくなった)、逆にブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧がさらに増大した(ブレーキペダルがさらに強く踏み込まれた)、アクセル開度が増大した(アクセルペダルが踏まれた)、アイドルストップ状態で所定時間(3分)が経過した等のうち何れかを以て、アイドルストップ終了条件が成立したものと判断する。
ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機(スタータモータまたはISG(Integrated Starter Generator)。図示せず)に制御信号oを入力し、当該電動機によりクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数即ちクランクシャフトの回転速度が冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに(完爆したものと見なして)終了する。
ECU0は、気筒1に充填される混合気の空燃比、ひいては気筒1から排出され触媒41へと導かれる排気ガスの空燃比をフィードバック制御する。ECU0は、まず、気筒1に充填される新気の量に見合った基本噴射量TPを決定する。次いで、この基本噴射量TPを、触媒41の上流側の空燃比に応じて定まるフィードバック補正係数FAFで補正し、さらには内燃機関の状況に応じて定まる各種補正係数Kやインジェクタ36の無効噴射時間TAUVをも加味して、最終的な燃料噴射時間(インジェクタ11に対する通電時間)Tを算定する。燃料噴射時間Tは、
T=TP×FAF×K+TAUV
となる。そして、燃料噴射時間Tだけインジェクタ11に信号jを入力、インジェクタ11を開弁して燃料を噴射させる。
T=TP×FAF×K+TAUV
となる。そして、燃料噴射時間Tだけインジェクタ11に信号jを入力、インジェクタ11を開弁して燃料を噴射させる。
触媒41の上流側の空燃比信号fを参照したフィードバック制御は、例えば、内燃機関の冷却水温が所定温度以上であり、燃料カット中でなく、パワー増量中でなく、内燃機関の始動から所定時間が経過し、フロントO2センサ43が活性中、吸気圧が正常である、等の諸条件が全て成立している場合に行う。
図2に示すように、ECU0は、触媒41の上流側のガスの空燃比を検出するセンサであるフロントO2センサ43の出力電圧fを、触媒41の上流側におけるガスの目標空燃比に相当する目標値(目標電圧値。一点鎖線で表す)と比較して、その上流側目標値よりも高ければリッチ、その上流側目標値よりも低ければリーンと判定する。通常、目標値は理論空燃比またはその近傍に対応した値である。
そして、ECU0は、触媒41の上流側のガスの空燃比の判定結果に基づき、フィードバック補正係数FAFを増減調整する。具体的には、空燃比の判定結果がリーンからリッチに反転した(後述する遅延時間TDRが経過した)時点で、フィードバック補正係数FAFをスキップ値RSMだけ減少させる。加えて、空燃比がリッチであると判定している間、フィードバック補正係数FAFを単位時間(または、制御サイクル、演算サイクル)あたりリーン積分値KIMだけ逓減させる。
他方、空燃比の判定結果がリッチからリーンに反転した(後述する遅延時間TDLが経過した)時点で、フィードバック補正係数FAFをスキップ値RSPだけ増加させる。加えて、空燃比がリーンであると判定している間、フィードバック補正係数FAFを単位時間あたりリッチ積分値KIPだけ逓増させる。
フィードバック補正量FAFが減少すると、インジェクタ11による燃料噴射量が絞られて、混合気の空燃比がリーンへと向かう。逆に、フィードバック補正量FAFが増加すると、インジェクタ11による燃料噴射量が上積みされて、混合気の空燃比がリッチへと向かう。
但し、フロントO2センサ43の出力電圧fが目標電圧値を跨ぐように変動したときには、即時に触媒41の上流側のガスの空燃比の判定結果を反転させるのではなく、遅延時間TDL、TDRの経過を待ってから判定結果を反転させる。即ち、フロントO2センサ43の出力電圧fがリッチからリーンに切り替わった(目標電圧値を下回った)ときには、リーン判定遅延時間TDLの経過の後、空燃比がリッチからリーンに反転したと判断する。並びに、フロントO2センサ43の出力電圧fがリーンからリッチに切り替わった(目標電圧値を上回った)ときには、リッチ判定遅延時間TDRの経過の後、空燃比がリーンからリッチに反転したと判断する。
リーン判定遅延時間TDL及びリッチ判定遅延時間TDRを設けているのは、O2センサ43の出力信号にノイズが混入した場合に、空燃比のリーン/リッチの判定結果が短期間に複数回反転して燃料噴射量が振動するように増減するチャタリングを起こすことを予防する意図である。
遅延時間TDL、TDRは、制御中心補正量FACFに応じて増減する。図3に、補正量FACFと遅延時間TDL、TDRとの関係を例示する。補正量FACFが大きくなるほど、リーン判定遅延時間TDL(破線で表す)は短縮され、リッチ判定遅延時間TDR(実線で表す)は延長される。さすれば、フィードバック補正係数FAFが増加から減少に転じる時期が遅れ、減少から増加に転じる時期が早まる。結果、燃料噴射量が平均的に増すこととなり、空燃比フィードバック制御の制御中心がリッチ側に変位する。
翻って、補正量FACFが小さくなるほど、リーン判定遅延時間TDLは延長され、リッチ判定遅延時間TDRは短縮される。さすれば、フィードバック補正係数FAFが増加から減少に転じる時期が早まり、減少から増加に転じる時期が遅れる。結果、燃料噴射量が平均的に減ることとなり、空燃比フィードバック制御の制御中心がリーン側に変位する。
ECU0は、空燃比フィードバック制御中、上記の制御中心補正量FACFをも算出する。この補正量FACFは、触媒41の下流側の空燃比に応じて定まる。触媒41の下流側の空燃比信号gを参照したフィードバック制御は、例えば、冷却水温が所定温度以上であり、空燃比フィードバック制御の開始から所定時間が経過し、フロントO2センサ43及び/またはリアO2センサ44が活性してから所定時間が経過し、過渡期の燃料補正量が所定値を下回り、アイドル状態で車速が0若しくは0に近い所定値以下であるかまたは非アイドル状態で所定の運転領域にある、等の諸条件が全て成立している場合に行う。
図4に示すように、ECU0は、触媒41の下流側のガスの空燃比を検出するセンサであるリアO2センサ44の出力電圧gを、触媒41の下流側におけるガスの目標空燃比に相当する目標値(目標電圧値。鎖線で表す)と比較して、その下流側目標値よりも高ければリッチ、その下流目標値よりも低ければリーンと判定する。この下流側目標値は、フロントO2センサ43の出力信号fと比較される上流側目標値とは一致しないことがある。
そして、ECU0は、触媒41の下流側のガスの空燃比の判定結果に基づき、制御中心補正量FACFを増減調整する。具体的には、空燃比がリッチであると判定している間、制御中心補正量FACFを単位時間(または、制御サイクル、演算サイクル)あたりリーン積分値FACFKIMだけ逓減させる一方、空燃比がリーンであると判定している間は、制御中心補正量FACFを単位時間あたりリッチ積分値FACFKIPだけ逓増させる。
既に述べた通り、制御中心補正量FACFが減少すると、空燃比制御中心はリーンへと向かう。逆に、制御中心補正量FACFが増加すると、空燃比制御中心はリッチへと向かう。
ところで、内燃機関の再始動時には燃料噴射量を増量しているため、その再始動直後の時期におけるフロントO2センサ43の出力信号fは空燃比リッチを示す傾向にある。その状態から単純に空燃比のフィードバック制御を再開すると、ECU0は目標空燃比に向けて燃料噴射量を速やかに削減しようとする。この結果、空燃比が目標空燃比を超えてリーン化するオーバシュート(リーンスパイク)が生じることがある。
一方で、内燃機関の停止中の触媒41は多量の酸素を吸蔵していることが多い。従って、上述のリーンスパイクの発生により、有害物質NOxが浄化されずに排出されてしまう懸念がある。
そこで、本実施形態のECU0は、内燃機関の再始動直後の時期において空燃比のフィードバック制御を実施する場合、図5に示すように、燃料噴射量を減少させるための補正量RSMを、燃料噴射量を増加させるための補正量RSPよりも小さく設定する。及び/または、燃料噴射量を減少させるための補正量KIMを、燃料噴射量を増加させるための補正量KIPよりも小さく設定する。これにより、内燃機関の再始動直後の空燃比のリーンスパイクを抑制し、NOxの排出増を回避することが可能となる。
燃料噴射量を減少させるための補正量RSM及び/または燃料噴射量を増加させるための補正量RSPは、再始動時の内燃機関の冷却水温及び再始動前のアイドルストップ時間の長さに応じて調整することができる。具体的には、冷却水温が高いほど、インジェクタ11から噴射した燃料が霧化せず液状となって吸気ポートの壁面に付着するポートウェットの量が少なくなることから、補正量RSMの絶対値を大きくし、及び/または、補正量RSPの絶対値を小さくする。換言すれば、補正量RSMの絶対値と補正量RSPの絶対値との差を小さくする。また、アイドルストップ時間が短いほど、アイドルストップ中の内燃機関の各部の温度降下が小さく(冷却水の循環停止及びエンジンルームに吹き込む走行風の消失により却って温度が上昇する部分もある)、アイドルストップ中に触媒41に吸蔵される酸素の量も少ないと考えられることから、補正量RSMの絶対値を大きくし、及び/または、補正量RSPの絶対値を小さくする。
燃料噴射量を減少させるための補正量KIM、燃料噴射量を増加させるための補正量KIPについても同様に、再始動時の内燃機関の冷却水温及び再始動前のアイドルストップ時間の長さに応じて調整することができる。具体的には、冷却水温が高いほど、補正量KIMの絶対値を大きくし、及び/または、補正量KIPの絶対値を小さくする。換言すれば、補正量KIMの絶対値と補正量KIPの絶対値との差を小さくする。また、アイドルストップ時間が短いほど、補正量KIMの絶対値を大きくし、及び/または、補正量KIPの絶対値を小さくする。
内燃機関の再始動直後の時期における補正量RSM、KIMは、平時(再始動直後の時期以外の時期)の補正量RSM、KIMよりも小さくなることがある。並びに、内燃機関の再始動直後の時期における補正量RSP、KIPは、平時の補正量RSP、KIPよりも大きくなることがある。
本実施形態では、内燃機関のアイドル回転を停止させるアイドリングストップ機能を有するとともに、排気通路4に装着した排気浄化用の触媒41に流入するガスの空燃比をフィードバック制御する制御装置0であって、ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43、44の出力信号f、gが目標空燃比よりもリーンであることを示しているときには燃料噴射量を減少させるように補正する一方、目標空燃比よりもリッチであることを示しているときには燃料噴射量を減少させるように補正するものであり、アイドルストップした内燃機関の再始動直後の時期において空燃比のフィードバック制御を実施する際には、燃料噴射量を減少させるための補正量RSM、KIMを、燃料噴射量を増加させるための補正量RSP、KIPよりも小さく設定し、かつそれら補正量RSM、KIM、RSP、KIPを内燃機関の温度及びアイドルストップ時間の長さに応じて調整する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、内燃機関の始動直後のNOxの排出の抑制と燃料消費の抑制とを両立させることができる。また、特に、内燃機関の再始動時の温度及び再始動前のアイドルストップ時間の長さを考慮して補正量RSM、KIM、RSP、KIPを調整することから、内燃機関の再始動前に触媒41に吸蔵された酸素をパージするために必要十分な分を超えて空燃比をリッチ化してしまうことを防止できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態では、内燃機関の再始動直後の時期において空燃比のフィードバック制御を実施するに際し、燃料噴射量を減少させるための補正量RSM、KIMを、燃料噴射量を増加させるための補正量RSP、KIPよりも小さく設定していた。これに代えて、またはこれとともに、燃料噴射量を減少させるための補正量TDLを、燃料噴射量を増加させるための補正量TDRよりも小さく設定するようにしてもよい。
その場合には、当該補正量TDL、TDRを内燃機関の温度及びアイドルストップ時間の長さに応じて調整する。具体的には、冷却水温が高いほど、またアイドルストップ時間が短いほど、補正量TDLの絶対値を大きくし、及び/または、補正量TDRの絶対値を小さくする。換言すれば、補正量TDLの絶対値と補正量TDRの絶対値との差を小さくする。内燃機関の再始動直後の時期における補正量TDLは、平時の補正量TDLよりも小さくなることがある。並びに、内燃機関の再始動直後の時期における補正量TDRは、平時の補正量TDRよりも大きくなることがある。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
3…吸気通路
4…排気通路
43、44…空燃比センサ(フロントO2センサ、リアO2センサ)
f、g…空燃比センサの出力信号(空燃比信号)
1…気筒
11…インジェクタ
3…吸気通路
4…排気通路
43、44…空燃比センサ(フロントO2センサ、リアO2センサ)
f、g…空燃比センサの出力信号(空燃比信号)
Claims (1)
- 内燃機関のアイドル回転を停止させるアイドリングストップ機能を有するとともに、排気通路に装着した排気浄化用の触媒に流入するガスの空燃比をフィードバック制御する制御装置であって、
ガスの空燃比を検出する空燃比センサの出力信号が目標空燃比よりもリーンであることを示しているときには燃料噴射量を減少させるように補正する一方、目標空燃比よりもリッチであることを示しているときには燃料噴射量を減少させるように補正するものであり、
アイドルストップした内燃機関の再始動直後の時期において空燃比のフィードバック制御を実施する際には、燃料噴射量を減少させるための補正量を燃料噴射量を増加させるための補正量よりも小さく設定し、かつそれら補正量を内燃機関の温度及びアイドルストップ時間の長さに応じて調整する内燃機関の制御装置。
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