JP2016069459A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 溶融温度310℃、加圧力100kgf/cm2で圧縮成形した成形体の明度(L値)が70以上であり、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が50〜1000ポイズであるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対し、白色顔料(B)10〜50重量部、ガラス繊維(C)20〜40重量部及び12−ヒドロキシステアリン酸金属塩(D)0.05〜2重量部を含んでなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A−1)と記す。):溶融粘度350ポイズ、明度(L値)82。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A−2)と記す。):溶融粘度470ポイズ、明度(L値)78。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(A−3)と記す。):溶融粘度365ポイズ、明度(L値)60。
酸化チタン(B−1);石原産業株式会社製酸化チタン、(商品名)CR−60。
硫化亜鉛(B−2);Sachtleben製、(商品名)サクトリスHD。
酸化亜鉛(B−3);ハクスイテック株式会社製、酸化亜鉛1種。
ガラス繊維(C−1);日東紡株式会社製チョップドストランド、(商品名)CSG−3PA 830、繊維断面のアスペクト比4。
ガラス繊維(C−2);日東紡株式会社製チョップドストランド、(商品名)CSG−3PL 830、繊維断面のアスペクト比2。
12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D−1);勝田化工株式会社製、(商品名)EMS−6P。
12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛(D−2);堺化学工業株式会社製、(商品名)SZ−120H。
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(E−1)(以下、変性エチレン系共重合体(E−1)と記す。):住友化学(株)製、(商品名)ボンドファースト7M。
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(E−2)(以下、変性エチレン系共重合体(E−2)と記す。):アルケマ(株)製、(商品名)ボンダインAX8390。
脂肪酸アミド系滑剤(F−1)(以下、離型剤(F−1)と記す。);共栄社化学(株)製、(商品名)ライトアマイドWH−255。
カルナバワックス(F−2)(以下、離型剤(F−2)と記す。);日興リカ(株)製、(商品名)精製カルナバ粉末1号。
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)1814g、粒状の苛性ソーダ(100%NaOH:和光純薬特級)8.7g及びN−メチル−2−ピロリドン3232gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、339gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2129g、N−メチル−2−ピロリドン1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、250℃にて2時間重合を行った。次いで、この系に250℃で蒸留水509gを圧入し、255℃まで昇温してさらに2時間重合反応を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリーを遠心濾過器で固液分離した。ケーキを窒素気流下でN−メチル−2−ピロリドン、アセトンで順次3回繰り返し洗浄し、さらに、窒素気流下で0.2%塩酸、及び温水で順次洗浄した。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)を105℃で一昼夜乾燥することによって、溶融粘度が350ポイズのPPS(A−1)を得た。
<合成例2(PPS(A−2)の合成)>
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)1814g、粒状の苛性ソーダ(100%NaOH:和光純薬特級)8.7g及びN−メチル−2−ピロリドン3232gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、340gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2100g、N−メチル−2−ピロリドン1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、250℃にて2時間重合を行った。次いで、この系に250℃で蒸留水509gを圧入し、255℃まで昇温してさらに2時間重合反応を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリーを遠心濾過器で固液分離した。ケーキを窒素気流下でN−メチル−2−ピロリドン、アセトンで順次2回繰り返し洗浄し、さらに、窒素気流下で0.2%塩酸、及び温水で順次洗浄した。得られたポリ(p−フェニレンスルフィド)を105℃で一昼夜乾燥することによって、溶融粘度が470ポイズのPPS(A−2)を得た。
<合成例3(PPS(A−3)の合成)>
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(Na2S・2.9H2O)1854g、30%苛性ソーダ溶液(30%NaOHaq)48g及びN−メチル−2−ピロリドン3679gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、379gの水を留去した。190℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2140g、N−メチル−2−ピロリドン985gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて1時間重合させた後、25分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合後、減圧下で重合スラリーからN−メチル−2−ピロリドンを蒸留操作で回収した。最終到達温度は172℃で圧力は4.6kPaであった。得られたケーキに80℃の温水を加えスラリー濃度20%として洗浄し、再度、同様に温水を加え175℃まで昇温してポリ(p−フェニレンスルフィド)の洗浄を合計2回行った。得られたポリフェニレンスルフィドを105℃で一昼夜乾燥した。次いで、乾燥したポリフェニレンスルフィドをバッチ式ロータリーキルン型焼成装置に充填し、窒素雰囲気下で240℃まで昇温し、1時間の保持による硬化処理を行うことによって、溶融粘度が365ポイズのPPS(A−3)を得た。
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター((株)島津製作所製、(商品名)CFT−500)にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。
ポリアリーレンスルフィド樹脂を溶融温度310℃、加圧力100kgf/cm2の圧力で圧縮成形した後、冷却温度150℃で50mm×50mm×1mm厚の成形体とし、色彩色差計(スガ試験機(株)製、(商品名)SMカラーコンピューター)にて、室温下で明度(L値)の測定を行った。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の原材料をストランド用ダイスを装備した35mmφ2軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)に供給し、押出速度10kg/hrにて溶融ストランドとして押出した。また、シリンダー1〜7は270℃、シリンダー8は290℃、ダイスは300℃に設定した。そして、ダイリップに付着する目やにを観察し、変色した目やにが認められないものを〇、僅かでも変色した目やにが認められるものを×として判定した。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物をシリンダー温度310℃、金型温度135℃とした射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE−75S)によって射出成形し、70mm×70mm×2mm厚の成形体とし、色彩色差計(スガ試験機(株)製、(商品名)SMカラーコンピューター)にて、JIS Z8715に準拠し、白色度指数Wの測定を行った。白色度指数Wとして85を超えるものを実用上十分な値を示すと判断した。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を、シリンダー温度310℃、金型温度135℃とした射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE−75S)によってシャルピー衝撃強度測定用試験片を作製し、ノッチングマシーン((株)東洋精機製作所製、(商品名)A−3型)によりノッチを入れ、シャルピー衝撃試験機((株)東洋精機製作所製、(商品名)DG−CB型)を用いて、ISO179に準拠し測定を行った。シャルピー衝撃強度として12kJ/m2を超えるものを実用上十分な値を示すと判断した。
射出成形機(住友重機械工業(株)製、(商品名)SE75S)に、深さ1mm、幅10mmの溝がスパイラル状に掘られた金型を装着し、次いで、シリンダー温度を310℃、射出圧力を190MPa、射出速度を最大、射出時間を1.5秒、及び金型温度を135℃に設定した該射出成形機のホッパーにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を投入し、射出した。そして金型内のスパイラル状の溝を溶融流動した長さを成形流動性として測定した。成形流動性として150mmを超えるものを実用上十分な値を示すと判断した。
70mm×70mm×2mm厚の成形体を、射出成形により連続して100個成形し、その後の金型キャビティー内に付着する汚染物の有無を観察した。汚染物が認められないものを○、僅かでも汚染物が認められるものを×として判定した。金型汚染性は、○である状態を金型汚染が無く、成形加工性に優れると判断した。
合成例1で得られたPPS(A−1)100重量部に対し、酸化チタン(B−1)20重量部、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D−1)0.6重量部、変性エチレン系共重合体(E−1)20重量部及び離型剤(F−1)0.5重量部を予め均一に混合し、ストランド用ダイスを装備した35mmφ2軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(C−1)をPPS(A−1)100重量部に対して30重量部となるように該2軸押出機のサイドフィーダーのホッパーから投入し、溶融混練してペレット化したポリ(p−フェニレンスルフィド)樹脂組成物(以下、PPS樹脂組成物と記す。)を作製した。得られたPPS樹脂組成物の、目やに、白色度指数W、成形流動性及び成形加工性を評価した。評価結果を表1に示す。
PPS(A−1、A−2)、酸化チタン(B−1),硫化亜鉛(B−2),酸化亜鉛(B−3)、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D−1),12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛(D−2)、変性エチレン系共重合体(E−1、E−2)及び離型剤(F−1、F−2)を表1に示す構成割合で配合して、ストランド用ダイスを装備した35mmφ2軸押出機のホッパーに投入し、ガラス繊維(C−1、C−2)を、表1に示す構成割合になるように2軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、実施例1と同様の方法によりPPS樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
PPS(A−1、A−3)、酸化チタン(B−1),硫化亜鉛(B−2)、ガラス繊維(C−1)、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D−1)、変性エチレン系共重合体(E−1)及び離型剤(F−1)を表2に示す構成割合で配合して、ストランド用ダイスを装備した35mmφ2軸押出機のホッパーに投入し、ガラス繊維(C−1)を、表2に示す構成割合になるように、2軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、実施例1と同様の方法によりPPS樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表2に示す。
Claims (6)
- 溶融温度310℃、加圧力100kgf/cm2で圧縮成形した成形体の明度(L値)が70以上であり、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が50〜1000ポイズであるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対し、酸化チタン,酸化亜鉛及び硫化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種以上の白色顔料(B)10〜50重量部、ガラス繊維(C)20〜40重量部並びに12−ヒドロキシステアリン酸金属塩(D)0.05〜2重量部を含んでなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 12−ヒドロキシステアリン酸金属塩(D)が、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛からなる群より選択される1種以上の12−ヒドロキシステアリン酸金属塩であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対し、さらに、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体,エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体及び無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上の変性エチレン系共重合体(E)15〜40重量部を含んでなることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対し、さらに、脂肪酸アミド系滑剤、カルナバワックスからなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤(F)0.1〜3重量部を含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- JIS Z8715に準拠して測定した白色度指数Wが85以上を示すものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- シリンダー温度310℃、金型温度135℃で射出成形した際の成形体が、色度指数Wが85以上を示すものであることを特徴とする請求項5に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
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