JP2016069276A - 薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液の製造方法、並びに薄片化黒鉛、薄片化黒鉛分散液、薄片化黒鉛−樹脂複合材料及び炭素材料 - Google Patents

薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液の製造方法、並びに薄片化黒鉛、薄片化黒鉛分散液、薄片化黒鉛−樹脂複合材料及び炭素材料 Download PDF

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Abstract

【課題】溶媒中や樹脂中における分散性が極めて高い薄片化黒鉛を、容易にかつ確実に得ることを可能とする薄片化黒鉛の製造方法を提供する。【解決手段】グラフェン積層構造を有する炭素材料を、活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液体に浸漬させる工程と、前記炭素材料が浸漬されている液体を撹拌する工程とを備える、薄片化黒鉛の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、黒鉛や膨張黒鉛などのようなグラフェン積層構造を有する炭素材料から薄片化黒鉛を得る薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液の製造方法に関する。
また、本発明は、薄片化黒鉛、薄片化黒鉛分散液、上記薄片化黒鉛又は上記薄片化黒鉛分散液と樹脂とを含む薄片化黒鉛−樹脂複合材料、並びに炭素材料に関する。
従来、少ない添加量で樹脂の機械的物性等を効果的に改善し得る複合材料用フィラーとして、薄片化黒鉛が注目されている。このような薄片化黒鉛の製造方法の一例が下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の薄片化黒鉛の製造方法では、黒鉛を硝酸などの強酸性の水溶液中に浸漬し、加熱する。硝酸イオンなどの酸性イオンを黒鉛のグラフェン間にインターカレートさせる。この硝酸イオンがインターカレートされた黒鉛を加熱することにより、黒鉛を剥離し、グラフェン積層数がより少ない薄片化黒鉛を得ることができる。
特表2009−511415号公報
しかしながら、特許文献1に記載の薄片化黒鉛の製造方法では、大量の強酸に黒鉛が晒される。従って、得られた薄片化黒鉛は酸化されているため、適切な処理を施さなければ、汎用的に用いられているオレフィン系樹脂等の樹脂や、溶媒との相溶性が極めて低かった。
また、薄片化黒鉛の相溶性改善に向けて、いくつかの化学的処理が用いられているが、樹脂中や溶媒中で再凝集してしまうなどの影響から、十分に薄片化黒鉛の性能を引き出せていなかった。
本発明の目的は、溶媒中や樹脂中における分散性が極めて高い薄片化黒鉛を容易にかつ確実に得ることを可能とする、薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、溶媒中や樹脂中における分散性が極めて高い、薄片化黒鉛及び炭素材料、上記薄片化黒鉛が液体中に分散している薄片化黒鉛分散液、並びに上記薄片化黒鉛又は上記薄片化黒鉛分散液と、樹脂とを含む薄片化黒鉛−樹脂複合材料を提供することにある。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法は、グラフェン積層構造を有する炭素材料を、活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液体に浸漬させる工程と、上記炭素材料が浸漬されている液体を撹拌する工程とを備える。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法のある特定の局面では、上記炭素材料を液体に浸漬させる工程において、さらにハロゲン化剤を添加する。好ましくは、上記ハロゲン化剤の添加量が、上記炭素材料100重量部に対し、0.01〜30重量部である。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法の別の特定の局面では、上記活性メチレン化合物誘導体が、Bingel反応性化合物である。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法の他の特定の局面では、上記活性メチレン化合物誘導体に、相溶性置換基が導入されている。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法のさらに別の特定の局面では、上記炭素材料が浸漬されている液体を加熱する工程をさらに備える。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記活性メチレン化合物誘導体に、加熱によりガスを発生させる置換基が導入されている。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とが、加熱によりガスを発生させる材料の組み合わせである。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記炭素材料が浸漬されている液体に電磁波を照射する工程をさらに備える。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記電磁波の照射に際し、上記炭素材料と上記液体との混合物を部分的に冷却する工程を備える。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記液体が溶媒をさらに含む。好ましくは、上記溶媒が、炭素数8以下のアルコール類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、N−メチルピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法のさらに他の特定の局面では、上記ハロゲン化剤が、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、四塩化炭素、四臭化炭素及びカチオン部にビス(2,4,6−トリメチルピリジン)ブロモニウム又はビス(2,4,6−トリメチルピリジン)ヨードニウムを、アニオン部にヘキサフルオロホスファート又はテトラフルオロボロレートを有するハロゲン化塩からなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明に係る薄片化黒鉛は、上記薄片化黒鉛の製造方法に従って得られる。
本発明に係る薄片化黒鉛の他の広い局面では、活性メチレン化合物誘導体が化学結合している。好ましくは、上記薄片化黒鉛に化学結合している活性メチレン化合物誘導体の含有量が、上記薄片化黒鉛100重量部に対し、0.5〜100重量部である。
本発明に係る薄片化黒鉛−樹脂複合材料は、上記本発明に係る薄片化黒鉛と樹脂とを含む。
本発明に係る薄片化黒鉛分散液の製造方法は、グラフェン積層構造を有する炭素材料を、活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液体に浸漬させる工程と、上記炭素材料が浸漬されている液体を撹拌する工程とを備える。
本発明に係る薄片化黒鉛分散液は、上記薄片化黒鉛分散液の製造方法により得られる。好ましくは、上記薄片化黒鉛分散液中の薄片化黒鉛に活性メチレン化合物誘導体が化学結合しており、上記活性メチレン化合物誘導体の含有量が、薄片化黒鉛100重量部に対し、0.5〜100重量部である。
本発明に係る薄片化黒鉛−樹脂複合材料の他の広い局面では、上記本発明の製造方法に従って得られた薄片化黒鉛分散液と、樹脂とを含む。
本発明に係る炭素材料は、グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、上記炭素材料0.5gを温度120℃で加熱したときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする。
本発明に係る炭素材料の他の広い局面では、グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、上記炭素材料0.5gを、温度120℃の1M水酸化ナトリウム水溶液3gに混合させたときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする。
本発明に係る炭素材料の別の広い局面では、グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、上記炭素材料0.5gを温度120℃の1M塩酸溶液3gに15分間混合させたときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする。
本発明に係る炭素材料のある特定の局面では、上記炭酸ガスが10000ppm以上発生する。
本発明に係る炭素材料の別の特定の局面では、加熱、酸接触又は塩基接触によりガスを発生させる置換基を有する。
本発明に係る炭素材料の他の特定の局面では、上記ガスを発生させる置換基が、下記式(1)で表される置換基である。
(式1中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のエステル基、水素原子又はハロゲン原子を示し、Rは炭素数1〜20のカルボン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸ハライド基又はシアノ基などの電子吸引基を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基又は上記炭素材料との直接結合を示す。)
本発明に係る炭素材料のさらに他の特定の局面では、上記ガスを発生させる置換基が、2つのカルボニル基を有する置換基である。
本発明に係る炭素材料のさらに他の特定の局面では、上記ガスを発生させる置換基が、エステル基、カルボキシル基、及びカルボン酸ハライドからなる群から選択された少なくとも1種を有する置換基である。
本発明に係る薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液の製造方法によれば、炭素材料を活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液体に浸漬させた後に液体を撹拌することで、炭素材料に活性メチレン化合物誘導体を化学結合させつつ、炭素材料を薄片化することができる。従って、溶媒中や樹脂中における分散性が極めて高い薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液を容易にかつ確実に得ることができる。
また、上記のように、剥離と化学反応が同時に行われるため、薄片化黒鉛の再凝集を防ぎ、樹脂中に添加した際に効果を最大限に発揮させることが可能である。
さらに、上記薄片化黒鉛及び上記薄片化黒鉛分散液中の薄片化黒鉛には、化合物が化学結合しているため、樹脂中に均一に分散される。従って、樹脂の機械的物性が飛躍的に向上した、薄片化黒鉛−樹脂複合材料を得ることができる。
図1は、実施例1で得た薄片化黒鉛のポリプロピレン中での分散性を観察した際の倍率3000倍のSEM写真である。 図2は、実施例5で得た薄片化黒鉛のポリプロピレン中での分散性を観察した際の倍率3000倍のSEM写真である。 図3は、比較例1で得た薄片化黒鉛のポリプロピレン中での分散性を観察した際の倍率3000倍のSEM写真である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液の製造方法では、まず、グラフェン積層構造を有する炭素材料を、活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液体に浸漬させる。しかる後、上記炭素材料が浸漬されている液体を撹拌する。それによって、炭素材料を薄片化させ、薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液を得ることができる。
より具体的には、本発明における薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液の製造方法では、グラフェン積層構造を有する炭素材料を、活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液体に浸漬させた状態で、撹拌することにより、活性メチレン化合物誘導体を炭素材料に化学結合させつつ、炭素材料を薄片化する。それによって、活性メチレン化合物誘導体が化学結合した薄片化黒鉛又は該薄片化黒鉛が液体中に分散した薄片化黒鉛分散液を得ることができる。
従って、本発明に係る薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛分散液の製造方法では、溶媒中や樹脂中における分散性が極めて高い薄片化黒鉛を、容易にかつ確実に得ることができる。
(グラフェン積層構造を有する炭素材料)
本発明において用いられるグラフェン積層構造を有する炭素材料としては、黒鉛などの複数のグラフェン構造が積層されている構造を有する炭素材料を用いることができる。また、黒鉛原料として黒鉛に酸処理を施した熱膨張性黒鉛や、その熱膨張性黒鉛を加熱膨張化させた膨張黒鉛を用いてもよい。その場合には、本発明の製造方法に従って黒鉛の層間への活性メチレン化合物誘導体の浸透が容易となるため、より一層容易にかつ確実に薄片化黒鉛を得ることができる。なお、天然黒鉛よりもグラフェン積層数が少ない、一次薄片化黒鉛を原料としての炭素材料として用いてもよい。その場合には、本発明の製造方法に従って、より一層積層数が少ない薄片化黒鉛を得ることができる。
なお、本発明において、薄片化黒鉛とは、元の黒鉛を剥離処理して得られるものであり、元の黒鉛よりも薄いグラフェンシート積層体をいう。薄片化黒鉛におけるグラフェンシート積層数は、元の黒鉛より少なければよいが、通常、数層〜数千層程度である。溶媒中及び樹脂中での分散性を効果的に高める観点から、積層数は、2000層以下であることが好ましく、1000層以下であることがより好ましい。
上記のように、薄片化黒鉛は、薄いグラフェンシートが積層された構造を有する。従って、薄片化黒鉛のアスペクト比は、比較的大きい。なお、本明細書において、アスペクト比とは、薄片化黒鉛の厚みに対する薄片化黒鉛の積層面方向における最大寸法の比のことをいう。
薄片化黒鉛のアスペクト比が低すぎると、上記積層面に交差する方向に加わった外力に対する補強効果が十分でないことがある。薄片化黒鉛のアスペクト比が高すぎると、効果が飽和してそれ以上の補強効果が望めないことがある。従って、薄片化黒鉛のアスペクト比の好ましい下限は5程度であり、好ましい上限は100程度である。
後述する液体に炭素材料を浸漬させるに際しては、炭素材料が撹拌される限り、適宜の量の炭素材料を液体に浸漬すればよい。
(液体)
本明細書において、液体とは、活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液状物、あるいは活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物と少なくとも一種の溶媒とを含む液状物の混合物のことをいう。上記液状物の混合物については、少なくとも活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とが含まれていれば、混合物そのものに複数の溶媒が含まれていてもよい。
活性メチレン化合物誘導体;
本発明においては、活性メチレン化合物誘導体を少なくとも1種以上、液状物中に含んでいる。従って、薄片化を進めることができる。
活性メチレン化合物誘導体とは、電子吸引基を両側に有する活性メチレン基を有する化合物のことをいう。電子吸引基としては、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスホノ基等が用いられる。
活性メチレン化合物誘導体としては、特に限定されないが、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、シアノ酢酸メチル、Bingel反応性化合物等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
なかでも、活性メチレン化合物誘導体として、Bingel反応性化合物を用いることが好ましい。Bingel反応性化合物を用いた場合、後述するように、化学反応をより一層促進することができる。
Bingel反応性化合物としては、ブロモマロン酸ジエチル、ブロモアセト酢酸メチル、ブロモアセト酢酸エチル等のハロゲンが導入されたβ−ケト酸などが挙げられる。これらの化合物は単体で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
ブロモマロン酸ジエチルやブロモアセト酢酸メチル等を用いた場合、撹拌による薄片化黒鉛製造工程を経ても、反応副生成物が殆ど生成しないため、Bingel反応性化合物としては、ブロモマロン酸ジエチルやブロモアセト酢酸メチルを用いることが好ましい。この場合、用いたBingel反応性化合物を容易に回収し、再利用することができる。
また、上記活性メチレン化合物誘導体としては、活性メチレン基を中心に対称な構造を有していなくてもよく、活性メチレン化合物誘導体の構造の片側が樹脂の種類に合わせて、樹脂との相溶性の高い置換基、すなわち相溶性置換基に変性されたものを用いてもよい。相溶性置換基としては、例えば、シアノ酢酸メチルや3−オキソヘプタン酸メチルなどが挙げられる。
このように、相溶性置換基が少なくとも片側に導入された活性メチレン化合物誘導体を用いた場合、所望の樹脂との相溶性をより一層高めることができる。なお、相溶性置換基は、活性メチレン化合物誘導体の両側に導入されていてもよい。
さらに、上記活性メチレン化合物誘導体には、2つのカルボニル基が含まれた加熱によりガスを発生させる置換基が導入されていてもよい。この場合、例えば、活性メチレン化合物誘導体から二酸化炭素ガスを発生させることができ、二酸化炭素ガスの圧力によって、炭素材料の薄片化をより一層効果的に行うことができる。加熱によりガスを発生させる置換基としては、例えば、エステル基、カルボキシル基、カルボン酸ハライドなどを挙げることができる。
塩基性化合物;
上記塩基性化合物とは、溶液のpH値を7以上にする化合物である。塩基性化合物としては、溶液のpH値を7以上にできる限り、特に限定されないが、好ましくは、ジアザビシクロウンデセン、ピペリジン、ピロリジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、アニリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。より好ましくは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどを用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし併用して用いてもよい。上記化学反応をより一層促進させるために、上記塩基性化合物は、炭素材料100重量部に対し、50重量部まで添加することが好ましい。
上記活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とは、加熱によりガスを発生させる材料の組み合わせであってもよい。この場合、例えば、活性メチレン化合物誘導体から二酸化炭素ガスを発生させることができ、二酸化炭素ガスの圧力によって、炭素材料の薄片化をより一層効果的に行うことができる。加熱によりガスを発生させる材料としては、例えば、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチルなどが挙げられる。
溶媒;
上記液体中に含むことができる溶媒としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの炭素数8以下のアルコール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、テトラヒドラフラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、N−メチルピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。好ましくは、炭素数8以下のアルコール類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、N−メチルピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選択された少なくとも1種が挙げられる。溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上の混合溶媒であってもよい。また、上記好ましい溶媒に加えて、さらに水等の他の溶媒を加えて用いてもよい。
ハロゲン化剤;
上記液体中には、さらに、ハロゲン化剤を添加してもよい。ハロゲン化剤の添加量としては、特に限定されないが、炭素材料100重量部に対し、0.01〜30重量部であることが好ましい。ハロゲン化剤を添加した場合、化学反応が容易になることから撹拌時間をより一層短縮することができ、また、用いる活性メチレン化合物誘導体の添加量をより一層低減することができる。
ハロゲン化剤としては、特に限定されないが、例えば、以下の(1)Xで表される金属ハロゲン化物、(2)CXで表わされるハロゲン化炭素、(3)ハロゲンをカチオン部に有するハロゲン化塩などを用いることができる。
(1)Xで表される金属ハロゲン化物
Xは、ハロゲンである。Xで表される金属ハロゲン化物としては、Xがフッ素、塩素、ヨウ素、臭素で表される金属ハロゲン化物などが挙げられる。Xで表される金属ハロゲン化物のうち、好ましいハロゲン化物としては、Xがヨウ素である金属ハロゲン化物である。上記ハロゲンは安価であり、常温常圧下で固体であるため、容易に取り扱いが可能である。
(2)CXで表わされるハロゲン化炭素
炭素に4つのハロゲンが結合したハロゲン化炭素である。Xは上述した通り、塩素、臭素などが挙げられる。
(3)ハロゲンをカチオン部に有するハロゲン化塩
以下に記述するカチオン部とアニオン部とから形成されるハロゲン化塩である。このようなカチオン部としては、ビス(2,4,6−トリメチルピリジン)ブロモニウムやビス(2,4,6−トリメチルピリジン)ヨードニウムなどが挙げられる。アニオン部としてはヘキサフルオロホスファートやテトラフルオロボロレートなどが挙げられる。
(撹拌)
本発明においては、炭素材料が浸漬されている液体を撹拌する。液体を撹拌することにより、活性メチレン化合物誘導体が、炭素材料に共有結合する。これによって、薄片化と分散性との双方の改善を実現することができる。
この場合の撹拌方法としては、例えば、乳化装置やホモジナイザーなど、特に限定されず、撹拌子を用いる場合は、棒状、板状、プロペラ状などのいずれの形状を用いてもよい。また、撹拌子は単数、複数どちらで用いてもよく、回転方向も制限されないものとする。
回転速度は、好ましくは、5rpm以上とする。回転速度の上限値は、本発明の効果を得ることができる限り、特に限定されないが、入手可能な撹拌装置の撹拌速度の上限は、100000rpm以下である。
上記撹拌工程においては、好ましくは、さらに加熱工程を備えていてもよい。この場合、化学反応が促進されて、より短時間で薄片化黒鉛が得られる。また、加熱工程を併用することによって、活性メチレン化合物誘導体の脱炭酸反応が誘起され、発生した二酸化炭素の圧力によって薄片化の効果がより一層高くなる。上記加熱温度としては、溶液温度が好ましくは40℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、好ましくは200℃以下、更に好ましくは150℃以下である。
上記加熱工程の後に、上記炭素材料と上記液体との混合物を冷却する冷却工程がさらに備えられていてもよい。その場合、上記高分散性薄片化黒鉛を得るために、加熱工程と冷却工程とを複数回行ってもよい。
上記液体の加熱は、撹拌と同時に行ってもよいし、まず先に室温で撹拌した後に撹拌しつつ加熱してもよい。また、室温での撹拌工程の後に、別途加熱工程を設けてもよい。
本発明の薄片化黒鉛の製造方法においては、さらに電磁波照射工程を設けてもよい。電磁波の照射は、撹拌工程において行ってもよいし、撹拌工程の後、別途電磁波照射工程を設けてもよい。電磁波照射工程は、上記加熱工程の代わりに行なうことが好ましい。すなわち、電磁波照射によって加熱することが好ましい。電磁波を照射することで、加熱工程のエネルギー節約や作業効率の向上が可能である。
電磁波照射には、5kHz〜100GHz程度の波長の電磁波を用いることができる。従って、上記電磁波はマイクロ波であってもよい。
上記電磁波を照射する装置については、上記電磁波を照射し得る限り適宜の電磁波発生装置を用いることができる。また、市販の調理用電子レンジを電磁波照射装置として用いてもよい。その場合には、調理用電子レンジ内に上記液体に浸漬されている炭素材料を配置し、電磁波を照射すればよい。
電磁波の照射量については、上記炭素材料を加熱して薄片化黒鉛を得ることができる限り、特に限定されない。
電磁波の照射により、液体に浸漬されている炭素材料が加熱される。その結果、炭素材料に接触している部分において活性メチレン化合物誘導体の脱炭酸反応が促進される。この二酸化炭素ガスが放出される際の応力により、グラフェン積層構造を有する炭素材料がより一層薄片化する。
なお、電磁波を照射するに際し、上記炭素材料と上記液体との混合物が部分的に冷却されていてもよい。
また、本発明においては、撹拌工程の前後において、超音波などによる機械的処理を行ってもよい。その場合においては、より一層薄片化を促進させることができる。
(炭素材料濃度)
上記炭素材料は、撹拌による薄片化によって表面積が増大するため、分散液粘度が剥離の進行に従って高くなる。そのため、分散液の分散均一性を保つためには、炭素材料濃度が低い方が好ましい。他方、炭素材料濃度が低すぎると、活性メチレン化合物誘導体の化学反応が進行するのに長時間を要する。従って、炭素材料濃度は、初期を高く設定し、薄片化が進行するに従って低濃度化させることが好ましい。このような炭素材料濃度調整は、撹拌による薄片化の進行に従って液体を随時添加し、濃度を低下させていく方法や、十分薄片化が進行した薄片化黒鉛を部分的に分離回収する方法等により行うことが考えられる。
(化学結合)
本発明においては、好ましくは、上記撹拌により薄片化黒鉛を得るにあたり、炭素材料により多くの活性メチレン化合物誘導体を化学結合させることが望ましい。それによって、より一層積層数が少なく、かつより一層分散性の高い薄片化黒鉛を得ることができる。これは、化合物が化学結合により炭素材料内のグラフェンに結合し、この結合反応の結果、グラフェン間のπ結合が弱まることで、薄片化がより一層進むためと考えられる。
上記のように、活性メチレン化合物誘導体の反応性を高めるためには、特に限定されないが、好ましくは、ハロゲン化剤を用いた化学反応が望ましく、その場合は、薄片化と化学反応をより一層進めることができる。
上記のように、化学結合を形成する化合物としては、特に限定されないが、好ましくは、Bingel反応性化合物を用いた化学結合が望ましく、その場合は、薄片化と化学反応をより一層進めることができる。
Bingel反応性化合物としては、一般的なマロン酸ジエステル誘導体やアセト酢酸エステル誘導体等であれば、いずれも用いることができ、例えばブロモマロン酸ジエチルやブロモアセト酢酸メチル等のような、一方の水素をハロゲンに置き換えた活性メチレン基を有する化合物が挙げられる。
上記活性メチレン化合物誘導体としては、活性メチレン基を中心に対称な構造を有していなくてもよく、構造の片側が樹脂の種類に合わせて、樹脂との相溶性の高い置換基に変性されたものが望ましい。例えば、シアノ酢酸メチルや3−オキソヘプタン酸メチルなどが挙げられる。
上記化学結合した活性メチレン化合物誘導体は、一度剥離したグラフェンの再積層化や凝集を妨げる効果があり、かつ溶媒や樹脂分散性に優れる。従って、上記化学結合をした化合物の含有量は、得られた薄片化黒鉛100重量%に対し、0.5〜100重量%であることが好ましい。
上記化学結合した化合物の検出は、NMRやIR等の既知の分析法により検出することができる。検出方法としては、特定の分析法に限定されないが、簡便さと定量性の観点から通常、熱重量測定が用いられる。この熱重量測定では、化合物が炭素材料に化学結合している場合、一般的にその分解温度が通常の分解温度よりも高温側で検出される。また、この熱分解物の構造解析の目的で、MS測定などを組み合わせてもよい。
(薄片化黒鉛)
本発明に係る薄片化黒鉛には、活性メチレン化合物誘導体が化学結合している。従って、溶媒中や樹脂中において、極めて高い分散性を有する。薄片化黒鉛に化学結合している活性メチレン化合物誘導体の含有量は、薄片化黒鉛100重量部に対し、0.5〜100重量部であることが好ましい。この場合、より一層溶媒中や樹脂中における分散性を高めることができる。
本発明に係る薄片化黒鉛の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記本発明の製造方法に従って作製することができる。本発明の高分散性薄片化黒鉛の製造方法では、上記のように、液体に浸漬された炭素材料を撹拌するだけで高分散性の薄片化黒鉛が得られる。従って、得られた高分散性の薄片化黒鉛は、薄片化黒鉛の再凝集を抑制するため、樹脂中などで高い機械的物性の発現を可能にする。また、このようにして得られた高分散性の薄片化黒鉛では、新たな表面処理を必要とすることなく、化学結合した化合物によって、溶媒や樹脂などに対して高い分散性を実現する。
(薄片化黒鉛分散液)
本発明においては、上記のように、液体に浸漬された炭素材料を撹拌するだけで薄片化黒鉛分散液が得られる。なお、炭素材料を撹拌する工程において、加熱工程を併用することによって活性メチレン化合物誘導体から二酸化炭素ガスを発生させることにより、さらに薄片化黒鉛を薄片化させた薄片化黒鉛分散液を得てもよい。
薄片化黒鉛分散液からの薄片化黒鉛の回収に当たっては、濾過、遠心分離、重力沈降、溶媒分離、凝集剤又は吸着剤等の既知の手法を用いることができる。なお、得られた薄片化黒鉛分散液をそのまま用いることもできる。その場合は、未反応化合物等の不純物を溶媒等を用いて分離することが望ましい。
(薄片化黒鉛−樹脂複合材料)
上記薄片化黒鉛又は薄片化黒鉛分散液と、樹脂とを複合化することで、薄片化黒鉛−樹脂複合材料が得られる。得られた複合材料は、導電、熱電、誘電、電磁波吸収又はセンサ材料等の電気化学的素材や、剛性、耐熱性、寸法安定性等の力学的強度素材等に用いることができる。
上記樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など所望の樹脂を適宜用いることができる。上述したように、本発明においては、薄片化黒鉛に活性メチレン化合物誘導体を化学結合させることが可能である。従って、所望の樹脂と親和性の高い置換基を有する活性メチレン化合物誘導体を用いることで、樹脂中での薄片化黒鉛の分散性をより一層高めることができる。
特に活性メチレン化合物誘導体を化学的に結合させた薄片化黒鉛や薄片化黒鉛分散液は、薄片化黒鉛の再凝集が起こりにくく、分散性に優れていることから、これら複合材料に用いることが容易である。また、活性メチレン化合物誘導体を化学的に結合させた薄片化黒鉛においては、薄片化黒鉛表面に官能基を導入することができる。この場合、樹脂との相互作用が設計できることから、得られた複合材料の電気化学的、力学的素材としての性質が特に優れている。
(炭素材料)
本願発明に係る炭素材料は、グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、上記炭素材料0.5gを温度120℃で加熱したときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする。
本願発明に係る炭素材料の他の広い局面では、グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、上記炭素材料0.5gを、温度120℃の1M水酸化ナトリウム水溶液3gに混合させたときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする。
本願発明に係る炭素材料に別の広い局面は、グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、上記炭素材料0.5gを温度120℃の1M塩酸溶液3gに15分間混合させたときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする。
これらの発明を、以下、本願発明と称するものとする。
本願発明によれば、溶媒中や樹脂中における分散性が極めて高い、炭素材料を提供することができる。
上記グラフェン積層構造を有する炭素材料としては、特に限定されないが、黒鉛、カーボンナノチューブ、薄片化黒鉛及びグラフェンなどを用いることができる。好ましくは、黒鉛又は薄片化黒鉛である。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
本発明において、薄片化黒鉛とは、元の黒鉛を剥離処理して得られるものであり、元の黒鉛よりも薄いグラフェンシート積層体をいう。薄片化黒鉛におけるグラフェンシート積層数は、元の黒鉛より少なければよいが、通常、数層〜数千層程度である。溶媒中及び樹脂中での分散性を効果的に高める観点から、積層数は、2000層以下であることが好ましく、1000層以下であることがより好ましく、500層以下であることがさらに好ましく、200層以下であることが特に好ましい。
上記のように、薄片化黒鉛は、薄いグラフェンシートが積層された構造を有する。従って、薄片化黒鉛のアスペクト比は、比較的大きい。なお、本明細書において、アスペクト比とは、薄片化黒鉛の厚みに対する薄片化黒鉛の積層面方向における最大寸法の比のことをいう。
薄片化黒鉛のアスペクト比が低すぎると、上記積層面に交差する方向に加わった外力に対する補強効果が十分でないことがある。薄片化黒鉛のアスペクト比が高すぎると、効果が飽和してそれ以上の補強効果が望めないことがある。従って、薄片化黒鉛のアスペクト比の好ましい下限は5程度であり、好ましい上限は100程度である。
本願発明に係る炭素材料において発生する炭酸ガスの発生量は、10000ppm以上であることが好ましく、40000ppm以下であることが好ましく、20000ppm以下であることがより好ましい。炭酸ガスの発生量が、上記下限以上である場合、溶媒中や樹脂中における分散性をより一層高めることができる。また、本願発明において炭酸ガスを発生させることにより、発生した二酸化炭素の圧力によってさらに一層効率よく薄片化させることができる。
本願発明に係る炭素材料は、加熱、酸接触又は塩基接触によりガスを発生させる置換基を有していることが好ましい。
上記ガスを発生させる置換基は、2つのカルボニル基を有する置換基であることが好ましい。より好ましくは、上記ガスを発生させる置換基が、エステル基、カルボキシル基、及びカルボン酸ハライドからなる群から選択された少なくとも1種を有する置換基であることが望ましい。
また、上記ガスを発生させる置換基としては、下記式(1)で表される置換基であることが好ましい。
(式1中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のエステル基、水素原子又はハロゲン原子を示し、Rは炭素数1〜20のカルボン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸ハライド基又はシアノ基などの電子吸引基を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基又は上記炭素材料との直接結合を示す。)
上記Rはアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基(−OMe)であることがより好ましい。上記Rはカルボン酸エステル基であることが好ましく、メチルエステル基(−COOMe)であることがより好ましい。R3は、Brであることが好ましい。この場合、炭素材料へのグラフト反応と脱炭酸反応とをより一層効率的に進行させることができる。具体的には下記式(2)で表される置換基を挙げることができる。
なお、R又はRがエステル基を含む場合は、塩基により炭酸ガスを発生させることができる。また、Rがアルコキシ基又はRがカルボン酸の場合は、加熱もしくは酸により炭酸ガスを発生させることができる。
(実施例及び比較例)
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
200mlの三口フラスコに、グラフェン構造を有する炭素材料(伊藤黒鉛社製、品番:PC−H)0.2gと、活性メチレン化合物誘導体としてマロン酸ジエチル100gと、塩基性化合物として水酸化ナトリウム0.01gとを入れて、炭素材料を溶液に浸漬させた。このようにして、炭素材料がマロン酸ジエチル溶液に浸漬された状態で、マグネチックスターラーを用いて800rpmの回転速度で6時間撹拌した。この撹拌処理後の炭素材料を、エタノール100gによって、洗浄濾過し、150℃、ゲージ圧力−0.1MPaの真空オーブンで10時間以上乾燥を行ない、薄片化黒鉛を得た。得られた薄片化黒鉛を、分散性の評価および薄片化の評価に供した。
(評価方法)
分散性の評価;
薄片化黒鉛0.01gとキシレン5gを20mlのガラス瓶中にて混合した。これを超音波洗浄機(アズワン社製、型番:VS−1003)にて1分間、超音波によって分散させて静置した。次に、それぞれの分散状態を沈降速度により以下の評価基準で判定した。
[分散性の評価基準]
☆:60分以上分散
◎:30分以上、60分未満分散
○:5分以上、30分未満分散
×:5分未満で沈殿
薄片化の評価;
テトラヒドロフラン10g及び薄片化黒鉛0.1gを20mlのガラス瓶中にて混合した。これを超音波洗浄機にて1分間、超音波によって分散させた。ここにポリスチレンを1g加えて、ロータリーミキサーを用いて完全にポリスチレンを溶解させた。この溶液を80℃、ゲージ圧力−0.1MPaの真空オーブンで8時間以上乾燥させた後に、高温プレス機で成形することで薄片化黒鉛とポリスチレンとの樹脂複合材料を得た。さらに、クロスセクションポリッシャー(日本電子社製、型番:IB−19500CP)にて得られた樹脂複合材料の断面を研磨し、SEM(日立ハイテクノロジー社製、型番:S−3400)によって、任意のサンプル(n数>50)の断面を観察した。
このとき、元の炭素材料に対して得られた薄片化黒鉛の厚さの変化率を下記式で求めた。
変化率(%)={1−(得られた薄片化黒鉛の厚み/炭素材料の厚み)}×100
変化率から、薄片化の程度を以下の評価基準で判定した。
[薄片化の評価基準]
◎:30%以上
○:10%以上、30%未満
×:10%未満
結果を下記表1に示す。
また、別途、得られた薄片化黒鉛を、ポリプロピレン(日本ポリプロ社製)と、ローラミキサ(東洋精機製作所社製、型番:R100)を用いて、15分間混合することにより、樹脂複合材料を得た。次に、クロスセクションポリッシャー(日本電子社製、型番:IB−19500CP)にて得られた樹脂複合材料の断面を研磨し、SEM(日立ハイテクノロジー社製、型番:S−3400)を用いて樹脂複合材料の断面を観察した。図1は、その倍率3000倍のSEM写真である。
(実施例2)
200mlの三口フラスコに、グラフェン構造を有する炭素材料(伊藤黒鉛社製、品番:PC−H)0.2gと、活性メチレン化合物誘導体としてマロン酸ジエチル100gと、塩基性化合物として水酸化ナトリウム0.01gと、さらにハロゲン化剤としてヨウ素0.3gとを入れて、炭素材料を溶液に浸漬させた。その他の点は、実施例1と同様にして、薄片化黒鉛を得た。得られた薄片化黒鉛を、実施例1と同様に、分散性の評価および薄片化の評価に供した。すると、ハロゲン化剤を用いることで黒鉛に活性メチレン化合物誘導体がより多く化学結合するため、表1に示すように分散性が大きく改善する結果であった。
(実施例3)
200mlの三口フラスコに、グラフェン構造を有する炭素材料(伊藤黒鉛社製、品番:PC−H)0.2gと、活性メチレン化合物誘導体としてBingel反応性化合物であるブロモマロン酸ジエチル0.2gと、塩基性化合物として水酸化ナトリウム0.01gと、溶媒としてトルエン150gとを入れて、炭素材料を溶液に浸漬させた。その他の点は、実施例1と同様にして、薄片化黒鉛を得た。得られた薄片化黒鉛を、実施例1と同様に、分散性の評価および薄片化の評価に供した。Bingel反応性化合物を用いることで、表1に示すように効率的に化学反応が進行して実施例1と比較して分散性が向上した。
(実施例4)
実施例1におけるマグネチックスターラーを用いて800rpmの回転速度で6時間撹拌する工程の後に、電磁波としてマイクロ波をスピードウェーブ2(アクタック社製、型番:DAP−60K)を用いて、2.45GHzで、15分間照射したこと以外は実施例1と同様にして、薄片化黒鉛を得た。得られた薄片化黒鉛を、実施例1と同様に、分散性の評価および薄片化の評価に供した。実施例4では、マイクロ波照射による加熱工程を備えることで活性メチレン化合物誘導体の脱炭酸反応によって二酸化炭素ガスが発生し、そのガス圧によって薄片化が促進され、表1に示すように、より薄片化された薄片化黒鉛が得られた。
(実施例5)
200mlの三口フラスコに、グラフェン構造を有する炭素材料(伊藤黒鉛社製、品番:PC−H)0.2gと、活性メチレン化合物誘導体としてBingel反応性化合物であるブロモマロン酸ジエチルを0.2gと、塩基性化合物として水酸化ナトリウム0.01gと、溶媒としてトルエン150gとを入れて、炭素材料を溶液に浸漬させた。その他の点は、実施例4と同様にして、薄片化黒鉛を得た。得られた薄片化黒鉛を、実施例1と同様に、分散性の評価および薄片化の評価に供した。実施例5では、表1に示すように極めて分散性が高い薄片化黒鉛が得られた。
また、別途、得られた薄片化黒鉛を、ポリプロピレン(日本ポリプロ社製)と、ローラミキサ(東洋精機社製、型番:R100)を用いて、15分間混合することにより、樹脂複合材料を得た。次に、クロスセクションポリッシャー(日本電子社製、型番:IB−19500CP)にて得られた樹脂複合材料の断面を研磨し、SEM(日立ハイテクノロジー社製、型番:S−3400)を用いて樹脂複合材料の断面を観察した。図2は、その倍率3000倍のSEM写真である。図2より、実施例5で得られた薄片化黒鉛は、樹脂中において、極めて高い分散性を有していることが確認できた。
(実施例6)
活性メチレン化合物誘導体としてマロン酸ジエチルの代わりに、構造の片側にシアノ基が導入されたシアノ酢酸メチルを用いたことと、ハロゲン化剤としてヨウ素を0.3g添加したこと以外は実施例1と同様にして、薄片化黒鉛を得た。得られた薄片化黒鉛について実施例1と同様に評価を行ったところ、表1に示すように実施例2と同等の薄片化黒鉛が得られた。
(比較例1)
活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを用いず、溶媒としてキシレン100gのみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、黒鉛を得た。得られた黒鉛について実施例1と同様にして分散性及び薄片化を評価した。しかしながら、黒鉛に活性メチレン化合物誘導体が化学結合していないため、表1に示すように分散性が著しく低い結果であった。
また、別途、得られた黒鉛を、ポリプロピレン(日本ポリプロ社製)と、ローラミキサ(東洋精機社製、型番:R100)を用いて、15分間混合することにより、樹脂複合材料を得た。次に、クロスセクションポリッシャー(日本電子社製、型番:IB−19500CP)にて得られた樹脂複合材料の断面を研磨し、SEM(日立ハイテクノロジー社製、型番:S−3400)を用いて樹脂複合材料の断面を観察した。図3は、その倍率3000倍のSEM写真である。図3より、活性メチレン化合物誘導体を化学結合させていない黒鉛では大きな凝集体が観察され、薄片化が不十分な様子が確認できた。
(比較例2)
マグネチックスターラーを用いて撹拌せずに、6時間静置したこと以外は実施例1と同様にして、薄片化黒鉛を得た。得られた薄片化黒鉛について実施例1と同様にして分散性及び薄片化を評価した。比較例1と比較して分散性は、わずかに向上したが、撹拌を行っていないため薄片化黒鉛に活性メチレン化合物誘導体の反応率が低く、表1に示すように実施例1の薄片化に及ばない結果であった。
(炭酸ガスの評価)
実施例1で得られた薄片化黒鉛2.0gをナスフラスコ中にて120℃で加熱し、発生した気体をガラスチューブで飽和水酸化カルシウム水溶液(石灰水)10gに通した。このとき水溶液が白濁するかを目視で確認したところ、実施例1の水溶液は白濁していた。なお、上記の白濁は二酸化炭素10000ppm以上で認められるので、実施例1の薄片化黒鉛は上記加熱により、10000ppm以上の炭酸ガスの発生が認められたと考えられる。
一方、比較例3として、黒鉛2.0gをナスフラスコ中にて120℃で加熱し、発生した気体をガラスチューブで飽和水酸化カルシウム水溶液(石灰水)10gに通したが、目視による白濁は認められなかった。

Claims (29)

  1. グラフェン積層構造を有する炭素材料を、活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液体に浸漬させる工程と、
    前記炭素材料が浸漬されている液体を撹拌する工程とを備える、薄片化黒鉛の製造方法。
  2. 前記炭素材料を液体に浸漬させる工程において、さらにハロゲン化剤を添加する、請求項1に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  3. 前記ハロゲン化剤の添加量が、前記炭素材料100重量部に対し、0.01〜30重量部である、請求項2に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  4. 前記活性メチレン化合物誘導体が、Bingel反応性化合物である、請求項1に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  5. 前記活性メチレン化合物誘導体に、相溶性置換基が導入されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  6. 前記炭素材料が浸漬されている液体を加熱する工程をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  7. 前記活性メチレン化合物誘導体に、加熱によりガスを発生させる置換基が導入されている、請求項6に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  8. 前記活性メチレン化合物誘導体と前記塩基性化合物とが、加熱によりガスを発生させる材料の組み合わせである、請求項6に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  9. 前記炭素材料が浸漬されている液体に、電磁波を照射する工程をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  10. 前記電磁波の照射に際し、前記炭素材料と前記液体との混合物を部分的に冷却する工程を備える、請求項9に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  11. 前記液体が溶媒をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  12. 前記溶媒が、炭素数8以下のアルコール類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、N−メチルピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミドからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項11に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  13. 前記ハロゲン化剤が、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、四塩化炭素、四臭化炭素及びカチオン部にビス(2,4,6−トリメチルピリジン)ブロモニウム又はビス(2,4,6−トリメチルピリジン)ヨードニウムを、アニオン部にヘキサフルオロホスファート又はテトラフルオロボロレートを有するハロゲン化塩からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項2〜12のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛の製造方法により得られた、薄片化黒鉛。
  15. 活性メチレン化合物誘導体が化学結合している、薄片化黒鉛。
  16. 前記薄片化黒鉛に化学結合している活性メチレン化合物誘導体の含有量が、前記薄片化黒鉛100重量部に対し、0.5〜100重量部である、請求項15に記載の薄片化黒鉛。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項に記載の薄片化黒鉛と、樹脂とを含む、薄片化黒鉛−樹脂複合材料。
  18. グラフェン積層構造を有する炭素材料を、活性メチレン化合物誘導体と塩基性化合物とを含む液体に浸漬させる工程と、
    前記炭素材料が浸漬されている液体を撹拌する工程とを備える、薄片化黒鉛分散液の製造方法。
  19. 請求項18に記載の薄片化黒鉛分散液の製造方法により得られた、薄片化黒鉛分散液。
  20. 前記薄片化黒鉛分散液中の薄片化黒鉛に活性メチレン化合物誘導体が化学結合しており、前記活性メチレン化合物誘導体の含有量が、薄片化黒鉛100重量部に対し、0.5〜100重量部である、請求項19に記載の薄片化黒鉛分散液。
  21. 請求項19又は20に記載の薄片化黒鉛分散液と、樹脂とを含む、薄片化黒鉛−樹脂複合材料。
  22. グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、前記炭素材料0.5gを温度120℃で加熱したときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする、炭素材料。
  23. グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、前記炭素材料0.5gを、温度120℃の1M水酸化ナトリウム水溶液3gに混合させたときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする、炭素材料。
  24. グラフェン積層構造を有する炭素材料であって、前記炭素材料0.5gを温度120℃の1M塩酸溶液3gに15分間混合させたときに、炭酸ガスが発生することを特徴とする、炭素材料。
  25. 前記炭酸ガスが10000ppm以上発生する、請求項22〜24のいずれか1項に記載の炭素材料。
  26. 加熱、酸接触又は塩基接触によりガスを発生させる置換基を有する、請求項22〜25のいずれか1項に記載の炭素材料。
  27. 前記ガスを発生させる置換基が、下記式(1)で表される置換基である、請求項26に記載の炭素材料。
    (式1中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のエステル基、水素原子又はハロゲン原子を示し、Rは炭素数1〜20のカルボン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸ハライド基又はシアノ基などの電子吸引基を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基又は前記炭素材料との直接結合を示す。)
  28. 前記ガスを発生させる置換基が、2つのカルボニル基を有する置換基である、請求項26又は27に記載の炭素材料。
  29. 前記ガスを発生させる置換基が、エステル基、カルボキシル基、及びカルボン酸ハライドからなる群から選択された少なくとも1種を有する置換基である、請求項26〜28のいずれか1項に記載の炭素材料。
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