JP2016068395A - 印字方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、インクジェット方式による印字は、インキによるノズルつまり等に起因する印字画像の不良が発生したり、印字を施すべき部分に内容物や異物等が付着しているために、インキが定着しないという問題がある。また、印字後、油分を含む内容物等が付着すると、印字画像が消失したり、にじんで不鮮明になるという問題がある。
しかしながら、これらの樹脂からなる包装材料の表面に印字画像を形成した場合、その表面を溶剤等で拭き取って印字画像を容易に改変することができるため、偽造防止の点から問題がある。
から、該波長1090nmのレーザ光を照射して、該気化層を気化させて部分的に除去することによって、レーザ印字画像を形成することを特徴とする上記印字方法が、上記の目的を達成することを見出した。
1.基材層、シーラント層、及びこれらの間に位置する気化層を有するレーザ印字用多層積層フィルムに、波長1090nmのレーザ光を照射して印字する印字方法であって、該気化層は、金属及び/又は金属酸化物を含有し、該波長1090nmのレーザ光の照射により気化する層であり、基材層側からまたはシーラント層側から、該波長1090nmのレーザ光を照射して、該気化層を気化させて部分的に除去することによって、レーザ印字画像を形成することを特徴とする、上記印字方法。
2.前記気化層が、金属酸化物およびバインダー樹脂を含有するインキ組成物からなる層であることを特徴とする、上記1に記載の印字方法。
3.前記金属酸化物が、酸化チタンであることを特徴とする、上記1または2に記載の印字方法。
4.前記インキ組成物が、さらに、レーザ光の照射により発色する発色剤を含有することを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の印字方法。
5.前記気化層が、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着膜からなる層であることを特徴とする、上記1に記載の印字方法。
6.前記レーザ印字用多層積層フィルムが、基材層と気化層との間、または、シーラント層と気化層との間に、さらにバリア層を有することを特徴とする、上記1〜5のいずれかに記載の印字方法。
ことから擦れ等による消失を効果的に防止することができ、且つ、その改ざんを効果的に防止することができる。また、印字スペースはヒートシール部分に限定されず、読み取り易くかつ多くの情報量を印字することができる。
これらの利点から、本発明の印字方法は、食料品、化成品等の種々の包装材料に印字するために好適に用いられ、賞味期限、製造日、製造番号、検査結果等の情報をレーザ印字画像として記録することができる。
<I>本発明の印字方法において使用するレーザ印字用多層積層フィルムの層構成
図1は、本発明の印字方法において使用するレーザ印字用多層積層フィルムの層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
図1に示されるように、本発明において使用するレーザ印字用多層積層フィルムは、基材層1、気化層2およびシーラント層3からなる構成を基本とする。ここで、各層はそれぞれ、単層構成であっても、2またはそれ以上の層を積層した多層構成であってもよい。
また、必要に応じて、それぞれの積層面に、積層前に所望の表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
また、各層間の積層方法としては、慣用のドライラミネート法、押し出しコーティング法、サンドラミネート法等を適宜選択することができる。
本発明において、基材層は、その使用目的、用途等に応じた任意の樹脂フィルムを使用することができる。
本発明においては、上記のような理由から、例えば、5〜170μm、好ましくは10〜50μm程度である。
本発明において、気化層は、金属及び/又は金属酸化物を含有し、波長1090nmのレーザ光の照射により気化する層である。
気化層を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、金、銀、銅、鉄等が挙げられる。コストおよび印字性等の観点から、特に好ましくはアルミニウムが使用される。気化層は、上記金属の金属箔、例えば、アルミニウム箔からなるものであってよい。または、基材層またはシーラント層上に、上記金属を蒸着させてなる蒸着膜からなるものであってよい。または、PETフィルム等の任意のフィルム上に上記金属を蒸着させてなる蒸着フィルムからなるものであってよい。
ができる。このようなインキ組成物からなる気化層は、単層構成であっても、同じかまたは異なるインキ組成物を2層以上積層した多層構成であってもよい。
本発明の別の態様において、インキ組成物からなる気化層は、有色インキと、レーザ発色性インキとを重ねて印刷または塗布したものであってよい。
本発明において、レーザ発色性インキとしては、上記の発色剤と、上記のバインダー樹脂とを含むインキ組成物が挙げられる。
字が不十分、不鮮明となることなどの理由から好ましくなく、含有量が増加するほど印字の発色は濃くなって行くが、30質量%以上にしてもその濃度上昇による視認性の差が顕著に認識できるものではなく、むしろ、コストアップや、印刷下地層が硬くなり、ひび割れ、強度低下等を導き、レーザ光の照射により発色する発色材料自体の顔料色が印刷下地層に色を付けてしまうこと等の理由から好ましくない。
本発明において、シーラント層は、包装材料の最内層のシーラントとして機能するヒートシール性樹脂からなる。
本発明において、シーラント層を形成するために好適に使用されるヒートシール性樹脂としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂を、単独で、または2種又はそれ以上を混合して使用することができる。
包装材料としての用途において、内容品と接する最内層となるため、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等が好適に使用される。
シーラント層の層厚は、用途に応じて適宜に設定することができるが、好ましくは5〜170μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
所望により、基材層と気化層との間、または、シーラント層と気化層との間に、酸素及び/又は水蒸気に対するバリア性を有するバリア層が設けられる。
蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着ポリプロピレンフィルム、シリカ蒸着ポリエステルフィルム、シリカ蒸着ポリアミドフィルム、アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、MXD6等が挙げられる。なお、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
本発明の印字方法は、ファイバレーザマーカ装置を用いて、レーザ印字用多層積層フィルムに、波長1090nmのレーザ光を照射することにより印字するものである。レーザ光は、レーザ印字用多層積層フィルムの基材層側およびシーラント層側のいずれの側から照射してもよい。
本発明において、レーザ印字画像は、文字、数字、記号、図柄等を含むが、これらに限定されない。
また、本発明の印字方法は、各種包装材料、ラベル類、カード類等に適用することができる。
[実施例1]
基材層として、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ(株)製OP−M1)を使用し、この一方の面上に、グラビアロールコート法により、以下の組成よりなるインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて塗工し、塗布量2.7g/m2(乾燥時)の気化層を設けた。
酸化チタン 80質量%(固形分換算値)
ウレタン樹脂 20質量%(固形分換算値)
合計100質量%
上記組成からなるインキ組成物を、等質量の混合溶剤(メチルエチルケトン:酢酸n−プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比))と混合して使用した。
該フィルムに、平均出力6W、スキャンスピード2000mm/s、周波数120kHzの条件下で、波長1090nmのレーザ光(ファイバレーザ)を基材層側から照射した。
これにより、レーザ光を照射した部分の気化層が気化し、炭化して黒色を呈し、表面の基材層は破断することなく変形して隆起し、明瞭な印字画像が得られた。
基材層として、厚さ12μmの易カット性PETフィルムを使用し、この一方の面上に、グラビアロールコート法により、以下の組成よりなるインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて塗工し、塗布量2.7g/m2(乾燥時)の気化層を設けた。
酸化ビスマス(発色剤) 5質量%(固形分換算値)
酸化チタン(白色インキ含量) 15質量%(固形分換算値)
ウレタン樹脂 80質量%(固形分換算値)
合計100質量%
上記組成からなるインキ組成物を、等質量の混合溶剤(メチルエチルケトン:酢酸n−プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比))と混合して使用した。
次いで、2液硬化型ポリエステル系接着剤を用いてドライラミネーション法により接着剤層を設け、厚さ12μmの易カット性PETフィルム及び厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネーション法により積層した。
これにより、レーザ光を照射した部分の気化層が気化し、発色剤の色を呈した除去部が形成され、表面の基材層は破断することなく変形して隆起し、明瞭な印字画像が得られた。
2.気化層
3.シーラント層
4.バリア層
5.絵柄印刷層
Claims (6)
- 基材層、シーラント層、及びこれらの間に位置する気化層を有するレーザ印字用多層積層フィルムに、波長1090nmのレーザ光を照射して印字する印字方法であって、
該気化層は、金属及び/又は金属酸化物を含有し、該波長1090nmのレーザ光の照射により気化する層であり、
基材層側からまたはシーラント層側から、該波長1090nmのレーザ光を照射して、該気化層を気化させて部分的に除去することによって、レーザ印字画像を形成することを特徴とする、上記印字方法。 - 前記気化層が、金属酸化物およびバインダー樹脂を含有するインキ組成物からなる層であることを特徴とする、請求項1に記載の印字方法。
- 前記金属酸化物が、酸化チタンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の印字方法。
- 前記インキ組成物が、さらに、レーザ光の照射により発色する発色剤を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印字方法。
- 前記気化層が、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着膜からなる層であることを特徴とする、請求項1に記載の印字方法。
- 前記レーザ印字用多層積層フィルムが、基材層と気化層との間、または、シーラント層と気化層との間に、さらにバリア層を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印字方法。
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