JP6698274B2 - レーザ印字用多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、レーザにより印字できるレーザ印字用多層フィルム、及びそれよりなる包装材料、並びにレーザ印字方法に関する。
従来、医薬品、飲料や食品等の包装容器に使用する包装材の表面には商品名、商品デザイン等の商品に共通する情報と共に、製造所、製造年月日、賞味期限、製造責任者等が記載されている。前者共通情報は内容物が密封される前に包装袋に印刷されるが、後者はその性質上、内容物が収納・密封された時点で記入され、かつ袋外面の所定の記録枠部分に記入される。
この記載方法として、包装材の表面に、インクジェットにより印字したり、別途印字したラベルを貼付したりする。しかし不定形の表面を有する包装体や衝撃に弱い内容物を収納した軟包装等の場合は機械的な印字方法は適当ではなく、また、インクジェットによる印字は、油分の多い内容物等が印字部に付着したり、取り扱いの過程や輸送の過程で擦過することによって、消滅したり、脱離する等の問題がある。
その対策として、包装体の印刷表面にレーザ照射によって文字や記号を描画し記載する印字方法が行われている(特許文献1等)。しかしながら、これは印字濃度が薄く、視認性に劣るものであった。また、十分な印字濃度を得るために、レーザ照射条件を強くする必要があり、包材へのダメージが大きいものであった。
さらに、紙を基材とする場合は、炭酸ガス(CO2)で表面を削ることにより印字する方法が用いられているが、この方法によると、包材へのダメージが大きく、また、加工時に生じる紙粉や発煙が問題となっている。
特開2007−217048号公報
したがって、本発明は、上記の問題を解決し、紙を基材とするレーザ印字用多層フィルムであって、少ないダメージで視認性に優れた印字が得られるレーザ印字用多層フィルムを提供すること、及び、紙粉や発煙を生じさせることなく、少ないダメージで、視認性に優れた印字を得るレーザ印字方法を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究の結果、紙基材層、発色インキ層及び絵柄印刷層の順に積層されたレーザ印字用多層フィルムであって、該絵柄印刷層は、フィルムの最表層であって、且つ、発色インキ層上に部分的に設けられており、これによって、発色インキ層と絵柄印刷層とが重なりあった領域と、発色インキ層のみの領域が存在し、該発色インキ層は、発振波長532nmのグリーンレーザ、発振波長1090nmのファイバレーザ、発振波長10600nmの炭酸ガスレーザ、または発振波長1064nmのYVO4レーザもしくはYAGレーザのいずれかのレーザ光の照射により発色する、上記レーザ印字用多層フィルム、及び、このフィルムへの印字方法が、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.紙基材層、発色インキ層及び絵柄印刷層の順に積層されたレーザ印字用多層フィルムであって、該絵柄印刷層は、フィルムの最表層であって、且つ、発色インキ層上に部分的に設けられており、これによって、発色インキ層と絵柄印刷層とが重なりあった領域と、発色インキ層のみの領域が存在し、該発色インキ層は、発振波長532nmのグリーンレーザ、発振波長1090nmのファイバレーザ、発振波長10600nmの炭酸ガスレーザ、または発振波長1064nmのYVO4レーザもしくはYAGレーザのいずれかのレーザ光の照射により発色する、上記レーザ印字用多層フィルム。
2.上記発色インキ層が、酸化チタン系顔料及びバインダ樹脂を含む白インキからなる層である、上記1に記載のレーザ印字用多層フィルム。
3.上記発色インキ層が、ビスマス系化合物及びバインダ樹脂を含むレーザ発色インキからなる層である、上記1に記載のレーザ印字用多層フィルム。
4.上記1〜3のいずれかに記載のレーザ印字用多層フィルムの紙基材層側に、最内層としてヒートシール性樹脂層を有する、レーザ印字用包装材料。
5.上記紙基材層とヒートシール性樹脂層との間に、バリア層を有する、上記4に記載のレーザ印字用包装材料。
6.上記1〜5のいずれかに記載のレーザ印字用多層フィルムまたはレーザ印字用包装材料へのレーザ印字方法であって、絵柄印刷層側から、発色インキ層のみの領域に対して、発振波長532nmのグリーンレーザ、発振波長1090nmのファイバレーザ、発振波長10600nmの炭酸ガスレーザ、または発振波長1064nmのYVO4レーザもしくはYAGレーザのいずれかのレーザ光を照射して、模様を印字することを特徴とする、レーザ印字方法。
本発明のレーザ印字用多層フィルムは、紙基材上に、発色インキ層及び部分的に設けられた絵柄印刷層のみを有し、露出した発色インキ層に、発振波長532nmのグリーンレーザ、発振波長1090nmのファイバレーザ、発振波長10600nmの炭酸ガスレーザ、または発振波長1064nmのYVO4レーザもしくはYAGレーザのいずれかのレーザ光を照射することにより、任意の模様を印字することができる。この構成により、本発明のレーザ印字用多層フィルムは、少ないダメージで、視認性に優れた模様を印字することができる。
また、本発明のレーザ印字用多層フィルムは、少ない層構成で、安価に製造することができ、また、印字工程においては、紙粉や発煙が発生することがない。
本発明のレーザ印字用多層フィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明のレーザ印字用包装材料の層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明のレーザ印字用包装材料の層構成について、一例を示す概略的断面図である。
本発明について以下に詳しく説明する。
<I>本発明のレーザ印字用多層フィルムの層構成
図1は、本発明のレーザ印字用多層フィルムの層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
図1に示されるように、本発明のレーザ印字用多層フィルムは、紙基材層1、発色インキ層2及び絵柄印刷層3からなる構成を基本とする。ここで、各層はそれぞれ、単層構成であっても、2またはそれ以上の層を積層した多層構成であってもよい。絵柄印刷層3は、本発明のフィルムの最表層であって、且つ、発色インキ層2上に部分的に設けられる層である。これにより、発色インキ層のみの領域Aと、発色インキ層と絵柄印刷層とが重なりあった領域Bとが存在する。
発色インキ層のみの領域Aにおいて、発色インキ層2がフィルムの最表面に露出している。この領域Aに、グリーンレーザ、ファイバレーザ、炭酸ガスレーザ、YVO4レーザ、またはYAGレーザのいずれかを用いて、それぞれ特定の発振波長のレーザ光を照射することにより、発色インキ層が発色し、任意の模様が印字される。
また、図2に示されるように、レーザ印字用多層フィルムの紙基材層1側に、最内層としてヒートシール性樹脂層4を積層することにより、本発明のレーザ印字用包装材料が得られる。さらに、図3に示されるように、紙基材層1とヒートシール性樹脂層4との間に、バリア層5を設けてもよい。
また、必要に応じて、それぞれの積層面に、積層前に所望の表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
<II>紙基材層
本発明において、紙基材層としては、用途に応じて、種々の賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する任意の紙を使用することができ、例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒または未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。紙基材層は、これらの紙を複数層重ねてラミネートしたものであってもよい。任意の厚さのものを使用することができるが、例えば、坪量50〜600g/m2、好ましくは坪量70〜200g/m2であり、厚さ60〜860μm、好ましくは80〜400μmの範囲である。
<III>発色インキ層
本発明において、発色インキ層は、発振波長532nmのグリーンレーザ、発振波長1090nmのファイバレーザ、発振波長10600nmの炭酸ガスレーザ、及び発振波長1064nmのYVOまたはYAGレーザのいずれかのレーザ光の照射により発色する発色インキを、紙基材層上に塗布してなる層である。なお、発色インキ層は、レーザ印字する予定の所望個所に形成すればよく、全面に形成する必要はない。
本発明の一態様において、発色インキは、少なくとも酸化チタン系顔料とバインダ樹脂とを含む白インキである。白インキは、さらに必要に応じて、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤を任意に添加してもよい。
酸化チタン系顔料としては、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。
バインダ樹脂としては、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、硝化綿、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の1種または2種以上を併用することができる。
上記の酸化チタン系顔料、及びバインダ樹脂、さらに、必要に応じて添加剤を添加し、溶媒、希釈剤等で分散、混練して白インキとする。酸化チタン系顔料とバインダ樹脂との混合比は、任意の割合であってよいが、特に好ましくは、酸化チタン系顔料:バインダ樹脂の質量比が、10〜35:65〜90、より好ましくは10〜25:75〜90である。酸化チタン系顔料が上記範囲より多いと、フィルムがレーザ照射によるダメージを受け易くなる。また、インキ被膜の凝集力が低下し、脱落したり、皮膜強度が低下する欠点がある。逆に、酸化チタン系顔料が上記範囲より少ないと、インキが薄く、隠蔽性不足となり、印字画像が不明瞭になり得る。
酸化チタン系顔料の含有量を多めに規制し、かつ、酸化チタン系顔料の塗布量が2.5g/m2以上と多めにすることによって、白インキのみでレーザ印字での濃度差が大きく、判読しやすくなる。
上記白インキを用いて、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の従来の印刷方式で、紙基材層上に印刷し、白インキからなる発色インキ層を形成する。白インキからなる発色インキ層は、その上に設ける絵柄印刷層の印刷下地としての機能も果たす。白インキは1回印刷(1度刷り)でも、複数回の印刷(多色刷り)で形成してもよい。
本発明の別の態様において、発色インキは、レーザ光により発色する発色材料と、バインダ樹脂とを含むレーザ発色インキである。レーザ発色インキは、さらに必要に応じて、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤を任意に添加してもよい。発色インキとして、レーザ発色インキを用いることにより、より鮮明な印字画像を得ることもできる。
レーザ光により発色する発色材料としては、染料・顔料等の着色剤、粘土類等を使用することができ、具体的には、ビスマス系化合物、黄色酸化鉄、無機鉛化合物、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水銀、コバルト、銅、ニッケル等の金属化合物、真珠光沢顔料、珪素化合物、雲母類、カオリン類、珪砂、硅藻土、タルク、酸化チタン被覆雲母類、二酸化錫被覆雲母類、アンチモン被覆雲母類、スズ+アンチモン被覆雲母類、スズ+アンチモン+酸化チタン被覆雲母類等の1種または2種以上を使用することができる。本発明では、特に、グリーンレーザを用いて発振波長532nmのレーザ光またはファイバレーザを用いて発振波長1090nmのレーザ光の照射により、低出力で鮮明な発色が得られるため、特に、ビスマス系化合物が好適に使用される。
ビスマス系化合物としては、例えば、酸化ビスマス、硝酸ビスマス、オキシ硝酸ビスマス等の硝酸ビスマス系、塩化ビスマス等のハロゲン化ビスマス系、オキシ塩化ビスマス、硫酸ビスマス、酢酸ビスマス、クエン酸ビスマス、水酸化ビスマス、チタン酸ビスマス等が挙げられ、なかでも、入手が容易であり、安価であるという観点から、硝酸ビスマス、水酸化ビスマスが望ましい。ビスマス系化合物は、1種又は2種以上の化合物を含むことができる。また、ビスマス系化合物以外の、レーザ光により発色する発色材料を併用することもできる。
バインダ樹脂としては、上記白インキにおいて挙げられた慣用のバインダ樹脂、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、硝化綿、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の1種または2種以上を併用することができる。
本発明において、レーザ発色インキはさらに、発熱効率を上げて発色を高めるための添加剤として、無機化合物を含むことが好ましい。
このような無機化合物としては、金属酸化物、銅系化合物、モリブデン系化合物、銅・モリブデン複合酸化物、銅・タングステン化合物、金属塩等を用いる。
具体的には、金属酸化物として、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化ネオジム、マイカ、ゼオライト、カオリナイト等が挙げられ、特に好ましくは酸化チタンである。
また、銅系化合物としては、例えば、銅、酸化銅、ハロゲン化銅、ギ酸、クエン酸、サリチル酸、ラウリル酸、シュウ酸、マレイン酸等の有機酸銅、リン酸銅、ヒドロキシリン酸銅等を好適に用いることができる。
モリブデン系化合物としては、モリブデン、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、塩化モリブデン、モリブデン酸金属(金属:K、Zn、Ca、Ni、ビスマス、Mg等)を好適に用いることができる。
金属塩としては、硫酸、硝酸、シュウ酸、炭酸等の酸とバリウム、コバルト、マグネシウム、ニッケル、鉄等の金属との塩を用いることができる。
本発明は、特に、発色材料としてビスマス系化合物を含有するものであって、その他に発色を高めるための添加剤として酸化チタンを含有するものが好適に用いられる。
上記のレーザ光により発色する発色材料、及びバインダ樹脂、さらに、必要に応じて添加剤を添加し、溶媒、希釈剤等で分散、混練してレーザ発色インキとする。レーザ光により発色する発色材料とバインダ樹脂との混合比は、任意の割合であってよいが、特に好ましくは、レーザ光により発色する発色材料の含有量は、レーザ発色インキの全質量に対して、固形分換算で、1〜30質量%であることが好ましい。1質量%未満では、発色、印字が不十分、不鮮明となることから好ましくない。また、含有量が増加するほど印字の発色は濃くなっていくが、30質量%以上にしてもその濃度上昇による視認性の差が顕著に認識できるものではなく、むしろ、コストアップや、ひび割れ、強度低下を導き、レーザ光の照射により発色する発色材料自体の顔料色が表れてしまうこと等から好ましくない。
上記の発色を高めるための添加剤としての無機化合物は、レーザ発色インキの全質量に対して、固形分換算で、65質量%までの割合で、より好ましくは5〜65質量%の割合で、レーザ発色インキに添加することができる。65質量%を越えると、無機化合物の増加によりコストアップ、印刷下地層が脆弱になり、強度低下を導くこと等から好ましくない。また、5質量%より少ないと発色、印字が不十分、不鮮明となり得る。
上記レーザ発色インキを用いて、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の従来の印刷方式で、紙基材層上に印刷し、レーザ発色インキからなる発色インキ層を形成する。
発色インキ層は、膜厚が0.05〜20μmが好ましく、より好ましくは0.1〜7μm程度である。膜厚が0.05μm未満であると発色、印字が不十分、不鮮明となる場合がある。
一方、膜厚が増加するほど印字の発色は濃くなるが、膜厚が20μmを越えると、コストアップ、発色インキ層の強度低下、レーザ光照射により発色する発色材料自体の顔料色が発色インキ層に色を付けること等の理由から好ましくない。なお、顔料使用量が同量の場合、添加濃度が高く、膜厚が薄い方が、印字の視認性は若干向上する。
<IV>絵柄印刷層
本発明において、絵柄印刷層は、基材に例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を、通常の印刷法を用いて形成されたものである。
本発明において、絵柄印刷層は、任意のインキからなり、2層またはそれ以上積層した構成であってもよい。
通常、絵柄印刷層の形成に用いるインキ(或いは塗液)は、バインダ樹脂、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等の各種添加剤からなる。
また、絵柄印刷層を印刷形成する場合、その印刷法としては、例えば、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、インキジェットプリント、転写印刷等の従来公知の印刷法で形成すれば良い。
<V>ヒートシール性樹脂層
本発明において、レーザ印字用多層フィルムを、レーザ印字用包装材料として適用するために、紙基材層側に、最内層のシーラントとして機能するヒートシール性樹脂層を設けることができる。
また、所望により、ヒートシール性樹脂層と上記紙基材層との間に、任意の中間層、例えばバリア層を含んでもよい。
本発明において、ヒートシール性樹脂としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂を、単独で、または2種又はそれ以上を混合して使用することができる。
これらのヒートシール性樹脂を、押出コーティング等により積層するか、またはこれらのヒートシール性樹脂からなるフィルムを任意の方法によりラミネートすることによって、積層することができる。
ヒートシール性樹脂中には、ラミネート強度を調整する等の各種目的のために、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を添加することができる。
ヒートシール性樹脂層の層厚は、レーザ印字用多層フィルムの用途に応じて適宜に設定することができるが、好ましくは5〜170μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
<VI>バリア層
所望により、紙基材層とヒートシール性樹脂層との間に、酸素及び/又は水蒸気に対するバリア性を有するバリア層が設けられる。
本発明において、バリア層は、バリア性樹脂層、無機物もしくは無機酸化物の蒸着膜を有する蒸着フィルム、または金属箔を含むものであってもよい。バリア層としては、具体的には、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着ポリプロピレンフィルム、シリカ蒸着ポリエステルフィルム、シリカ蒸着ポリアミドフィルム、アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、MXD6等が挙げられる。なお、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
バリア層の厚さとしては、当業者が適宜に決定することができる。例えば、バリア層が金属箔または蒸着フィルム等のバリアフィルムからなる場合、その厚さは5〜30μm、好適には5〜15μm程度であってよい。
<VII>印字
本発明の印字方法は、発振波長532nmのグリーンレーザ、発振波長1090nmのファイバレーザ、発振波長10600nmの炭酸ガスレーザ、または発振波長1064nmのYVO4レーザもしくはYAGレーザのいずれかを用いて、レーザ印字用多層フィルムに、レーザ光を照射することにより印字するものである。
特に好ましくは、グリーンレーザマーカ装置を用いて、レーザ印字用多層フィルムに、YAGまたはYVO4の第2高調波である波長532nmのレーザ光を照射することにより印字するものである。あるいは、ファイバレーザマーカ装置を用いて、レーザ印字用多層フィルムに、波長1090nmのレーザ光を照射することにより印字するものである。レーザ光は、絵柄印刷層側の表面から照射される。
波長532nmのレーザ光(グリーンレーザ光)は、スポット径が小さいことからより微細な印字が可能である。また、包材へのダメージが少なく、パルス幅が短くピークパワーが高いので発熱量が少なく、ラミネート強度への影響が小さい。
また、波長1090nmのレーザ光(ファイバレーザ光)は、出力が大きいため、反応性が高く、より視認性の良い印字が可能である。
本発明の方法において、レーザ印字用多層フィルムに、絵柄印刷層側から、発色インキ層に向けて波長532nmのレーザ光(グリーンレーザ)または波長1090nmのレーザ光(ファイバレーザ)を照射する。レーザ光が照射された部分の発色インキ層は、エネルギーを吸収し、炭化して黒色を呈する。あるいは、発色インキ層が発色剤を含有する場合は、含有する発色剤に応じた色を呈する。一方で、紙基材はダメージを受けず、紙粉や発煙は生じない。これにより、所望の明瞭な印字画像を形成することができる。
本発明において、レーザ印字画像は、文字、数字、記号、図柄等を含むが、これらに限定されない。
また、本発明の印字方法は、各種包装材料、ラベル類、カード類等に適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
[実施例1]
厚さ200μmのグラビア用紙の一方の面上に、グラビア印刷により、以下の組成よりなる白インキを塗工し、厚さ5μmの発色インキ層を設けた。
白インキ
酸化チタン 20質量%(固形分換算値)
ウレタン樹脂 80質量%(固形分換算値)
合計100質量%
上記組成からなる白インキを、等質量の混合溶剤(メチルエチルケトン:酢酸n−プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比))と混合して使用した。
次いで、該発色インキ層上に、グラビア印刷により、絵柄印刷層を部分的に設けた。また、グラビア用紙の反対側の面状に、押出ラミネート法によりエチレンメタクリル酸共重合樹脂(EMAA)を積層し、本発明のレーザ印字用多層フィルムを得た。
該フィルムの発色インキ層のみの領域に、平均出力4.8W、スキャンスピード2000mm/s、周波数30kHzの条件下で、波長532nmのレーザ光(グリーンレーザSHGタイプ)を絵柄印刷層側から照射した。
これにより、レーザ光を照射した部分の発色インキ層が炭化して黒色を呈し、明瞭な印字画像が得られた。
[実施例2]
発色インキ層として、白インキの代わりに、以下の組成よりなるレーザ発色インキを使用した以外は、実施例1と同様にして、本発明のレーザ印字用多層フィルムを得た。
レーザ発色インキ
酸化ビスマス(発色剤) 5質量%(固形分換算値)
酸化チタン(白色インキ含量) 15質量%(固形分換算値)
ウレタン樹脂 80質量%(固形分換算値)
合計100質量%
上記組成からなるインキ組成物を、等質量の混合溶剤(メチルエチルケトン:酢酸n−プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比))と混合して使用した。
該フィルムの発色インキ層のみの領域に、平均出力12W、スキャンスピード2000mm/s、周波数60kHzの条件下で、波長1090nmのレーザ光(ファイバレーザ)を絵柄印刷層側から照射した。
これにより、レーザ光を照射した部分の発色インキ層が発色し、明瞭な印字画像が得られた。
[実施例3]
実施例2で得られたレーザ印字用多層フィルムの発色インキ層及び絵柄印刷層状に、アンカーコート剤を全面塗工し、その上に、ポリエチレンを押出コーティング法により厚さ13μmとなるように積層し、オーバーコート層を設けた。
該フィルムの絵柄印刷層が存在しない領域に、平均出力4.8W、スキャンスピード2000mm/s、周波数30kHzの条件下で、波長532nmのレーザ光(グリーンレーザSHGタイプ)をオーバーコート層側から照射した。
これにより、レーザ光を照射した部分の発色インキ層が炭化して黒色を呈し、明瞭な印字画像が得られた。
[比較例1]
厚さ200μmのグラビア用紙の一方の面上に、グラビア印刷により、厚さ5μmの墨インキを塗工し、レーザ印字用多層フィルムを得た。
該フィルムに、発振波長10600nmの炭酸ガスレーザ光を照射し、墨インキを飛散させることにより、グラビア用紙を部分的に露出させて、印字画像を形成した。この際に、発煙及び粉塵が発生した。
1.紙基材層
2.発色インキ層
3.絵柄印刷層
4.ヒートシール性樹脂層
5.バリア層
A.発色インキ層のみの領域
B.発色インキ層と絵柄印刷層とが重なりあった領域

Claims (3)

  1. ヒートシール性樹脂層、紙基材層、発色インキ層及び絵柄印刷層がこの順に積層されたレーザ印字用多層フィルムであって、
    該絵柄印刷層は、フィルムの最表層であって、且つ、発色インキ層上に部分的に設けられており、これによって、発色インキ層と絵柄印刷層とが重なりあった領域と、発色インキ層のみの領域が存在し、
    該発色インキ層は、発振波長532nmのグリーンレーザ、発振波長1090nmのファイバレーザのいずれかのレーザ光の照射により発色する、酸化チタン系顔料及びバインダ樹脂を含む白インキ層であり、
    該白インキの酸化チタン系顔料とバインダ樹脂の質量比は、10〜25:75〜90である、
    上記レーザ印字用多層フィルム。
  2. 請求項1に記載のレーザ印字用多層フィルムの紙基材層とヒートシール性樹脂層との間にバリア層を有するレーザ印字用多層フィルムを用いたレーザ印字用包装材料。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のレーザ印字用多層フィルムまたはレーザ印字用包装材料へのレーザ印字方法であって、
    絵柄印刷層側から、発色インキ層のみの領域に対して、発振波長532nmのグリーンレーザ、発振波長1090nmのファイバレーザのいずれかのレーザ光を照射して、模様を印字することを特徴とする、レーザ印字方法。
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