JP2020146963A - レーザ印字用積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さを薄くすることができ、製造コストを抑制することができるレーザ印字用積層体を提供する。【解決手段】レーザ発色層1を備えるレーザ印字用積層体20である。レーザ発色層1はポリオレフィン系樹脂及びレーザ発色剤を含む。レーザ発色剤は高分子物質、雲母又は雲母状物質、金属硫化物及び1種類以上の有機非黒色顔料を含むものとすることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、レーザ印字用積層体に関する。
従来から食品や医薬品等の包装材の表面に、製造所や製造年月日や記号等の文字情報を、内容物が収容される前又は収容されて封止された後に記載することがある。これらの文字情報の記載のために、サーマルプリンタやインクジェットプリンタにより印字したり、別途印字したラベルを貼付したりしていた。しかし、不定形の表面を有する包装体や衝撃に弱い内容物を収納した軟包装等の場合は、サーマルプリンタのようにサーマルヘッドで印字する機械的な印字方法は適切ではなく、また、インクジェットプリンタによる印字は、油分の多い内容物等が印字部に付着したり、取り扱いの過程や輸送の過程で擦過したりすることによって、印字が消滅や脱離する等の問題があった。さらに、別途印字したラベルを貼付するのではラベル貼付コストが嵩んでいた。
これらの問題のない印字方法として、包装体の印刷表面にレーザ光を照射することによって文字や記号を描画し記載する、レーザマーキングによる印字方法が行われている。このレーザマーキングによる印字に用いられるレーザ印字用包装材料としてのフィルムは、基材層と、レーザ発色層と、シーラント層を備えている(特許文献1)。レーザ光の照射により印字画像が形成されるレーザ発色層は、最表面に露出するものではなく、各種フィルム等からなる表面保護層としての基材層で覆われており、この表面保護層越しにレーザ光を照射して印字するものであった。
特許第6126420号明細書
しかしながら、包装用材料等として用いられる上記のレーザ方式の印字に用いられるフィルムは、基材層と印刷で形成されたレーザ発色層とシーラント層との合計三層を備えているため、厚さが厚いものにならざるを得ず、また、製造コストも嵩んでいた。仮にレーザ発色層とシーラント層との合計二層からなるフィルムである場合には、レーザ発色層が最表層となるため、取り扱いの過程や輸送の過程で擦過したりすることによって、印字が消滅や脱離する等の問題があった。また、レーザ発色層は、印刷で形成されるためにインキに含まれる有機溶媒が残留することがあった。
本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、厚さを薄くすることができ、製造コストを抑制することができ、有機溶媒が残留するのを抑制できるレーザ印字用積層体を提供することを目的とする。
発明者らは、レーザ印字用積層体について鋭意研究を重ねた結果、レーザ発色層を、樹脂中にレーザ発色剤を含有させた層とすることにより、レーザ印字が可能でかつ擦過等により印字が消滅、離脱することがなく、しかも有機溶媒が残留することがないことを見出し、本発明に至った。
上記の知見に基づく本発明のレーザ印字用積層体は、ポリオレフィン系樹脂及びレーザ発色剤を含むレーザ発色層を備えるものである。
本発明のレーザ印字用積層体は、上記レーザ発色層に重ねて、ポリオレフィン系樹脂からなる層を備えることができる。さらに、遮光層を備えることができる。また、上記レーザ発色剤が高分子物質、雲母又は雲母状物質、金属硫化物及び1種類以上の有機非黒色顔料を含むことが好ましい。かかるレーザ発色剤を、該発色剤の添加量として上記雲母又は雲母状物質を0.05〜1.9質量%、上記金属硫化物を0.05〜2.9質量%、上記1種類以上の有機非黒色顔料を0.01〜9.9質量%含むことが好ましい。また、上記ポリオレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、プロックポリプロピレンから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明のレーザ印字用積層体によれば、厚さを薄くすることができ、製造コストを抑制することができ、有機溶媒が残留することを抑制できる。
本発明のレーザ印字用積層体のレーザ発色層の一実施形態の模式的な断面図である。 本発明のレーザ印字用積層体のレーザ発色層の別の実施形態の模式的な断面図である。 本発明のレーザ印字用積層体の一の実施形態の模式的な断面図である。 本発明のレーザ印字用積層体の別の実施形態の模式的な断面図である。 本発明のレーザ印字用積層体の別の実施形態の模式的な断面図である。
以下、本発明のレーザ印字用積層体の実施形態を、図面を用いつつ具体的に説明する。
図1に、本発明のレーザ印字用積層体の特徴的な層であるレーザ発色層の一実施形態の模式的な断面図を示す。図1において、レーザ発色層1は、単層のフィルムであり、このレーザ発色層1がポリオレフィン系樹脂及びレーザ発色剤を含んでいる。
ポリオレフィン系樹脂は、後述するが例えばポリエチレンであり、包装材料のシーラントとして用いられる樹脂である。したがって、レーザ発色層1がポリオレフィン系樹脂を含んでいることにより、単層でもシーラントとしての効果を有している。よって、レーザ発色層1は、包装材料として、複数枚を重ねて積層体としたときもヒートシールで包装材を封止することができる。
また、レーザ発色層1中にレーザ発色剤を含んでいる。レーザ発色剤を他の層の表面に印刷等によって形成するのではなく、レーザ発色層1として層中に含むことにより、包装材料として取り扱いの過程や輸送の過程で擦過しても、印字が消滅や脱離する等の問題が生じない。そして、ポリオレフィン系樹脂は、レーザ光を透過させることができるので、レーザ発色層1中にレーザ発色剤を含んでいても当該レーザ発色剤により発色させることができる。
したがって、レーザ発色層1は、レーザ発色層を保護するための保護層や基材層を別途に備えることを必ずしも要しない。また、シーラント層を別途に備えることを必ずしも要しない。よって、保護層や基材層やシーラント層が不要であることから、包装材料として用いたときの厚さを薄くすることができ、製造コストを抑制することができる。
図2に、本発明のレーザ印字用積層体の特徴的な部分であるレーザ発色層積層体の一実施形態の模式的な断面図を示す。図2において、レーザ発色層積層体10は、多層のフィルムであり、図2に示した例では、レーザ発色層11と、当該レーザ発色層11の一方の表面に重ねて形成された第1のポリオレフィン系樹脂層12と、上記レーザ発色層11の他方の表面に重ねて形成された第2のポリオレフィン系樹脂層13とを備えている。図2に示したレーザ発色層積層体10のように、本発明のレーザ印字用積層体における発色層を含む部分は、単層のものに限られず、多層(複数層)のものとすることもできる。
レーザ発色層積層体10のレーザ発色層11は、ポリオレフィン系樹脂及びレーザ発色剤を含んでいる。レーザ発色層11のポリオレフィン系樹脂は、図1に示したレーザ発色層1と同様に例えばポリエチレンであり、包装材料のシーラントとして用いられる樹脂である。したがって、レーザ発色層11がポリオレフィン系樹脂を含んでいることにより、第1のポリオレフィン系樹脂層12と密着し、かつ、第2のポリオレフィン系樹脂層13と密着し、全体として三層構造のレーザ発色層積層体10とすることができる。製造方法にもよるが、レーザ発色層積層体10は、例えば共押出により、図1に示したレーザ発色層1と同様に厚さを薄くすることができる。
なお、多層構造のレーザ発色層積層体は、図2に示した三層構造のものに限られず、第1のポリオレフィン系樹脂層12及び第2のポリオレフィン系樹脂層13のいずれかと、レーザ発色層11とを有する二層構造のものでもよいし、レーザ発色層11を含む四層以上の構造のものとすることもできる。
また、レーザ発色層積層体10は、レーザ発色層11中にレーザ発色剤を含んでいる。多層構造のレーザ発色層積層体10のレーザ発色層11中にレーザ発色剤を含むことにより、例えばレーザ発色層11が最表層となったとしても包装材料として取り扱いの過程や輸送の過程で擦過しても、印字が消滅や脱離する等の問題が生じない。そして、第1のポリオレフィン系樹脂層12や第2のポリオレフィン系樹脂層13やレーザ発色層11のポリオレフィン系樹脂は、レーザ光を透過させることができる。したがって、レーザ発色層積層体10中で第1のポリオレフィン系樹脂層12と第2のポリオレフィン系樹脂層13との間に位置するレーザ発色層11にレーザ発色剤を含んでいても当該レーザ発色剤により発色させることができる。
レーザ発色層11のレーザ発色剤の発色機構にもよるが、第1のポリオレフィン系樹脂層12や第2のポリオレフィン系樹脂層13にはレーザ発色剤を含まないで、レーザ発色層11にレーザ発色剤を含む態様が好ましい。この態様により、各層にレーザ発色剤を含む場合に比べて、発色性がよく、特に、後述する好適なレーザ発色剤の場合には、鮮明に印字することができる。
また、レーザ発色層11はポレオレフィン系樹脂を含むことから、必要に応じてシーラントとして用いることができる。また、レーザ発色層積層体10が、レーザ発色層11とは別に、第1のポリオレフィン系樹脂層12や第2のポリオレフィン系樹脂層13を備えることにより、レーザ発色層積層体10を包装材料として用いる場合の、複数枚を重ねてヒートシールするときのシール性を向上させることができる。
以上のことから、レーザ発色層積層体10は包装材料として用いたときの厚さを薄くすることができ、製造コストを抑制することができる。
本発明のレーザ印字用積層体の一実施形態を図3に模式的な断面図で示す。図3に示したレーザ印字用積層体20は、図1に示したレーザ発色層1と、当該レーザ発色層1の一方の表面に重ねて形成された基材層21と、上記レーザ発色層1の他方の表面に重ねて形成されたシーラント層22とを備えている。基材層21及びシーラント層22は、特に限定されず、基材層21及びシーラント層22の少なくとも一方が、レーザ光を透過可能な層であればよい。なお、図3に示したレーザ印字用積層体20は例示であり、本発明のレーザ印字用積層体は、レーザ発色層1と基材層21との二層からなるものでもよいし、レーザ発色層1とシーラント層22との二層からなるものでもよいし、レーザ発色層1と基材層21とシーラント層22と他の層とを備える四層以上の積層体であってもよい。
本発明のレーザ印字用積層体の別の実施形態を図4に模式的な断面図で示す。図4に示したレーザ印字用積層体30は、図2に示したレーザ発色層積層体10と、当該レーザ発色層1の一方の表面に重ねて形成された基材層31と、上記レーザ発色層積層体10の他方の表面に重ねて形成されたシーラント層32とを備えている。基材層31及びシーラント層32は、特に限定されず、基材層31及びシーラント層32の少なくとも一方が、レーザ光を透過可能な層であればよい。なお、図4に示したレーザ印字用積層体30は例示であり、本発明のレーザ印字用積層体は、レーザ発色層積層体10と基材層31との二層からなるものでもよいし、レーザ発色層積層体10とシーラント層32との二層からなるものでもよいし、レーザ発色層積層体10と基材層31とシーラント層32と他の層とを備える四層以上の積層体であってもよい。
本発明のレーザ印字用積層体の別の実施形態を図5に模式的な断面図で示す。本発明のレーザ印字用積層体の別の実施形態を図5に模式的な断面図で示す。図5に示したレーザ印字用積層体40は、図1に示したレーザ発色層1と、当該レーザ発色層1の一方の表面側に形成された基材層41と、上記レーザ発色層1の他方の表面に形成されたシーラント層42と、上記基材層41と上記レーザ発色層1との間に形成された遮光層43と、を備える積層体である。基材層41及びシーラント層42は、特に限定されない。シーラント層42はレーザ光を透過可能なシーラント層である。遮光層43は、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着膜のようなレーザ発色層1の発色を基材層41側から見えなくするための層である。
シーラント層4側からレーザ光を照射してレーザ発色層1を発色させてレーザ印字し、二枚のレーザ印字用積層体40を、互いのシーラント層42同士を対向させて重ね合わせてヒートシールすることにより包装容器、例えば包装袋とする。当該包装袋を開封前は、レーザ印字は見えないが、当該包装袋を開封して包装袋の内部を見るとレーザ印字を見ることができる。したがって、本実施形態のレーザ印字用積層体40は、包装袋の内容物の真贋判定や偽造防止に活用することができる。
以下、レーザ印字用積層体20、30、40に用いられるレーザ発色層1及びレーザ発色層積層体10の各層について具体的に説明する。
[レーザ発色層1、11]
レーザ発色層1及びレーザ発色層11は、レーザを受けて発色する層であり、ポリオレフィン系樹脂及びレーザ発色剤を含む。
ポリオレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、プロックポリプロピレンから選択される1種又は2種以上とすることができる。これらの樹脂は、いずれもシール性を有しているので、レーザ発色層1のように単層であっても包装用材料としてヒートシールすることができる。これらの樹脂のうち、低温シール性を付与する場合は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、耐熱性が必要な用途ではランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、高密度ポリエチレンであることが好ましい。
上記レーザ発色剤が高分子物質、雲母又は雲母状物質、金属硫化物及び1種類以上の有機非黒色顔料を含むものとすることが好ましい。このような成分を含むレーザ発色剤は、例えば特許第4695085号明細書に記載されている。高分子物質、雲母又は雲母状物質、金属硫化物及び1種類以上の有機非黒色顔料を含むレーザ発色剤は、レーザを受けると層中で凝集して暗色を示し、これにより発色する。上記の成分を含むレーザ発色剤は、マスターバッチとして上述したポリオレフィン系樹脂と混錬させて製膜することにより、レーザ発色層1又はレーザ発色層11のフィルムを製造とすることができる。
上記の成分を含むレーザ発色剤は、印刷によりレーザ発色層1又はレーザ発色層11とするものではないので、印刷に用いられるインキに含まれる有機溶媒を含まない。したがって、レーザ発色層1又はレーザ発色層積層体10は、残留溶媒を含まない。したがって、有機溶媒が残留することを望まれないような用途、例えば飲料、食品、酒類、工業薬品等に用いられるBIB(Bag in Box)の包装用材料に適しているという効果がある。
また、従来の印刷により形成されるレーザ発色層には、レーザ発色剤として酸化チタンを含むインキを印刷して形成させたものがあり、レーザが層内の酸化チタンを発熱させ、当該酸化チタンの周囲の構成物質を炭化させること変色させてマーキングしていた。このような従来の酸化チタンを含むインキを印刷したレーザ発色層は、当該層中に含有される酸化チタンの色によりレーザ発色層が全体的に白色を示し、したがって、レーザ印字用フィルムとしても全体的に白色を示していた。これに対して、上述した高分子物質、雲母又は雲母状物質、金属硫化物及び1種類以上の有機非黒色顔料を含むレーザ発色剤は、酸化チタンを含まないので、レーザ印字前は光透過性が高い、透明に近いフィルムにすることができるという効果がある。
上記の成分を含むレーザ発色剤は、マスターバッチとして単層(レーザ発色層1又はレーザ発色層11)中に3〜99質量%含むことが好ましい。3質量%に満たないと発色性が十分でなく、99質量%を超えるとシール性が低下するおそれがある。
上述したレーザ発色剤における高分子物質は特に限定はされず、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、ゴム改質モノビニリデン、芳香族樹脂、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルイミドエステル、ポリアリレート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ゴム改質耐衝撃性ポリスチレン、ポリオキシメチレン、スチレン無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリルスチレンアクリレート共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、塩素化ポリマー、フッ素化ポリマー及び液晶ポリマーなどを包含する広い範囲の樹脂から選択することができる。さらに好ましい態様では、該高分子物質は、ポリウレタン、ポリアミド、ABS、ポリカーボネート及びゴム改質モノビニリデン芳香族樹脂並びにそれらのブレンドからなる群から選択される。最も好ましい高分子物質は、熱可塑性ポリウレタン樹脂である。高分子物質の量は、レーザ発色剤における雲母又は雲母状物質、金属硫化物及び1種類以上の有機非黒色顔料及びその他の成分の残余の量とすることができる。
上述したレーザ発色剤における雲母又は雲母状物質は、高分子樹脂と組み合わせてレーザ光を照射したときに暗色のマーキングを生じさせることになる任意の物質であり得る。天然雲母又は合成雲母を用いることができる。好ましくは、該雲母又は雲母状物質は、1種類以上の金属化合物で処理するか又は1種類以上の金属化合物をドープする。そのような金属化合物は、該雲母又は雲母状物質の表面上の有色又は無色の1以上の薄い層として存在しても又は不連続領域中に存在してもよい。各層又は不連続領域における各アレイは、光干渉性であっても、又は、光非干渉性であってもよい。好ましくは、該金属化合物は、1種類以上の金属酸化物(例えば、アンチモン及び/若しくはチタン及び/若しくはスズの酸化物、又は、鉄及び/若しくはアルミニウム及び/若しくはケイ素の酸化物)を含んでおり、好ましくは、そのような1種類以上の金属酸化物からなる。代わりに、オキシ塩化ビスマスでコーティングされているか又はオキシ塩化ビスマスで処理された雲母又は雲母状物質を使用し得る。該雲母又は雲母状物質は、好ましくは、2.8〜4.0g/cmの密度を有する。好ましくは、それのモース硬度は、2.5〜4であり、吸油価(oil absorption value)は、粉末100g当たり35〜70.0グラムである。好ましくは、雲母又は雲母状物質の量は、レーザ発色剤の添加量として、0.05〜1.9質量%の範囲である。さらに好ましくは、約0.1〜約0.5質量%である。
上述したレーザ発色剤における金属硫化物は、既知化学量論のいずれかを有する任意の金属の硫化物であることができ、例えば、MeS、MeS、Me又はMe3S(ここで、Meは、周期系の1族〜14族の金属、特に、周期系の9族〜12族の遷移金属である)、例えば、硫化カドミウム(II)、硫化コバルト(II)、硫化コバルト(II,III)(リンネ鉱(linnet))、硫化コバルト(III)、硫化コバルト(IV)(カチエル鉱)、硫化銅(I)(輝銅鉱(chalkosite))、硫化銅(II)(銅藍)、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、硫化鉄(IV)(黄鉄鉱,白鉄鉱(markasite))、硫化ニッケル(II)(針ニッケル鉱)又は硫化亜鉛(II)などであることができる。2種類以上の金属の混合硫化物も適している。該金属硫化物は、不純物や結晶水などの他の成分を含有していてもよい。
上記金属硫化物は、好ましくは、硫化カドミウム、硫化鉄、硫化亜鉛、及び、金属の1種としてカドミウム、鉄又は亜鉛を含んでいる混合硫化物からなる群から選択する。硫化鉄のなかでは、黄色みを帯びた外観を有するか又は金色の外観を有する種類のものが特に適している。最も好ましくは、該金属硫化物は、アルバリス(albalith)、純閃亜鉛鉱、マルトライト(maltraite)、サクトリス、閃亜鉛鉱又は繊維亜鉛鉱などの硫化亜鉛である。レーザ発色剤が明るい色で着色されている場合、好ましくは、白色の金属硫化物(例えば、硫化亜鉛)を用いるか、又は、該レーザ発色剤の色に類似した色の金属硫化物(例えば、該レーザ発色剤が黄赤色の場合は、硫化カドミウム)を用いて、金属硫化物を添加しても該レーザ発色剤が有意に変色することのないようにする。
上記金属硫化物は、好ましくは、小さな粒径(例えば、約50μm未満、特に、約20μm未満)を有するものであり、最も好ましくは、顔料グレード(例えば、約5μm未満)のもの、例えば、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー37、又は、特に、C.I.ピグメントホワイト7などである。
レーザ発色剤中の上記金属硫化物の存在量は、好ましくは、500〜2100nmの範囲内で、周波数1〜100kHz、放射線レベル5〜50Aのレーザ光を成形物品に照射したときにその成形物品上に暗色のマーキングを生成させるのに充分な量である。さらに好ましくは、レーザ発色剤中の金属硫化物の存在量は、レーザ発色剤の添加量として、0.05〜2.9質量%の範囲である。さらに好ましくは、1.0〜2.5質量%である。
所望される色に応じて、追加の顔料、染料及び/又は不活性増量剤を上述したレーザ発色剤に添加することができる。これらの添加剤の種類及び量は、最終用途に従って、適切に決定する。特に好ましい組成物では、顔料を使用することにより、該組成物を用いて成形した製品の色が、桃色、赤色、黄色、橙色、黄緑色、ライラック色、ミッドブルーからライトブルー又は碧青色であるようにする。そのような顔料は、好ましくは、有機又は無機の非黒色顔料である。該顔料は、該レーザ発色剤の添加量として、0.01〜9.9質量%で存在させるのが最良である。
樹脂の成形特性又は得られた成形物品の環境適応性を改善するために、該レーザ発色剤にさらなる添加剤を組み入れることができる。有用な添加剤としては、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、錆止め剤、滑沢剤、難燃剤、造核剤、分散剤、加工安定剤及び流動性向上剤などがある。これら添加剤の種類及び量は、当業者にはよく知られており、最終用途に従って適切に決定される。
上述したレーザ発色剤は、上記高分子物質、金属硫化物及び雲母又は雲母状物質を混合し、必要に応じて、さらなる添加剤を混合することにより、調製することができる。配合方法に制限はなく、任意の既知技術を採用することができる。好ましくは、該配合方法は、強剪断Zブレード混合により実施するか、又は、押出し(単軸スクリュー押出、又は、二軸逆回転スクリュー押出若しくは二軸共回転スクリュー押出)により実施する。しかしながら、特にその後の加工段階において充分に均質化されることが保証されている場合は、単に成分を混合又はブレンドすることも可能である。調製後のレーザ発色剤をマスターバッチとしてポリオレフィン系樹脂と混錬してレーザ発色層1又はレーザ発色層11の原料とし、この原料を製膜や押出成形によりフィルムとする。
[ポリオレフィン系樹脂層12、13]
レーザ発色層積層体10の第1のポリオレフィン系樹脂層12及び第2のポリオレフィン系樹脂層13は、ポリオレフィン系樹脂からなる。ポリオレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、プロックポリプロピレンから選択される1種又は2種以上とすることができる。これらの樹脂のうち、低温シール性を付与する場合は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、耐熱性が必要な用途ではランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、高密度ポリエチレンであることが好ましい。
第1のポリオレフィン系樹脂層12と第2のポリオレフィン系樹脂層13とは、同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。例えば第1のポリオレフィン系樹脂層12は、外層として耐熱性の観点からレーザ発色層11中のポリオレフィン系樹脂よりも耐熱性が高い材料とし、第2のポリオレフィン系樹脂層13は、内層としてシール性の観点からシール性に優れる材料とすることができる。
[基材層]
次に、図3、図4、図5に示したレーザ印字用積層体の基材層21、31、41について説明する。
基材層として、通常の包装材を構成する樹脂フィルムを適宜使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン、ポリブテン、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、低結晶性の飽和ポリエステルまたは非晶性のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、MXD6等からなるフィルムを使用することができる。
上掲した樹脂フィルムのなかでも、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とも言う。)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂;ポリカプロンアミド(ナイロン6)、ポリへキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等は好ましい。特に、PETフィルムは、透明性が高く、寸法安定性、耐熱性に優れていること等から、基材層21、31、41に、より好ましい。上掲ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂およびポリオレフィン樹脂は,それらの混合物であってもよい。
基材層は、樹脂フィルムを2層以上積層した多層フィルムであってもよい。多層フィルムである場合、各層は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
[接着剤層]
基材層21、31、41と、レーザ発色層1や第1のポリオレフィン系樹脂層12や遮光層43とは、接着剤層(図示せず)により接着することができる(ドライラミネート)。
接着剤層は接着強度及び耐熱性に優れる任意の接着剤、例えばウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等のラミネート用接着剤を用いることができる。接着剤の塗布量は、接着剤の厚さが乾燥皮膜として0.1g/m2〜10g/m2、より好ましくは0.1g/m2〜5g/m2となるように適宜設定すればよい。必要に応じて、基材層側にアンカーコート剤等の表面処理剤を予め塗布したり、コロナ処理等の前処理を施したりしてもよい。
[レーザ印字用積層体の製造方法]
次に、本発明のレーザ印字用積層体の製造方法について説明する。図3に示した本発明の一実施形態のレーザ印字用積層体20は、基材層21と、レーザ発色層1と、シーラント層22とを、公知の方法、例えば押出成形やドライラミネートにより積層させて製造することができる。また、図4に示した本発明の一実施形態のレーザ印字用積層体30は、基材層31と、レーザ発色層積層体10と、シーラント層32とを、公知の方法、例えば押出成形やドライラミネートにより積層させて製造することができる。また、図5に示した本発明の一実施形態のレーザ印字用積層体40は、基材層41と、遮光層43と、レーザ発色層1と、シーラント層42とを、公知の方法、例えば押出成形やドライラミネートにより積層させて製造することができる。
本発明で特徴的なレーザ発色層1の製造方法について説明する。マスターバッチとしてレーザ発色剤とポリオレフィン系樹脂と混錬した後、公知の製膜方法、例えばインフレーション製膜法やキャスト製膜法で製膜することで製造することができる。
上記方法で製造されたレーザ発色層1の厚さは、特に限定されず、20〜200μm程度の厚さとすることができる。より好ましくは30〜150μmと、従来の基材層とレーザ発色層とシーラント層とを備えるレーザ印字用フィルムよりも薄くすることができる。
また、レーザ発色層積層体10は、第1のポリオレフィン系樹脂層12の材料と、レーザ発色層11の材料と、第2のポリオレフィン系樹脂13の材料とを共押出することにより製造することができる。
上記方法で製造されたレーザ発色層積層体10の厚さは、特に限定されず、20〜200μm程度の厚さとすることができる。より好ましくは30〜150μmと、従来の基材層とレーザ発色層とシーラント層とを備えるレーザ印字用フィルムよりも薄くすることができる。
[レーザ印字用積層体の用途]
本発明のレーザ印字用積層体は、そのフィルムの態様で、各種包装材料、ラベル類、カード類等に適用することができる。また、本発明のレーザ印字用積層体に、別の機能性フィルムを積層させた積層体の態様で各種包装材料、ラベル類、カード類等に適用することができる。
[レーザ印字方法]
レーザ印字用積層体20やレーザ印字用積層体30やレーザ印字用積層体40に、レーザプリンタからパルスレーザ光を照射して印字を行う。印字は、YAG(イットリウム(Y)・アルミニウム(A)・ガーネット(G))レーザ光(波長=1.064μm)、YVO(イットリウム・バナデート)レーザ光(波長=1.064μm)を用いて行うことが好ましい。これらのレーザは、透明体を透過する性質を有し、その性質を利用し、さらに、印字時の煙等の発生が抑えられ、また、発色濃度やフィルムに与える影響等を調整することができる。その結果、レーザ印字画像を形成しても穴あき等がない極めて鮮明なレーザ印字画像を形成することができる。
レーザプリンタのパルス条件としては、例えば、YVOレーザ機(キーエンス MD−V9600)にて平均出力0.8〜5W、より好ましくは1.2〜2W、Qスイッチ周波数10〜30KHz、スキャンスピード300〜4000mm/s、より好ましくは1500〜4000mm/sのパルス条件が使用される。この条件下で印字を行うことにより、レーザ印字用積層体に穴をあけることなく、高速印字が可能であり、且つ、明瞭な印字画像が得られる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)に、レーザ発色剤のマスターバッチ(PE−RM 17K4471N−L、大日精化工業株式会社)を3質量%添加し、150℃で厚さ60μmでインフレーション製膜し、実施例1のレーザ発色層のフィルムを得た。上記フィルムにコロナ処理を施して、該コロナ処理面と2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(E5100,東洋紡(株)、厚さ12μm)のコロナ面とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで、実施例1の積層体を得た。
(実施例2)
外層を直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)、中間層をレーザ着色剤のマスターバッチ(PE−RM 17K4471N−L、大日精化工業株式会社)を直鎖上低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)に3質量%添加し、内層を直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)とし、共押出により各層の厚さの比として1:1:1で、厚さ60μmで製膜し、実施例2のレーザ発色層積層体のフィルムを得た。上記フィルムにコロナ処理を施して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(E5100,東洋紡(株)、厚さ12μm)のコロナ面とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで、実施例2の積層体を得た。
(実施例3)
直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)に、レーザ着色剤のマスターバッチ(PE−RM 17K4471N−L、大日精化工業株式会社)を3質量%添加し、150℃で厚さ60μmでインフレーション製膜し、実施例3のレーザ発色層のフィルムを得た。上記フィルムにコロナ処理を施した。2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(E5100,東洋紡(株)、厚さ12μm)のコロナ面とアルミニウム箔(厚さ7μm)を2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートし、次いでアルミニウムの非ラミネート面とフィルムのコロナ処理面とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで実施例3の積層体を得た。
(実施例4)
外層を直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)、中間層をレーザ印字マスターバッチ(PE−RM 17K4471N−L 大日精化工業株式会社)を3質量%添加し、内層を直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)とし、層比として1:1:1で、厚さ60μmで製膜し、実施例4のレーザ発色層積層体のフィルムを得た。上記フィルムにコロナ処理を施した。2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(E5100,東洋紡(株)、厚さ12μm)のコロナ面とアルミニウム箔(厚さ7μm)を2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートし、次いでアルミニウム箔の非ラミネート面とフィルムのコロナ処理面とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで実施例4の積層体を得た。
(比較例1)
直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)を、150℃で厚さ60μmでインフレーション製膜し、レーザ発色剤を有しないフィルムを得た。上記フィルムにコロナ処理を施して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(E5100,東洋紡(株)、厚さ12μm)のコロナ面とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで、比較例1の積層体を得た。
(実施例5)
直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)に、レーザ着色剤のマスターバッチ(PE−RM 17K4471N−L、大日精化工業株式会社)を2質量%添加し、150℃で厚さ60μmでインフレーション製膜し、実施例5のレーザ発色層のフィルムを得た。上記フィルムにコロナ処理を施して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(E5100,東洋紡(株)、厚さ12μm)のコロナ面とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで、実施例5の積層体を得た。
(比較例2)
直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)を、150℃で厚さ60μmでインフレーション製膜し、シーラントフィルムを得た。
PET基材(厚さ12μm)に印刷インキタイプのレーザ発色剤であるElbima Z117 東洋インキ株式会社)を印刷し、その印刷面とコロナ処理された上記フィルムとを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで比較例2の積層体を得た。
(比較例3)
比較例3はレーザ発色層を有さず、遮光層を有する例である。
直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)を、150℃で厚さ60μmでインフレーション製膜し、シーラントフィルムを得た。
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(E5100,東洋紡(株)、厚さ12μm)のコロナ面とアルミニウム箔(厚さ7μm)を2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートし、次いでアルミニウム箔の非ラミネート面と上記フィルムのコロナ処理面とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイン-ト(株))を介してラミネートすることで比較例3の積層体を得た。
(実施例6)
直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)に、レーザー印字MB(PE−RM 17K4471N−L、大日精化工業株式会社)を2質量%添加し、150℃で厚さ60μmでインフレーション製膜し、シーラントフィルムを得た。
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(E5100,東洋紡(株)、厚さ12μm)のコロナ面とアルミニウム箔(厚さ7μm)を2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートし、次いでアルミニウム箔の非ラミネート面と上記フィルムのコロナ処理面とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで実施例6の積層体を得た。
(比較例4)
直鎖状低密度ポリエチレン(SP2020、株式会社プライムポリマー)を、150℃で厚さ60μmでインフレーション製膜し、シーラントフィルムを得た。上記フィルムの表面にコロナ処理を実施した。
PET基材(厚さ12μm)にレーザー発色インキであるElbima Z117を印刷し、その印刷面とアルミニウム箔(厚さ7μm)とを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートし、次いでアルミニウム箔の非ラミネート面とフィルムのコロナ処理された上記フィルムとを2液硬化型ウレタン接着剤(RU−77T/H−7、ロックペイント(株))を介してラミネートすることで比較例4の積層体を得た。
[試験方法]
実施例1〜6及び比較例1〜4のレーザ印字用積層体について、下記条件下で、表層側からYVOレーザ照射し、レーザ印字画像を形成して印字体を得た。
(レーザ照射条件)
YVOレーザ機((株)キーエンス製 MD−V9600にて平均出力2.4W、Qスイッチ周波数10KHz、スキャンスピード1500mm/s)
得られたレーザ印字画像について、着色線幅を測定した。また、レーザ光の照射後の外観を確認して印字性を評価した。さらにガスクロマトグラフ質量分析計(島津製作所)によりフィルムの残留溶媒量を測定した。
試験結果を表1に示す。表1中、印字性の評価は、○印が着色線幅0.5mm以上かつ明確に視認できたもの、△印が着色したもの、視認できなかったもの、×印が印字できなかったものである。
Figure 2020146963
表1から実施例1〜6は、フィルムは透明に近い光透過性を有し、印字性が良好であり、線幅が広く明瞭であった。特に実施例1〜4が印字性に優れていた。また、残留溶媒が接着剤に由来するものだけであり、包装材料のなかでも溶媒の残留が極力避けられている飲料用等の用途に適していることが明らかとなった。これに対して、比較例1、比較例3は、レーザ着色剤を含んでいないため印字できなかった。また、比較例2はレーザ着色剤が酸化チタンを含むためフィルム全体が白色を示し、また、残留溶媒量が実施例1では2mgであったのに対して比較例2は5mgであり、印刷インキタイプのレーザ発色剤に由来する溶媒が残留していた。比較例4は、印字面が表側にあるため、印字不可であった。
以上、実施の形態および実施例を用いて本発明のレーザ印字用積層体を具体的に説明したが、本発明のレーザ印字用積層体は、これらの実施形態および実施例の記載に限定されることなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲で幾多の変形が可能である。
1 レーザ発色層
10 レーザ発色層積層体
11 レーザ発色層
12 第1のポリオレフィン系樹脂層(外層)
13 第2のポリオレフィン系樹脂層(内層)
20、30、40 レーザ印字用積層体
21、31、41 基材層
22、32、42 シーラント層

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂及びレーザ発色剤を含むレーザ発色層を備えるレーザ印字用積層体。
  2. 前記レーザ発色層に重ねて、ポリオレフィン系樹脂からなる層を備える請求項1記載のレーザ印字用積層体。
  3. さらに、遮光層を備える請求項1又は2記載のレーザ印字用積層体。
  4. 前記レーザ発色剤が高分子物質、雲母又は雲母状物質、金属硫化物及び1種類以上の有機非黒色顔料を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ印字用積層体。
  5. 前記レーザ発色剤を、該発色剤の添加量として前記雲母又は雲母状物質を0.05〜1.9質量%、前記金属硫化物を0.05〜2.9質量%、前記1種類以上の有機非黒色顔料を0.01〜9.9質量%含む請求項4記載のレーザ印字用積層体。
  6. 前記ポリオレフィン系樹脂が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、プロックポリプロピレンから選択される1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザ印字用積層体。
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