JP2004268554A - 多層積層樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】共押出多層積層樹脂フィルムからなり、更に、該共押出多層積層樹脂フィルムを構成する少なくとも一層が、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色フィルム層からなることを特徴とする多層積層樹脂フィルムに関するものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層積層樹脂フィルムに関し、更に詳しくは、レ−ザ−光線照射により、そのエネルギ−を吸収し、炭化、発色して鮮明なレ−ザ−印字が可能であると共に印字後の印字画像が外的影響を受けることなく、その改変、偽造等を防止することができ、例えば、籤、カ−ド、ラベル、その他等の用途に適する多層積層樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装資材、産業部材、カ−ド部材、ラベル部材、ビニネスフォ−ム部材、その他等のプラスチック成形品部材の表面に、例えば、製造メ−カ−、物品名、製造年月日、消費期限、その他等を表示する方法の一つとして、レ−ザ−光線照射によるマ−キング方法が知られている。
例えば、ポリオレフィン系樹脂および該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し酸化チタン被覆雲母0.05〜0.5重量部を配合してなる金属粉不含の樹脂組成物からなる成型物表面に炭酸ガスレ−ザ−ビ−ムを照射し印字することを特徴とする印字方法、珪素化合物を、ポリオレフィン樹脂に対して、0.005重量%以上で0.5重量%未満含有するマ−キング用ポリオレフィン樹脂組成物、それを使用して成形した樹脂成形物およびそのマ−キング法、ド−プされた二酸化錫の被膜を有する顔料を含む熱可塑性プラスチックであることを特徴とするレ−ザ−マ−ク可能なプラスチック等が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平3−48872号公報(請求項)
【特許文献2】
特開平7−286074号公報(請求項)
【特許文献3】
特表平10−500149号公報(請求項)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記で提案されているレ−ザ−光線照射によるマ−キング方法において、レ−ザ−印字画像は、プラスチック成形品部材等の表面にレ−ザ−印字されるものであることから、レ−ザ−印字画像の表面を擦過することにより、レ−ザ−印字画像を容易に消去し、その改変、偽造等を行うことができるという問題点を有するものである。
例えば、溶剤、希釈剤等を含浸した織布、不織布等でレ−ザ−印字画像の表面を擦過すると、レ−ザ−印字画像を容易に消去し、改変することができるものであり、信頼性等の観点から非常に問題視されるものである。
そこで本発明は、レ−ザ−光線照射により、そのエネルギ−を吸収し、炭化、発色して鮮明なレ−ザ−印字が可能であると共に印字後の印字画像が外的影響を受けることなく、その改変、偽造等を防止することができ、例えば、籤等の用途に適する多層積層樹脂フィルムを提案することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究した結果、共押出多層積層樹脂フィルムに着目し、その共押出積層樹脂フィルムからなり、更に、該共押出多層積層樹脂フィルムを構成する少なくとも一層が、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色フィルム層からなる多層積層樹脂フィルム、更には、上記の多層積層樹脂フィルムにおいて、レ−ザ−光線照射発色フィルム層が、その一方または両方の表面の面に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層を積層する構成からなる多層積層樹脂フィルムを製造し、而して、該多層積層樹脂フィルムに、例えば、YAGレ−ザ−光線を照射したところ、多層積層樹脂フィルムを構成する中間層を形成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層において、上記のYAGレ−ザ−光線のエネルギ−を吸収し、その部分において、炭化、発色して、極めて鮮明なレ−ザ−印字画像を形成し得ると共に印字後のレ−ザ−印字画像が、その外側に位置して存在する他の樹脂フィルム等により保護されて、外的影響を受けることなく、その改変、偽造等を防止することができ、例えば、籤、カ−ド、ラベル、その他等の用途、あるいは、包装用材料としてのヒ−トシ−ル性樹脂層(シ−ラント層)等の用途、その他等に適する極めて有用な多層積層樹脂フィルムを製造し得ることができることを見出して本発明を完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、共押出多層積層樹脂フィルムからなり、更に、該共押出多層積層樹脂フィルムを構成する少なくとも一層が、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色フィルム層からなることを特徴とする多層積層樹脂フィルム、更には、上記の多層積層樹脂フィルムにおいて、レ−ザ−光線照射発色フィルム層が、その一方または両方の表面の面に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層を積層することを特徴とする多層積層樹脂フィルムに関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、上記の本発明にかかる多層積層樹脂フィルムについて図面等を用いて更に詳しく説明する。
まず、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する層構成についてその二三例を例示して図面を用いて説明すると、図1、図2、および、図3は、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムについてその二三例の層構成を示す概略的断面図であり、図4は、上記の図3に示す本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用し、これに、レ−ザ−光線を照射してレ−ザ−印字画像を形成した層構成を示す概略的断面図である。
【0008】
まず、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムAとしては、図1に示すように、共押出多層積層樹脂フィルム1からなり、更に、該共押出多層積層樹脂フィルム1を構成する少なくとも一層2が、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色フィルム層2aからなる構成を基本構造とするものである。
而して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムについて、具体例を例示すると、図2に示すように、上記の図1に示す多層積層樹脂フィルムAにおいて、レ−ザ−光線照射発色フィルム層2aが、その一方の表面の面に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層3を積層した構成からなる多層積層樹脂フィルムA1 、あるいは、図3に示すように、上記の図1に示す多層積層樹脂フィルムAにおいて、レ−ザ−光線照射発色フィルム層2aが、その両方の表面の面に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層3、3を積層した構成からなる多層積層樹脂フィルムA2 を例示することができる。
上記の例示は、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムについてその二三例を例示したものであり、本発明は、これに限定されるものではないものである。
なお、本発明においては、図示しないが、更に、その使用目的、用途等によって、他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる多層積層樹脂フィルムを設計して製造することができるものである。
【0009】
ところで、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムにおいては、基本的には、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色フィルム層が、例えば、YAGレ−ザ−等のレ−ザ−光線によるエネルギ−を吸収し、その部分において、炭化、発色して、例えば、文字、数字、記号、図柄、その他等からなるレ−ザ−印字画像を極めて鮮明に形成し得ると共にそのレ−ザ−印字画像の外側に位置して存在する他の樹脂フィルム等が、そのレ−ザ−印字画像を保護して、その外的影響を排除し、例えば、改変、偽造等を防止するものである。そのため、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムは、例えば、籤等の用途、包装用材料を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層(シ−ラント層)の用途、クレジットカ−ト、銀行カ−ド、ポイントカ−ド等の各種のプラスチックカ−ド類の用途、ストレッチラベル、シュリンクラベル等の各種のラベル類の用途、ビジネスフォ−ム類の用途、その他の用途に適用することができ、例えば、上記のヒ−トシ−ル性樹脂層(シ−ラント層)の用途においては、製袋時等におけるヒ−トシ−ラント層として作用し、内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更に、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れていると共に金属(異物)探知機等に反応しないという利点を有するものである。
【0010】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用し、これにレ−ザ−光線を照射してレ−ザ−印字画像を形成する方法について、上記の図3に示す本発明にかかる多層積層樹脂フィルムA2 を使用する場合で説明すると、図4に示すように、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムA2 の一方の面からレ−ザ−光線11を照射すると、該レ−ザ−光線11は、一方の透明ないし半透明の樹脂層3を透過し、その下に位置しているレ−ザ−光線照射発色フィルム層2aに到達し、その部分のレ−ザ−光線照射発色フィルム層2aでそのレ−ザ−光線によるエネルギ−を吸収し、そのレ−ザ−光線照射部分において、炭化、発色して、例えば、文字、数字、記号、図柄、その他等からなるレ−ザ−印字画像12を極めて鮮明に形成し得るものである。
上記の例示は、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用してレ−ザ−印字するその一例を例示したものであり、本発明は、これに限定されるものではないものである。
【0011】
而して、本1明にかかる多層積層樹脂フィルムにおいては、図示しないが、上記のレ−ザ−印字画像は、そのレ−ザ−印字画像の外側に位置して存在する透明ないし半透明の樹脂層等からなる他の樹脂フィルム等で保護されるものであり、これにより外的影響を受けることなく、磨耗や溶剤等による擦過、その他等により消去、偽造、変造、改変、その他等を行うことは極めて困難なものであるという特性を有し、その安全性、信頼性等は極めて高いものである。
また、上記において、レ−ザ−光線としては、通常、レ−ザ−印字で多く用いられている炭酸ガス〔CO2 〕レ−ザ−(波長=10.6μm)を用いる場合には、炭酸ガス〔CO2 〕レ−ザ−光線を照射して表面を切削、炭化させることによりレ−ザ−印字を行うものであり、照射中に煙を発すること、あるいは、薄膜フィルムへの作業性に劣ること等から好ましくなく、更に、レ−ザ−印字画像の部分に穴開きが容易に発生すること等の問題点があるので好ましくないものである。
【0012】
本発明において、レ−ザ−光線としては、YAG〔イットリウム(Y)・アルミニウム(A)・ガ−ネット(G)〕レ−ザ−光線(波長=1.064μm)を用いてレ−ザ−印字を行うことが好ましいものである。
而して、本発明において、上記のYAGレ−ザ−光線は、透明体を透過してしまう性質を有し、その性質を利用し、更に、レ−ザ−光線照射発色フィルム層を透明ないし半透明の樹脂層等からなる他の樹脂フィルム等で挟み込むことにより煙等の発生を抑え、また、レ−ザ−光線照射発色フィルム層中に存在するレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の添加量、レ−ザ−光線照射発色フィルム層の膜厚、その他等を制御して、発色濃度、多層積層樹脂フィルムに与える影響等を調整し、レ−ザ−印字画像を形成しても穴開き等がない極めて鮮明なレ−ザ−印字画像を形成し得るものである。
【0013】
次に、本発明において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルム等を構成する材料、製造法等について説明すると、まず、本発明にかかる多層積層樹脂フィルム等を構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層あるいは透明ないし半透明の樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、熱によって溶融し、押出機等の押出ダイ等から押出可能であり、更に、相互に熱融着し得る熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマ−、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
【0014】
而して、上記のような熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層あるいは透明ないし半透明の樹脂層等を形成することにより、各層の相互において親和性等を有し、共押出成形時に、各層が強固に密接着し、その強度等に優れ、かつ、耐侯性、耐熱性、耐水性、その他等の諸物性に優れた多層積層樹脂フィルムを構成し得るものである。
また、本発明においては、上記のような熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層あるいは透明ないし半透明の樹脂層等を形成することにより、その透明ないし半透明の樹脂層等は、相互に熱融着し得る熱可塑性樹脂で構成していることから、包装用材料等のシ−ル部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層等として作用し、極めて良好なシ−ル部等を形成し得るものである。
【0015】
次に、本発明において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルム等を構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層を形成するレ−ザ−光線照射により発色する発色剤としては、従来公知のもの、例えば、染料・顔料等の着色剤、粘土類、その他等を使用することができ、具体的には、黄色酸化鉄、無機鉛化合物、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水銀、コバルト、銅、ビスマス、ニッケル等の金属化合物、真珠光沢顔料、珪素化合物、雲母類、カオリン類、珪砂、硅藻土、タルク、酸化チタン被覆雲母類、二酸化錫被覆雲母類、アンチモン被覆雲母類、スズ+アンチモン被覆雲母類、スズ+アンチモン+酸化チタン被覆雲母類、その他等の1種ないし2種以上を使用することができる。
その使用量としては、上記の熱可塑性樹脂に対し、0.01重量%〜50.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜10重量%位添加して使用することが望ましいものである。
【0016】
次に、本発明において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層を形成する、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物について説明すると、本発明においては、例えば、上記の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、上記のレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の1種ないし2種以上を、その含有量が0.01重量%〜50.0重量%の範囲内で添加し、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含む樹脂組成物を調整することができる。
【0017】
また、本発明において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層を形成する、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物について説明すると、本発明においては、例えば、上記の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を調製することができる。
【0018】
なお、本発明において、上記の本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する各樹脂組成物において、上記のプラスチック配合剤や添加剤等としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、染料、分散剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてき、更に、その添加量としては、極く微量から数十重量%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
【0019】
更に、上記において、配合剤や添加剤等としては、具体的には、それ自身が滑性を有し、かつ、樹脂中における移行が少ない滑剤を使用することができ、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、石油系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、炭素数が8〜22の高級脂肪酸、または、高級脂肪酸アルミニウム、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸マグネシウム高級脂肪酸亜鉛、高級脂肪酸リチウム等の高級脂肪酸またはその金属塩、炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコ−ル、グリセリン、ソルビト−ル、プロピレングリコ−ル、ペンタエリスリト−ル、トリエチレングリコ−ル等の脂肪族アルコ−ル類、炭素数が4〜22の高級脂肪酸と炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコ−ルとのエステル類、アセチルクエン酸ドリブチル、アジピン酸ジ−2エチル−ヘキシル、アゼライン酸−n−ヘキシル、エタンジオ−ルモンタン酸エステル、ポリ(1.3−ブタンジオ−ルアジピン酸)エステル、アセチルリシノ−ル酸メチル、ポリ(1.3−ブチレングリコ−ル、1.4−ブチレングリコ−ル、アジピン酸オクチルアルコ−ル)エステル、糖ろう糖のアルコ−ルと脂肪酸とのエステル類、水添食用油脂、ひまし油、スパ−ムアセチワックス、アセチル化モノグリセライド糖のグリセライド類、炭素数が16〜18の例えばエチレンビスオレイルアミドに代表されるエチレンビス脂肪酸アミド、炭素数が8〜22の高級脂肪酸アミド、ステアリルエルカアミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミトアミド等の高級脂肪酸アミド類、その他、メチルヒドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサン等のシリコ−ン油ヤロジンやマレイン酸変性ロジンのグリセリンエステル等の1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
【0020】
また、本発明においては、その他、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸等のケイ酸塩、その他、カオリン、タルク、けいそう土等の無機化合物系のブロッキング防止剤、あるいは、高密度ポリエチレン、分子量300000以上の超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、アクリル系樹脂、その他等の微粉末等からなる有機化合物系のブロッキング防止剤の1種ないし2種以上を添加することができる。
その添加量としては、樹脂100重量部に対し0.01〜3重量%位が好ましい。
【0021】
次に、本発明において、上記のような各樹脂組成物を使用して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを製造する方法について説明すると、本発明においては、まず、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層を形成する、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物と、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層を形成する、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物とを調製して2種の樹脂組成物を製造し、次いで、その2種の樹脂組成物を使用し、これらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレ−ション共押出機等を使用して共押出成形し、第1層が、レ−ザ−光線照射発色フィルム層、第2層が、透明ないし半透明の樹脂層の順で2層共押出積層した構成からなる本発明にかかる2種2層の多層積層樹脂フィルムを製造することができる。
【0022】
あるいは、本発明においては、上記と同様に、まず、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層を形成する、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物と、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層を形成する、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物とを調製して2種の樹脂組成物を製造し、次いで、その2種の樹脂組成物を使用し、これらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレ−ション共押出機等を使用して共押出成形し、第1層が、透明ないし半透明の樹脂層、第2層が、レ−ザ−光線照射発色フィルム層、第3層が、透明ないし半透明の樹脂層の順で3層共押出積層した構成からなる本発明にかかる2種3層の多層積層樹脂フィルムを製造することができる。
上記の例示は、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムの製造法についてその一二例を例示したものであり、本発明は、これに限定されるものではないものである。
また、本発明においては、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを製造するに際して、更に、その使用目的、用途等によって、4層、5層、あるいは、それ以上の多層を形成することができ、また、他の材料を使用し、これを任意に共押出積層して、種々の形態からなる多層積層樹脂フィルムを設計して製造することができるものである。
【0023】
次に、本発明において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムの膜厚としては、約8μm〜120μm位、好ましくは、10μm〜60μm位が望ましいものである。
而して、上記の多層積層樹脂フィルムにおいて、該多層積層樹脂フィルムを構成する各層の膜厚としては、まず、レ−ザ−光線照射発色フィルム層としては、膜厚1μm〜50μm、好ましくは、2μm〜40μm、更には、3μm〜30μm位、透明ないし半透明の樹脂層としては、1μm〜50μm、好ましくは、3μm〜40μm、更には、4μm〜30μm位の範囲からなることが好ましいものである。
上記において、本発明にかかるヒ−トシ−ル性多層積層樹脂フィルムを構成する各層の膜厚として、まず、レ−ザ−光線照射発色フィルム層の膜厚として、膜厚1μm、更には、2μm未満であると、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤による発色、印字が不十分、不鮮明となること等の理由から好ましくなく、また、膜厚50μm、更には、40μmを越えると、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤による発色、印字は、十分となるが、コストアップ、共押出多層積層樹脂フィルムの物性(強度)低下、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤自体の顔料色が共押出多層積層樹脂フィルムに色を付けること等の理由から好ましくなく、また、透明ないし半透明の樹脂層の膜厚として、膜厚1μm、更には、3μm未満であると、表面保護機能性、外観性の観点から、更には、共押出の安定性等の観点から好ましくなく、また、膜厚50μm、更には、40μmを越えると、コストアップになるという観点から好ましくないものである。
【0024】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムは、基本的には、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色フィルム層が、例えば、YAGレ−ザ−等のレ−ザ−光線によるエネルギ−を吸収し、その部分において、炭化、発色して、例えば、文字、数字、記号、図柄、その他等からなるレ−ザ−印字画像を極めて鮮明に形成し得ると共にそのレ−ザ−印字画像の外側に位置して存在する他の樹脂フィルム等が、そのレ−ザ−印字画像を保護して、その外的影響を排除し、例えば、改変、偽造等を防止するものである。
そのため、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムは、例えば、籤等の用途、包装用材料を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層(シ−ラント層)の用途、その他に適用することができ、例えば、上記のヒ−トシ−ル性樹脂層(シ−ラント層)の用途においては、製袋時等におけるヒ−トシ−ラント層として作用し、内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更に、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れていると共に金属(異物)探知機等に反応しないという利点を有するものである。
【0025】
而して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムは、これをヒ−トシ−ル性樹脂層等として使用し、これと、他のプラスチックフィルム等の基材フィルム、紙基材、酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止するバリア性基材、セロハン、織布ないし不織布、ガラス板、その他等の種々の基材の1種ないし2種以上と任意に積層して、種々の形態からなる積層材を製造し、而して、該積層材を包装袋等を構成する包装用材料、各種のカ−ド類、各種のラベル類、各種のビジネスフォ−ム類、各種の産業部材、その他等の用途に適用し得るものである。
【0026】
上記の本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用した包装用材料としての積層材について更に詳しく説明すると、まず、上記の積層材の製造法としては、例えば、プライマ−剤層あるいはラミネ−ト用接着剤層等を介して、プラスチックチフィルム等の所望の基材を任意に積層するドライラミネ−ト積層法、または、プライマ−剤層あるいはアンカ−コ−ト剤層等を介して、各種の樹脂等を溶融押出して所望の基材を任意に積層する押出ラミネ−ト積層法、その他等の積層法を用いて、種々の形態からなる積層材を製造することができる。
【0027】
上記のドライラミネ−ト積層法についての具体例を例示すると、まず、所望の基材フィルムのコロナ処理等からなる裏面に、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等からなる印刷模様層を形成した後、該印刷模様層を含む基材フィルムの面に、上記の多層積層樹脂フィルムを、それを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層または透明ないし半透明の樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者の層間を、例えば、ラミネ−ト用接着剤層等を介して積層して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用した積層材を製造することができる。
あるいは、上記のように基材フィルムの裏面に印刷模様層等を形成する代りに、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層または透明ないし半透明の樹脂層等の表面に、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等からなる印刷模様層を形成した後、該印刷模様層を含む面に、基材フィルムを重ね合わせ、次いで、その両者の層間を、例えば、ラミネ−ト用接着剤層等を介して積層して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用した積層材を製造することもができるものである。
更に、本発明においては、その使用目的、用途等によって、例えば、バリア性基材、その他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる多層積層樹脂フィルムを使用した積層材を設計して製造することができるものである。
【0028】
また、上記の押出ラミネ−ト積層法についての具体例を例示すると、図示しないが、まず、所望の基材フィルムのコロナ処理等からなる裏面に、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等からなる印刷模様層を形成した後、該印刷模様層を含む基材フィルムの面に、アンカ−コ−ト剤をグラビアロ−ルコ−ト法等によコ−ティングしてアンカ−コ−ト剤層を形成し、次いで、該アンカ−コ−ト剤層の面に、前述の多層積層樹脂フィルムを、それを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層または透明ないし半透明の樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者の層間に、例えば、低密度ポリエチレン等の熱溶融性樹脂を押出ながらその熱溶融押出樹脂層等を介してその両者を積層して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用した積層材を製造することができる。
あるいは、本発明においては、まず、所望の基材フィルムのコロナ処理等からなる裏面に、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等からなる印刷模様層を形成した後、該印刷模様層を含む基材フィルムの面に、上記と同様に、アンカ−コ−ト剤をグラビアロ−ルコ−ト法等によコ−ティングしてアンカ−コ−ト剤層を形成し、次いで、該アンカ−コ−ト剤層の面に、バリア性基材を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者の層間に、例えば、低密度ポリエチレン等の熱溶融性樹脂を押出ながらその熱溶融押出樹脂層等を介してその両者を積層して、しかる後、上記で積層したバリア性基材の面に、更に、上記と同様に、アンカ−コ−ト剤をグラビアロ−ルコ−ト法等によコ−ティングしてアンカ−コ−ト剤層を形成し、次いで、該アンカ−コ−ト剤層の面に、上記の多層積層樹脂フィルムを、それを構成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層または透明ないし半透明の樹脂層の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その両者の層間に、上記と同様に、例えば、低密度ポリエチレン等の熱溶融性樹脂を押出ながらその熱溶融押出樹脂層等を介してその両者を積層して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用した積層材を製造することができる。
上記の例示は、その一二例であり、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0029】
上記の本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用した包装用材料としての積層材の製造において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムに積層する他のプラスチックフィルム等の基材フィルム、紙基材、酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止するバリア性基材、セロハン、織布ないし不織布、ガラス板、その他等の種々の基材について説明すると、かかる基材としては、まず、プラスチックフィルム等の基材フィルムとしては、例えば、積層材の基本素材となるものとして、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
なお、本発明においては、上記のような基材フィルムには、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
【0030】
次にまた、本発明において、上記の積層材を構成する基材としては、例えば、紙層を構成する各種の紙基材を使用することができ、具体的には、本発明において、紙基材としては、賦型性、耐屈曲性、剛性等を持たせるものであり、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用することが望ましい。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
【0031】
更に、本発明において、上記の積層材を構成する基材として、例えば、水蒸気、水等のバリア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいは、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア−性基材としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、MXDナイロン6樹脂、その他のバリア性樹脂のフィルムないしシ−ト、アルミニウム箔またはアルミニウム蒸着樹脂フィルム、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜(物理気相成長法または化学気相成長法等による)を有する樹脂フィルム、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
【0032】
なお、本発明においては、通常、上記の積層材を使用して製袋した包装袋が各種の用途に適用される場合、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、上記の積層材には、厳しい条件が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような諸条件を充足する基材を任意に選択して使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し製膜、インフレ−ション製膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0033】
次に、本発明において、積層材を構成するラミネ−ト用接着剤層について説明すると、かかるラミネ−ト用接着剤層を構成するラミネ−ト用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマ−、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマ−との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することがてきる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0034】
次に、本発明において、積層材を構成するアンカ−コ−ト剤層について説明すると、かかるアンカ−コ−ト剤層を構成するアンカ−コ−ト剤としては、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、ポリプタジエン系、その他等の水性ないし油性の各種のアンカ−コ−ト剤を使用することができる。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
【0035】
また、上記の押出ラミネ−ト積層法における溶融押出樹脂層としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、酸変性ポリエチレン系樹脂、酸変性ポリプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、サ−リン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、上記の押出ラミネ−ト積層法において、より強固な接着強度を得るために、例えば、上記のアンカ−コ−ト剤等のアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
【0036】
なお、本発明においては、上記の積層材を構成するいずれかの層間に所望の印刷模様層を形成することができるものである。
而して、上記の印刷模様層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、前述のコ−ティング薄膜の上に、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができる。
【0037】
なお、本発明においては、プライマ−剤層としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用してプライマ−剤層を形成することができる。
なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
また、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことがでる。
【0038】
次に、本発明において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用して製造した積層材を使用し、これを製袋した包装袋について説明すると、まず、その包装袋を製造する製袋ないし製函法としては、例えば、包装袋がプラスチックフィルム等からなる軟包装袋の場合、上記のような方法で製造した積層材を使用し、その内層のヒ−トシ−ル性樹脂層としての第1または第2の白色樹脂層、あるいは、第1または第2の熱可塑性樹脂層の面を対向させて、それを折り重ねるか、或いは、その二枚を重ね合わせ、更に、その周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設けて包装袋を製造することができる。
而して、その製袋方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装袋には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
【0039】
次にまた、包装袋として、紙基材を含む液体充填用紙容器の場合、例えば、積層材として、紙基材を積層した積層材を製造し、これから所望の紙容器を製造するブランク板を製造し、しかる後該ブランク板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲ−ベルトップタイプの液体用紙容器等を製造することができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
【0040】
本発明において、上記のようにして製造した包装袋は、例えば、飲食品、果汁、ジュ−ス、飲料水、酒、調理食品、水産練り製品、冷凍食品、肉製品、煮物、餅、液体ス−プ、調味料、その他等の各種の飲食料品、液体洗剤、化粧品、化成品、その他の物品からなる内容物を充填包装することができるものである。
而して、本発明においては、特に、例えば、醤油、ソ−ス、ス−プ等を充填包装する液体用小袋、生菓子等を充填包装する軟包装用袋、あるいは、ボイルあるいはレトルト食品等を充填包装する軟包装用袋等の液体飲食物あるいは水分等を含む飲食物等を充填包装する包装用容器として有用なものである。
本発明においては、例えば、上記で製造した三方シ−ル型の包装袋の開口部から、例えば、飲食品、その他等の内容物を充填し、次いで、上方の開口部をヒ−トシ−ルして上方のシ−ル部等を形成し、更に、必要に応じて、例えば、ボイル処理、レトルト処理等を施して、種々の形態からなる包装製品を製造することができるものである。
なお、本発明においては、上記に例示の包装袋に限定されるものでないことは言うまでもないことであり、その目的、用途等により、軟包装用袋、液体紙製容器、紙缶、その他等の種々の形態の包装用容器を製造することができることは言うまでもないことである。
【0041】
而して、本発明において、上記で製造される包装製品は、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムが、前述のように、その一方の面からレ−ザ−光線を照射すると、該レ−ザ−光線は、一方の透明ないし半透明の樹脂層を透過し、その下に位置しているレ−ザ−光線照射発色フィルム層に到達し、その部分のレ−ザ−光線照射発色フィルム層でそのレ−ザ−光線によるエネルギ−を吸収し、そのレ−ザ−光線照射部分において、炭化、発色して、例えば、文字、数字、記号、図柄、その他等からなるレ−ザ−印字画像を極めて鮮明に形成し得るものであるから、これに日付印字、番号印字、文字印字、記号ないし絵柄印字、その他等の印字が可能なものであり、これを利用して、製品の偽造防止、籤の付与、その他等の付加価値を付けた包装製品の製造を可能とするものである。
【0042】
【実施例】
次に、本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
実施例1
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕99.5重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料〔メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825〕0.5重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を30μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚70μmの未延伸の多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
なお、印字において、煙は発生せず、穴開きも認められなかった。
上記において、多層積層樹脂フィルムの膜厚は、ソニ−株式会社製、μ−メ−タ−から測定した。
また、上記において、YAGレ−ザ−印字は、富士電機株式会社製、YAGレ−ザ−システム(DW5200)から、16.5A、6kHzにてレ−ザ−照射した。
以下、本実施例において膜厚の測定、および、YAGレ−ザ−印字は、上記と同じである。
【0043】
参考例1
(1).厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面の面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面に、上記の実施例1で製造した多層積層樹脂フィルムを、その第1層のコロナ処理面の面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層して、積層材を製造した。
(2).次いで、上記で製造した積層材について、それを構成する多層積層樹脂フィルムにYAGレ−ザ−を照射して、予め、明瞭な『あたり』の文字をレ−ザ−印字し、しかる後、その積層材と他の積層材との2枚を用意し、その内面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からスナック菓子を充填包装し、しかる後、その開口部の端部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、販売後、開封し、『あたり』の文字を確認し、所定の商品と交換可能できた。
【0044】
実施例2
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕98.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料〔メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825〕2.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚60μmの未延伸の多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
なお、印字において、煙は発生せず、穴開きも認められなかった。
また、上記で製造した多層積層樹脂フィルムを使用し、上記の参考例1と全く同様にして、上記の参考例1と全く同様に、積層材、包装用袋、包装製品を製造することがてき、同様な効果を奏することができた。
【0045】
実施例3
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕95.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料〔メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825〕5.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚50μmの未延伸の多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
なお、印字において、煙は発生せず、穴開きも認められなかった。
また、上記で製造した多層積層樹脂フィルムを使用し、上記の参考例1と全く同様にして、上記の参考例1と全く同様に、積層材、包装用袋、包装製品を製造することがてき、同様な効果を奏することができた。
【0046】
実施例4
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕95.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料〔メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825〕5.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚50μmの未延伸の多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
なお、印字において、煙は発生せず、穴開きも認められなかった。
また、上記で製造した多層積層樹脂フィルムを使用し、上記の参考例1と全く同様にして、上記の参考例1と全く同様に、積層材、包装用袋、包装製品を製造することがてき、同様な効果を奏することができた。
【0047】
実施例5
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)に熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部からなる第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)に熱可塑性ポリエステル系樹脂90.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料〔メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825〕10.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)に熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部からなる第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚30μmの多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
【0048】
参考例2
上記で製造した未印字の多層積層樹脂フィルムを使用し、その一方の面に、白色のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で全面白2色の印刷層を形成し、次いで、その印刷層を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ100μmのポリエステル樹脂フィルム〔東洋紡株式会社製、二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、商品名、東洋紡エステルE5100、厚さ100μm〕を重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層して、カ−ド基材としての積層材を製造した。
次いで、上記のカ−ド基材を用いて、常法により、プラスチックカ−ドを製造した。
上記で製造したプラスチックカ−ドについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
なお、印字において、煙は発生せず、穴開きも認められなかった。
【0049】
実施例6
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)に熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部からなる第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)に熱可塑性ポリエステル系樹脂80.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料〔メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825〕20.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)に熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部からなる第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚30μmの多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
また、上記で製造した未印字の多層積層樹脂フィルムを使用し、上記の参考例2と全く同様にして、上記の参考例2と全く同様に、カ−ド基材、プラスチックカ−ドを製造することがてき、同様な効果を奏することができた。
【0050】
実施例7
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)に熱可塑性ポリスチレン系樹脂100重量部からなる第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)に熱可塑性ポリスチレン系樹脂90.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料〔メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825〕10.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)に熱可塑性ポリスチレン系樹脂100重量部からなる第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚30μmの多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
また、上記で製造した未印字の多層積層樹脂フィルムを使用し、厚さ100μmのポリエステル系樹脂フィルムに代えて、厚さ100μmのポリスチレン系樹脂フィルムを使用し、それ以外は、上記の参考例2と全く同様にして、上記の参考例2と全く同様に、カ−ド基材、プラスチックカ−ドを製造することがてき、同様な効果を奏することができた。
【0051】
実施例8
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)に熱可塑性ポリスチレン系樹脂100重量部からなる第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)に熱可塑性ポリスチレン系樹脂80.0重量部と、YAGレ−ザ−発色顔料〔メルクジャパン株式会社製、商品名、イリオジンLS−825〕20.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)に熱可塑性ポリスチレン系樹脂100重量部からなる第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、(ハ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚30μmの多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、明瞭な文字が浮き出てきて、レ−ザ−印字画像を形成し得ることを確認した。
また、上記で製造した未印字の多層積層樹脂フィルムを使用し、厚さ100μmのポリエステル系樹脂フィルムに代えて、厚さ100μmのポリスチレン系樹脂フィルムを使用し、それ以外は、上記の参考例2と全く同様にして、上記の参考例2と全く同様に、カ−ド基材、プラスチックカ−ドを製造することがてき、同様な効果を奏することができた。
【0052】
比較例1
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μmにそれぞれ共押出して3層からなる総厚60μmの未延伸の多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、レ−ザ−は、透過してしまい、全く文字は浮き出てこなかった。
印字ができなかったため、煙も穴開きも認められなかった。
【0053】
比較例2
(1).まず、熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部からなる樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、厚さ30μmの樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した樹脂フィルムを使用し、その一方の面に、白色のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式で全面白2色の印刷層を形成し、次いで、その印刷層を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ100μmのポリエステル樹脂フィルム〔東洋紡株式会社製、二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、商品名、東洋紡エステルE5100、厚さ100μm〕を重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層して、カ−ド基材としての積層材を製造した。
次いで、上記のカ−ト基材を用いて、常法により、プラスチックカ−ドを製造した。
上記で製造したプラスチックカ−ドについて、その第一層〔上記の(イ)の樹脂組成物による層〕の表面からYAGレ−ザ−を照射したところ、レ−ザ−は透過してしまい、全く文字が浮き出てこず、レ−ザ−印字画像を形成することができなかった。
なお、印字において、煙も穴開きも認められなかった。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、共押出多層積層樹脂フィルムに着目し、その共押出積層樹脂フィルムからなり、更に、該共押出多層積層樹脂フィルムを構成する少なくとも一層が、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色フィルム層からなる多層積層樹脂フィルム、更には、上記の多層積層樹脂フィルムにおいて、レ−ザ−光線照射発色フィルム層が、その一方または両方の表面の面に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層を積層する構成からなる多層積層樹脂フィルムを製造し、而して、該多層積層樹脂フィルムに、例えば、YAGレ−ザ−を照射したところ、多層積層樹脂フィルムを構成する中間層を形成するレ−ザ−光線照射発色フィルム層において、上記のYAGレ−ザ−のエネルギ−を吸収し、その部分において、炭化、発色して、極めて鮮明なレ−ザ−印字画像を形成し得ると共に印字後のレ−ザ−印字画像が、その外側に位置して存在する他の樹脂フィルム等により保護されて、外的影響を受けることなく、その改変、偽造等を防止することができ、例えば、籤等の用途、各種のカ−ド類、各種のラベル類、各種のビジネスフォ−ム類、あるいは、包装用材料としてのヒ−トシ−ル性樹脂層(シ−ラント層)等の用途、その他の用途等に適する多層積層樹脂フィルムを製造し得ることができると言うものである。
本発明は、製品部材等にレ−ザ−印字することを目的として設計した多層積層樹脂フィルムであって、その原反フィルムが透明性に優れ、かつ、YAGレ−ザ−の波長領域をエネルギ−吸収し、炭化、発色し、外的影響を受けない日付印字、番号印字、文字印字、記号印字、その他の印字を可能とし、偽造防止、籤等の付加価値が可能となることを特徴とする多層積層樹脂フィルムに関するものである。
また、本発明においては、YAGレ−ザ−の使用により、近年問題となっている表示問題、偽造防止を可能とし、消費者への安心感を与え、クリ−ンなイメ−ジをアッピ−ルできるものである。
更に、本発明においては、透明体を透過する性質を持ち、炭酸ガスレ−ザ−と異なり、製品部材を切削することがないため、例えば、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムをシ−ラント材として使用して包装材料を製造すると、該包装材料においては、バリア性維持の観点からも非常に大きな利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる多層積層樹脂フィルムについてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかる多層積層樹脂フィルムについてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図3】本発明にかかる多層積層樹脂フィルムについてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図4】上記の図3に示す本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用し、これに、レ−ザ−光線を照射してレ−ザ−印字画像を形成した層構成を示す概略的断面図である。
【符号の説明】
A 多層積層樹脂フィルム
A1 多層積層樹脂フィルム
A2 多層積層樹脂フィルム
1 共押出多層積層樹脂フィルム
2 共押出多層積層樹脂フィルムを構成する少なくとも一層
2a レ−ザ−光線照射発色フィルム層
3 透明ないし半透明の樹脂層
11 レ−ザ−光線
12 レ−ザ−印字画像
Claims (7)
- 共押出多層積層樹脂フィルムからなり、更に、該共押出多層積層樹脂フィルムを構成する少なくとも一層が、樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、レ−ザ−光線照射により発色する発色剤を含み、かつ、そのレ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、0.01重量%〜50.0重量%からなる樹脂組成物によるレ−ザ−光線照射発色フィルム層からなることを特徴とする多層積層樹脂フィルム。
- レ−ザ−光線照射発色フィルム層が、その一方または両方の表面の面に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層を積層することを特徴とを上記の請求項1に記載する多層積層樹脂フィルム。
- 樹脂が、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマ−、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、または、熱可塑性ポリアミド系樹脂からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する多層積層樹脂フィルム。
- レ−ザ−光線照射により発色する発色剤が、顔料類または粘土類の1種ないし2種以上からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する多層積層樹脂フィルム。
- レ−ザ−光線照射により発色する発色剤の含有量が、1.0重量%〜10.0重量%からなることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載する多層積層樹脂フィルム。
- レ−ザ−光線照射発色フィルム層が、膜厚1μm〜50μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する多層積層樹脂フィルム。
- 透明ないし半透明の樹脂層が、膜厚1μm〜50μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載する多層積層樹脂フィルム。
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