JP2016067190A - 液体ポンプ用ロータ構造 - Google Patents

液体ポンプ用ロータ構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2016067190A
JP2016067190A JP2015064035A JP2015064035A JP2016067190A JP 2016067190 A JP2016067190 A JP 2016067190A JP 2015064035 A JP2015064035 A JP 2015064035A JP 2015064035 A JP2015064035 A JP 2015064035A JP 2016067190 A JP2016067190 A JP 2016067190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
rotor core
bottom wall
core
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015064035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6424701B2 (ja
Inventor
寿英 鈴木
Toshihide Suzuki
寿英 鈴木
勇 足立
Isamu Adachi
勇 足立
西村 昌樹
Masaki Nishimura
昌樹 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd filed Critical Asmo Co Ltd
Publication of JP2016067190A publication Critical patent/JP2016067190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6424701B2 publication Critical patent/JP6424701B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

【課題】ロータコアとステータとの間の間隔を狭くしつつロータマグネットを良好に固定する。【解決手段】ウォータポンプでは、略有底円筒状を成すSUS製のロータカバー58内にロータコア54が挿入されて、ロータ52の径方向外側にステータ80が配置されている。これにより、仮にロータカバー58を樹脂製とする場合と比べて、ロータコア54とステータとの間の間隔を狭くできる。また、ロータカバー58の底壁部58Bに膨出部60が形成されており、膨出部60は、下方側へ膨出されて、ロータコア54及びロータマグネット56と対向されている。そして、膨出部60内において樹脂モールド部62のロアモールド部62Cが、ロータコア54及びロータマグネット56と一体に形成されている。このため、ロータマグネット56の上端部及び下端部が樹脂モールド部62を介してロータコア54に固定されるため、ロータマグネット56を良好に固定できる。【選択図】図1

Description

本発明は、液体ポンプ用ロータ構造に関する。
下記特許文献1に記載されたウォータポンプ(液体ポンプ)では、第1樹脂成形部材及び第2樹脂成形部材がロータマグネットを狭持した状態でシール接合されている。これにより、液体に対してロータマグネットが防水されている。
特開2006−325345
ところで、ロータコアと、ロータコア内に埋設されたロータマグネットと、を含んで構成されたロータにおいて、上記ウォータポンプのようにロータを樹脂成形部材で覆う場合には、成形性等の観点から樹脂成形部材の厚みを確保する必要がある。このため、ロータコアとステータとの間の間隔が大きくなり、ひいてはロータマグネットとステータとの間の間隔(磁気ギャップ)が大きくなる。これにより、ウォータポンプのモータ効率等に影響を与えると共に、ウォータポンプの大型化を招くという問題があった。
これに対して、ロータ(ロータコア及びロータマグネット)を、例えばSUSの板材により構成されたロータカバーによって覆うことが考えられる。この場合には、例えばウォータポンプの作動時に生じる振動等によってロータマグネットがロータコアに対して相対移動すると、ロータマグネット及びロータコアが磨耗する虞があるため、ロータコアに埋設されたロータマグネットをロータコアに良好に固定させる必要がある。
本発明は、上記事実を考慮し、ロータコアとステータとの間の間隔を狭くしつつロータマグネットを良好に固定できる液体ポンプ用ロータ構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載された液体ポンプ用ロータ構造は、回転することでポンプ部内の液体を圧送するインペラと、前記インペラの回転軸と同軸上に配置された筒状を成すロータコアと、前記ロータコアの内部において前記ロータコアの軸方向に埋設されたロータマグネットと、を含んで構成され、前記インペラと一体回転可能に構成されたロータと、前記ロータの径方向外側に設けられたステータと、有底筒状に形成されると共に、内部に前記ロータコアが挿入され、前記ロータの外郭を構成するロータカバーと、前記ロータカバーにおける底壁部に形成され、前記底壁部から前記ロータコアとは反対側へ膨出されると共に、前記ロータコアの軸方向において前記ロータコア及び前記ロータマグネットと対向して配置された膨出部と、前記ロータコア及び前記ロータマグネットを被覆して前記ロータカバーと共に前記ロータの外郭を構成すると共に、前記膨出部内において前記ロータコア及び前記ロータマグネットと一体に形成された固定用モールド部を有する樹脂モールド部と、を備えている。
上記構成の液体ポンプ用ロータ構造によれば、ロータがインペラと一体回転可能に構成されている。このロータは、インペラの回転軸と同軸上に配置された筒状のロータコアを有しており、ロータコアには、ロータマグネットがロータコアの軸方向に埋設されている。そして、ロータの径方向外側にステータが設けられている。
ここで、ロータカバー及び樹脂モールド部によってロータの外郭が構成されている。具体的には、ロータカバーが有底筒状に形成されており、ロータカバー内にロータコアが挿入されている。これにより、ロータの径方向外側部分が、ロータカバーによって構成されるため、ロータカバーを金属製とすることで、ロータコアとステータとの間の間隔を狭くすることができる。
また、ロータカバーの底壁部には、膨出部が形成されており、膨出部は、ロータカバーの底壁部からロータコアとは反対側へ膨出されて、ロータコアの軸方向においてロータコア及びロータマグネットと対向して配置されている。そして、膨出部内において、樹脂モールド部における固定用モールド部が、ロータコア及びロータマグネットと一体に形成されている。これにより、ロータコアの軸方向におけるロータマグネットの両端部を、樹脂モールド部を介してロータコアに固定することができる。したがって、ロータマグネットを良好に固定することができる。
請求項2に記載の液体ポンプ用ロータ構造は、請求項1に記載の発明において、前記膨出部は、前記底壁部の外周部において、前記ロータコア側へ開放された前記ロータの周方向に延びる溝状に形成され、前記膨出部における前記ロータコアの径方向内側に配置された側壁が、前記ロータコアの軸方向において前記ロータマグネットとオーバーラップして配置され、前記底壁部が前記ロータコア及び前記ロータマグネットと当接されている。
上記構成の液体ポンプ用ロータ構造によれば、膨出部がロータの周方向に延びる溝状に形成されているため、膨出部において、固定用モールド部を介したロータマグネットのロータコアへの固定を簡易な構成で実現することができる。
また、膨出部におけるロータコアの径方向内側に配置された側壁が、ロータコアの軸方向においてロータマグネットとオーバーラップして配置されると共に、底壁部がロータマグネット及びロータコアに当接されている。このため、ロータカバーに対するロータコアの位置を決めつつ、ロータカバー内にロータコアを配置することができる。したがって、ロータにおける組付性を向上することができる。
請求項3に記載の液体ポンプ用ロータ構造は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記膨出部及び前記固定用モールド部が、前記ロータコアの周方向全周に亘って形成されている。
上記構成の液体ポンプ用ロータ構造によれば、膨出部及び固定用モールド部がロータの周方向全周に亘って形成されるため、固定用モールド部を介したロータマグネットのロータコアへの固定を一層良好にすることができる。
請求項4に記載の液体ポンプ用ロータ構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記底壁部の内周端部には、湾曲部が形成されており、前記湾曲部は、前記ロータコアの軸方向において前記ロータコアの内周縁部と対向して配置されると共に、縦断面視で前記ロータコアとは反対側へ突出された半円弧状又は前記ロータコア側へ屈曲された円弧状に形成され、前記樹脂モールド部は、前記ロータコアの内周面及び前記底壁部の内周端部を被覆するインナモールド部を有している。
上記構成の液体ポンプ用ロータ構造によれば、インナモールド部におけるロータカバーの底壁部の内周端部を被覆する部位に応力が集中することを抑制できる。すなわち、樹脂モールド部は樹脂製とされているため、樹脂モールド部では、液体ポンプの使用環境の温度差によってインナモールド部が主としてロータコアの軸方向に熱収縮する傾向にある。
ここで、ロータカバーの底壁部における内周端部には、湾曲部が形成されている。湾曲部は、ロータコアの軸方向においてロータコアの内周縁部と対向して配置されると共に、縦断面視でロータコアとは反対側へ突出された半円弧状又はロータコア側へ屈曲された円弧状に形成されている。そして、インナモールド部は、ロータコアの内周面及び底壁部の内周端部を被覆している。このため、インナモールド部には、ロータカバーの底壁部の内周端部を被覆する部位において、湾曲部に沿った湾曲面が形成される。これにより、液体ポンプの使用環境の温度差によって樹脂モールド部がロータコアの軸方向に熱収縮したときには、インナモールド部におけるロータカバーの底壁部の内周端部を被覆する部位に生じる応力が当該湾曲面によって分散される。したがって、インナモールド部におけるロータカバーの底壁部の内周端部を被覆する部位に応力が集中することを抑制できる。
請求項5に記載の液体ポンプ用ロータ構造は、請求項4に記載の発明において、前記底壁部の内周端部には、前記湾曲部の先端から前記ロータコアの軸方向と平行に延びるフランジ部が形成されており、前記フランジ部が前記ロータコアの内周面に隣接して配置されている。
上記構成の液体ポンプ用ロータ構造によれば、底壁部の内周端部にフランジ部が形成されており、フランジ部は、湾曲部の先端からロータコアの軸方向と平行に延びている。また、フランジ部は、ロータコアの内周面に隣接して配置されている。このため、フランジ部によってロータコアを径方向内側から支持しつつ、底壁部の内周端部を被覆するインナモールド部の部位に応力が集中することを抑制できる。
本実施の形態に係る液体ポンプ用ロータ構造が適用されたロータ及びインペラを示す縦断面図である。 図1に示されるロータが用いられたウォータポンプの全体を示す縦断面図である。 図1に示されるロータを軸方向から見た平断面図(図1の3−3線断面図)である。 図1に示されるロータカバーの膨出部の周辺を拡大して示す拡大図(図1のC部拡大図)である。 図2に示されるモータハウジングの内筒部における拡径部を拡大して示す縦断面図である。 比較例のロータカバーの一部を示す図4に対応する縦断面図である。 図4に示されるロータカバーの内周端部の変形例を示す図4に対応する縦断面図である。
以下、図面を用いて本実施の形態に係る液体ポンプ用ロータ構造Sが適用されたロータ52を備えた「液体ポンプ」としてのウォータポンプ10について説明する。
本実施の形態に係るウォータポンプ10は、例えば車両(自動車)のエアコンヒータ用の冷却水(液体)を圧送するためのポンプとして用いられている。図2に示されるように、ウォータポンプ10は、インペラ70が収容され且つ冷却水を圧送するポンプ部12と、インペラ70を回転させるためのモータ部50と、を備えている。また、ウォータポンプ10は、モータ部50を収容するモータハウジング30(広義には、「ハウジング」として把握される要素である)と、モータ部50を駆動制御するための回路装置90と、を備えている。
以下、上記各構成をポンプ部12、モータハウジング30、モータ部50、及び回路装置90の順で説明する。なお、ウォータポンプ10は、全体として略円柱形状に形成されており、以下の説明では、図面に適宜示される矢印A方向を上方とし、矢印B方向を下方(ウォータポンプ10の軸方向一方側)としている。
(ポンプ部12について)
図2に示されるように、ポンプ部12はウォータポンプ10の上部を構成している。ポンプ部12はポンプケース14を備えており、ポンプケース14はポンプ部12の外周部分を構成している。このポンプケース14はケース本体部16を有しており、ケース本体部16は下方側へ開放された略有底円筒形状に形成されている。ケース本体部16の内部には、中央部において、インペラ70を収容するインペラ収容部18が形成されており、インペラ収容部18は、下方側へ開放された略凹状に形成されている。さらに、ケース本体部16の内部には、インペラ収容部18に対してケース本体部16の径方向外側において、流路20が形成されている。この流路20は、下方側へ開放された断面略U字形状に形成されると共に、ケース本体部16の周方向に沿って延在されている。
また、ケース本体部16の上壁には、中央部(ウォータポンプ10の軸心部)において、入口管22が一体に形成されている。入口管22は、管状に形成されて、ケース本体部16から上方側へ延出されている。また、入口管22はインペラ収容部18と連通されており、冷却水が入口管22からケース本体部16内へ流入されるようになっている。
さらに、ケース本体部16の外周部には、図示しない出口管が一体に形成されている。この出口管は、管状に形成されて、ケース本体部16の側壁からウォータポンプ10の軸線に対して直交する方向に延出されている。そして、出口管は流路20と連通されており、ケース本体部16内に流入された冷却水が出口管から流出されるようになっている。
また、ケース本体部16の開放端部には、ポンプ側フランジ部26が一体に形成されており、ポンプ側フランジ部26は、ケース本体部16からケース本体部16の径方向外側へ突出されると共に、ケース本体部16の全周に亘って略リング状に形成されている。このポンプ側フランジ部26の下面には、略円筒形状のリブ26Aが立設されており、リブ26Aはケース本体部16の全周に亘って形成されて、ポンプ側フランジ部26から下方側へ突出されている。
(モータハウジング30について)
図2に示されるように、モータハウジング30は、ウォータポンプ10の上下方向中間部を構成すると共に、ポンプ部12に対して下方側に配置されている。このモータハウジング30は、全体として下方側へ開放された略有底円筒状に形成されて、入口管22(ウォータポンプ10の軸線)と同軸上に配置されている。具体的には、モータハウジング30は、モータハウジング30の径方向外側部分を構成する外筒部32を有しており、外筒部32は下方側へ開放された略有底円筒状に形成されている。また、モータハウジング30は、モータハウジング30の径方向内側部分を構成する内筒部34を有している。この内筒部34は、上方側へ開放された略有底円筒状に形成されており、内筒部34の開放端(上端)が外筒部32の底壁に結合されている。
そして、外筒部32と内筒部34との間の空間が、後述するステータ80を収容するためのステータ収容部36とされており、ステータ収容部36は下方側へ開放された略円環状の空間に形成されている。さらに、内筒部34の内側の空間が、後述するロータ52を収容するためのロータ収容部38とされている。
また、外筒部32の外周部分を構成する外筒壁32Aの上端部には、第1結合部40が一体に形成されている。第1結合部40は、外筒壁32Aからモータハウジング30の径方向外側へ突出され、外筒壁32Aの全周に亘って略リング状に形成されると共に、前述したポンプ側フランジ部26と上下方向に対向して配置されている。また、第1結合部40の上面には、前述したポンプ側フランジ部26のリブ26Aと対応する位置において、リブ収容凹部40Aが形成されている。リブ収容凹部40Aは、上方側へ開放されると共に、モータハウジング30の軸方向から見て円環状(リング状)に形成されている。そして、リブ収容凹部40A内にポンプケース14のリブ26Aが収容された状態で、第1結合部40とポンプ側フランジ部26とが結合されている。また、この状態では、外筒部32の底壁がポンプケース14内に入り込むと共に、ポンプケース14内とロータ収容部38内とが連通されている。
一方、外筒壁32Aの下端部には、第2結合部42が一体に形成されている。第2結合部42は、外筒壁32Aからモータハウジング30の径方向外側へ突出されると共に、外筒壁32Aの全周に亘って所定の形状に形成されている。また、第2結合部42の下面には、第2結合部42の外周部分において、囲繞壁42Aが一体に形成されている。囲繞壁42Aは、第2結合部42から下方側へ突出されると共に、第2結合部42の全周に亘って枠状に形成されている。
さらに、第2結合部42には、コネクタ部(図示省略)が一体に形成されている。このコネクタ部は、下方側へ開放された略有底矩形筒状に形成されると共に、第2結合部42から下方側へ突出されており、コネクタ部内に外部コネクタ(図示省略)が嵌合されるようになっている。また、図示は省略するが、モータハウジング30には、外部コネクタと接続されるコネクタターミナルが設けられており、コネクタターミナルの一端部がコネクタ部の内部に配置されている。さらに、コネクタターミナルは所定の形状に屈曲されており、コネクタターミナルの他端部が、モータハウジング30から下方側へ延出されて、後述する回路基板96に接続されている。
また、内筒部34の底壁には、中央部において、略円筒形状の支持部44が一体に形成されている。支持部44は、ポンプ部12の入口管22と同軸上に配置されて、内筒部34の底壁から上方側へ突出されている。さらに、内筒部34内には、円柱状の回転軸46が設けられており、回転軸46は支持部44と同軸上に配置されている。そして、回転軸46の下端部が支持部44に固定支持されており、回転軸46は支持部44から上方側へ突出されている。
(モータ部50について)
図2に示されるように、モータ部50は、ロータ52とステータ80とを含んで構成されている。以下、初めにロータ52について説明し、次いでステータ80について説明する。
ロータ52は、全体として略円筒形状に形成されると共に、回転軸46の径方向外側でモータハウジング30のロータ収容部38内に収容されている。また、図1及び図3に示されるように、ロータ52は、ロータコア54と、複数(本実施の形態では4つ)のロータマグネット56と、ロータカバー58と、樹脂モールド部62と、を含んで構成されている。そして、本発明の要部である液体ポンプ用ロータ構造Sがロータ52に適用されている。
ロータコア54は、略円環状に打ち抜かれた複数の鋼板で構成されており、当該鋼板が上下方向を板厚方向にして上下方向に積層されている。そして、ロータコア54が全体として略円筒形状に形成されると共に、回転軸46(図3参照)と同軸上に配置されている。また、図3に示されるように、ロータコア54には、複数(本実施の形態では4箇所)の孔部54Aが上下方向(ロータコア54の軸方向)に貫通形成されている。孔部54Aは、ロータコア54の軸方向から見て、ロータコア54の径方向に対して直交する方向を長手方向とした断面略矩形状に形成されると共に、ロータコア54の周方向に沿って等間隔(90°毎)に配置されている。
さらに、ロータコア54には、孔部54Aの幅方向外側の位置において、一対のスリット54Bが形成されている(すなわち、本実施の形態では、8箇所のスリット54Bが形成されている)。このスリット54Bは、ロータコア54の径方向外側に開放されると共に、上下方向に貫通されている。
図1及び図3に示されるように、ロータマグネット56は、ネオジウム系磁石として構成されると共に、略矩形柱状に形成されている。そして、長手方向から見たロータマグネット56の外形が、孔部54Aの外形に比して僅かに小さく設定されており(図3参照)、ロータマグネット56が、上下方向を長手方向として孔部54A内に嵌入(挿入)されている。これにより、ロータコア54の内部においてロータマグネット56が上下方向(ロータコア54の軸方向)に埋設されている。そして、上述したロータコア54及びロータマグネット56の表面には、それぞれ防錆処理(例えばニッケルめっき又は樹脂塗装等)が施されている。これにより、ロータコア54及びロータマグネット56の防食及び防錆性が高められている。
ロータカバー58は、SUSの板材(本実施の形態では、板厚0.25mm)で製作されると共に、上方側へ開放された略有底円筒形状に形成されている。具体的には、ロータカバー58は、略円筒形状に形成された筒部58Aを有している。また、ロータカバー58は底壁部58Bを有しており、底壁部58Bは、上下方向を板厚方向にした略円環板状に形成されて、筒部58Aの下端(軸方向一方側端)から筒部58Aの径方向内側へ延びている(図1参照)。そして、ロータカバー58内にロータコア54が嵌入(挿入)されて、ロータカバー58がロータ52の外郭の一部を構成している。すなわち、ロータコア54の径方向外側の側面が、ロータカバー58の筒部58Aによってロータ52の径方向外側から覆われて、筒部58Aがロータ52の径方向外側部分を構成している。また、ロータコア54の下面(軸方向一端面)及びロータマグネット56の下面が、ロータカバー58の底壁部58Bによってロータ52の軸方向一方側から覆われて、底壁部58Bがロータ52の下端部(軸方向一端部)を構成している。
さらに、図4に示されるように、ロータカバー58の底壁部58Bにおける外周部には、筒部58Aと隣接する部位において、膨出部60が形成されている。この膨出部60は、底壁部58Bから下方側へ膨出されて、縦断面視で上方側へ開放された断面略U字形状に形成されると共に、筒部58Aの周方向全周に亘って形成されている。具体的には、膨出部60は、筒部58Aの下端から筒部58Aの径方向内側へ延びる底壁60Aと、底壁60Aの径方向内側端から上方側へ延びる側壁60Bと、を含んで構成されている。そして、側壁60Bの上端からロータカバー58の底壁部58Bが筒部58Aの径方向内側へ延びている。
また、膨出部60の側壁60Bが、上下方向(ロータ52の軸方向)において、ロータマグネット56における厚さ方向(ロータ52の径方向)中間部とオーバーラップして配置されている。これにより、上下方向において、膨出部60が、ロータコア54の下面における外周側部分及びロータマグネット56の下面における外周側部分と対向して配置されている。また、ロータカバー58の底壁部58Bが、ロータコア54の下面における内周側部分及びロータマグネット56の下面における内周側部分と当接されている。
また、膨出部60は、前述したロータコア54におけるスリット54B(図4では不図示)の下方側に配置されており、ロータコア54がロータカバー58内に嵌入(挿入)された状態では、膨出部60内とスリット54B内とが連通されている。なお、上記説明では、ロータカバー58がSUSの板材で製作されているが、ロータカバー58を腐食し難い金属の板材によって製作してもよい。
また、ロータカバー58の底壁部58Bにおける内周端部61(径方向内側端部)には、湾曲部61Aが形成されている。湾曲部61Aは、縦断面視で上側へ開放された半円弧状に湾曲されて、ロータコア54の下面に対して下側へ突出されている。具体的には、湾曲部61Aが、ロータコア54の下面における内周縁部とロータコア54の軸方向において対向して配置されている。また、湾曲部61Aは、ロータカバー58の周方向全周に亘って形成されている。さらに、底壁部58Bにおける内周端部61には、フランジ部61Bが形成されており、フランジ部61Bは、湾曲部61Aの先端からロータカバー58の軸方向に沿って上側へ延出されている。また、フランジ部61Bは、ロータカバー58の周方向全周に亘って形成された略円筒状(リング状)を成すと共に、ロータコア54の内周面54Cに隣接して配置されている。
図1に示されるように、樹脂モールド部62は、インサート成形等の手法によってロータカバー58と一体成形されて、ロータカバー58と共にロータ52の外郭を構成している。具体的には、樹脂モールド部62は、略円筒形状のインナモールド部62Aを有している。このインナモールド部62Aは、ロータコア54の径方向内側においてロータコア54と同軸上に配置されると共に、ロータコア54の内周面54C及びロータカバー58のフランジ部61Bを被覆するようにロータコア54及びフランジ部61Bと一体に形成されている。また、図4に示されるように、インナモールド部62Aの下端部には、径方向外側へ張り出した張出部62Aaが一体に形成されており、張出部62Aaは、ロータカバー58の湾曲部61A及び底壁部58Bの一部(内周側部分)を下側から被覆するように湾曲部61A及び底壁部58Bと一体に形成されている。これにより、インナモールド部62Aの下端には、湾曲部61Aによって上側へ開放する断面半円状の湾曲面63が形成されており、湾曲面63はインナモールド部62Aの周方向全周に亘って形成されている。また、インナモールド部62Aでは、軸方向の厚み寸法が径方向の厚み寸法に比べて大きく設定されている(図1参照)。
さらに、図1に示されるように、樹脂モールド部62はアッパモールド部62Bを有している。このアッパモールド部62Bは、インナモールド部62Aの上端からロータ52の径方向外側へ延びて、略円環状に形成されている。そして、アッパモールド部62Bは、ロータコア54の上面(軸方向他端面)及びロータマグネット56の上面と一体に形成されている。さらに、アッパモールド部62Bの径方向外側端部がロータカバー58の筒部58Aの上端部と一体に形成されている。また、図5に示されるように、アッパモールド部62Bの径方向外側端部には、ロータカバー58の筒部58Aの開口端部を被覆(閉塞)する被覆部62Baが形成されている。具体的には、被覆部62Baは、筒部58Aの開口端の上方側においてアッパモールド部62Bの径方向外側へ突出されて断面略逆L字形状に形成されると共に、アッパモールド部62Bの周方向全周に亘って形成されている。そして、被覆部62Baは、筒部58Aの開口端面及び外周縁部を被覆している。つまり、被覆部62Baが筒部58Aの外周面よりも径方向外側へ突出している。以上により、ロータカバー58と樹脂モールド部62との結合部分の液密性が確保された状態で、ロータコア54及びロータマグネット56がロータカバー58及び樹脂モールド部62によって覆われている。
そして、ロータ52が、モータハウジング30のロータ収容部38内に収容された状態では、モータハウジング30の内筒部34と被覆部62Baとが干渉しないように構成されている。具体的には、内筒部34の上端部には、内筒部34の径寸法よりも大きく設定された拡径部34Aが一体に形成されている。そして、内筒部34の径方向において、拡径部34Aが被覆部62Baと対向して配置されている。さらに、拡径部34Aの下端部には、テーパ部34Bが形成されており、テーパ部34Bは、下方側へ向かうに従い内筒部34の径方向内側へ傾斜して、内筒部34に接続されている。なお、テーパ部34Bの代わりに、拡径部34Aの下端部に内筒部34の径方向内側へ屈曲した屈曲部を形成して、拡径部34Aと内筒部34との接続部分を縦断面視で段差状に形成してもよい。
また、図4にも示されるように、樹脂モールド部62は、「固定用モールド部」としてのロアモールド部62Cを有している。このロアモールド部62Cは、ロータカバー58の膨出部60内に設けられている。具体的には、ロータコア54が挿入されたロータカバーと樹脂モールド部62とを一体成形するときに、樹脂材がロータコア54のスリット54B(図3参照)から膨出部60内へ流入されることで、ロアモールド部62Cが形成されている。そして、ロータマグネット56の下面における一部(外周側部分)と、ロータコア54の下面における一部(外周側部分)と、膨出部60の内周面と、がロアモールド部62Cによって一体化されている。これにより、ロータマグネット56の上端部及び下端部が、樹脂モールド部62を介してロータコア54に固定されている。
一方、図1に示されるように、インナモールド部62Aの径方向内側には、略円筒形状に形成された軸受66が一体に設けられている。軸受66は、回転軸46と同軸上に配置されて回転軸46に回転可能に支持されている(図2及び図3参照)。これにより、ロータ52が軸受66を介して回転軸46の軸線回りに回転されるようになっている。
また、樹脂モールド部62の上側には、樹脂モールド部62とインペラ70とを連結するための連結軸部64が一体に形成されている。連結軸部64は略円筒形状に形成されて、回転軸46と同軸上に配置されると共に、樹脂モールド部62のアッパモールド部62Bから上方側へ延出されている。
連結軸部64の上端には、インペラ70を構成する第1円盤部72及びブレード74が一体に形成されている。第1円盤部72は、略円板状に形成されて、板厚方向を回転軸46の軸方向にして回転軸46と同軸上に配置されている。また、ブレード74は、第1円盤部72から上方側へ突出されている。さらに、ブレード74の上側には、インペラ70を構成する第2円盤部76が設けられている。第2円盤部76は、略円板状に形成されると共に、第1円盤部72とブレード74を介して対向するように配置されて、ブレード74と一体に結合されている。
次にステータ80について説明する。図2に示されるように、ステータ80は、環状に形成されたステータコア82と、導電性を有する巻線84と、を含んで構成されて、モータハウジング30のステータ収容部36内に収容されている。ステータコア82は、所定の形状に打ち抜かれた複数の鋼板によって構成されており、当該鋼板が上下方向を板厚方向にして上下方向に積層されている。そして、ステータコア82には、自身の径方向外側へ延びる複数のティース部82Aが形成されている。
巻線84は、ステータコア82のティース部82Aに巻回されている。これにより、ティース部82Aの外周部に沿って巻き回された巻線部84Aが形成されている。また、巻線84の端末部は、モータハウジング30(ステータ収容部36)から下方側へ延出されて、後述する回路基板96に接続されている。なお、巻線部84Aとティース部82Aとの間には、絶縁部材85が介装されている。
また、ステータ80は、ステータホルダ86によって覆われている。ステータホルダ86は、鋼板で製作されると共に、下方側へ開放された略有底円筒形状に形成されている。また、ステータホルダ86の底壁には、円形状の配置孔86Aが上下方向に貫通形成されている。そして、ステータ80がステータホルダ86内に配置(挿入)された状態で、ステータ80及びステータホルダ86がステータ収容部36内に収容されている。また、この状態では、モータハウジング30の内筒部34が配置孔86Aの内側に配置されている。
また、ステータホルダ86の開放端(下端)には、ホルダ側フランジ部86Bが一体に形成されている。このホルダ側フランジ部86Bは、ステータホルダ86の開放端(下端)からステータホルダ86の径方向外側へ延出されて、モータハウジング30の第2結合部42の下側で且つ囲繞壁42Aの内側に配置されている。
(回路装置90について)
図2に示されるように、回路装置90は、ウォータポンプ10の下部を構成すると共に、モータハウジング30の下方側に配置されている。また、回路装置90は、プレートユニット92と、回路基板96と、回路カバー98と、を含んで構成されている。
プレートユニット92は、略円盤状に形成されて、モータハウジング30に対して下方側に配置されている。このプレートユニット92は、樹脂材で構成されたプレート本体93と、鋼板で構成され且つ略リング状に形成されたリングプレート94と、を有している。そして、リングプレート94がプレート本体93の上方側に配置された状態で、プレート本体93及びリングプレート94が一体に成形されている。
さらに、リングプレート94がステータホルダ86のホルダ側フランジ部86Bと上下方向に対向して配置されており、プレートユニット92が、図示しない位置においてホルダ側フランジ部86Bに締結固定されている。
また、リングプレート94には、後述する回路基板96を固定するための複数の固定片94Bが一体に形成されている。この固定片94Bは、リングプレート94の外周部から下方側へ延出されており、固定片94Bの先端部がリングプレート94の径方向内側へ屈曲されている。そして、固定片94Bの先端部には、後述する回路基板96を締結するためのバーリング94Cが形成されており、バーリング94Cは下方側へ開放された略有底円筒状に形成されている。
さらに、プレートユニット92には、図示しないガイド孔が上下方向に貫通形成されており、ガイド孔内に、前述したコネクタターミナルの他端部及び巻線84の端末部が挿入されるようになっている。
回路基板96は、略円板状に形成されて、板厚方向を上下方向にしてプレートユニット92の下方側に配置されている。そして、前述したリングプレート94のバーリング94Cにネジ(図示省略)が挿入されて、該ネジによって回路基板96がプレートユニット92に固定されている。また、回路基板96には、複数の回路素子96Aが実装されると共に、前述したコネクタターミナルの他端部及び巻線84の端末部が接続されている。
回路カバー98は、鋼板で製作されると共に、上方側へ開放された略有底円筒形状に形成されている。また、回路カバー98の開放端(上端)には、カバー側フランジ部98Aが一体に形成されており、カバー側フランジ部98Aは、回路カバー98の開放端から回路カバー98の径方向外側へ突出されると共に、回路カバー98の全周に亘って形成されている。そして、回路カバー98は、回路基板96及びプレートユニット92を覆うと共に、モータハウジング30の下端部を閉塞している。具体的には、カバー側フランジ部98Aが、モータハウジング30の囲繞壁42Aの内側で且つステータホルダ86のホルダ側フランジ部86Bと対向して配置されて、図示しないネジ等の締結部材によってホルダ側フランジ部86Bに締結固定されている。
次に本実施の形態の作用及び効果について説明する。
上記のように構成されたウォータポンプ10では、ポンプ部12(ポンプケース14)内とモータハウジング30のロータ収容部38内とが連通されている。また、ポンプケース14のインペラ収容部18内には、インペラ70が収容されており、ロータ収容部38内には、モータ部50のロータ52が収容されている。さらに、インペラ70とロータ52とは一体回転可能に構成されている。また、ロータ52の径方向外側には、モータ部50のステータ80が配置されており、ステータ80はモータハウジング30のステータ収容部36内に収容されている。
そして、外部コネクタがコネクタ部に接続されて、モータ部50を駆動制御する電力が外部コネクタから回路装置90へ供給されると、モータ部50が駆動して、モータ部50のロータ52が回転軸46の軸線回りに回転される。これにより、インペラ70が回転軸46の軸線回りに回転して、ポンプ部12の入口管22からポンプケース14内に流入された冷却水が圧送されてポンプ部12の出口管から流出される。
ここで、ウォータポンプ10では、SUS製のロータカバー58と樹脂モールド部62によってロータ52の外郭が構成されている。具体的には、ロータカバー58が略有底円筒状に形成されており、ロータカバー58内にロータコア54が挿入されている。また、樹脂モールド部62が、ロータコア54の径方向内側部分及び上面側を被覆して、ロータカバー58と一体に形成されている。これにより、ロータ52の径方向外側部分が、SUS製のロータカバー58によって構成されるため、仮にロータカバー58を樹脂製とする場合と比べて、ロータコア54とステータ80との間の間隔を狭くすることができる。すなわち、仮にロータカバー58を樹脂材で構成すると、成形性等の観点からロータカバー58の厚みを例えば1mm〜2mmに確保する必要がある。これに対して、ロータカバー58をSUSの板材にすることで、ロータカバー58の厚みを例えば0.25mmとすることができる。その結果、ロータコア54とステータ80との間の間隔(磁気ギャップ)を狭くすることができる。
また、ロータカバー58の底壁部58Bには、膨出部60が形成されている。この膨出部60は、ロータカバー58の底壁部58Bから下方側へ膨出されて、上下方向(ロータコア54の軸方向)においてロータコア54及びロータマグネット56と対向して配置されている。そして、膨出部60内において、樹脂モールド部62のロアモールド部62Cが、ロータコア54の下面及びロータマグネット56の下面と一体に形成されている。このため、ロータコア54とステータ80との間の間隔を狭くするために、有底円筒状のSUS製のロータカバー58をロータ52に用いた場合でも、ロータマグネット56の上端部及び下端部を、樹脂モールド部62を介してロータコア54に固定することができる。これにより、ロータマグネット56を良好に固定することができる。
すなわち、仮にロータカバー58において膨出部60を省略した場合には、ロータカバー58の底壁部58B全体がロータマグネット56の下面及びロータコア54の下面と当接するようになる。このため、ロータコア54及びロータマグネット56と底壁部58Bとの間に樹脂モールド部62を設けることができなくなる。これにより、ロータマグネット56の上端部のみが、樹脂モールド部62を介してロータコア54に固定される。その結果、例えばウォータポンプ10の作動時にロータ52に生じる振動等によってロータマグネット56の下端部がロータコア54の径方向に振れると、ロータコア54及びロータマグネット56が磨耗する虞がある。
これに対して、本実施の形態では、上述したように、ロータマグネット56の上端部及び下端部が樹脂モールド部62を介してロータコア54に固定されるため、ロータマグネット56を良好に固定することができる。その結果、例えばウォータポンプ10の作動時におけるロータコア54に対するロータマグネット56の相対移動が抑制されるため、ロータコア54及びロータマグネット56の磨耗を抑制することができる。
さらに、ロータカバー58の膨出部60は、底壁部58Bの外周部において、上方側へ開放された溝状に形成されると共に、ロータ52の周方向に延びている。これにより、膨出部60において、ロアモールド部62Cを介したロータマグネット56のロータコア54への固定を簡易な構成で実現することができる。
また、膨出部60における側壁60Bが、上下方向においてロータマグネット56の厚さ方向中間部とオーバーラップして配置されている。このため、ロータマグネット56の下面及びロータコア54の下面をロータカバー58の底壁部58Bに当接させつつ、ロータカバー58内にロータコア54及びロータマグネット56を配置することができる。これにより、上下方向におけるロータカバー58に対するロータコア54及びロータマグネット56の位置が決定されるため、ロータ52における組付性を向上することができる。
また、ロータカバー58の膨出部60及びロアモールド部62Cが、ロータ52の周方向全周に亘って形成されている。これにより、ロアモールド部62Cを介したロータマグネット56のロータコア54への固定を一層良好にすることができる。
さらに、ロータカバー58における底壁部58Bの内周端部61には、湾曲部61Aが形成されている。湾曲部61Aは、ロータコア54の内周縁部の下側に配置されると共に、縦断面視でロータコア54とは反対側(下側)へ突出された半円弧状に形成されている。これにより、ウォータポンプ10の使用環境の温度差によってインナモールド部62Aの下端部(具体的には、湾曲面63)に応力が集中することを抑制することができる。以下、この点について、図6に示される比較例と比較しつつ説明する。なお、図6に示される比較例では、本実施の形態と同様に構成されている部位に同一の符号を付している。
図6に示される比較例では、ロータカバー58における底壁部58Bの内周端部61において、本実施の形態の湾曲部61A及びフランジ部61Bが省略されている。すなわち、底壁部58Bの内周端部61は、上下方向を板厚方向にして、インナモールド部62Aの下端部の内部に埋設されている。これにより、比較例では、インナモールド部62Aにおいて本実施の形態の湾曲面63が省略されている。
そして、樹脂モールド部62は樹脂製とされているため、ウォータポンプ10の使用環境の温度が変化すると使用環境の温度差によって樹脂モールド部62に熱収縮が生じる。特に、樹脂モールド部62のインナモールド部62Aでは、径方向の厚み寸法よりも軸方向の厚み寸法が大きくなっているため、インナモールド部62Aにおける軸方向の収縮量が大きくなる。そして、比較例では、底壁部58Bの内周端部61が、上下方向(インナモールド部62Aの軸方向)を板厚方向にしてインナモールド部62Aの下端部の内部に埋設されているため、インナモールド部62Aに生じる軸方向の収縮作用によって、インナモールド部62Aと内周端部61の上下面との間で剥離が生じる虞がある。また、この場合には、インナモールド部62Aにおける内周端部61よりも径方向内側部分に応力が集中して、当該部分に亀裂が発生する虞がある。
これに対して、本実施の形態のロータカバー58によれば、ロータカバー58の底壁部58Bの内周端部61には、湾曲部61Aが形成されている。そして、湾曲部61Aは、ロータコア54の内周縁部の下側に配置されると共に、縦断面視で下側へ突出された半円弧状に形成されている。このため、インナモールド部62Aには、湾曲部61Aに沿う湾曲面63が形成される。これにより、軸方向においてインナモールド部62Aが熱収縮しても、インナモールド部62Aと張出部62Aaとの境界部分である湾曲面63が断面半円状に湾曲されているため、湾曲面63に生じる応力が分散されて、湾曲面63に応力が集中することを抑制できる。その結果、インナモールド部62Aの下端部に応力が集中することが抑制されて、ひいてはインナモールド部62Aの下端部において亀裂や剥離が生じることを抑制できる。
また、ロータカバー58の底壁部58Bにおける内周端部61には、フランジ部61Bが形成されており、フランジ部61Bは、湾曲部61Aの先端からロータコア54の軸方向と平行に上側へ延びている。すなわち、インナモールド部62Aの熱収縮の主方向である軸方向に沿ってフランジ部61Bが延びている。また、フランジ部61Bはロータコア54の内周面54Cに隣接して配置されている。このため、フランジ部61Bによってロータコア54を径方向内側から支持しつつ、インナモールド部62Aの下端部に応力が集中することを抑制できる。
また、樹脂モールド部62におけるアッパモールド部62Bの径方向外側端部には、被覆部62Baが形成されており、筒部58Aの開口部における端面及び外周縁部が被覆部62Baによって被覆されている。これにより、ロータカバー58の防食性を図ることができる。その結果、筒部58Aの開口部において、腐食によって生じる割れなどを防止することができる。
また、モータハウジング30における内筒部34の上端部には、拡径部34Aが一体に形成されており、拡径部34Aは内筒部34の径寸法よりも大きく設定されている。そして、内筒部34の径方向において、拡径部34Aが被覆部62Baと対向して配置されている。このため、ロータカバー58の防食性を図るために、樹脂モールド部62に被覆部62Baを形成した場合でも、モータハウジング30の内筒部34と被覆部62Baとの干渉を防止しつつ、ロータ52をモータハウジング30のロータ収容部38内に収容することができる。換言すると、拡径部34Aを設けることで、内筒部34の全体の径寸法を大きくすることなく、内筒部34と被覆部62Baとの干渉を防止することができる。したがって、ロータコア54とステータ80との間の間隔(磁気ギャップ)が大きくなることを抑制しつつ、ロータカバー58の防食性を図ることができる。
なお、本実施の形態では、ロータカバー58の膨出部60及びロアモールド部62Cが、ロータ52の周方向全周に亘って形成されている。これに代えて、ロータカバー58の膨出部60及びロアモールド部62Cを、ロータマグネット56の位置に対応して、ロータ52の周方向において断続的(90度毎)に形成してもよい。
また、本実施の形態では、ロータコア54における孔部54Aの幅方向外側に一対のスリット54Bが形成されて、樹脂材がスリット54Bから膨出部60内へ流入されることで、ロアモールド部62Cが形成されているが、スリット54Bを任意の位置(孔部54Aとは関係のない位置)に設定してもよい。
また、本実施の形態では、ロータコア54及びロータマグネット56の表面に、防錆処理(例えば、ニッケルめっきや樹脂塗装)が施されているが、ロータコア54及びロータマグネット56の何れか一方の防錆処理を省略してもよいし、両方の防錆処理を省略してもよい。
また、本実施の形態のロータカバー58の板厚が、0.25mmに設定されているが、モータ部50のモータ効率を考慮しつつ、ロータカバー58の板厚を適宜変更してもよい。
また、本実施の形態では、ロータカバー58の湾曲部61Aが縦断面視で下側へ突出した半円弧状に形成されているが、湾曲部61Aを上側へ円弧状に屈曲した形状にしてもよい。この場合には、図7に示されるように、ロータカバー58の底壁部58Bにおける内周側部分を下側へクランク状に屈曲させて(すなわち、底壁部58Bにおける内周側部分をロータコア54の下面から下側へ離間させて)、底壁部58Bの内周端部61を、上側へ円弧状に屈曲させた湾曲部61Aと、フランジ部61Bと、で構成してもよい。この場合にも、インナモールド部62Aには、湾曲面63が形成されるため、インナモールド部62Aが軸方向に熱収縮してもインナモールド部62Aの下端部における応力集中を抑制することができる。
10・・・ウォータポンプ(液体ポンプ)、12・・・ポンプ部、52・・・ロータ、54・・・ロータコア、54C・・・ロータコアの内周面、56・・・ロータマグネット、58・・・ロータカバー、58B・・・底壁部、60・・・膨出部、61・・・底壁部の内周端部、61A・・・湾曲部、61B・・・フランジ部、60B・・・側壁、62・・・樹脂モールド部、62A・・・インナモールド部、62C・・・ロアモールド部(固定用モールド部)、70・・・インペラ、80・・・ステータ、S・・・液体ポンプ用ロータ構造

Claims (5)

  1. 回転することでポンプ部内の液体を圧送するインペラと、
    前記インペラの回転軸と同軸上に配置された筒状を成すロータコアと、前記ロータコアの内部において前記ロータコアの軸方向に埋設されたロータマグネットと、を含んで構成され、前記インペラと一体回転可能に構成されたロータと、
    前記ロータの径方向外側に設けられたステータと、
    有底筒状に形成されると共に、内部に前記ロータコアが挿入され、前記ロータの外郭を構成するロータカバーと、
    前記ロータカバーにおける底壁部に形成され、前記底壁部から前記ロータコアとは反対側へ膨出されると共に、前記ロータコアの軸方向において前記ロータコア及び前記ロータマグネットと対向して配置された膨出部と、
    前記ロータコア及び前記ロータマグネットを被覆して前記ロータカバーと共に前記ロータの外郭を構成すると共に、前記膨出部内において前記ロータコア及び前記ロータマグネットと一体に形成された固定用モールド部を有する樹脂モールド部と、
    を備えた液体ポンプ用ロータ構造。
  2. 前記膨出部は、前記底壁部の外周部において、前記ロータコア側へ開放された前記ロータの周方向に延びる溝状に形成され、
    前記膨出部における前記ロータコアの径方向内側に配置された側壁が、前記ロータコアの軸方向において前記ロータマグネットとオーバーラップして配置され、
    前記底壁部が前記ロータコア及び前記ロータマグネットと当接された請求項1に記載の液体ポンプ用ロータ構造。
  3. 前記膨出部及び前記固定用モールド部が、前記ロータコアの周方向全周に亘って形成された請求項1又は請求項2に記載の液体ポンプ用ロータ構造。
  4. 前記底壁部の内周端部には、湾曲部が形成されており、前記湾曲部は、前記ロータコアの軸方向において前記ロータコアの内周縁部と対向して配置されると共に、縦断面視で前記ロータコアとは反対側へ突出された半円弧状又は前記ロータコア側へ屈曲された円弧状に形成され、
    前記樹脂モールド部は、前記ロータコアの内周面及び前記底壁部の内周端部を被覆するインナモールド部を有している請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液体ポンプ用ロータ構造。
  5. 前記底壁部の内周端部には、前記湾曲部の先端から前記ロータコアの軸方向と平行に延びるフランジ部が形成されており、
    前記フランジ部が前記ロータコアの内周面に隣接して配置されている請求項4に記載の液体ポンプ用ロータ構造。
JP2015064035A 2014-04-14 2015-03-26 液体ポンプ用ロータ構造 Active JP6424701B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014083064 2014-04-14
JP2014083064 2014-04-14
JP2014200893 2014-09-30
JP2014200893 2014-09-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016067190A true JP2016067190A (ja) 2016-04-28
JP6424701B2 JP6424701B2 (ja) 2018-11-21

Family

ID=55806008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015064035A Active JP6424701B2 (ja) 2014-04-14 2015-03-26 液体ポンプ用ロータ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6424701B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018025138A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 アスモ株式会社 電動ポンプ
WO2018180924A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 日本電産株式会社 ロータ、およびモータ
WO2019003801A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 日本電産株式会社 ロータ、およびモータ
WO2019003800A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 日本電産株式会社 ロータ、およびモータ
WO2019172196A1 (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 株式会社デンソー 電動ポンプ
CN110474479A (zh) * 2018-05-09 2019-11-19 建准电机工业股份有限公司 马达转子
KR102075460B1 (ko) * 2018-10-11 2020-02-10 지엠비코리아 주식회사 임펠러-로터 조립체
US11095180B2 (en) 2017-03-31 2021-08-17 Nidec Corporation Motor including a holding member support portion which supports portions of a bus bar
KR102310934B1 (ko) * 2021-03-11 2021-10-07 남서울대학교 산학협력단 중공형 방수모터
CN114430207A (zh) * 2020-10-29 2022-05-03 本田技研工业株式会社 旋转电机的转子和旋转电机

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000014062A (ja) * 1998-06-16 2000-01-14 Denso Corp トルクモータ
US6242833B1 (en) * 1998-09-02 2001-06-05 Empresa Brasileira De Compressores S.A.-Embraco Wound cover arrangement for an electric motor rotor
JP2002204540A (ja) * 2001-01-09 2002-07-19 Mitsubishi Electric Corp 回転電機の永久磁石回転子
JP2007209178A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Aisin Seiki Co Ltd ロータユニット及びロータユニットの生産方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000014062A (ja) * 1998-06-16 2000-01-14 Denso Corp トルクモータ
US6242833B1 (en) * 1998-09-02 2001-06-05 Empresa Brasileira De Compressores S.A.-Embraco Wound cover arrangement for an electric motor rotor
JP2002204540A (ja) * 2001-01-09 2002-07-19 Mitsubishi Electric Corp 回転電機の永久磁石回転子
JP2007209178A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Aisin Seiki Co Ltd ロータユニット及びロータユニットの生産方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018025138A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 アスモ株式会社 電動ポンプ
WO2018180924A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 日本電産株式会社 ロータ、およびモータ
US11095180B2 (en) 2017-03-31 2021-08-17 Nidec Corporation Motor including a holding member support portion which supports portions of a bus bar
CN110476324A (zh) * 2017-03-31 2019-11-19 日本电产株式会社 转子和马达
CN110741536A (zh) * 2017-06-29 2020-01-31 日本电产株式会社 转子和马达
WO2019003801A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 日本電産株式会社 ロータ、およびモータ
WO2019003800A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 日本電産株式会社 ロータ、およびモータ
WO2019172196A1 (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 株式会社デンソー 電動ポンプ
CN111819363A (zh) * 2018-03-05 2020-10-23 株式会社电装 电动泵
JP2019152207A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 株式会社デンソー 電動ポンプ
US11242855B2 (en) 2018-03-05 2022-02-08 Denso Corporation Electric pump
CN111819363B (zh) * 2018-03-05 2022-02-25 株式会社电装 电动泵
CN110474479A (zh) * 2018-05-09 2019-11-19 建准电机工业股份有限公司 马达转子
KR102075460B1 (ko) * 2018-10-11 2020-02-10 지엠비코리아 주식회사 임펠러-로터 조립체
CN114430207A (zh) * 2020-10-29 2022-05-03 本田技研工业株式会社 旋转电机的转子和旋转电机
JP2022072214A (ja) * 2020-10-29 2022-05-17 本田技研工業株式会社 回転電機のロータ及び回転電機
KR102310934B1 (ko) * 2021-03-11 2021-10-07 남서울대학교 산학협력단 중공형 방수모터

Also Published As

Publication number Publication date
JP6424701B2 (ja) 2018-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016067190A (ja) 液体ポンプ用ロータ構造
JP6296872B2 (ja) ロータ及び液体ポンプ
JP6432235B2 (ja) 電動ポンプ
JP6323146B2 (ja) モータおよび送風機
JP6649733B2 (ja) ステータ、モータおよびポンプ装置
JP2008530422A (ja) 磁気ポンプ用インナードライブアセンブリ
JP2008175090A (ja) 電動ポンプ
JP2008187755A (ja) 電動ポンプ
JP6394342B2 (ja) 液体ポンプ
CN110495078A (zh) 马达
JP5325651B2 (ja) 液体排出装置
JP6084858B2 (ja) 電動ポンプ及び電動ポンプの組付方法
JP4894375B2 (ja) 電動ポンプ
JP6439538B2 (ja) 液体ポンプ
JP6528485B2 (ja) 液体ポンプ用ロータ構造
JP6315993B2 (ja) 液体ポンプ用ロータの防水構造
JP2020122397A (ja) ポンプ装置
JP6405787B2 (ja) 液体ポンプ用ロータ構造
JP5161636B2 (ja) モータ構造
JP6583463B2 (ja) 液体ポンプ用ロータの防水構造
WO2018047602A1 (ja) ポンプ用モータ
JP2019103363A (ja) 排水ポンプ用モータおよびそれを有する排水ポンプ
JP6272034B2 (ja) 液体ポンプ
JP6443199B2 (ja) 電動ポンプ
JP6314076B2 (ja) 回転電機及び防水構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171025

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20180413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181008

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6424701

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250