本発明の第1態様によれば、室内空気の温度を検知する室温検知手段と、室内空気の湿度を検知する湿度検知手段とを備え、冷房あるいは除霜運転停止後、前記室温検知手段と前記湿度検知手段とが所定の温度湿度条件を検知する累計時間が、所定時間以上になると、送風運転と除湿運転と暖房運転とのうちいずれか一つ以上を行って室内機の内部を乾燥させる乾燥運転を行うように制御する、空気調和機を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記所定の温度湿度条件は、前記室温検知手段の検出温度が10度以上20度未満であるとともに前記湿度検知手段の検出湿度が80%である、または、前記室温検知手段の検出温度が20度以上であるとともに前記湿度検知手段の検出湿度が70%以上である、第1態様に記載の空気調和機を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記所定時間は7時間以上14時間未満である、第1の態様に記載の空気調和機を提供する。
本発明の第4態様によれば、人体検知手段を備え、前記人体検知手段が人を検知していないときに、前記乾燥運転を開始する、第1態様に記載の空気調和機を提供する。
本発明の第5態様によれば、熱交換器に対して相対的に移動して紫外線を照射する紫外線照射部を備え、前記乾燥運転中、または、前記乾燥運転後に、前記紫外線照射部の照射を行う、第1態様に記載の空気調和機を提供する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、ここでは、同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る空気調和機は、冷媒配管で互いに接続された室外機と室内機とで構成されている。そして、この空気調和機は、室外機に設けられた圧縮機、四方弁、熱交換器(室外熱交換器)、減圧装置などと、室内機に設けられた熱交換器(室内熱交換器)などにより構成された冷凍サイクル回路を備えている。また、室外機には、室外熱交換器に送風する室外ファンが設けられている。図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機の室内機の全体斜視図である。図2は、図1に示す室内機の断面図である。図3は、図1に示す室内機の内部構成を概略的に示す斜視図である。
本第1実施形態に係る室内機は、本体2と、本体2の前面開口部2aの前方に固定された前面パネル4とを備えている。
なお、前面パネル4は、前面開口部2aを開閉自在に塞ぐ可動式であってもよい。この場合には、前面パネル4は、空気調和機の運転停止時において、本体2に密着して前面開口部2aを閉じるように設けられている。一方、空気調和機の空調運転時において、前面パネル4は、本体2から離反する方向に移動して前面開口部2aを開放するように設けられている。
本体2の内部には、熱交換器6と、前面開口部2a及び上面開口部2bから取り入れられた室内空気を熱交換器6で熱交換して室内に吹き出すためのファン8と、熱交換した空気を室内に吹き出す吹出口10を開閉するとともに空気の吹き出し方向を上下に変更する上下風向変更羽根12と、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右風向変更羽根14とが設けられている。
空気調和機が空調運転を開始すると、上下風向変更羽根12が開制御されて吹出口10が開放される。この状態でファン8が駆動されることで、室内空気が前面開口部2a及び上面開口部2bを介して室内機の内部に取り入れられる。取り入れられた室内空気は、熱交換器6で熱交換され、ファン8を通過し、ファン8の下流側に形成された通風路16を通過して、吹出口10より吹き出される。
本体2の下部前面部分には、人体を検知する人体検知センサ17(本発明における人体検知手段)が設けてある。人体検知センサ17は前面パネル4の下面に設けられており、人体検知センサ17の前面は赤外線を透過する樹脂製のカバー15で覆われる構成となっている。なお、図1においてはカバー15を下方に若干ずらして、カバー15内部に設けられた人体検知センサ17が見えるように図示するとともに、人体検知センサ17の拡大図も併せて図示している。
人体検知センサ17は、複数(例えば、三つ)のセンサユニット17a、17b、17cで構成され、センサホルダ19に保持され可動することなく固定した状態で組み込まれている。そして、前記各センサユニット17a、17b、17cのセンサ素子は、人体から放射される赤外線を検知する焦電素子型の赤外線センサにより構成しており、各センサユニッ17a、17b、17cのセンサ素子が検知する赤外線量の変化により空調すべき部屋全体の人の存否や移動を常時検出している。 また、前面開口部2aまたは上面開口部2bには、前面開口部2a、上面開口部2bから取り入れられる室内空気の温度を検知する吸込温度センサ(図示せず、本発明における室温検知手段)と、室内空気の湿度を検知する湿度センサ(図示せず、本発明における湿度検知手段)が設けられている。
また、前面開口部2a及び上面開口部2bと熱交換器6との間には、前面開口部2a及び上面開口部2bから取り入れられた室内空気に含まれる塵埃を除去するためのエアフィルタ18が設けられている。エアフィルタ18は、図3に示すように、枠体部分(「桟」ともいう)18Aと、当該枠体部分に保持された網部分(「フィルタ面」ともいう)18Bとを備えている。
エアフィルタ18は、フィルタ保持部材20により保持されている。フィルタ保持部材20の上端部及び下端部には、一対のガイドレール22,22が設けられている。一対のガイドレール22,22の間には、エアフィルタ18の表面に付着した塵埃を除去する塵埃除去部の一例である吸引ノズル24が設けられている。吸引ノズル24は、一対のガイドレール22,22に沿って移動することにより、エアフィルタ18の表面に沿って室内機の幅方向(図3では左右方向)に移動する。吸引ノズル24とエアフィルタ18との間
には、互いに接触しないように僅かな隙間が設けられている。
次に、図4〜図8を用いて、吸引ノズル24の構成についてより具体的に説明する。図4は、吸引ノズル24を前面側から見た斜視図である。図5は、吸引ノズル24をエアフィルタ18側から見た斜視図である。図6は、吸引ノズル24を前面側から見た一部透過正面図である。図7は、図6のA1−A1線断面図である。図8は、第1及び第2の導光板32,36とエアフィルタ18との位置関係を示す断面図である。
図4及び図5に示すように、吸引ノズル24は、エアフィルタ18の左右方向に対して直角な方向に長手方向を備えるとともに、エアフィルタ18に沿うように複数の屈曲部を備えている。吸引ノズル24は、内部に、後述する吸引装置によって吸引される空気や塵埃が流れる通風路24aを備えている(図8参照)。通風路24aは、エアフィルタ18に相対する面に、吸引ノズル24の長手方向に開口するノズル開口部24bを備えている。また、吸引ノズル24は、吸引ノズル24の長手方向周囲にループ状に巻き付けられ、吸引ノズル24の長手方向に対して自在に移動するベルト24cを備えている。
ベルト24cには、エアフィルタ18の塵埃を吸込む吸引孔24dが形成されている。吸引孔24dは、ノズル開口部24bに相対しており、ノズル開口部24bの開口長さ(吸引ノズル24の長手方向の長さ)より短い長さを備えている。
ベルト24cを移動させることで吸引孔24dは、吸引ノズル24の長手方向に移動させることができる。これにより、ノズル開口部24bと吸引孔24dとが重複した箇所のみがエアフィルタ18に相対して開口する。
また、ベルト24cは、吸引孔24dの側方に、吸引孔24dの長手方向に沿ってブラシ24eが設けられている。ブラシ24eは、エアフィルタ18の表面に付着した塵埃を掻き出すものであり、ブラシ24eの先端はエアフィルタ18の表面に接するように設けられている。
吸引ノズル24の下端には、通風路24aと連通し、吸引ダクト(図示せず)が取り付けられるダクト取付部26を備えている。当該吸引ダクトは、吸引装置(図示せず)に連結される。エアフィルタ18の表面に付着した塵埃は、吸引装置が吸引力を発生させることにより、吸引ノズル24から吸引される。吸引ダクトは、吸引ノズル24の移動を妨げないように折り曲げ可能に構成されている。
ここで、図15を用いて、吸引ダクト、吸引装置についてより具体的に説明する。図15は、図1に示す室内機の内部構成を概略的に示す斜視図である。屈曲自在の吸引ダクト40の一端には、ダクト取付部26が連結されている。吸引ダクト40の他端は、吸引装置41に連結されている。
さらに吸引装置41は、排気ダクト42に連結されており、排気ダクト42はその一端が屋外に開放した排気ホース(図示せず)に連結されている。
吸引装置41は、空気が流入する吸入口43aと、空気を流出させる排出口43bを備えた略U字形のケーシング43を備えている。ケーシング43の主要部の内部には、流入した空気を搬送昇圧する複数枚の羽根を有する渦流ファン(図示せず)と、渦流ファンを回転駆動するモータ(図示せず)とを備えている。吸入口43aには、吸引ダクト40が接続され、排出口43bには、排気ダクト42が接続される。
排気ダクト42には静電霧化装置44が固定されており、排気ダクト42は静電霧化装
置44のユニットの一部となっている。この静電霧化装置44は、粒子径がナノメートルサイズの静電ミストを生成するものである。静電霧化装置44の下部には、静電ミスト吹出管(図示せず)の一端が連結されており、静電ミスト吹出管の他端は、通風路16の側面に設けられた開口に連結されている。このため、静電霧化装置44で生成した静電ミストを空気とともに通風路16を介して室内に吹き出すことができる。これによって、室内空気に含まれる臭気成分や、カーテンや壁等に付着した臭気成分を除去することができる。
吸引ノズル24は、通常、エアフィルタ18に向かって右側の端部に位置している。エアフィルタ18の清掃開始が指示されると、吸引ノズル24がエアフィルタ18の左側の方向に移動するとともに、吸引装置41が吸引を開始する。エアフィルタ18の表面に付着した塵埃は、ノズル開口部24bと吸引孔24dとが重複した箇所から通風路24aに吸引され、ダクト取付部26内を通って吸引ノズル24へと導かれる。吸引ノズル24がエアフィルタ18の左側の端部まで到達すると、吸引ノズル24は再び、エアフィルタ18の右側の端部へと戻される。次に、ベルト24cを移動させることで吸引孔24dをエアフィルタ18の上下方向に移動させる。その後、再び、吸引ノズル24がエアフィルタ18の左側の方向に移動するとともに、吸引装置41が吸引する。以上の動作を繰り返すことで、エアフィルタ18の全面を順次、清掃できる。吸引ノズル24から吸引された塵埃は、吸引ダクト40、排気ダクト42、排気ホースを介して、屋外に排出される。なお、吸引孔24dを移動させて、吸引する場所を順次、変えることで、出力の小さな吸引装置であっても、強い吸引力を維持して塵埃を吸引することができる。
吸引ノズル24には、吸引ノズル24により塵埃が除去されたエアフィルタ18に対して紫外線を照射する紫外線照射部28が設けられている。紫外線照射部28が照射する紫外線により、エアフィルタ18の表面が殺菌又は除菌される。紫外線照射部28は、吸引ノズル24に対して、吸引ノズル24の移動方向の下流側(後方側)に取り付けられている。すなわち、吸引ノズル24が吸引時に移動する方向に対して、前方から吸引孔24d、ブラシ24e、紫外線照射部28の順となるように設けられている。
紫外線照射部28は、図6及び図7に示すように、紫外線を発生させる光源30と、光源30から発生した紫外線をエアフィルタ18の表面と対向する領域に導き、当該エアフィルタ18の表面に向けて照射する第1の導光板(単に導光板ともいう)32とを備えている。
光源30は、吸引ノズル24のダクト取付部26の近傍に取り付けられている。また、光源30は、第1の導光板32の一端面32aの近傍に配置されている。本第1実施形態において、光源30は、紫外線を照射可能な砲弾型のLED素子である。光源30は、光軸が第1の導光板32の一端面32a側の部分の延在方向と平行又は略平行になるように配置されている。また、第1の導光板32の一端面32aは、光源30の光軸と直交又は略直交するように配置されている。
第1の導光板32は、エアフィルタ18の表面に沿うように、吸引ノズル24に対して、吸引ノズル24の長手方向に沿って取り付けられている。また、第1の導光板32は、通風路24aの側方を覆うように配置されている。第1の導光板32は、このように取り付けられることにより、中空の通風路24aを有する吸引ノズル24にねじれ等が生じることを抑える補強部材としても機能する。
第1の導光板32の一端面32aは、第1の導光板32の他端面よりも幅が大きいため、第1の導光板32の光源30が設けられた側の側面には、傾斜面32bが形成されている。また、光源30は一端面32aのうち第1の導光板32を介して傾斜面32bに対向
する箇所に設けられている。これにより、光源30から照射される紫外線の直線成分は、傾斜面32bに沿って第1の導光板32の長手方向に導かれることなり、第1の導光板32の一端面32aに入射した紫外線を、より確実に第1の導光板32の他端面まで導くことができる。
第1の導光板32のエアフィルタ18と対向する面には、第1の導光板32の長手方向に沿って複数の切欠部34が設けられている。切欠部34は、例えば、断面が矩形や台形の凹部である。当該切欠部34により、切欠部34が設けられた部分の第1の導光板32の厚みは、他の部分に比べて薄くなっている。これにより、第1の導光板32を通る光源30からの光が切欠部34に集中し、切欠部34から照射される光は、第1の導光板32の他の部分から照射される光よりも強くなる。すなわち、切欠部34の周辺の光量は、切欠部34から離れた部分の光量よりも大きくなる。
従って、切欠部34をエアフィルタ18の枠体部分18Aと対向する位置に設けた場合には、塵埃が残りやすい枠体部分18Aに集中的に紫外線を照射することができる。一方、切欠部34をエアフィルタ18の網部分18Bと対向する位置に設けた場合には、空気が流れる網部分18Bに集中的に紫外線を照射することができる。
また、第1の導光板32とエアフィルタ18との間には、図8に示すように、第1の導光板32から照射された紫外線をエアフィルタ18の面方向に拡散させる第2の導光板36が設けられている。本第1実施形態において、第1の導光板32は、エアフィルタ18の厚み方向の幅が大きい矩形断面の部材であり、第2の導光板36は、エアフィルタ18の面方向(吸引ノズル24の移動方向)の幅が、第1の導光板32のエアフィルタ18の面方向(吸引ノズル24の移動方向)の幅より大きい矩形断面の部材である。
第2の導光板36は、吸引ノズル24の第1の導光板32が設けられた側の端から吸引ノズル24の中心側へ伸延するように設けられている。また、第1の導光板32と第2の導光板36との間には、所定の隙間が開いていることが、第1の導光板32からの紫外線を、幅の広い第2の導光板36へ入射させる上で望ましい。第1及び第2の導光板32,36は、例えば、紫外線を透過させるガラスや樹脂により構成されている。
本第1実施形態に係る空気調和機によれば、吸引ノズル24により塵埃が除去された後のエアフィルタ18に対して紫外線を照射するように構成されているので、エアフィルタ18の表面の殺菌又は除菌効果を一層向上させることができる。
なお、紫外線による殺菌又は除菌の効果を高めるためには、照射する紫外線の周波数は315nm以上であるのが望ましい。
また、第1及び第2の導光板32,36をガラスにより構成した場合、導光板の重量増加による吸引ノズル24の重量が増加したり、導光板そのもののコストが高くなったり、室内機の輸送時等に破損することを防止すための保持構造が複雑になるといったデメリットがある。一方、第1及び第2の導光板32,36を樹脂により構成した場合、これらのデメリットを抑えることができるが、照射する紫外線の周波数が低いと劣化しやすくなる。このため、光源30が照射する紫外線の周波数は、430nm未満であることが望ましい。特に、殺菌又は除菌の効果と樹脂の劣化を両立させるには、365nm以上385nm未満であることが好ましい。
また、吸引ノズル24によるエアフィルタ18の塵埃を除去動作(塵埃除去動作)と、紫外線照射部28による紫外線の照射(紫外線照射動作)とは、同時に行うことも可能である。
また、第2の導光板36は、図7及び図9に示すように、第2の導光板36の長手方向において、光源30の近傍から第1の導光板32に対して離れる方向に延設されることが好ましい。すなわち、第2の導光板36は、第1の導光板32の一端面32aより光源30側に、光源30を超えて伸延するように設けられることが好ましい。これにより、第1の導光板32が対向しないエアフィルタ18の領域に対しても、光源30から発生された紫外線を、第2の導光板36の延設部分36aを通じて照射することができる。
また、第2の導光板36は、図7に示すように、光源30の近傍部分に、光源30に近づくように突出する突起部36bを備えることが好ましい。特に、突起部36bは延設部分36aの中央部から光源30の側部に向かって傾斜するように設けることが望ましい。これにより、光源30から発生された紫外線は指向性(直進性)を有するために、延設部分36aから照射される紫外線の光量は小さくなる傾向にあるが、突起部36bを備えることにより、延設部分36aから照射される紫外線の光量を大きくすることができる。
なお、光源30として用いる砲弾型のLED素子の指向性は、図10に示すように、光度の割合が50%となる角度(半値角θ)が5度以下であることが、第1の導光板32を介してエアフィルタ18に紫外線を行渡らせる上で望ましい。
また、第2の導光板36は、図11に示すように、延設部分36aにローレット加工部36cを備えることが好ましい。ローレット加工部36cは、第2の導光板36の短手方向に平行な短い溝を、第2の導光板36の長手方向に複数並べた部分であり、第2の導光板36の長手方向に平行なスリット状に細長く設けられている。これにより、延設部分36aの光量を一層大きくすることができる。なお、ローレット加工部36cの溝の深さは、切欠部34の深さより小さい。
また、切欠部34の配置ピッチは、図12に示すように、光源30から離れるにつれて小さくすることが好ましい。これにより、光源30から離れた第1の導光板32の他端面側の部分から照射される紫外線の光量を大きくすることができる。このため、紫外線をエアフィルタ18に均一に照射できる。
また、エアフィルタ18には、抗菌作用を有する金属材料が塗布されていることが好ましい。これにより、エアフィルタ18の表面の殺菌又は除菌効果を一層向上させることができる。抗菌作用を有する金属材料としては、例えば、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS)などが挙げられる。
なお、本第1実施形態では、光源30は、紫外線を照射可能な1つの砲弾型のLED素子であるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図13及び図14に示すように、光源30は、紫外線を照射可能な複数のLED素子を備えてもよい。これにより、第1及び第2の導光板32,36から照射される紫外線の光量を増大させることができる。また、この場合、特に、第1の導光板32の一端面32aは、第1の導光板32の他端面よりも面積が大きいことが好ましい。これにより、複数のLED素子から照射される紫外線をより確実に第1の導光板32の一端面32aに入射させることができる。
また、複数のLED素子は、図13に示すように、エアフィルタ18の表面に対して同じ距離離れた位置に配置されてもよい。すなわち、複数のLED素子は、エアフィルタ18の表面に対して平行な方向に配列されてもよい。これにより、複数のLED素子を配置するために吸引ノズル24の厚みが厚くなり、その結果、室内機が大型化することを抑えることができる。
また、複数のLED素子は、図14に示すように、エアフィルタ18の表面に対して異なる距離離れた位置に配置されてもよい。すなわち、複数のLED素子は、エアフィルタ18の表面に対して交差する方向(例えば、直交する方向)に配列されてもよい。この場合、複数のLED素子から照射される紫外線が第1の導光板32の一端面32aに入射する位置を、第1の導光板32の厚み方向に異ならせることができる。その結果、第1の導光板32の一端面32aに入射した紫外線を、より確実に第1の導光板32の他端面まで導くことができる。特に、第1の導光板32はエアフィルタ18の表面に対して直交する方向に屈曲する屈曲部を備えているので、複数のLED素子を直交する方向に並べて配列すると、それぞれのLEDから照射される紫外線は、屈曲部の異なる位置に入射することとなる。これにより、光源30から照射される紫外線の直線成分が、切欠部34や次の屈曲部に異なる経路で到達する。このように、第1の導光板32の厚みを生かして、より確実に紫外線を第1の導光板32の他端面まで導くことができる。
また、本第1実施形態では、第1の導光板32と第2の導光板36とを別個の部材であるとしたが、本発明はこれに限定されない。第1の導光板32と第2の導光板36とは、あらかじめ一体化された一個の部材であってもよい。
また、本第1実施形態では、吸引ノズル24の吸引ダクトが接続された側に光源30を設けている。これによれば、光源30に電力を供給する配線を吸引ダクトに沿わして配置できるので、吸引ノズル24が移動することによって配線が破損することを容易に防止できる。しかし、これに限ることなく、吸引ノズル24の吸引ダクトが設けられていない側に光源30を設けても良い。また、吸引ノズル24の両端に光源30を設けてもよい。
また、本第1実施形態では、紫外線をエアフィルタ18の表面に照射するものとして説明したが、エアフィルタ18を介して、熱交換器6にまで到達させることもできる。この場合には、熱交換器6に抗菌作用を有する金属材料が塗布されているか、抗菌作用を有する金属で構成されていることが好ましい。これにより、熱交換器6の表面の殺菌又は除菌効果を一層向上させることができる。抗菌作用を有する金属材料としては、例えば、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS)などが挙げられる。
以上のように構成された空気調和機について、以下にその動作を説明する。この空気調和機は入力装置として、リモコンを備えており、このリモコンをユーザが操作して、冷房運転、暖房運転などの空調運転の指示(運転モードの指示)、所望する室内の温度(設定温度)の設定を行い、空調運転を開始する。
この空気調和機が行う空調運転には、冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転がある。冷房運転は、冷凍サイクル回路の四方弁を、室内機に設けられた熱交換器6を蒸発器として作用させ、室外機に設けられた熱交換器を凝縮器として作用させるように切り換えて、圧縮機を駆動させる。そして、ファン8を駆動させることで、前面開口部2a及び上面開口部2bから取り入れた室内空気を、熱交換器6で冷却し、上下風向変更羽根12が開制御された吹出口10から吹き出すことで、室内機が設置された部屋(空調すべき部屋)を冷房するものである。
暖房運転は、冷凍サイクル回路の四方弁を、熱交換器6を凝縮器として作用させ、室外機に設けられた熱交換器を蒸発器として作用させるように切り換えて、圧縮機を駆動させる。そして、ファン8を駆動させることで、前面開口部2a及び上面開口部2bから取り入れた室内空気を、熱交換器6で加熱し、上下風向変更羽根12が開制御された吹出口10から吹き出すことで、部屋を暖房するものである。
除湿運転は、冷凍サイクル回路の四方弁、減圧装置、熱交換器6内の回路内に設けた副減圧装置を操作し、熱交換器6の少なくとも一部を蒸発器として作用させるようにして、圧縮機とファン8を駆動させることで、部屋の湿度を低下させる本格除湿といわれるものと、前記の冷房運転を圧縮機の運転周波数を低周波数で運転するともに室内機本体2のファン8の回転数も低く抑えて運転することで低能力の冷房運転することで極力部屋の温度を低下させることなく湿度を低下させる冷房除湿といわれるものの2種類の運転モードがある。
送風運転は、圧縮機を駆動させることなく、ファン8を駆動させることで、前面開口部2a及び上面開口部2bから取り入れた室内空気を、熱交換器6を通過させ、上下風向変更羽根12が開制御された吹出口10から吹き出すものである。
この空気調和機は、空調運転中に、人体検知センサ17が空調すべき部屋の全域を検知し、その中で赤外線量が変動している部分を検出して、これに基づき人位置を判断する。
この人存否及び移動の検出は、空調すべき部屋空間を複数の領域に区分けし、人体検知センサ17からの赤外線量変動検出出力が複数の領域のどの領域から出ているのかを判定して人の存否と移動を判定する。
図16は、この空気調和機が人体を検知する部屋、すなわち人体検知センサ17が検知対象とする領域(つまり、検知可能な領域)を模式的に示している。本実施の形態では人体検知センサ17を構成する3個のセンサユニット17a、17b、17cを適切に配置することで、図16に示すように領域A〜Gの複数の領域(人検知領域)における人体検知が可能となっている。
具体的な人体検知方法を以下に説明する。例えば、センサユニット17aは領域A、領域B、領域C、領域Dを検知可能に構成されている。センサユニット17bは領域B、領域C、領域E、領域Fを検知可能に構成されている。センサユニット17cは領域C、領域D、領域F、領域Gを検知可能に構成されている。
このような構成とすることによって、例えば、センサユニット17aとセンサユニット17bで人体を検知する一方で、センサユニット17cで人体を検知しない場合には、領域Bに人体が存在すると空気調和機は判断することができる。
そして、周期T1毎に各領域A〜Gにおける人の在否が判定し、周期T1の反応結果(判定)として1(反応有り)あるいは0(反応無し)を出力し、これを複数回繰り返した後、存在反応が所定数得られたかどうかを判定し、所定数Mに達したと判定されると、当該領域に人が存在すると推定する。
なお、この例では上記人体検知センサ17を用いて検知できる領域を7つとしたが、これは一例であって、本発明はこれに限定されない。
人体検知センサ17が人の存在や人移動を検出すると、上下風向変更羽根12や、左右風向変更羽根14を駆動して人を検出した領域へと吹出口10より吹き出される風向を変更し、当該領域を優先的に、冷房もしくは暖房することができる。すなわち、人が存在する領域を優先的に空調できる。また、人が移動すると、人移動に追従して瞬時に人移動位置へと吹出し風を向けることができる。
次に、この空気調和機が備える乾燥運転について説明する。空気調和機の暖房運転中は、本体2内部は乾燥しているが、冷房あるいは除湿運転中、特に冷房除湿運転中は、熱交
換器6は濡れており、本体2内部の湿度が高く、カビや菌が発生しやすい。そこで、冷房あるいは除湿運転停止後、一旦冷凍サイクル回路を送風運転と本格除湿運転と暖房運転とのうちいずれか一つ以上に切り替え、乾燥運転として所定時間運転して本体2内部を乾燥させる。また、乾燥運転の際に、静電霧化装置44により静電ミストを発生させること(静電霧化動作)で、防カビ・除菌を行う。
以下、この乾燥運転について、図17のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。まず、ステップS1で、ユーザがリモコンを操作して空調運転を開始する。ステップS2では、空調運転中に、ユーザがリモコンを操作して空調運転の停止信号が入力されたか否かを判定する。ステップS2で、停止信号が入力されたと判定された場合には、ステップS3に進み、上述の塵埃除去動作と紫外線照射動作を行う。一方、停止信号が入力されていないと判定された場合には、ステップS2の判定待ちの状態となり、空調運転を継続して行う。
次に、ステップS3では、ステップS1で行われていた空調運転が冷房あるいは除湿運転かどうかを判定する。冷房あるいは除湿運転の場合にはステップS5、S6に移行する一方、冷房あるいは除湿運転でない場合にはステップS7に移行する。
ステップS5では、室外機に設けられた四方弁を切り替えることにより、冷凍サイクル回路を、暖房運転を行う状態に切り替えて、熱交換器6を含む本体2内部の乾燥運転を行う。
ここで、ステップS5において行う本体2内部の乾燥運転について、図18のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図18に示されるように、本体2内部の乾燥運転を行う場合、時間t1において、室外機に設けられた圧縮機と室外ファンを停止して冷房あるいは除湿運転は停止する。また、時間t1までの運転モードやリモコンの設定風量に応じて回転速度が決定されていた室内機のファン8(室内ファン)は第1の速度(例えば、約900rpm)に設定され、1回目の送風運転を行う。このとき、室外機に設けられた減圧装置である膨張弁は、冷房あるいは除湿運転時の圧縮機周波数に対応して決定される目標吐出温度になるように開度制御が行われており(吐出温制御)、四方弁はOFFで冷房運転時の冷凍サイクルが維持されている。
上下風向変更羽根12は開状態から乾燥位置に移動する。この乾燥位置とは、上下風向変更羽根12の前縁部は吹出口10の上縁部より僅かに(例えば、10mm)離反させた状態である。
したがって、本体2内部の乾燥運転時は、室内ファン8から吹出口10に向かって送風された空気は、室内に送風されることなく上下風向変更羽根12により前面開口部2aに導かれ、吹出口10から送風された空気が直接吸込口に吸い込まれて室内機の本体2内を循環する所謂「ショートサーキット」状態となる。
時間t1から時間t2まで(例えば、約3分)は送風運転を行い、時間t2において、圧縮機は周波数を抑えた第1の運転周波数(例えば、約16Hz)で運転を再開するとともに、室外ファンも低速度(例えば、約150rpm)で運転を再開し、本格除湿運転を行う。本格除湿運転中、膨張弁は最大パルス(例えば、約480パルス)に設定されて全開し、室内ファン8は第1の速度より低い第2の速度(例えば、約500rpm)で運転を行う。
所定時間(例えば、約55分)の本格除湿運転終了後、時間t3において、2回目の送風運転に入り、圧縮機及び室外ファンは停止するとともに、室内機のファン8は第2の速度から第1の速度に変更される。なお、膨張弁のパルス数は最大パルスに引き続き維持されている。
時間t3から所定時間(例えば、約3分)経過後の時間t4において、四方弁を切り替えて暖房運転に入り、本体2内部を乾燥させて冷房あるいは除湿運転中に生じた水分を除去する。暖房運転中は、圧縮機は第1の運転周波数より高い第2の運転周波数(例えば、約30Hz)に維持され、室外ファンは除湿運転時と同じ速度で運転される。また、膨張弁は最大パルスより少ない所定のパルス(例えば、約400パルス)に設定され、室内ファン8は、再び第2の速度に設定される。
所定時間(例えば、約30分)の暖房運転終了後、時間t5において、四方弁をOFFにして冷房運転時の冷凍サイクルに戻し、圧縮機及び室外ファンを停止するとともに、室内ファン8を第2の速度から第1の速度に変更して3回目の送風運転を行う。このとき、膨張弁のパルス数は前記所定のパルスより最大パルスに再設定される。
3回目の送風運転を所定時間(例えば、約3分)行った後、時間t6において、全ての運転を停止する。なお、時間t1から時間t6までの間、上下風向変更羽根12は、上述の乾燥位置に保持される。
ここで、本体2内部の乾燥運転に際し、暖房運転の前に本格除湿運転あるいは送風運転の組み合わせ運転を行っているが、これは、暖房運転で本体2内部の乾燥運転を行うと、それ以前の運転で熱交換器6に付着していた結露水が急激に蒸発して室内空間に流出し、部屋の湿度が上昇してユーザに不快感をあたえる虞があるが、事前に本格除湿運転を行うことで湿気を室内空間に流出させることなく熱交換器6の結露水の一部を回収しながら洗浄することができるので、ユーザに不快感を与えることなく本体2内部の乾燥運転に移行できるからである。また、本体2内部の乾燥運転中、本格除湿運転と暖房運転の前後に合計3回の送風運転を行っているが、これは圧縮機の吸入圧力と吐出圧力との圧力差が大きいと起動に失敗する可能性があり、吸入圧力と吐出圧力を均一化するためである(圧縮機の起動保護)が、送風運転でも時間は掛かるが熱交換器6を乾燥させることができ、圧縮機の起動保護の間にも乾燥の促進を行うものである。尚、本格除湿運転を行う機能を搭載していない空気調和機においては、本格除湿運転を行うところを送風運転に置き換え、その運転時間を延長することで同様の効果を得ることが可能である。
このような乾燥運転を行うことで、本体2内部の湿度を低下させることができ、本体2内部がカビの繁殖しやすい状態となることを防止できる。特に、暖房運転を行うことで、本体2内部のカビに熱を加え(ヒートショック)、繁殖を抑制することができる。
再び、図17のフローチャートを参照しながら説明を続ける。ステップS5の本体2内部の乾燥運転が終了すると、ステップS6において室内ファン8を低速(例えば、約500rpm)で運転させ、上下風向変更羽根12で吹出口10を閉止した状態、又は前述の乾燥位置の状態で、静電霧化装置44が所定時間(例えば、約3分)運転されるように制御される。
このように静電霧化装置44を動作させることで、室内機の本体2の内部に静電ミストが撹拌されながら充満又は循環し、熱交換器6、ファン8等を含む本体2内部におけるカビや菌の発生を抑制することができる。特に、内部を乾燥してから静電ミストを充満させることで、静電ミストが水分により消滅してしまうことを防止して、少しでも長時間にわたって負の帯電を維持しながら隅々まで効果を行き渡らせることができる。
一方、暖房運転後のステップS7では、乾燥運転や静電霧化動作を行うことなく、空調機の運転を完全に停止させる。
静電霧化装置44を所定時間運転した後、空気調和機は、本体2内部の状況を監視し、本体2内部がカビの繁殖を抑制する制御を行う。以下、この制御について説明する。ステップS8では、ステップS5の乾燥運転、または、ステップS6の静電霧化装置44の動作の終了後の累計時間である時間T1の積算を開始する。また、ステップS5の乾燥運転、または、ステップS6の静電霧化装置44の動作の終了後、所定の温度・湿度条件が成立している累計時間である時間T2の積算を開始する。
ここで、所定の温度・湿度条件について、図19を用いて説明する。図19は、カビの成長しやすい温度・湿度条件を説明するための説明図である。図19の横軸は湿度(相対湿度)であり、縦軸は温度である。また、図中の丸印は、カビ発生までの日数が1日であった温度・湿度条件、角印は、カビ発生までの日数が2〜7日であった温度・湿度条件、三角印は、カビ発生までの日数が8〜30日であった温度・湿度条件をそれぞれ示している。また、図中の灰色の領域は、7日以内にカビが発生する温度・湿度条件を示す領域である。
本実施の形態では、吸込温度センサが検知する温度と、湿度センサが検知する湿度とが、図19中の灰色の領域に入れば、カビが発生しやすい状況であると判断する。つまり、前述の所定の温度・湿度条件の成立とは、吸込温度センサの検知温度が10度以上20度未満であり、湿度センサの検知湿度が80%以上である、または、吸込温度センサの検知温度が20度以上であり、湿度センサの検知湿度が70%以上である条件の成立をいうものである。
なお、7日以内にカビが発生する温度・湿度条件をカビが発生しやすい領域として設定した理由は、日本を含むアジア諸国の労働者の平均的な長期休暇日数を考慮し、ユーザが長期不在となるのは7日以内であることがほとんどであると判断したことによる。つまり、8日以上であれば、ユーザが必要に応じて空調運転を開始するため、その空調運転停止後の乾燥運転や静電霧化動作(図17における、ステップS6の運転やステップS7の動作)によって、カビの成長を抑制できると判断したものである。
再び、図17のフローチャートを参照しながら説明を続ける。ステップS9では、時間T1が24時間未満か否かを判定する。時間T1が24時間未満であれば、ステップS10に進む。ステップS10では、時間T2が第1所定時間(例えば、10時間)以上であるか否かを判定する。
時間T2が第1所定時間以上であれば、ステップS11に進み、第1所定時間以上でなければ、ステップS9に戻る。ステップS11では、人体検知センサ17によって、人の存在が検出されているか否かを判定する。人が不在であると判定された場合には、ステップS12に進む。
ステップS12では、ステップS5で行った乾燥運転と同様の乾燥運転を行う。ただし、ステップS12の直前は、冷房または除湿運転しているわけではないので、ステップS12で行う除湿運転は、ステップS5で行う除湿運転より短時間にするか、省略してもよい。所定の温度・湿度条件となっている累計時間(時間T2)が、第1所定時間以上となれば、乾燥運転を行うことで、本体2内部をカビの発生しにくい状況にすることができる。特に、暖房運転によるヒートショックを与えることで、本体2内部に発生してしまったカビの菌糸の成長を抑制できる。
また、ステップS13では、ステップS6で行った静電霧化動作と同様の動作を行う。所定の温度・湿度条件となっている累計時間(時間T2)が、第1所定時間以上となれば、静電霧化動作を行うことで、本体2内部をカビの発生しにくい状況にしたり、本体2内部に発生してしまったカビの菌糸の成長を抑制できる。
また、人体検知センサ17によって、人の在否を判定しているので、室内に人が居ないときに、乾燥運転や静電霧化動作を開始することができる。このため、乾燥運転や静電霧化動作の動作音などで、室内に居る人に不快感を与えることを低減できる。
なお、一旦、ステップS12の乾燥運転や、ステップS15の静電霧化動作を開始した後は、その運転中や動作中に、人体検知センサ17によって、人の存在が検出されたとしても、その運転や動作は中止しないほうが、確実に、カビの繁殖を抑制する点では望ましい。このため、ステップS12の乾燥運転中や、ステップS15の静電霧化動作中には、人体検知センサ17よる人の在否の検出を停止してもよい。
一方、ステップS11で、人が検知されれば、ステップS14に進む。ステップS14では、時間T2が、第1所定時間より大きい時間に設定された第2所定時間(例えば、14時間)以上であるか否かを判定する。時間T2が第2所定時間以上であれば、ステップS12に進み、第2所定時間以上でなければ、ステップS9に戻る。
つまり、人が室内に存在する場合であっても、所定の温度・湿度条件となっている累計時間(時間T2)が、第2所定時間以上となれば、乾燥運転や静電霧化動作を行うものである。これによって、所定の温度・湿度条件となっている累計時間(時間T2)が、第1所定時間(10時間)以上、第2所定時間(14時間)未満で、人の存否にかかわらず、乾燥運転や静電霧化動作を行うことができる。このため、人が存在している場合であっても、長時間、カビの発生しやすい状況が続けば、本体2内部に発生したカビに、ヒートショックを与えることができる。
ここで、ステップS10やステップS14で設定している時間T2の判定基準(しきい値)について、図20を用いて説明する。図20は、カビの繁殖が最も活発な状況である、温度25℃、湿度95%でのカビの成長速度を示す説明図である。図20の横軸は経過時間(hour)であり、縦軸はカビの菌糸の長さ(μm)である。
図20によれば、カビの発生しやすい状況となってからでも7時間以上経過するまでは、カビの菌糸は成長しないことがわかる。そして、菌糸が成長する前の胞子に対しては、ヒートショックの効果は小さいため、第1所定時間は、菌糸が成長後の7時間以上、より望ましくは10時間以上とすることが、効果的に、カビの成長を抑制する上で望ましい。
また、12〜14時間経過すると、カビが目視で確認できるレベル(菌糸が約100〜150μm)に成長することがわかる。このため、本体2内部を目視したユーザの不快感を低減するには、第1所定時間を、14時間未満、より望ましくは12時間未満とすることが望ましい。また、同様の観点から、第2所定時間は、14時間以下とすることが望ましい。
再び、図17のフローチャートを参照しながら説明を続ける。ステップS9で、時間T1が24時間以上であれば、ステップS12に進む。つまり、ステップS5の乾燥運転、または、ステップS6の静電霧化装置44の動作の終了後の累計時間が24時間以上となれば、温度・湿度条件の成立の累計時間や、人の存在の有無にかかわらず、強制的に、ステップS12の乾燥運転を開始する。これによって、吸込温度センサ、湿度センサ、人体
検知センサ17が、故障している状況であっても、確実に、本体2内部に発生したカビの繁殖を抑制できる。
なお、図17で説明したフローチャートにおいて、ステップS12の乾燥運転や、ステップS13の静電霧化動作の後、または、同時に、紫外線照射動作を行えば、紫外線の殺菌又は除菌効果により確実にカビの成長を抑制できる。
以上説明したように、本実施の形態の空気調和機は、空調運転の停止後も、本体2内部の状況と、室内の人の在否を監視し、室内に存在する人に与える不快感を低減しつつ、効果的にカビの繁殖抑制を行うことができる。