JP2016065530A - インペラを備えたウォーターポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】インペラによって吐出された流体の吸込口側への漏出を確実に抑制可能なウォーターポンプを提供する。【解決手段】インペラ2は、流体の吸込口23を中央に有するシュラウド24と、シュラウド24に相対するように設けられるハブ板22と、ハブ板22とシュラウド24との間に設けられた、吸込口23から吸い込まれた流体に遠心力を与えてインペラ2の半径方向に吐出する複数の主羽根10とを備え、上記複数の主羽根は、それぞれ中心部から半径方向に湾曲して延びている。シュラウドとポンプケーシングの内面との間に隙間Sが設けられ、シュラウドの一側面24aに、インペラ2の回転によって隙間Sの流体に遠心力を与える複数の補助羽根11が突出して設けられている。補助羽根は、それぞれインペラの回転軸方向から見て、主羽根と重なるように中心部から半径方向に対して斜めに遠ざかるように延びており、且つ、主羽根よりも厚肉に形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、インペラを備えたウォーターポンプに関するものである。
従来より、流体を吸込口から吸込んで、吸込んだ流体を遠心力により加圧して吐出するインペラを備える遠心式のウォーターポンプは知られている(例えば、特許文献1参照)
特許文献1に示されたウォーターポンプでは、ポンプハウジング(ポンプケーシング)が設けられ、該ポンプハウジング内に、流体の流入通路と流出通路、及びそれらの中間にインペラが収容されるインペラチャンバ(インペラ室)が形成されている。
インペラは、モータにより回転駆動されるインペラ本体(ハブ板及び主羽根)と、該インペラ本体に連結された環状の囲い板(シュラウド)とで構成されている。インペラ本体は、周方向に互いに所定間隔を隔てて並ぶ複数の羽根(主羽根)を備えている。
環状の囲い板の中心部には、流体の吸込口となる貫通孔が設けられ、該貫通孔の周囲に環状フランジが形成されている。
特許文献1では、さらに、以下のように記載されている。ポンプケーシングとインペラの吸込口の環状フランジ部との間には隙間があり、該環状フランジ部には凹溝が複数設けられている。凹溝は、環状フランジの回転によって発生する遠心力の作用によって、環状フランジの中心側の端から外郭側へと流動する旋回流の理論的流線に沿って形成される。インペラの回転駆動時には、隙間にある流体は、この凹溝によって環状フランジの外側に排出しようとする遠心力を受ける。この遠心力によって、隙間を介した流体の漏れが防止されるようになっている。
特開平9−14194号公報(特に、段落0011、段落0013、図4) しかしながら、上記特許文献1のウォーターポンプでは、インペラの環状フランジ部に形成された僅かな凹溝によって流体に遠心力を付与するようにしているため、インペラチャンバの圧力が所定圧を超える場合や、ポンプ回転数が低いために十分な遠心力を確保することができない場合に、インペラチャンバ内から半径方向外側に吐出された流体が上記隙間に流入する、流体の流れを阻止することができず、該隙間を介した吸込口側への漏出を十分に抑制することができないという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インペラによって吐出された流体の吸込口側への漏出を確実に抑制可能なウォーターポンプを提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、各補助羽根を、インペラの中心軸方向から見て各主羽根と同じ周方向位置に配設し、かつ主羽根よりも厚肉に形成するようにした。
具体的には、第1の発明では、流体を遠心力により加圧して吐出するインペラと、該インペラを収容するポンプケーシングとを備え、上記インペラが、流体の吸込口を中央に有するシュラウドと、上記シュラウドに相対するように配設されるハブ板と、上記ハブ板と上記シュラウドとの間に設けられ、上記吸込口から吸い込まれた流体に遠心力を与えて上記インペラの半径方向に流体を吐出する複数の主羽根とを備え、上記ポンプケーシングと上記シュラウドとの間に隙間が設けられているウォーターポンプであって、上記複数の主羽根は、それぞれ上記インペラの中心部から半径方向に対して斜めに遠ざかるように湾曲して延び、上記シュラウドの外面に、上記インペラの回転によって上記隙間に存在する流体に遠心力を与える複数の補助羽根が、突出して設けられ、上記複数の補助羽根は、上記インペラの回転軸方向から見て、それぞれ上記主羽根と重なるように、上記インペラの中心部から半径方向に対して斜めに遠ざかるように湾曲して延びており、且つ、上記主羽根よりも厚肉に形成されていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、上記インペラの外周端側における上記補助羽根の肉厚は、隣接する上記補助羽根間の外周端側の間隔に対して、該間隔を超えない肉厚で形成されていることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記補助羽根は、上記シュラウドに対して、上記インペラの回転方向前側の面は垂直に立ち上がり、回転方向後側の面は滑らかに傾斜するように形成されていることを特徴とする。
第4の発明は、第1ないし第3のいずれか1つの発明において、上記主羽根は、上記インペラの回転軸方向から見て、該インペラの中心部から半径方向に対して回転方向後側に向けて湾曲して延びる湾曲部と、該湾曲部先端から上記インペラの外周端に向けて該湾曲部の延長線よりも半径方向に対して回転方向前側に延びる延出部とを備え、上記補助羽根は、上記回転軸方向から見て、上記主羽根の上記湾曲部及び延出部と重なるように形成されていることを特徴とする。
本発明で、「延出部」とは、回転軸方向から見て、主羽根がインペラの中心部から半径方向に向けて、徐々に回転方向後側になるように滑らかな湾曲部になって形成された後の延長部分のことであって、「延出部」の形状としては、円弧状や楕円状の曲線、直線等、或いはこれらの組み合わせを含むものである。
第1の発明によると、シュラウドの外面に形成される補助羽根が、シュラウド内に設けられた主羽根と重なる形状であり、シュラウドの内面側にて該主羽根の通過に伴って生じる圧力脈動と、シュラウドとポンプケーシングとの隙間(即ち、シュラウドの外面)にて補助羽根の通過に伴って生じる圧力脈動との周期を同期させることができる。圧力脈動の周期が略同じとなることで、シュラウドの外面の圧力ピーク値とシュラウドの内面の圧力ピーク値とを略同じ周期位置に合わせることができ、両圧力脈動の圧力差の最大値(シュラウドの外面の圧力ピーク値とシュラウドの内面の圧力ピーク値との差)が小さくなる。その上、補助羽根の肉厚が主羽根の肉厚よりも厚くなっているため、補助羽根と主羽根の肉厚を同じに設けた場合に比較して、シュラウドの外面の圧力ピーク値が僅かに高くなってシュラウドの内面の圧力ピーク値に近づくので、両羽根の圧力脈動の最大値同士がより接近して該最大値の差異が更に小さくなる。これにより、シュラウドの両面の圧力差を可及的に低減することができ、上述した隙間に回り込む流れを確実に抑制することができ、延いては、主羽根の回転による遠心力でインペラの外周側に吐出された流体が、シュラウドとポンプケーシングの隙間から吸込口側に漏出することを効果的に防止できる。
第2の発明によると、インペラの外周端側における補助羽根の肉厚は、隣接する該補助羽根間の、同じ外周端側の間隔に対して、この間隔を超えない肉厚で形成されていることで、インペラの回転抵抗を増加させることなく、この間隔に入り込む流体を可及的に低減させることができ、流体の吐出効率を高めることができる。特に、隙間に生じる圧力脈動の波形を、その反対側の主羽根側に生じる圧力脈動の波形に近づけることができ、両圧力脈動間の最大圧力差を少なくできる。したがって、シュラウドの両面の圧力差をさらに確実に低減することができる。
第3の発明によると、補助羽根は、インペラ回転方向前側の面が略垂直に立ち上がるように形成されていることで、補助羽根間に入り込む流体を出来るだけ無駄なく外周側に押し出すことができ、回転方向後側の面が滑らかに傾斜するように形成されていることで、この部分によどみや乱流が生じにくい。
第4の発明によると、主羽根及び補助羽根が、共に、上記回転軸方向から見て、インペラの中心部から半径方向に向けて、徐々に回転方向後側になるように滑らかな湾曲部で形成され、湾曲部の半径方向外側から外周端にかけては、湾曲部の延長線よりも回転方向前側になるように湾曲部から回転方向前側に延びた延出部で形成されているので、遠心力が強い半径方向外側で回転による流体に対する作用を強くすることができ、主羽根間の流体を強く押し出すことができると共に、補助羽根間からも流体を強く押し出すことができる。
図1は、本発明の実施形態に係るウォーターポンプの断面概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係るインペラの斜視図である。 図3は、図2のインペラの部分拡大側面図である。 図4は、図2のインペラの部分拡大平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に示すウォーターポンプ1は、水冷式のエンジン(図示省略)に取り付けられて、エンジンに冷却水(流体)を強制循環させる、所謂遠心式のポンプである。ウォーターポンプ1は、内部に、流体を遠心力により加圧して吐出するインペラ2を収容するポンプケーシング3を備える。ポンプケーシング3は、第1ポンプケーシング4と第2ポンプケーシング5とで構成されており、両ポンプケーシング4、5はボルト60を介して互いに締結されている。
なお、以下の説明において、ポンプ軸心方向の吸込側(図1の右側)を「一側」と定義し、その反対側(図1の左側)を「他側」と定義するものとする。また、図1においてインペラ2は、分かりやすいように切断せずに示すものとする。なお、「ポンプ軸心方向」は、後述するインペラの説明では、「インペラの回転軸方向」と表現しているが、同じ方向のことである。
図1に示すように、第1ポンプケーシング4に、冷却水が流入する流入路41が設けられている。流入路41は、流入路41の一側から他側に向かって拡径するテーパー形状に形成されている。流入路41の一側には、エンジンからの冷却水をインペラ室42内に導くための流入管7が接続され、流入路41の他側に、インペラ2を収容するインペラ室42が設けられている。インペラ室42には、吸込まれた冷却水を、インペラ2の遠心力により加圧して、インペラ2の半径方向(即ちエンジン側)に吐出するための吐出口(図示省略)が開口している。この吐出口に流出路(図示省略)が連通している。
図2に示すように、インペラ2は、合成樹脂製の一体成形品で構成されていて、流入路41側(一側)に位置して、円筒状の吸込口23を中央に有するシュラウド24と、シュラウド24に相対して、他側に位置するハブ板22と、ハブ板22とシュラウド24との間に、吸込口23から吸い込まれた流体に遠心力を与えてインペラ2の半径方向に流体を吐出させる複数の主羽根10とを備える。
図1に示すように、インペラ2の中心部に取り付けられたシャフト6が、ベアリング8によって、第2ポンプケーシング5内に設けられた軸支孔51に、回動可能に支持されている。インペラ2は、シャフト6に接続されるエンジンのクランク軸(図示省略)によって回転駆動される。ベアリング8とインペラ室42との間にメカニカルシール9が設けられている。
図1に示すように、第1ポンプケーシング4の内周面4aにおいて、流入路41を形成するテーパー部分に続いて、インペラ2の吸込口23の一側の形状に対応する段部4bが設けられている。この段部4bと吸込口23の先端部分との間隙が、インペラ2の回転軸方向から見て、半径方向に延びる部分と、半径方向外側から回転軸方向に略直角に曲がる部分とを有することになり、この間隙を通る流体の流路抵抗が大きくなるので、結果として流体が通りにくくなっている。
第1ポンプケーシング4の内周面4aのうちシュラウド24と対面する部分とシュラウド24との間に隙間Sが設けられている。具体的には、図1に示すように、第1ポンプケーシング4の内周面4aが、段部4bに続いて、インペラ2の吐出口側に向かって徐々に滑らかに拡大するテーパー形状になっている。また、シュラウド24の外面(一側面)24aが、上記第1ポンプケーシング4の内周面4aのテーパー形状に沿うように徐々に滑らかに拡径するテーパー形状に形成されている。この構成により、この内周面4aとシュラウド24の外面24aとの間に、ほぼ一定の間隔からなる隙間Sが形成されている。
複数の主羽根10は、図2に示すように、それぞれ周方向に等間隔に7枚設けられている。主羽根10は、インペラ2の中心部から半径方向に対して斜めに遠ざかるように延びて設けられている。具体的には、主羽根10は、それぞれインペラ2の回転軸方向から見て、インペラ2の中心部から半径方向(即ち外周側)に向けて、徐々に回転方向後側になるように滑らかな湾曲部になって形成され、湾曲部の先端(即ち半径方向外側)から外周端にかけては、湾曲部の延長線よりも回転方向前側になるように湾曲部から回転方向前側に滑らかに延ばした延出部で構成されている。即ち、主羽根10の外周近傍部分(先端部分)は、図4に示すように、インペラの回転軸方向から見て、湾曲部先端から滑らかに延長した仮想延長線(図4の二点鎖線)に比較して、回転方向前側の位置に向けて滑らかに延びた延出部(図4の破線)で構成されている。図4において、これら一点鎖線と破線との最大距離差を、Lとして示す。この構成によって、相対的に遠心力が強く作用する領域、即ち主羽根10の外周近傍部分においてインペラ2の回転方向の作用力を強くできるので、主羽根10間から滑らかに多くの冷却水を押し出せるようになっている。
補助羽根11は、シュラウド24の外面24aに突出して設けられ、インペラ2の回転によって隙間Sに存在する冷却水に遠心力を与えるようになっている。補助羽根11は、主羽根10と同様に7枚で、ポンプ軸心周りに周方向に等間隔に設けられている。補助羽根11は、それぞれインペラ2の回転軸方向から見て、インパネ2の中心部から半径方向に対して斜めに遠ざかるように滑らかに略湾曲して延びている。即ち、補助羽根11は、主羽根10と同様な湾曲部及び延出部で構成されており、インペラ2の回転軸方向から見て主羽根10と重なるようになっている。
図3に示すように、主羽根10の羽根高さH1及び周方向の羽根幅B1、補助羽根11の周方向の羽根幅B2及び羽根高さH2、補助羽根間の流路幅A等は、ポンプの大きさや吐出能力などによって差異があるが、実用上は、以下の範囲とすることが好ましい。なお、流路幅Aとは、隣接する補助羽根11間の羽根間の幅(補助羽根間隔)であって、最も外周側の流路幅のことをいう。また、主羽根10及び補助羽根11の羽根幅B1、B2は、それぞれ主羽根10及び補助羽根11の周方向の幅(肉厚)であって、最も外周側の羽根幅(肉厚)のことをいう。主羽根10及び補助羽根11の羽根高さH1、H2はそれぞれ主羽根10及び補助羽根11の羽根高さであって、最も外周側の羽根高さのことをいう。
図3に示すように、補助羽根11の羽根幅(肉厚)B2は、流路幅Aに対して、流路幅A>羽根幅B2となっている。特に、羽根幅B2は、流路幅Aの1/2以下が好ましい。羽根幅B1とB2では、羽根幅B1<羽根幅B2であり、補助羽根11は主羽根10よりも厚肉になっている。特に羽根幅B2は、羽根幅B1の1.5倍以上が好ましい。また、補助羽根11の羽根高さH2は、補助羽根11の羽根幅B2に対して、羽根高さH2/羽根幅B2=1/4〜1/8となるように形成することが効果的であり好ましい。補助羽根11の羽根高さH2は、シュラウド24の中心側から外周側にかけてほぼ同じ高さとなっている。また、補助羽根11の羽根高さH2は、シュラウド24とハブ板22との間で主羽根10の羽根高さH1に対して、1/10以下に設定されていて、本実施形態では1/15となっている。特に、補助羽根11の羽根高さH2は、ポンプケーシング3とシュラウド24の間の隙間Sの高さに比較して、約半分程度になっている。
また、補助羽根11は、シュラウド24に対して、図3に示すように、回転方向前側の面11aは略垂直に立ち上がり、回転方向後側の面11bは滑らかに傾斜するように形成されている。このように、回転方向前側の面11aが略垂直に立ち上がることで、補助羽根11間に入り込もうとする冷却水を出来るだけ無駄なくインペラ2の外周側に押し出すことができ、回転方向後側の面11bは滑らかに傾斜することで、この部分によどみや乱流が生じにくいようにしている。なお、「略垂直」とは、垂直に近い形状も含むものである。「滑らかに傾斜」とは、滑らかな円弧や傾斜及び屈曲形状も含むものであり、これらの組み合わせでもよい。
以上のように構成されたウォーターポンプ1が作動して、駆動軸6によりインペラ2が回転駆動されると、エンジンからの冷却水が流入路41及びインペラ2の吸込口23を通ってインペラ2内に流入し、流入した冷却水は、インペラ2の主羽根10によって加圧されるとともにその遠心作用によってインペラ室42内から不図示の吐出口を通って吐き出され、エンジンの各部に供給される。このとき、主羽根10は、滑らかな湾曲部を有していることで、主羽根10間に流入した冷却水を滑らかに押し出すことができるようになっている。
本発明では、補助羽根11が、上記インペラの回転軸方向から見て、主羽根10と同じ位置に重なるように形成されていることで、シュラウド24の内面(他側)24bに生じる圧力脈動の各ピークと、シュラウド24の外面(一側)24aに生じる圧力脈動の各周期を略一致させることができる。これによって、補助羽根11の位置と主羽根10の位置とを異ならせた場合に比べて、シュラウド24の両面24a、24bの圧力差の最大値(外面24aの圧力ピーク値と内面24bの圧力ピーク値との差)を低減することができ、該圧力差に起因して冷却水がシュラウド24の外面24aに回り込むのを確実に抑制することができる。その上、補助羽根11の羽根幅B2>主羽根10の羽根幅B1となって重なっているので、補助羽根11を主羽根10と同じ肉厚で設けた場合に比較して、補助羽根11間の流路幅Aが狭くなりシュラウド24の両面24a、24bの圧力脈動のピーク値が近づくことになる。その結果、圧力差の最大値が小さくなり、冷却水の吸込口23側への漏出を更に効果的に防止できる。
さらに、補助羽根11は、流路幅A2>羽根幅B2となっているため、回転抵抗が大きくなることが抑制されて、インペラ2のスムーズな回転駆動に有用であるとともに、隙間Sから吸入口23側への冷却水の漏出を効果的に防止できる。
さらに、補助羽根11は、回転方向前側が垂直に立ち上がり、回転方向後側が緩やかに傾いて形成されているので、補助羽根11の回転方向前側では、補助羽根11間の冷却水が効率よく送り出され、回転方向後側では、滑らかな冷却水の流れとなり、よどみや渦の発生が抑制される。
(その他の実施形態)
主羽根10や補助羽根11の外周近傍部分は、図4に示すように、1本の延出部を備えているが、これに限られず、湾曲部を外周端までそのまま延長した場合に比較して回転方向前側に延びる延出部を備えていればよいものであって、例えば、複数本の直線の組み合わせでもよく、一部を緩やかな湾曲状としてもよい。また、外周近傍部分を緩やかな湾曲状とする場合は、中心から延びる湾曲部と同様な方向の湾曲でも逆方向の湾曲でもよい。
本実施形態では、インペラを使用するウォーターポンプに適用したが、これに限られるものではなく、例えば、インペラを有する圧縮機に使用してもよい。
また、本実施形態では、補助羽根11の幅B2は一定の幅としたが、これに限られるものではなく、半径方向内側に向けて、徐々に幅狭になるようにしてもよい。
本発明は、特に、エンジン冷却用のウォーターポンプに有用である。
1 ウォーターポンプ
2 インペラ
21 インペラハウジング
22 ハブ板
23 吸込口
24 シュラウド
24a 外面
24b 内面
3 ポンプケーシング
4 第1ポンプケーシング
41 流入路
42 インペラ室
5 第2ポンプケーシング
S 隙間

Claims (4)

  1. 流体を遠心力によって加圧して吐出させるインペラと、該インペラを収容するポンプケーシングとを備え、上記インペラが、流体の吸込口を中央に有するシュラウドと、上記シュラウドに相対するように設けられるハブ板と、上記ハブ板と上記シュラウドとの間に設けられ、上記吸込口から吸い込まれた流体に遠心力を与えて上記インペラの半径方向に流体を吐出させる複数の主羽根とを備え、上記ポンプケーシングと上記シュラウドとの間に隙間が設けられているウォーターポンプであって、
    上記複数の主羽根は、それぞれ上記インペラの中心部から半径方向に対して斜めに遠ざかるように湾曲して延び、
    上記シュラウドの外面に、上記インペラの回転によって上記隙間に存する流体に遠心力を与える複数の補助羽根が突出して設けられ、
    上記複数の補助羽根は、上記インペラの回転軸方向から見て、それぞれ上記主羽根と重なるように上記インペラの中心部から半径方向に対して斜めに遠ざかるように湾曲して延びており、且つ、上記主羽根よりも厚肉に形成されていることを特徴とするウォーターポンプ。
  2. 請求項1において、
    上記インペラの外周端側における上記補助羽根の肉厚は、隣接する上記補助羽根間の外周端側の間隔に対して、該間隔を超えない肉厚で形成されていることを特徴とするウォーターポンプ。
  3. 請求項1又は2において、
    上記補助羽根は、上記シュラウドに対して、上記インペラの回転方向前側の面は垂直に立ち上がり、回転方向後側の面は滑らかに傾斜するように形成されていることを特徴とするウォーターポンプ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つにおいて、
    上記主羽根は、上記インペラの回転軸方向から見て、該インペラの中心部から半径方向に対して回転方向後側に向けて湾曲して延びる湾曲部と、該湾曲部先端から上記インペラの外周端に向けて該湾曲部の延長線よりも半径方向に対して回転方向前側に延びる延出部とを備え、
    上記補助羽根は、上記回転軸方向から見て、上記主羽根の上記湾曲部及び上記延出部と重なるように形成されていることを特徴とするウォーターポンプ。
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