JP2011252481A - インペラ及び該インペラを備えたウォータポンプ - Google Patents

インペラ及び該インペラを備えたウォータポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】インペラ室から流入流路への流体の漏出を確実に抑制可能で且つスペース効率に優れたインペラ及びウォータポンプを提供する。
【解決手段】インペラ2のシュラウド24における主羽根25との連結面40とは反対側の面43に、該シュラウド24の中心軸方向から見て該主羽根25と同じ周方向位置に複数の補助羽根26を形成するようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、インペラ及び該インペラを備えたウォータポンプに関する技術分野に属する。
従来より、流体を吸込口から吸込んで、吸込んだ流体をインペラの遠心力により加圧して吐出する遠心式のウォータポンプは知られている(例えば、特許文献1参照)。
このものでは、上記インペラは、モータにより回転駆動されるハブ板と、該ハブ板に対向して配設される環状のシュラウド(囲い板)と、該ハブ板とシュラウドとの間に配設され、周方向に互いに所定間隔を隔てて並ぶ複数の羽根とで構成されている。
上記インペラは、ポンプケーシング内に設けられたインペラチャンバに収容されている。該ケーシング内には、シュラウドの中心部の吸込口に連通する流入流路と、上記インペラチャンバに連通する流出流路とが形成されている。
シュラウドの中心部には吸込口を有する筒状吸込部が形成されており、この筒状吸込部の上端部にはその外周を囲むように環状フランジ部が形成されている。環状フランジ部とケーシングとの間には僅かに隙間が設けられており、流入流路とインペラチャンバとは、該隙間を介して連通している。
上記環状フランジ部の上面には、複数の凹溝が形成されている。インペラチャンバから上記隙間に流入した流れは、上記各凹溝より遠心力を受けて径方向外側に逸脱することとなる。これにより、ポンプ作動時に、インペラにより加圧されてインペラチャンバ内に流入した高圧流体が、上記隙間から流入流路に漏出するのを防止している。
特開平9−14194号公報
しかしながら、従来のウォータポンプでは、環状フランジ部に形成された僅かな凹溝によって流体に遠心力を付与するようにしているため、インペラ室の圧力が所定圧を超える場合や、ポンプ回転数が低いために十分な遠心力を確保することができない場合に、インペラ室内から上記隙間に流入する流れを径方向外側に逸脱させることができず、インペラ室から流入流路への流体の漏出を十分に抑制することができないという問題がある。
また、上述の環状フランジ部を設けるためには、シュラウド中心部に設けられた上記流体案内部の高さを十分に確保する必要があり、この結果、インペラが大型化してスペース効率が低下するという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インペラ室から流入流路への流体の漏出を確実に抑制可能で且つスペース効率に優れたインペラ及び該インペラを備えたウォータポンプを提供しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、シュラウドにおける主羽根との連結面とは反対側の面に複数の補助羽根を形成するとともに、各補助羽根を、シュラウドの中心軸方向から見て各主羽根と同じ周方向位置に配設するようにした。
具体的には、請求項1の発明では、中心軸回りに回転駆動されるハブ板と、該中心軸方向において該ハブ板に対向するように配設され、中心部に流体を吸込むための吸込口を有するシュラウドと、上記ハブ板及び上記シュラウドに連結され、上記中心軸回りに周方向に互いに所定の間隔を隔てて並ぶ複数の主羽根とを備えたインペラを対象とする。
そして、上記シュラウドにおける上記主羽根が連結される側の面とは反対側の面には、上記中心軸方向から見て、上記複数の主羽根と同じ周方向位置に複数の補助羽根が形成されているものとする。
この構成によれば、上記インペラをケーシングに組み込んでポンプ又は圧縮機として使用する場合に、インペラを通過後の高圧の流体が、上記吸込口に連通する流入流路の負圧に引き寄せられてインペラ(シュラウド)とケーシングとの隙間から該流入流路に漏出するのを防止することができる。
すなわち、本発明では、シュラウドにおける主羽根との連結面とは反対側の面(以下、シュラウドの背面という)に補助羽根を設けるようにしたことで、インペラを通過した高圧の流体が、流入流路の負圧に引き寄せられてシュラウドの背面に回り込んできたとしても、該流体を該補助羽根によって径方向外側に積極的に吐き出すことができる。これにより、流体が上記隙間から流入流路に漏出するのを防止することができる。
さらに、本発明では、上記シュラウドの背面に回り込んでくる流体を、補助羽根によって加圧することにより、シュラウドの両面(シュラウドにおける主羽根との連結面、及び、その反対側の背面)の圧力差を低減することができる。これにより、インペラを通過後にシュラウドの背面に回り込む流体の流れを抑制することができる。よって、流入流路への流体の漏出を確実に抑制することができる。特に、本発明では、補助羽根を、上記中心軸方向から見て、主羽根と同じ周方向位置に配設するようにしたことで、シュラウドの背面にて補助羽根の通過に伴って生じる圧力脈動と、シュラウドにおける主羽根との連結面にて該主羽根の通過に伴って生じる圧力脈動とを同期させることができる。これにより、シュラウドの両面の圧力差を可及的に低減することができ、上述したシュラウドの背面に回り込む流れを確実に抑制することができ、延いては、流入流路に流体が漏出するのを防止することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記補助羽根は、上記中心軸方向から見て、上記主羽根と同じ周方向位置に該主羽根と同じ形状になるように形成されているものとする。
この構成によれば、シュラウドの背面に生じる圧力脈動の波形を、その反対側の上記連結面に生じる圧力脈動の波形に極力近づけることができる。したがって、シュラウドの両面の圧力差をさらに確実に低減することができる。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、上記補助羽根の高さは、上記主羽根の高さの略1/10以下であるものとする。
この構成によれば、補助羽根を設けたことによりポンプ(又は圧縮機)作動時における流体の撹拌抵抗が増加したとしても、ポンプの作動効率を全体として向上させることができる。すなわち、発明者等は鋭意研究の末、補助羽根の高さが主羽根の高さの略1/10以下であれば、流体の流入流路への漏出防止によるポンプ効率の向上効果が、撹拌抵抗の増加によるポンプ効率の低下を上回ることを見出して、本発明の構成に想到したものである。尚、本明細書において「羽根の高さ」とは、羽根の上記中心軸方向の長さを意味するものとする。
請求項4の発明では、請求項1乃至3の発明のいずれか一つに記載のインペラを備えたウォータポンプを対象とする。
これによれば、例えばエンジン冷却用に使用されるウォータポンプに、上記請求項1乃至3のいずれか一つに記載のインペラを適用することによって、冷却水(流体)が流入流路に漏出することによるポンプ効率の低下を防止することができる。
請求項5の発明では、請求項4の発明において、上記インペラを収容するインペラ室を内部に有するケーシングを備え、上記ケーシング内には、上記インペラの上記吸込口に連通する流入流路が形成されており、上記インペラのシュラウドと上記ケーシングとの間には、上記流入流路とインペラ室との双方に連通する隙間流路が形成されており、上記隙間流路における上記流入流路側の端部には、流路断面積が、ケーシングと上記シュラウドにおける上記補助羽根が形成される面との間の流路断面積よりも小さい流体漏れ規制部が形成されているものとする。
この構成によれば、ポンプの作動回転数が広範囲に及ぶウォータポンプ(例えば、エンジン冷却用のウォータポンプ)において、ポンプ回転数が比較的低い場合であっても、冷却水(流体)の流入流路への漏出を確実に防止することができる。すなわち、ポンプ回転数が低い場合には、補助羽根より流体に作用する遠心力が小さくなる。このため、シュラウドの背面に回り込む流体流れを該補助羽根によって十分に排除することができなくなり、冷却水が上記隙間流路から流入流路へ漏出し易くなる。これに対して、本発明では、上記隙間流路における流入流路側の端部に、流路断面積が、ケーシングとシュラウドの背面との間の流路断面積よりも小さい流体漏れ規制部を形成するようにしたことで、この流体漏れ規制部が流体抵抗となって、流体の流入流路への漏出を抑制することができる。よって、ポンプ回転数が比較的低い運転領域においても冷却水の漏出を確実に抑制することができ、ポンプ回転数に拘わらずポンプの作動効率を高い値に維持することが可能となる。
以上説明したように、本発明によると、シュラウドにおける主羽根との連結面とは反対側の面に複数の補助羽根を形成するとともに、各補助羽根を、シュラウドの中心軸方向から見て各主羽根と同じ周方向位置に配設するようにしたことで、インペラのコンパクトを図りながら、該インペラを通過後の高圧流体が流入流路へと漏出するのを抑制することができる。
本発明の実施形態1に係るインペラを備えたウォータポンプの内部構造を示す図である。 インペラを、ポンプ軸心方向の吸込側(一側)且つ径方向外側から見た斜視図である。 図2のIII方向矢視図である。 インペラを、ポンプ軸心方向の吸込側(一側)から見た平面図である。 図2のV-V線断面である。 補助羽根の効果を説明するための説明図であって、インペラの回転に伴うインペラ室内の圧力変動を模式的に示したグラフ図である。 実施形態2を示す図1相当図である。 実施形態2を示す図2相当図である。 実施形態2を示す図5相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るウォータポンプ1を示し、このウォータポンプ1は、水冷式のエンジンに取り付けられて該エンジンに冷却水を強制循環させるものである。
このウォータポンプ1は、回転駆動されるインペラ2の遠心力によって冷却水を加圧する所謂遠心式のポンプであって、該インペラ2と、インペラ2を収容するためのインペラ室18を内部に有するケーシング3とを備えている。
ケーシング3は、冷却水が流入する流入流路4を有する第1ケーシング5と、インペラ2(ハブ板22)を駆動する駆動軸6を指示するための軸支孔7を有する第2ケーシング8とで構成されており、両ケーシング5,8はボルト9を介して互いに締結されている。尚、以下の説明において、ポンプ軸心方向の吸込側(図1の右側)を「一側」と定義し、その反対側(図1の左側)を「他側」と定義するものとする。
流入流路4は、その一側から他側に向かって拡径するテーパ状に形成されている。流入流路4の一側端部には、配管接続穴15が形成されており、この接続穴15には、エンジンからの冷却水をポンプ1内に導くための流入管16が接続されている。
上記第1及び第2ケーシング8の合わせ面部17には、インペラ2の外周を囲むように渦状のインペラ室18(渦室)が形成されている。このインペラ室18には、インペラ2により加圧された冷却水をエンジン側に吐出するための吐出口(図示省略)が開口しており、この吐出口に流出流路が連通している。第2ケーシング8における第1ケーシング8との合わせ面には、インペラ室18の密閉性を確保するために、Oリング10が嵌め込まれたシール溝11が形成されている。
上記インペラ2は、駆動軸6を介してエンジンのクランク軸に動力伝達可能に連結されている。駆動軸6は、軸支孔7に圧入されたベアリング20によって回動可能に支持されている。駆動軸6におけるベアリング20とインペラ室18との中間位置には、メカニカルシール19が取り付けられており、これにより、冷却水が軸支孔7に漏出するのを防止している。駆動軸6の他側端部には、駆動用ベルト(図示省略)を巻き掛けるポンププーリ21が取り付けられている。駆動用ベルトは、エンジンのクランク軸に取り付けられたクランクプーリ(図示省略)と該ポンププーリ21とに巻き掛けられている。
上記インペラ2は、樹脂製の一体成形品で構成されていて、図2に示すように、ポンプ軸心回りに回転駆動されるハブ板22と、該ポンプ軸心方向において該ハブ板22に対向するように配設され、中心部に冷却水を吸込むための吸込口23を有するシュラウド24と、上記ハブ板22及び上記シュラウド24に連結され、ポンプ軸心回りに周方向に等間隔に並ぶ複数枚(本実施形態では7枚)の主羽根25とを備えている。シュラウド24の中心軸方向(ポンプ軸心方向に一致)の一側面43には、詳細は後述するように、補助羽根26が形成されている。
上記ハブ板22は、円板状に形成されていて、その中心部には、駆動軸6が挿入される締結穴27を有するボス部28が形成されている。
上記シュラウド24は、吸込口23を有する円筒吸込部29と、円筒吸込部29のポンプ軸心方向の他側端部から径方向外側に向かって該他側に僅かに傾斜するシュラウド本体30とで構成されている(図1及び図2参照)。
主羽根25は、ポンプ軸心方向から見て、インペラ2の回転方向の前側に膨出する所定の翼型形状を有している(図4参照)。主羽根25の高さは、シュラウド24の外縁から径方向内側に向かって徐々に高くなり、シュラウド24の内縁において最大高さHとなる(図5参照)。
図3に示すように、主羽根25の回転方向前側の正圧面36とシュラウド24(シュラウド本体30)とが接続されるコーナ部41a、及び、該正圧面36とハブ板22とが接続されるコーナ部41bは、径方向から見て略直角に形成されている。これにより、冷却水(流体)の剥離が生じ難い正圧面36側では、冷却水の吐出容積を十分に確保することができる。
シュラウド本体30における主羽根25との連結面(他側面)40とは反対側の面43(ポンプ軸心方向の一側面43)には、補助羽根26が形成されている。補助羽根26は、主羽根25と同様に7枚設けられていて、ポンプ軸心回りに周方向に等間隔に形成されている。
補助羽根26は、図4に示すように、ポンプ軸心方向から見て、主羽根25と同じ周方向位置(中心軸周りの位相位が同じ位置)に同じ形状で形成されている。すなわち、主羽根25は、ポンプ軸心方向から見たときには、主羽根25と重複するように該主羽根25に沿って形成されている。
補助羽根26の高さは、図5に示すように、シュラウド24の外周側から中心側に向かって徐々に増加して、シュラウド24の内周縁部において円筒吸込部29と略同じ高さhになっている。補助羽根26の最大高さhは、主羽根25の最大高さHの1/10以下(本実施形態では1/15)とされている。
第1ケーシング5(図1参照)における流入流路4の他側端部には、シュラウド24を受け入れるべく皿状に凹んだ皿状凹部5aが形成されている。
第1ケーシング5における皿状凹部5aを形成する壁部とシュラウド24との間には、僅かに隙間が形成されており、上記流入流路4とインペラ室18とは、この隙間により形成される隙間流路38を介して連通している。隙間流路38における流入流路4側の端部には、流路断面積が、シュラウド本体30の一側面43と第1ケーシング5(第1ケーシングにおける皿状凹部5aの周壁部)との間の流路断面積よりも小さい流体漏れ規制部39が形成されている。
流体漏れ規制部39は、円筒吸込部29の一側端面と、第1ケーシング5の皿状凹部5aの底壁面との距離dを十分に小さく(例えば、シュラウド本体30の一側面43と、皿状凹部5aの周壁面との距離Dの1/10以下)設定することで実現されている。尚、図1では、説明をわかり易くするために距離dは実際よりも大きめに描かれている。
以上のように構成されたウォータポンプ1が作動して、駆動軸6によりインペラ2が回転駆動されると、エンジンからの冷却水が流入流路4及び吸込口23を通じてインペラ2内に流入し、流入した冷却水は、インペラ2の主羽根25によって加圧されるとともにその遠心作用によってインペラ室18内に流入する。インペラ室18内に流入した冷却水は、不図示の吐出口から吐き出されてエンジンの各部に供給される。
ここで、ポンプ1が作動している状態では、流入流路4には負圧が生じているため、従来のポンプでは、インペラ室18内に流入した加圧後の冷却水が、隙間流路38を通って流入流路4内に漏出し、ポンプ効率が低下するという問題があった。
これに対して、上記実施形態では、上述の如くシュラウド本体30の一側面43に、周方向に等間隔に並ぶ補助羽根26を形成するようにしたことで、流入流路4の負圧に引き寄せられて該一側面43上に回り込んでくる流れ(図の二点鎖線で示す矢印の流れ)を、補助羽根26によって径方向外側に積極的に吐き出して、シュラウド本体30の一側と他側との圧力差を極力低減することができる。これによって、インペラ室18内に流入した冷却水が、流入流路4の負圧により、シュラウド本体30の一側面に回り込んで隙間流路38から該流入流路4内に漏出するのを防止することができる。
また、補助羽根26により冷却水を径方向外側に吐き出す(排除する)ことによって、シュラウド本体30の両面40,43の圧力差を低減して、その一側面43に回り込む流れを抑制することができる。すなわち、図6に模式的に示すように、シュラウド本体30の他側面40の圧力(図6の実線で示す圧力)は、主羽根25の通過に伴って周期的に変動(脈動)する。シュラウド本体30の一側面43における圧力は、補助羽根26を設けない場合には、流入流路4の負圧の影響を受けて、図6の一点鎖線で示すように、シュラウド本体30の他側面40の圧力に比べてかなり低い値を示すこととなるが、上述のように、補助羽根26を設けることによって、図6の2点鎖線で示す如く、該一側面43における圧力を全体的に押し上げて、シュラウド本体30の一側面43と他側面40との圧力差を低減することができる。よって、シュラウド本体30の他側から一側へと回り込む流れを確実に抑制することができ、延いては、冷却水の流入流路4への漏出を抑制することが可能となる。
さらに上記実施形態では、補助羽根26を、ポンプ軸心方向から見たときに、主羽根25と同じ周方向位置に形成するようにしたことで、シュラウド本体30の他側に生じる圧力変動の各ピークと、シュラウド本体30の一側に生じる圧力変動の各ピークとの位相位置を略一致させることができる。したがって、補助羽根26の周方向位置と主羽根25の周方向位置とを異ならせた場合に比べて、シュラウド本体30の両面40,43の圧力差の最大値Pd(一側面43の圧力ピーク値と他側面40の圧力ピーク値との差)を低減することができ、該圧力差Pdに起因して冷却水がシュラウド本体30の一側に回り込むのをより一層確実に抑制することができる。延いては、流入流路4内への冷却水の漏出を防止することが可能となる。
さらに上記実施形態では、補助羽根26を、ポンプ軸心方向から見たときに、主羽根25と重複するように該主羽根25に沿って(主羽根25と同じ形状で)形成するようにしたことで、シュラウド本体30の一側に生じる圧力変動の各ピークの形状(高さ等)を、シュラウド本体30の他側に生じる圧力変動の各ピークの形状に近づけることができる。したがって、上記圧力差Pdをさらに低減することができる。
ここで、上記補助羽根26の高さhが高過ぎると、補助羽根26による冷却水の撹拌抵抗が大きくなってポンプ効率が低下してしまう恐れがある。これに対して、発明者等は鋭意研究の末、主羽根25の最大高さHに対する補助羽根26の最大高さhの比率が略1/10以下であれば、冷却水の流入流路4への漏出防止によるポンプ効率の向上効果が、撹拌抵抗の増加によるポンプ効率の低下を上回ることを見出して、上記実施形態ではこの比率を1/10以下の1/15に設定するようにしている。
ところで、上記実施形態では、ウォータポンプ1は、エンジンのクランク軸に動力伝達可能に連結されていて、エンジンの回転数変化に応じて、比較的広い回転数領域(例えば500rpm〜8000rpm)で作動することが要求される。しかしながら、ポンプ回転数が低い運転領域(例えば500〜1000rpmの領域)では、補助羽根26より冷却水に作用する遠心力が低下するため、シュラウド本体30の一側に回り込んだ冷却水を補助羽根26によって排除することができず、冷却水が隙間流路38を介して流入流路4内に漏出する可能性が高くなる。
これに対して、上記実施形態では、流体漏れ流路38における流入流路4側の端部に、流路断面積が、シュラウド本体30とケーシング3(第1ケーシング5)との間の流路断面積に比べて十分に小さい流体漏れ規制部39を設けるようにしたことで、この流体漏れ規制部39が流体抵抗となって冷却水の漏出を抑制することができる。よって、ポンプ回転数が低い運転領域においても冷却水の漏出を確実に抑制することができ、回転数に拘わらず高いポンプ効率を実現することができる。
また、上記実施形態では、補助羽根24の高さは、シュラウド24の外縁部において最も低くなっている。これにより、シュラウド24の外縁部とケーシング5との距離を、補助羽根26の高さが一定の場合に比べて小さくすることができる。よって、隙間流路38におけるインペラ室18側の端部の流路断面積を十分に小さくして、該隙間流路38への冷却水の流入をより一層確実に抑制することができる。
(実施形態2)
図7〜図9は、本発明の実施形態2を示し、補助羽根26の形状を上記実施形態1とは異ならせたものである。尚、図7では、図1とは異なりインペラ2についても断面として示している。図7〜9において、図1、図2、及び図5と実質的に同じ構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。
すなわち、本実施形態では、補助羽根26は、上記実施形態1と同様にポンプ軸心方向から見て、主羽根25と同じ周方向位置に同じ形状で形成されているが、該補助羽根26の高さは、シュラウド24の外周側から中心側に向かって増加することなく一定に維持されている。これにより、補助羽根26より冷却水に作用する遠心力を可及的に高めることができる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記各実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記各実施形態では、インペラ2をウォータポンプ1に適用する例を示したが、例えば、上記インペラ2を圧縮機に適用するようにしてもよい。この場合の作動流体は液体ではなく気体となる。
また、上記各実施形態では、補助羽根26は、ポンプ軸心方向から見て主羽根25と同じ形状に形成されているが、周方向位置が同じであれば必ずしも同じ形状である必要はない。
また、上記各実施形態では、ウォータポンプ1は、比較的広い回転数領域で作動するエンジン冷却用のポンプとされているが、例えば、作動回転数が固定されたポンプ(又は圧縮機)であってもよい。
また、上記実施形態1では、流入流路4は、その一側から他側に向かって拡径するテーパ状に形成されているが、これに限ったものではなく、内径一定のストレート状に形成するようにしてもよい(実施形態2の図7参照)。
本発明は、インペラ及び該インペラを備えたウォータポンプに有用であり、特に、エンジン冷却用のウォータポンプに有用である。
H 主羽根の高さ
h 補助羽根の高さ
1 ウォータポンプ
2 インペラ
4 流入流路
18 インペラ室
22 ハブ板
23 吸込口
24 シュラウド
25 主羽根
26 補助羽根
38 隙間流路
39 流体漏れ規制部
40 他側面(シュラウドにおける上記主羽根が連結される側の面)
43 一側面(シュラウドにおける上記主羽根が連結される側の面とは反対側の面)

Claims (5)

  1. 中心軸回りに回転駆動されるハブ板と、該中心軸方向において該ハブ板に対向するように配設され、中心部に流体を吸込むための吸込口を有するシュラウドと、上記ハブ板及び上記シュラウドに連結され、上記中心軸回りに周方向に互いに所定の間隔を隔てて並ぶ複数の主羽根とを備えたインペラであって、
    上記シュラウドにおける上記主羽根が連結される側の面とは反対側の面には、上記中心軸方向から見て、上記複数の主羽根と同じ周方向位置に複数の補助羽根が形成されていることを特徴とするインペラ。
  2. 請求項1記載のインペラにおいて、
    上記補助羽根は、上記中心軸方向から見て、上記主羽根と同じ周方向位置に該主羽根と同じ形状になるように形成されていることを特徴とするインペラ。
  3. 請求項1又は2記載のインペラにおいて、
    上記補助羽根の高さは、上記主羽根の高さの略1/10以下であることを特徴とするインペラ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインペラを備えていることを特徴とするウォータポンプ。
  5. 請求項4記載のウォータポンプにおいて、
    上記インペラを収容するインペラ室を内部に有するケーシングを備え、
    上記ケーシング内には、上記インペラの上記吸込口に連通する流入流路が形成されており、
    上記インペラのシュラウドと上記ケーシングとの間には、上記流入流路とインペラ室との双方に連通する隙間流路が形成されており、
    上記隙間流路における上記流入流路側の端部には、流路断面積が、ケーシングと上記シュラウドにおける上記補助羽根が形成される面との間の流路断面積よりも小さい流体漏れ規制部が形成されていることを特徴とするウォータポンプ。
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