JP2016065296A - 遊戯用鋼球およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、
上記基材が冷間鍛造もしくは温間鍛造により球形状に成型加工されたその表面に、1.0質量%以上の炭素濃度を有する浸炭硬化層が形成され、
非磁性の特性を有する。
球同士の衝突等による機能上問題となるような大きな打痕や傷の発生が抑制される。また、めっきやコーティングのように表面被膜剥離による機器トラブルの発生も防止できる。また、基材としたオーステナイト系ステンレス鋼の非磁性が維持されている。これにより、磁石誘導による不正行為が防止される。
【選択図】なし
Description
非磁性の鉄鋼材料であるオーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性を必要とする分野で幅広く利用されている。このようなオーステナイト系ステンレス鋼は、焼入れによる硬化ができず、一般的な窒化処理や浸炭処理を行うと耐食性が低下してしまう。このため、耐摩耗性や耐衝撃性など、耐久性を必要とされる用途におけるオーステナイト系ステンレス鋼の採用は限られている。オーステナイト系ステンレス鋼の耐久性を向上させ、摺動部品等への適用を可能とするため、耐食性を大きく損なわずに表面硬化を行う方法として低温浸炭処理を行う方法が提案され、実用化されている。
〔0006〕
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、オーステナイト系金属自体の強度を低下させずに、表面硬度を大幅に向上させ、しかも、オーステナイト系金属自体の優れた耐蝕性が損なわれていない硬質表面層をもつオーステナイト系金属に対する浸炭処理方法およびそれによって得られたオーステナイト系金属製品の提供をその目的とする。
〔0007〕
〔課題を解決するための手段〕上記の目的を達成するため、この発明は、浸炭処理に先立って、フッ素系ガス雰囲気下でオーステナイト系金属を加熱状態で保持し、ついで浸炭処理の際の温度を680℃以下の温度に設定して浸炭処理するオーステナイト系金属に対する浸炭処理方法を第1の要旨とし、その浸炭処理方法によって得られた、表面から10〜70μmの深さの表面層が炭素原子の浸入によって硬化して浸炭硬化層に形成され、この浸炭硬化層の硬度がマイクロビッカース硬度で700〜1050(HV)に形成され、上記浸炭硬化層中には粗大クロム炭化物粒子が存在していないオーステナイト系金属製品を第2の要旨とする。
一方、パチンコ球に代表されるような遊戯用鋼球には、つぎのようなものが使用されている。低炭素鋼を基材として浸炭焼入れで強度アップし、クロムメッキで耐食性と耐摩耗性を付与したものである。基材の低炭素鋼が磁性材料であり、それ自体が磁性体である遊戯用鋼球を、磁石によって誘導して入賞させる不正行為が問題となっている。それを防止するため、非磁性の遊戯用鋼球の導入に向けた検討が行われている。
〔0031〕
また、遊技媒体が非磁性材料であるために遊技領域に発射された遊技媒体を磁石を用いて不正に誘導する不正行為を防止できつつも、遊技媒体が非磁性材料ではあるが金属材料であるために、従来から一般的な近接スイッチによりその遊技媒体を検出することが可能となる。
〔0032〕
(12)上記(11)の遊技用システムにおいて、前記遊技媒体封入部は、非磁性金属材料として、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304、SUS305等)を用いて製造された遊技媒体を封入する。
〔0033〕
このような構成によれば、遊技媒体が耐腐食性に優れ、かつ耐摩耗性が高い。
(13)上記(12)の遊技用システムにおいて、前記遊技媒体封入部は、前記オーステナイト系ステンレス鋼として、JIS規格SUS304を用いて製造された遊技媒体を封入する。
〔0034〕
このような構成によれば、遊技媒体が耐腐食性に優れ、かつ耐摩耗性が高く、さらに、一般的に用いられている金属材料であるために入手しやすい。
表面硬化処理により実用的な耐久性を有し、非磁性の特性を有する遊戯用鋼球およびその製造方法を提供する。
オーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、
上記基材が冷間鍛造もしくは温間鍛造により球形状に成型加工されたその表面に、1.0質量%以上の炭素濃度を有する浸炭硬化層が形成され、
非磁性の特性を有する。
オーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、
上記基材を冷間鍛造もしくは温間鍛造により球形状に成型加工し、
その表面に、1.0質量%以上の炭素濃度を有する浸炭硬化層を形成し、
非磁性の特性を持たせた。
非磁性であるオーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、球形状への成形を冷間もしくは温間による鍛造成型加工により行い、加工硬化により基材の硬度および強度を大きく上昇させた。また、オーステナイト系ステンレス鋼を用いることにより、冷間鍛造または温感鍛造の際に低い加工率で高い加工硬化量が得られる。つまり、鍛造加工により球の全体にわたって均一な加工率とすることが困難であるところ、加工率が比較的小さくなった部分でも十分な硬度が得られるようになる。
Md30=551−462([C]+[N])−9.2[Si]−8.1[Mn]−29([Ni]+[Cu])−13.7[Cr]−18.5[Mo]・・・(1)
Nは母相に固溶して基地を強化するとともに、オーステナイト相の加工硬化性を向上させる。またオーステナイト相を安定化し、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する。したがって、オーステナイト系ステンレス鋼のN含有量を0.10〜0.70質量%とすることにより、冷間鍛造または温間鍛造で十分に加工硬化され、浸炭硬化層より深部の強度があがり、球同士の衝突等による打痕の発生を防止して実用的な寿命を確保できる。また、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する。これにより、十分な炭素濃度の浸炭層を形成し、冷間鍛造または温間鍛造による基材の磁性上昇を抑制する。
浸炭硬化層より深部における硬さを確保したことにより、球同士の衝突等による打痕の発生を防止して実用的な寿命を確保できる。
非磁性であるオーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、球形状への成形を冷間もしくは温間による鍛造成型加工により行い、加工硬化により基材の硬度および強度を大きく上昇させた。また、オーステナイト系ステンレス鋼を用いることにより、冷間鍛造または温感鍛造の際に低い加工率で高い加工硬化量が得られる。つまり、鍛造加工により球の全体にわたって均一な加工率とすることが困難であるところ、加工率が比較的小さくなった部分でも十分な硬度が得られるようになる。
その表面に、1.0質量%以上の炭素濃度を有する浸炭硬化層が形成されている。このため、球同士の衝突等による機能上問題となるような大きな打痕や傷の発生が抑制される。また、めっきやコーティングのように表面被膜剥離による機器トラブルの発生も防止できる。また、基材としたオーステナイト系ステンレス鋼の非磁性が維持されている。これにより、磁石誘導による不正行為が防止される。
Md30=551−462([C]+[N])−9.2[Si]−8.1[Mn]−29([Ni]+[Cu])−13.7[Cr]−18.5[Mo]・・・(1)
Nは母相に固溶して基地を強化するとともに、オーステナイト相の加工硬化性を向上させる。またオーステナイト相を安定化し、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する。したがって、オーステナイト系ステンレス鋼のN含有量を0.10〜0.70質量%とすることにより、冷間鍛造または温間鍛造で十分に加工硬化され、浸炭硬化層より深部の強度があがり、球同士の衝突等による打痕の発生を防止して実用的な寿命を確保できる。また、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する。これにより、十分な炭素濃度の浸炭層を形成し、冷間鍛造または温間鍛造による基材の磁性上昇を抑制する。
上記浸炭硬化層より深部における硬さの平均値を、マイクロビッカース硬さ(Hv)で300以上とした。
オーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、
上記基材が冷間鍛造もしくは温間鍛造により球形状に成型加工されたその表面に、1.0質量%以上の炭素濃度を有する浸炭硬化層が形成され、
非磁性の特性を有する。
本実施形態の遊戯用鋼球は、基材としてオーステナイト系ステンレス鋼を使用する。
C:0.01〜0.20質量%、N:0.10〜0.70質量%、Si:1.50質量%以下(0を含まない)、Mn:1.0〜20.0質量%、P:0.20質量%以下(0を含まない)、S:0.20質量%以下(0を含まない)、Ni:2.0〜22.0質量%、Cr:15.0〜25.0質量%、Mo:5.0質量%以下(0を含む)、Cu:5.0質量%以下(0を含む)、V:0.50質量%以下(0を含む)、Nb:0.50質量%以下(0を含む)、B:0.05質量%以下(0を含む)、Al:0.10質量%以下(0を含む)、Ti:0.50質量%以下(0を含む)、Mg:0.05質量%以下(0を含む)、Ca:0.20質量%以下(0を含む)、Pb:0.50質量%以下(0を含む)、Se:0.50質量%以下(0を含む)、Te:0.50質量%以下(0を含む)を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼。
Cは0.01質量%以上とすることが好ましい。母相へ固溶して基地を強化するとともにオーステナイト相の加工硬化性を向上させるからである。また、オーステナイト相を安定化し、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する効果があるからである。しかし、上限は0.20質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.15質量%以下である。0.20質量%を超えると固溶させることが困難になるうえ、鍛造性を劣化させるからである。
Nは0.10質量%以上とすることが好ましい。Cと同様に、母相へ固溶して基地を強化するとともにオーステナイト相の加工硬化性を向上させるからである。また、オーステナイト相を安定化し、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する効果があるからである。本発明では、0.15質量%以上であることがより好ましい。基材に用いる鋼材が高い加工硬化性を有することが重要だからである。しかし、その上限は0.70質量%とすることが好ましい。過剰に添加すると鍛造性を劣化させるためである。
Siは0.1質量%以上とすることが好ましい。溶製時の脱酸剤として作用し、オーステナイトがマルテンサイトに変態する温度(Ms点)を下げる効果も有するからである。しかし、上限は1.50質量%とすることが好ましい。より好ましくは1.0質量%以下である。過剰に添加するとNの溶解度を低下させ、フェライトが生成しやすくなるためである。
Mnは1.0質量%以上とすることが好ましい。オーステナイト相安定化元素であり、Nの溶解度を大きくするとともに、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する効果があるからである。しかし、その上限を20.0質量%とすることが好ましい。20.0質量%を超えると加工性が悪くなるためである。
Pは0.20質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.04質量%以下である。過剰であると靭性を低下させるからである。少量であることが望ましい。
Sは0.20質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.04質量%以下である。過剰であると靭性を低下させるからである。少量であることが望ましい。
Niは2.0質量%以上とすることが好ましい。より好ましくは4.0質量%以上である。オーステナイト相安定化元素であり、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する効果があるためである。しかし、その上限を22.0質量%とすることが好ましい。より好ましくは16.0質量%以下である。Niは高価であり、コストを引き上げることになるからである。
Crは15.0質量%以上とすることが好ましい。耐食性を向上させるのに有効な元素であり、Nの溶解度も大きくするためである。しかし、その上限を25.0質量%とすることが好ましい。より好ましくは20.0質量%以下である。過剰になるとフェライトが生成しやすくなるからである。
Moは必要に応じて添加することができる。耐食性を向上させるのに有効な元素だからである。しかし、その上限を5.0質量%とすることが好ましい。より好ましくは3.0質量%以下である。高価な元素であり、過剰に添加するとフェライトが生成しやすくなるからである。
Cuは必要に応じて添加することができる。オーステナイト相安定化元素であり、耐食性を向上させるのに有効な元素だからである。しかし、その上限を5.0質量%とすることが好ましい。過剰に添加すると加工硬化率を低下させるためである。
Vは必要に応じて添加することができる。炭窒化物を形成し、結晶粒を微細化して基地の強度を向上させるのに有効な元素だからである。しかし、その上限を0.50質量%とすることが好ましい。過剰に添加すると冷間加工性が劣化するためである。
Nbは必要に応じて添加することができる。Vと同様に炭窒化物を形成し、結晶粒を微細化して基地の強度を向上させるのに有効な元素だからである。しかし、その上限を0.50質量%とすることが好ましい。過剰に添加すると冷間加工性が劣化するためである。
Bは必要に応じて添加することができる。オーステナイト結品粒界へのPの偏析を抑制する効果があり、加工性を向上させるのに有効な元素だからである。しかし、その上限を0.05質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.01質量%以下である。0.05質量%を超えると非磁性特性を劣化させるためである。
Alは必要に応じて添加することができる。溶製時の脱酸剤として使用することができる元素だからである。しかし、その上限を0.10質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.05質量%以下である。過剰に添加すると鋼中のNがAlNとして析出し、Nによるオーステナイト相の安定化効果を低下させるためである。
Tiは必要に応じて添加することができる。溶製時の脱酸剤として使用することができる元素だからである。しかし、その上限を0.10質量%とすることが好ましい。過剰に添加すると鋼中のNがTiNとして析出し、Nによるオーステナイト相の安定化効果を低下させるためである。
Mgは必要に応じて添加することができる。溶製時の脱酸剤として使用することができ、N添加による加工性の劣化を補うのに有効な元素だからである。しかし、その上限を0.05質量%とすることが好ましい。0.05質量%を超えるとその効果が飽和するためである。
Caは必要に応じて添加することができる。溶製時の脱酸剤として使用することができ、N添加による加工性の劣化を補うのに有効な元素だからである。しかし、その上限を0.20質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.05質量%以下である。0.20質量%を超えるとその効果が飽和するためである。
Se:0.50質量%以下(0を含む)
Te:0.50質量%以下(0を含む)
Pb、Se、Teは1種または2種以上を必要に応じて添加することができる。いずれも加工性の向上に有効な元素だからである。しかし、それぞれ上限を0.50質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.30質量%以下である。それぞれ0.50質量%を超えると非磁性特性を劣化させるためである。
上記基材としたオーステナイト系ステンレス鋼は、
下記式(1)で表されるMd30の値が、−80以下であるものであることが好ましい。式(1)中の[元素記号]は、鋼材中における各元素の含有量(質量%)である。
Md30=551−462([C]+[N])−9.2[Si]−8.1[Mn]−29([Ni]+[Cu])−13.7[Cr]−18.5[Mo]・・・(1)
本実施形態の遊戯用鋼球は、上記基材が冷間鍛造もしくは温間鍛造により球形状に成型加工されている。
本実施形態の遊戯用鋼球は、上記鍛造により成形加工されたその表面に、1.0質量%以上の炭素濃度を有する浸炭硬化層が形成されている。
本実施形態の遊戯用鋼球は、上記浸炭硬化層より深部における硬さの平均値が、マイクロビッカース硬さ(Hv)で300以上であることが好ましい。
本実施形態の遊戯用鋼球は、非磁性の特性を有する。具体的には、比透磁率が1.05以下、より好ましくは1.03以下である。
浸炭処理前の鋼球について、比透磁率と表面硬度。
浸炭処理および仕上研磨を実施した後の鋼球について、比透磁率、表面硬度、深部硬度、表面部の炭素濃度。
浸炭硬化層を支える基材の深部硬度を評価するため、表面から1mm深さの断面硬度を深部硬度として測定した。
比透磁率の測定には電子磁気工業株式会社製LP−141Aを用い、鋼種毎に10個のサンプルを測定してその平均値を示した。
表面および1mm深さの硬度測定にはマイクロビッカース硬度計を用い、鋼種毎に10個のサンプルを100g荷重(0.98N)で測定し、その平均値を示した。
表面部の炭素濃度測定にはEPMA(電子線マイクロアナライザ)を用い、鋼種毎に1個のサンプルを測定した。
衝突試験後の最大打痕深さを測定した。
表2に示すように、本実施例1〜6は、冷間鍛造後、浸炭処理前の硬度は全て350Hv以上と高硬度である。比透磁率は全て1.03以下となっている。浸炭処理後(仕上研磨後)の表面部の炭素濃度は全て1.0質量%以上となっている。つまり、鍛造による加工誘起マルテンサイトの生成量が少なく、高炭素濃度の浸炭層が得られたものと考えられる。これにより、仕上研磨後に750Hv以上の高い表面硬度と、350Hv以上の基材の深部硬度が両立できている。高い耐久性を有する鋼球となっている。
実施例1で作製した試験用鋼球のうちの1つを鉄製の定盤の上に固定し、同じく実施例1で作製した他の試験用鋼球を2mの高さから落下させて衝突させ、それを500回繰り返す試験を実施した。固定した側の鋼球の表面に形成される打痕を確認した。実施例2〜6、比較例1〜3についても同様の試験を実施した。
図2は実施例1の衝突試験後の打痕の画像であり、図3は比較例3の衝突試験後の画像である。
実施例1では打痕の直径が約430μm、比較例3では950μmであった。球の直径が約11mmであることから、その最大打痕深さは、実施例1で約4μm、比較例3で約21μmと推定できる。
比較例1〜4は、最大打痕深さの値が20μm以上と大きい。実用的な耐久性として最重要である球同士の衝突による大きい打痕が発生しやすいことが分かる。これは高炭素濃度の浸炭層が形成されることによる表面強度の上昇と、それを支える高硬度の基材の深部強度が両立されていないためと考えられる。
実施例1〜6は、最火打痕深さの推定値が10μm未満と非常に小さい値となっている。遊戯用鋼球として使用する場合に極めて高い耐久性を示すことが分かる。
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
Claims (8)
- オーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、
上記基材が冷間鍛造もしくは温間鍛造により球形状に成型加工されたその表面に、1.0質量%以上の炭素濃度を有する浸炭硬化層が形成され、
非磁性の特性を有する
ことを特徴とする遊戯用鋼球。 - 上記基材としたオーステナイト系ステンレス鋼が、
下記式(1)で表されるMd30の値が、−80以下である
請求項1記載の遊戯用鋼球。
Md30=551−462([C]+[N])−9.2[Si]−8.1[Mn]−29([Ni]+[Cu])−13.7[Cr]−18.5[Mo]・・・(1)
(式(1)中の[元素記号]は、鋼材中における各元素の含有量(質量%)である) - 上記基材としたオーステナイト系ステンレス鋼は、Nの含有量が0.10〜0.70質量%である
請求項1または2記載の遊戯用鋼球。 - 上記浸炭硬化層より深部における硬さの平均値が、マイクロビッカース硬さ(Hv)で300以上である
請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊戯用鋼球。 - オーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、
上記基材を冷間鍛造もしくは温間鍛造により球形状に成型加工し、
その表面に、1.0質量%以上の炭素濃度を有する浸炭硬化層を形成し、
非磁性の特性を持たせた
ことを特徴とする遊戯用鋼球の製造方法。 - 上記基材としたオーステナイト系ステンレス鋼が、
下記式(1)で表されるMd30の値が、−80以下である
請求項5記載の遊戯用鋼球の製造方法。
Md30=551−462([C]+[N])−9.2[Si]−8.1[Mn]−29([Ni]+[Cu])−13.7[Cr]−18.5[Mo]・・・(1)
(式(1)中の[元素記号]は、鋼材中における各元素の含有量(質量%)である) - 上記基材としたオーステナイト系ステンレス鋼は、Nの含有量が0.10〜0.70質量%である
請求項5または6記載の遊戯用鋼球の製造方法。 - 上記冷間鍛造もしくは温間鍛造により基材を加工硬化させ、その後の浸炭温度を650℃以下として軟化をできるだけ少なくすることにより、
上記浸炭硬化層より深部における硬さの平均値を、マイクロビッカース硬さ(Hv)で300以上とした
請求項5〜7のいずれか一項に記載の遊戯用鋼球の製造方法。
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JP6438253B2 (ja) | 2018-12-12 |
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