JP2016064577A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録部に対して接離可能なプラテンを、被記録媒体の搬送時に適切な画像記録位置にする。
【解決手段】スライド部材90Aが前方にスライドされた状態では、スライドカム部93の第1カム面93Aにバネホルダが当接する。これにより、コイルバネの付勢力により、バネホルダはプラテンに対して上方に回動し、プラテンは、記録部に接近した第1状態になる。このような状態で、スライド部材90Aが後方にスライドされると、スライドカム部93の第2カム面93Aにバネホルダが当接して、コイルバネの付勢力により、バネホルダはプラテンに対して下方に回動し、プラテンは、記録部から離間した第2状態になる。
【選択図】図10

Description

本発明は、記録部に対して接近および離間可能なプラテンを備えた画像記録装置に関する。
従来より、記録部に設けられたノズルから、記録用紙等のシートにインク滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置では、通常、記録部と対向する位置に、シートを支持する平板状のプラテン(支持部材)が設けられている。プラテン上に搬送されるシートは、記録部と対向した位置において停止される。このような状態で、シートに記録部からインク滴が選択的に吐出されて、シートに画像が形成される。
特許文献1には、記録部の下側に水平な状態で配置されたプラテンが、記録部に対して接近及び離間可能(昇降可能)に構成された画像記録装置が開示されている。この画像記録装置では、プラテンに対してシート搬送向きの下流側に、プラテン上のシートを下流側に搬送する搬送ローラが設けられている。プラテンは、シート搬送向き下流側の端部が、搬送ローラのローラ軸に回動可能に支持されている。従って、プラテンは、搬送ローラのローラ軸を中心として、シート搬送向きの上流側の端部が上下方向に回動する。
プラテンには、シート搬送向きの上流側の端部を上方に付勢する一対のバネ(弾性部材)が設けられている。各バネは、シート搬送方向とは直交する幅方向の両側の各側縁部にそれぞれ取り付けられたバネホルダによってそれぞれ保持されている。各バネホルダは、プラテンの厚さ方向に沿って移動可能にプラテンに取り付けられている。
各バネホルダは、プラテンを記録部に対して上下方向に移動させる際に操作されるリリースロッドに当接している。リリースロッドは、プラテンにおける幅方向の両側の各側縁部のそれぞれの下側にシート搬送向きに沿って配置されている。各リリースロッドは、シート搬送方向に沿って移動可能になっており、シート搬送向きとは反対向きへ操作されると、それぞれに当接したバネホルダは、プラテンに対して上方へと持ち上げられる。これにより、バネホルダが、プラテンに対して、プラテンの厚さ方向に沿って移動し、バネホルダに保持されたバネがプラテンを上方へと押圧する。このような状態で、さらにバネホルダが上方に持ち上げられると、プラテンは、バネによってさらに上方へ押し上げられる。これにより、プラテンは、シート搬送向きの下流側の端部を中心として、上流側の端部が上方に回動される。
プラテンが記録部に接近した所定位置に達すると、プラテンの上方への移動が規制されるとともに、バネホルダの上方への移動も規制される。このような状態になると、バネホルダ内のバネは、プラテンを上方に付勢した状態になっている。このような状態で、シートがプラテン上に搬送されると、シートの荷重によってプラテンは下方に移動する。これにより、プラテンは記録部に対して最適な画像記録位置になる。
反対に、リリースロッドがシートの搬送向きに操作されると、バネホルダはプラテンに対して下方に移動し、バネはプラテンを付勢しない状態になる。このような状態で、さらにバネホルダが下方に移動すると、プラテンは、シート搬送向きの上流側の側部が、記録部に対して大きく下方に回動した状態になる。これにより、記録部とプラテンとの間においてジャムが発生した場合のジャム処理が容易になる。
特開2012−71563号公報
特許文献1の構成では、リリースロッドがシート搬送向きとは反対向きに移動することにより、リリースロッドに当接したバネホルダは、リリースロッドの傾斜面に案内されて、上方に向かって移動する。この場合、バネホルダには、リリースロッドの傾斜面から作用する力によって、プラテンの厚さ方向への力だけでなく、水平方向にも力が加わった状態で、上方に移動する。
バネホルダに保持されたバネは、バネホルダがプラテンの厚さ方向に沿って移動するとプラテンを同方向に押圧する。このような状態で、さらにバネホルダが上方に持ち上げられると、バネホルダは、バネを介してプラテンを上方に押し上げる。これにより、プラテンは、シート搬送向きの下流側の端部を中心として、上流側の端部が上方に回動し、プラテンに取り付けられたバネホルダも、プラテンとともに上方に移動する。
このように、バネホルダは、リリースロッドによって水平方向に力が作用した状態で、プラテンとともに上方に移動するために、バネホルダの移動方向は、プラテンに対する移動方向であるプラテンの厚さ方向に対してずれた状態になる。これにより、バネホルダに保持されたバネには、プラテンの厚さ方向とは異なる方向に力が加わる。従って、プラテンが記録部に接近した位置になると、バネによるプラテンの付勢方向は、所望の方向に対してずれた状態になる。
このような状態で、プラテン上に、普通紙よりも厚いコーティング紙等の厚紙が搬送されると、厚紙によってバネが押し下げられる方向が、所望の方向からずれた状態になり、プラテンは、厚紙に対する記録部の最適な画像記録位置からずれた状態になるおそれがある。
また、プラテン上に搬送されるシートの上面に当接する当接部材が設けられている場合には、厚紙が搬送されると、厚紙からバネに加わる力がさらに大きくなる。これにより、プラテンは、厚紙に対する記録部の最適な画像記録位置から、さらに大きくずれた状態になるおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録部に対して接近および離間可能なプラテンを記録部に接近した位置とした場合に、プラテンが、搬送される被記録媒体によって、適切な画像記録位置から大きくずれることを抑制できる画像記録装置を提供することである。
(1) 本発明に係る画像記録装置は、被記録媒体に画像を記録する記録部と、被記録媒体を支持する支持面を有し、上記記録部に対向して配置されており、第1状態、及び上記第1状態よりも上記記録部から離れた第2状態に変位するプラテンと、上記第1状態のプラテンと当接して、当該プラテンが上記第1状態から上記記録部側へ移動することを規制する規制部材と、上記プラテンに回動可能に設けられており、第1回動位置、及び当該第1回動位置よりも回動先端側が上記支持面から離れた第2回動位置へ回動可能な回動部材と、上記プラテンに設けられており、上記回動部材を上記第2回動位置側へ付勢する弾性部材と、上記回動部材を上記第1回動位置として上記弾性部材の付勢により上記プラテンを上記第1状態とする第1スライド位置、及び上記回動部材を上記第2回動位置として上記プラテンを上記第2状態とする第2スライド位置へスライド可能なスライドカムと、を備える。
このような構成によれば、スライドカムによる回動部材の回動方向を、プラテンが記録部から離間した第1状態から記録部に接近した第2状態に移動する方向に等しくすることができる。これにより、第1回動位置になった回動部材を付勢する弾性部材に、プラテンを付勢する方向とは異なる方向に向かう力が加わることが抑制される。
(2) 好ましくは、上記スライドカムは、上記第1スライド位置において上記回動部材に当接して当該回動部材の回動を規制する第1カム面と、当該第1カム面に対して傾斜しており、上記第1スライド位置から上記第2スライド位置へのスライドに伴って上記回動部材に当接して当該回動部材を上記第1回動位置から上記第2回動位置へ回動させる第2カム面と、を備える。
このような構成によれば、回動部材は、スライドカムの平坦な第1カム面により、安定的に第1回動位置に支持される。また、回動部材は、スライドカムの傾斜した第2カム面により、第1回動位置から第2回動位置に円滑に回動する。
(3) 好ましくは、上記回動部材は、上記第1回動位置から上記第2回動位置へ回動するときに上記スライドカムの上記第2カム面に摺接する摺接部を有する。これにより、回動部材の摺接部がスライドカムの第2カム面に対して円滑に摺接するために、回動部材は、第1回動位置から第2回動位置へ、より一層円滑に回動する。
(4) 好ましくは、 上記第1状態のプラテンに対向して配置されており、上記第1状態のプラテン上に被記録媒体としてシートが搬送される場合に、当該シートに当接する当接部材をさらに有する。これにより、記録部に近接したプラテンが、弾性部材によって適切に付勢されているために、当接部材は、プラテン上のシートを適切な押圧力によって押圧することができる。
(5) 好ましくは、上記プラテンは、上記シートの搬送向きと直交する幅方向に間隔をあけた状態で、それぞれが上記記録部側に突出する一対の突出部を有し、上記当接部材は、上記幅方向において上記一対の突出部の間において上記シートに当接して上記一対の突出部との協働により当該シートを湾曲させる。 これにより、プラテン上のシートを、適切な湾曲状態とすることができる。
(6) 好ましくは、上記当接部材は、上記突出部における上記シートの当接位置よりも上記記録部から離れた位置にて上記シートに当接する。これにより、プラテン上のシートを、確実に所望の湾曲状態にすることができる。
(7) 好ましくは、上記プラテンよりも被記録媒体の搬送向きの下流側に配置された搬送ローラをさらに有し、上記プラテンは、上記搬送ローラの軸に回動可能に支持されている。これにより、搬送ローラによってプラテンが支持されるために、プラテンを支持するための特別な部材を設ける必要がなく、コンパクトな構成とすることができる。
(8) 好ましくは、上記搬送ローラに対向しており、当該搬送ローラに対して接近および離間可能な従動ローラをさらに有し、上記スライドカムは、上記第1スライド位置において上記搬送ローラの軸を支持して上記搬送ローラを上記従動ローラに当接させ、上記第2スライド位置において上記第1スライド位置より上記搬送ローラの軸を上記従動ローラから離間する向きへ移動させた状態に保持して上記搬送ローラを上記従動ローラから離間させる。
上記構成によれば、記録部に対するプラテンの接近および離間に連動して、搬送ローラを従動ローラに対して接近および離間させることができる。
(9) 好ましくは、 上記弾性部材および上記回動部材は、上記プラテンにおける上記幅方向の両側にそれぞれ設けられており、上記スライドカムは、上記幅方向と直交する方向において上記回動部材のそれぞれに対向して設けられている。これにより、プラテンにおける両側の各側部のそれぞれが弾性部材によって安定的に付勢される。
(10) 好ましくは、上記プラテンは、上記弾性部材にて付勢された上記回動部材を上記第2回動位置よりも上記記録部から離れた所定位置に保持する保持部が設けられている。これにより、回動部材は、弾性部材の付勢力が作用した状態であっても、プラテンに対して所定の位置に保持される。
本発明によれば、記録部に対して接近および離間可能なプラテンを記録部に接近した状態とした場合に、プラテンが、搬送される被記録媒体に対して適切に画像を記録できる位置から大きくずれることを抑制できる。
図1は、本発明の実施形態の一例である複合機10の斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、筐体14を分解した状態の斜視図である。 図4は、左側面フレーム47及び右側面フレーム48による主要部材の支持構造を説明するための斜視図である。 図4に示された部分の平面図である。 図6は、プラテン42の上側からの斜視図である。 図7は、プラテン42の下側からの斜視図である。 図8は、プラテン42の左側の側部の構成を説明するための分解斜視図である。 図9は、左側のスライド部材90Aの斜視図である。 図10(A)は、左側のスライド部材90Aの断面図、図10(B)は、左側のスライド部材90Aの動作説明のための断面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、給送トレイ20が現れている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
[複合機10の全体構成]
図1に示される複合機10(画像記録装置の一例)は、ファクシミリ機能、プリント機能等の各種の機能を有している。複合機10は、概ね薄型の直方体形状に構成された筐体14と、筐体14内の下部内に装着された給送トレイ20とを有している。給送トレイ20は、筐体14から前向きに引き出し可能になっている。
筐体14の内部には、給送トレイ20の前側部分の上側に、記録用紙12(図2参照)がプリントアウトされる排出用空間13が設けられている。排出用空間13は前側に開口している。排出用空間13の下側には、記録用紙12が載置される排出トレイ21が位置している。排出トレイ21は、給送トレイ20上に支持されている。
図2に示されるように、プリンタ部11が筐体14内における後側の上部に設けられている。プリンタ部11は、インクジェット方式で被記録媒体に画像を記録する。給送トレイ20には、複数枚の記録用紙12が支持される支持面22を有し、記録用紙12は、支持面22上に、上下方向7に積み重ねられた状態で支持される。複合機10は、給送トレイ20内に収容された記録用紙12の片面に画像を記録する機能及び記録用紙12の両面に画像を記録する機能を有している。また、複合機10は、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録メディアの盤面上に画像を記録する機能も有している。
プリンタ部11の下側には、給送トレイ20内の記録用紙12をプリンタ部11に給送する給送部16が設けられている。給送部16には、給送トレイ20内の最上部の記録用紙12に当接して後側の上方に向けて繰り出す給送ローラ25が設けられている。給送ローラ25は、支持アーム26によって、給送トレイ20内の最上部の記録用紙12に当接する位置と、記録用紙12から上側に離間した位置とに回動可能に支持されている。給送ローラ25には、動力伝達機構27によって図示しない給送モータの動力が伝達される。
筐体14における後部には、給送部16によって給送トレイ20から繰り出される記録用紙12を上方に向けて搬送する第1搬送経路33が設けられている。第1搬送経路33は、後側に位置する外周ガイド部材33Aと、前側に位置する内周ガイド部材33Bとによって、後側に突出した円弧状に構成されている。
給送トレイ20から繰り出される記録用紙12は、第1搬送経路33の下端部から第1搬送経路33内に進入し、第1搬送経路33の上端部から前向きに排出される。プリンタ部11の上部には、第1搬送経路33を搬送された記録用紙12が水平状態で搬送される第2搬送経路34が前後方向8に沿って設けられている。第2搬送経路34は、第1搬送経路33の上端部から、排出トレイ21の後側端部の上側にまで達している。
第2搬送経路34には、第1搬送ローラ対59と、プラテン42と、第2搬送ローラ対44と、経路切換部36と、反転ローラ対45とが設けられており、それぞれが第2搬送経路34の一部を形成している。
第1搬送ローラ対59は、上側の第1搬送ローラ60と、下側に配置されたピンチローラ61とを備えている。第1搬送ローラ対59は、第2搬送経路34において記録用紙12を搬送する場合には、第1搬送ローラ60とピンチローラ61とが相互に圧接された状態とされて、第1搬送ローラ60が回転駆動される。
第1搬送ローラ対59と第2搬送ローラ対44との間に配置されたプラテン42は、第2搬送経路34内を搬送される記録用紙12を水平状態で支持する。プラテン42の上側には、プラテン42にて支持された記録用紙12に画像を記録する記録部24が設けられている。
プラテン42よりも上方には、前後方向8に所定の間隔をあけた状態でそれぞれが左右方向9に沿って配置された第1ガイドレール56及び第2ガイドレール57が設けられている。記録部24は、第1ガイドレール56及び第2ガイドレール57にスライド可能に支持されたキャリッジ40と、キャリッジ40の下部に配置された記録ヘッド38とを有している。記録ヘッド38には、複数の吐出口から下方に向かってインクを吐出するノズル39が設けられている。ノズル39には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。
プラテン42の前側に配置された第2搬送ローラ対44は、下側の第2搬送ローラ62と、上側の対向ローラ(従動ローラ)63とを備えている。第2搬送ローラ対44は、記録用紙12を搬送する場合には、下側の第2搬送ローラ62が対向ローラ63に圧接されて回転駆動される。
経路切換ガイド36は、第2搬送ローラ対44によって搬送される記録用紙12が当接すると、当該記録用紙12が経路切換ガイド36の上方を通過する状態になる。また、後述されるように、経路切換ガイド36を通過して反転ローラ対45へ案内された記録用紙12が、その後端部が経路切換ガイド36と反転ローラ対45との間に位置する場合に、経路切換ガイド36と当接することによって、経路切換ガイド36の下方へ案内される。
反転ローラ対45は、下側の反転ローラ67と、反転ローラ67の上方に配置された反転対向ローラ(従動ローラ)68とを備えている。反転ローラ67は、正逆回転可能である。反転対向ローラ68は、反転ローラ67に圧接した状態において、反転ローラ67の回転に追従して回転する。
反転ローラ67が回転する向きは、記録用紙12が前向きに搬送される場合を正転と称し、記録用紙12が後向きに搬送される場合を逆転と称する。記録用紙12の片面にのみ画像が記録される場合には、反転ローラ67が正転され、反転ローラ対45により搬送される記録用紙12が排出トレイ21上に排出される。
記録用紙12の両面に画像が記録される場合には、反転ローラ67が正転されて、片面に画像が記録された記録用紙12の後端部が反転ローラ対45を通過する直前まで搬送された後に、反転ローラ67が逆転される。これにより、記録用紙12は、経路切換部36に向かって後向きに搬送されて、経路切換部36と当接することによって、経路切換部36の下方へ案内される。経路切換部36の下方から第1搬送経路33の下端部にかけて分岐搬送ガイド71が設けられている。分岐搬送ガイド71によって第3搬送経路73が形成されている。分岐搬送ガイド71に沿って搬送される記録用紙12は、中間搬送ローラ対72によって第1搬送経路33の下端部にまで搬送される。
[プリンタ部11]
図3に示されるように、プリンタ部11は、筐体14の後部における左右の両側に設けられた左側面フレーム47及び右側面フレーム48によって支持されている。左側面フレーム47及び右側面フレーム48は、それぞれ前後方向8及び上下方向7に沿うように配置されている。
左側面フレーム47及び右側面フレーム48における後部上には、第1ガイドレール56が支持されている。また、左側面フレーム47及び48上には、第1ガイドレール56に対して前側に所定の間隔をあけた位置に第2ガイドレール57が支持されている。第1ガイドレール56及び第2ガイドフレーム57には、記録部24におけるキャリッジ40の前後方向8の各側部が、それぞれ左右方向9にスライド可能に支持されている。
左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、第2ガイドレール57の前側において、左右方向9に沿って長くなった帯板状のローラ支持フレーム65が支持されている。ローラ支持フレーム65の下側には、反転ローラ対45における上側の反転対向ローラ68(図2参照)が取り付けられている。
図3〜図5に示されるように、第1ガイドレール56には、当接部材80が取り付けられている。当接部材80は、第1ガイドレール56の前側の下方に向かって延出した複数の当接本体部81を有している。各当接本体部81は、第1搬送ローラ対59の前側部分を覆った状態になっており、上下方向7及び前後方向8に移動し得る可撓性を有している。各当接本体部81の先端部には、プラテン42上の記録用紙12に当接する当接部81Aが設けられている。各当接部81Aは、図5に示されるように、平面視で三角形状の平板状に構成されており、プラテン42における後部上面に当接しているが、記録用紙12が搬送されると、当該記録用紙12に当接するようになっている。
図4に示されるように、左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、第1搬送ローラ対59における上側の第1搬送ローラ60のローラ軸60A(図2参照)を回転可能に支持する切り欠き部47A及び48Aがそれぞれ設けられている。第1搬送ローラ60のローラ軸60Aが切り欠き部47A及び48Aに回転可能に支持されることにより、第1搬送ローラ60は図3に示された状態になる。
図4に示されるように、左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、第2搬送ローラ対44の下側の第2搬送ローラ62のローラ軸62Aの両側の端部がそれぞれ支持されている。第2搬送ローラ62のローラ軸62Aは、左側面フレーム47及び右側面フレーム48に設けられた支持孔部(図示せず)に、上下方向7に移動可能な状態で回転可能に支持されている。第2搬送ローラ対44における上側の対向ローラ63(図2参照)は、第2ガイドレール57(図3参照)の下側に取り付けられている。
図5に示されるように、第1搬送ローラ対59と第2搬送ローラ対44との間に設けられたプラテン42の前側部分には、第2搬送ローラ62のローラ軸62Aにおける左右の両側と中央部とのそれぞれに係合する3つの係合部42B、42C、42Dが設けられている。各係合部42B、42C、42Dは、第2搬送ローラ62のローラ軸62Aに対して回動可能になっており、プラテン42の後側部分は、第2搬送ローラ62のローラ軸62Aを回動中心として上下方向7に回動する。図4に示されるように、左側面フレーム47には、第1搬送ローラ60のローラ軸60Aを支持する切り欠き部47Aの前側において、プラテン42の前側部分の上向きの回動を規制する規制部材47Gが設けられている。
図4に示されるように、左側面フレーム47及び右側面フレーム48には、反転ローラ対45における下側の反転ローラ67のローラ軸67Aの両側の各端部を支持する支持孔部47D及び48Dがそれぞれ設けられている。反転ローラ67のローラ軸67Aは、支持孔部47D及び48Dに、上下方向7に移動可能な状態で回転可能に支持される。
図4に示されるように、左側面フレーム47及び右側面フレーム48のそれぞれの内側には、前後方向8に沿って延びるスライド部材(スライドカム)90A及び90Bが設けられている。スライド部材90A及び90Bは、ほぼ同様の構成になっており、それぞれが、左側面フレーム47及び右側面フレーム48の最下部に設けられたガイド板47M及び48M上に前後方向8へのスライド可能に支持されている。第2搬送ローラ62のローラ軸62A及び反転ローラ67のローラ軸67Aは、スライド部材90A及び90Bのスライドによって上下方向7に移動される。また、スライド部材90A及び90Bのスライドによって、プラテン42は、第2搬送ローラ62のローラ軸62Aにおける軸心を中心として回動される。
<プラテン42>
図6及び図7に示されるように、プラテン42は、左右方向9に沿って長い帯板状のプラテン本体42Aを有している。プラテン本体42Aにおける前側の側縁部には、前述した3つの係合部42B、42C、42Dのそれぞれが、プラテン本体42Aから前方に突出した状態で設けられている。係合部42B、42C、42Dのそれぞれは、第2搬送ローラ62のローラ軸62Aに対して下側から嵌合されて、それぞれが、ローラ軸62Aに回動可能に支持されている。
図6に示されるように、プラテン本体42Aにおける後部上面には、当接部材80における各当接部81Aがそれぞれ当接する当接領域42Fが設けられている。各当接領域42Fは、平板状の当接部81Aにおける下面が全体にわたって当接できる平坦面になっている。また、プラテン本体42Aの上面には、前後方向8に沿って上方に突出する複数のリブ(突出部)42Eが左右方向9に適当な間隔を空けて設けられている。各リブ42Eは、当接領域42F以外の領域において、プラテン本体42Aの後側の側縁から前後方向8の中程までにわたって設けられている。
図6及び図7に示されるように、プラテン本体42Aにおける左右方向9の両側の各外側面には、プラテン本体42Aを上方に付勢するプラテン付勢機構79がそれぞれ設けられている。それぞれのプラテン付勢機構79は同様の構成になっている。
<プラテン付勢機構79>
図8に示されるように、プラテン付勢機構79は、プラテン本体42Aにおける後側部分を上方に付勢するコイルバネ(弾性部材)79Aと、コイルバネ79Aを保持するバネホルダ(回動部材)79Bとを備えている。バネホルダ79Bは、プラテン本体42Aの外側面に設けられたホルダ支持体42Hに回動可能に支持されている。
バネホルダ79Bは、コイルバネ79Aの一方の端部を保持するバネ座79Dと、バネ座79Dの前側部分から上側に突出した連結部79Eと、連結部79Eの上端部から前側に突出する回動アーム部79Fとを有している。回動アーム部79Fにおける前側の先端部には、左右方向9の外側に突出した円柱形状のボス部79Kが設けられている。バネホルダ79Bのバネ座79Dには、上方に向かって突出した挿入部79Hが設けられている。挿入部79Hは、コイルバネ79Aの下端部内に挿入されており、これにより、コイルバネ79Aがバネ座79D上に支持されている。
ホルダ支持体42Hには、ボス部79Kを水平状態で支持する支持孔42Pが設けられており、ボス部79Kが支持孔42P内に挿入されている。これにより、ボス部79Kは、ホルダ支持体42Hに対して回動可能に支持されている。ホルダ支持体42Hの上部には、支持孔42Pにて回動可能に支持されたバネホルダ79Bにおけるバネ座79Dの上方を覆うバネ受け42Mが設けられている。バネ受け42Mは帯板状をしており。プラテン本体42Aの上面とは平行な状態で前後方向8に沿って配置されている。バネ受け42Mには、バネ座79Dに下端部が保持されたコイルバネ79Aの上端部が当接している。このように、バネホルダ79Bに支持されたコイルバネ79Aは、上端部がバネ受け42Mに当接した状態では、バネホルダ79Bのバネ座79Dを下向きに付勢している。
バネ座79Dの後側部分には、後側の上方に向かって延出した係合アーム部79Gが設けられている。係合アーム部79Gの先端部には、後方に向かって突出した係合部79Mが設けられている。
プラテン本体42Aに外側面における後側の端部には、プラテン本体42Aの上面を水平状態に位置決めするための位置決め部材42Jが設けられている。位置決め部材42Jの上面は、プラテン本体42Aの上面とは所定の距離だけ下側の位置においてプラテン本体42Aの上面に平行になっている。位置決め部材42Jの上面は、プラテン本体42Aにおける後側部分が上方に向かって回動されることにより、前述した左側面フレーム47の規制部材47Gに当接する。これにより、プラテン本体42Aの上方への回動が規制される。このような状態では、プラテン本体42Aの上面は、ほぼ水平な状態になる。
位置決め部材42Jの上部には、上側および後側に開口した空間42Nが形成されている。この空間42N内には、バネホルダ79Bの係合アーム部79Gにおける係合部79Mが位置している。位置決め部材42Jには、空間42Nの下側に、係合アーム部79Gの係合部79Mと係合する保持部42K(図10(A)参照)が設けられている。保持部42Kは、係合部79Mと係合することにより、バネ受け42Mに当接したコイルバネ79Aの付勢力によってバネホルダ79Bが下方へ回動することを規制し、バネホルダ79Bを、プラテン42に対して所定位置に保持する。
バネホルダ79Bにおけるバネ座79Dの下面79Sは平坦面になっている。この下面79Sは、係合アーム部79Gの係合部79Mが、位置決め部材42Jの保持部42Kに係合した状態では、プラテン本体42Aの上面とほぼ平行になる。バネ座79Dの下面79Sの前側には、バネホルダ79Bの連結部79Eに接近するにつれてプラテン本体42Aの上面に接近するように傾斜した傾斜面(摺接部)79Tになっている。
[スライド部材90A及び90B]
図3に示されるように、左側面フレーム47及び右側面フレーム48のそれぞれの内側には、前後方向8に沿って延びるスライド部材(スライドカム)90A及び90Bが設けられている。スライド部材90A及び90Bは、ほぼ同様の構成になっており、それぞれが、左側面フレーム47及び右側面フレーム48の最下部に設けられたガイド板47M及び48M(図3及び図4参照)上に前後方向8へのスライド可能に支持されている。スライド部材90A及び90Bは、前後方向8にスライドされることによって、プラテン42の両側のプラテン付勢機構79、第2搬送ローラ62のローラ軸62A及び反転ローラ67のローラ軸67Aを、それぞれ上下方向7に移動させる。
図9に示されるように、スライド部材90Aの後端部には、プラテン42を上下方向7に回動させるスライドカム部93が設けられている。スライドカム部93の上面は、スライド部材90Aの前後方向8へのスライドによって、プラテン付勢機構79を上下方向7に移動させるカム面になっている。
詳細には、カム面は、後側から前側にかけて順番に、第1カム面93A、第2カム面93B、第3カム面93Cになっている。第1カム面93Aは前後方向8に沿った平坦面である。第2カム面93Bは、後側になるにつれて低くなるように傾斜している。第3カム面93Cは、第2カム面93Bの後端から連続しており、前後方向8に沿った平坦面になっている。
スライド部材90Aには、スライドカム部93の前側に、第1平坦面92Bと第1傾斜面92Cとが、その順番で連続して設けられている。第1傾斜面92Cは、前側になるにつれて順次高くなるように傾斜している。第1傾斜面92Cのさらに前側には、第2搬送ローラ62を上方へ付勢する第1付勢機構94が設けられている。
第1付勢機構94は、第1傾斜面92Cの前側に連続して設けられた回動部材94Aと、この回動部材94Aを上方に付勢するコイルバネ(弾性部材)94Bとを有している。回動部材94Aの前側の端部は、左右方向9に沿った水平な軸を中心に回動するように、スライド部材90Aに支持されている。
回動部材94Aの上面は、第2搬送ローラ62のローラ軸62Aに当接する当接面94Eになっており、コイルバネ94Bは、回動部材94Aの下側において、回動部材94Aを上方に付勢している。スライド部材90Aが前向きにスライドされると、第2搬送ローラ62のローラ軸62Aは、回動部材94Aの当接面94Eを摺動した後に、第1傾斜面92C上を摺動する。
第1付勢機構94の前側には、第2平坦面92Dと、第2傾斜面92Eとがその順番で連続して設けられている。第2傾斜面92Eは、第1傾斜面92Cと同様に、前側になるにつれて順次高くなるように傾斜している。第2傾斜面92Eの前側には、反転ローラ67を上方へ付勢する第2付勢機構95が設けられている。
第2付勢機構95は、第1付勢機構94と同様の構成であり、回動部材95Aとコイルバネ95Bとを有している。回動部材95Aの上面は、反転ローラ67のローラ軸67Aに当接する当接面95Eになっている。第2付勢機構95の前側に設けられた第2傾斜面92Eは、第1傾斜面92Cと同様の傾斜状態になっている。
左側のスライド部材90Aの前側の端部には、連結部96が設けられている。連結部96は、左右のスライド部材90A及び90B同士を連結する操作レバー(図示せず)に連結されている。右側のスライド部材90Bは、連結部96の構成のみが異なっていること以外はスライド部材90Aと同様の構成になっている。
左側のスライド部材90Aの連結部96は、第2付勢機構95の前側に連続して設けられたスイッチ用カム部96Aと、スイッチ用カム部96Aの前側に連続して設けられた連結本体部96Bとを有している。連結本体部96Bには、操作レバー(図示せず)が係合している。
スイッチ用カム部96Aは、スライド部材90Aのスライド位置を検出するために設けられた第1被検知体(図示せず)が当接するカム面になっている。第1被検知体は、上下方向7に沿って長い帯板状をしており、その下端部がスイッチ用カム部96Aのカム面に当接している。第1被検知体の上部は、スイッチ用カム部96Aの上方に設けられた第1センサ(図示せず)にて検知されるようになっている。
図4に示されるように、右側のスライド部材90Bにおける連結部96は、スイッチ用カム部96Aが設けられずに、連結本体部96Bの上面と上下方向7において同じ位置の平坦な上面を有する平板状に構成されている。
操作レバーによって、それぞれの連結部96同士が連結された左右のスライド部材90A及び90Bは、操作レバーが前後方向8にスライド操作されることによって、一体となって前後方向8にスライドされる。
<スライド部材90A及び90Bによる作用>
スライド部材90A及び90Bは、通常、後側にスライドされた位置(以下、「第1スライド位置」とする)になっており、このような第1スライド位置では、第2搬送経路34を構成する第1搬送ローラ対59、第2搬送ローラ対44、反転ローラ対45のそれぞれは、記録用紙12を搬送することができる状態になっている。
すなわち、第1状態においては、図10(A)に示されるように、第1付勢機構94では、回動部材94Aの当接面94Eに当接した第2搬送ローラ62のローラ軸62Aが、コイルバネ94Bの付勢力によって、上方に押し上げられている。これにより、第2搬送ローラ62が対向ローラ63に圧接されている。また、第2付勢機構95では、回動部材95Aの当接面95Eに当接した反転ローラ67のローラ軸67Aが、コイルバネ95Bの付勢力によって、上方に押し上げられている。これにより、反転ローラ67が反転対向ローラ68に圧接されている。
さらに、第1スライド位置では、スライド部材90A及び90Bにおけるそれぞれのスライドカム部93では、最も前側の第1カム面93A上にプラテン付勢機構79におけるバネホルダ79Bの下面79Sが当接した状態になっている。このような状態では、バネホルダ79Bは、上側の回動位置(第1回動位置)になっており、バネホルダ79Bに支持されたコイルバネ79Aは、ホルダ支持体42Hを上方に付勢している。これにより、プラテン42は、上方に回動された状態になっており、プラテン42に設けられた位置決め部材42Jが、左側面フレーム47に設けられた規制部材47Gに当接している。このような状態では、プラテン42の上面は、記録部24に接近した位置において水平な状態(第1状態)になっている。
このようなプラテン42の第1状態で、給送トレイ20から記録用紙12が搬送されると、第1搬送ローラ対59によって第2搬送経路34を搬送される記録用紙12は、プラテン42の上方に移動される。このとき、プラテン本体42A上に記録用紙12が搬送されると、記録用紙12は、当接部材80における当接部81Aによって、プラテン本体42Aにおける当接領域42Fに押し付けられる。このとき、当接領域42Fの左右の両側には前後方向8に沿ったリブ42Eがそれぞれ設けられているために、当接部81Aが当接する位置は、リブ42Eに記録用紙12が当接する位置よりも、記録部24から離れた下側になっている。これにより、記録用紙12における当接部81Aによって当接領域42Fに押し付けられる部分は、下側に突出するように湾曲した状態になる。このように、当接領域42Fにおける左右の両側の各リブ42Eと、当該当接領域42Fに対向する当接部81Aとの協働により、記録用紙12は湾曲状態とされる。
当接部材80を通過した記録用紙12は、プラテン42上における所定位置に停止されて、記録部24により画像が記録される。
以上のようなプラテン42の第1状態において、例えば、第2搬送経路34にジャムが生じた場合、或いは記録用紙12に代えてCD等の記録媒体にプリントする場合等には、第2搬送経路34が下側に広がるように、操作レバーが前方にスライド操作される。これにより、スライド部材90A及び90Bは一体となって前向きにスライドされる。なお、操作レバーを設けずに、それぞれのスライド部材90A及び90Bが個別にスライド操作される構成としてもよい。
この場合、スライド部材90A及び90Bにおけるそれぞれのスライドカム部93では、バネホルダ79Bの下面79Sがスライドカム部93の第2カム面93Bに当接して、バネホルダ79Bは、コイルバネ79Aの付勢力により下向きに回動される。
バネホルダ79Bが第2カム面93Bに沿って下降すると、第2カム面93Bに対するバネホルダ79Bの当接部分が、下面79Sから傾斜面79Tに変化する。その後は、バネホルダ79Bの傾斜面79Tが第2カム面93Bに摺接するために、バネホルダ79Bは、第2カム面93Bに沿って円滑に下降しつつ、下向きに回動される。この場合、バネホルダ79Bの下向きの回動により、コイルバネ79Aがプラテン42を上向きに付勢する力が弱まり、バネホルダ79Bが下向きに回動するにつれて、プラテン42は徐々に下降する。
その後、図10(B)に示されるように、バネホルダ79Bの下面79Sが、スライドカム部93の第3カム面93Cに当接した状態になる。これにより、バネホルダ79Bの下方への回動が停止する。このような状態では、バネホルダ79Bにおける係合アーム部79Gの係合部79Mは、保持部42Kよりも上方に位置しており、係合部79Mは、位置決め部材42Jの保持部42Kとは係合していない。このような状態では、プラテン42は、記録部24から離間した状態(第2状態)になっている。
この場合、第1付勢機構94及び第2付勢機構95においては、第2搬送ローラ62のローラ軸62A及び反転ローラ67のローラ軸67Aは、回動部材94A及び95Aの当接面94E及び95Eに対して後側に移動する。これにより、回動部材94A及び95Aがローラ軸62A及び67Aから離間し、ローラ軸62A及び67Aは、スライド部材90Aに設けられた第1傾斜面92Cを摺接する。その後、ローラ軸62A及び67Aが、スライド部材90Aの第1平坦面92Bに当接した状態になる。スライド部材90Aがこのようスライド位置(第2スライド位置)になると、第2搬送ローラ62及び反転ローラ67は、対向ローラ63及び反転対向ローラ68のそれぞれから所定の距離だけ離間した状態になる。
なお、バネホルダ79Bは、スライド部材90A及び90Bのそれぞれが、左側面フレーム47及び右側面フレーム48のガイド板47M及び48Mから取り外されると、コイルバネ79Aの付勢力によって下方に回動される。これにより、バネホルダ79Bにおける係合アーム部79Gの係合部79Mが位置決め部材42Jの保持部42Kと係合した状態になる。その結果、バネホルダ79Bは、プラテン42に対して所定の位置に保持される。
[実施形態の効果]
本実施形態では、スライド部材(スライドカム)90Aのスライドカム部93によってバネホルダ(回動部材)79Bの回動方向を、プラテン42が記録部24から離間した第2状態から記録部24に接近した第1状態に変位する方向に等しくなっている。これにより、第1回動位置になったバネホルダ79Bを付勢するコイルバネ(弾性部材)79Aに、プラテン42を付勢する方向とは異なる方向に向かう力が加わることが抑制される。
また、プラテン42を第1状態から第2状態にするために、スライド部材90Aがスライドされると、バネホルダ79Bは、スライドカム部93の平坦な第1カム面93Aから、傾斜状態の第2カム面93Bに当接する。これにより、バネホルダ79Bが円滑に回動し、プラテン42を円滑に第1状態から第2状態に回動させることができる。
さらに、バネホルダ79Bは、第2カム面93Bに摺接する傾斜面(摺接部)79Tを有するために、バネホルダ79Bは、より一層円滑に回動する。
また、第1状態のプラテン42に搬送される記録用紙12に当接部材80が当接されると、プラテン42が、コイルバネ(弾性部材)79Bによって適切に付勢されているために、当接部材80は、プラテン42上の記録用紙12を適切な押圧力によって押圧することができる。
さらに、プラテン42には、記録用紙12の搬送向きと直交する幅方向に間隔をあけた状態で、それぞれが記録部24側に突出する一対のリブ(突出部)42Eが設けられており、当接部材80は、一対のリブ42Eの間において記録用紙12に当接して一対のリブ42Eとの協働により記録用紙12を湾曲させるために、プラテン42上の記録用紙12を、適切な湾曲状態とすることができる。
また、当接部材80は、リブ42Eにおける記録用紙12の当接位置よりも記録部24から離れた位置にて記録用紙12に当接するために、プラテン42上の記録用紙12を、確実に所望の湾曲状態にすることができる。
さらに、プラテン42よりも記録用紙12の搬送向きの下流側に配置された第2搬送ローラ62のローラ軸62Aに、プラテン42が回動可能に支持されているために、プラテン42を支持するための特別な部材を設ける必要がなく、コンパクトな構成とすることができる。
さらにまた、第2搬送ローラ62が、対向ローラ(従動ローラ)63に対して、スライド部材(スライドカム)90Aに設けられた第1付勢機構94によって接近および離間され、反転ローラ67が、反転対向ローラ(従動ローラ)68に対して、スライド部材90Aに設けられた第2付勢機構95によって接近および離間される。従って、スライド部材90Aのスライドによる記録部24に対するプラテン42の接近および離間に連動して、第2搬送ローラ62及び反転ローラ67を、対向ローラ63及び反転対向ローラ68に対して接近および離間させることができる。
さらに、 コイルバネ79A及びバネホルダ79Bは、プラテン42における左右の両側にそれぞれ設けられており、それぞれのバネホルダ79Bに対向してスライド部材90A及び90Bが設けられているために、プラテン42における左右の両側部分がコイルバネ79Aによって安定的に付勢される。
また、プラテン42は、コイルバネ79Aに付勢されたバネホルダ79Bを所定位置に保持する保持部42Kが設けられているために、バネホルダ79Bを所定位置に保持することができる。
プラテン42および当接部材80は、両者の協働によって、記録用紙12を波打った状態とする構成である必要はない。例えば、プラテン42はリブ42Eが設けられていない構成であってもよい。或いは、当接部材80の当接部81Aをリブ42Eよりも上側に位置させる構成であってもよい。この場合には、当接部81Aによって、記録用紙12がプラテン12から浮き上がることを抑制することができる。
24・・・・記録部
34・・・・第2搬送経路
42・・・・プラテン
42E・・・リブ(突出部)
47G・・・規制部材
42J・・・位置決め部材
42K・・・保持部
62・・・・第2搬送ローラ(搬送ローラ)
62A・・・ローラ軸
63・・・・対向ローラ(従動ローラ)
67・・・・反転ローラ
65・・・・第2搬送対向ローラ
79・・・・プラテン付勢機構
79A・・・コイルバネ(弾性部材)
79B・・・バネホルダ(回動部材)
79G・・・係合アーム部
79M・・・係合部
79T・・・傾斜面(摺接部)
80・・・・当接部材
81A・・・当接部
90A・・・スライド部材(スライドカム)
93・・・・スライドカム部
93A・・・第1カム面
93B・・・第2カム面
93C・・・第3カム面

Claims (10)

  1. 被記録媒体に画像を記録する記録部と、
    被記録媒体を支持する支持面を有し、上記記録部に対向して配置されており、第1状態、及び上記第1状態よりも上記記録部から離れた第2状態に変位するプラテンと、
    上記第1状態のプラテンと当接して、当該プラテンが上記第1状態から上記記録部側へ移動することを規制する規制部材と、
    上記プラテンに回動可能に設けられており、第1回動位置、及び当該第1回動位置よりも回動先端側が上記支持面から離れた第2回動位置へ回動可能な回動部材と、
    上記プラテンに設けられており、上記回動部材を上記第2回動位置側へ付勢する弾性部材と、
    上記回動部材を上記第1回動位置として上記弾性部材の付勢により上記プラテンを上記第1状態とする第1スライド位置、及び上記回動部材を上記第2回動位置として上記プラテンを上記第2状態とする第2スライド位置へスライド可能なスライドカムと、を備える画像記録装置。
  2. 上記スライドカムは、上記第1スライド位置において上記回動部材に当接して当該回動部材の回動を規制する第1カム面と、当該第1カム面に対して傾斜しており、上記第1スライド位置から上記第2スライド位置へのスライドに伴って上記回動部材に当接して当該回動部材を上記第1回動位置から上記第2回動位置へ回動させる第2カム面と、を備える請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 上記回動部材は、上記第1回動位置から上記第2回動位置へ回動するときに上記スライドカムの上記第2カム面に摺接する摺接部を有する請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 上記第1状態のプラテンに対向して配置されており、上記第1状態のプラテン上に被記録媒体としてシートが搬送される場合に、当該シートに当接する当接部材をさらに有する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
  5. 上記プラテンは、上記シートの搬送向きと直交する幅方向に間隔をあけた状態で、それぞれが上記記録部側に突出する一対の突出部を有し、
    上記当接部材は、上記幅方向において上記一対の突出部の間において上記シートに当接して上記一対の突出部との協働により当該シートを湾曲させる請求項4に記載の画像記録装置。
  6. 上記当接部材は、上記突出部における上記シートの当接位置よりも上記記録部から離れた位置にて上記シートに当接する請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 上記プラテンよりも被記録媒体の搬送向きの下流側に配置された搬送ローラをさらに有し、
    上記プラテンは、上記搬送ローラの軸に回動可能に支持されている請求項1から6のいずれかに記載の画像記録装置。
  8. 上記搬送ローラに対向しており、当該搬送ローラに対して接近および離間可能な従動ローラをさらに有し、
    上記スライドカムは、上記第1スライド位置において上記搬送ローラの軸を支持して上記搬送ローラを上記従動ローラに当接させ、上記第2スライド位置において上記第1スライド位置より上記搬送ローラの軸を上記従動ローラから離間する向きへ移動させた状態に保持して上記搬送ローラを上記従動ローラから離間させる請求項7に記載の画像記録装置。
  9. 上記弾性部材および上記回動部材は、上記プラテンにおける上記幅方向の両側にそれぞれ設けられており、
    上記スライドカムは、上記幅方向と直交する方向において上記回動部材のそれぞれに対向して設けられている請求項1から8のいずれかに記載の画像記録装置。
  10. 上記プラテンは、上記弾性部材にて付勢された上記回動部材を上記第2回動位置よりも上記記録部から離れた所定位置に保持する保持部が設けられている請求項1から9のいずれかに記載の画像記録装置。
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