JP2016063181A - 光電変換素子、太陽電池及びこれらの製造方法 - Google Patents

光電変換素子、太陽電池及びこれらの製造方法 Download PDF

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直之 中川
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聡一郎 芝崎
広貴 平賀
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ひとみ 斉藤
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Mutsuki Yamazaki
六月 山崎
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Abstract

【課題】 実施形態は、変換効率の高い光電変換素子及び太陽電池を提供することを目的とする。【解決手段】 実施形態の光電変換素子は、下部電極と、下部電極上に、Ib元素と、IIIb元素と、VIb元素とを含むカルコパイライト構造を有する半導体薄膜を光吸収層として備え、光吸収層の平均結晶粒径が1.5μm以上であり、IIIB族元素は、GaとAlのどちらか一方又は両方からなることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

実施形態は、光電変換素子、太陽電池及びこれらの製造方法に関する。
半導体薄膜を光吸収層として用いる光電変換素子の開発が進んできており、中でもカルコパイライト構造を有するp型の半導体層を光吸収層とする光電変換素子は高い変換効率を示し、応用上期待されている。具体的にはCu−In−Ga−Se(CIGS)からなるCu(In,Ga)Seを光吸収層とする光電変換素子において、高い変換効率が得られている。また、カルコパイライト型の化合物半導体の構成元素を選択することで、バンドギャップ(Eg)を大きく変調することができる。
一般的に、Cu−In−Ga−Seから構成されるp型半導体層を光吸収層とする光電変換素子は、基板となる青板ガラス上に下部電極、p型半導体層、n型半導体層、透明電極、上部電極、反射防止膜が積層された構造を有する。高効率のCIGS薄膜太陽電池では、p型半導体層の上部透明電極近傍をn型ドーピングしたホモ接合構造も提案されており、n型ドーピングはp型半導体層を蒸着法等により成膜した後、溶液中での処理が行われる。
高効率なCIGS太陽電池は、光吸収層がCIGSの定比から若干III族過剰組成を有するp型半導体薄膜で得られる。作製法としては、多元蒸着法、特に3段階法が用いられる。3段階法では1段階目にIn,Ga,Seを蒸着して(In,Ga)2Se3膜を形成し、次にCuとSeのみを供給して膜全体の組成をCu過剰組成にし(2段階目)、最後に再びIn,Ga,Seフラックスを供給して(3段階目)、膜の最終組成が(In,Ga)過剰組成にする。2段目で一旦Cu−Se過剰組成とすることで、Cu−Se液相を介して、結晶が大粒径化し、光吸収層のバルク欠陥が低減する。光吸収層の構成元素がIII族元素としてInを含まず、Al乃至Gaで構成される場合、Al及びGaの拡散係数が、Inに比べて小さいため、3段階法での成膜では、光吸収層の大粒径化が困難であり、バルク欠陥が増大する。
特開2005−228975号公報
実施形態は、変換効率の高い光電変換素子及び太陽電池を提供することを目的とする。
実施形態の光電変換素子は、下部電極と、下部電極上に、Ib元素と、IIIb元素と、VIb元素とを含むカルコパイライト構造を有する半導体薄膜を光吸収層として備え、光吸収層の平均結晶粒径が1.5μm以上であり、IIIB族元素は、GaとAlのどちらか一方又は両方からなることを特徴とする。
実施形態にかかる光電変換素子の断面概念図である。 実施形態にかかる多接合型光電変換素子の断面概念図である。 実施例1にかかる光電変換素子の光吸収層を含む断面SEM画像である。 実施例1にかかる光電変換素子のSIMS分析結果である。 比較例1にかかる光電変換素子の光吸収層を含む断面SEM画像である。 比較例1にかかる光電変換素子のSIMS分析結果である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。
(薄膜太陽電池)
図1の概念図に示す本実施形態に係る光電変換素子100は、基板1と、基板1上に形成された下部電極2と、下部電極2上に形成されたp型半導体層3aとn型半導体層3bがホモ接合した光吸収層3と、光吸収層3上に形成された透明電極4と、透明電極4上に形成された上部電極5と、上部電極5上に形成された反射防止膜6と、を備える光電変換素子100である。光吸収層3のp型半導体層3aは、光吸収層3の下部電極2側であり、n型半導体層3bは光吸収層3の上部電極4側である。光電変換素子100は具体的には、太陽電池が挙げられる。実施形態の光電変換素子100は、図2の多接合型光電変換素子の断面概念図様に、別の光電変換素子200と接合することで多接合型とすることができる。光電変換素子100の光吸収層は、光電変換素子200の光吸収層よりもワイドギャップであることが好ましい。光電変換素子200の光吸収層は、例えば、Siを用いたものである。
(基板)
実施形態の基板1としては、青板ガラス等のNaを含有したガラスを用いることが望ましく、ステンレス、Ti又はCr等の金属板又はポリイミド等の樹脂を用いることもできる。
(下部電極)
実施形態の下部電極2は、光電変換素子100の電極であって、基板1上に形成された金属膜或いは導電性の酸化物膜である。下部電極2としては、MoやW等の導電性の金属膜あるいはITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化ケイ素や酸化錫などを含む透明導電膜を用いることができる。下部電極2としては、ITO上にSnO乃至はTiO薄膜を堆積した積層膜であってもよい。また、基板1からの不純物拡散を抑制するために、ITOと基板1の間にSiOの極薄膜を挿入することが好ましい。下部電極2の最表面は、Moであることが好ましく、Mo極薄膜と透明導電膜の積層構造であってもよい。具体的には、積層構造の下部電極2は、Mo/SnO/ITO/SiO、Mo/SnO/TiO/ITO/SiO、Mo/TiO/SnO/ITO/SiO、Mo/TiO/ITO/SiOが挙げられる。下部電極2がMoやW等の金属膜の時、下部電極2の膜厚は、例えば500nm以上1000nm以下である。また、下部電極2が積層構造の時、各層の膜厚は、例えば、Moは5nm、SnOは100nm、TiOは10nm、ITOは150nm、SiOは10nmである。Mo薄膜表面には、一部、光吸収層の構成元素である元素X(元素XはS,Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)との化合物Mo−Xが形成されていることが、光吸収層とオーミック接触となることから好ましい。
(光吸収層)
実施形態の光吸収層3は、光電変換素子100の光電変換層であって、p型化合物半導体層3aとn型化合物半導体層3bがホモ接合した半導体層である。光吸収層3としては、Ib族元素、IIIb族元素とVIb族元素を含み、IIIb族元素として、Inを含まない、例えばCGS(CuGaSe)、AGS(CuGaSe)、CAGS((Cu,Ag)GaSe)AGSS(CuGa(Se,S))やAAGS(Ag(Al,Ga)Se)といったカルコパイライト構造を有する化合物半導体層を用いることができる。Ib族元素としては、Cu又はAgを少なくとも含むことが好ましい。IIIb族元素としては、Ga、AlとGa及びAlのいずれかからなることが好ましい。従って、CIGS光吸収層に含まれるInは実施形態の光電変換素子100の光吸収層のカルコパイライト構造を有する化合物には含まれない。VIb族元素としては、O,S,Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素が好ましく、Se又はSを少なくとも含むことがより好ましい。また、Ib族元素、IIIb族元素とVIb族元素の組み合わせを調整し、バンドギャップEgを1.68≦Eg(eV)≦2.0とすることで、短波長の光を効率よく吸収することができ、タンデム構造のトップセルとしての用途が広がる。
具体的には、光吸収層3として、CuGaSe、AgGaSe、(Ag,Cu)GaSe、CuGa(Se,S)、AgGa(Se,S)、(Ag,Cu)Ga(Se,S)、CuAlSe、AgAlSe、(Ag,Cu)AlSe、CuAl(Se,S)、AgAl(Se,S)、(Ag,Cu)Al(Se,S)、Cu(Ga,Al)Se、Ag(Ga,Al)Se、(Ag,Cu)(Ga,Al)Se、Cu(Ga,Al)(Se,S)、Ag(Ga,Al)(Se,S)、(Ag,Cu)(Ga,Al)(Se,S)等の化合物半導体を使用することができる。
実施形態の光吸収層3は、下部電極2側がp型化合物半導体で、透明電極4側がn型化合物半導体である。光吸収層3の膜厚は、例えば、1000nm以上3000nm以下である。例えば、p型化合物半導体層3aの厚さは、1500nm以上2500nm以下が好ましく、n型化合物半導体層3bの厚さは、50nm以上500nm以下が好ましい。
また、光吸収層3の平均結晶粒径は、光吸収層内部での生成キャリアの再結合を抑制するために、1.5μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがさらに好ましい。この平均結晶粒径は光吸収層3の膜厚以下である。これは、光吸収層3の膜厚方向で結晶粒界が多いと、生成キャリアの再結合の抑制効果が低下してしまうためである。IIIb族元素としてInを用いない場合であっても、新規な3段階法を採用することで、大粒径の光吸収層3を得ることができる。
光電変換素子100の断面SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)像と、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折法)測定による結晶粒マップと結晶粒分布チャートから光吸収層3の平均結晶粒径を知ることができる。光吸収層3の20,000倍での断面SEM観察と、その領域に対するEBSD測定から平均結晶粒径を見積もった。SEM及びEBSD測定では、光電変換素子100の中央部を含む膜厚方向の断面を観察する。平均結晶粒径を求める場合、光吸収層3の断面幅方向で10分割して、各領域において光吸収層3の下部電極2側から光吸収層3の膜厚の1/4にある視野の粒子を観察し、各領域の平均結晶粒径を測定する。そして、測定した各領域の平均結晶粒径の最大値と最小値を除く8つの数値の平均値から、光吸収層3の平均結晶粒径を求める。
また、光吸収層3中でのIIIb族元素の濃度分布はSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry:二次イオン質量分析法)分析を用いて求める。光吸収層3の3段階法による成膜で、第1段目の成膜前に、Cu乃至Agと、Se乃至Sを堆積することで(第0段階目)、IIIb元素の相互拡散が容易となり光吸収層3中の濃度分布幅範囲が狭くなる。SIMS分析は、光電変換素子100の中央部を膜厚方向に向かって分析する。光吸収層3中の膜厚方向でのGa濃度は、形式的にSIMSの二次イオン強度比で求める。二次イオン強度は、それぞれの界面から光吸収層3側へ200nm以上内側の値を用いる。光吸収層3中のGaの二次イオン強度の最大値IMAXと最小値IMINを求め、IMIN/IMAXを求める。実施形態の光電変換素子100では、Inを含まなくともGaが良く拡散しているため、IMIN/IMAX≧0.7を満たす。
次に実施形態の光吸収層3の製造方法について説明する。
実施形態の光吸収層3は、その前駆体であるp型半導体層を下部電極2上に形成し、透明電極4が形成される側のp型半導体層の領域をn型化した層である。p型半導体層の形成方法としては、2段階目と3段階目の間に急冷工程を有する蒸着法(3段階法)を発展・進化させた方法が挙げられる。実施形態の新規な3段階法は、200℃以上400℃以下に加熱した下部電極2上に、Ib族元素とVIb族元素を堆積する第1の工程(第0段階目)と、第1の工程に次いで、第1の工程でIb族元素とVIb族元素が堆積された部材にIIIb族元素とVIb族元素を堆積する第2の工程(第1段階目)と、第2の工程に次いで、第2の工程でIIIb族元素とVIb族元素が堆積された部材を450℃以上550℃以下に加熱して、Ib族元素とVIb族元素を堆積する第3の工程(第2段階目)と、第3の工程に次いで、第3の工程でIb族元素とVIb族元素が堆積された部材を400℃以下まで冷却し、IIIb族元素とVIb族元素を堆積する第4の工程(第3段階目)とを有する。また、第2の工程と第3の工程の間に、第2の工程でIIIb族元素とVIb族元素が堆積された部材にIb族元素とVIb族元素を堆積する第5の工程(第1.5段階目)を有し、第3の工程において、Ib族元素とVIb族元素を、第5の工程でIb族元素とVIb族元素が堆積された部材に堆積してもよい。
新規な3段階法では、まず、基板(基板1に下部電極2が形成された部材)温度を200℃以上400℃以下に加熱し、Ib族元素として、例えば、Cu又はAgと、VIb族元素として、例えば、Se又はSを堆積し(第0段階目)、IIIb族元素として、例えば、Ga又はAlと、VIb族元素として、例えば、Se又はSを堆積する(第1段階目)。さらに必要に応じて、再度、Ib族元素として、例えば、Cu又はAgと、VIb族元素として、例えば、Se又はSを堆積する(第1.5段階目)。
その後、基板温度を450℃以上550℃以下まで加熱し、Ib族元素として、例えば、Cu又はAgと、VIb族元素として、例えば、Se又はSを堆積する。吸熱反応の開始を確認し、一旦、Ib族元素であるCu又はAgが過剰の組成でCu又はAgの堆積を停止する(第2段階目)。
堆積停止直後、基板を自然急冷、又は、窒素乃至アルゴン等の不活性ガスを局所的に噴射することで急冷し、基板温度を400℃以下まで冷却する。急冷後、再びIIIb族元素として、例えば、Ga又はAlと、VIb族元素として、例えば、Se又はSを堆積する(第3段階目)ことで、若干、Ga又はAlのIIIb族元素過剰組成にする。
IIIb族元素としてInを含む光吸収層3では、従来の3段階法で光吸収層3を堆積することで、光吸収層3が大粒径化し、生成キャリアの再結合が抑制される。これは、InとCuの相互拡散が容易で、Cu―Se液相を介して大粒径化が促進されるためである(第2段階目)。一方で、IIIb族元素として、Inを含まず、Ga又はAlと、Se又はS等のVIb族から成る光吸収層3は、Ga又はAlと、CuやAgの相互拡散が困難であるために小粒径と成り易い。第1段階目のGa又はAlと、Se又はSを堆積する前、乃至は途中で、Cu又はAgと、Se又はSを堆積することで、Ga又はAlと、Cu又はAgの拡散距離が短くなり、その後、第2段階目以降を継続して行うことにより、IIIb族元素としてInを含まない光吸収層3であっても、大粒径化が可能となる。Inを含まないカルコパイライト構造を有する化合物半導体層からなる光電変換層を従来の3段階法で作製した場合は、IIIb族元素の拡散性が悪いため、大粒径化(平均結晶粒径が1.5μm以上)することができず、また、IMIN/IMAX≧0.7を満たすこともできない。新規な3段階法では、上記の第0段階目と第1.5段階目の工程を有するため、IMIN/IMAX≧0.7を満たすことができる。Cu又はAgとSe又はSの化合物は、融点が低く、高温で堆積が難しい。そこで、第0段階目と第1.5段階目では、基板温度を200℃から400℃とすることが好ましい。
光吸収層3の下部電極2側は、上記製造方法で、結晶を大粒径化する。第2段階目の堆積終了後の急冷により、光吸収層3の透明電極4側は、小粒径、又はアモルファスとなる。また、急冷し、低温で第3段階目の成膜を行うことで、Ib族元素であるCu又はAgの拡散が抑制され、光吸収層3の透明電極4側は、急冷を行わない時と比較して、Cu又はAg空孔が多く存在することになる。Cu又はAg空孔が多い部材にn型ドーピングを行うと、多くのn型ドーパントが、Cu又はAg空孔サイトに侵入することで、n型ドーパントの多いn型半導体として機能するため好ましい。p型半導体層の形成後、CdやZnなどのn型ドーパントを含んだ溶液(例えば硫酸カドミウム)を用い、液相でドープすることによってp型半導体層の一部をp型からn型化することができる。p型半導体層を一部n型化することによって、p型化合物半導体層3aとn型化合物半導体層3bが接合したホモ接合型の光吸収層3になる。ドーピングを行う場合は、透明電極4が形成される側のn型ドーパント濃度が高濃度になるように処理を行う。n型ドーパントのドーピング後は、水で試料を洗い乾燥させてから次の工程を行うことが好ましい。
(透明電極)
実施形態の透明電極4は太陽光のような光を透過し尚且つ導電性を有する膜である。透明電極4は、例えば、アルミナ(Al)を2wt%含有したZnO:Al又はジボランからのBをドーパントとしたZnO:Bを用いることができる。なお、透明電極4と光吸収層3との間には、保護層の役割を担う半絶縁層としてi−ZnOを例えば20nm以上100nm以下程度の厚さで形成してもよい。透明電極4は、スパッタリング等によって、成膜することができる。
(上部電極)
実施形態の上部電極5は、光電変換素子100の電極であって、透明電極4上に形成された金属膜である。上部電極5としては、Al、Ag又はAu等を用いることができる。さらに、透明電極4との密着性を向上させるために、Ni又はCrの堆積膜上に、Al、Ag又はAu等を設けてもよい。上部電極5の膜厚は、例えば、300nm以上1000nm以下である。上部電極5は、例えば、抵抗加熱蒸着法で堆積することができる。上部電極4は、必要に応じて省略してもよい。
(反射防止膜)
実施形態の反射防止膜6は、光吸収層3へ光を導入しやすくするための膜であって、透明電極4上に形成されている。反射防止膜6としては、例えば、MgFを用いることが望ましい。反射防止膜6の膜厚は、例えば、90nm以上120nm以下である。反射防止膜6は、例えば、電子ビーム蒸着法により成膜することができる。反射防止膜6は、必要に応じて省略してもよい。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
基板1として青板ガラスを用い、スパッタ法により裏面電極2となるMo薄膜を700nm程度堆積する。スパッタは、Moをターゲットとし、Arガス雰囲気中でRF200W印加することにより行った。裏面電極2となるMo薄膜堆積後、光吸収層3となるCuGa0.74Al0.26Se薄膜を新規な3段階法により堆積した。まず、基板温度を300℃に加熱し、Cuと、Seを堆積する(第0段階目)。引き続き、Ga及びAlと、Seを堆積する(第1段階目)。その後、基板温度を500℃まで加熱し、Cuと、Seを堆積する。吸熱反応の開始を確認し、一旦、Cuが過剰の組成でCuの堆積を停止する(第2段階目)。堆積停止直後、基板を自然急冷し、基板温度を400℃まで冷却する。急冷後、再びGa及びAlと、Seを堆積する(第3段階目)ことで、若干、Ga又はAlのIIIb族元素過剰組成にする。光吸収層3の膜厚は2000nm程度とし、光吸収層の小粒径層の膜厚は200nm程度とした。
得られた光吸収層3の一部をn型化するため、光吸収層3まで堆積した部材を0.8mMの硫酸カドミウム溶液に浸し、80℃で22分反応させた。これにより光吸収層3bの表面側100nm程度にCdがドーピングされたn型半導体層3bが形成される。このn型半導体層3b上に保護膜となる半絶縁層i-ZnO薄膜をスピンコートにより堆積した。続いて、この保護膜上に、透明電極4となるアルミナ(Al)を2wt%含有するZnO:Alを1μm程度堆積した。さらに、上部電極5として、Alを抵抗加熱で堆積した。膜厚は300nm程度とした。最後に反射防止膜6としてMgFを電子ビーム蒸着法により100nm程度堆積した。これにより実施形態の光電変換素子100を作製した。
得られた光電変換素子100の光吸収層3の平均結晶粒径を測定した。平均結晶粒径は、上記した方法で図3に示す断面SEM像から測定した。平均結晶粒径は、1500nmであった。Ga及びAl濃度は、SIMS分析を行いSIMSのカウント数から求め、光吸収層3中のIIIb族元素の濃度を求め、その最大値、最小値を求めた。実施例1のSIMS分析結果を図4に示す。
開放端電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子FFを測定し、変換効率ηを得た。ソーラーシミュレータによりAM1.5の擬似太陽光照射下で、電圧源とマルチメータを用い、電圧源の電圧を変化させ、擬似太陽光照射下での電流が0mAとなる電圧を測定して開放端電圧(Voc)を得て、電圧を印加しない時の電流を測定して短絡電流密度(Jsc)を得た。
(実施例2)
光吸収層3のIIIb族元素がGaのみから成ること以外は実施例1と同じ方法で光吸収層3となるCuGaSe薄膜を新規な3段階法により堆積して光電変換素子を作製した。そして、実施例1と同様に平均結晶粒径と変換効率を求めた。
(実施例3)
光吸収層3のVIb族元素がSe及びSから成ること以外は実施例2と同じ方法で光吸収層3となるCuGaSe0.580.42薄膜を新規な3段階法により堆積して光電変換素子を作製した。そして、実施例1と同様に平均結晶粒径と変換効率を求めた。
(実施例4)
第0段階目として、基板温度300℃で、Cuと、Seを堆積する工程に加えて、第1段階目のGaと、Seを堆積する工程の途中で、再度、Cuと、Seを堆積する工程を行うこと(第1.5段階目)以外は実施例3と同じ方法で光吸収層3となるCuGaSe0.580.42薄膜を新規な3段階法により堆積して光電変換素子を作製した。そして、実施例1と同様に平均結晶粒径と変換効率を求めた。
(実施例5)
光吸収層3のIb族元素がAgから成ること以外は実施例1と同じ方法で光吸収層3となるCuGa0.74Al0.26Se薄膜を新規な3段階法により堆積して光電変換素子を作製した。そして、実施例1と同様に平均結晶粒径と変換効率を求めた。
(実施例6)
光吸収層3のIb族元素がAgから成ること以外は実施例2と同じ方法で光吸収層3となるCuGaSe薄膜を新規な3段階法により堆積して光電変換素子を作製した。そして、実施例1と同様に平均結晶粒径と変換効率を求めた。
(実施例7)
光吸収層3のIb族元素がAgから成ること以外は実施例3と同じ方法で光吸収層3となるAgGaSe0.820.18薄膜を新規な3段階法により堆積して光電変換素子を作製した。そして、実施例1と同様に平均結晶粒径と変換効率を求めた。
(実施例8)
第0段階目として、基板温度300℃で、Agと、Seを堆積する工程に加えて、第1段階目のGaと、Seを堆積する工程の途中で、再度、Agと、Seを堆積する工程を行うこと(第1.5段階目)以外は実施例7と同じ方法で光吸収層3となるAgGaSe0.820.18薄膜を新規な3段階法により堆積して光電変換素子を作製した。そして、実施例1と同様に平均結晶粒径と変換効率を求めた。
(比較例1−6)
光吸収層3の成膜で第1段階目のGa乃至Alと、Se乃至Sを堆積する工程の前に、Cu乃至Agと、Se乃至Sを堆積する(第0段階目)工程を行わないこと以外は実施例1乃至6と同じ方法で光電変換素子を作製した。そして、実施例1と同様に平均結晶粒径と変換効率を求めた。比較例1の平均結晶粒径は、上記した方法で図5に示す断面SEM像から測定した。Ga及びAl濃度は、SIMS分析を行いSIMSのカウント数から求め、光吸収層3中のIIIb族元素の濃度を求め、その最大値、最小値を求めた。比較例1のSIMS分析結果を図6に示す。
実施例、比較例の各光電変換素子の変換効率(η=Voc・Jsc・FF・100[%])を下記表に示す。なお、平均結晶粒径は有効数字1桁に丸めた値である。また、第0段階目を行ったものをA、第0段階目と第1.5段階目を行ったものをB、第0段階も第1.5段階目も行っていないものをCと表記した。
光吸収層3の3段階法による成膜で、第1段目の成膜前に、Cu乃至Agと、Se乃至Sを堆積することで(第0段階目)、Ga乃至Alと、Ag乃至Cuとの相互拡散が容易になり、液相を介して大粒径化が促進され、バルク欠陥が低減されることにより、変換効率が改善した。Ib族元素との相互拡散の速度は、In>>Ga>Alであるため、Al量が増えるにつれて、大粒径化が困難になるが、実施例に挙げた工程で光吸収層3を堆積することにより、大粒径化を可能とした。比較例では、IIIb族元素の拡散が困難となり、光吸収層が2層に分離していることが確認された。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…基板、2…下部電極、3…光吸収層、3a…p型半導体層、3b…n型半導体層、4…透明電極、5…上部電極、6…反射防止膜、100…光電変換素子、200…光電変換素子


Claims (8)

  1. 下部電極と、
    前記下部電極上に、Ib元素と、IIIb元素と、VIb元素とを含むカルコパイライト構造を有する半導体薄膜を光吸収層として備え、
    前記光吸収層の平均結晶粒径が1.5μm以上であり、
    前記IIIB族元素は、GaとAlのどちらか一方又は両方からなることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記光吸収層の膜厚方向での前記IIIb族元素濃度の最小値をIMINとし、最大値をIMAXとする時、前記IMINとIMAXは、IMIN/IMAX≧0.7を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記Ib族元素は、CuとAgのどちらか一方又は両方を含み、
    前記VIb族元素は、SeとSのどちらか一方又は両方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換素子を用いてなる太陽電池。
  5. 200℃以上400℃以下に加熱した下部電極上に、Ib族元素とVIb族元素を堆積する第1の工程と、
    前記第1の工程に次いで、前記第1の工程でIb族元素とVIb族元素が堆積された部材にIIIb族元素とVIb族元素を堆積する第2の工程と、
    前記第2の工程に次いで、前記第2の工程でIIIb族元素とVIb族元素が堆積された部材を450℃以上550℃以下に加熱して、Ib族元素とVIb族元素を堆積する第3の工程と、
    前記第3の工程に次いで、前記第3の工程でIb族元素とVIb族元素が堆積された部材を400℃以下まで冷却し、IIIb族元素とVIb族元素を堆積する第4の工程とを有し、
    前記VIb族元素は、GaとAlのどちらか一方又は両方からなることを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  6. 前記第2の工程と前記第3の工程の間に、前記第2の工程でIIIb族元素とVIb族元素が堆積された部材にIb族元素とVIb族元素を堆積する第5の工程を有し、
    前記第3の工程において、Ib族元素とVIb族元素を、前記第5の工程でIb族元素とVIb族元素が堆積された部材に堆積することを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 前記Ib族元素は、CuとAgのどちらか一方又は両方を含み、
    前記VIb族元素は、SeとSのどちらか一方又は両方を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 前記請求項5乃至7のいずれか1項に記載の方法によって光電変換素子を製造したことを特徴とする太陽電池の製造方法。


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