JP2012235022A - 光電変換素子および太陽電池 - Google Patents

光電変換素子および太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い変換効率の光電変換素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 実施形態の光電変換素子は、Cuと、Al、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つのIIIb族元素と、O、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも一つのIVb族元素を含みカルコパイライト型構造を有するp型光吸収層を、n型化合物半導体層と裏面電極との間に具備し、前記IIIb族元素と前記Cuとのモル比であるIIIb族/Cuモル比が、前記n型化合物半導体層との界面側から前記裏面電極側の界面に向かって減少する傾斜組成部を前記p型光吸収層の少なくとも一部に有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、光電変換素子および太陽電池に関する。
例えば、太陽電池において、半導体薄膜を光吸収層として用いる化合物薄膜光電変換素子の開発が進んできており、Ib族、IIIb族とVIb族から構成されカルコパイライト構造をもつ化合物半導体の中で、Cu、In、Ga及びSeから成るCu(In,Ga)Se、いわゆるCIGSを光吸収層とした薄膜太陽電池等の光電変換素子が注目されている。その変換効率を向上させるために、結晶成長の促進や欠陥低減による膜質向上など様々な試みがなされており、その一つにバンドギャップ分布形成技術がある。バンドギャップ分布は、CIGS光吸収層の膜厚方向でGaとInの組成比を変化させることで形成される。CIGSでGaとInの組成比を変化させると、Ga組成比が多い組成でバンドギャップが広くなり、In組成比が多い組成でバンドギャップが狭くなる。GaとInの組成比の変調によるバンドギャップの調整では、主に伝導体レベルが変化するため、CIGS光吸収層の裏面電極側のGa組成比を高く、CIGS光吸収層表面のGa組成比を低くすることで、内部電界が生じ、光励起されたキャリアは裏面電極側からpn接合界面方向へと移動し、キャリア吸収効率が向上する。光電変換素子の光吸収層では、pn接合界面側で短波長の光を吸収し、裏面電極側で長波長の光を吸収する。しかしながら、GaとInの組成比の変化によるバンドギャップ分布の形成では、主に伝導体レベルが変化し、価電子帯レベルはほとんど変化しないため、pn接合界面側でバンドギャップが狭く、裏面電極側でバンドギャップが広くなるなり、取り込める光の波長がpn接合界面側のバンドギャップで制限され、効率的に光吸収できない。
また、バンドギャップは同じ構成元素で、Ib族、IIIb族とVIb族の構成比を変えることでも変化させることができる。カルコパイライト構造中のIb族元素をIIIb族元素に置き換え、さらにI族元素を取り除いた空孔配列型カルコパイライト(OVC)構造とすることで、カルコパイライト構造をもつ化合物半導体に比べて、IIIb族/Ib族モル比及びバンドギャップは共に大きくなる。さらに、OVC構造とすることで、伝導体レベル及び価電子帯レベルが共に真空準位から深くなる。VIb族元素がSから成るカルコパイライト薄膜光電変換素子で、p型光吸収層とn層間にIIIb族/Cuモル比が、p型光吸収層よりも大きな中間層を形成し、光吸収層と中間層界面で生ずる電界によるドリフトで光照射により生成した少数キャリアを高速に移動させ、キャリアの再結合を抑制している。しかしながら、中間層内での伝導体レベル及び価電子帯レベルが平坦であり、生成したキャリアが再結合しやすく、さらに、p型光吸収層内部で長波長の光により生成したキャリアを効果的に移動させることが困難である。
特開平8−97451号公報
実施形態は、高い変換効率の光電変換素子および太陽電池を提供することを目的とする。
実施形態の光電変換素子は、Cuと、Al、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つのIIIb族元素と、O、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも一つのIVb族元素を含みカルコパイライト型構造を有するp型光吸収層を、n型化合物半導体層と裏面電極との間に具備し、前記IIIb族元素と前記Cuとのモル比であるIIIb族/Cuモル比が、前記n型化合物半導体層との界面側から前記裏面電極側の界面に向かって減少する傾斜組成部を前記p型光吸収層の少なくとも一部に有することを特徴とする。
また、他の実施形態の太陽電池は、前記実施形態の光電変換素子を用いてなることを特徴とする。
実施形態の光電変換素子の概念図である。 実施形態の光吸収層の膜厚方向でのIIIb族/Cu組成(モル)比の変化を示す概念図である。 実施形態の光吸収層の膜厚方向でのバンドギャップの変化を示す概念図である。 実施形態のCu−In−Te薄膜のフェルミ準位、伝導帯下端及び価電子帯上端を示す模式図である。 実施形態のIn/Cu=3のターゲットを用いてスパッタ成膜したCu−In−Te薄膜の表面SEM像である。 実施形態のIn/Cu=1のターゲットを用いてスパッタ成膜したCu−In−Te薄膜の表面SEM像である。 実施例と比較例の短絡電流密度をまとめた図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1の概念図に示す光電変換素子10は、基板11と、前記基板上に設けられた裏面電極12と、前記裏面電極12上に設けられた第1の取り出し電極13と、前記裏面電極12上に設けられた光吸収層14と、前記光吸収層14上に設けられたバッファー層15(15a、15b)と、前記バッファー層15上に設けられた透明電極層16と、前記透明電極層16上に設けられた第2の取り出し電極17と、前記透明電極層16上に設けられた反射防止膜18とを少なくとも備えている。
実施形態の光吸収層(p型)14は、Cuと、Al、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つのIIIb族元素と、O、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも一つのVIb族元素からなり、その構成元素の種類は光吸収層14全領域で同じであることが好ましく、結晶構造はカルコパイライト構造若しくは空孔配列型カルコパイライト構造を有することが望まれる。光吸収層14の少なくとも一部に傾斜組成部が含まれることが好ましい。
なお、実施形態において、カルコパイライト構造と空孔配列型カルコパイライト構造は、それぞれを別に説明している場合を除き、両者をカルコパイライト構造として記載する。
ここで、傾斜組成部とは、断面膜厚方向の直線上で、n型化合物半導体層との界面と裏面電極との界面を10等配分した11点で測定したIIIb族/Cuモル比が変化する領域である。実施形態において、11点のIIIb族/Cuモル比変化によって、傾斜の形態を判断する。n型化合物半導体層とのpn界面側から裏面電極との界面に向かって、IIIb族/Cuモル比が減少すると価電子帯上端(VBM)に傾斜ができ、キャリアが移動しやすくなり、キャリアの再結合を抑制しやすくなることが好ましい。傾斜が逆方向であると、pn界面でのキャリアの移動度は上がらないため、好ましくない。IIIb族/Cuモル比が常に減少(連続的変化)する形態であると、キャリアが停滞することなく移動できるという理由により望ましく、一部変化しない(断続的変化)平坦領域があることは許容される。なお、逆にpn界面から裏面電極に向かってIIIb族/Cuモル比が増える領域が含まれると、その領域内でキャリアの移動が阻害されてしまうため好ましくない。この逆の領域は、不可避的な場合を除いて含まれないことが好ましい。
キャリアの再結合を抑制する観点から、傾斜組成部が断面膜厚方向の直線上に、2部以上少なくともあることが好ましい。また、同じ観点から、対数関数又は反比例関数型又はその類似型の曲線又は略曲線を描くように、光吸収層14のpn界面側から、裏面電極12側に向かって減少する傾斜組成部が1部以上含まれることが好ましい。
IIIb族/Cuモル比の組成分析は断面SEM/EDX測定測定の点分析(SEM:走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope)、EDX:エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy))で行う。測定は、光電変換素子10の中心で行う。IIIb族/Cuモル比は、光電変換素子10の中心部分をへき開し、断面膜厚方向の同一深度の5点平均値である。5点の定め方は、2万倍の断面SEM像を観察し、その断面SEM像を膜厚方向と直交する方向に5等分割し、分割された領域の中心点とする。この中心点を膜厚方向に上記の11点測定をし、III族b/Cuモル比の変化量を測定する。n型化合物半導体層との界面及び裏面電極との界面は、断面SEM/EDX測定でn型化合物半導体層及び裏面電極の構成成分が含まれないp型化合物半導体の測定位置として定義する。
さらに、図2のグラフに示すように、n型化合物半導体層との界面でのIIIb族/Cuモル比をx1、p型光吸収層の層厚方向の中心点でのIIIb族/Cuモル比をx2(t/2)、裏面電極との界面でのIIIb族/Cuモル比をx3(t)とすると、キャリア再結合抑制の観点から、少なくともx1≧x2≧x3を満たすことが好ましく、x1>x2>x3を満たすことがより好ましい。IIIb族/Cuモル比が大きい(例えば1より大きい)と、フェルミ準位がVBMから離れる。また、IIIb族/Cuモル比が比較的小さい(例えば1)と、前者よりもフェルミ準位がVBMに近づく。従って、Cuに対してIIIb族過剰領域では、キャリアの再結合の確率が高いため、このpn界面近傍の領域においてキャリアの移動度を上げることが好ましい。そこで、x1,x2とx3は、(x1−x2)>(x2−x3)であることがより好ましい。
また、図3に示すようにIIIb族/Cuモル比が大きいと、VBMが小さくなりバンドギャップが大きく、IIIb族/Cuモル比が小さいと、VBMが大きくバンドギャップが小さくなる。n型化合物半導体層との界面での光吸収層のバンドギャップをEg1、p型光吸収層の層厚の中心点でのバンドギャップをEg2、裏面電極との界面での光吸収層のバンドギャップをEg3とした時、(Eg1−Eg2)>(Eg2−Eg3)であることがより好ましい。これにより、短波長の光はpn接合界面側で吸収し、長波長の光は裏面電極側で吸収することになり、効率的なバンドギャップ分布を形成していると言える。
以下、CuとInとTeから成る光吸収層を例に特徴を述べる。
図4にCuとInとTeを構成元素とする半導体薄膜のフェルミ準位Eと伝導体下端(CBM)と価電子帯上端(VBM)を示す。In/Cuモル比を大きくすると、CBM及びVBM共に真空準位から離れる方向に変化するため、In/Cuモル比をn型化合物半導体層との界面側から裏面電極側の界面に向かって減少する傾斜組成部を少なくともその一部に形成する。それにより、光励起により生成した電子はpn接合界面方向へ移動し、ホールは裏面電極方向へ移動することになる。一方で、In/Cuモル比が大きい薄膜では、フェルミ準位が、VBMから離れるため、pn接合界面を形成すると、In/Cuモル比が小さい薄膜に比べて、界面でのキャリアの再結合が起こりやすくなる。また、図5と図6の表面SEM像を比較すると、In/Cuモル比が小さい薄膜では、結晶粒径が小さくなっており、それに伴って、結晶粒界が増え、キャリア再結合中心になりやすくなる。このpn接合界面近傍でのキャリア再結合は、In/Cuモル比の変化により、光励起で生成したホールをpn接合界面から早く移動させることにより低減できる。
また、図4からわかるように、pn界面から裏面電極方向に光吸収層のIn/Cu比を大きくすることで、(Eg1−Eg2)>(Eg2−Eg3)を満たすことも上述の理由により好ましい。
以下、光電変換素子に用いる光吸収層14以外の構成について説明する。
基板11としては、青板ガラスを用いることが望ましく、ステンレス、Ti又はCr等の金属板あるいはポリイミド等の樹脂を用いることもできる。
裏面電極12としては、MoやW等の導電性の金属膜を用いることができる。その中でも、Mo膜を用いることが望ましい。
取り出し電極13,17としては、例えば、Al、Ag或いはAu等の導電性の金属膜を用いることができる。さらに、透明電極15との密着性を向上させるために、Ni或いはCrを堆積させた後、Al、Ag或いはAuを堆積させてもよい。
バッファー層15としては、CdS、Zn(O,S,OH)或いはMgを添加したZnOを用いることができる。光吸収層14であるカルコパイライト型化合物半導体はp型半導体として、CdSあるいはZnO:Mgに代表されるバッファー層15aはn型半導体として、ZnOに代表されるバッファー層15bはn型層として機能すると考えられる。pn接合界面で伝導帯不連続量(CBO)ΔEcを誘起するようにバッファー層15aの材料を選定することによりキャリアの再結合を低減できる。
透明電極層16は太陽光などの光を透過し、尚且つ導電性を有することが必要であり、例えば、アルミナ(Al)を2wt%含有したZnO:Al或いはジボランからのBをドーパントとしたZnO:Bを用いることができる。
反射防止膜18としては、例えば、MgFを用いることが望ましい。
図1の光電変換素子10の製造方法としては、以下の方法を例として挙げる。
なお、下記の製造方法の一例であり、適宜変更しても構わない。従って、工程の順序を変更してもよいし、複数の工程を併合してもよい。
[基板に裏面電極を成膜する工程]
基板11上に、裏面電極12を成膜する。成膜方法としては、例えば、導電性金属よりなるスパッタターゲットを用いたスパッタ法等の薄膜形成方法が挙げられる。
[裏面電極上に光吸収層を成膜する工程]
裏面電極12を堆積後、光吸収層14となる化合物半導体薄膜を堆積する。なお、裏面電極12には光吸収層14と第1の取り出し電極13を堆積するため、第1の取り出し電極13を堆積する部位を少なくとも除く裏面電極12上の一部に光吸収層14を堆積する。成膜方法として、Cuと、IIIb族元素及びVIb族元素をスパッタ法で、独立に原料供給する。IIIb族/Cuモル比が裏面電極側から大きくなるように出力を調整することで、傾斜組成を形成することができる。IIIb族/Cuモル比が調整可能であれば、3元ではなく、2元同時スパッタでもよい。キャリアの移動度を早くし、キャリアの再結合を抑制するためには、出力の調整回数が少なくとも2回以上であることが好ましく、その回数が多いことは好ましい。出力変化を連続的に行い、IIIb族/Cuモル比が直線的又は曲線的に変化するように出力調整することも好ましい。その際、VIb族元素は欠損と成らないように供給過多にしてもよい。スパッタするためのエネルギー出力を大きく変化させて、組成変調範囲を広げるため、Cu及びIIIb族元素は、高エネルギーでスパッタすることができるDCスパッタが好ましい。VIb族元素の供給方法はスパッタ法に限らず、蒸着法により供給することもできる。
[光吸収層上にバッファー層を成膜する工程]
得られた光吸収層14の上にバッファー層15a,bを堆積する。
バッファー層15aの成膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)、液相プロセスの化学析出(CBD)法などが挙げられる。
バッファー層15bの成膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)などが挙げられる。
[バッファー層上に透明電極を成膜する工程]
続いて、バッファー層15b上に、透明電極16を堆積する。
成膜方法としては真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)などが挙げられる。
[裏面電極上と透明電極上に取り出し電極を成膜する工程]
第1の取り出し電極13を裏面電極12上の光吸収層が成膜された部位を少なくとも除く部位に堆積する。
第2の取り出し電極17を透明電極16上の反射防止膜が成膜される部位を少なくとも除く部位に堆積する。
成膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
第1と第2の取り出し電極の成膜は、1工程で行ってもよいし、それぞれ、別の工程として、任意の工程の後に行ってもよい。
[透明電極上に反射防止膜を成膜する工程]
最後に透明電極16上の第2の取り出し電極17が成膜された部位を少なくとも除く部位に反射防止膜18を堆積する。
成膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
上記の工程を経て、図1の概念図に示した光電変換素子を作製する。
光電変換素子のモジュールを作製する場合、基板に裏面電極を成膜する工程の後、レーザーにより裏面電極を分断する工程、さらには光吸収層上にバッファー層を成膜する工程及びバッファー層上に透明電極を成膜する工程の後、それぞれメカニカルスクライブにより試料を分割する工程を挟むことにより集積化が可能となる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
基板11として青板ガラス基板を用い、スパッタ法により裏面電極12となるMo薄膜を700nm程度堆積した。スパッタは、Moをターゲットとし、Arガス雰囲気中でRFで200W印加することにより行った。
裏面電極12となるMo薄膜堆積後、光吸収層14となるCu−In−Te薄膜を2μm程度堆積した。成膜中の基板温度は550℃とした。Cu、In及びTeのターゲットを用い、三元同時スパッタで成膜を行った。Arガス雰囲気中でCuターゲット用のRF出力を200Wから100Wに単調に変化させ、その他の二つのターゲットの出力は200Wに固定した。
得られた光吸収層14の上にバッファー層15aとしてMgを添加したZnO薄膜を50nm程度堆積した。成膜はRFスパッタを用いたが、界面でのプラズマダメージを考慮して、50Wの出力で行った。このバッファー層15a上にバッファー層15bとして、ZnO薄膜を堆積し、続いて、透明電極16となるアルミナ(Al)を2wt%含有するZnO:Alを1μm程度堆積した。取り出し電極13、17として、Alを蒸着法にて堆積した。膜厚はそれぞれ100nm及び300nmとした。最後に反射防止膜18としてMgFをスパッタ法により堆積することにより、光吸収層のIn/Cu比が裏面電極側から単調に増加した光電変換素子を得た。
ソーラーシミュレータによりAM1.5の擬似太陽光照射下で、電圧源とマルチメータを用い、電圧を印加しない時の電流を測定して短絡電流密度(Jsc)を得た。
(実施例2)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、RF出力を下げる過程を10回行うこと以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
(実施例3)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、RF出力を下げる過程を5回行うこと以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
(実施例4)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、RF出力を下げる過程を3回行うこと以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
(実施例5)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、RF出力を下げる過程を2回行うこと以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
(比較例1)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、RF出力を下げる過程を1回だけ行うこと以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
(比較例2)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wに固定すること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
(比較例3)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を100Wに固定すること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
(比較例4)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を100Wから200Wまで単調に変化させること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
(実施例6)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、成膜後半のRF出力の変化速度を成膜前半のRF出力の変化速度の2倍とすること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。p型光吸収層とn型化合物半導体層との界面でのp型光吸収層のIIIb族/Cuモル比をx1、p型光吸収層の層厚の1/2でのIIIb族/Cuモル比をx2、裏面電極との界面でのIIIb族/Cuモル比をx3とした時、x1=2.8、x2=1.7、x3=1.1であった。
(実施例7)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、成膜後半のRF出力の変化速度を成膜前半のRF出力の変化速度の3倍とすること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。p型光吸収層とn型化合物半導体層との界面でのp型光吸収層のIIIb族/Cuモル比をx1、p型光吸収層の層厚の1/2でのIIIb族/Cuモル比をx2、裏面電極との界面でのIIIb族/Cuモル比をx3とした時、x1=2.8、x2=1.6、x3=1.2であった。
(実施例8)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、成膜後半のRF出力の変化速度を成膜前半のRF出力の変化速度の5倍とすること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。p型光吸収層とn型化合物半導体層との界面でのp型光吸収層のIIIb族/Cuモル比をx1、p型光吸収層の層厚の1/2でのIIIb族/Cuモル比をx2、裏面電極との界面でのIIIb族/Cuモル比をx3とした時、x1=2.9、x2=1.4、x3=1.1であった。
(比較例5)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Cuターゲット用のRF出力を200Wから100Wまで変化させる過程で、成膜前半のRF出力の変化速度を成膜後半のRF出力の変化速度の2倍とすること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子を製造した。
図7に実施例1から8及び比較例1から5でCu−In−Te薄膜を成膜したときの膜厚方向のVBMの形状を示す。図中の◎、○、△、×は、短絡電流密度の良し悪しを示す。◎から×に向けて、短絡電流密度が低下する。
実施例1〜5では、VBMの傾斜部が2箇所以上あり、キャリア(ホール)の移動度を早くし、キャリアの再結合を抑制する効果があるが、比較例1では、VBMの傾斜部が1箇所しかなく、キャリア(ホール)移動が不十分である。
光励起により生成されたキャリア(ホール)は、pn接合界面側から裏面電極側へ移動する。その時、VBMは右肩上がりに変化することが望ましい。実施例1では、VBMが右肩上がりに変化しているのに対し、比較例4では、VBMは逆向きに変化しており、キャリア(ホール)の移動を妨げるため好ましくない。比較例2及び3では、VBMは変化せず、キャリア(ホール)の移動度が低いため、再結合確率が増大するため好ましくない。
実施例6〜8では、界面再結合が起こりやすいpn接合界面近傍からキャリア(ホール)を早く遠ざけることができるVBMの形状でより好ましい。一方、比較例5では、逆にpn接合界面近傍でのキャリア(ホール)移動が遅いVBMの形状となり、再結合確率が増大するため好ましくない。
本発明の光電変換素子を太陽電池に用いることにより、変換効率の高い太陽電池を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定解釈されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、変形例の様に異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い
10…光電変換素子、11…基板、12…裏面電極、13…第1の取り出し電極、14…光吸収層、15a…バッファー層、15b…バッファー層、16…透明電極層、17…第2の取り出し電極、18…反射防止膜

Claims (5)

  1. Cuと、Al、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つのIIIb族元素と、O、S、Se及びTeからなる群より選ばれる少なくとも一つのIVb族元素を含みカルコパイライト型構造を有するp型光吸収層を、n型化合物半導体層と裏面電極との間に具備し、前記IIIb族元素と前記Cuとのモル比であるIIIb族/Cuモル比が、前記n型化合物半導体層との界面側から前記裏面電極側の界面に向かって減少する傾斜組成部を前記p型光吸収層の少なくとも一部に有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記p型光吸収層のIIIb族/Cuモル比が、前記n型化合物半導体層との界面でのIIIb族/Cuモル比をx1、前記p型光吸収層の層厚の1/2でのIIIb族/Cuモル比をx2、前記裏面電極との界面でのIIIb族/Cuモル比をx3とした時、(x1−x2)>(x2−x3)であることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. 前記p型光吸収層のバンドギャップが、前記n型化合物半導体層との界面でのバンドギャップをEg1(eV)、前記p型光吸収層の層厚の1/2でのバンドギャップをEg2(eV)、前記裏面電極との界面でのバンドギャップをEg3(eV)とした時、(Eg1−Eg2)>(Eg2−Eg3)であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の光電変換素子。
  4. Cuと、Al、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素と、O乃至Teを含みカルコパイライト型構造のp型光吸収層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 請求項1乃至請求項4いずれか1項記載の光電変換素子を用いてなることを特徴とする太陽電池。
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