まず、実施例1に係る営業店システムによる統合ATMシステム84を利用した他の金融機関への振込処理の概要を、図1を用いて説明する。図1は、金融機関Aの営業店に来店した顧客が、金融機関Dの預金口座に対する振込処理に係るシステムの関係及び振込処理時のデータの流れの概要を示す図である。
金融機関Aは、顧客の入力を受け付けて振込依頼書を出力する電子記帳機30及び振込依頼書を受け付けて振込取引の実行や、為替集中処理システム81に振込取引の実行依頼を行う営業店端末50を含む営業店システムと、振込の処理を集中的に行う集中センタに配置される為替集中処理システム81と、金融機関の預金口座の元帳を管理して営業店端末50から受け付けた各種取引の実行要求に応じた処理を実行する勘定系システム80とが含まれる。
また、管理する主体が金融機関A以外の関連するシステムとしては、金融機関A以外の勘定系システム85と、金融機関間の振込の実行に係るデータ通信を行う全国銀行データ通信システム83と、他の金融機関の口座に係る名義人の情報の照会を仲介する統合ATMシステム84とがある。
まず、金融機関Aの営業店に来店した顧客は、(a)に示すように電子記帳機30に振込先の金融機関名、店舗名、科目、口座番号、振込金額、依頼人名などの情報を入力することによって、振込依頼書の作成を行う。顧客は、(a)で作成した振込依頼書を窓口の担当者に渡すことによって、(b)に示す振込依頼を行う。窓口で振込依頼書を受け付けた担当者は、営業店端末50に接続された図示しないイメージスキャナ56で振込依頼書の画像を読み取らせる。営業店端末50は、読み取った振込依頼書の画像に含まれる振込の依頼内容を文字認識によって取得する。
営業店端末50は、振込先が他の金融機関である場合には、振込先の口座が存在するか否かを確認する旨の指示を受け付けて、勘定系システム80及び統合ATMシステム84を経由して振込先として指定された金融機関Dの勘定系システム85に対して、振込先の金融機関名、店舗名、科目及び口座番号の情報を含む(c)に示す振込先口座の確認要求の電文を送信する。また、営業店端末50は、振込先口座の確認要求の電文の応答として指定した振込先の口座が存在しない旨の振込先口座確認応答を受付けたならば、画面にその旨の表示を行う。このような場合に、窓口担当者は、まだ営業店内で待機している顧客に対して振込依頼書の誤りを指摘することができるので、容易に正しい振込先の情報を取得することができる。
また、営業店端末50は、振込先口座の確認要求の電文の応答として指定した振込先の口座が存在して、当該振込先口座の名義人名などの情報を含む振込先口座確認応答を受付けたならば、受け付けた名義人名と、振込依頼書に記載された受取人との整合性の確認ができるように画面に表示する。営業店端末50は、このようにして振込依頼書に記載された振込先の指定が正しいことを確認した上で、(e)に示す振込依頼書に基づく振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信する。
勘定系システム80は、営業店端末50から(e)に示した金融機関Dへの振込取引の実行要求を受け付けたならば、受け付けた振込取引の実行要求に基づいて、全国銀行データ通信システム83を介して、金融機関Dに対して(f)に示す振込先及び振込金額を含む振込実行の電文を送信することによって、顧客から受け付けた振込を実行する。
また、営業店端末50は、(e)に示す振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信する代わりに、(g)に示す振込依頼書の画像データ、振込依頼書の画像データに基づく文字認識などによって取得した振込に係る情報を含む振込依頼情報を為替集中処理システム81に送信することも可能である。
為替集中処理システム81は、(g)に示した振込依頼情報を受け付けたならば、(h)に示すように振込依頼情報に基づく振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信する。勘定系システム80は、(h)に示した金融機関Dへの振込取引の実行要求を受け付けたならば、営業店端末50から(e)に示した振込取引の実行要求を受け付けた場合と同様、受け付けた振込取引の実行要求に基づいて、全国銀行データ通信システム83を介して、金融機関Dに対して(f)に示す振込先及び振込金額を含む振込実行の電文を送信することによって、顧客から受け付けた振込を実行する。
このように、営業店端末50は、イメージスキャナ56で振込依頼書の画像を読み取り、読み取った振込依頼書の画像に含まれる振込先の口座の情報を文字認識などによって取得し、統合ATMシステム84を経由して振込先の金融機関の勘定系システム85に振込先の口座の照会を行うことによって口座の有無を確認するようにした。また、口座が存在した場合には振込先の口座の照会で口座名義人の情報を取得して、振込依頼書に記載された受取人情報と比較できるように口座名義人を表示し、表示した内容での振込を行う旨の指示を受け付けたならば、振込依頼書に基づく振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信するようにしたので、金融機関において受け付けた振込依頼の振込先に誤りがないことを振込を実施する前に確認することができる。
次に、実施例1に係る営業店システムのシステム構成と営業店システムと通信によって接続される他のシステムとの関係を、図2を用いて説明する。
図2に示すように、金融機関内には営業店ごとに配置される複数の営業店システムと、金融機関の預金口座の元帳を管理して各種取引の実行要求を受け付けて、取引に応じた処理を実行するする勘定系システム80と、振込の処理を集中的に行う集中センタに配置される為替集中処理システム81とを有し、それらのシステムが金融機関ごとの専用通信回線82によって互いに接続されている。勘定系システム80は、全国銀行データ通信システム83及び統合ATMシステム84を経由して、他の金融機関の勘定系システム85と接続される。
全国銀行データ通信システム83は、日本国内の金融機関の勘定系システム85を通信回線で相互に接続して、日本国内の金融機関相互の為替取引をオンラインで処理が行えるようにしたシステムである。また、統合ATMシステム84は、日本国内の金融機関の勘定系システム80、85を通信回線で相互に接続して、金融機関名、店舗名、口座科目及び口座番号を含む口座の照会要求を受け付けたならば、指定の金融機関の勘定系システム85から金融機関名、店舗名、口座科目及び口座番号に対応する口座名義人名の情報を取得して、要求元に返信するサービスを提供するシステムである。
営業店システムは、顧客の来店目的などの入力を受け付けて番号札の発行若しくは電子記帳機30への誘導を行う受付機10と、伝票の作成処理を行う電子記帳機30と、顧客の依頼を受け付けて取引の実行要求を勘定系システム80などに送信する営業店端末50と、顧客の窓口への呼出操作などを行うためのテラーモニタ91と、テラーモニタ91の操作によって呼び出す顧客の受付番号の表示や呼び出しの音声出力を行う番号呼出装置92と、顧客の来店状況などを出力する役席モニタ90及びロビー端末93と、これらの装置とデータ通信を行ってデータの連携や処理の連携を行うサーバ20とを有する。受付機10、電子記帳機30及びロビー端末93は、営業店内で顧客が移動可能な範囲である顧客ゾーンに設置される。また、営業店端末50、役席モニタ90、テラーモニタ91及び番号呼出装置92は、営業店内で金融機関の従業員が移動可能で、顧客が入ることの制限されている行員ゾーンに設置される。なお、番号呼出装置92は、顧客ゾーンに設置されてもよい。
受付機10は、顧客の来店時に最初に本装置で来店の受付を行う。具体的には、顧客は、受付機10の表示操作部に表示される来店目的を選択する。受付機10は、顧客により入力された来店目的に基づいて、該来店目的に対応する窓口の種類と、伝票作成の要否とを判定する。受付機10は、伝票作成が不要と判定した場合には、来店目的に対応する窓口の種類に応じた受付番号を採番し、受付番号の印刷された番号札を番号札印刷部から発行する。また、受付機10は、伝票作成が必要と判定した場合には、番号札は発行せずに電子記帳機30への誘導を実施する。
また、受付機10は、金融カードを読み取ると当該カードから読み取った個人を特定する情報をサーバ20に通知して、サーバ20から当該顧客の顧客情報を入手する。受付機10は、該顧客情報から重要顧客と判定した場合は、サーバ20に重要顧客来店の旨を通知する。当該重要顧客来店の旨の通知を受け付けたサーバ20は、役席モニタ90及びロビー端末93に重要顧客来店の通知を行う。
電子記帳機30は、受付機10から誘導された顧客が伝票を作成するための機能を有する。電子記帳機30は、顧客の操作によって作成する伝票を判定し、当該伝票の項目を順番に画面に表示して、顧客に入力させる。そして、各項目に対する入力内容をサーバ20に登録する。また、電子記帳機30は、伝票の項目を画面から入力させるだけではなく、金融カードの情報を読み込んだり、通帳の磁気ストライプを読み込んで、読み込んだ内容を伝票の項目として、項目の入力の代替とすることもできる。また、顧客の持参した税金や公共料金などの納付帳票の帳票イメージを読み取って、読み取った帳票イメージに含まれる納付金額などの情報を文字認識して、該文字認識結果を伝票の項目として、項目の入力の代替とすることもできる。
また、電子記帳機30は、入力されたデータが記載された伝票を印刷することによって伝票を作成する。また、電子記帳機30は、伝票の作成が終了するとサーバ20で受付番号を採番して、受付番号の印刷された番号札を発行する。本実施例では、伝票と番号札は別々に出力されるものとしたが、受付番号などの番号札に印刷されている内容を伝票に印刷することによって、伝票作成を行った場合には番号札を発行しないものとしてもよい。
また、依頼する取引の種類や取引の内容によっては、窓口で本人確認が必要となる場合がある。窓口で本人確認を行う場合には、本人を確認する運転免許証などの本人確認書類の提示を受けて本人であることを確認する以外に、職業、取引目的、取引の種類及び顧客の氏名や住所などの情報を含む本人確認記録を作成しなければならない。電子記帳機30は、伝票の種類や伝票の項目に対する入力内容によって、窓口における本人確認が必要と判定した場合には、本人確認記録に必要な情報を受け付けて、本人確認記録を生成する。また、電子記帳機30は、生成した本人確認記録に出力した情報をサーバ20に送信して、サーバ20に本人確認記録に係る情報を登録する。
サーバ20は、顧客に係るデータを管理する。サーバ20は、受付機10及び電子記帳機30から店番、科目及び口座番号などの個人を特定するキー情報を指定した検索要求を受け付けると、管理する顧客に係るデータを検索して対応する顧客の情報を応答する。また、サーバ20は、電子記帳機30で作成した伝票に係るデータを管理する。また、サーバ20は、受付機10及び電子記帳機30で発行する番号札に印刷される受付番号の管理を行う。サーバ20は、受付機10及び電子記帳機30からの要求に基づいて受付番号の採番を行うとともに、発行した受付番号に対応する顧客の対応状況とを管理する。また、サーバ20は、重要顧客の来店を役席モニタ90に報知したり、受付機10や電子記帳機30で応対が必要な状態になっている場合は、顧客ゾーンのロビーマンの所持するロビー端末93に情報を通知する。
営業店端末50は、顧客からの取引の依頼内容を入力して、該依頼内容に応じた取引の実行要求を勘定系システム80に送信することによって、依頼内容に応じた取引を実行する。また、営業店端末50は、振込の取引の場合には、受け付けた振込依頼の取引の実行要求を勘定系システム80に送信することが可能である。また、営業店端末50は、振込の取引の場合には、振込依頼書の画像データなどを含む受け付けた振込依頼の情報を為替集中処理システム81に送信することによって、為替集中処理システム81に振込処理の実行を移管することも可能である。また、営業店端末50は、受け付けた振込依頼書に記載された振込先の口座の有無や、振込先の口座が存在した場合の振込先の口座の名義人を確認することができる。
次に、図2に示した電子記帳機30の実施例1に係る内部構成を説明する。図3は、電子記帳機30の実施例1に係る内部構成を示すブロック図である。電子記帳機30は、金融カードを読み込むためのカードリーダ33、通帳に付けられた磁気テープを読み込む通帳MSリーダ34、顧客が持参した帳票のイメージなどを読み込むイメージスキャナ35、電子記帳機30で作成した伝票を印字するプリンタ36、番号札を発行する番号札プリンタ37及び電子記帳機30を使用する顧客の顔画像を撮像するカメラ30aと接続される。本実施例では、伝票をプリンタ36で印刷し、番号札を番号札プリンタ37で印刷するものとしたが、プリンタ36で伝票及び番号札を印刷するものとしてもよい。若しくは、伝票に番号札に印刷されている内容を含めて印刷することによって番号札を印刷しないものとしてもよい。
また、電子記帳機30は、表示操作部31と、通信部32と、記憶部38と、制御部39とを有する。表示操作部31は、タッチパネルディスプレイなどであり、入力項目の表示、操作入力ボタンの表示、操作入力の受付を行う入出力部である。通信部32は、LAN等の通信網を介してサーバ20とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部38は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部38は、顧客データ38a、伝票イメージテンプレートデータ38b、伝票決定パラメータ38c、伝票項目データ38d、合成伝票イメージデータ38e及び本人確認記録データ38fを有する。
顧客データ38aは、カードリーダ33に金融カードが挿入されることなどによって取得した個人を特定する情報(例えば、店番、科目及び口座番号)でサーバ20の有する顧客の情報を検索して取得した、顧客に係る情報である。
伝票イメージテンプレートデータ38bは、電子記帳機30で作成対象の全ての伝票の種類数分存在し、それぞれの伝票の種類ごとに伝票のイメージデータと、伝票上の項目の位置と項目を識別する項目識別番号等とを有する。伝票決定パラメータ38cは、顧客の来店目的と伝票の種類との対応を規定したデータである。
伝票項目データ38dは、顧客が表示操作部31などで入力した、伝票の項目の入力情報である。合成伝票イメージデータ38eは、伝票イメージテンプレートデータ38bと伝票項目データ38dとを用い、未記入の伝票のイメージに顧客の入力した伝票項目の入力値を合成したイメージデータである。本人確認記録データ38fは、電子記帳機30で本人確認記録を作成時に生成され、サーバ20に送付した時点で消去される。
制御部39は、電子記帳機30の全体を制御する制御部であり、顧客データ管理部39a、伝票項目データ生成部39b、伝票印刷処理部39c、伝票項目データ送信部39d、番号札発行処理部39e、帳票イメージ処理部39f、本人確認記録生成部39g及び振込履歴管理部39hを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
顧客データ管理部39aは、カードリーダ33に金融カードが挿入されたり、通帳MSリーダ34で通帳の磁気ストライプの読取が行われた場合に、金融カード若しくは通帳の磁気ストライプから取得した情報(例えば、店番、科目及び口座番号)を指定してサーバ20に検索要求を行うことによって、サーバ20の有する顧客情報から来店した顧客に係る顧客情報を入手して、顧客データ38aに記憶する。
伝票項目データ生成部39bは、表示操作部31を使用して顧客の来店目的を入力させて、対応する伝票の種類を決定し、決定した伝票の項目を表示操作部31を使用して入力させることによって、伝票項目データ38dを生成する。伝票印刷処理部39cは、伝票イメージテンプレートデータ38bと伝票項目データ38dから、合成伝票イメージデータ38eを生成して、生成した合成伝票イメージデータ38eをプリンタ36で印刷することによって伝票の作成を行う。伝票項目データ送信部39dは、受付番号の採番後に採番した受付番号とともに、伝票項目データ38dをサーバ20に送信する。
また、伝票項目データ生成部39bは、複数枚の伝票を作成する場合には、先に作成した伝票に係る伝票項目データ38dを流用して、別の伝票の項目入力に反映することができる。例えば、同一の口座に対する入出金を行うような場合には、先の伝票の作成時には口座番号を表示操作部31の操作によって入力したとしても、後の伝票の作成時には先の伝票に対応する伝票項目データ38dに含まれる口座番号の情報を指定することによって同じ口座番号の入力を繰り返す必要はない。
また、伝票項目データ生成部39bは、振込依頼書の作成時には、サーバ20の管理している当該顧客の過去の振込履歴の情報を参照して、過去の履歴にある振込先であれば当該振込履歴を指定することによって、個別に金融機関名、店舗名、口座科目名、口座番号及び受取人名などの情報を指定することが可能である。
番号札発行処理部39eは、全ての伝票の作成及び全ての伝票項目データ38dのサーバ20への送信処理の終了後に、サーバ20に依頼することによって受付番号の採番を行い、受付番号の記載された番号札を番号札プリンタ37で発行する。複数の伝票の作成を行った場合についても受付番号は1つだけ採番し、該受付番号を記載した番号札を1枚発行する。
帳票イメージ処理部39fは、顧客の持ち込んだ帳票のイメージをイメージスキャナ35で取得して、取得した帳票イメージから対応する伝票の種類の判定と、帳票イメージからの文字認識によって伝票の項目の入力情報の生成に利用する。
本人確認記録生成部39gは、伝票項目データ生成部39bが生成した伝票項目データ38dの内容を含む本人確認要否判定要求をサーバ20に送信して、該本人確認要否判定要求の応答で本人確認が必要の旨の応答を受け付けた場合には本人確認記録に記載する情報の入力を受け付けて、受け付けた内容に基づいて本人確認記録データ38fを生成する。また、本人確認記録生成部39gは、生成した本人確認記録データ38fに基づいて本人確認記録票を印刷する。また、本人確認記録生成部39gは、受付番号の採番後に採番した受付番号とともに、本人確認記録データ38fをサーバ20に送信する。
振込履歴管理部39hは、伝票印刷処理部39cによる振込依頼書の作成に引き続いて、振込依頼書に記載した振込先の金融機関名、店舗名、科目、口座番号及び受取人名の情報と、振込依頼人の顧客番号とをサーバ20に振込履歴として登録する。
次に、図3に示した電子記帳機30の実施例1に係るデータ構成について、図4を用いて説明する。
顧客データ38aは、店番、科目コード、口座番号、顧客番号、顧客区分、顧客氏名、電話番号、生年月日及び住所などの情報を有する、図4の顧客データ38aの例は、店番が「0005」であり、科目コードが「01」であり、口座番号が「1234567」であり、顧客番号が「0123456789」であり、顧客区分が「一般」であり、顧客氏名が「鈴木 一郎」であり、電話番号が「03−1234−5678」であり、生年月日が「1985/4/15」であることを示している。
伝票イメージテンプレートデータ38bは、伝票の種類を示す伝票IDと、伝票項目情報と、該伝票IDに対応する伝票のイメージデータとをレコードの項目として有し、伝票IDをキーデータとするデータである。伝票項目情報は、伝票上にある顧客が記入すべき項目ごとに該項目の位置情報と該項目を識別する項目識別IDなどで構成されている。図4の伝票イメージテンプレートデータ38bの例は、伝票ID「003」に対応付けられる伝票の1つ目の項目の項目識別IDが「020」で、2つ目の項目の項目識別IDが「021」であるレコードが含まれていることを示している。
伝票決定パラメータ38cは、来店目的とそれに対応する作成すべき伝票の種類を示す伝票IDをレコードの項目として有する、複数のレコードから構成されるデータである。図11の伝票決定パラメータ38cの例は、来店目的が「入金」の場合には伝票IDが「001」の伝票を、来店目的が「出金」の場合には伝票IDが「002」の伝票を、来店目的が「振込」の場合には伝票IDが「003」の伝票を、来店目的が「税公金納付」の場合には伝票IDが「004」の伝票を作成しなければならないことを示している。
伝票項目データ38dは、受付枝番号と、来店目的の入力等で決定した伝票IDと、該伝票IDの伝票の項目情報をレコードの項目として有するデータである。伝票IDは、伝票の種類を示す識別情報で、伝票の項目情報は伝票IDが示す伝票の項目に対応する情報で、伝票の項目ごとの項目識別IDと項目値とを有する。図4の伝票項目データ38dの例は、受付枝番号が「001」に対応する伝票は、伝票IDが「003」の伝票の項目識別IDが「020」の項目の項目値が「日本」であり、項目識別IDが「021」の項目の項目値が「1」であるレコードが含まれていることを表している。
本人確認記録データ38fは、日付及び受付枝番号に関連付けた本人確認項目データなどをレコード項目とするデータである。本人確認項目データは氏名、職業、取引目的及び本人確認書類などの情報を有する。図4の本人確認記録データ38fの例は、日付が「2013/4/15」の、受付枝番号が「003」の伝票に関連付けられた本人確認項目データは、氏名が「スズキ イチロウ」で、職業が「会社員」で、取引目的が「借入金返済」で、本人確認書類が「運転免許証」であることを示すレコードが含まれることを表している。
次に、図2に示したサーバ20の実施例1に係る内部構成を説明する。図5は、サーバ20の実施例1に係る内部構成を示すブロック図である。図5に示すように、サーバ20は、入力部21及び表示部22と接続される。入力部21は、キーボードやマウス等であり、表示部22は、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
また、サーバ20は、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。通信部23は、LAN等の通信網を介して受付機10、電子記帳機30、役席モニタ90、テラーモニタ91、番号呼出装置92、ロビー端末93及び勘定系システム80とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部24は、顧客データ24a、受付番号状況データ24b、顧客滞留状況データ24c、伝票項目データ24d、振込履歴データ24e及び本人確認記録データ24fを有している。
顧客データ24aは、所定のタイミングで入手した金融機関での管理する顧客に関する情報を記憶したもので、顧客の属性や該顧客の有する口座の情報を含む。受付番号状況データ24bは、番号札の発行処理時に受付機10や電子記帳機30からの受付番号の採番要求によって生成されるデータで、該受付番号に対応する来店目的、誘導先の窓口及び当該受付番号の顧客の待ちの状況などの情報を有し、受付機10、電子記帳機30及びテラーモニタ91からの通知によって更新し、最新の状況を保持している。顧客滞留状況データ24cは、窓口の種類ごとの来店した顧客数や待ち人数の情報を有する。伝票項目データ24dは、全ての電子記帳機30で作成された伝票の情報を有している。この伝票項目データ24dは、電子記帳機30で作成された伝票の項目の入力情報を受付番号に対応付けたものである。
振込履歴データ24eは、電子記帳機30で振込依頼書が作成された時に、電子記帳機30から受け付けた振込先の金融機関名、店舗名、科目、口座番号及び受取人名の情報を登録したデータである。本人確認記録データ24fは、電子記帳機30で生成された本人確認記録データ38fを受け付けて、日付、受付番号及び受付枝番号に関連付けて本人確認記録内容を記録したデータである。
制御部25は、サーバ20の全体を制御する制御部であり、顧客データ検索部25a、受付番号管理部25b、行員報知部25c、伝票データ管理部25d、呼出処理部25e、振込履歴管理部25f及び本人確認記録管理部25gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
顧客データ検索部25aは、受付機10若しくは電子記帳機30から顧客を特定する情報(例えば、店番、科目コード及び口座番号)を指定されて検索要求を受け付けると、顧客データ24aを検索して対応する顧客の情報を返却する。
受付番号管理部25bは、受付機10若しくは電子記帳機30からの受付番号の採番要求によって、新たな受付番号を採番して、受付番号状況データ24bにレコードを追加登録を行う。また、受付番号管理部25bは、テラーモニタ91からの顧客を窓口への誘導を要求する窓口誘導要求を受け付けて、待っている顧客の窓口への誘導を行った場合には、受付番号状況データ24bに記憶されている該顧客に対応する受付番号の状況を処理中の状況に更新し、それまでその窓口で処理中の状況になっていた受付番号の状況を処理済みに更新する。
行員報知部25cは、役席モニタ90やロビー端末93などにメッセージの報知を行う。具体的には、受付機10若しくは電子記帳機30で重要顧客の来店を認識した場合に受付機10若しくは電子記帳機30から重要顧客来店の旨の通知を受けると、行員報知部25cは、役席モニタ90に重要顧客来店の旨のメッセージの報知を行う。また、顧客ゾーンで顧客の応対を行うロビーマンに対する指示や情報提供する場合には、行員報知部25cは、ロビーマンの所持するロビー端末93にメッセージの報知を行う。
伝票データ管理部25dは、電子記帳機30で作成した伝票に係るデータを管理する。具体的には、伝票データ管理部25dは、電子記帳機30で作成した伝票の項目の入力情報を含む登録要求を受け付けたならば、受け付けた情報を伝票項目データ24dに登録する。また、伝票データ管理部25dは、受付番号を含む検索要求を受け付けたならば、伝票項目データ24dから該受付番号に対応するデータを検索して返却する。また、伝票データ管理部25dは、受付番号及び該受付番号に対応する伝票の項目の入力情報の更新内容を含む更新要求を受け付けたならば、伝票データ管理部25dの該受付番号に対応するデータを指示された更新内容で更新する。
呼出処理部25eは、テラーモニタ91から窓口の種類を含む顧客の窓口への誘導の要求を受け付けると、受付番号状況データ24bから指定された種類の窓口への誘導を待っていることを示すデータの中で、受付時刻が最も早い受付番号に対応する顧客を窓口に誘導する。具体的には、番号呼出装置92の表示部に受付番号を表示して、番号呼出装置92の音声出力部で受付番号及び誘導先の窓口の番号などを音声出力する。
振込履歴管理部25fは、電子記帳機30から振込依頼人の顧客番号と、振込依頼書の作成に基づく振込履歴の情報とを受け付けたならば、受け付けた情報を振込履歴データ24eに登録する。また、振込履歴管理部25fは、顧客番号を含む振込履歴の検索要求を受け付けたならば、振込履歴データ24eを検索して、指定された顧客番号に関連付けて記憶されている振込履歴を返信する。
本人確認記録管理部25gは、電子記帳機30から送られてきた受付番号及び本人確認記録データ38fを本人確認記録データ24fに登録する。また、本人確認記録管理部25gは、電子記帳機30から本人確認要否判定要求を受け付けたならば、本人確認要否判定要求に含まれる伝票項目データ38dの内容に基づいて、該伝票項目データ38dが示す取引を行う場合に、本人確認が必要なのか否かの判定を行って判定結果を電子記帳機30に返信する。なお、本人確認記録管理部25gは、サーバ20内で判定ができない場合には、必要に応じて勘定系システム80に問い合わせを行う。
次に、図5に示したサーバ20の実施例1に係るデータ構成について、図6及び図7を用いて説明する。
図6に示すように、顧客データ24aは、顧客番号、顧客属性情報及び口座情報をレコードの項目として有するデータである。顧客番号は金融機関内で顧客を一意に特定することのできる番号である。顧客属性情報は、顧客区分、顧客氏名及び電話番号等の情報を有する。口座情報は、当該顧客番号に対応する顧客が有している口座の情報で、口座ごとに店番号、科目コード、口座番号を有する。図6の顧客データ24aの例は、顧客番号が「0123456789」の顧客は、顧客区分が「一般」で、顧客氏名が「鈴木 一郎」であり、電話番号が「03−1234−5678」であり、店番号が「0005」であり、科目コードが「01」であり、口座番号が「1234567」である口座を有していることを示している。
図6に示すように、受付番号状況データ24bは、受付番号、来店目的、受付日付、受付時刻、誘導先窓口種類、状況、顧客区分、店番号、科目コード及び口座番号をレコードの項目として有する。これらの項目のうち、受付番号はキー項目である。この受付番号は番号札発行時に採番される番号で、来店した顧客を一意に識別可能な番号である。来店目的はコード化されたデータであり、「1」は来店目的が入金であることを示し、「2」は来店目的が出金であることを示し、「3」は来店目的が振込であることを示し、「4」は来店目的が税公金納付であることを示し、「5」は来店目的が諸届であることを示し、「6」は来店目的がローンであることを示す。受付日付、受付時刻は番号札を発行した日付と時刻である。誘導先窓口種類は、来店目的によって判定された誘導先の窓口の種類であって、「1」はハイカウンタ、「2」はローカウンタ、「9」はATMであることを示す。状況は、当該レコードの受付番号の番号札を持った顧客の状況を示すデータであって、「1」はハイカウンタ待ち、「2」はハイカウンタで処理中、「3」はローカウンタ待ち、「4」はローカウンタで処理中、「9」は処理済であることを示す。顧客区分は、当該受付番号に対応する顧客が特定できた場合に書き込まれるデータであり、顧客データ24aの顧客属性情報の顧客区分に対応する。また、店番号、科目コード、口座番号は、受付機10や電子記帳機30で金融カード若しくは通帳MSが読み込まれた場合に書き込まれる情報で、当該受付番号の番号札を有する顧客の個人を特定して顧客情報を取得する場合に使用するデータである。
図6の受付番号状況データ24bの例は、受付番号「090」の番号札をもっている顧客は、利用目的が振込を示す「3」であり、受付日付が「2013/4/10」であり、受付時刻が「12:30」であり、誘導先窓口種類がハイカウンタを示す「1」であり、状況がハイカウンタ待ちを示す「1」であり、顧客区分が「一般」であり、店番が「0005」であり、科目コードが「01」であり、口座番号が「1234567」である口座を有することを示すレコードを含む。また、受付番号「510」の番号札をもっている顧客は、利用目的が諸届を示す「5」であり、受付日付が「2013/4/10」であり、受付時刻が「12:40」であり、誘導先窓口種類がローカウンタを示す「2」であり、状況がローカウンタで処理中を示す「4」であり、顧客区分は不明であり、当該顧客の有する口座の情報も不明であることを示すレコードを含む。
図6に示すように、顧客滞留状況データ24cは、電子記帳機30の待ち人数、処理中の人数及び処理済の人数、ハイカウンタの待ち人数、処理中の人数及び処理済の人数、ローカウンタの待ち人数、処理中の人数及び処理済の人数を有する。図6の顧客滞留状況データ24cの例は、電子記帳機30の待ち人数が「0」人であり、処理中の人数が「3」人であり、処理済みの人数が「95」人であり、ハイカウンタの待ち人数が「3」人であり、処理中の人数が「2」人であり、処理済みの人数が「90」人であり、ローカウンタの待ち人数が「2」人であり、処理中の人数が「2」人であり、処理済みの人数が「25」人であることを示している。
図7に示すように、伝票項目データ24dは、受付番号、受付枝番号、伝票ID及び該伝票IDの伝票の項目情報をレコードの項目として有し、受付番号と受付枝番号をキー項目とするデータである。受付番号は、受付番号状況データ24bの受付番号に対応するものであり、伝票項目データ24dは、該受付番号の番号札を持つ顧客が電子記帳機30で作成した伝票の項目データが記憶されたデータである。1回の来店で複数の取引を依頼する場合には、1つの受付番号に対して複数の伝票が作成されることとなり、1つの受付番号に対して複数の受付枝番号が採番される。伝票IDは、伝票の種類を示す識別情報で、項目情報は伝票IDが示す伝票の項目の情報で、伝票の項目ごとの項目識別IDと項目値とを有する。
図7の伝票項目データ24dの例は、受付番号「001」の番号札を持つ顧客の作成した伝票の一つに係るデータであり、受付枝番号「001」の伝票は、伝票IDが「003」であり、該伝票の項目識別ID「020」に対応する項目の項目値が「日本」であり、項目識別ID「021」に対応する項目の項目値が「1」であることを示すレコードが含まれていることを表している。
図7に示すように、振込履歴データ24eは、顧客番号に関連付けられた振込履歴情報をレコードの項目とするデータである。振込履歴情報には、振込先の金融機関名、店舗名、口座科目、口座番号及び受取人名などを含む。図7の振込履歴データ24eの例は、顧客番号が「0123456789」の顧客は、振込先金融機関名が「○○銀行」で、店舗名が「東京中央」で、口座科目が「普通」で、口座番号が「9876543」の口座を宛先、「スズキ ハナコ」を受取人をとした振込履歴のレコードが含まれていることを示している。
本人確認記録データ24fは、日付、受付番号及び受付枝番号に関連付けた本人確認項目データなどをレコード項目とするデータである。本人確認項目データは氏名、職業、取引目的及び本人確認書類などの情報を有する。図7の本人確認記録データ24fの例は、日付が「2013/4/15」の、受付番号が「003」で、受付枝番号が「003」の伝票に関連付けられた本人確認記録は、氏名が「スズキ イチロウ」で、職業が「会社員」で、取引目的が「借入金返済」で、本人確認書類が「運転免許証」であることを示すレコードが含まれることを表している。
次に、図2に示した営業店端末50の実施例1に係る内部構成を説明する。図8は、営業店端末50の実施例1に係る内部構成を示すブロック図である。図8に示すように、営業店端末50は、液晶ディスプレイなどの表示部51、キーボード及びマウスなどの操作部52、営業店端末50の操作を行う担当者のカードや顧客の金融カードなどの情報を読み込むためのカードリーダ53、通帳及び伝票の印字を行うプリンタ54、取引と連動して現金の収納及び払出を行う現金処理機55及び伝票などのイメージを取得するためのイメージスキャナ56とが接続される。
また、営業店端末50は、通信部57、記憶部58及び制御部59を有している。通信部57は金融機関内の専用線などの通信網を介して勘定系システム80及び為替集中処理システム81とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部58は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部58は、振込依頼書イメージデータ58a及び振込依頼書項目データ58bを有する。振込依頼書イメージデータ58aは、窓口に持ち込まれた振込依頼書をイメージスキャナ56で読み取った画像データである。振込依頼書項目データ58bは、振込依頼書イメージデータ58aの画像データに基づいて、振込依頼書に記入された項目の内容を文字認識した結果である。
制御部59は、営業店端末50の全体を制御する制御部であり、振込依頼書読取部59a、振込先口座確認処理部59b、収納処理部59c、振込取引実行処理部59d及び振込取引センタ送信部59eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
振込依頼書読取部59aは、振込依頼書の画像をイメージスキャナ56で読み取り、読み取った画像データを振込依頼書イメージデータ58aに登録する。また、振込依頼書読取部59aは、振込依頼書イメージデータ58aの画像データに基づいて、振込依頼書に記入された項目の内容を文字認識し、振込依頼書項目データ58bに登録する。本実施例では、振込依頼書項目データ58bは、振込依頼書に記入された項目の内容を文字認識することによって振込依頼書項目データ58bに登録するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、振込依頼書に振込依頼内容を含む二次元バーコードを印刷しておいて、該二次元バーコードをイメージスキャナ56で読み取って、該二次元バーコードから振込依頼内容を取り出して、振込依頼書項目データ58bに登録するようにしてもよい。
振込先口座確認処理部59bは、振込依頼書項目データ58bに含まれる振込先の金融機関、店舗名、科目及び口座番号で特定される口座が存在するか否かの確認を行う処理部である。振込先口座確認処理部59bは、振込先の指定が他の金融機関の場合には、勘定系システム80及び統合ATMシステム84を経由して、他の金融機関の勘定系システム85に、振込依頼書項目データ58bに含まれる振込先の口座の照会を行うことによって、口座が存在するか否かの確認を行う。振込先の指定の金融機関が自金融機関の場合には、勘定系システム80に、振込依頼書項目データ58bに含まれる振込先の口座の照会を行うことによって、口座が存在するか否かの確認を行う。また、振込先口座確認処理部59bは、振込依頼書項目データ58bに含まれる振込先の口座が存在した場合には、振込先の口座の照会の応答として口座名義人を取得して、振込依頼書に記入された受取人と併せて表示し、不整合がないことを確認することができるような画面表示を行う。
収納処理部59cは、振込依頼書に記載された振込金額及び振込内容に応じた振込手数料に対する現金の収納を行って、収納したことを示す受取書を発行する。
振込取引実行処理部59dは、振込依頼書に基づいた振込を実行する処理部である。振込取引実行処理部59dは、振込先の指定が他の金融機関の場合には、勘定系システム80及び全国銀行データ通信システム83を経由して、他の金融機関の勘定系システム85に、振込依頼書に記載された内容を含む情報を送信することによって振込を実行する。また、振込先の指定の金融機関が自金融機関の場合には、勘定系システム80に、振込依頼書に記載された内容を含む情報を送信することによって振込を実行する。
振込取引センタ送信部59eは、収納処理部59cによる受け付けた振込に必要な現金の収納が行われていることを条件として、振込依頼書イメージデータ58a及び振込依頼書項目データ58bを為替集中処理システム81に送信する。ただし、当日の振込は通常15時までであることから、締切時刻に近い14時30分以降などは、為替集中処理システム81への送信は制限されている。
次に、図2に示した電子記帳機30における振込依頼書を作成時の主な画面の表示内容及び画面遷移を、図9を用いて説明する。
図9(a)に示す画面は、電子記帳機30の初期画面であり、顧客の来店目的の入力を受け付ける画面である。当該画面によって来店目的の入力を受け付けたならば、以降の画面で来店目的に対応する取引の依頼内容の入力を受け付けて、取引の依頼内容が記載された取引依頼の伝票を生成する。
図9(a)の画面で「振込」が選択された場合には、図9(b)の画面に遷移する。図9(b)の画面は、現金で振込を行うか、預金口座から振込を行うかの選択を受け付けるための画面である。図9(b)に示すように、現金で振込を行うことを指定するための「現金で振込」ボタンと、預金口座から振込を行うことを指定するための「預金口座から振込」ボタンとが配置される。
図9(b)の画面で「預金口座から振込」ボタンの押下を受け付けた場合には、図9(c)の画面に遷移する。図9(c)の画面には、振込にかかる金額を引き落とす預金口座の通帳の磁気ストライプの読み込みを促す旨のメッセージが表示される。また、図9(c)の画面に下部に示すように、「作成済伝票と同一口座指定」ボタンを配置し、当該「作成済伝票と同一口座指定」ボタンを押下することによって、作成済みの伝票で入力した口座指定の情報を流用することが可能となる。ただし、まだ当該顧客に対して流用できる口座番号の指定のある伝票を作成済みではない場合には、「作成済伝票と同一口座指定」ボタンは表示されないように制御される。
図9(c)の画面で、表示されたメッセージに従って通帳の磁気ストライプの読み取りが行われた場合には、図9(d)の画面に遷移する。図9(d)の画面は、振込先を指定するための画面である。図9(d)の画面の例は、通帳磁気ストライプのリードによって顧客が特定され、特定された顧客の過去の振込履歴をサーバ20から取得して表示した例である。また、過去の振込履歴のある振込先以外の振込先を指定するための「その他」ボタンも併せて表示される。
図9(d)の画面で、「その他」ボタンが押下された場合には、図9(e)に遷移する。図9(e)は、振込先の金融機関名、店舗名、科目、口座番号及び受取人名を入力するための画面であり、それぞれの項目に対応する入力項目と、データ入力の為のキーが配置される。図9(e)に表示されるそれぞれの項目に対する入力が終了したら図9(f)に示すような画面に遷移する。
図9(d)の画面で、「○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号1111111 サトウ イチロウ」と表示されたボタンが選択された場合には、図9(f)の画面に遷移する。図9(f)は振込金額を指定するための画面である。図9(f)に示すように、振込金額に対応する入力項目と、振込金額入力の為のテンキーなどが配置される。また、図9(f)の画面の右側には、図9(d)で選択又は図9(e)で入力された振込先の情報と、読み込んだ通帳の磁気ストライプによって特定された依頼人の情報とが表示される。
図9(f)の画面で、振込金額の入力が行われたならば図9(g)の画面に遷移する。図9(g)の画面は、図9(f)までに入力された振込依頼内容を最終確認するための画面である。図9(g)の画面の中央には図9(f)の画面の右側に表示されていた情報に加えて、読み込んだ通帳の磁気ストライプによって特定された振込金額の引落口座の情報と、図9(f)の画面で入力された振込金額の情報と、振込依頼内容に基づいて決定された手数料の情報とを含む。また、図9(g)の画面の下部には、画面中央に表示された内容に対して訂正を行うための「訂正」ボタンと、画面中央に表示された内容で問題ないことを確認した旨を入力するための「確認」ボタンとが配置される。
図9(g)の画面において、「確認」ボタンが押下された場合には、図9(g)の画面の中央に表示した内容に応じた、振込依頼書と出金依頼書とを印刷する。
次に、図2に示した電子記帳機30における本人確認記録を作成時の主な画面の表示内容及び画面遷移を、図10を用いて説明する。
図10(a)の画面は、現金による10万円を超える金額の振込依頼書の印字後に表示される画面である。図10(a)に示すように画面中央には本人確認が必要な旨と、本人確認が必要な理由とが表示される。また、図10(a)の画面の下部に配置される「確認」ボタンを押下することによって、本人確認記録の項目の入力を受け付ける一連の画面が順番に表示される。
図10(b)の画面は、本人確認書類の種類を指定する画面である。画面上には、本人確認資料として有効な書類名が複数表示され、その中から選択することによって提示可能な本人確認書類を指定することができる。図10(b)に示す画面で、「運転免許証」が選択されると図10(c)の画面に遷移する。また、図10(b)の画面の下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると図10(a)の画面に戻る。
図10(c)の画面は、作成した伝票の取引を依頼するにあたり、来店した顧客が本人なのか代理人なのかを指定する画面である。画面上には本人であることを指定する「ご本人様」ボタンと、代理人であることを指定する「代理人様」ボタンとが配置される。図10(c)に示す画面で「ご本人様」ボタンが押下されると図10(d)の画面に遷移する。また、図10(d)の画面の下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると図10(b)の画面に戻る。
図10(d)の画面は、顧客の職業を指定する画面である。画面上には、職業名が複数表示され、その中から選択することによって職業を指定することができる。図10(d)の画面でで「公務員」が選択されると、図10(e)の画面に遷移する。また、図10(d)の画面の下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると、図10(c)の画面に戻る。
図10(e)の画面は、作成した伝票で依頼する取引の目的を指定する画面である。画面上には、選択可能な目的が複数表示され、その中から選択することによって取引の目的を指定することができる。図10(e)の画面で「借入金返済」が選択されると図10(f)の画面に遷移する。また、図10(e)の画面の下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると図10(d)の画面に戻る。
図10(f)の画面は、顧客の生年月日を入力する画面である。画面上の元号を選択して、画面右側に表示される数字のボタンを利用することによって生年月日の入力が可能で、生年月日の入力をして画面下部の「確認」ボタンが押下されると、次の本人確認記録の項目の入力用の画面に遷移する。また画面下部の「訂正」キーは、入力済の情報を消去する場合に使用する、また、図面下部に配置される「戻る」ボタンを押下すると図10(e)の画面に戻る。このようにして、自動的に展開される画面に応じて全ての項目に対する入力が終了すると、図10(g)の画面が表示される。
図10(g)の画面は、図10(b)〜図10(f)の画面などで入力した本人確認記録に記載される内容を一覧表示した画面であり、顧客は入力した内容を確認して、内容に誤りがなく実施したい取引が他にはない場合には「確認」ボタンを押下することとなる。一覧表示されている項目について修正を行う場合には修正する項目名をタッチすることによって、タッチした項目の入力用の画面に遷移する。
図10(g)の画面で「確認」ボタンが押下された場合には、図10(g)に表示した内容を含む本人確認記録票をプリンタ36で印刷する。
次に、図2に示した営業店端末50における振込取引を実行時の主な画面の表示内容及び画面遷移を、図11を用いて説明する。
図11(a)の画面は、振込依頼書の画像データをイメージスキャナ56で取得して、取得した画像データに基づいて振込依頼書に記載された依頼内容を文字認識したことによって表示される振込先を確認するための画面である。図11(a)に示すように、振込依頼書の画像データから文字認識によって取得した振込先の金融機関名、店舗名、科目、口座番号及び受取人名と、振込先の確認を行うことを示す「確認」ボタンの押下を促すメッセージが表示される。
図11(a)の画面に表示された振込先が他の金融機関である場合に、「確認」ボタンの押下を受け付けたならば、営業店端末50は、図11(a)に示した振込先の口座に対する口座照会を、統合ATMシステム84を経由して他の金融機関に行うことによって、振込先の口座の有無及び口座が存在した場合には口座の名義人名を取得して、図11(b)の画面に遷移する。
図11(b)の画面は、図11(a)に示した口座が存在した場合の例であって、他の金融機関から受け付けた口座名義人の名称が表示される。また、図示しないが、図11(a)に示した口座が存在しなかった場合には、振込先の口座が存在しない旨のメッセージが表示される。また、図11(b)の画面下部には表示された口座名義人が受取人名との整合を確認した結果を受け付けるための「次へ」ボタン及び「キャンセル」ボタンが配置される。「次へ」ボタンは、表示された口座名義人が受取人名との整合性に問題がないことを受け付けるためのボタンで、「キャンセル」ボタンは表示された口座名義人が受取人名との整合性に問題があり、当該振込取引のキャンセルの指示を受け付けるためのボタンである。
図11(b)の画面で「次へ」ボタンが押下されたならば、図11(c)の画面に遷移する。図11(c)の画面は振込依頼書に記載された振込を実行するのに必要な資金を収納するための画面である。図11(c)の画面は、振込依頼書の記載内容に基づいて振込金額、手数料及び合計を表示した例である。また、図11(c)の画面の下部には、画面に表示した合計額の収納の実行を指示する「実行」ボタンが配置される。現金で振込を行う場合には、合計額に応じた現金を現金処理機55で計数させたならば、「実行」ボタンを押下することが可能となる。合計額に応じた現金を現金処理機55で計数させた上で、「実行」ボタンを押下したならば、現金処理機55で計数された現金を現金処理機55内の収納部に収納する。また、預金口座から振込を行う場合には、事前に指定の引き落とし口座から合計額に応じた金額の出金の取引を実施しておくことによって、現金処理機55に現金を計数させなくとも「実行」ボタンの押下が可能となる。
現金による振込の場合には、図11(c)の画面で「実行」ボタンが押下されたならば、現金処理機55で計数された現金の収納を行い、振込依頼書に現金を収納した旨を示す認証印字を行って、図11(d)の画面に遷移する。また、預金口座から振込の場合には、図11(c)の画面で「実行」ボタンが押下されたならば、図11(c)に表示された合計額に対する収納を行った旨を示す認証印字を振込依頼書に行って、図11(d)の画面に遷移する。
図11(d)の画面は、振込の実行を指示するための画面で、振込依頼書に記載された振込の依頼内容が表示される。図11(d)の画面の下部には、画面に表示された内容で振込の実行の指示をするための「実行」ボタンが配置される。図11(d)の画面で「実行」ボタンが押下されたならば、画面に表示された内容に応じた振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信する。振込先が他の金融機関の場合には、勘定系システム80から、全国銀行データ通信システム83を介して振込先の金融機関の勘定系システム85に送信される。また、振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信したならば、営業店端末50は、振込取引の実行要求を送信済みである旨の認証印字を振込依頼書に行う。
図11に示した画面の遷移は、営業店端末50から振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信する場合の画面構成と画面遷移を説明したが、営業店端末50からは為替集中処理システム81に振込依頼書イメージデータ58a及び振込依頼書項目データ58bを含む振込依頼情報を送信して、為替集中処理システム81に振込取引の実行を移管することも可能である。その場合には、図11(c)で「実行」ボタン押下後に、現金収納を行い、営業店端末50から振込依頼情報を為替集中処理システム81に送信して、現金収納した旨及び為替集中処理システム81に振込依頼情報を送った旨の認証印字を行って、営業店端末50としての処理を終了する。
次に、図2に示した営業店端末50における一連の振込に係る処理の処理手順を説明する。図12は、営業店端末50における一連の振込に係る処理の処理手順を示すフローチャートである。
振込依頼書読取部59aは、窓口で受け付けた振込依頼書の画像データをイメージスキャナ56で取得して、振込依頼書イメージデータ58aとして記憶する(ステップS101)。また、振込依頼書読取部59aは、振込依頼書イメージデータ58aに基づいて振込依頼書に記載されている内容を文字認識によって取得して、伝票項目データ38dとして記憶する(ステップS102)。
振込先口座確認処理部59bは、伝票項目データ38dに基づいて勘定系システム80及び統合ATMシステム84などを使用して振込先の口座の照会を行う(ステップS103)。ステップS103の振込先の口座の照会の結果、振込先の口座が存在した場合(ステップS104;Yes)には、振込先口座確認処理部59bは、図11(b)に示したように、照会結果として入手した口座名義人の情報を表示する(ステップS105)。また、ステップS103の口座の照会の結果、振込先の口座が存在しなかった場合(ステップS104;No)には、振込先口座確認処理部59bは、振込依頼書に記載された振込先の口座が存在しない旨のエラーメッセージを表示して(ステップS106)、処理を終了する。
ステップS105で表示した画面で振込先の口座名義人に問題があることを示す「キャンセル」ボタンの入力を受け付けたならば(ステップS107;No)、処理を終了する。また、ステップS105で表示した画面で口座名義人に問題がないことを示す「次へ」ボタンの入力を受け付けたならば(ステップS107;Yes)、収納処理部59cは、図11(c)に示したような収納画面を表示して、振込金額や手数料に対する入力の補正を受け付けるとともに、「実行」ボタンの押下を待ち合わせる(ステップS108)。ステップS108で表示した画面で「実行」ボタンが押下されたならば、収納処理部59cは、現金による振込の場合には、現金処理機55で計数された現金の収納と、現金を収納した旨の認証印字を行う(ステップS109)。預金口座からの振込である場合には、振込金額及び手数料に応じた金額に対する出金処理が行われていることを条件として、収納処理部59cは、現金を収納した旨の認証印字を行う(ステップS109)。
ステップS109の収納処理に続いて、営業店端末50から振込を実行する場合(ステップS110;Yes)には、振込取引実行処理部59dは、図11(d)に示したような振込取引画面を表示して、画面に表示されている項目に対する入力の補正を受け付けるとともに、「実行」ボタンの押下を待ち合わせる(ステップS111)。ステップ111で表示した画面で「実行」ボタンの押下を受け付けたならば、振込取引実行処理部59dは、画面に表示した内容に応じた振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信する(ステップS112)。振込取引の実行要求に指定した振込先の金融機関が他の金融機関だった場合には、勘定系システム80は全国銀行データ通信システム83を介して他の金融機関の勘定系システム85に振込取引の実行要求を送信する。
ステップS112で送信した振込取引の実行要求の応答として、取引が成立したことを示す応答を受け付けた場合(ステップS113;Yes)には、振込取引実行処理部59dは、振込取引が成立したことを示す認証印字を行って(ステップS114)、処理を終了する。また、ステップS112で送信した振込取引の実行要求の応答として、取引が不成立であることを示す応答を受け付けた場合(ステップS113;No)には、振込取引実行処理部59dは、振込取引が不成立であった旨のメッセージを表示して(ステップS115)、処理を終了する。
また、ステップS109の収納処理に続いて、営業店端末50から振込を実行する代わりに為替集中処理システム81に処理を移管する場合(ステップS110;No)には、振込取引センタ送信部59eは、振込依頼書イメージデータ58a及び振込依頼書項目データ58bの内容を含む振込依頼情報を為替集中処理システム81に送信して(ステップS116)、該振込依頼情報を為替集中処理システム81に送信済であることを示す認証印字を行って(ステップS117)、処理を終了する。
上述してきたように、実施例1では、営業店端末50は、イメージスキャナ56で振込依頼書の画像を読み取り、読み取った振込依頼書の画像に含まれる振込先の口座の情報を文字認識などによって取得し、統合ATMシステム84を経由して振込先の金融機関の勘定系システム85に振込先の口座の照会を行うことによって口座の有無を確認するようにした。また、口座が存在した場合には振込先の口座の照会で口座名義人の情報を取得して、振込依頼書に記載された受取人情報と比較できるように口座名義人を表示し、表示した内容での振込を行う旨の指示を受け付けたならば、振込依頼書に基づく振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信するよう構成したので、金融機関において受け付けた振込依頼の振込先に誤りがないことを振込を実施する前に確認することができる。
なお、実施例1では、図11に示したように振込依頼書の振込先の情報を読み取って、読み取った内容を一旦画面に表示して、窓口担当者の振込先の確認を行う旨の操作を受け付けて振込先の確認の処理を行うものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、振込依頼書振込先の情報を読み取ったならば、読み取った振込先の情報に基づいて振込先の確認に係る処理を自動的に実行するようにしてもよい。
実施例1では、電子記帳機30で作成された振込依頼書に記載された振込先の口座が存在すること及び口座の名義人と受取人に不整合がないことを営業店端末50で確認した上で、営業店端末50若しくは為替集中処理システム81から振込を実行するようにした。しかしながら、振込依頼書に記載された振込先の口座に誤りがない方が、金融機関の窓口担当者の負担をさらに軽減することが可能となる。そこで、実施例2では、振込先の口座が存在すること及び口座の名義人が正しいことを確認した上で振込依頼書を作成するという実施例を説明する。
まず、実施例2に係る営業店システムによる統合ATMシステム84を利用した他の金融機関への振込処理の概要を、図13を用いて説明する。
図13に含まれる為替集中処理システム81、全国銀行データ通信システム83、統合ATMシステム84及び他の金融機関の勘定系システム85は、実施例1の図1で含まれるシステムと全く同じである。図13に含まれる勘定系システム80もほぼ同じであるが、実施例1では振込先口座確認要求を受け付けたのは営業店端末50からであったが、実施例2では電子記帳機130から受け付けられるようになっている点において差異がある。また、営業店システムにおいては、図13に示すように電子記帳機130が、振込先の口座の確認を行う機能が追加となっている。
まず、金融機関Aの営業店に来店した顧客は、(a)に示すように電子記帳機130に振込先の金融機関名、店舗名、科目、口座番号、振込金額、依頼人名などの情報を入力することによって、依頼する振込に係る情報を電子記帳機130に登録する。
電子記帳機130は、(b)に示すように受け付けた振込先が他の金融機関である場合には、勘定系システム80及び統合ATMシステム84を経由して指定された金融機関Dの勘定系システム85に対して、振込先の金融機関名、店舗名及び口座番号の情報を含む(c)に示す振込先口座の確認要求の電文を送信する。電子記帳機130は、(c)の振込先口座の確認要求の応答で、指定した振込先の口座が存在しない旨の振込先口座確認応答を受付けたならば、画面にその旨の表示を行う。また、電子記帳機130は、(c)の振込先口座の確認要求の応答で、振込先口座の名義人名などの情報を含む振込先口座確認応答を受付けたならば、受け付けた名義人名を表示して顧客が確認できるようにする。電子記帳機130は、このようにして入力された振込先の指定が正しいことを確認した上で、(d)に示すように確認した振込先の記載された振込依頼書を印刷する。
顧客は、(d)で印刷された振込依頼書を窓口の担当者に渡すことによって、(e)に示す振込依頼を行う。窓口で振込依頼書を受け付けた担当者は、営業店端末50に接続されたイメージスキャナ56で振込依頼書の画像を読み取らせる。営業店端末50は、読み取った振込依頼書の画像に含まれる振込の依頼内容を文字認識によって取得して、(f)に示すように、取得した振込の依頼内容に基づいて振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信する。勘定系システム80は、営業店端末50から(f)に示した金融機関Dへの振込取引の実行要求を受け付けたならば、受け付けた振込取引の実行要求に基づいて、全国銀行データ通信システム83を介して、金融機関Dに対して(g)に示す振込先及び振込金額を含む振込実行の電文を送信することによって、顧客から受け付けた振込を実行する。
また、営業店端末50は、(f)に示す振込取引の実行要求を勘定系システム80に送信する代わりに、(h)に示す振込依頼書の画像データ、振込依頼書の画像データに基づく文字認識などによって取得した振込に係る情報を含む振込依頼情報を為替集中処理システム81に送信することによって、為替集中処理システム81に振込処理の実行を移管することも可能である。この部分は実施例1と同様である。
このように、電子記帳機130は、振込依頼書の項目に対する入力を受け付けて、統合ATMシステム84を経由して振込先の金融機関の勘定系システム85に振込先の口座の照会を行うことによって受け付けた振込先の口座の有無を確認するようにした。また、振込先の口座が存在した場合には振込先の口座の照会で振込先の口座の名義人の情報を取得して、顧客によって入力された受取人情報と比較できるように口座名義人を表示し、指定した口座に問題がないという旨の入力を受け付けたならば、受け付けた入力内容に基づいて振込依頼書を作成するようにし、このようにして作成された振込依頼書をもって窓口で振込の依頼を受け付けるようにしたので、金融機関において受け付けた振込依頼の振込先に誤りがないことを振込を実施する前に確認することができる。
次に、図13に示した電子記帳機130の実施例2に係る内部構成を説明する。図14は、電子記帳機130の実施例2に係る内部構成を示すブロック図である。図14に示す電子記帳機130は、実施例1の電子記帳機30と同じ構成要素については同じ符号を付与し、実施例1の電子記帳機30と差異のある構成要素について異なる符号を付与した。図14の説明では、同じ符号を付与した実施例1と同じ構成要素の説明は省略し、実施例2で新たな符号を付与した構成要素について、その実施例1との差異を中心に説明するものとする。
実施例2で、実施例1の構成要素に対して差異があるのは、制御部39の伝票項目データ生成部139bだけである。実施例1の伝票項目データ生成部39bは入力された伝票の項目に対応するデータを受け付けて、伝票項目データ38dに登録するだけであったが、実施例2の伝票項目データ生成部139bは、対象の伝票が振込依頼書の場合には、入力された振込先の口座に関する確認処理が追加で行われる。
具体的には、振込先の指定が行われたならば、指定された振込先の口座が存在するか否かの確認を行う。また、指定された振込先の口座が存在した場合には、誤った振込先でないことを顧客が確認できるように当該口座の名義人名を表示する。このため、実施例1では、通信部32を介した通信先はサーバ20だけであったが、実施例2では振込先の口座の照会を行うので、勘定系システム80との通信を行うようになっている。
次に、図13に示した電子記帳機130における振込依頼書を作成時の主な画面の表示内容及び画面遷移を、図15を用いて説明する。図15では、電子記帳機130で振込依頼書作成時の画面のうち、実施例1の電子記帳機30と同じ画面及び同じ画面遷移を行う部分については省略し、図15では、実施例1の電子記帳機30と差異のある画面及び画面遷移について主に説明する。図9(a)から図9(c)の依頼人の情報を入力するところまでは、実施例2の電子記帳機130でも同じである。また、図9(f)の振込金額の入力以降については同じである。図15は、振込依頼人が決定後に振込先の確認を行うまでの画面と画面遷移を説明するための図である。
図15(a)の画面は、振込依頼の入力を受け付けた後に表示される、振込先を指定するための画面の例である。この図15(a)の画面は図9(d)の画面と同じである。図15(a)の画面で画面の下部に配置される「その他」ボタンを指定された場合には、図15(b)の画面に遷移する。この図15(b)の画面は図9(e)の画面と同じである。
図15(a)の画面で、いずれかの振込履歴の指定による振込先の指定を受け付けるか、図15(b)の画面で金融機関名、店舗名、科目、口座番号及び受取人名の入力を受け付けたならば、電子記帳機130は受け付けた振込先が他の金融機関であった場合には、電子記帳機130は、受け付けた振込先の口座に対する口座照会を、統合ATMシステム84を経由して他の金融機関に行うことによって、振込先の口座の有無及び口座が存在した場合には口座の名義人名を取得して、図15(c)の画面に遷移する。
図15(c)の画面は、図15(a)又は図15(b)の画面によって受け付けた振込先の口座が存在した場合の例であって、図15(a)又は図15(b)の画面によって受け付けた口座の情報と、他の金融機関から受け付けた口座名義人の名称が表示される。また、図示しないが、図15(a)又は図15(b)の画面によって受け付けた口座が存在しなかった場合には、振込先の口座が存在しない旨のメッセージが表示される。また、図15(c)の画面下部には表示された口座名義人が受取人名との整合を確認した結果を受け付けるための「次へ」ボタン及び「キャンセル」ボタンが配置される。「次へ」ボタンは、表示された口座名義人が受取人名との整合に問題ないことを受け付けるためのボタンで、「キャンセル」ボタンは表示された口座名義人が受取人名との整合に問題があることを受け付けるためのボタンである。「キャンセル」ボタンの押下を受け付けると、図15(a)又は図15(b)の画面に戻って振込先の指定の訂正が可能となる。
図15(c)の画面で、「次へ」ボタンの入力を受け付けたならば、図15(d)の画面に遷移する。図15(d)の画面は振込金額を指定するための画面であって、実施例1の図9(f)と同じ構成である。以降の画面構成及び画面遷移は実施例1と同様である。
次に、図13に示した電子記帳機130の振込依頼書を作成する処理の処理手順を説明する。図16は、電子記帳機130の振込依頼書を作成する処理の処理手順を示すフローチャートである。
伝票項目データ生成部139bは、図9(b)の画面で預金口座からの振込が選択された場合には、通帳の磁気ストライプを読み取ることによって依頼人を特定する情報を受け付ける(ステップS201)。また、図9(b)の画面で現金での振込が選択された場合には、伝票項目データ生成部139bは、表示操作部31からの依頼人名、連絡先などの依頼人を特定する情報の入力を受け付ける(ステップS201)。ステップS201で受け付けた内容で振込依頼書の項目に対応する内容が決定したならば、決定した内容を伝票項目データ38dに反映する。
伝票項目データ生成部139bは、ステップS201で受け付けた依頼人を特定する情報を含む依頼人の検索要求をサーバ20に送信する(ステップS202)。ステップS202で送信した依頼人の検索要求に対する応答として、サーバ20から依頼人の情報を受け付けた場合(ステップS203;Yes)には、受け付けた依頼人の情報に基づいて顧客データ38a及び伝票項目データ38dを更新する(ステップS204)。また、伝票項目データ生成部139bは、ステップS204でサーバ20から受け付けた依頼人の情報で更新された顧客データ38aの顧客番号を指定して、当該顧客の過去の振込履歴の検索要求をサーバ20に送信する(ステップS205)。
ステップS205で送信した振込履歴の検索要求に対する応答として、サーバ20から指定した顧客に対する振込履歴を受け付けたならば(ステップS206;Yes)、図15(a)に示したような振込履歴から選択することによって振込先を指定することのできる画面の表示を行って、当該画面における入力を受け付ける(ステップS207)。
ステップS207で表示した画面において、いずれかの振込履歴の指定を受け付けたならば(ステップS208:Yes)、伝票項目データ生成部139bは、選択された振込履歴の振込先を今回の振込先として一旦決定し、決定した内容に基づいて伝票項目データ38dの更新を行う(ステップS209)。また、ステップS207で表示した画面において、いずれの振込履歴でもなく他の振込先を示す「その他」ボタンの入力を受け付けたならば(ステップS208:No)、伝票項目データ生成部139bは、図15(b)に示したような画面を表示して、金融機関名、店舗名、科目、口座番号及び受取人名の入力を受け付けて、受け付けた内容に基づいて伝票項目データ38dの更新を行う(ステップS210)。
また、ステップS202で送信した依頼人の検索要求に対する応答として、サーバ20から指定した依頼人を特定する情報に対応する依頼人が検索できなかった旨の応答受けた場合(ステップS203;No)、又はステップS205で送信した振込履歴の検索要求に対する応答として、サーバ20から指定した顧客に対する振込履歴が無い旨の応答を受け付けた場合(ステップS206;No)にも、ステップS210に移行する。
伝票項目データ生成部139bは、ステップS209又はステップS210で受け付けた振込先の口座の情報を含む口座照会要求を勘定系システム80に送信する(ステップS211)。口座照会要求を受け付けた勘定系システム80は、振込先の口座が他の金融機関の口座である場合には、統合ATMシステム84を介して他の金融機関の勘定系システム85に指定された口座に対する照会を行い、その結果を要求元の電子記帳機130に返信する。
勘定系システム80から受け付けた口座照会要求に対する応答の内容が指定した振込先の口座が存在して、指定した振込先の口座の口座名義人の情報を受け付けたならば(ステップS212;Yes)には、伝票項目データ生成部139bは、図15(c)の画面の例に示したように受け付けた口座名義人の表示を行い、顧客による指定した振込先口座の確認の入力を受け付ける(ステップS213)。ステップS213で表示した画面において、指定した振込口座に誤りがないことを示す「次へ」ボタンの入力を受け付けたならば(ステップS215;Yes)、伝票項目データ生成部139bは、図15(d)の画面の例に示したような振込金額の入力を受け付けるための画面の表示を行い、受け付けた振込金額に基づいて伝票項目データ38dの更新を行う(ステップS216)。
伝票印刷処理部39cは、ステップS216までに更新された伝票項目データ38dの内容を伝票イメージテンプレートデータ38bに含まれる振込依頼書のイメージに合成した項目記入済みの振込依頼書のイメージを生成し、プリンタ36で印刷する(ステップS217)。また、振込履歴管理部39hは、伝票項目データ38dの内容を振込履歴としてサーバ20に送信する(ステップS218)。最後に、伝票項目データ生成部139bは、伝票項目データ38dをサーバ20に送信して(ステップS219)、処理を終了する。
ステップS211の口座照会要求に対して、勘定系システム80から受け付けた口座照会要求に対する応答が指定した振込先の口座が存在しない旨の応答であった場合(ステップS212;No)には、伝票項目データ生成部139bは、ステップS209又はステップS210で受け付けた振込先の口座が存在しない旨のエラーメッセージの表示を行って(ステップS214)、ステップS206に移行する。また、ステップS213で表示した画面において、指定した振込口座に誤りがあることを示す「キャンセル」ボタンの入力を受け付けた場合(ステップS215;No)には、ステップS206に移行する。
上述してきたように、実施例2では、電子記帳機130は、振込依頼書の項目に対する入力を受け付けて、統合ATMシステム84を経由して振込先の金融機関の勘定系システム85に振込先の口座の照会を行うことによって受け付けた振込先の口座の有無を確認するようにした。また、振込先の口座が存在した場合には振込先の口座の照会で振込先の口座の名義人の情報を取得して、顧客によって入力された受取人情報と比較できるように口座名義人を表示し、指定した口座に問題がないという旨の入力を受け付けたならば、受け付けた入力内容に基づいて振込依頼書を作成するようにし、このようにして作成された振込依頼書をもって窓口で振込の依頼を受け付けるよう構成したので、金融機関において受け付けた振込依頼の振込先に誤りがないことを振込を実施する前に確認することができる。
なお、実施例1及び実施例2では、勘定系システム80を経由して統合ATMシステム84と接続したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば統合ATMシステム84と直接接続するサーバを設置して、実施例1であれば営業店端末50から、実施例2であれば電子記帳機130から該サーバを経由して統合ATMシステム84に接続するようにしてもよい。また、統合ATMシステム84に対して、実施例1であれば営業店端末50から、実施例2であれば電子記帳機130から直接接続するようにしてもよい。
また、実施例1及び実施例2では、統合ATMシステム84を利用して他の金融機関の口座情報を確認することを説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の金融機関の口座情報を確認することができる別の手段を用いてもよい。また、実施例1及び実施例2では、全国銀行データ通信システム83を利用して他の金融機関の口座への振込の実行を行うことを説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の金融機関の口座への振込を実行することができる別の手段を用いてもよい。
また、実施例1及び実施例2では、時刻などの条件によって処理内容を分けるようなことは行わなかったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、営業店端末50で振込処理を行う場合などは、振込先の確認を事前に行わないようにしてもよい。また、時刻が振込の締切時刻間近の場合などは、為替集中処理システム81への振込依頼情報の送信による振込処理の処理移管を行っていない場合などは、振込の締切時刻間近の場合には振込先の確認を事前に行わないようにしてもよい。
また、実施例1及び実施例2では、振込の取引を例にして説明してきたが、本発明は振込取引に限定されるものではない。例えば、口座に対する処理を依頼するような取引を本発明の対象取引としてもよい。
また、上述の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。