JP2016061929A - 擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法 - Google Patents

擬似接着ラベル及び擬似接着ラベルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】擬似接着ラベルにおいて、中間基材の裏面に、中間基材に対して擬似接着性を有するように積層される第2の樹脂層を設けるような場合でも、目的の界面で各部材が剥離できるようにする。【解決手段】擬似接着ラベル10は、表面基材11、第1の樹脂層12、中間基材13、第2の樹脂層14、粘着剤層15、及び剥離シート16がこの順に積層され、第1の樹脂層12と中間基材13の間、及び中間基材13と第2の樹脂層14の間で擬似接着性を有するように積層されており、第1の樹脂層12が部分的に設けられ、表面基材11と中間基材13の間に第1の樹脂層12がない未接着部分21を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、擬似接着ラベルに関し、特に、表面基材及び中間基材を有し、配送伝票等に使用可能な擬似接着ラベルに関する。
従来、表面基材、樹脂層(第1の樹脂層)、中間基材、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、樹脂層と中間基材との間が擬似接着性を有するように積層された擬似接着ラベルが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような擬似接着ラベルは、剥離シートから剥がされた後、粘着剤層により被着体に貼付されて使用される。この擬似接着ラベルは、樹脂層と中間基材との間が擬似接着性を有するように積層されるため、被着体に貼付された状態では、表面基材が樹脂層とともに中間基材から人手により剥離可能となる。また、表面基材には、各種情報が印字されるのが一般的であり、サーマル紙が使用されることがある。
近年、擬似接着ラベルは、配送伝票としての使用が実用化されつつある。配送伝票として使用される擬似接着ラベルは、表面基材にハーフカット線が入れられ、表面基材が複数片に分離して剥離可能としたものが一般的である。この擬似接着ラベルでは、例えば、ハーフカット線で分離された一片の表面基材が配達票として使用されると共に、他の一片の表面基材が受領票として使用される。受領票は、通常、捺印又はサイン後に剥がされ、配達業者によって持ち帰られ、伝票整理等に使用される。
実用新案登録第3178208号公報
しかしながら、上記のように一枚の表面基材に配達票と受領票が設けられる構成とすると、一枚の基材上に多くの情報を印字する必要が生じ、擬似接着ラベルの面積が大きくなるうえ、擬似接着ラベルに記載できる情報量に限界がある。そこで、中間基材を配達票にするなどして、中間基材も各種情報を印字等できる表示面として使用することが検討されつつある。
ここで、表示面として使用される中間基材は、通常、表面基材が剥離された後も、粘着剤層により配送部品の包装材等に接着されたままになる。しかし、中間基材に印字等される情報は、配送先等の個人情報が含まれることがあり、中間基材付きの包装材をそのまま廃棄すると個人情報が漏洩するおそれがある。そのため、中間基材は包装材等の被着体から容易に剥離され、被着体とは別に廃棄等できるようにすることが望ましい。
そこで、中間基材が被着体から容易に剥離できるように、中間基材の裏面に、中間基材に対して擬似接着性を有するように積層された樹脂層(第2の樹脂層)を設けることが検討されている。しかし、中間基材の裏面に第2の樹脂層を設けると、擬似接着ラベルは複数の剥離界面を有することになり、所定の手順で操作しても目的の界面で剥離しないという問題が生じやすくなる。
例えば、擬似接着ラベルを剥離シートから剥離しようとした際に、表面基材が第1の樹脂層とともに中間基材から剥離してしまうことがある。また、被着体に貼着された擬似接着ラベルにおいて、表面基材を第1の樹脂層とともに中間基材から剥離する際に中間基材も追従し、中間基材と第2の樹脂層の間で剥離が生じてしまうことがある。さらには、中間基材を第2の樹脂層から剥離しようとした際に、第2の樹脂層及び粘着剤層が追従して、中間基材、第2の樹脂層、及び粘着剤層が被着体から剥離してしまう不具合が生じることがある。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、中間基材の裏面に、中間基材に対して擬似接着性を有するように積層される第2の樹脂層を設けるような場合でも、目的の界面で各部材が剥離できるようにした擬似接着ラベルを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、中間基材と表面基材の間に配置される第1の樹脂層を部分的に設けて、表面基材と中間基材の間に樹脂層がない未接着部分を形成することで上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(8)を提供する。
(1)表面基材、第1の樹脂層、中間基材、第2の樹脂層、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、前記第1の樹脂層と中間基材の間、及び前記中間基材と第2の樹脂層の間で擬似接着性を有するように積層されており、
前記第1の樹脂層が部分的に設けられ、前記表面基材と前記中間基材の間に第1の樹脂層がない未接着部分を有する擬似接着ラベル。
(2)前記第1の樹脂層がラベル形状の少なくとも1辺と平行となるよう部分的に設けられる上記(1)に記載の擬似接着ラベル。
(3)前記ラベル形状の外縁部の少なくとも一部に対応する位置に、前記未接着部分を有する上記(1)又は(2)に記載の擬似接着ラベル。
(4)前記第1の樹脂層がラベル形状の少なくとも1辺に沿うように部分的に設けられるとともに、その外側に前記未接着部分が設けられる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(5)前記第1の樹脂層と前記中間基材との間の第1の樹脂層が設けられた箇所における25mm幅あたりの剥離力をP1(mN/25mm)、前記中間基材と前記第2の樹脂層との間の25mm幅あたりの剥離力をP2(mN/25mm)、前記粘着剤層と前記剥離シートとの間の25mm幅あたりの剥離力をP3(mN/25mm)、JIS Z0237に基づいて測定された擬似接着ラベルの25mm幅あたりの接着力をP4(mN/25mm)としたとき、P1〜P4が以下の式(1)の関係を満たすとともに、
前記第1の樹脂層と前記中間基材との間の1ラベルあたりの剥離力をF1(mN)、前記中間基材と前記第2の樹脂層との間の1ラベルあたりの剥離力をF2(mN)、前記粘着剤層と前記剥離シートとの間の1ラベルあたりの剥離力をP3(mN)としたとき、F1〜F3が以下の式(2)の関係を満たす上記(1)〜(4)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
P4>P2>P1>P3 (1)
F2>F1>F3 (2)
(6)前記表面基材及び前期中間基材の少なくとも一方が感熱発色性である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の擬似接着ラベル。
(7)前記表面基材及び前期中間基材がともに感熱発色性である上記(6)に記載の擬似接着ラベル。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の擬似接着ラベルを製造する擬似接着ラベルの製造方法であって、前記表面基材上に、加熱したホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤に、前記中間基材と第2の樹脂層を備える積層体を貼り合わせる貼り合せ工程とを備える擬似接着ラベルの製造方法。
本発明では、中間基材の裏面に、中間基材に対して擬似接着性を有する第2の樹脂層が設けられることで中間基材が被着体から容易に剥離できるようになる。そのため、個人情報等が記載された中間基材を、被着体から容易に取り除いて廃棄等することが可能になる。また、表面基材の裏面に設けられる第1の樹脂層が部分的に設けられるので、表面基材の剥離特性が良好になり、目的の界面で各部材が剥離しやすくなる。
本発明の擬似接着ラベルの一例を示す模式的な断面図である。 第1の実施形態において、第1の樹脂層のパターンの一例を示す平面図である。 第1の実施形態において、第1の樹脂層のパターンの他の一例を示す平面図である。 第2の実施形態において、第1の樹脂層のパターンの一例を示す平面図である。 第2の実施形態において、第1の樹脂層のパターンの他の一例を示す平面図である。 第2の実施形態において、第1の樹脂層のパターンの他の一例を示す平面図である。 第2の実施形態において、第1の樹脂層のパターンの他の一例を示す平面図である。 中間基材に第2の樹脂層を積層するためのラミネート装置を示す模式図である。 擬似接着ラベル製造装置の一例を示す模式図である。 擬似接着ラベルが製造される工程を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について実施形態を用いて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る擬似接着ラベル10は、表面基材11、第1の樹脂層12、中間基材13、第2の樹脂層14、粘着剤層15、及び剥離シート16がこの順に積層されたものであり、第1の樹脂層12と中間基材13との間、及び中間基材13と第2の樹脂層14の間が擬似接着性を有するように積層されたものである。
なお、擬似接着性とは、積層された2層の界面で剥離が容易であり、剥離された後では、剥離された層間で容易に再接着ができない性質をいう。
また、以下の説明では、擬似接着ラベル10から剥離シート16を除いた積層体を“積層ラベル19”ともいう。
以下、各部材についてより詳細に説明する。
[表面基材及び中間基材]
表面基材11及び中間基材13は、少なくとも一方が感熱発色性を有することが好ましく、これらの両方が感熱発色性を有することがより好ましい。これら表面基材11及び中間基材13は、感熱発色性を有することで感熱式プリンター等による印字が可能になる。
感熱発色性を有する表面基材11及び中間基材13は、基材の一方の表面に感熱発色層が設けられたものであることが好ましい。感熱発色層は、表面基材11においては第1の樹脂層12側の面とは反対側の面に設けられる。また、中間基材13において、感熱発色層は第1の樹脂層12側の面に設けられる。
すなわち、表面基材11及び中間基材13における感熱発色層は、それぞれ擬似接着ラベル10の表面側(図1の上側)の面に配置される。そのため、表面基材11及び中間基材13がともに感熱発色性であると、表面基材11の表面からの一度の印刷で容易に、同一の情報が表面基材11及び中間基材13の両方に同時に印字可能になる。
また、後述するように、通常、表面基材11には加熱されたホットメルト接着剤が積層されて第1の樹脂層12が形成される。この際、ホットメルト接着剤は直接塗布されることによって、表面基材11と第1の樹脂層12は強固に接着する。これに対し、中間基材13は表面基材11に遅れて第1の樹脂層12の感熱発色層側に積層される。この時間差によってホットメルト接着剤の接着性が低下し、中間基材13と第1の樹脂層12の層間には擬似接着性が生ずる。
また、表面基材11や中間基材13が感熱発色層を有する場合、感熱発色層は、後述する未接着部分21の配置や塗工装置の温度制御を適宜行うことで塗工工程中の発色を防止することができるが、表面基材11は感熱発色層が設けられる面とは反対側の面が第1の樹脂層12側となるので、感熱発色層が発色しにくくなる。一方、中間基材13は、感熱発色層が設けられる側の面が第1の樹脂層12に積層されるが、上記したように中間基材13は表面基材11に遅れて、ある程度冷却された第1の樹脂層12に積層されるため、感熱発色層は発色しにくくなる。
表面基材11及び中間基材13に設けられる感熱発色層としては、加熱することにより発色される従来公知の感熱発色層を使用でき、例えばロイコ染料と、ロイコ染料に反応する顕色剤とを含有するものが挙げられる。感熱発色層は、例えば、上記のロイコ染料、顕色剤に加えて、適宜バインダー、ワックス、溶剤等を含有する塗工液を表面基材11、中間基材13それぞれの基材の一方の面に塗工することで形成される。
また、表面基材11及び中間基材13を構成する基材としては、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成繊維紙等の紙基材、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂フィルム、及びこれらの樹脂フィルムからなる合成紙等が使用されるが、印字性を良好にする観点や、第1及び第2の樹脂層12、14の余熱を、表面基材11や中間基材13の表面に設けられた感熱発色層に伝熱しにくくする観点から、紙基材であることが好ましい。
表面基材11の厚みは、10〜100μmであることが好ましい。表面基材11の厚みを100μm以下とすることで、表面基材11の表面側からの印刷により、優れた印字性で中間基材13に印字することが可能になる。また、10μm以上とすることで、加熱したホットメルト接着剤を表面基材11に塗工しても、その余熱が表面基材の感熱発色層に伝わりにくくなり、感熱発色層が発色されにくくなる。これらの観点から、表面基材11の厚みは、15〜80μmであることがより好ましく、20〜70μmであることがさらに好ましい。
中間基材13の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましい。中間基材13の厚みを10μm以上とすることで、加熱した熱可塑性樹脂を中間基材13にラミネートしても、その余熱が中間基材13の感熱発色層に伝わりにくくなり、感熱発色層が発色されにくくなる。
[第1の樹脂層]
第1の樹脂層12は、図1に示すように、表面基材11、中間基材13の間において部分的に設けられるものである。そのため、表面基材11と中間基材13の間には、第1の樹脂層12がなく、表面基材11及び中間基材13が第1の樹脂層12を介して接着されない未接着部分21が形成される。
未接着部分21が設けられると、擬似接着ラベル10の面全体における第1の樹脂層12の中間基材13に対する剥離力は相対的に低くなるので、表面基材11全体を第1の樹脂層12とともに剥がそうとすると、中間基材13から剥離しやすくなる。また、表面基材11が比較的小さい剥離力で剥離されるため、剥がされたときに生じる表面基材11のカールも小さくなる。
一方で、表面基材11は少ない面積の第1の樹脂層12によって中間基材13に接着されるため、表面基材11は、局所的には第1の樹脂層12によって中間基材13に比較的強固に接着されることになり、表面基材11は中間基材13から不意に剥がれにくくなる。そのため、積層ラベル19を剥離シート16から剥がす際等に、表面基材11が第1の樹脂層12とともに中間基材13から剥がれることが防止される。
また、表面基材11側から未接着部分に、感熱プリンターにより印字を行うと、感熱プリンターによる加熱が、第1の樹脂層12を介さずに表面基材11から中間基材13に直接伝熱する。そのため、中間基材13が感熱発色性を有する場合には、中間基材13は発色しやすくなる。
なお、図1では、未接着部分において、表面基材11と中間基材13は、説明のため便宜上離間しているが、保管時や印字処理時には上下から圧接され、通常、接触した状態にある。
本実施形態において第1の樹脂層12は、表面基材11及び中間基材13の間の領域のうち、外周領域の少なくとも一部に設けられるとともに、外周領域の内側の領域(内側領域)には設けられず、擬似接着ラベル10は内側領域に未接着部分を有することが好ましい。このような構成によると、中間基材13の内側領域に対応する部分に印字しやすくなる。また、表面基材11は、外周領域において比較的高い接着力で、第1の樹脂層12を介して中間基材13に接着されることになるので、ラベル外縁部からのめくれ等が生じにくくなる。
なお、外周領域とは、表面基材11及び中間基材13の間において、表面基材11の中央部を取り囲むように、ラベル形状の外縁部側から中央部に向かって広がる領域であり、内側領域とは外周領域に取り囲まれ、かつ中央部を含む領域である。
ここで、ラベル形状とは、擬似接着ラベル11から剥離シート16を除いたもの(積層ラベル19)を厚さ方向に平面視した際の形状をいう。また、ラベル形状の外縁部とは、ラベル形状の輪郭を構成するものであり、例えば、図2に示すようにラベル形状が四角形の場合には、その四辺10A〜10Dが外縁部となる。
また、外周領域に設けられた第1の樹脂層12は、ラベル形状の少なくとも一辺と平行となるように部分的に設けられることが好ましい。具体的には、ラベル形状の外縁部を構成する対向する二辺それぞれに沿う2本の矩形状の細長部(接着部分)12A,12Bが設けられることが好ましい。
例えば、図2に示すように、擬似接着ラベル10が矩形又は方形等の四角形である場合には、第1の樹脂層12は、対向する2辺10A、10Bに沿う外周領域に設けられる一方、残りの2辺10C、10Dに沿う外周領域には設けられないことが好ましい。このように第1の樹脂層12を2本の細長部から構成すると、第1の樹脂層12の塗布が容易になるため、擬似接着ラベル10の製造が容易になる。なお、各細長部12A、12Bは、MD方向に平行であってもよいし、TD方向に平行であってもよい。
ただし、第1の樹脂層12は、2本の細長部からなる必要はなく、例えばラベル形状の外縁部の全周に沿って設けられてもよい。この場合、図3に示すように、ラベル10が四角形である場合には、第1の樹脂層12は、ラベル形状の外縁部を構成する4辺10A〜10Dに沿って設けられロ型形状12Dとなる。
外周領域に設けられる第1の樹脂層12の幅は、5mm以上であることが好ましく、5〜30mmであることがより好ましく、10〜30mmがさらに好ましい。5mm以上とすることで接着面積を確保でき、表面基材11が第1の樹脂層12とともに、中間基材13から不意に剥がれたりすることが防止される。また、30mm以下とすることで、第1の樹脂層12が設けられない領域が広くなり、印字性を良好にできる面積が広くなる。
第1の樹脂層12は、通常、熱可塑性樹脂を含有するものであり、好ましくは熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤から構成されるものである。
第1の樹脂層12に使用される熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であることが好ましく、ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体、又はこれらの混合物等が例示される。
第1の樹脂層12にポリオレフィン樹脂を使用することで、適切な擬似接着性を発現しやすくなる。また、水不溶性であるから、例えば配達伝票として使用される場合に長時間雨中に晒されても、擬似接着性が失われることが防止される。
第1の樹脂層12に使用されるポリオレフィン樹脂は、上記の中では、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、若しくはこれらの混合物が好ましい例として挙げられ、プロピレン・エチレン共重合体がより好ましい。また、プロピレン・エチレン共重合体を主成分とし、上記エチレン・α−オレフィン共重合体を加えたものも好ましい例として挙げられる。この際、エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・1−オクテン共重合体が好ましい。
ホットメルト接着剤に上記に示す樹脂を使用すると、低温でも溶融粘度が下がり、比較的低い温度でホットメルト接着剤を塗工可能になり、ラベル製造時のホットメルト接着剤の加熱に起因する感熱発色層の発色を防止しやすくなる。また、第1の樹脂層12と中間基材13の間の擬似接着性を優れたものとしやすくなる。
なお、第1の樹脂層12を構成するホットメルト接着剤において、ポリオレフィン樹脂は、主成分となるものであり、特に限定されないが、ホットメルト接着剤全量に対して、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上含まれる。
第1の樹脂層12を構成するホットメルト接着剤は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、柔軟性付与剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤、着色剤などの各種添加剤を含有してもよい。
また、第1の樹脂層12を構成するホットメルト接着剤は、上記したポリオレフィン樹脂に加えて、酸変性ポリオレフィン、又は固形パラフィン等を含有していてもよい。
酸変性ポリオレフィンとしては、例えば無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられ、具体的には、無水マレイン酸で分子末端を変性したポリプロピレン系樹脂、又は無水マレイン酸でグラフト変性したポリプロピレン系樹脂が挙げられる。酸変性ポリオレフィンは、ホットメルト接着剤全量に対して、好ましくは2〜40質量%含有され、より好ましくは5〜30質量%含有される。ホットメルト接着剤が、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィンを含有すると、感熱発色層が発色しない程度の比較的低い加熱温度で、高いタック性を有するものにしやすくなる。そのため、表面基材及び中間基材を発色させることなく、安定した擬似接着性を得やすくなる。
また、第1の樹脂層12を構成するホットメルト接着剤は、固形パラフィンワックスを含有することで、中間基材13との貼合温度が変化しても第1の樹脂層12と中間基材13との界面で安定した剥離力を示し、広い温度領域での貼合条件で良好な擬似接着性を確保できるようになる。上記固形パラフィンワックスは、CAS No.8002−74−2の固形パラフィンであり、その融点が90〜130℃であることが好ましく、100〜125℃であることがより好ましい。また、ホットメルト接着剤は、固形パラフィンの融点を130℃以下とすることで、基材11、13が発色しない低い貼合温度で、適切な擬似接着性を示す剥離力を確保しやすくなる。
固形パラフィンワックスは、上記ポリオレフィン樹脂がプロピレン・エチレン共重合体である場合に使用されることが好ましい。その際、固形パラフィンワックスの融点は、プロピレン・エチレン共重合体よりも高いことが好ましい。
固形パラフィンは、ホットメルト接着剤全量に対して、1〜20質量%含有されることが好ましく、3〜15質量%含有されることがより好ましい。
また、上記ホットメルト接着剤の軟化点は、90〜150℃であることが好ましい。ホットメルト接着剤は、軟化点が90℃以上となることで、夏場であっても第1の樹脂層12が軟化することが防止され、接着安定性が良好になる。また、150℃以下とすることで塗工温度を下げることができ、ラベル製造時の基材11、13の発色を抑えやすくなる。これらの観点から、軟化点は100〜150℃であることがより好ましい。
ホットメルト接着剤の160℃における溶融粘度は、2000〜13000mPa・sであることが好ましい。溶融粘度を2000mPa・s以上とすることで、ホットメルト接着剤をホットメルトコータを用いて塗工する際、液だれ等が発生しにくくなる。また、13000mPa・s以下とすることで、ホットメルト接着剤を表面基材11が発色しない程度の低い温度で、表面基材11上に塗工することが可能になる。これらの観点から、上記の溶融粘度は、4000〜12000mPa・sであることがより好ましい。
第1の樹脂層12の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜40μm、好ましくは10〜30μmである。
[第2の樹脂層]
第2の樹脂層14は、中間基材13と粘着剤層14の間において、通常全面的に設けられるものであるが、部分的に設けられてもよい。第2の樹脂層14は、通常、熱可塑性樹脂から構成されるものである。
第2の樹脂層14に使用される熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE、密度:0.910g/cm3以上0.930g/cm3未満)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度:0.930g/cm3以上0.942g/cm3未満)、高密度ポリエチレン(HDPE、密度:0.942g/cm3以上)などのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂が挙げられる。これらは1種単独で又は複数種混合して使用してもよい。第2の樹脂層14に使用される熱可塑性樹脂は、中間基材13との間の剥離力の制御が容易である点から、これらの中では低密度ポリエチレンを使用することが好ましい。
なお、第2の樹脂層14を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、柔軟性付与剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤、着色剤などの各種添加剤、熱可塑性樹脂以外の高分子成分等が、第2の樹脂層14の性能を損なわない範囲で含有していてもよい。
第2の樹脂層14に用いられる熱可塑性樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、10〜30g/10minであることが好ましい。MFRを10g/10min以上とすることで、熱可塑性樹脂を中間基材13に押出しラミネートすることにより、常温に冷却した後で中間基材13との間に適度な擬似接着性が発現するようになる。また、MFRを30g/10min以下とすることで、熱可塑性樹脂が中間基材13の面粗さによらず追従するようになり、不本意な工程で剥離が起こりにくくなる。これらの観点から、上記のMFRは、15〜25g/10minであることがより好ましい。
第2の樹脂層14の厚みは、特に限定されないが、例えば10〜50μm、好ましくは15〜40μmである。
[粘着剤層]
粘着剤層15は、擬似接着ラベル10を被着体に接着するための層である。粘着剤層15は、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の従来公知の粘着剤から形成されるが、耐候性、価格の点からアクリル系粘着剤が好適に用いられる。粘着剤層13の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜50μm、好ましくは10〜40μmである。
[剥離シート]
剥離シート16としては、特に制限なく従来公知のものが使用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィルムなどの樹脂フィルム類;クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂がラミネートされたラミネート紙などを剥離基材として、剥離基材の片面が剥離処理剤で剥離処理されたものが使用される。剥離処理剤としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等が例示されるが、コストや剥離性の観点からシリコーン系樹脂が好ましい。剥離シート16の厚みは、特に限定されないが、例えば20〜200μm、好ましくは40〜100μmである。
擬似接着ラベル10は、積層ラベル19を剥離シート16から剥離した後、粘着剤層15を介して被着体に貼付されて使用される。
被着体に貼付された積層ラベル19において、表面基材11は、第1の樹脂層12とともに、中間基材13から容易に剥離することが可能である。また、中間基材13は、表面基材11及び第1の樹脂層12を剥離して除去した後、第2の樹脂層14から容易に剥離することが可能である。
擬似接着ラベル10は、例えば配送伝票ラベルとして使用されるものであり、例えば、表面基材11が受領票として使用され、中間基材13が配達票として使用されるものである。すなわち、配送伝票ラベルが貼付された配送物品の配達が完了すると、表面基材11は、受取人の捺印又はサイン後に樹脂層12とともに、中間基材13から剥離されて、配達業者に持ち帰られる受領票として使用される。一方、中間基材13は配達先に残される配達票となる。
表面基材11及び中間基材13に印字される情報は、依頼人、配達先、配送品名等の個人情報が含まれるが、中間基材13は、第2の樹脂層14から容易に剥離可能であるため、配送物品の包装材とは別に廃棄処理等することが可能になる。そのため、個人情報の漏洩が適切に防止される。
[層間の剥離力]
擬似接着ラベル10において、第1の樹脂層12と中間基材13の間の第1の樹脂層12が設けられた箇所における、25mm幅あたりの剥離力をP1;第2の樹脂層14と中間基材13との間における25mm幅あたりの剥離力をP2;粘着剤層15と剥離シート16の間の25mm幅あたりの剥離力をP3;及び、擬似接着ラベル10のJISZ0237に基づいて測定した25mm幅あたりの接着力(すなわち、粘着剤層15のSUS板に対する剥離力)をP4とすると、剥離力P1〜P3、及び接着力P4は、以下の式(1)の関係を有することが好ましい。なお、式(1)において、P1〜P4の単位は全て“mN/25mm”である。
P4>P2>P1>P3 (1)
また、第1の樹脂層12と中間基材13の間の1ラベルあたりの剥離力をF1、中間基材13と第2の樹脂層14の間の1ラベルあたりの剥離力をF2、粘着剤層15と剥離シート16との間の1ラベルあたりの剥離力をF3とすると、以下の式(2)の関係を有することが好ましい。なお、本発明において1ラベルあたりの剥離力とは、人手で一番剥離しやすい方向(剥離方向)に向かってラベル(表面基材)を剥離し測定される剥離力をいう。人手で一番剥離しやすい方向は、断面において最も未接着部分の多い方向に対し垂直な方向である。なお、式(2)においてF1〜F3の単位は、全て“mN”である。
F2>F1>F3 (2)
擬似接着ラベル10が以上の一般式(1)、(2)の関係を有することで、各層を剥離する際に、意図しない位置での層間剥離等が生じることなく、目的の界面で各層を容易に剥離することが可能になる。すなわち、P1>P3、及びF1>F3とすることで、積層ラベル19を、剥離シート16から剥離する際、第1の樹脂層12と中間基材13の界面における剥離等が有効に防止される。また、P2>P1及びF2>F1とすることで、表面基材11を第1の樹脂層12とともに中間基材13から剥離する際に、中間基材13と第2の樹脂層14の界面におけるめくれや剥離等が防止される。また、P4>P2とすることで、中間基材13を第2の樹脂層14から剥離する際、被着体と粘着剤層14の間の界面におけるめくれや剥がれ等が防止される。
また、各層を剥離する際に、各層が目的の界面で確実に剥離されるようにするために、剥離力P1に対する剥離力P2の比(P2/P1)は、1.1以上であることが好ましく、より好ましくは1.2〜10である。また、同様に、剥離力P3に対する剥離力P1の比(P1/P3)は、1.5以上であることが好ましく、より好ましくは、2〜10である。
さらに、1ラベルあたりの剥離力F1〜F3については、剥離力F1に対する剥離力F2の比(F2/F1)が、2以上であることが好ましく、より好ましくは3〜10である。また、剥離力F3に対する剥離力F1の比(F1/F3)が、1.1以上であることが好ましく、より好ましくは、1.2〜10である。以上のように、1ラベルあたりの剥離力の比についても特定の範囲とすることで、各層が目的の界面で適切に剥離されやすくなる。
なお、以上説明した剥離力P1〜P3、接着力P4、及び剥離力F1〜F3は、後述す実施例に記載の方法に従って測定するものである。
また、第1の樹脂層12は、中間基材13に擬似接着性を有するように積層されるものであるが、これらの間の上記剥離力P1は、150〜1000mN/25mmであることが好ましい。剥離力P1が150mN/25mm以上であると表面基材11と第1の樹脂層12の積層体が中間基材13から不意に剥がれることが防止されやすくなる。また、1000mN/25mm以下であると、上記積層体を比較的小さい剥離抵抗で円滑に剥離することが可能となる。これら観点から上記剥離力P1は、250〜750mN/25mmであることがより好ましい。
同様に、第2の樹脂層14は、中間基材13に擬似接着性を有するように積層されるものであり、第2の樹脂層14と中間基材13との間は、容易に剥離される程度の剥離力で密着している。したがって、これらの間の上記剥離力P2は、250〜1800mN/25mmであることが好ましい。剥離力P2が250mN/25mm以上であると中間基材13と第2の樹脂層14の間の意図しない界面剥離が生じることが防止される。また、1800mN/25mm以下であると、中間基材13を比較的小さい剥離抵抗で第2の樹脂層15から円滑に剥離することが可能となる。これら観点から上記剥離力P2は、400〜1300mN/25mmであることがより好ましい。
また、粘着剤層15と剥離シート16の間の上記剥離力P3は、5〜200mN/25mm程度であることが好ましい。剥離力P3が5mN/25mm以上となることで粘着剤層15が剥離シート16により適切に保護される。また、200mN/25mm以下とすることで小さい剥離抵抗で積層ラベル19を剥離シート16から剥離することが可能になる。以上の観点から、剥離力P3は10〜130mN/25mm程度であることがより好ましい。
また、擬似接着ラベル10の上記接着力P4は4000mN/25mm以上であることが好ましく、6000〜50000mN/25mm程度であることが好ましい。このように接着力P4を高くすることで、積層ラベル19を確実に被着体に貼付することが可能である。
一方で、第1の樹脂層12と表面基材11の間は、第1の樹脂層12と中間基材13の間の界面よりも強固に接着する。したがって、積層ラベル10が粘着剤層15により被着体に貼付された状態では、表面基材11側を人手により引き剥がすと、表面基材11は、確実に第1の樹脂層12とともに中間基材13から剥離されることとなる。
また、第2の樹脂層14と粘着剤層15の間も、第2の樹脂層14と中間基材13との間の界面よりも強固に接着される。これにより、上記のように表面基材11が第1の樹脂層12とともに剥がされた後、中間基材13を引き剥がすと、中間基材13と第2の樹脂層14との間の界面剥離が適切に起こる。
擬似接着ラベル10は、打ち抜き加工が施されてもよい。打ち抜き加工では、表面基材11側から表面基材11、第1の樹脂層12、中間基材13、第2の樹脂層14、及び粘着剤層15が打ち抜き切断された後、カス上げによって不要部分が剥離シート16から取り除かれる。そのため、図1に示すように、剥離シート16の上には、剥離シート16よりも一回り小さい、表面基材11、第1の樹脂層12、中間基材13、及び粘着剤層15からなる積層ラベル19が設けられる。なお、表面基材11は、この打ち抜き加工により、上記したラベル形状の輪郭(外縁部)が形成される。
また、擬似接着ラベル10には、ハーフカット線が設けられてもよい。ハーフカット線は、中間基材13を切断しないように、表面基材11及び第1の樹脂層12を切り込んだものである。ハーフカット線は、ミシン目状に形成されていても良いし、連続的な一条のスリット等によって形成されていても良い。ハーフカット線が設けられると、表面基材11は、第1の樹脂層12と共に、ハーフカット線に沿って切断され、複数片のシートとして分離して剥離可能である。
以上のように、本実施形態の擬似接着ラベル10は、第1の樹脂層12を部分的に設けて未接着部分を有することにより、剥離特性が向上するため、各層を剥離していく際に、目的の界面で各層が剥離できるようになる。また、中間基材13が感熱発色性を有する場合、中間基材13の未接着部分に対応する位置には、感熱式プリンターによる印字が容易になる。さらに、表面基材11及び中間基材13のいずれもが感熱発色性を有する場合、これら2つの基材に感熱式プリンターによる一度の印刷で同じ情報が印字可能になる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について図4〜7を用いて第1の実施形態との相違点を説明する。なお、以下の説明において、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様であり、例えば、各層の材料、層間の剥離力、接着力等については第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態において、第1の実施形態と相違する点は、第1の樹脂層12の形状(パターン)のみである。すなわち、本実施形態においては、第1の樹脂層12は、第1の実施形態と同様に、外周領域の少なくとも一部に設けられるとともに、内側領域に設けられず内側領域が未接着部分となる。そして、外周領域に配置された第1の樹脂層12の外側には、第1の樹脂層12が設けられない部分(未接着部分)があり、ラベル形状の外縁部の少なくとも一部に対応する位置にも未接着部分が設けられる。
例えば、第1の樹脂層12によって形成される2本の細長部12A,12Bが、対向する2辺10A,10Bに沿って設けられる場合、表面基材11の中央から見たとき、2本の細長部12A,12Bのうち1本の細長部12Aの外側には、ラベル形状の外縁部に対応する位置にさらに未接着部分(外側未接着部分21A)が設けられる。外側未接着部分21Aは、例えば、図4に示すように、ラベル形状の外縁部の一辺10Aに対応して細長に延在するものであることが好ましく、ラベル形状の外縁部の一辺10Aに対応する位置が全て未接着部分となることがより好ましい。
このように、表面基材11の一辺10Aに対応する位置が未接着部分となると、剥離のきっかけとなる辺10Aを挟むラベル形状の角部も未接着部分となる。そのため、角部のいずれかを容易に把持することができ、その角部から表面基材11を容易に剥離することが可能になる。また、未接着部分を表面基材11の一辺に沿う細長形状とすると、第1の樹脂層12の形状も矩形の細長形状のままでよいので、第1の樹脂層12の形成が容易になる。
ただし、外側未接着部分21Aは、ラベル形状の外縁部の一辺10Aに対応する位置が全て未接着部分となる必要はなく、その一辺10Aのうち他の一辺との接続部分である角部に対応する位置が少なくとも外側未接着部分21Aとなっていればよく、例えば、図5に示すように、辺10A、10Dによって区画される角部11Eに対応する位置のみに外側未接着部分21Aが設けられてもよい。このように、角部11Eに外側未接着部分21Aが配置されることで、表面基材11は、角部11Eから容易に剥離することが可能になる。
外側未接着部分21Aは、上記のように細長形状を有する場合には、上記第1の樹脂層12の幅よりも狭いことが好ましく、具体的には、外側未接着部分21Aの幅が2〜10mm程度であることが好ましい。幅を2mm以上とすることで、表面基材11を第1の樹脂層12とともに剥離する際に、表面基材11を掴みやすくなる。また、10mm以下とすることで、外側未接着部分21Aに対応する位置の表面基材11が折れた状態で印字が行われても、印字に悪影響を及ぼすおそれが少ない。
また、外側未接着部分21Aが図5に示すように、角部のみに設けられる場合には、その幅及び高さが第1の樹脂層12の幅よりも小さいことが好ましく、上記と同様の観点から、その幅が2〜10mmであるとともに、高さが2〜10mmであることが好ましい。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1の樹脂層12は、2本の細長部からなる必要はない。例えば図6、7に示すように、第1の樹脂層12は、外周領域の全周にわたって設けられ、ロ型形状12Dとなり、表面基材11の一辺10Aに対応する位置、又は角部11Eに対応する位置に外側未接着部分21Aが設けられてもよい。もちろん、表面基材11及び中間基材13のうち少なくともいずれか一方は、感熱発色性を有さないものであってもよい。
[擬似接着ラベルの製造方法]
次に、以上の第1及び第2の実施形態に係る擬似接着ラベルの製造方法の一例について説明する。
本発明の擬似接着ラベルの製造方法の一例は、表面基材に、加熱されたホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤(第1の樹脂層)に、少なくとも中間基材と第2の樹脂層を有する積層体の中間基材側の面を貼り合わせる貼合工程とを備えるものである。
以上の製造方法によると、塗工工程において、加熱されたホットメルト接着剤を表面基材に塗工することで表面基材上に剥離不能に樹脂層を積層することが可能になる。
また、上記したように表面基材が感熱発色性を有し、表面基材に感熱発色層が設けられる場合には、ホットメルト接着剤は、表面基材の感熱発色層が設けられた面とは反対側の面に塗工される。これにより、加熱されたホットメルト接着剤は、表面基材の感熱発色層に直接接触されず、塗工時の加熱により表面基材が発色されにくくなる。また、中間基材が感熱発色性を有し、中間基材に感熱発色層が設けられる場合でも、樹脂層のない未接着部分が設けられることにより、中間基材の主面はホットメルト接着剤により加熱されないため発色が起きない。また、中間基材と樹脂層が接する部分においては、樹脂層は擬似接着性を確保できるように適温まで冷却されて中間基材に貼り合わされるので、樹脂層に接する部分の中間基材も同様に発色されにくくなる。
なお、貼合工程において、樹脂層(ホットメルト接着剤)に貼り合わされるのは、少なくとも中間基材とその中間基材に積層された第2の樹脂層とを備える積層体であればよいが、剥離シート、粘着剤層、第2の樹脂層及び中間基材をこの順に積層してなる粘着シートが好ましい。
以上の製造方法において、ホットメルト接着剤は、表面基材上に塗工される際、溶融されるように加熱されていることが好ましく、その塗工時のホットメルト接着剤の温度(塗工温度)は、具体的には、120〜210℃であることが好ましく、130〜190℃であることがより好ましい。これら温度範囲とすることで、塗工性を良好にできるとともに、表面基材が発色したり、カールが発生したりすることを防止する。
また、中間基材は、擬似接着性が発現するように第1の樹脂層に貼り合わされるが、その貼り合わせ時の樹脂層表面の温度(貼り合わせ温度)は、例えば30〜90℃程度、好ましくは40〜60℃程度である。
以上の製造方法において、少なくとも中間基材と第2の樹脂層を有する積層体は、例えば、図8に示すラミネート装置を用いて製造される。
図8に示すように、ラミネート装置22は、繰り出しロール24と、冷却ロール26と、冷却ローラ26に間隔をおいて隣接されるタッチロール27と、巻き取りロール28と、フラットダイであるTダイ29を有する押し出し機23とを備える。
本方法では、繰り出しロール24から冷却ロール26に中間基材13が繰り出されると共に、冷却ロール26とタッチロール27との間隙には、Tダイ29から溶融した熱可塑性樹脂がフィルム状に押し出される。そして、冷却ロール26とタッチロール27との間隙では、中間基材13上にフィルム状に供給された熱可塑性樹脂が圧着され、これにより、中間基材13、第2の樹脂層14が積層されてなる積層体25が形成される。積層体25において第2の樹脂層14は、中間基材13に対して擬似接着性を有する。この積層体25は巻き取りロール28に巻き取られる。この積層体は、巻き取りロール28に巻き取られる前に適宜コロナ処理等が行われても良い。
冷却ロール26は、内部に冷却水が通されており、表面温度が5〜30℃に冷却されている。中間基材13は、感熱発色層を有する場合、感熱発色層が設けられた側の面が、冷却ロール26に接触するように繰り出される。また、Tダイ29から供給された熱可塑性樹脂の温度は、通常200〜300℃程度であり、より好ましくは220〜280℃であることがより好ましい。これら温度範囲とすることで、中間基材との擬似接着性を良好にすることができる。冷却ロール26とタッチロール27との間隙は、調整可能であり、第2の樹脂層14の厚さが所望の厚さになるように設定される。また、中間基材13が感熱発色性を有する場合、冷却ロール26の表面温度、Tダイ29から供給される熱可塑性樹脂の温度、冷却ロール26とタッチロール27の間隙、及び積層体25の巻き取り速度等は、感熱紙が発色しないように、適宜調整されている。
また、別途用意した剥離シート16の剥離処理面の上に、粘着剤を塗布して粘着剤層15を形成する。得られた剥離シート16及び粘着剤層15からなる積層体の粘着剤層15の上に、積層体25の第2の樹脂層14側をさらに貼り合わせ、粘着シート20を得ることが好ましい。粘着剤の塗布方法としては、特に制限なく種々の方法を用いることができ、例えばエアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の塗工機を用いた方法が挙げられる。
次に、図9に示す擬似接着ラベル製造装置30を用いて擬似接着ラベル30を製造する工程をより詳細に説明する。擬似接着ラベル製造装置30は、表面基材11の一面に、ホットメルト接着剤を塗工する接着剤塗工装置31と、接着剤塗工装置31に対向して設けられる塗工圧着ロール32と、塗工圧着ロール32に隣接するように設けられ、ホットメルト接着剤によって形成された第1の樹脂層12に、中間基材13を貼り合わせるための圧着ロール33とを備える。接着剤塗工装置31は、上流側に配置された間欠塗工ユニット31Aと、下流側に配置された筋塗布ユニット31Bとが組み合わされたものである。間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bは、加熱して溶融されたホットメルト接着剤を押し出し塗工するホットメルトコータ等である。
本製造装置30では、表面基材11は、第1の繰り出しロール35から送り出され、ガイドロール36を経て塗工圧着ロール32へ向かい、塗工圧着ロール32に巻回される。このとき、表面基材11は、感熱発色層を有する場合、感熱発色層が設けられる面11Xとは反対側の面11Yが、塗工圧着ロール32の外周側に配置される。次いで、塗工圧着ロール32に巻回された表面基材11に、ホットメルト接着剤が接着剤塗工装置31によって、所定の塗工温度で塗工される。
接着剤塗工装置31は、上記したように間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bを備えることにより表面基材11上に第1の樹脂層12を部分的に塗布することが可能である。間欠塗工ユニット31Aは、塗工液の供給バルブのオン/オフを制御して、表面基材11上に、MD方向に沿って間欠的にホットメルト接着剤を塗布するユニットである。そのため、間欠塗工ユニット31Aは、第1の樹脂層をTD方向に平行な細長形状にしたりすることが可能である。筋塗布ユニット31Bは、コータのヘッドに櫛形プレートで形成されたシムを取り付け、ホットメルト接着剤の一部を堰き止め、コータのヘッドに吐出部と無吐出部を設けることで、ホットメルト接着剤をMD方向に沿って筋状に塗布するユニットである。そのため、筋塗布ユニット31Bは、例えば、第1の樹脂層をMD方向(流れ方向)に平行な細長形状としたりすることが可能である。
接着剤塗工装置31では、これら2つの間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bを組み合わせることで、表面基材11上に様々なパターンを塗工することが可能になる。例えば、間欠塗工ユニット31Aで2本の細長部を塗布し、筋塗布ユニット31Bでこれらと垂直の2本の細長部を塗布することで、図3、6等に示されるように樹脂層をロ型形状にすることも可能である。
また、間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bのうち、一方のユニットを使用することで、図2に示すように、2本の細長部12A,12Bからなる第1の樹脂層12を形成することが可能である。また、図4に示すように、細長矩形の外側未接着部分21Aを設けることも可能である。
なお、接着剤塗工装置31においては、間欠塗工ユニット31A及び筋塗布ユニット31Bのうち一方を省略してもよい。これらのうち、一方を省略しても上記のように、細長矩形形状の第1の樹脂層12及び外側未接着部分21Aを形成することが可能である。
さらに、間欠塗工ユニット31Aを、ホットメルト接着剤をMD方向に沿って筋状に塗布することが可能な構成とし、また、筋塗布ユニット31Bを間欠塗工することが可能な構成にすることで、図5、7に示すように、外周領域のうち、角部のみに外側未接着部を設けたりすることも可能である。
ホットメルト接着剤が塗工された表面基材11は、さらに塗工圧着ロール32に巻回されたまま圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間に送られる。ここで、塗工圧着ロール32は、内部に冷却水等が通されており、冷却機能を有するものである。そのため、感熱発色層が塗工圧着ロール32に直接接して冷却されることから、塗工温度まで加温されたホットメルト接着剤によって発色することがない。また、ホットメルト接着剤は、圧着ロール33との圧着点に送られるまでの間、塗工圧着ロール32によって冷却されるため、加温されたホットメルト接着剤は、所定温度まで冷却され、表面基材11の一方の面に、擬似接着性を発揮するのに適した性状の第1の樹脂層12が積層された状態となる(図10参照)。
第2の繰り出しロール37からは、例えば粘着シート20が圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間に送られる。図10に示すように、粘着シート20は、上記したように、剥離シート16、粘着剤層15、第2の樹脂層14及び中間基材13がこの順に積層されてなるものである。なお、中間基材13に感熱発色層が設けられる場合、感熱発色層は粘着シート20の表面20Xに配置されることになる。
次に、圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間において、粘着シート20の表面20Xが、第1の樹脂層12に圧着されて貼り合わせられ、これにより、擬似接着ラベル10が得られ、巻き取りロール38に巻き取られる。
図9に示す擬似接着ラベル製造装置30によれば、樹脂層の形成と、樹脂層と中間基材との貼り合わせが一連の工程で連続的に行うことが可能であるため、少ない工程数で擬似接着ラベルを製造可能になる。
擬似接着ラベル製造装置30は、さらに冷却ロール(図示せず)を備えていてもよい。冷却ロールは、外周面が金属製の筒体で形成され、また、内部に冷却水等が通されることで冷却機能を有するものである。冷却ロールは、塗工圧着ロール32と表面基材に接しない位置において塗工圧着ロールの外周面に接触する構造を有する。当該冷却ロールにより冷却を行えば、塗工圧着ロール32を介して間接的に表面基材11やホットメルト接着剤を冷却することができる。当該冷却ロールと塗工圧着ロール32の冷却を同時に行ってもよいし、いずれか一方で冷却してもよい。冷却ロールが設けられると、塗工圧着ロール32は、冷却ロールによってさらに効率的に冷却され、また、温度制御された冷却が行えることになる。
また、第2の繰り出しローラから繰り出されるシートは、粘着シート20に限定されず、中間基材13と第2の樹脂層14を備える積層体であればよく、例えば剥離シート16と粘着剤層15を省略してもよい。この場合、中間基材13と第2の樹脂層14を備える積層体を第1の樹脂層12に積層した後に、剥離シート16と粘着剤層15を第2の樹脂層14上に適宜積層する。
擬似接着ラベル製造装置30は、必要に応じさらに印刷装置を備えることができる。印刷装置としては擬似接着ラベル製造装置30の任意の位置に単数または複数のユニットを設置することができる。例えば、圧着ロール33と巻取りロール38の間に、図9中の下方からウエブに向かって印刷する印刷ヘッドを設置すれば、表面基材の表面11Xに印刷パターンを有する擬似接着ラベルが製造できる。また、第1の繰り出しロール35とガイドロール36の間に、図9中の上方からウエブに向かって印刷する印刷ヘッドを設置すれば、表面基材11と第1の樹脂層12の間に印刷パターンを有する擬似接着ラベルを製造できる。また、第2の繰り出しロール37と圧着ロール33の間に、図9中の左上方向からウエブに向かって印刷する印刷ヘッドを設置すれば、中間基材の表面20Xに印刷パターンを有する擬似接着ラベルを製造できる。擬似接着ラベル製造装置30に用いられる印刷装置としてはフレキソ印刷装置などが好ましい。
このような印刷装置は、感熱発色によるような可変情報ではなく、固定されたロゴやデザインなどの図柄、罫線などの印刷パターンあるいは隠蔽のための全面印刷層を擬似接着ラベルに付与するために適用される。
擬似接着ラベル製造装置30は、必要に応じ、さらに抜き加工装置やカス取り装置等を備えていてもよい。抜き加工装置としては、ピナクル刃やトムソン刃を備えたダイカット装置やレーザー切断装置などが挙げられる。これらの抜き加工装置により、剥離シート16を残し表面基材11から粘着剤層15までの積層ラベル19を切断する抜き加工や、表面基材11から第1の樹脂層12までの層をカットするハーフカット、あるいはミシン目加工などを行うことができる。擬似接着ラベル10を外周の閉じた形状に抜き加工を行う場合は、外周より外側をカス取り装置により除去することが好ましい。この際、第1の樹脂層の塗布パターンに基づいて抜き刃の位置が精密調整されて、擬似接着ラベルの所定の位置に第1の樹脂層が部分的に設けられるようになり、例えば、表面基材の一辺に沿って延在する外側未接着部分21Aを形成することも可能である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
各物性の測定方法、及び擬似接着ラベルの評価方法は以下のとおりである。
(1)溶融粘度
ホットメルト接着剤の160℃における溶融粘度は、ブルックフィールドB型粘度計(ローターNo.27、回転数20rpm)により測定した。
(2)軟化点
ホットメルト接着剤の軟化点は、環球法(JIS K 7234 4.1)により測定した。
(3)MFR
MFRは、JIS K7210:1999に基づき測定した。
(4)剥離力及び接着力
(25mm幅あたりの剥離力P1〜P3、接着力P4)
擬似接着ラベルから剥離シートを剥離した積層ラベルを測定用サンプルとし、これをJIS Z0237に基づきSUS板に貼付し2kgのゴムローラで圧着した。20分経過後に、JIS Z0237に基づき、SUS板を万能引張試験機に固定するとともに測定用サンプルの端部を180°方向に、300mm/minの速度で引き剥がす際の強度を測定した。具体的には、初めに測定用サンプルの表面基材及び第1の樹脂層からなる積層体を中間基材から引き剥がし、次に中間基材を第2の樹脂層から引き剥がし、最後にSUS板から第2の樹脂層及び粘着剤層からなる積層体を引き剥がして、それぞれを剥離力P1、P2及び接着力P4とした。
なお、上記測定用サンプルは、擬似接着ラベルから平面視で第1の樹脂層が設けられた部分のみを切り出した積層ラベルである。より具体的には、未接着部分の最も多い断面の方向(すなわち、図2、4の構成では細長部12A、12Bの短尺方向)に対して、垂直な方向(すなわち、未接着部分の少ない方向であって、図2、4の構成では細長部12A,12Bの長尺方向)が剥離方向となるように、切り出して得たものである。測定用サンプルは、幅25mmのものであるが、幅が25mmに満たないものについては、最大幅が採取できる分を切り出してその幅当たりの剥離力を測定し、25mm当たりの剥離力に換算して剥離力P1、P2、及び接着力P4を測定した。
また、以下の方法で接着力P3を測定した。すなわち、剥離シートも含む擬似接着ラベルを、幅50mmに切り出し、表面基材側を平板に固定し、平板ごと万能引張試験機に装着した。剥離シートの一端部を万能引張試験機に把持し、180°方向に300mm/minの速度で引き剥がす際の強度を測定した。この強度を25mm幅に換算して値を剥離力P3とした。
(1ラベルあたりの剥離力F1〜F3)
上記25mm幅あたりの剥離力P1、P2、P3を基に、剥離方向に沿って剥離した際の1ラベルあたりの剥離力F1,F2,F3を算出した。
具体的には、剥離力P1、P2、P3を、ラベル形状の幅あたりの剥離力に換算して、1ラベルあたりの剥離力F1,F2,F3とした。なお、ラベル形状の幅とは、剥離力測定時の剥離方向の垂直方向に沿う、未接着部分の最も多い断面上のラベル幅である。
例えば、図2、4の構成において、辺10A,10B間の長さ(ラベル幅)が90mmである場合には、90/25をP1,P2,P3に乗じることで90mm幅の剥離力に換算し、その換算値を1ラベルあたりの剥離力とする。
ただし、第1の樹脂層のように、剥離界面における樹脂層(又は粘着剤層)が部分的に設けられる場合には、ラベル形状の面積に対する樹脂層(又は粘着剤層)の占有率を乗じて、剥離力を補正する。例えば、ラベル形状全体の1/3の面積に第1の樹脂層が設けられる場合には、上記の換算値にさらに1/3を乗じたものを剥離力F1とする。
(5)作業性評価
(貼付性)
積層ラベルを剥離シートから剥離して、人手またはラベリングマシン(リンテック株式会社製、製品名「L−VIS‐II」)により段ボール紙に貼付した。人手による貼付作業でもラベリングマシンによる貼付作業でも問題なく貼付可能であった場合を、“A”とし、少なくとも一方の貼付作業で粘着剤層と剥離シートの層間以外で剥離し、貼付作業に問題が発生した場合を、“F”とした。
(剥離性)
貼付性評価で作成した段ボール紙と積層ラベルの貼付体から人手作業で、第1の樹脂層と中間基材の層間、中間基材と第2の樹脂層の層間の順で剥離する操作を行い、目的とする順番で剥離が容易であった場合を、“A”とし、剥離が困難であったり、目的と異なる層間で剥離が起きたりした場合を、“F”とした。
(印字性)
擬似接着ラベルの表面基材側から、ゼブラテクノロジーズ社製「110Xi4」を用いて印字を行った。印字後、第1の樹脂層と中間基材の層間から表面基材側を剥離して、中間基材の印字状態を目視にて確認して以下の基準で評価した。
A:鮮明に文字を観察でき、印字性が良好であった。
B:印字された文字はやや不鮮明であるものの、文字を認識することができた。
F:印字された文字が見えず、又は認識できなかった。
実施例1
表面基材及び中間基材として、日本製紙株式会社製のサーマル紙「TP50KS−HS」(厚み:64μm)、第1の樹脂層用のホットメルト接着剤として、軟化点が148℃、160℃溶融粘度が11000mPa・sのポリオレフィン樹脂系ホットメルト接着剤(MORESCO製の「EP−90」)を用意した。第2の樹脂層用の熱可塑性樹脂として、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:LC800、密度0.917g/cm2、MFR20g/10min)を用意した。また粘着剤層用の粘着剤として、リンテック株式会社製のアクリル系粘着剤「PW」を、剥離シートとしてリンテック株式会社製の剥離紙「SP−8Kアオ」を用意した。
まず、図8に示すラミネート装置を用いて、中間基材13としてのサーマル紙の感熱発色層が設けられた面とは反対側の面上に、第2の樹脂層用の熱可塑性樹脂をTダイ29により加工温度270℃で押し出して積層し、中間基材13及び第2の樹脂層14からなる積層体25を作製した。積層体25における第2の樹脂層14は、厚みが25μmとなるよう調整した。その後、剥離剤層側の面に厚さ20μmの粘着剤層15を設けた剥離シート16の粘着剤層15側を、積層体25の第2の樹脂層14に積層し、幅100mmに裁断してロール状の粘着シート20を得た。
次に、図9に示す擬似接着ラベル製造装置30を用いて以下のように図1、2に示す擬似接着ラベルを製造した。
まず、第1の繰り出しロール35に幅100mmのロール状の表面基材11を、第2の繰り出しロール37に粘着シート20をセットした。第1の繰り出しロール35から繰り出された表面基材11を塗工圧着ロール32に巻回し、表面基材11の感熱発色層が設けられた面とは反対側の面に、筋塗布ユニット31Bからなる接着剤塗工装置31によって、樹脂押出温度(塗工温度)180℃で、第1の樹脂層の厚みが20μmになるように押出塗工し、表面基材11の上に第1の樹脂層12を形成した。なお、塗工圧着ロール32の内部には、20℃の水が循環されていた。また、筋塗布ユニット31Bのコータヘッドには、15mmの吐出部、60mmの無吐出部、15mmの吐出部がこの順に配列されるようにシムを装着しており、第1の樹脂層12は、擬似接着ラベルにおいて、表面基材11の対向する二辺に沿う位置に設けられた2本の幅15mmの細長部となるようにパターニングされていた。各細長部は、MD方向に平行であった。
次いで、圧着ロール33と塗工圧着ロール32の間で、上記第1の樹脂層12に、中間基材13側の面が接するように粘着シート20を50℃で貼り合わせた。なお、貼り合わせ時の温度は、樹脂層表面の温度を赤外線による非接触温度計で測定したものである。その後、抜き加工が施されカス取りされることで図1、2に示す擬似接着ラベルを得た。抜き加工された後の擬似接着ラベル10のサイズ(すなわち、幅100mmの剥離シート16上の表面基材等のサイズ)は、90mm×90mmであった。
実施例2
コータヘッドに装着されるシムが、20mmの吐出部、50mmの無吐出部、15mmの吐出部及び5mmの無吐出部がこの順に配列されようにシムに変更した以外は、実施例1と同じように実施して、2本の細長部のうち一方の細長部が15mmとなるとともに、その一方の細長部の外側に外側未接着部が設けられ、かつ他方の細長部が20mmとなるようにして、図4に示す擬似接着ラベルを得た。
実施例3
第2の樹脂層の厚みが30μmとなるように調整した以外は、実施例1と同じようにして図1、2に示す擬似接着ラベルを得た。
Figure 2016061929
以上のように、実施例1〜3では、第1の樹脂層を部分的に設けることで第1の樹脂層と中間基材の間の剥離力F1を適切なものに調整できたため、各剥離力P1〜P3,F1〜F3、及び接着力P4のバランスを良好にすることができた。そのため、貼付性、剥離性のいずれも良好にすることができた。また、第1の樹脂層を部分的に設けることで、中間基材に対する印字性を良好にすることもできた。
10…擬似接着ラベル
11…表面基材
12…第1の樹脂層
13…中間基材
14…第2の樹脂層
15…粘着剤層
16…剥離シート
19…積層ラベル
20…粘着シート
21…未接着部分
21A…外側未接着部分
22…ラミネート装置
30…擬似接着ラベル製造装置
31…接着剤塗工装置
32…塗工圧着ロール
33…圧着ロール

Claims (8)

  1. 表面基材、第1の樹脂層、中間基材、第2の樹脂層、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、前記第1の樹脂層と中間基材の間、及び前記中間基材と第2の樹脂層の間で擬似接着性を有するように積層されており、
    前記第1の樹脂層が部分的に設けられ、前記表面基材と前記中間基材の間に第1の樹脂層がない未接着部分を有する擬似接着ラベル。
  2. 前記第1の樹脂層がラベル形状の少なくとも1辺と平行となるよう部分的に設けられる請求項1に記載の擬似接着ラベル。
  3. 前記ラベル形状の外縁部の少なくとも一部に対応する位置に、前記未接着部分を有する請求項1又は2に記載の擬似接着ラベル。
  4. 前記第1の樹脂層がラベル形状の少なくとも1辺に沿うように部分的に設けられるとともに、その外側に前記未接着部分が設けられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の擬似接着ラベル。
  5. 前記第1の樹脂層と前記中間基材との間の第1の樹脂層が設けられた箇所における25mm幅あたりの剥離力をP1(mN/25mm)、前記中間基材と前記第2の樹脂層との間の25mm幅あたりの剥離力をP2(mN/25mm)、前記粘着剤層と前記剥離シートとの間の25mm幅あたりの剥離力をP3(mN/25mm)、JIS Z0237に基づいて測定された擬似接着ラベルの25mm幅あたりの接着力をP4(mN/25mm)としたとき、P1〜P4が以下の式(1)の関係を満たすとともに、
    前記第1の樹脂層と前記中間基材との間の1ラベルあたりの剥離力をF1(mN)、前記中間基材と前記第2の樹脂層との間の1ラベルあたりの剥離力をF2(mN)、前記粘着剤層と前記剥離シートとの間の1ラベルあたりの剥離力をP3(mN)としたとき、F1〜F3が以下の式(2)の関係を満たす請求項1〜4のいずれか1項に記載の擬似接着ラベル。
    P4>P2>P1>P3 (1)
    F2>F1>F3 (2)
  6. 前記表面基材及び前期中間基材の少なくとも一方が感熱発色性である請求項1〜5のいずれか1項に記載の擬似接着ラベル。
  7. 前記表面基材及び前期中間基材がともに感熱発色性である請求項6に記載の擬似接着ラベル。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の擬似接着ラベルを製造する擬似接着ラベルの製造方法であって、
    前記表面基材上に、加熱したホットメルト接着剤を部分的に塗工する塗工工程と、その塗工されたホットメルト接着剤を冷却し、冷却されたホットメルト接着剤に、前記中間基材と第2の樹脂層を備える積層体を貼り合わせる貼り合せ工程とを備える擬似接着ラベルの製造方法。
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