JP2016060760A - 水性接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の水性接着剤では達成できなかった印刷層との接着性を向上させ、加熱殺菌処理をしても接着強度やヒートシール強度が低下し難い水性接着剤組成物の提供。【解決手段】ポリエーテルポリオールと、トリレンジイソシアネートと、カルボキシル基を有するジオールとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなる、重量平均分子量100,000〜500,000のポリエーテルポリウレタンの水性分散体、及びイソシアネート水性分散体を、含有する、水性接着剤組成物。前記ポリエーテルポリオールかポリプロピレングリコールであることが好ましい水性接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、水性接着剤組成物に関する。詳しくは、本発明は、プラスチックフィルム、紙、金属箔等の各種素材を貼り合わせるための水性接着剤組成物に関する。
各種プラスチックフィルム、金属箔および紙等を貼り合わせるための接着剤として、水酸基を有するポリマーとイソシアネートとの硬化反応を利用する2液硬化型の接着剤が知られている。水酸基を有するポリマーとしては、ポリエステル樹脂やポリエステルポリウレタン樹脂等が知られている。
2液硬化型接着剤の分野でも、有機溶剤を用いない水性接着剤への要求が高まっている。
例えば、特許文献1には、活性水素原子を有する架橋ポリウレタン樹脂粒子の水性分散体と、前記活性水素原子と反応し得る官能基としてグリシジル基や水酸基を分子内に2個以上有する水性化合物とを含有する2液混合型水性接着剤組成物が開示されている。
ところで、加熱殺菌処理を必要とする包装材のうち例えば袋状のもの、以下のようにして製造する。すなわち、ナイロンフィルム(以下、NYフィルムと略す)の一方の面と、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(以下、LLDPEフィルムと略す)とを接着剤を用いて貼り合わせてなる積層体を用い、前記LLDPEフィルム同士を向かい合わせにし、周辺部をヒートシールし、袋状の包装材を得る。次いで、内容物を充填し、開口部も前記と同様にヒートシールし、加熱殺菌処理する。
前記積層体は、NYフィルムの一方の面の少なくとも一部に印刷層が設けられることが多い。従って、接着剤層は、NYフィルムに直に接する場合と、NYフィルム上に設けられた印刷層に接する場合とがある。
印刷層上に従来の水性接着剤を用い接着剤層を設けた場合、加熱殺菌処理試験をすると接着強度、ヒートシール強度が不十分であるという問題があった。
特開平07−062320号公報
本発明は、従来の水性接着剤では達成できなかった印刷層との接着性を向上させ、加熱殺菌処理をしても接着強度やヒートシール強度が低下し難い水性接着剤組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、ポリエーテルポリオールと反応させるイソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートを選択すると共に、生成されるポリエーテルポリウレタンの分子量を従来よりも大きくすることによって、硬化剤との反応後接着剤層の高温域での貯蔵弾性率を向上させ、印刷層を具備する場合においても、加熱殺菌処理後の接着強度やヒートシール強度を向上させることに成功したものである。
すなわち、本発明は、ポリエーテルポリオールと、トリレンジイソシアネートと、カルボキシル基を有するジオールとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなる、重量平均分子量100,000〜500,000のポリエーテルポリウレタンの水性分散体、およびイソシアネート水性分散体を、含有する、水性接着剤組成物に関する。
上記発明において、ポリエーテルポリオールは、ポリプロピレングリコールであることが好ましい。
本発明により、従来の水性接着剤では達成できなかった印刷層との接着性を向上させ、加熱殺菌処理をしても接着強度やヒートシール強度が低下し難い水性接着剤組成物を提供することができる。本発明の水性接着剤組成物は、食品包装用や工業用に好適に用いられる。
本発明に用いられるポリエーテルポリウレタンについて説明する。
ポリエーテルポリウレタンは、ポリエーテルポリオールと、トリレンジイソシアネートと、カルボキシル基を有するジオールとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなるものであり、重量平均分子量は100,000〜500,000である。
ポリエーテルポリオールは、ポリウレタンの技術分野において公知のものを限定なく使用可能である。
具体的には、ポリオキシテトラメチレンポリオール(以下、PTMGと略す)、ポリオキシプロピレンポリオール(以下、PPGと略す)等の比較的分子量の大きいものが好適に用いられる。
比較的分子量の大きいポリエーテルポリオールは、低分子量多官能の活性水素化合物にテトラヒドロフランやエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加させて製造される。原料である低分子量多官能の活性水素化合物としては、水、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、シュークロース、トルエンジアミン等の芳香族ポリアミン、アルカノールアミン等が例示される。
本発明では、上記のような比較的分子量の大きいものの他、ポリエーテルポリオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール等の比較的分子量の小さいものも用いることができる。
ポリエーテルポリウレタンを得る際には、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリエーテルポリオールの他に、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等も使用できる。さらに、これらのポリオールの共重合体も使用できる。ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリカプロラクトンポリオール(PCL)、フタル酸系ポリオール等が例示される。共重合体としては、例えば、PTMGとカプロラクトンのブロック共重合体、ポリブチレンアジペートとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体等を挙げることができる。これらの共重合体は、例えばPTMGにε−カプロラクトンを開環共重合させる方法、ポリエステルポリオールにテトラヒドロフランやエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを開環共重合させる方法等の公知の方法により合成することができる。
ポリエーテルポリウレタンを得る際には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記のポリオール成分の他に、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類、4,4'−ビス(o−クロロアニリン)(MOCA),ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、アミノ基のo−位にメチル基やエチル基等の置換基を有する4,4'−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。
ポリエーテルポリオールを主体とするポリオール成分と反応させ、ポリエーテルポリウレタンを得るために用いられるイソシアネート成分は、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)等のトリレンジイソシアネートである。
トリレンジイソシアネートを反応させてなるポリエーテルポリウレタンの代わりに、トリレンジイソシアネート以外のイソシアネート成分を、ポリエーテルポリオールと反応させてなるポリエーテルポリウレタンを用いた接着剤の場合、印刷層があると、加熱殺菌処理試験をすると接着強度、ヒートシール強度が低下してしまう。
トリレンジイソシアネート以外のイソシアネート成分としては、例えばポリウレタンの製造において知られる、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート化合物や、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート類や、水素添加4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI、商品名ハイレン−W、ヒュルス社製)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類が例示される。
本発明に用いられるポリエーテルポリウレタンは、水性化するための官能基としてカルボキシル基を有する。カルボキシル基を導入するために、カルボキシル基を有するジオールを使用する。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、グリセリン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール乳酸等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールと、トリレンジイソシアネートと、カルボキシル基を有するジオールとを、イソシアネート基過剰の条件下に反応させ、重量平均分子量が100,000〜500,000のカルボキシル基を有するポリエーテルポリウレタンを得、残ったイソシアネート基にモノアルコールを反応させるとともに、カルボキシル基の一部を塩基性化合物で中和し、中和物を水性媒体に分散することによって、ポリエーテルポリウレタンの水性分散体を得ることができる。カルボキシル基を有するポリエーテルポリウレタンの重量平均分子量が上記範囲にあることによって、印刷層を設けた場合であっても、加熱殺菌処理後の接着強度、ヒートシール強度を大きく保つことができる。
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)により、標準ポリスチレン換算で求めた。具体的には、試料濃度が0.2質量%程度となるように試料をテトラヒドロフランに溶解し、孔径0.45μm(13N)の倉敷紡績製非水系未滅菌GLメンブレンフィルターで濾過したものを測定用試料とした。東ソー社製ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)HLC−8020を用い、テトラヒドロフランをキャリアー溶剤とし、RI検出器を用いて流速0.6ml/分で測定した。カラムとして東ソー製 TSKgelカラムSUPER HM−H、HM−Lを2本連結しカラム温度は40℃に設定した。分子量標準サンプルとしてはポリスチレン標準物質を用いた。GPC測定より得られた分子量分布から、波形処理ソフトにより算出された重量平均分子量(Mw)を求めた。
カルボキシル基を有するポリエーテルポリウレタンの樹脂酸価は、水性媒体への分散し易さ、および加熱殺菌処理時の接着剤層の耐水性の点から3〜60(mgKOH/g)であることが好ましい。さらに好ましくは、10〜30(mgKOH/g)であることが望ましい。
なお、酸価は、試料約2.5gを三角フラスコに取り、メチルエチルケトン20mlに溶解した後に、0.1Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定し、以下の式に基づき求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
指示薬にはフェノールフタレインを用いた。
<酸価>
試料にメチルエチルケトンを加え溶解した後、0.1N水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和滴定した。酸価は次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)=(V2−V1)×F×5.611/S
但し、V1:0.1N水酸化カリウムエチルアルコール溶液の滴下量(ml)
V2:空実験の0.1N水酸化カリウムエチルアルコール溶液の滴下量(ml))
F:0.1N水酸化カリウムエチルアルコール溶液の力価
S:試料採取量(g)
N:mol/リットル
ポリエーテルポリウレタンを得る際の触媒としては、公知のポリウレタン反応用として、有機金属触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等の錫化合物が例示される。第3級アミン触媒、有機金属触媒等の触媒も限定なく使用可能である。第3級アミン触媒としては、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン等のモルフォリン系触媒、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のテトラメチルアルキレンジアミン類、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等のテトラメチルジアルキレンエーテル類、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等の環状ポリアミン類が例示される。
イソシアネート基を有するポリエーテルポリウレタンに反応させ、イソシアネート基の消失に用いるモノアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの脂肪族飽和アルコール等が挙げられる。これらのモノアルコールの中でも、水性樹脂組成物としての貯蔵安定性に優れ、揮発性が高いために硬化塗膜に残留しにくいことから、イソプロピルアルコール、エタノールが好ましい。なお、これらのモノアルコールは、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
カルボキシル基を有するポリエーテルポリウレタンの中和に用いられる塩基性化合物としては、有機塩基性化合物、無機塩基性化合物の中から広範囲に選択可能である。カルボキシル基を中和することが可能なものであり、水に溶解するものであれば使用できる。有機塩基性化合物では、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類、トリエチルホスフィンなどのアルキルホスフィン類、アンモニアなどが好ましい。無機塩基性化合物では、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物または酸化物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。カルボキシル基を中和するのに用いる塩基性化合物としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルルアミン、ジプロピルルアミントリプロピルルアミン等のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパノール、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の多価アミン;アンモニア、アンモニア水などが挙げられる。これらの塩基性化合物の中でも、水性樹脂組成物としての貯蔵安定性に優れ、揮発性が高いために硬化塗膜に残留しにくいことから、N,N−ジメチルエタノールアミン、アンモニア水が好ましい。なお、これらの塩基性化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
水性分散体を構成する水性媒体としては、水が挙げられる。
水性ポリウレタン樹脂分散体中のポリウレタン樹脂の割合は、5〜60質量%が好ましく、より好ましくは15〜50質量%であり、更に好ましくは25〜40質量%である。
次に本発明の水性接着剤組成物に含まれる、イソシアネート水性分散体について説明する。イソシアネート水性分散体中に含まれるイソシアネート成分は、イソシアネート基を少なくとも2個以上含有し、水に分散可能なものならば何れをも使用することが出来る。
例えば、商品名としては、日本ポリウレタン工業製アクワネートAQ−100,120,200、住化バイエルウレタン社製バイヒジュール302,304,3100等を挙げることができる。尚、イソシアネート水性分散体は、ポリエーテルポリウレタンの水性分散体と配合後は、水とイソシアネートとの副反応が発生するため速やかに使用することが好ましく、例えば8時間以内に使用することが好ましい。
本発明の接着剤組成物は、ポリエーテルポリウレタンの水性分散体とイソシアネート水性分散体とを配合してなるものであり、ポリエーテルポリウレタンの水性分散体中のポリエーテルポリウレタン100質量部に対して、ポリエーテルポリウレタン中のイソシアネート成分は10〜25質量部となる範囲で配合することが好ましい。
本発明の接着剤組成物は、上記成分の他に、更に、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防曇剤、防カビ剤、増粘剤、可塑剤、顔料、充填剤、界面活性剤、機械的安定剤、消泡剤、レベリング剤、濡れ剤、表面改質剤、シランカップリング剤、リン酸誘導体等の密着助剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
本発明の接着剤組成物は、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム同士、それらプラスチックフィルムと紙、又はアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム等を蒸着したプラスチックフィルムやアルミニウム、ステンレス鋼、鉄、銅、鉛等の箔等との積層物(ラミネート物)を作成する際の接着剤として用いることができる。これら積層の対象を基材ということがある。
本発明の接着剤組成物の使用方法について説明する。
ポリエーテルポリウレタンの水性分散体とイソシアネート水性分散体とを配合し、本発明の接着剤組成物を得、該接着剤組成物を基材の一方の面に塗布し、50〜120℃の条件下に、水性媒体を蒸発させ、硬化処理前の接着剤層を得る。前記接着剤層の膜厚は0.1〜10μm(塗布量は0.1〜10g/m2)であることが好ましい。
次いで、硬化処理前の接着剤層に他の基材を重ね、30〜150℃、10〜100N/cm2程度の条件で加熱加圧し、その後、20〜60℃で2〜4日間、エージングし接着剤層の硬化を促進・完了し、積層物を得る。加熱加圧の際にはニップロールを使用することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。実施例及び比較例中の%及び部は、断りがない限りは総て質量基準である。
[合成例1]
還流冷却器、攪拌機、窒素ガス導入管、滴下ロートが設けられた1Lの4ツ口フラスコに数平均分子量約4000(水酸基価28mgKOH/g)のポリプロピレングリコール:18部、数平均分子量約3000(水酸基価37mgKOH/g)のポリプロピレングリコール12部、ジメチロールブタン酸(水酸基価758mgKOH/g)2.25部、トリレンジイソシアネート(イソシアネート基含有量48.3%)4.2部を入れ、攪拌しながら120〜130℃に加熱してウレタン化反応を行い、さらに、東京理化器械(株)製マゼラZ−2200の攪拌モータートルクが20%に溶液粘度が上昇してきたら、釜内温度を150〜160℃でウレタン化反応を行い、カルボキシル基を有するポリエーテルウレタン樹脂を得た。得られたポリエーテルウレタン樹脂の酸価は23mgKOH/gであり、重量平均分子量が120,000であった。
得られたポリエーテルウレタン樹脂を19.6部のイソプロピルアルコールに80℃で溶解し、攪拌しながら25%アンモニア水0.4部及び水を徐々に滴下して中和反応を行い、最後に加熱蒸発と微減圧によってイソプロピルアルコールを除去して固形分40%のカルボキシル基含有ポリエーテルウレタン樹脂の水分散体を得た。
[合成例2]
還流冷却器、攪拌機、窒素ガス導入管、滴下ロートが設けられた1Lの4ツ口フラスコに数平均分子量約2000(水酸基価56mgKOH/g)のポリプロピレングリコール27部、ジメチロールブタン酸(水酸基価758mgKOH/g)2部、トリレンジイソシアネート(イソシアネート基含有量48.3%)5.4部を入れ、攪拌しながら120〜130℃に加熱してウレタン化反応を行い、カルボキシル基を有するポリエーテルウレタン樹脂を得た。得られたポリエーテルウレタン樹脂の酸価は20mgKOH/gであり、重量平均分子量が50,000であった。
得られたポリエーテルウレタン樹脂を8.6部のイソプロピルアルコールに80℃で溶解し、攪拌しながら25%アンモニア水0.4部及び軟水を徐々に滴下して中和反応を行い、最後に加熱蒸発と微減圧によってイソプロピルアルコールを除去して固形分40%のカルボキシル基含有ポリエーテルウレタン樹脂の水分散体を得た。
[合成例3]
還流冷却器、攪拌機、窒素ガス導入管、滴下ロートが設けられた1Lの4ツ口フラスコに数平均分子量約2000(水酸基価56mgKOH/g)のポリプロピレングリコール27部、ジメチロールブタン酸(水酸基価758mgKOH/g)2部、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート基含有量33.6%)7.5部を入れ、攪拌しながら120〜130℃に加熱してウレタン化反応を行い、カルボキシル基を有するポリエーテルウレタン樹脂を得た。得られたポリエーテルウレタン樹脂の酸価は22mgKOH/gであり、重量平均分子量が65,000であった。
得られたポリエーテルウレタン樹脂を9.1部のイソプロピルアルコールに80℃で溶解し、攪拌しながら25%アンモニア水0.4部及び軟水を徐々に滴下して中和反応を行い、最後に加熱蒸発と微減圧によってイソプロピルアルコールを除去して固形分40%のカルボキシル基含有ポリエーテルウレタン樹脂の水分散体を得た。
[合成例4]
還流冷却器、攪拌機、窒素ガス導入管、滴下ロートが設けられた1Lの4ツ口フラスコに数平均分子量約4000(水酸基価28mgKOH/g)のポリプロピレングリコール18部、数平均分子量約3000(水酸基価37mgKOH/g)のポリプロピレングリコール12部、ジメチロールブタン酸(水酸基価758mgKOH/g)2.25部、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート基含有量33.6%)6.2部を入れ、攪拌しながら120〜130℃に加熱してウレタン化反応を行い、さらに、東京理化器械(株)製マゼラZ−2200の攪拌モータートルクが20%に溶液粘度が上昇してきたら、釜内温度を150〜160℃でウレタン化反応を行い、カルボキシル基を有するポリエーテルウレタン樹脂を得た。得られたポリエーテルウレタン樹脂の酸価は22mgKOH/gであり、重量平均分子量が100,000であった。
得られたポリエーテルウレタン樹脂を20.7部のイソプロピルアルコールに80℃で溶解し、攪拌しながら25%アンモニア水0.4部及び軟水を徐々に滴下して中和反応を行い、最後に加熱蒸発と微減圧によってイソプロピルアルコールを除去して固形分40%のカルボキシル基含有ポリエーテルウレタン樹脂の水分散体を得た。
[実施例1]
合成例1で得られたポリエーテルポリウレタンの水性分散体(固形分40%)100部に、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系のイソシアネート水性分散体(バイヒジュール304(固形分100%)、住化バイエルウレタン(株)製)5部を加え、水希釈を行い、固形分40%の水性接着剤組成物を得、後述する方法に従って積層体を得、接着力、ヒートシール強度を、ボイル前後で測った。結果を表1に示す。
[実施例2]、[比較例1]〜[比較例4]
実施例1と同様にして、各合成例で得られたポリエーテルポリウレタンの水性分散体100部に、表1に示す処方にて各イソシアネート水性分散体または脂肪族エポキシ樹脂を配合し、それぞれ水性接着剤組成物を得、同様に評価した。
<積層体作成>
各実施例、各比較例で得られた接着剤組成物を用い、下記の構成からなる3種類の積層体を作成した。なお、接着剤組成物は、グラビアコーターを用い、乾燥時塗布量は3.0g/m2とし、60℃、100N/cm2の条件で加熱加圧し、その後40℃で3日間エージングした。
積層体(1)
ナイロンフィルム(ユニチカ製エンブレムON−RT、厚み15μm)に接着剤組成物を塗工・乾燥し、接着剤層を形成し、LLDPEフィルム(直鎖低密度ポリエチレンフィルム、東セロ製TUX−FCD、厚み50μm)を重ね合わせ、印刷層を具備しない積層体(1)を得た。
積層体(2)
前記ナイロンフィルムに、東洋インキ(株)製の白色のファインスターインキを印刷し、印刷層を設けた。前記印刷層上に、接着剤組成物を塗工・乾燥し、接着剤層を形成し、前記LLDPEフィルムを重ね合わせ、印刷層を一層有する積層体(2)を得た。
積層体(3)
前記ナイロンフィルムに、東洋インキ(株)製の藍色のファインスターインキを印刷し、藍色の印刷層を設け、次いで前記印刷層上に、白色のファインスターインキを印刷し、白色の印刷層を設けた。前記白色の印刷層上に、接着剤組成物を塗工・乾燥し、接着剤層を形成し、前記LLDPEフィルムを重ね合わせ、印刷層をニ層有する積層体(3)を得た。
<ボイル前のラミネート強度>
各積層体(1)〜(3)から幅15mmの測定用試験片を用意し、引張試験機を用い、20℃の環境にて、30mm/分の引張速度で引張り、T型剥離し、接着剤層とLLDPEフィルム間のラミネート強度を測定した。
<ボイル前のヒートシール強度>
各積層体(1)〜(3)をLLDPEフィルムが内側を向くように2つ折りし、150℃、200N/cm2、1秒で、LLDPEフィルム同士をヒートシールし、測定用試験片とした。
上記のラミネート強度測定の場合と同様にして、各試験片のLLDPEフィルム間の剥離力を測った。
<ボイル後のラミネート強度>
四角形の各積層体(1)〜(3)を用い、LLDPEフィルムが内側を向くようにして、四角形の三辺のLLDPEフィルム同士を150℃、200N/cm2、1秒で、ヒートシールし、14cm×18cmの袋を作成した。そして、前記袋に3%酢酸水溶液(1部)、サラダ油(1部)及びケチャップ(1部)の混合物を充填し、開放状態にある一辺を前記と同様にヒートシールした。
次いで、98℃で30分間の加熱殺菌処理(ボイル)試験を行った後、前記袋を開け、内容物を取り出し、前記袋のヒートシール部分以外の部分から幅15mmの測定用試験片を切り出し、ボイル前と同様にして各試験片の接着剤層/LLDPEフィルム間の剥離力を測った。
<ボイル後のヒートシール強度>
内容物を充填し、ボイル試験をした後の袋のヒートシール部分だけを測定用試験片とした以外は、ボイル前と同様にして各試験片のLLDPEフィルム間の剥離力を測った。
Figure 2016060760
比較例1に示すように、印刷層がない場合には、ポリエーテルポリウレタンの重量平均分子量が小さくてもボイル後もボイル前と大差ないラミネート強度、ヒートシール強度を呈する。しかし、印刷層を設けた場合、ボイルするとラミネート強度、ヒートシール強度のいずれもが低下する。特に印刷層を二層設けた場合、強度が著しく低下する。
また、比較例4に示すように、ポリエーテルポリウレタンの重量平均分子量が十分大きくても、ポリエーテルポリウレタンを構成するイソシアネートとしてトリレンジイソシアネートではなく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いた接着剤は、印刷層を設けた場合、ボイルするとラミネート強度、ヒートシール強度のいずれもが低下する。
一方、実施例1、2に示すように、ポリエーテルポリウレタンを構成するイソシアネートとしてトリレンジイソシアネートを用いてなる十分重量平均分子量の大きいポリエーテルポリウレタンを用いると、印刷層がない場合はもちろん、印刷層を2層設けた場合であっても、ボイル後、ラミネート強度、ヒートシール強度を極めて高いレベルで維持できる。

Claims (2)

  1. ポリエーテルポリオールと、トリレンジイソシアネートと、カルボキシル基を有するジオールとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させてなる、重量平均分子量100,000〜500,000のポリエーテルポリウレタンの水性分散体、およびイソシアネート水性分散体を、含有する、水性接着剤組成物。
  2. ポリエーテルポリオールが、ポリプロピレングリコールである、請求項1記載の水性接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109306256A (zh) * 2017-07-26 2019-02-05 刘若慧 水性聚氨酯胶黏剂及其制备方法
JP2019137712A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 三井化学株式会社 ラミネート用接着剤

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