JP2016060384A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ素子と検出対象との間のエアギャップをより小さく設定できる電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】たとえば、2次衝突時、インプットシャフト23aとトーションバー23cとの連結はピン23dが折れることにより解除され、インプットシャフト23aは隙間23fに挿入可能となる。インプットシャフト23aの外周面には多極磁石51が設けられている。インプットシャフト23aおよびロアシャフト23bの間にはそれぞれ第1,第2回転ヨーク52,53が設けられている。これら第1,第2回転ヨーク52,53は軸m方向において多極磁石51を挟んでいる。第1,第2回転ヨーク52,53の外周面に対して、エアギャップを介して第1,第2固定ヨーク54,55が設けられている。ホール素子56は、第1,第2固定ヨーク54,55の間に設けられるため、よりエアギャップを小さく設定できる。【選択図】図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
車両へ衝撃荷重が作用した場合に、運転者がステアリングホイールへと衝突する、いわゆる2次衝突が起きる。2次衝突を緩和するために、たとえば特許文献1に示すように、一定以上の衝撃が加わった際には、ステアリングシャフトの構成要素であるインプットシャフトがその軸方向に移動することによって、衝撃を吸収する衝撃吸収式の電動パワーステアリング装置(EPS)が開発されている。たとえば、衝撃により移動するインプットシャフトは、センサハウジングに設けられるトルクセンサの内側に進入する。
特開2013−233879号
ところが、インプットシャフトをトルクセンサの内部に進入させる構成を採用する場合、ロアシャフトの外側にはインプットシャフトが入り込むためのスペースが設けられる。このため、トルクセンサのセンサ素子と、その検出対象であるロアシャフトの間にエアギャップと呼ばれるインプットシャフトの肉厚分のスペースが生じる。たとえば、センサ素子に磁気検出素子を用いる場合には、検出対象との距離が離れるほどセンサ素子の検出精度が低下する。そのため、センサ素子と検出対象との間のエアギャップをより小さく設定することができる構成が望まれている。
上記目的を達成しうる電動パワーステアリング装置は、一端が開口し他端が閉じた第1の中空部を有する第1のシャフトと、一端が開口し他端が閉じた第2の中空部を有する第2のシャフトと、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとを連結するトーションバーと、前記第1および第2のシャフトの外周面の近傍に設けられて操舵トルクの印加に伴う前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの相対的位置変化を検出するセンサと、を有している。前記トーションバーの第1の端部は前記第1の中空部に挿入された状態に保持される一方、前記トーションバーの第2の端部は前記第2の中空部の内底面に固定されている。前記第1の中空部に対する前記トーションバーの保持状態が解除されるとき、前記第1のシャフトは前記第2の中空部の内周面と前記トーションバーの外周面との間に形成される空間に進入可能となる。
この構成によれば、第2のシャフトは第1のシャフトを挿入するための空間を有しているため、第1の中空部に対するトーションバーの保持状態が解除されることにより、第2のシャフトは第1のシャフトに挿入または引き抜き方向への移動が可能である。センサは第1のシャフトと第2のシャフトの近傍でそれらの相対的位置変化を検出することができる。従来であれば、第1のシャフトの厚さだけセンサは第2のシャフトから離れた位置に設けられていたため、エアギャップは第1のシャフトの厚み分だけ大きくなっていた。本実施形態では、センサを検出対象により近い位置に設けることができ、センサと検出対象との間のエアギャップを小さく設定することができる。
前記センサは、前記第1のシャフトまたは前記第2のシャフトの外周面に設けられて磁気を発生させる環状の磁石と、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの相対的位置変化に伴う前記磁気の変化に対応した電気信号を生成する磁気検出素子と、を有していてもよい。
この構成によれば、第1のシャフトおよび第2のシャフトの相対的位置変化による磁気の変化を磁気検出素子は検出して、磁気の変化に対応した電気信号を生成することができる。特に磁気検出素子の場合は、磁気は距離の2乗に反比例して減衰するため、エアギャップが大きいほど磁気検出素子の検出精度は低くなる。磁気検出素子を採用する場合に、エアギャップを小さく設定することは精度を向上させる上での効果が大である。
前記トーションバーと前記第1のシャフトとの間には、前記トーションバーの第1の端部を前記第1の中空部に挿入された状態に保持する保持部材を設けている。前記第1のシャフトに対して前記空間に対する進入方向へ向けた、前記保持部材による保持状態を解除する外力が印加されるとき、前記保持部材による前記第1の中空部に対する前記トーションバーの保持状態が解除される。
この構成によれば、保持解除部の保持状態を解除する外力が印加されると、第1のシャフトは空間に進入する。外力の発生原因としては、たとえば、2次衝突が挙げられる。2次衝突に起因して、運転者がステアリングホイールに衝突しても、第1のシャフトが空間に進入することにより、運転者に負荷が加わることを軽減することができる。第1のシャフトの挿入分だけ、ステアリングホイールが本来の位置から第1のシャフトの挿入方向へ移動するからである。
前記保持部材は、前記第1のシャフトと前記トーションバーの第1の端部との半径方向に打ち込まれることにより前記第1のシャフトと前記トーションバーとを連結するピンである。前記外力として、前記ピンの破壊強度を超える外力が印加されるとき、前記ピンが破壊されることにより前記第1の中空部に対する前記トーションバーの保持状態が解除される。
前記第1のシャフトの内周面と前記トーションバーの内周面との境界において、前記第1のシャフトの内周面および前記トーションバーの外周面の少なくとも一方におけるピンの近傍には凹部が設けられることが好ましい。
これらの構成によれば、保持解除部としてピンを設けることにより、第1のシャフトとトーションバーの第1の端部とを連結することができる。さらに、凹部が設けられることにより、ピンが曲がって折れやすくすることができる。このようにして設けられた保持解除部の保持状態を解除する外力が印加された場合には、第1の中空部に対するトーションバーの保持状態が解除される。
前記磁石は、前記第2のシャフトの外径よりも細い前記第1のシャフトの外周面に対して前記第1のシャフトの軸線方向に沿って摺動可能に設けられることが好ましい。前記磁石は、前記第1のシャフトが前記空間へ挿入される際、前記第2のシャフトの開口端面に当接することにより前記第1のシャフトの挿入方向への移動が抑制され、前記第1のシャフトの外周面に対して前記第1のシャフトの軸線方向に沿って相対的に摺動することによって前記第1のシャフトの挿入を妨げるブレーキとして働く。
この構成によれば、第1のシャフトが挿入方向へ移動する際に、磁石と第1のシャフトとの間に摩擦力が生じる。この摩擦力は第1のシャフトの挿入を妨げる方向に働き、第1のシャフトの挿入方向への移動を抑制する。第1のシャフトに加わる外力を吸収あるいは減衰させることができる。
前記第1のシャフトの外周面および前記第2のシャフトの内周面の少なくとも一方には、テーパ面を有している。前記テーパ面を前記第1のシャフトの外周面に設けるとき、前記テーパ面は、前記第1のシャフトの開口している一端に近づくにつれて縮径し、前記テーパ面を前記第2のシャフトの内周面に設けるとき、前記テーパ面は前記第2のシャフトの開口している一端に近づくにつれて拡径する。
この構成によれば、テーパ面は第1のシャフトが空間に挿入される際のガイドとして働く。そのため、円滑に第1のシャフトを空間に挿入することができる。
前記空間には、流体であるガスが封入されている。前記第1のシャフトが前記空間に挿入されることに伴い、前記ガスが圧縮されて生じる反力により前記第1のシャフトの挿入方向への移動が抑制される。
この構成によれば、第1のシャフトが挿入されるための空間にガスが封入されることにより、第1のシャフトが空間に挿入される際に、ガスの圧縮により反力が生じる。この反力は、ガスの圧縮を妨げる方向に働くため、第1のシャフトが空間に挿入されることを抑制する。この反力により、第1のシャフトに加わる外力が吸収あるいは減衰される。
前記流体としてガスを採用する場合、前記第2のシャフトの外周面と内周面を貫通するように安全弁が設けられることが好ましい。前記ガスが圧縮されることにより前記空間の圧力が前記安全弁の規定値以上になった場合、前記安全弁が開放されることにより、前記空間内部の前記流体が外部に放出される。
この構成によれば、第1のシャフトが空間に挿入されることによりガスが圧縮された場合、空間での圧力が高まりすぎると、それ以上インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されなくなりうる。空間内の圧力が安全弁の規定値以上になったとき、安全弁が開くことにより空間内のガスが外部へ放出される。これにより、空間内部の圧力を下げることができる。そのため、衝撃吸収ストロークを十分に確保することができる。
前記空間には流体であるオイルが封入されていてもよい。前記第2のシャフトの外周面にはオリフィスが設けられている。
流体としては、具体的にはオイルやガスが用いられる。たとえば、オイルの粘性抵抗によって、保持解除部の保持状態を解除するような外力を減衰させることができる。
前記流体に外的要因を加えることで前記流体の特性を変化させることにより、前記流体による衝撃吸収性を制御することも可能である。
この構成によれば、たとえば電気などの外的要因によって流体の圧縮特性などを変化させることにより、衝撃吸収特性をコントロールすることができる。
前記第1のシャフトおよび前記第2のシャフトのいずれか一方の軸方向端部にはステアリングホイールが設けられている。前記第1のシャフトが前記空間に対して相対的に挿入方向または引き抜き方向へ移動されることにより、ステアリングホイールの軸方向における位置が変更される。
この構成によれば、第1のシャフトが挿入または引き抜き方向に移動されることによって、第1のシャフトの軸上に設けられているステアリングホイールを軸方向に移動することができる。そのため、運転者の要求に応じてテレスコピックステアリングとして用いることが可能となる。
前記空間における前記第1の中空部の内底面と第2のシャフトの開口端面との間には、前記トーションバーが挿通された状態でスプリングを設けてもよい。前記スプリングは、前記第1のシャフトが前記挿入方向へ移動されるときは、当該挿入方向への移動を緩和する方向へ向けた弾性力を発揮し、前記引き抜き方向へ移動されるときは、当該引き抜き方向への移動を補助する方向へ向けた弾性力を発揮することにより、ステアリングホイールの軸方向の移動をアシストする。
この構成によれば、スプリングの弾性力により、ステアリングホイールの軸方向への移動がアシストをされる。このため、運転者はステアリングホイールの位置調節を円滑に行うことが可能である。
前記第1のシャフトが前記空間に対する挿入方向または引き抜き方向へ移動されることにより、前記トーションバーの捩ることのできる有効長を調節可能とされている。
この構成によれば、第1のシャフトを第2のシャフトに挿入する量を調節することにより、トーションバーの捩ることのできる有効長を変更することができる。そのため、運転者の好みに応じたステアリングホイールの剛性感に設定することができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、センサ素子と検出対象との間のエアギャップをより小さく設定することができる。
一実施の形態におけるステアリング装置の構成を示すブロック図。 (a)一実施形態におけるコラムシャフトの概略図、(b)一実施形態におけるインプットシャフトとトーションバーの接続部分の拡大図、(c)一実施形態におけるコラムシャフトの概略図。 一実施の形態におけるコラムシャフトの概略図。 一実施の形態におけるコラムシャフトの概略図。 (a)一実施の形態におけるコラムシャフトの概略図、(b)一実施の形態におけるコラムシャフトの概略図。 一実施形態におけるコラムシャフトの概略図。 一実施形態におけるコラムシャフトの概略図。
以下、車両の電動パワーステアリング装置の一実施形態について説明する。ここでは、いわゆるデュアルピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置(DP−EPS)を例に挙げる。
図1に示すように、EPS10は運転者のステアリングホイール21の操作に基づいて転舵輪29を転舵させる操舵機構20、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構30、およびステアリングホイール21に付与される操舵トルクを検出するトルクセンサ50を備えている。
操舵機構20は、ステアリングホイール21およびステアリングホイール21と一体回転するステアリングシャフト22を備えている。ステアリングシャフト22は、ステアリングホイール21と連結されたコラムシャフト23と、コラムシャフト23の下端部に連結されたインターミディエイトシャフト24、およびインターミディエイトシャフト24の下端部に連結された第1ピニオンシャフト25を有している。第1ピニオンシャフト25の下端部は、第1ピニオンシャフト25に交わる方向へ延びるラックシャフト26(正確にはそのラック歯26a)に噛合っている。したがって、ステアリングシャフト22の回転運動は、第1ピニオンシャフト25およびラックシャフト26からなる第1ラックアンドピニオン機構27を介してラックシャフト26の軸方向の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラックシャフト26の両端にそれぞれ連結されたタイロッド28を介して左右の転舵輪29にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪29の転舵角が変化する。
アシスト機構30は、アシスト力の発生源であるモータ31、モータ31に連結されるウォームシャフト32、ウォームシャフト32と噛み合うウォームホイール33、およびウォームホイール33と一体的に回転する第2ピニオンシャフト34、およびモータ31を制御するECU40を備えている。第2ピニオンシャフト34の下端部はラックシャフト26(正確にはそのラック歯26b)に噛合っている。したがって、第2ピニオンシャフト34の回転運動は、第2ピニオンシャフト34およびラックシャフト26からなる第2ラックアンドピニオン機構27aを介してラックシャフト26の軸方向の往復直線運動に変換される。すなわち、モータ31によりラックシャフト26の軸方向のアシスト力が付与されることにより、運転者のステアリング操作は補助される。ECU40は、たとえばアシスト機構30の構成要素を収容するハウジングに設けられ、トルクセンサ50の検出結果に基づいてモータ31を制御する。
トルクセンサ50は、コラムシャフト23に設けられている。トルクセンサ50は、運転者のステアリング操作に伴いステアリングシャフト22に付与される操舵トルクτを検出する。
図2(a)に示すように、コラムシャフト23は、ステアリングホイール21側のインプットシャフト23aと、インターミディエイトシャフト24側のロアシャフト23bとを、トーションバー23cの両端に接続した構造からなる。インプットシャフト23aおよびロアシャフト23bはそれぞれ一端が開口した中空状の円筒をなしている。インプットシャフト23aおよびロアシャフト23bはそれぞれ中空部23ah,23bhを有している。これら中空部23ah,23bhは、インプットシャフト23aおよびロアシャフト23bの一端に開放されている。また、トーションバー23cは中実状の棒からなる。インプットシャフト23aの内径はトーションバー23cの外径よりわずかに大きく設定され、インプットシャフト23aの外径はロアシャフト23bの中空部23bhの内径よりわずかに小さく設定されている。ロアシャフト23bの中空部23bhにはトーションバー23cが挿入されている。トーションバー23cは、中空部23bhの内底面に固定されている。なお、トーションバー23cは、ロアシャフト23bと同軸である。インプットシャフト23aの中空部23ah側の端部が、ロアシャフト23bの中空部23bhに挿入されることにより、トーションバー23cはインプットシャフト23aの中空部23ahに挿入されている。ただし、インプットシャフト23aはロアシャフト23bに完全には挿入されず、インプットシャフト23aとロアシャフト23b(中空部23bhの内底面)との間には、それらの軸方向において隙間23fが存在する。また、そのときトーションバー23cとインプットシャフト23a(中空部23ah)との間には、それらの軸方向において隙間23gが存在する。隙間23fおよび隙間23gは、インプットシャフト23aをロアシャフト23bに挿入するためのスペースである。インプットシャフト23aの外周面はロアシャフト23bの内周面と接触している。トーションバー23cの外周面はインプットシャフト23aの内周面と接触している。インプットシャフト23aはロアシャフト23bに対して相対的に回転する。
図2(b)に示すように、インプットシャフト23aおよびトーションバー23cはたとえば金属製のピン23dによって固定されている。ピン23dは、インプットシャフト23aとトーションバー23cとをそれらの半径方向(軸mに垂直な方向)に貫通するピン孔23hに圧入されている。ピン23dによってインプットシャフト23aの軸m方向の移動が規制される。インプットシャフト23aの内周面において、ピン孔23hの開口付近には、凹部23eが設けられている。凹部23eは軸m方向における中空部23bhに対するインプットシャフト23aの挿入方向と反対側に(図中の右側)に設けることが好ましい。凹部23eは、インプットシャフト23aに対してロアシャフト23bへ向けた荷重Pが作用した際に、ピン23dが折れ曲がるためのスペースとして働く。凹部23eの形状は、たとえば曲面が設定される。
図2(a)に示すように、インプットシャフト23aの外周面には、N極およびS極の各磁極が周方向に交互に配置される円筒状の多極磁石51が設けられている。多極磁石51はインプットシャフト23aの外周面に圧入状態で固定されている。また、インプットシャフト23aの外周面には円筒状の第1回転ヨーク52が、ロアシャフト23bの外周面には円筒状の第2回転ヨーク53が圧入状態で固定されている。第1回転ヨーク52と第2回転ヨーク53は、多極磁石51を軸m方向において挟むように、かつ隙間を空けて互いに対向して設けられている。そのため、多極磁石51、第1回転ヨーク52はインプットシャフト23aと一体回転する。第2回転ヨーク53はロアシャフト23bと一体となって回転する。ロアシャフト23bおよび第2回転ヨーク53は、多極磁石51に対して摺動回転する。
第1回転ヨーク52の外周面に対してわずかな隙間(エアギャップ)を隔てて円筒状の第1固定ヨーク54が設けられ、第2回転ヨーク53の外周面に対してわずかな隙間(エアギャップ)を隔てて円筒状の第2固定ヨーク55が設けられている。第1および第2固定ヨーク54,55は軸m方向において互いに対向している。第1固定ヨーク54および第2固定ヨーク55は、たとえば図示しないセンサハウジングに設けられる。そして、第1固定ヨーク54と第2固定ヨーク55の間(正確には、それらの外周面に設けられた2つの突片の間)には、磁気検出素子(センサ素子)の一例としてのホール素子56が設けられている。ホール素子56の検出対象はインプットシャフト23aとロアシャフト23bとの相対的な回転変位に対応して磁束密度を変化させる第1および第2回転ヨーク52,53である。
以上、説明した本実施形態の電動パワーステアリング装置の作用について説明する。
ステアリングホイール21が回転操作されると、インプットシャフト23aに操舵トルクτが作用する。操舵トルクτがトーションバー23cを介してインプットシャフト23aからロアシャフト23bに伝達される際に、トーションバー23cには捩れ変形が生じる。インプットシャフト23aとロアシャフト23bとの間に相対的な回転変位が生じると、第1および第2回転ヨーク52,53と多極磁石51の位置関係が変化し、第1および第2ヨーク54,55へ作用する磁束密度も変化する。そのため、ホール素子56へ作用する磁束密度も変化するので、作用する磁束密度に対応してホール素子56から出力されるホール電圧が変化する。ホール電圧からECU40はトーションバー23cの捩れ角を演算する。
インプットシャフト23aとロアシャフト23bとの回転変位に対応して多極磁石51から第1および第2回転ヨーク52,53に付与される磁束密度は、第1および第2回転ヨーク52,53からわずかに隔てて配置されている第1および第2固定ヨーク54,55へとエアギャップがほとんどない状態で作用する。
ここで、たとえばロアシャフト23bとホール素子56との間にインプットシャフト23aが入る構成を採用することも考えられるところ、この場合には第1および第2回転ヨーク52,53と第1および第2固定ヨーク54,55との間に、インプットシャフト23aの厚み分だけエアギャップを設ける必要がある。この点、本実施形態では、インプットシャフト23aの厚みによるエアギャップは存在しない。そのため、第1および第2固定ヨーク54,55の間に設けられているホール素子56には、エアギャップがほとんどない状態で第1および第2回転ヨーク52,53で生じた磁束密度が作用する。そのため、トーションバー23cの捩れ角を精度よく検出することができる。
特にセンサ素子として磁気検出素子を用いる場合に、エアギャップが小さいことは重要である。磁気検出素子が検出する物理量である磁束密度は、距離の2乗に反比例するためである。検出対象との距離が離れてしまうと、より小さな磁束密度の変化を検出しなければならなくなる。そのため、ノイズなどで磁束密度にある誤差が加わった場合には、磁気検出素子の検出結果へのノイズの影響はより大きくなる。
たとえば車両が前方の障害物と衝突すると、その反作用として車両の運転者を前方へ押し出す力が作用する。そのため、車両の運転者がステアリングホイール21に衝突する、いわゆる2次衝突が発生する。2次衝突により、ステアリングホイール21に荷重Pが作用したのち、インプットシャフト23aへ荷重Pが作用する。
トーションバー23cはロアシャフト23bに固定されており、ロアシャフト23bはインターミディエイトシャフト24および第1ピニオンシャフト25を介してラックハウジング26cに支持されている。このため、基本的にロアシャフト23bの位置は変化しない。そのため、図2(b)に示すように、2次衝突などによって荷重Pがインプットシャフト23aに作用した場合、インプットシャフト23aとトーションバー23cを固定しているピン23dにはせん断応力が作用する。荷重Pが一定以上であるとき、ピン23dは破壊される。インプットシャフト23aに設けられた凹部23eにより、せん断応力が作用したときに、ピン23dは壊れやすい。この凹部23eは荷重Pが作用したときに、ピン23dが変形することのできるスペースとして働く。凹部23eが設けられているためその部分にはインプットシャフト23aの中実部分が存在しないので、荷重Pが作用したときにピン23dはインプットシャフト23aを押しのけて変形しなくてよい。そのため、凹部23eを設けない場合よりもピン23dを折れやすくすることができる。荷重Pが作用したときにピン23dが壊れるように凹部23eの形状を設定することにより、衝撃吸収し始める荷重Pをコントロールすることができる。
そのため、通常時はピン23dによって規制されていたインプットシャフト23aの軸m方向の移動は、ピン23dが破壊されることによって可能となる。さらに、隙間23fおよび隙間23gが形成されているため、インプットシャフト23aが軸m方向に伸縮するスペースも確保されている。そのため2次衝突時に一定以上の荷重Pが作用した場合には、図2(c)に示すように、インプットシャフト23aはロアシャフト23bの内部に進入する。
このとき、トーションバー23cは、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入される際のガイドとしても働き、インプットシャフト23aは隙間23fへと円滑に挿入される。インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されることに伴い、インプットシャフト23aの外周面とロアシャフト23bの内周面との間には摩擦力が生じる。また、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されることに伴い、インプットシャフト23aの内周面とトーションバー23cの外周面との間にも摩擦力が生じる。これらの摩擦力は、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されるのを妨げる方向に作用する。そのため、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されるにつれて、インプットシャフト23aに作用する荷重Pは低減(減衰)されて、運転者への負荷(衝撃の反作用として作用する荷重)が軽減される。
さらに、多極磁石51によっても荷重Pを軽減することが期待できる。インプットシャフト23aに荷重Pが作用した際、多極磁石51の軸m方向への移動はロアシャフト23bによって規制される。このため、インプットシャフト23aは多極磁石51の内周面に対して摺動しながらロアシャフト23bに進入する。ピン23dが壊れてインプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されはじめると、多極磁石51とインプットシャフト23aとの間には摩擦力が生じる。この摩擦力も、インプットシャフト23aの挿入を妨げる方向に作用する。図2(c)に示すようにインプットシャフト23aは、インプットシャフト23aがロアシャフト23bの底面に衝突するまでに停止することが好ましい。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)センサ素子と検出対象であるロアシャフトの間にインプットシャフトの肉厚分のエアギャップが存在する従来の衝撃吸収式電動パワーステアリング装置と比べて、エアギャップをより小さく設定することが可能となる。従来の衝撃吸収式電動パワーステアリング装置であれば、インプットシャフト23aの厚み分だけエアギャップが大きくなる。エアギャップは小さく設定するほど、磁束密度は減衰せずにホール素子等の磁気検出素子に作用する。このため、検出精度をより向上させることができる。
(2)一定以上の荷重Pが作用した際に、ピン23dが壊れることにより、インプットシャフト23aはロアシャフト23bに挿入することができるようになる。インプットシャフト23aが挿入されることにより、衝撃吸収するためのストロークをより長く確保することができる。また、一定の衝撃吸収ストロークを確保するために別個に衝撃吸収機構を設けなくてもよいため、ステアリングシャフト22の長さを短く設定することができ、EPS10を小型化することができる。そのため、車両スペースをより有効に活用することができる。
(3)衝撃吸収ストローク中に作用するインプットシャフト23aとロアシャフト23bの間に作用する摩擦力により、2次衝突による衝撃を吸収することができる。さらに、多極磁石51とインプットシャフト23aの間に作用する摩擦力により、2次衝突による衝撃を吸収することができる。そのため、運転者へと作用する負荷をより軽減することができる。
<第2の実施形態>
次に、電動パワーステアリング装置の第2実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態との違いを中心に説明する。
図3に示すように、一例として、ロアシャフト23bにおける中空部23bhには、テーパ面60が設けられている。テーパ面60は、ロアシャフト23bにおける中空部23bhの開口端面から中空部23bhの内底面へ向けた一定の範囲にわたって設けられている。テーパ面60は中空部23bhの内底面に向かうにつれて縮径する。一定の範囲にあるテーパ面60を除いたロアシャフト23bの内径は、インプットシャフト23aの外径よりわずかに大きく設定される。インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入される際には、インプットシャフト23aの外周面とロアシャフト23bの内周面は互いに摺動する。ピン23dによってインプットシャフト23aがトーションバー23cに固定されている状態においては、インプットシャフト23aはロアシャフト23bに接触しないようにテーパ面60の軸mに対する傾斜角度が設定されている。
次に本実施形態の作用について説明する。なお、第1実施形態と同じ作用については省略する。
テーパ面60が設けられていることにより、ピン23dをせん断破壊する荷重Pがインプットシャフト23aに加わるまでは、インプットシャフト23aはロアシャフト23bとは接触しない状態に維持される。2次衝突により荷重Pがインプットシャフト23aに作用してピン23dが破壊されたとき、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに押し込まれる。インプットシャフト23aにがたつきなどが存在する場合には、インプットシャフト23aはテーパ面60と当接する。この場合、インプットシャフト23aはテーパ面60により案内されることにより、円滑に中空部23bhに挿入される。
インプットシャフト23aが中空部23bhに挿入されることに伴い、インプットシャフト23aの外周面とロアシャフト23bの内周面との間で生じる摩擦力、およびインプットシャフト23aの内周面とトーションバー23cの外周面との間で生じる摩擦力により2次衝突に伴う衝撃が吸収される。
次に本実施形態の効果について説明する。
(1)インプットシャフト23aとロアシャフト23bの接触する位置やテーパ面60の勾配などを調整することにより、衝撃を吸収し始める位置をコントロールすることができる。さらに、テーパ面60は、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに押し込まれる際のガイドとしての役割を果たすことが期待できる。
<第3の実施形態>
次に電動パワーステアリング装置の第3実施形態の構成について説明する。
図4に示すように、隙間23fは流体としてのガスで満たされている。ロアシャフト23bの周壁には安全弁61が設けられている。安全弁61はロアシャフト23bの内周面と外周面を貫通するように設けられている。隙間23fが一定の圧力より低いときには安全弁61は閉じるため、ロアシャフト23bの内周面と外周面の間でガスの出入りはない。そのため、隙間23fと外部とでガスは出入りしない。また、隙間23fが一定以上の圧力のときには、安全弁61は開放される。これにより、隙間23fの内部のガスが外部へ放出されて、隙間23fの圧力が下がる。安全弁61が開放されて隙間23fの一定の圧力より低くなると、安全弁61は閉じるため、隙間23fからガスが外部へ放出されることが規制される。
インプットシャフト23aの外周面とロアシャフト23bの内周面とは十分に接触しており、隙間23fは密封されている。インプットシャフト23aの外周面と、ロアシャフト23bの内周面との間に何らかの密封装置を設けてもよい。そのため、隙間23fの内部と外部のガスの出入りは安全弁61のみでなされる。
次に本実施形態の作用について説明する。
2次衝突によりピン23dがせん断破壊される荷重Pが作用すると、インプットシャフト23aはロアシャフト23bに押し込まれ始める。隙間23fのガスは圧縮されるため、隙間23fの圧力は高くなる。このとき、隙間23fの圧力は、ガスの圧縮を妨げる方向に働くため、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入するのを妨げる方向に働く。その結果、隙間23fに充填されたガスが圧縮されることにより、衝撃荷重が減衰あるいは吸収される。
さらに、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに押し込まれることにより、隙間23fに充填されたガスが大きく圧縮されると、隙間23fでの圧力が高まるおそれがある。隙間23fでの圧力が高まりすぎると、それ以上インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されなくなるおそれがある。その結果、隙間23fの衝撃吸収ストロークを十分に活かして衝撃を吸収することができない。しかし、隙間23fが一定の圧力以上になると、安全弁61が開くことにより、隙間23fに充填されているガスは外部に放出される。そのため、インプットシャフト23aの隙間23fでの衝撃吸収ストロークを十分に確保することができる。
次に本実施形態の効果について説明する。
(1)ガスが圧縮されるときに生じる反発力により、インプットシャフト23aがロアシャフト23bへ押し込まれることが抑制される。そのため、ガスが圧縮されることにより、衝撃荷重は減衰あるいは吸収される。
(2)隙間23fのガスが十分に圧縮されることにより、隙間23fが一定の圧力以上になると、安全弁61により隙間23fの圧力を下げることができる。そのため、隙間23fでのインプットシャフト23aの衝撃吸収ストロークを十分に確保することができる。
<第4の実施形態>
次に第4実施形態の構成について説明する。本例は、テレスコ機能を持たせた点で第1実施形態と異なる。
図5(a)に示すように、インプットシャフト23aに設けられた隙間23gには、スプリング62が設けられている。スプリング62は軸m方向に沿って設けられ、スプリング62の両端はそれぞれインプットシャフト23a(中空部23ahの内底面)とトーションバー23cに接続されている。スプリング62の径は、中空部23ahの内径より小さく設定されている。また、インプットシャフト23aとロアシャフト23bとの間に設けられた隙間23fには、スプリング63が設けられている。スプリング63は軸m方向に沿って設けられ、スプリング63の両端はそれぞれインプットシャフト23a(中空部23ahの内底面)とロアシャフト23bに接続されている。スプリング63の径は、トーションバー23cの外径より大きく、中空部23bhの内径より小さく設定されている。
インプットシャフト23aの外周面とロアシャフト23bの内周面は接触しているが、それらの間の摩擦抵抗はなるべく小さく設定されることが好ましい。また、第1実施形態では、多極磁石51はインプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されるときに、その挿入を妨げる方向に摩擦力を作用させる効果があったが、本実施形態の多極磁石51はインプットシャフト23aとの間にほとんど摩擦力が作用しないように、わずかにインプットシャフト23aから離して設けられている。
また、インプットシャフト23aおよびトーションバー23cは軸mに垂直な方向に設けられたピン64によって固定されている。ロアシャフト23bには複数の孔部65が軸m方向に沿って設けられている。孔部65はロアシャフト23bの半径方向において貫通している。インプットシャフト23aには複数の孔部66が軸m方向に沿って設けられている。孔部66はインプットシャフト23aの半径方向において貫通している。トーションバー23cには複数の孔部67が軸m方向に沿って設けられている。孔部67はトーションバー23cの半径方向において貫通している。各孔部65〜67の軸m方向におけるピッチ(配置間隔)は同じである。ロアシャフト23bに対するインプットシャフト23aの挿入深さを調節することにより、各孔部65〜67は軸mに垂直な方向において一直線に並ぶ。ピン64は軸m方向において一致する孔部65〜67に挿入される。ピン64を挿入する位置を調節することで、インプットシャフト23aとトーションバー23cが固定される位置を調節することができる。
次に本実施形態の作用について説明する。
運転者とステアリングホイール21の位置が近すぎるときに、運転者はピン64を取り外してステアリングホイール21を軸m方向の奥側(ロアシャフト23b側)へ向けて、一定の力を加えて押し込めばよい。インプットシャフト23aはスプリング63の弾性力に抗してロアシャフト23bに押し込まれる。インプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入される際には、スプリング63の弾性力によりインプットシャフト23aが急激に挿入されることが抑制される。
運転者とステアリングホイール21の位置が遠すぎるとき、運転者はピン64を取り外してステアリングホイール21を軸m方向の手前側(運転者側)へ向けて、一定の力を加えて引き寄せればよい。インプットシャフト23aがロアシャフト23bから引き抜き方向へ移動するときには、スプリング63の弾性力によりインプットシャフト23aが急激に引き抜き方向へ移動することが抑制される。ステアリングホイール21の位置を調節した後、再びピン64によりインプットシャフト23aとロアシャフト23bとを固定する。
また、ステアリングホイール21の位置調節ではなく、つぎの観点でインプットシャフト23aとロアシャフト23bとの固定位置が変更されることもある。すなわち、ピン64を挿入する孔部65,66,67を調節することによって、インプットシャフト23aとトーションバー23cが固定される位置、つまりトーションバー23cの捩ることのできる長さLは変更される。そのため、図5(a)のようにトーションバー23cの捩ることのできる長さを長さL2と設定することもできるし、図5(b)のように長さL3と設定することもできる。なお、L2はL3より長く設定されている。
トーションバー23cの捩ることのできる長さLを調節することによって、トーションバー23cのスプリングレート(ばね定数)を変更することができる。スプリングレートとは、そのスプリングの硬さであり、長さLが短いほどスプリングレートは大きくなり、変形しにくくなる。スプリングレートが大きいほど、ステアリングホイール21を操舵したときの剛性感は大きくなる。
次に本実施形態の効果について記載する。
(1)隙間23fが設けられているため、いわゆるテレスコピックステアリングのように、ステアリングホイール21を運転者の好みに合わせてステアリングシャフト22の軸m方向に移動させることができる。
(2)スプリング62,63が設けられることにより、テレスコピック操作により、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに対して急激に挿入および引き寄せられることを抑制することができる。
(3)運転者の好みによって、トーションバー23cのスプリングレートを変更し、ステアリングホイール21を操舵する際の剛性感を変更することができる。そのため、運転者の好みに応じて操舵特性を変化させることができる。
なお、各実施形態は次のように変更してもよい。なお、以下の他の実施の形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・第1〜第3実施形態では、多極磁石51がインプットシャフト23aに接触するように設けられたが、その接触抵抗(摺動抵抗)は適宜設定してもよい。また、多極磁石51はインプットシャフト23aに接触しないように設けられていてもよい。
・各実施形態では、ECU40はアシスト機構30に設けられたが、車内のどこに設けられていてもよい。
・各実施形態では、ピン23d,64によって、インプットシャフト23aとトーションバー23cを固定したが、別の固定方法によって固定されていてもよい。たとえば、セレーション接続やスプライン接続であってもよい。このようにしても、インプットシャフト23aおよびロアシャフト23bは一体回転する。ただし、第1〜第3実施形態では、通常時にはインプットシャフト23aおよびトーションバー23cの軸m方向の移動が規制され、2次衝突時にはインプットシャフト23aとトーションバー23cの軸m方向の移動の規制が解除される必要がある。
・第2実施形態では、テーパ面60をロアシャフト23bの内周面に設けたが、インプットシャフト23aの外周面に設けてもよい。また、テーパ面60でなくても、図6に示すように曲面68であってもよい。曲面68も、ロアシャフト23bの開口端面に向かうにつれて拡径する。
・第1〜第3実施形態では、ピン23dをせん断破壊しやすくするための凹部23eをインプットシャフト23aに設けたが、トーションバー23cに凹部23eが設けられてもよい。また、凹部23eは設けなくてもよく、たとえば、ピン23dにせん断破壊されやすいような部分を設けてもよい。また、第1〜第3実施形態では、ピン23dがせん断破壊されると述べたが、異なる破壊の態様もあり得る。たとえば、ピン23dが引張破壊によって破壊されることもあり得る。また、ピン23dが破壊されるのではなく、ピン23dが脱落するなどして、インプットシャフト23aとトーションバー23cの固定が解除される構成であってもよい。
・第3実施形態において、隙間23fに満たされた流体の圧縮特性などの物性を電気などの外的要因によって変化させることにより、衝撃吸収性をコントロールしてもよい。たとえば、図7に示すように、ロアシャフト23bの内周壁には2つの電極69,70がトーションバー23cを間に挟んで対向するように設けられている。2つの電極69,70はそれぞれ電源71に接続されている。通常時は、2つの電極69,70の間には電源71による電位差がないように設定される。2次衝突により荷重Pが作用した際には、2つの電極69,70の間に電源71による所定の電圧が印加される。すると、隙間23fの内部の流体には電場が作用する。一例として、隙間23fに満たされている流体が電解液であるとき、電解液が電気分解されることにより気体が発生する。この場合、電解液が電気分解される量は、電源71の電位差に密接な関係がある。一般に、液体に比べて気体は密度が低いため、隙間23fの内部の圧力は高められる。その結果、隙間23fの流体を圧縮されるときに生じる反発力を高めることができ、インプットシャフト23aがロアシャフト23bに押し込まれる際の衝撃を吸収できる。この場合、電極69,70の間に印加される電圧を調節することにより、気体の発生量を調節することができ、衝撃吸収性をコントロールすることができる。
・第3実施形態では、たとえば流体としてのオイルを用いて積極的に衝撃を緩和する構成であってもよい。具体的には、ショックアブソーバやガススプリングのような構造をとることが考えられる。その場合、まず、2次衝撃によりインプットシャフト23aがロアシャフト23bに挿入されて、隙間23fのオイルが圧縮されて隙間23f内の圧力が高まる。次に、オイルはたとえばロアシャフト23bに設けられたオリフィスから放出され、その際のオイルの粘性抵抗により衝撃エネルギーを熱エネルギーに変換する。オイルの粘性抵抗を調節することにより、衝撃吸収性は調節することができる。なお、衝撃吸収するための減衰力は粘性抵抗に限らない。
・第3実施形態では、隙間23fにあらかじめガスが満たされていなくてもよい。たとえば、隙間23fに流体を密封した密封容器を設けてもよい。密封容器は一定以上の荷重が負荷されることによって破壊され、密封容器に封入されているガスが外部へ放出される。
・第1〜第3実施形態では、隙間23fおよび隙間23gにゴムなどの弾性部材を設けることにより、さらに衝撃吸収性を高めてもよい。また、第4実施形態では、スプリング62,63により急激な挿入や引き抜きを抑制したが、ゴムなどの弾性部材によって抑制してもよい。
・各実施形態では、磁気検出素子の一例としてホール素子56を設けたが、MRセンサであってもよいし、レゾルバであってもよい。
・各実施形態では、ホール素子56などの磁気検出素子を利用してトーションバー23cの捩れを検出したが、磁気検出素子に限らない。たとえば、ポテンショメータによって、トーションバー23cの捩れを検出してもよい。この場合も、検出対象の近傍にポテンショメータを設けるほうが精度は向上する。
・各実施形態では、インプットシャフト23aはロアシャフト23bに挿入されるように設けられたが、逆にロアシャフト23bがインプットシャフト23aに挿入される構成であってもよい。その場合、多極磁石51はロアシャフト23bの外周面に設けられる。
・第1〜第3実施形態では、衝撃荷重として主に2次衝突を想定したが、軸m方向に沿った衝撃であればどのような衝撃荷重であってもよい。
・各実施形態では、EPS10はDP−EPSの構造をなしていたが、EPS10はどのような種類のEPSであってもよい。
10…EPS、20…操舵機構、21…ステアリングホイール、22…ステアリングシャフト、23…コラムシャフト、23a…インプットシャフト、23b…ロアシャフト、23c…トーションバー、23d…ピン、23e…凹部、23f,23g…隙間、23h…ピン孔、24…インターミディエイトシャフト、25…第1ピニオンシャフト、25a…ピニオン歯、26…ラックシャフト、26a…ラック歯、26b…ラック歯、26c…ラックハウジング、27…第1ラックアンドピニオン機構、27a…第2ラックアンドピニオン機構、28…タイロッド、29…転舵輪、30…アシスト機構、31…モータ、32…ウォームシャフト、33…ウォームホイール、34…第2ピニオンシャフト、34a…ピニオン歯、40…ECU、50…トルクセンサ、51…多極磁石、52…第1回転ヨーク、53…第2回転ヨーク、54…第1固定ヨーク、55…第2固定ヨーク、56…ホール素子、60…テーパ面、61…安全弁、62,63…スプリング、64…ピン、65,66,67…孔部、68…曲面、69,70…電極、71…電源。

Claims (14)

  1. 一端が開口し他端が閉じた第1の中空部を有する第1のシャフトと、
    一端が開口し他端が閉じた第2の中空部を有する第2のシャフトと、
    前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとを連結するトーションバーと、
    前記第1および第2のシャフトの外周面の近傍に設けられて操舵トルクの印加に伴う前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの相対的位置変化を検出するセンサと、を有し、
    前記トーションバーの第1の端部は前記第1の中空部に挿入された状態に保持される一方、前記トーションバーの第2の端部は前記第2の中空部の内底面に固定され、
    前記第1の中空部に対する前記トーションバーの保持状態が解除されるとき、前記第1のシャフトは前記第2の中空部の内周面と前記トーションバーの外周面との間に形成される空間に進入可能となる電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記センサは、前記第1のシャフトまたは前記第2のシャフトの外周面に設けられて磁気を発生させる環状の磁石と、
    前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの相対的位置変化に伴う前記磁気の変化に対応した電気信号を生成する磁気検出素子と、を有する電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記トーションバーと前記第1のシャフトとの間には、前記トーションバーの第1の端部を前記第1の中空部に挿入された状態に保持する保持部材を設け、
    前記第1のシャフトに対して前記空間に対する進入方向へ向けた、前記保持部材による保持状態を解除する外力が印加されるとき、前記保持部材による前記第1の中空部に対する前記トーションバーの保持状態が解除される電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記保持部材は、前記第1のシャフトと前記トーションバーの第1の端部との半径方向に打ち込まれることにより前記第1のシャフトと前記トーションバーとを連結するピンであって、
    前記外力として、前記ピンの破壊強度を超える外力が印加されるとき、前記ピンが破壊されることにより前記第1の中空部に対する前記トーションバーの保持状態が解除される電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項4に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第1のシャフトの内周面と前記トーションバーの内周面との境界において、前記第1のシャフトの内周面および前記トーションバーの外周面の少なくとも一方におけるピンの近傍には凹部が設けられてなる電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記磁石は、前記第2のシャフトの外径よりも細い前記第1のシャフトの外周面に対して前記第1のシャフトの軸線方向に沿って摺動可能に設けられ、
    前記磁石は、前記第1のシャフトが前記空間へ挿入される際、前記第2のシャフトの開口端面に当接することにより前記第1のシャフトの挿入方向への移動が抑制され、前記第1のシャフトの外周面に対して前記第1のシャフトの軸線方向に沿って相対的に摺動することによって前記第1のシャフトの挿入を妨げるブレーキとして働く電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第1のシャフトの外周面および前記第2のシャフトの内周面の少なくとも一方には、テーパ面を有し、
    前記テーパ面を前記第1のシャフトの外周面に設けるとき、前記テーパ面は、前記第1のシャフトの開口している一端に近づくにつれて縮径し、前記テーパ面を前記第2のシャフトの内周面に設けるとき、前記テーパ面は前記第2のシャフトの開口している一端に近づくにつれて拡径する電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記空間には、流体であるガスが封入され、
    前記第1のシャフトが前記空間に挿入されることに伴い、前記ガスが圧縮されて生じる反力により前記第1のシャフトの挿入方向への移動が抑制される電動パワーステアリング装置。
  9. 請求項8に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第2のシャフトの外周面と内周面を貫通するように安全弁が設けられ、
    前記ガスが圧縮されることにより前記空間の圧力が前記安全弁の規定値以上になった場合、前記安全弁が開放されることにより、前記空間内部の前記流体が外部に放出される電動パワーステアリング装置。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記空間には流体であるオイルが封入され、前記第2のシャフトの外周面にはオリフィスが設けられている電動パワーステアリング装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記流体に外的要因を加えることで前記流体の特性を変化させることにより、前記流体による衝撃吸収性を制御する電動パワーステアリング装置。
  12. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第1のシャフトおよび前記第2のシャフトのいずれか一方の軸方向端部にはステアリングホイールが設けられ、
    前記第1のシャフトが前記空間に対して相対的に挿入方向または引き抜き方向へ移動されることにより、ステアリングホイールの軸方向における位置が変更される電動パワーステアリング装置。
  13. 請求項12に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記空間における前記第1の中空部の内底面と第2のシャフトの開口端面との間には、前記トーションバーが挿通された状態でスプリングが設けられ、
    前記スプリングは、前記第1のシャフトが前記挿入方向へ移動されるときは、当該挿入方向への移動を緩和する方向へ向けた弾性力を発揮し、前記引き抜き方向へ移動されるときは、当該引き抜き方向への移動を補助する方向へ向けた弾性力を発揮することにより、ステアリングホイールの軸方向の移動をアシストする電動パワーステアリング装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記第1のシャフトが前記空間に対する挿入方向または引き抜き方向へ移動されることにより、前記トーションバーの捩ることのできる有効長を調節可能とされている電動パワーステアリング装置。
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