JP2016059917A - 二酸化炭素回収材、二酸化炭素回収材の生産方法及び二酸化炭素の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の方法は、K2CO3+CO2+H2O→2KHCO3という化学反応式に基づいてCO2を回収した後、二酸化炭素吸収材を再利用するために150℃以上の温度として上記化学反応式の逆反応を進ませる必要があるが、このような高温に加熱するには多くのエネルギーが必要となるため、環境負荷が大きくなる。【解決手段】平均細孔径が5nmから50nmの細孔を有する多孔質材料をNaHCO3又はKHCO3の水溶液に含浸する工程と、多孔質材料を加熱して乾燥させる工程とを経て二酸化炭素回収材を生産する。【選択図】図2
Description
本発明は、二酸化炭素回収材、二酸化炭素回収材の生産方法及び二酸化炭素の回収方法に関するものである。
例えば、火力発電所等の大規模燃焼設備から放出される排気ガス中には、燃焼設備の燃料が石炭か石油天然ガスかにもよるが、通常9%〜15%の二酸化炭素と12〜17%の水分が含まれている。
特許文献1に記載された二酸化炭素吸着剤及びそれを用いた二酸化炭素回収方法では、活性炭に2K2CO3・3H2Oを担持し、これに水蒸気と二酸化炭素を含むガスを通過させることにより二酸化炭素を回収する方法と、そのための吸着剤が記載されている。
特許文献1に記載の方法は、K2CO3+CO2+H2O→2KHCO3という化学反応式に基づいてCO2を回収した後、二酸化炭素吸収材を再利用するために150℃以上の温度として上記化学反応式の逆反応を進ませる必要があるが、このような高温に加熱するには多くのエネルギーが必要となるため、環境負荷が大きくなるという課題がある。
上記の課題を解決するために、本発明の一つの観点によれば、二酸化炭素回収材を、平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、細孔内に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを有するものとする。
また、本発明の他の観点によれば、二酸化炭素回収材を、平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、前記細孔内にNa2CO3又はK2CO3を有するものとする。
さらに、細孔の平均細孔径が7nm〜18nmとすると望ましい。さらに、多孔質材料を、カーボンアエロジェル、シリカ系材料又はゼオライトとすると望ましい。
さらに、細孔の平均細孔径が7nm〜18nmとすると望ましい。さらに、多孔質材料を、カーボンアエロジェル、シリカ系材料又はゼオライトとすると望ましい。
また、本発明の他の観点によれば、二酸化炭素回収材の生産方法を、平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料をNaHCO3又はKHCO3の水溶液に含浸する工程と、多孔質材料を加熱して乾燥させる工程とを有するものとする。
また、本発明の他の観点によれば、二酸化炭素回収方法を、二酸化炭素及び水蒸気が含まれる気体を平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、細孔内に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、二酸化炭素炭素回収材を加熱する工程を有するものとする。
また、本発明の他の観点によれば、二酸化炭素の回収方法を、二酸化炭素及び水蒸気が含まれる気体を、多孔質材料を備え、かつ、前記細孔内に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを有する二酸化炭素回収材に通過させて二酸化炭素を吸収する工程と、二酸化炭素回収材を120℃以下の温度で加熱して二酸化炭素回収材から二酸化炭素を分離する工程を有するものとした。
また、本発明の他の観点によれば、二酸化炭素回収材を、K2CO3及びKnA1 2-nCO3(n=0〜1。A1はK以外のアルカリ金属原子。)が付着した多孔質材料を備えるものとする。さらに、A1原子はK原子よりも大きいものとすると望ましい。さらに、A1はCsとする事が望ましい。さらに、K原子とA原子のモル比率を、0.5:0.5〜0.9:0.1とすると望ましい。
また、本発明の別の観点によれば、二酸化炭素回収材を、Na2CO3及びNanA2 2-nCO3(n=0〜1。A2はNa以外のアルカリ金属原子。)が付着した多孔質材料を備えるものとすることが望ましい。
さらに、A2原子はNa原子よりも大きいものとすることが望ましい。さらに、A2はCsとすることが望ましい。さらに、Na原子とA2原子のモル比率を、0.5:0.5〜0.9:0.1とすると望ましい。
また、本発明の他の観点によれば、二酸化炭素回収材の生産方法を、細孔を有する多孔質材料をNaHCO3又はKHCO3及びA3HCO3(A3はNa、K以外のアルカリ金属原子。)の水溶液に含浸する工程と、前記多孔質材料を加熱して乾燥させる工程とを有するものとする。さらに、水溶液におけるNa又はKとA3のモル比率を0.5:0.5〜0.9:0.1とすると望ましい。
また、本発明の他の観点によれば、二酸化炭素の回収方法を、二酸化炭素が含まれる気体を、細孔を有する多孔質材料を備え、かつ、細孔内にK2CO3及びKnA1 2-nCO3(n=0〜1。)を有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、二酸化炭素回収材を加熱する工程を有するものとする。
また、本発明の他の観点によれば、二酸化炭素が含まれる気体を、細孔を有する多孔質材料を備え、細孔内にNa2CO3及びNanA2 2-nCO3(n=0〜1。A2はNa以外のアルカリ金属原子。)を有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、二酸化炭素回収材を加熱する工程を有するものとする。
本発明によれば、二酸化炭素回収材の再生温度を従来技術よりも下げることができ、工場排熱や太陽光を利用した未利用排熱を用いて二酸化炭素吸収材を再生することができ、環境負荷を低減させることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明は以下の実施形態に限られず、種々の実施形態で実施することができる。
本発明の実施形態では、基本的には下記式(1)に示す化学反応式又は下記式(2)に示す化学反応式に従って二酸化炭素が二酸化炭素吸収材に吸収される。
K2CO3+H2O+CO2→2KHCO3 ・・・式(1)
Na2CO3+H2O+CO2→2NaHCO3 ・・・式(2)
K2CO3+H2O+CO2→2KHCO3 ・・・式(1)
Na2CO3+H2O+CO2→2NaHCO3 ・・・式(2)
また、二酸化炭素が吸収された二酸化炭素吸収材を加熱することにより、下記式(3)に示す化学反応式又は下記式(4)に示す化学反応式に従って二酸化炭素が二酸化炭素回収材から分離され、回収される。
2KHCO3→K2CO3+H2O+CO2 ・・・式(3)
2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2 ・・・式(4)
2KHCO3→K2CO3+H2O+CO2 ・・・式(3)
2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2 ・・・式(4)
本実施形態では、二酸化炭素回収材を、平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、細孔内に炭酸ナトリウム(Na2CO3)又は炭酸カリウム(K2CO3)を有するものとする。ここで、多孔質材料の平均細孔径は、例えばガス吸着法等を使って測定することができる。
また、二酸化炭素回収材を、平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、細孔内にNa2CO3又はK2CO3を有するものとする。さらに、細孔の平均細孔径が7nm〜18nmとするとより二酸化炭素吸収材の再生温度を低くすることができる。多孔質材料は、例えばカーボンアエロジェル、シリカ系材料又はゼオライトとすることができる。
また、二酸化炭素回収材の生産方法を、平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料をNaHCO3又はKHCO3の水溶液に含浸する工程と、多孔質材料を加熱して乾燥させる工程とを有するものとする。
また、二酸化炭素回収材の生産方法を、平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料をNaHCO3又はKHCO3の水溶液に含浸する工程と、多孔質材料を加熱して乾燥させる工程とを有するものとする。
また、二酸化炭素回収方法を、二酸化炭素及び水蒸気が含まれる気体を平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、細孔内に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、二酸化炭素回収材を加熱する工程を有するものとする。
また、二酸化炭素の回収方法を、二酸化炭素及び水蒸気が含まれる気体を、多孔質材料を備え、かつ、細孔内に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを有する二酸化炭素回収材に通過させて二酸化炭素を吸収する工程と、二酸化炭素回収材を120℃以下の温度で加熱して二酸化炭素回収材から二酸化炭素を分離する工程を有するものとする。
また、本発明の別の実施形態では、二酸化炭素回収材を、K2CO3及びKnA1 2-nCO3(n=0〜1。またはN=0又は1。A1はK以外のアルカリ金属原子。)が付着した多孔質材料を備えるものとする。A1原子はK原子よりも大きいものとすると望ましい。具体的には、A1をCsとすることが考えられる。さらに、K原子とA1原子のモル比率を、0.5:0.5〜0.9:0.1とすると二酸化炭素回収材の再生温度を低くすることができる。
また、本発明の別の実施形態では、二酸化炭素回収材を、Na2CO3及びNanA2 2-nCO3(A2はNa以外のアルカリ金属原子。)が付着した多孔質材料を備えるものとする。A2原子はNa原子よりも大きいものとすると二酸化炭素回収材の再生温度を低くすることができる。A2は、例えばCsとすることが考えられる。二酸化炭素回収材に含まれるNa原子とA2原子のモル比率は、0.5:0.5〜0.9:0.1とすると再生温度を低下させることができる。
また、二酸化炭素回収材を、細孔を有する多孔質材料をNaHCO3又はKHCO3及びA3HCO3(A3はNa、K以外のアルカリ金属原子。)の水溶液に含浸する工程と、多孔質材料を加熱して乾燥させる工程とを経て生産する。ここで、水溶液におけるNa又はKとA3のモル比率を、0.5:0.5〜0.9:0.1とすると再生温度が低い二酸化炭素吸収材を生産することができる。
また、二酸化炭素が含まれる気体を、細孔を有する多孔質材料を備え、かつ、細孔内にK2CO3及びKnA1 2-nCO3(n=0〜1。)を有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、二酸化炭素炭素回収材を加熱する工程を経て二酸化炭素を回収する。
また、本発明の別の実施形態によれば、二酸化炭素が含まれる気体を、細孔を有する多孔質材料を備え、細孔内にNa2CO3及びNanA2 2-nCO3(n=0〜1。A2はNa以外のアルカリ金属原子。)を有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、二酸化炭素回収材を加熱する工程を有するものとする。
以下、本発明の実施例に係る二酸化炭素の回収方法を図1に基づいて説明する。二酸化炭素の二酸化炭素吸着材への吸着は、K2CO3+CO2+H2O→2KHCO3という化学反応式に基づいて行われる。その後、二酸化炭素が吸着した二酸化炭素吸着材からの二酸化炭素の分解・分離は、二酸化炭素吸着材を加熱し、上記化学式を逆向きに反応させる必要がある。本実施例の二酸化炭素の回収方法は、二酸化炭素及び水蒸気を排出する燃焼設備の排気ガス通路1に適用され、後述する二酸化炭素回収材を配置した固定床吸着塔2a、2bを配設し、この二酸化炭素回収材に水蒸気と二酸化炭素とを含むガスを通過させ、二酸化炭素回収材に二酸化炭素を捕集させるものである。また、二酸化炭素を回収した二酸化炭素回収材に加熱した空気又はスチームを通気させて捕集された二酸化炭素を濃縮して回収するものである。
図1は、本実施例の二酸化炭素の回収装置の概略構成を示した模式図であり、この二酸化炭素回収装置は、二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを導入するガス導入経路3と、このガス導入経路3に接続されると共に二酸化炭素回収材を充填した固定床吸着塔2と、この固定床吸着塔2に接続されると共に固定床吸着塔2から二酸化炭素捕集済みのガスを排出するガス排出経路4と、固定床吸着塔2に接続されると共に固定床吸着塔2に加熱した空気又はスチームを導入するスチーム導入経路5と、固定床吸着塔2に接続されると共に固定床吸着塔2に捕集した二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収通路6と、ガス導入経路3とガス排出経路4とを開閉する1組の第1バルブ手段7a、8a(7b、8b)と、この第1バルブ手段の開閉状態と反対になるように開閉されてスチーム導入経路5と二酸化炭素回収通路とを開閉する1組の第2バルブ手段9a、10a(9b、10b)とを備えている。
すなわち、この二酸化炭素回収装置は、例えば火力発電所の燃焼設備やエンジン型発電機の燃焼設備の排気経路1に接続される排ガス導入経路3を有し、この排ガス導入経路3にブロア11が備えられている。ブロア11の排気口には下流側が二股に分岐する排ガス導入経路12が接続され、排ガス導入経路12の下流側の端部の各々に二酸化炭素回収材を充填した固定床吸着塔2a、2bが接続されている。排ガス導入経路12の下流側分岐部にはバルブ7a、7bが設けられ、バルブ7a、7bと固定床吸着塔2a、2bの間にバルブ9a、9bを介して加熱した空気又はスチームを導入するスチーム導入経路5がそれぞれ接続されている。固定床吸着塔2a、2bには後述する二酸化炭素回収材が充填されている。固定床吸着塔2a、2bには、バルブ8a、8bを介して排気経路4に二酸化炭素回収済みのガスを排出する排ガス排出経路4と、バルブ10a、10bを介して二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収経路6が接続され、二酸化炭素回収経路6には冷却塔13が設けられている。
固定床吸着塔2a、2bが並列に設けられているのは、例えば一方の固定床吸着塔2aに排ガスを送るときに、他方の固定床吸着塔2bに温度の高い加熱した空気又はスチームを送り、一方の固定床吸着塔2aに加熱した空気又はスチームを送るときに、他方の固定床吸着塔2bに排気ガスを送る動作を交互に行うためである。
したがって、バルブ7aとバルブ8aは同時に開閉され、バルブ9aとバルブ9bとは同時に開閉される。また、バルブ7bとバルブ8bは同時に開閉され、バルブ9bとバルブ10bは同時に開閉される。固定床吸着塔2aに排ガスを導入し、固定床吸着塔2bに加熱した空気又はスチームを通気するとき、バルブ6a、11aがあけられてブロア3が固定床吸着塔8a側に排ガスを送り、バルブ7a、12aは閉じられ、バルブ6b、11bは閉じられ、バルブ7b、12bは開けられる。固定床吸着塔8aに加熱した空気又はスチームを通気させ、固定床吸着塔8bに排ガスを導入するとき、バルブ6a、11aは閉じ、バルブ7a、12aは開き、バルブ6b、11bは開き、バルブ7b、12bは閉じる。なお、バルブ6a、6b、7a、7b、11a、11b、12a、12bの開閉動作は手動操作によって行ってもよいが、ソレノイドバルブ及び制御回路により通電制御してもよい。
図2に本実施例の二酸化炭素回収材の生産方法の概略図を示す。まず、孔の大きさの平均(平均細孔径)が5〜30nmのナノ細孔を有するカーボンアエロジェルを用意した。カーボンアエロジェルの材料は、炭素である。このカーボンアエロジェルに対して加熱真空処理をした後に、NaHCO3又はKHCO3の水溶液に含浸した。その後乾燥させ、加熱処理すると、Na2CO3やK2CO3が付着したカーボンナノコンポジット(二酸化炭素回収材)が得られた。
図3は、得られた二酸化炭素回収材の温度と熱重量変化の関係を示す図である。バルクの活性炭を使用したKHCO3は、433K(150℃)付近で熱重量の減少が開始し、二酸化炭素の分解・分離が開始しているが、18CA-KHCO3(平均細孔径が18nmのカーボンアエロジェルを使用)の場合、423K(140℃)付近で熱重量の減少が開始し、二酸化炭素の分解が開始している。さらに、16CA-KHCO3(平均細孔径が16nm)及び7CA-KHCO3(平均細孔径が7nm)の場合、393K(120℃)付近で熱重量の減少が開始し、二酸化炭素の分解が開始していることが分かる。120℃で二酸化炭素の分解が可能となれば、工場廃熱や太陽光等の未利用廃熱を利用して二酸化炭素の分離を行うことが可能となり、環境負荷をかけずに二酸化炭素回収材の再生を行うことができる。
図4は、本発明の実施例2の概念を示す図である。再生温度が低い二酸化炭素回収材を得るためには、結晶構造を不安定化させることが考えられる。そこで、本実施例では、二酸化炭素回収材に付着するK2CO3の一部のK原子を、K原子よりも少し大きいアルカリ金属(A)、具体的にはCs原子に置換するために、Cs/Kモル比が異なる混合比で、Cs-KHCO3溶液を調整し、これを乾燥させることで、K原子位置をCs原子で置換した二酸化炭素回収材を得た。
図5は、得られた二酸化炭素回収材の熱重量変化と温度との関係を示す図である。KHCO3の場合、433K(150℃)付近で二酸化炭素の分解が開始している。これに対して、K0.5Cs0.5HCO3(二酸化炭素吸着時のK原子とCs原子のモル比率が0.5:0.5)の場合、413K(140℃)で二酸化炭素の分解が開始している。さらに、K0.8Cs0.2HCO3(K原子とCs原子のモル比率が0.8:0.2)及びK0.9Cs0.1HCO3(K原子とCs原子のモル比率が0.9:0.1)の場合、373K(100℃)付近で二酸化炭素の分解が開始している。100℃で二酸化炭素の分解が可能となれば、工場廃熱や太陽光等の未利用廃熱を利用して二酸化炭素の分解・分離が可能となり、環境負荷をかけずに二酸化炭素回収材の再生を行うことができる。
本発明は、二酸化炭素回収材、二酸化炭素回収材の生産方法及び二酸化炭素の回収方法として産業上利用できる。
1 排気経路
2 固定床吸着塔
3 ガス導入経路
4 ガス排出経路
5 スチーム導入経路
6 二酸化炭素回収通路
7a、7b、8a、8b、9a、9b、10a、10b
11 ブロア
13 冷却塔
2 固定床吸着塔
3 ガス導入経路
4 ガス排出経路
5 スチーム導入経路
6 二酸化炭素回収通路
7a、7b、8a、8b、9a、9b、10a、10b
11 ブロア
13 冷却塔
Claims (19)
- 平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、前記細孔内に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを有することを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、前記細孔内にNa2CO3又はK2CO3を有することを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 請求項1又は2において、前記細孔の平均細孔径が7nm〜18nmであることを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 請求項1又は2において、前記多孔質材料は、カーボンアエロジェル、シリカ系材料又はゼオライトであることを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料をNaHCO3又はKHCO3の水溶液に含浸する工程と、前記多孔質材料を加熱して乾燥させる工程とを有する二酸化炭素回収材の生産方法。
- 二酸化炭素及び水蒸気が含まれる気体を平均細孔径が5nm〜50nmの細孔を有する多孔質材料を備え、前記細孔内に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、前記二酸化炭素回収材を加熱する工程を有することを特徴とする二酸化炭素の回収方法。
- 二酸化炭素及び水蒸気が含まれる気体を、多孔質材料を備え、かつ、前記細孔内に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを有する二酸化炭素回収材に通過させて二酸化炭素を吸収する工程と、前記二酸化炭素回収材を120℃以下の温度で加熱して前記二酸化炭素回収材から二酸化炭素を分離する工程を有することを特徴とする二酸化炭素の回収方法。
- K2CO3及びKnA1 2-nCO3(n=0〜1。A1はK以外のアルカリ金属原子。)が付着した多孔質材料を備えることを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 請求項8において、A1原子はK原子よりも大きいことを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 請求項8において、A1はCsであることを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 請求項8において、K原子とA1原子のモル比率が、0.5:0.5〜0.9:0.1であることを特徴とする二酸化炭素回収材。
- Na2CO3及びNanA2 2-nCO3(A2はNa以外のアルカリ金属原子。)が付着した多孔質材料を備えることを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 請求項12において、A2原子はNa原子よりも大きいことを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 請求項12において、A2はCsであることを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 請求項12において、Na原子とA2原子のモル比率が、0.5:0.5〜0.9:0.1であることを特徴とする二酸化炭素回収材。
- 細孔を有する多孔質材料をNaHCO3又はKHCO3及びA3HCO3(A3はNa、K以外のアルカリ金属原子。)の水溶液に含浸する工程と、前記多孔質材料を加熱して乾燥させる工程とを有する二酸化炭素回収材の生産方法。
- 請求項16において、前記水溶液におけるNa又はKとA3のモル比率が0.5:0.5〜0.9:0.1であることを特徴とする二酸化炭素回収材の生産方法。
- 二酸化炭素が含まれる気体を、細孔を有する多孔質材料を備え、かつ、前記細孔内にK2CO3及びKnA1 2-nCO3(n=0〜1。A1はK以外のアルカリ金属原子。)を有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、前記二酸化炭素回収材を加熱する工程を有することを特徴とする二酸化炭素の回収方法。
- 二酸化炭素が含まれる気体を、細孔を有する多孔質材料を備え、前記細孔内にNa2CO3及びNanA2 2-nCO3(n=0〜1。A2はNa以外のアルカリ金属原子。)を有する二酸化炭素回収材に通過させる工程と、前記二酸化炭素回収材を加熱する工程を有することを特徴とする二酸化炭素の回収方法。
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