JP2016059744A - 体外循環装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】体外循環管理装置10と、チューブ部11と、血液の流れの向きに対応して配置する測定部14と、測定部の装着方向の是非を判断する装着方向判断部29を有し、装着方向判断部は、対象者の血液をチューブ部内に導入する前に動作し、装着方向判断部が、測定部の装着方向の間違いを判断したときは、その旨の警報27を出力する体外循環装置1。
【選択図】 図3
Description
このため、手術中等において患者に対する血液の供給が必要なとき、患者の血液を体外で循環させるため人工心肺等を有する体外循環装置が用いられている(例えば、特許文献1)。
このような体外循環装置は、循環している血液の流量値等をモニタリングする必要があり、そのため、血液が循環しているチューブには、チューブ内の血液の流量等を測定する流量センサ等が配置されている。
このような流量センサは、例えば、チューブの一方側から超音波等を発信し、他方側で、この超音波等を受信する際の遅延時間等に基づいて、チューブ内の血液の流速等を測定する構成となっている。
したがって、流量センサの超音波等の発信部側が、受信部側よりはチューブ内を流れる血液の上流側に配置されるように配置される必要があり、流量センサの外観上にもその方向を間違えないためのマーク等が付されている。
このため、コントローラは、担当者にチューブ内の血液の流れを止め、体外循環装置の動作を中止する所謂、閉塞動作を促し、これにより、チューブ内に逆流が発生していないにもかかわらず、体外循環装置の動作が止まってしまうという問題があった。
このため、実際に患者の血液を導入する前に、装着方向判断部が動作するので、血液を導入し、体外循環装置が動作した後に測定部の配置間違いで、その動作を中止するという事態の発生を未然に防ぐことができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1に示す、体外循環装置1は、図1に示す患者Pの血液の体外循環を行う装置であるが、この「体外循環」には「体外循環動作」と「補助循環動作」が含まれる。
「体外循環動作」は、体外循環装置1の適用対象である患者(被術者)Pの心臓に血液が循環しないため患者Pの体内でガス交換ができない場合に、この体外循環装置1により、血液の循環動作と、この血液に対するガス交換動作(酸素付加及び/又は二酸化炭素除去)を行うことである。
また、「補助循環動作」とは、体外循環装置1の適用対象である患者(被術者)Pの心臓に血液が循環し、患者Pの肺でガス交換を行える場合で、体外循環装置1によっても血液の循環動作の補助を行うことである。装置によっては血液に対するガス交換動作を行う機能を持つものもある。
具体的には、体外循環装置1のポンプ部である例えば、遠心ポンプ3を作動させ、患者Pの静脈(大静脈)から脱血して、人工肺2により血液中のガス交換を行って血液の酸素化を行った後に、この血液を再び患者Pの動脈(大動脈)に戻す「人工肺体外血液循環」を行う。すなわち、体外循環装置1は、心臓と肺の代行を行う装置となる。
すなわち、図1に示すように、体外循環装置1は、血液を循環させる「循環回路1R」を有し、循環回路1Rは、「人工肺2」、「遠心ポンプ3」、「ドライブモータ4(モータ部の一例)」、「静脈側カテーテル(脱血側カテーテル)5」と、「動脈側カテーテル(送血側カテーテル)6」と、体外循環管理装置である例えば、コントローラ10を有している。なお、遠心ポンプ3は、血液ポンプとも称し、遠心式以外のポンプも利用できる。
ドライブモータ4がコントローラ10の指令SGにより遠心ポンプ3を操作させると、遠心ポンプ3は、脱血チューブ11から脱血して人工肺2に通した血液を、送血チューブ12(「送液ライン」とも称する。)を介して患者Pに戻す構成となっている。
なお、これら脱血チューブ11及び送血チューブ12は、チューブ部の一例である。
人工肺2は、例えば、膜型人工肺であるが、特に好ましくは中空糸膜型人工肺を用いる。送血チューブ12は、人工肺2と動脈側カテーテル6を接続している管路である。
脱血チューブ11と送血チューブ12は、例えば、塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム等の透明性が高く、可撓性を有する合成樹脂製の管路が使用できる。
脱血チューブ11内では、血液はV方向に流れ、送血チューブ12内では、血液はW方向に流れる。
流量値の異常は、循環管路1Rのチューブのキンク、ドライブモータ4及び遠心ポンプ3の回転数が低下、圧力損失の増大等で生じ、循環管路1R内の血液の循環不良を発生させ、これにより、患者に低酸素症等を招来させるおそれもある。
体外循環装置1の担当者は、異常が発生したとき、このクランプ7を使用して緊急に閉塞し、体外循環装置1の動作を停止させることができる構成となっている。
図2に示すように、流量センサ14は、脱血チューブ11の上流側(患者P側)には、第1の振動子14aが配置され、この第1の振動子14aより下流側(コントローラ10側)には、第2の振動子14bが形成されている。
そして、第1の振動子14aから第2の振動子14bに向けて超音波を出力し、上流側から下流側に超音波を伝搬させ、流れによって生じる伝搬時間差から血液の流速を測定する構成となっている。
この流速vを用いて、脱血チューブ11内を流れる血液の流量:Q=πD2/4×vが得られる(D:チューブ11の内径で既知の値)。
ところが、通常は第1の振動子14a,第2の振動子14bともに同じ大きさ,同じ形状であることによる判別のし難さ、コントローラへ接続される流量センサ14の信号線の取り付け位置や、流量センサ14を脱血チューブ11に配置する容易さに起因して、体外循環装置1の担当者が誤って流量センサ14の向きを逆にして、脱血チューブ11に配置したときは、流量センサ14は、血液の流れが逆(流量が負)である値を出力することになる。
このため、流量センサ14の筐体には、この正しい向きを示すマークや形状等が配置され、又は形成されている。
図3に示すように、コントローラ10は、「コントローラ制御部21」を有し、コントローラ制御部21は、他の装置等と通信するための「コントローラ側通信装置22」を制御する。
なお、「コントローラ側通信装置22」と流量センサ14を含む他の装置との通信は、有線または無線で行うが、有線の場合は電磁ノイズに強いRS232Cで行うのが好ましく、無線の場合は赤外線通信で行うのが好ましいが装置に電源電池を搭載する必要がある。信号ケーブルを用いないため装置全体が整然とする。また、コントローラ制御部21は、表示部と入力部を兼ねる、カラー液晶,有機EL等で形成されるタッチパネル23を制御する構成となっている。
また、コントローラ制御部21は、「電源スイッチ25」や「オートプライミングボタン26」も制御している。
このオートプライミングボタン26で開始される「オートプライミング工程」は、実際に患者Pの血液の導入をする前に、図1の循環回路1R内に「プライミング液(例えば、生理食塩水等)」を導入、充填して、ドライブモータ4の回転と停止を繰り返すことで、血液回路内の異物及び空気を除去する処理(プライミング)を意味する。
本実施の形態では、図1に示す体外循環装置1を担当者が使用状態に組み上げて、使用を開始する例を用いて、以下説明する。
先ず、図8のステップST(以下「ST」とする。)1では、当該体外循環装置1の担当者が、図3の電源スイッチ25を押下等して、電源を投入(ON)状態とする。
このオートプライミングは、具体的には、図3の「オートプライミング部(プログラム)28」が実行する。
なお、このとき、流量センサ14の筐体にLEDランプ等をさらに設けて、逆向きでの装着時は、このLEDランプを赤色で点滅させる構成としても構わない。
次いで、ST5へ進む。ST5では、図3のタッチパネル23に「確認ダイアログ」が表示され、この「確認ダイアログ」では、「OK」か否か、及び「流量値の反転使用」するか否かが表示される。すなわち、流量値の「正」と「負」の値を反転させて使用するか否かが表示される。
一方、ST6で、流量値を反転させない旨の入力があったときは、ST8へ進み、「OK」の部分を担当者が触れて、クリック入力するように求め、担当者がクリック入力する。
したがって、実際に患者Pの血液を導入する前に、流量センサ14の向きの正しさを確実に確認し、正しくない場合は、その流量センサ14の再装着を促し、確認することができる。
このため、実際に患者Pの血液を導入した後、流量センサ14の装着向きの間違いを脱血チューブ11等の閉塞だと誤って判断し、体外循環装置1の動作を中止させるという事態の発生を未然に防止することができる。
なお、このとき、流量センサ14の筐体にLEDランプ等をさらに設けて、このLEDランプを緑色で点滅させる等の構成としても構わない。
次いで、ST13へ進む。ST13では、図3の「流量データ判断部(プログラム)33」が動作し、図3の「流量データ記憶部32」及び「流量値反転記憶部31」を参照し、当該流量データが「正」であるか否かを判断し、また、流量値反転記憶部31に反転情報があれば、流量データの「正」と「負」を反転させる。
次いで、ST16で、クランプを閉塞する。
また、流量センサ14における血液の逆流のデータは、実際に逆流が発生した場合にのみに生じるデータであり、信頼性が高くなるので、担当者は迷いなくクランプ7を動作させることができる。
Claims (5)
- 血液の体外循環を管理する体外循環管理装置と、
前記体外循環における血液の流れを案内するチューブ部と、
前記チューブ部内の血液を測定するために、血液の流れの向きに対応して配置する測定部と、
前記測定部の装着方向の是非を判断する装着方向判断部を有し、
前記装着方向判断部は、対象者の血液をチューブ部内に導入する前に動作し、前記装着方向判断部が、前記測定部の装着方向の間違いを判断したときは、その旨の警報を出力することを特徴とする体外循環装置。 - 前記チューブ部を含む血液の循環回路内に、プライミング液を導入し、空気を含む異物を除去する処理であるオートプライミング処理の実行と共に、前記装着方向判断部が動作することを特徴とする請求項1に記載の体外循環装置。
- 前記チューブ内の流体を循環させるポンプ部と、
前記ポンプ部を駆動させるモータ部と、を有し、
前記ポンプ部が、前記チューブ部と接続されると共に、前記モータ部が、前記体外循環装置に接続され、
前記装着方向判断部は、前記モータ部の回転方向を参照し、前記測定部の装着方向の間違いを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体外循環装置。 - 前記装着方向判断部は、
前記モータ部の回転方向によって規定される前記体外循環における流体の流れ向きと、前記測定部の測定データが一致しないと判断された場合に、前記測定部の装着方向が逆向きであると判断することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の体外循環装置。 - 前記測定部が、伝搬時間差方式の超音波式流量センサであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の体外循環装置。
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WO2014033781A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-06 | テルモ株式会社 | 制御装置、循環装置及び制御方法 |
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