JP6922440B2 - 超音波測定装置及び体外循環装置 - Google Patents

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Description

本発明は、患者の血液を体外で循環させる体外循環系に用いられる超音波測定装置に関する。
血液透析や血漿交換、吸着療法等の治療に用いられる血液浄化装置や、人工心肺装置等の体外循環装置は、一般に、血液を循環させるための血液回路、血液浄化器、人工心肺や血液濃縮器等の血液処理器、血液を送出する血液ポンプ等、を備え、患者の血液を体外で循環させる。
患者からの脱血不良や血栓による血液回路の閉塞等の原因により、血液ポンプの設定流量通りに液体が流れているとは限らないので、実際流れている流量(実流量)を把握するため超音波流量計が用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、血液回路中の気泡が患者の体内へ流入することを防ぐため、気泡を検出することが求められている。このような気泡を検出する方法として、超音波を利用した気泡検出器が知られている(特許文献3参照)。
特開2005−253768号公報 特開2008−023269号公報 特開2005−084017号公報
上述したように、体外循環装置では血液の流量測定には流量計を、気泡の検出には気泡検出器を、それぞれ用いる必要があり、装置の生産コスト増や血液回路の組み立て作業が煩雑になる等の問題があった。
従って、本発明は、体外循環装置に用いられ、血液回路を流れる液体の流量及び気泡を測定可能な超音波測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、血液を循環させるための血液回路と、該血液回路に所定の設定流量で血液を流すための血液ポンプと、を備え、血液を体外循環させる体外循環装置に用いられる超音波測定装置であって、前記血液回路に取り付けられ、電気信号と超音波信号とを変換して超音波信号を送受する超音波送受波器と、前記超音波送受波器で送受される超音波信号に基づいて前記血液回路を流れる液体の流量及び気泡を測定可能な測定回路と、を備え、前記測定回路は、前記超音波送受波器に電気信号を送信する送信部と、前記超音波送受波器から電気信号を受信する受信部と、前記送信部で送信された送信信号及び前記受信部で受信された受信信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、前記受信信号の受信強度に基づいて気泡を検出する気泡検出部と、を備える超音波測定装置に関する。
また、前記気泡検出部は、前記受信強度が所定の閾値よりも低く前記受信信号が測定できない場合に、前記受信強度が所定の閾値以下となる時間に基づいて気泡量を算出することが好ましい。
また、前記気泡検出部は、前記受信強度が所定の閾値以上に高く前記受信信号が測定できる場合に、前記流量算出部により算出された算出流量、前記血液ポンプの前記所定の設定流量、及び、前記受信強度に基づいて、微小気泡の有無を検出することが好ましい。
また、前記血液回路は、血液処理器に導入される血液を流すための動脈側ラインと、前記血液処理器から導出される血液を流すための静脈側ラインと、を含んで構成され、前記超音波送受波器は、前記動脈側ラインに取り付けられることが好ましい。
また、前記超音波測定装置は、前記血液回路を流れる液体の流れ方向に所定の距離をおいて配置される少なくとも一対の前記超音波送受波器を備え、前記超音波送受波器は、液体の流れ方向に対して斜めに又は流れ方向に対して上下流に超音波信号を送受することが好ましい。
また、前記流量算出部は、前記一対の超音波送受波器の間でそれぞれ送受される超音波信号の血液中における伝搬時間をそれぞれ測定し、伝搬時間逆数差法により血液流量を算出することが好ましい。
また、本発明は、前記超音波測定装置と、血液を循環させるための血液回路と、前記血液回路に血液を流すための血液ポンプと、前記血液回路に接続され血液を処理する血液処理器と、を備え、血液を体外循環させる体外循環装置に関する。
また、前記流量算出部による算出流量の結果及び前記気泡検出部による気泡の検出結果に基づいて、前記血液ポンプの設定流量を制御する制御部を更に備えることが好ましい。
また、異常を報知する報知手段を更に備え、前記制御部は、前記流量算出部による算出流量の結果及び前記気泡検出部による気泡の検出結果に基づいて異常があると判断した場合に、前記報知手段が作動するように制御することが好ましい。
本発明の超音波測定装置によれば、単一の測定手段(超音波送受波器)により送受された超音波信号に基づいて血液回路を流れる液体の流量及び気泡を測定可能である。
本発明の第1実施形態の構成を示す説明図である。 体外循環装置(透析装置)の概略構成を示す図である。 体外循環装置(透析装置)で実施される脱血工程を示す図である。 体外循環装置(透析装置)で実施される透析工程を示す図である。 体外循環装置(透析装置)で実施される返血工程を示す図である。 気泡測定において気泡が存在しない場合の受信信号の波形を示す模式図である。 気泡測定において空気が混入した場合の受信信号の波形を示す模式図である。 気泡測定において少量の気泡が通過した場合の受信信号の波形を示す模式図である。 本発明の第2実施形態の構成を示す説明図である。 超音波測定装置の設置方法の変形例を示す図である。
以下、本発明の超音波測定装置及び体外循環装置の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明では一例として、腎不全患者の血液を浄化すると共に、血液中の余分な水分を除去する血液透析を行う血液浄化装置を用いて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る体外循環装置としての血液浄化装置100A及び該装置に用いられる超音波測定装置1Aの構成を示す説明図であり、図2は、血液浄化装置100Aの概略構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、血液浄化装置100Aは、血液を流すための血液回路110と、血液処理器としてのダイアライザ120と、透析液回路130と、制御部140Aと、血液回路110に配置される超音波測定装置1Aと、を備える。
血液回路110は、動脈側ライン111と、静脈側ライン112と、薬剤ライン113と、排出ライン114と、を有する。動脈側ライン111、静脈側ライン112、薬剤ライン113及び排出ライン114は、いずれも液体が流通可能な可撓性を有する軟質のチューブを主体として構成される。本実施形態では、外径5.5mm、内径3.5mmのポリ塩化ビニルにより形成された軟質チューブを用いた。
動脈側ライン111は、一端側が後述するダイアライザ120の血液導入口122aに接続される。動脈側ライン111には、患者側動脈接続部111a、血液ポンプ111b及び後述の超音波測定装置1Aが配置される。
患者側動脈接続部111aは、動脈側ライン111の他端側に配置される。患者側動脈接続部111aには、患者の血管に穿刺される針が接続される。
血液ポンプ111bは、動脈側ライン111を構成するチューブをローラーでしごくことにより、動脈側ライン111の内部の血液やプライミング液等の液体を送出する。
図2に示すように、超音波測定装置1Aは、動脈側ライン111における血液ポンプ111bよりも下流側(ダイアライザ120側)に配置される。超音波測定装置1Aは血液回路110におけるいずれの位置に取り付けてもよいが、本実施形態では、動脈側ライン111の血液ポンプ111bより下流側に超音波測定装置1Aが取り付けられる。この位置に取り付けることで、ダイアライザ120による除水や注水(補充液や補液)の影響を受けにくく、除水や注水を計算することが不要となり、流量の測定誤差を小さくできる。
尚、血液回路110(動脈側ライン111)は、超音波測定装置1Aが取り付けられる部位において、流量の測定に影響を与える血液回路110内の気泡が滞留しないように血液の流れ方向が略鉛直となるように保持される。また、気泡が速やかに上昇できるように、透析工程の血液の流れ方向における上流側を下部に、下流側を上部に配置することが望ましい。
超音波測定装置1Aの具体的な構成については、後に説明する。
静脈側ライン112は、一端側が後述するダイアライザ120の血液導出口122bに接続される。静脈側ライン112には、患者側静脈接続部112a、静脈側気泡検知器112b、ドリップチャンバ112c、及び静脈側クランプ112dが配置される。
患者側静脈接続部112aは、静脈側ラインの他端側に配置される。患者側静脈接続部112aには、患者の血管に穿刺される針が接続される。
静脈側気泡検知器112bは、チューブ内の気泡の有無を検出する。
静脈側気泡検知器112bは、ドリップチャンバ112cよりも下流側に配置される。ドリップチャンバ112cは、静脈側ライン112に混入した気泡や凝固した血液等を除去するため、また、静脈圧を測定するため、一定量の血液を貯留する。
静脈側クランプ112dは、静脈側気泡検知器112bよりも下流側に配置される。静脈側クランプ112dは、静脈側気泡検知器112bによる気泡の検出結果に応じて制御され、静脈側ライン112の流路を開閉する。
薬剤ライン113は、血液透析中に必要な薬剤を動脈側ライン111に供給する。薬剤ライン113は、一端側が薬剤を送り出す薬液ポンプ113aに接続され、他端側が動脈側ライン111に接続される。本実施形態では、薬剤ライン113の他端側は、動脈側ライン111における超音波測定装置1Aよりも下流側に接続される。
排出ライン114は、ドリップチャンバ112cに接続される。排出ライン114には、排出ライン用クランプ114aが配置される。排出ライン114は、後述するプライミング工程でプライミング液を排出するためのラインである。
ダイアライザ120は、筒状に形成された容器本体121と、この容器本体121の内部に収容された透析膜(図示せず)と、を備え、容器本体121の内部は、透析膜により血液側流路と透析液側流路とに区画される(いずれも図示せず)。容器本体121には、血液回路110に連通する血液導入口122a及び血液導出口122bと、透析液回路130に連通する透析液導入口123a及び透析液導出口123bと、が形成される。
以上の血液回路110及びダイアライザ120によれば、対象者(透析患者)の動脈から取り出された血液は、血液ポンプ111bにより動脈側ライン111を流通してダイアライザ120の血液側流路に導入される。ダイアライザ120に導入された血液は、透析膜を介して後述する透析液回路130を流通する透析液により浄化される。ダイアライザ120において浄化された血液は、静脈側ライン112を流通して対象者の静脈に返血される。
透析液回路130は、本実施形態では、いわゆる密閉容量制御方式の透析液回路130により構成される。この透析液回路130は、透析液供給ライン131aと、透析液排出ライン131bと、透析液導入ライン132aと、透析液導出ライン132bと、透析液送液部133と、を備える。
透析液送液部133は、透析液チャンバ1331と、バイパスライン1332と、除水/逆ろ過ポンプ1333と、を備える。
透析液チャンバ1331は、一定容量(例えば、300ml〜500ml)の透析液を収容可能な硬質の容器で構成され、この容器の内部は軟質の隔膜(ダイアフラム)で区画され、送液収容部1331a及び排液収容部1331bに区画される。
バイパスライン1332は、透析液導出ライン132bと透析液排出ライン131bとを接続する。
除水/逆ろ過ポンプ1333は、バイパスライン1332に配置される。除水/逆ろ過ポンプ1333は、バイパスライン1332の内部の透析液を透析液排出ライン131b側に流通させる方向(除水方向)及び透析液導出ライン132b側に流通させる方向(逆ろ過方向)に送液可能に駆動するポンプにより構成される。
透析液供給ライン131aは、基端側が透析液供給装置(図示せず)に接続され、先端側が透析液チャンバ1331に接続される。透析液供給ライン131aは透析液チャンバ1331の送液収容部1331aに透析液を供給する。
透析液導入ライン132aは、透析液チャンバ1331とダイアライザ120の透析液導入口123aとを接続し、透析液チャンバ1331の送液収容部1331aに収容された透析液をダイアライザ120の透析液側流路に導入する。
透析液導出ライン132bは、ダイアライザ120の透析液導出口123bと透析液チャンバ1331とを接続し、ダイアライザ120から排出された透析液を透析液チャンバ1331の排液収容部1331bに導出する。
透析液排出ライン131bは、基端側が透析液チャンバ1331に接続され、排液収容部1331bに収容された透析液の排液を排出する。
以上の透析液回路130によれば、透析液チャンバ1331を構成する硬質の容器の内部を軟質の隔膜(ダイアフラム)により区画することで、透析液チャンバ1331からの透析液の導出量(送液収容部1331aへの透析液の供給量)と、透析液チャンバ1331(排液収容部1331b)に回収される排液の量と、を同量にできる。
これにより、除水/逆ろ過ポンプ1333を停止させた状態では、ダイアライザ120に導入される透析液の流量とダイアライザ120から導出される透析液(排液)の量とを同量にできる。
また、除水/逆ろ過ポンプ1333を逆ろ過方向に送液するように駆動させた場合には、透析液チャンバ1331から排出された排液の一部がバイパスライン1332及び透析液導出ライン132bを通って再び透析液チャンバ1331に回収される。そのため、ダイアライザ120から導出される透析液の量は、透析液チャンバ1331に回収される量(即ち、透析液導入ライン132aを流通する透析液の量)から、バイパスライン1332を流通する透析液の量を減じた量となる。これにより、ダイアライザ120から導出される透析液の量は、バイパスライン1332を通って再び透析液チャンバ1331に回収される透析液(排液)の量分だけ、透析液導入ライン132aを流通する透析液の流量よりも少なくなる。即ち、除水/逆ろ過ポンプ1333を逆ろ過方向に送液するように駆動させた場合は、ダイアライザ120において、血液回路110に所定量の透析液が注入(逆ろ過)される。
一方、除水/逆ろ過ポンプ1333を除水方向に送液するように駆動させた場合には、透析液導出ライン132bを流通する透析液の量は、透析液チャンバ1331に回収される透析液の量(即ち、透析液導入ライン132aを流通する透析液の量)に、バイパスライン1332を流通する透析液の量を加えた量となる。これにより、透析液導出ライン132bを流通する透析液の量は、バイパスライン1332を通って透析液排出ライン131bに排出される透析液(排液)の量分だけ、透析液導入ライン132aを流通する透析液の量よりも多くなる。即ち、除水/逆ろ過ポンプ1333を除水方向に送液するように駆動させた場合は、ダイアライザ120において、血液から所定量の除水が行われる。
制御部140Aは、情報処理装置(コンピュータ)により構成され、制御プログラムを実行することにより、血液浄化装置100Aの動作を制御する。また、制御部140Aは、超音波測定装置1Aと接続され、制御部140Aには、測定された流量や気泡の有無の情報が伝達される。
具体的には、制御部140Aは、血液回路110及び透析液回路130に配置された各種のポンプやクランプ等の動作を制御して、血液浄化装置100Aにより行われる各種工程、例えば、プライミング工程、脱血工程、透析工程、急速補液工程、返血工程等を実行する。
各種工程について、簡単に説明する。
プライミング工程では、逆ろ過透析液や生理食塩水等のプライミング液により血液回路110及びダイアライザ120を洗浄して空気を抜き、清浄化する。図3に示す脱血工程では、患者の血液を吸引して動脈側ライン111及び静脈側ライン112に血液を充填させる。脱血工程の後、図4に示す血液を浄化すると伴に水分を除去する透析工程が行われる。
透析工程の途中で必要に応じて急速補液工程が行われる。透析工程終了後、図5に示す患者に血液を戻す返血工程が行われる。
以下に、血液浄化装置100Aにより行われる各種工程のうち、血液の流量測定や気泡の測定に関わる脱血工程、透析工程及び返血工程について、図3〜図5を参照して詳しく説明する。
血液の流量を測定することにより、脱血工程初期に起きやすい脱血不良や、血栓やチューブの折れ曲がりによる血液回路110の閉塞等を監視する。
気泡を測定することにより、血液回路110から患者への空気の混入や脱血不良時の微小気泡の発生等を監視する。
図3を参照して脱血工程について説明する。
脱血工程は、プライミング工程終了後、穿刺後に患者側動脈接続部111a及び患者側静脈接続部112aの両方から患者の血液を吸引して動脈側ライン111及び静脈側ライン112に血液を充填させる工程である。
脱血工程では、図3に示すように、患者側動脈接続部111a及び患者側静脈接続部112aは、それぞれ患者の血管に穿刺される針に接続され、排出ライン用クランプ114aは閉状態、静脈側クランプ112dは開状態である。
透析液チャンバ1331に対して不図示の透析液供給装置は500ml/minの送液量で透析液を供給及び排出し、除水/逆ろ過ポンプ1333を、除水方向に送液するように作動させる。除水/逆ろ過ポンプ1333の送給量を100ml/minとすることで、ダイアライザ120において、100ml/minの除水が行われる。
血液ポンプ111bは40〜50ml/minの低流量で患者側動脈接続部111a側からダイアライザ120側に送液する。本実施形態においては50ml/minとする。
ダイアライザ120内には、血液導入口122aから50ml/minの流量で逆ろ過透析液、続いて血液が流入し、血液導出口122bから50ml/minの流量で逆ろ過透析液、続いて血液が流入する。また、逆ろ過透析液は、透析液導出口123bから導出される。このようにして、ダイアライザ120内及び血液回路110内は血液で充填される。
次に図4を参照して透析工程について説明する。
透析工程は、脱血工程に続いて約4時間行われ、患者側動脈接続部111aから導入される患者の血液は、動脈側ライン111を通ってダイアライザ120で浄化され、静脈側ライン112を通って患者側静脈接続部112aから患者に戻される。
透析工程では、図4に示すように、患者側動脈接続部111a及び患者側静脈接続部112aは、それぞれ患者の血管に穿刺される針に接続された状態であり、排出ライン用クランプ114aは閉状態、静脈側クランプ112dは開状態である。
例えば、ダイアライザ120に対して、透析液チャンバ1331から500ml/minの送液量で透析液を供給し、除水/逆ろ過ポンプ1333を除水方向に送液するように作動させる。除水/逆ろ過ポンプ1333の送給量を一例として10ml/minとすることで、ダイアライザ120において、10ml/minの除水が行われる。
血液ポンプ111bは、例えば200ml/minで患者側動脈接続部111a側からダイアライザ120側に血液を送出する。
ダイアライザ120内には、血液導入口122aから200ml/minの流量で血液が流入し、10ml/minの流量で除水されて、血液導出口122bから190ml/minの流量で導出される。また、除水排液は、透析液導出口123bから導出される。
次に図5を参照して返血工程について説明する。
返血工程は、透析工程が終了後、血液回路110内及びダイアライザ120内の血液を患者の体内に戻す工程である。
返血工程では、図5に示すように、患者側動脈接続部111a及び患者側静脈接続部112aは、それぞれ患者の血管に穿刺される針に接続された状態であり、排出ライン用クランプ114aは閉状態、静脈側クランプ112dは開状態である。
例えば、ダイアライザ120に対して、透析液チャンバ1331から500ml/minの送液量で透析液を供給し、除水/逆ろ過ポンプ1333を、逆ろ過方向に送液するように作動させる。除水/逆ろ過ポンプ1333の送給量を100ml/minとすることで、ダイアライザ120において、100ml/minの注水が行われる。
血液ポンプ111bは、例えば、40〜50ml/minの低流量でダイアライザ120側から患者側動脈接続部111a側に送液する。本実施形態においては50ml/minとする。
ダイアライザ120内に注入された逆ろ過透析液は、それぞれ100ml/minの流量で、血液導入口122a及び血液導出口122bから流出し、患者側動脈接続部111a及び患者側静脈接続部112aに向かって流れる。このようにして、ダイアライザ120内及び血液回路110内の血液が患者の体内に戻される。
次に超音波測定装置1Aについて、図1を参照して詳細に説明する。
超音波測定装置1Aは、一対の超音波送受波器10A及び10Bと、液体の流量及び気泡を測定する測定回路20Aと、を備え、血液浄化装置100Aが備える血液回路110に取り付けられる。
超音波送受波器10A及び10Bは、それぞれ圧電素子11と、圧電素子カバー12とを含んで構成される。超音波送受波器10A及び10Bは、血液回路110を流れる血液や逆ろ過透析液等の液体の流れ方向について所定の距離(例えば10mm)をおいて配置される。例えば、超音波送受波器10A及び10Bは、血液回路110(チューブ)の外側に接触するように、血液回路110を挟んで斜めに対向して取り付けられ、超音波信号を送受可能である。
圧電素子11の両面には、それぞれ不図示の電極が取り付けられており、圧電素子11は、入力された電気信号を機械的振動に変換し、また、伝達された機械的振動を電気信号に変換して出力することができる。圧電素子11は、硬質塩化ビニルやポリカーボネイトにより形成される圧電素子カバー12の内部に埋め込まれて配置される。圧電素子の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミックス、酸化亜鉛等の圧電薄膜、フッ化ビニリデン等の圧電高分子膜等が適用可能である。本実施形態では、圧電素子の材料としてチタン酸ジルコン酸鉛を用いた。
尚、超音波送受波器10A及び10Bを、血液回路110の同じ側に所定の距離を置いて取り付けて、血液回路110を構成するチューブの内面で反射した超音波信号を受信する構成としてもよい。
測定回路20Aは、送信部21と、受信部22と、送受信切替部23と、流量算出部24Aと、気泡検出部25と、を備え、超音波送受波器10A及び10Bで送受される超音波信号に基づいて液体の流量及び気泡を測定する。
超音波を用いた流量測定方法には、伝搬速度差法(伝搬時間差法、伝搬時間逆数差法)、ドップラー法等、様々な方法があるが、本実施形態においては、伝搬速度差法のうち伝搬時間逆数差法を用いた例について説明する。
送信部21は、送受信切替部23を介して超音波送受波器10A又は10Bの圧電素子11に接続され、超音波送受波器10A、10Bに電気信号を送信する。具体的には、送信部21は、セラミック振動子等を用いて数百kHz〜数MHzの電気信号を送信可能な発振回路で構成される。
受信部22は、送受信切替部23を介して超音波送受波器10A又は10Bの圧電素子11に接続され、超音波送受波器10A、10Bから電気信号を受信し、受信した電気信号を増幅する。具体的には、受信部22は、受信した微弱な超音波信号による電圧を増幅する増幅回路で構成されている。
送受信切替部23は、超音波送受波器10A及び10Bの一方を送信部21に、他方を受信部22に切り替える。これにより、送受信切替部23は、超音波送受波器10Aから超音波信号を送信して超音波送受波器10Bで受信する時の伝搬時間と、超音波送受波器10Bから超音波信号を送信して超音波送受波器10Aで受信する時の伝搬時間とを測定可能としている。
流量算出部24Aは、送信部21により送信された電気信号である送信信号及び受信部22により受信された電気信号である受信信号に基づいて流量を算出する。流量算出部24Aは、送信部21において送信信号を送信したタイミング及び受信部22において受信信号を受信したタイミングを測定することにより、超音波送受波器10A及び10B間を伝搬する超音波信号の伝搬時間を算出する。
伝搬時間逆数差法を用いた流量Qの算出方法について、以下に詳細に説明する。超音波送受波器10A及び10Bは、液体の流れ方向に対して斜めに超音波信号を送受する。具体的には、超音波信号を送受する方向と液体の流れ方向とがなす角が所定の角度φとなるように血液回路110(動脈側ライン)の外側に対向して配置され、交互に超音波信号を送受し、超音波信号の伝搬に要する時間を測定する。
超音波送受波器10Aから10Bへ超音波信号が伝搬する時間をTAB、超音波送受波器10Bから10Aへ超音波信号が伝搬する時間をTBA、超音波信号の伝搬する距離をL、音速をC、血液回路110内の液体の流速をVとする。
血液回路110内に液体が満たされた状態で、実流量がゼロ、即ち流速Vがゼロの場合、TABとTBAとは等しく、
AB=TBA=L/C ・・・(a)
となる。
図1に示すように液体が流速Vで超音波送受波器10A側から超音波送受波器10B側へ向かって流れる場合、
AB=L/(C+Vcosφ) ・・・(b)
となり、
BA=L/(C−Vcosφ) ・・・(c)
となる。これら(b)及び(c)式の関係からそれぞれの伝搬時間TAB、TBAの逆数の差を取ると、
1/TAB−1/TBA=(2Vcosφ)/L ・・・(d)
となる。(d)式から流速Vを求めると、
V=L/(2cosφ)×(1/TAB−1/TBA) ・・・(e)
となる。(e)式によれば、超音波信号の伝搬時間を測定することにより、流速Vが算出できる。
気泡検出部25は、受信部22により受信された受信信号の受信強度に基づいて気泡を検出する。
超音波信号は血液中を伝搬する際に、血液中に存在する気泡で散乱することにより減衰する。よって、血液中に気泡が存在すると受信信号の受信強度は低下する。
次に、気泡量による受信信号の受信強度の違いについて、図6A〜6Cを参照して具体的に説明する。
図6Aは、気泡が存在しない場合における受信信号の波形を示す模式図である。超音波信号は気泡による散乱や減衰が起こらないため、乱れのない波形を示す。
図6Bは、血液回路110の外部から空気が混入する等して多量の気泡がある場合における受信信号の波形を示す模式図である。例えば、1cc程度の空気が血液回路110に混入した場合、本実施形態の血液回路110を構成するチューブの内径が3.5mmであるので、混入した空気はチューブ内で約10cmの長さとなる。前述したように、超音波送受波器10A及び10Bは、10mmの距離をおいてチューブに取り付けられるが、超音波送受波器10A及び10B間のチューブの内側全体が伝搬抵抗の大きい空気で満たされるため、超音波信号が伝搬することができない。そのため、受信信号の波形は図6Bに示すような波形となり、受信強度が所定の閾値よりも低くなるため、受信信号はほぼ測定することができなくなる。よって、空気の混入等により多量の気泡がチューブ内を通過する場合は、流量算出部24Aによる流量測定も行うことができない。
このように受信信号が測定できなくなった場合、受信信号が測定できない時間を測定することにより、気泡量を算出することが可能である。また、算出された気泡量を積算して一定量に達した場合には、制御部140Aにより、血液ポンプ111bを停止、各クランプを閉状態とするように制御することができる。
図6Cは、プライミング工程時に残った少量の空気や、脱血不良による微小気泡の発生により、少量の気泡が通過した場合における受信信号の波形を示す模式図である。超音波信号は、少量の気泡により散乱及び減衰するが、超音波送受波器10A及び10B間のチューブの内側全体が気泡で満たされるわけではないので、伝搬することが可能である。図6Cに示すように、少量の気泡の通過により受信信号の波形は図6Aに示す波形と比べると乱れており、受信信号の受信強度は一時的に低下するが、受信強度は所定の閾値よりも高いため、受信信号を測定することが可能である。よって、少量の気泡が通過した場合は、流量算出部24Aによる流量測定を行うことができる。流量算出部24Aにより算出された算出流量が血液ポンプ111bの設定流量とほぼ同等である場合は、プライミング工程時に残った少量の空気が通過したと考えられ、算出流量が設定流量よりも小さい場合は、脱血不良による微小気泡の発生が考えられる。
以上、説明したように、流量算出部24Aで算出された算出流量の結果、及び、気泡検出部25で測定された気泡の検出結果に基づいて、血液浄化装置100Aにおいて治療中に発生した異常について、その内容を判断することができる。
例えば、算出流量が血液ポンプ111bの設定流量よりも小さい場合、血液回路110のいずれかの場所において閉塞や、脱血不良等が考えられる。
そこで、気泡検出部25により、気泡が検出されない場合には、超音波送受波器10A及び10Bが取り付けられた場所の下流側(本実施形態では、ダイアライザ120や静脈側ライン112)において、血栓やチューブの折れ曲がり等により血液回路110が閉塞している可能性が考えられる。また、超音波送受波器10A及び10Bが取り付けられた場所の上流側では、穿刺針先端の血管外への逸脱や、穿刺針又は血液回路における血液の凝固が生じている可能性が考えられる。また、前述したように気泡検出部25により、微小気泡が検出される場合には、脱血不良の可能性が考えられる。
血液浄化装置100Aは、各種工程中において、流量算出部24Aにより算出された算出流量の結果、及び、気泡検出部25により測定された気泡の測定結果に基づいて、生じた異常の内容を制御部140Aにより判断し、その内容に応じて、血液浄化装置100Aの各種ポンプや各種クランプを制御することにより、生じた異常に対して適切な処置を迅速に行うことができる。
以上説明した第1実施形態の超音波測定装置1A及びに血液浄化装置100Aよれば、以下のような効果を奏する。
(1)超音波測定装置1Aを、超音波送受波器10A、10Bと、測定回路20Aと、を備え、測定回路20Aが、超音波送受波器10A、10Bに電気信号を送信する送信部21と、超音波送受波器10A、10Bから電気信号を受信する受信部22と、送信部21により送信された送信信号及び受信部22により受信された受信信号に基づいて血液の流量を算出する流量算出部24Aと、受信信号の受信強度に基づいて気泡を測定する気泡検出部25と、を備えるものとした。これにより、流量計及び気泡検出器の2つの測定装置を用いなくとも1つの超音波測定装置1Aで、血液回路110を流れる液体の流量及び気泡を測定することができる。よって、簡易な構成により流量及び気泡を測定できる血液浄化装置100Aを実現できる。
(2)気泡検出部25を、受信強度が所定の閾値よりも低く受信信号が測定できない場合に、受信強度が所定の閾値以下となる時間に基づいて気泡量を算出するものとした。これにより、気泡を検出すると共に、その気泡量も算出することができる。
(3)気泡検出部25を、受信強度が所定の閾値以上に高く受信信号が測定できる場合に、流量算出部24Aにより算出された算出流量、血液ポンプ111bの所定の設定流量、及び、受信強度に基づいて、微小気泡の有無を検出するものとした。これにより、検出した気泡が微小気泡であるかプライミング工程時に残った少量の空気であるかを判断して検出することができる。
(4)血液回路110を、血液処理器(ダイアライザ)120に導入される血液を流すための動脈側ライン111と、血液処理器(ダイアライザ)120から導出される血液を流すための静脈側ライン112と、を含んで構成し、超音波送受波器10A、10Bは、動脈側ライン111に取り付けるものとした。これにより、測定部位における血液の流量は、血液処理器(ダイアライザ)120による除水や注水(補充液、補液)の影響を受けにくく、除水や注水を計算することが不要となり、流量の測定誤差を小さくできる。
(5)超音波測定装置1Aを、血液回路110を流れる液体の流れ方向に所定の距離をおいて配置される一対の超音波送受波器10A及び10Bを備えるものとし、超音波送受波器10A及び10Bは、液体の流れ方向に対して斜めに超音波信号を送受するものとした。これにより、測線が1本の簡易な構成で液体の流量を測定することができ、測線が複数本の構成に比べて製造コストを小さくすることができる。
(6)流量算出部24Aを、一対の超音波送受波器10A及び10B間でそれぞれ送受される超音波信号の血液中における伝搬時間をそれぞれ測定し、伝搬時間逆数差法により血液流量を算出するものとした。
(7)血液回路110(動脈側ライン111)が、超音波測定装置1Aが取り付けられる部位において、液体の流れ方向が略鉛直となるように保持されるものとした。これにより、血液回路110内の気泡が滞留しないようにできるため、気泡が液体の流量の測定に与える影響を小さくできる。
(8)血液回路110(動脈側ライン111)が、超音波測定装置1Aが取り付けられる部位において、液体の流れ方向における上流側を下部に、下流側を上部になるように配置するものとした。これにより、流量測定部位における血液回路110内の気泡が速やかに上昇できるため、気泡が液体の流量の測定に与える影響を小さくできる。
(9)血液浄化装置100Aを、流量算出部24Aにより算出された算出流量の結果及び気泡検出部25による気泡の検出結果に基づいて、血液ポンプ111bの設定流量を制御する制御部を更に備えるものとした。これにより、血液浄化装置100Aは、各種工程中において生じた異常の内容を制御部140Aにより判断し、その内容に応じて、血液浄化装置100Aの血液ポンプ111bを制御することにより、生じた異常に対して適切な処置を迅速に行いながら治療することが可能である。
<第2実施形態>
次に、図7を参照しながら第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る血液浄化装置100B及び該装置に用いられる超音波測定装置1Bの構成を示す説明図である。第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。第2実施形態においては、血液浄化装置が報知手段を備え、超音波測定装置の測定回路が血液浄化装置の制御基板に組み込まれている点で第1実施形態と異なる。
図7に示すように、血液浄化装置100Bは、血液回路110と、血液処理器としてのダイアライザ120と、透析液回路130と、制御部140Bと、報知手段150と、制御基板160と、超音波測定装置1Bと、を備える。
血液浄化装置100Bにおいて実施される各工程は、第1実施形態の場合と同様であるので、説明を省略する。
超音波測定装置1Bは、血液回路110に取り付けられる一対の超音波送受波器10A及び10Bと、液体の流量及び気泡を測定する測定回路20Bと、を備える。
超音波送受波器10A及び10Bは、それぞれ圧電素子11と、圧電素子カバー12とを含んで構成される。超音波送受波器10A及び10Bは、血液回路110を流れる液体の流れ方向について所定の距離をおいて配置される。
測定回路20Bは、送信部21と、受信部22と、送受信切替部23と、流量算出部24Bと、気泡検出部25と、を備え、超音波送受波器10A及び10Bで送受される超音波信号に基づいて液体の流量及び気泡を測定する。
流量算出部24Bは、送信部21により送信された電気信号である送信信号及び受信部22により受信された電気信号である受信信号に基づいて流量を算出する。流量算出部24Bは、送信部21において送信信号を送信したタイミング及び受信部22において受信信号を受信したタイミングを測定することにより、超音波送受波器10A及び10B間を伝搬する超音波信号の伝搬時間を算出する。
本実施形態においては、第1実施形態で用いた伝搬時間逆数差法とは異なる伝搬時間差法を用いて以下のように流量Qを算出する。超音波送受波器10A及び10Bは、液体の流れ方向に対して斜めに超音波信号を送受する。具体的には、超音波信号を送受する方向と液体の流れ方向とがなす角が所定の角度φとなるように血液回路110の外側に対向して配置され、交互に超音波信号を送受し、超音波信号の伝搬に要する時間を測定する。
超音波送受波器10Aから10Bへ超音波信号が伝搬する時間をTAB、超音波送受波器10Bから10Aへ超音波信号が伝搬する時間をTBA、超音波信号の伝搬する距離をL、音速をC、血液回路110内の液体の流速をVとする。
血液回路110内に液体が満たされた状態で、実流量がゼロ、即ち流速Vがゼロの場合、TABとTBAとは等しく、
AB=TBA=L/C ・・・(a)
となる。
図7に示すように液体が流速Vで超音波送受波器10A側から超音波送受波器10B側へ向かって流れる場合、
AB=L/(C+Vcosφ) ・・・(b)
となり、
BA=L/(C−Vcosφ) ・・・(c)
となる。これら(b)及び(c)式の関係からそれぞれの伝搬時間TAB、TBAの差を取ると、流速Vの2乗は音速Cの2乗に比べて十分小さいので近似して、
AB−TBA=(2LVcosφ)/(C−Vcosφ)
≒(2LVcosφ)/C ・・・(d)’
となる。(d)’式から流速Vを求めると、
V=C/(2Lcosφ)×(TBA−TAB) ・・・(e)’
となる。(e)’式によれば、超音波信号の伝搬時間を測定することにより、流速Vが算出できる。
(e)’式において、流速Vに血液回路110を構成するチューブの断面積Aを乗じて流量Qを算出することができる。
Q=V×A ・・・(f)
制御部140Bは、情報処理装置(コンピュータ)により構成され、制御プログラムを実行することにより、血液浄化装置100B及び超音波測定装置1Bの動作を制御する。
具体的には、制御部140Bは、血液回路110及び透析液回路130に配置された各種のポンプやクランプ等の動作を制御して、血液浄化装置100Bにより行われる各種工程、例えば、プライミング工程、脱血工程、透析工程、急速補液工程、返血工程等を実行する。
また、制御部140Bは、各種工程中において、流量算出部24Bにより算出された算出流量の結果、及び、気泡検出部25により測定された気泡の測定結果に基づいて、生じた異常の内容を判断し、その内容に応じて、血液浄化装置100Bの各種ポンプや各種クランプを制御するよう制御し、また、後述の報知手段150が作動するように制御する。
報知手段150は、制御部140Bにより流量算出部24Bによる算出流量の結果及び気泡検出部25による気泡の検出結果に基づいて異常があると判断された場合に作動して、医療従事者に異常を知らせる。
制御基板160は、血液浄化装置100Bの本体内部に組み込まれており、この制御基板160には、測定回路20B及び制御部140Bを構成する回路が実装される。従って、測定回路20Bが備える流量算出部24B及び気泡検出部25との信号の送受信を同一基板上で行うことができる。
以上説明した第2実施形態の超音波測定装置1B及び血液浄化装置100Bよれば、上述の効果(1)〜(5)及び(7)〜(9)に加えて、以下のような効果を奏する。
(10)体外循環装置100Bを、異常を報知する報知手段150を更に備えるものとし、制御部140Bは、流量算出部24Bによる算出流量の結果及び気泡検出部25による気泡の検出結果に基づいて異常があると判断した場合に、報知手段150が作動するように制御するものとした。これにより、脱血不良、空気混入等の異常が生じた場合に速やかに医療従事者に報知することができる。
(11)血液浄化装置100Bが備える制御基板160は、血液浄化装置100Bの本体内部に組み込まれており、測定回路20B及び制御部140Bを構成する回路が実装されるものとした。これにより、測定回路20Bが備える流量算出部24B及び気泡検出部25との信号の送受信を同一基板上で行うことができるので、測定回路20B及び制御部140B間における情報の伝達の遅延を減少させることができる。よって、制御部140Bが脱血不良や空気混入等の異常があると判断した場合に、血液ポンプ111bの設定流量を変更する制御、また、報知手段150を作動させる等の制御を速やかに行うことができる。また、同一基板上に回路をまとめて実装することで、製造コストを低減させることができる。
以上、本発明の超音波測定装置及び血液浄化装置の好ましい各実施形態及び各実施例について説明したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、体外循環装置の一例として血液透析(HD)を行う血液浄化装置を用いて説明したが、血液ろ過(HF)、血液ろ過透析(HDF)等の血液透析療法、血漿交換療法や血液吸着療法等を行う血液浄化装置にも適用可能である。また、人工心肺装置等の体外循環装置にも適用可能である。
また、超音波測定装置における流量の算出方法について、一例として第1実施形態では伝搬時間逆数差法を、第2実施形態では伝搬時間差法を示したが、シングアラウンド法、ドップラー法等の周知の算出方法を用いることができる。
また、超音波測定装置の血液回路への配置方法について、第1実施形態及び第2実施形態では一対の超音波送受波器を斜めに対向させて配置させて取り付ける例を示したがこれに限らない。例えば、一対の超音波送受波器を同じ側に配置させて取り付けてもよいし、2対の超音波送受波器をそれぞれ斜めに対向させて取り付けてもよいし、超音波信号の送受を1つの超音波送受波器を用いて行う構成でもよい。
また、上述した実施形態では、超音波送受波器10A及び10Bを、血液回路110(チューブ)の外側に接触するように、血液回路110を挟んで斜めに対向して取り付けたが、これに限らない。即ち、図8に示すように、コの字型形状に形成された樹脂製のパイプにより測定部位を構成し、超音波送受波器10A及び10Bを血液の流路線上に配置して、超音波を血液の流れ方向に対して上下流に送受信させてもよい。
1A、1B 超音波測定装置
10A、10B 超音波送受波器
20A、20B 測定回路
21 送信部
22 受信部
23 送受信切替部
24A、24B 流量算出部
25 濃度算出部
26 記憶部
100A、B 体外循環装置(血液浄化装置)
110 血液回路
111 動脈側ライン
111b 血液ポンプ
112 静脈側ライン
120 血液処理器(ダイアライザ)
130 透析液回路
140A、140B 制御部
150 報知手段
160 制御基板

Claims (8)

  1. 血液を循環させるための血液回路と、該血液回路に所定の設定流量で血液を流すための血液ポンプと、を備え、血液を体外循環させる体外循環装置に用いられる超音波測定装置であって、
    前記血液回路に取り付けられ、電気信号と超音波信号とを変換して超音波信号を送受する超音波送受波器と、
    前記超音波送受波器で送受される超音波信号に基づいて前記血液回路を流れる液体の流量及び気泡を測定可能な測定回路と、を備え、
    前記測定回路は、
    前記超音波送受波器に電気信号を送信する送信部と、
    前記超音波送受波器から電気信号を受信する受信部と、
    前記送信部で送信された送信信号及び前記受信部で受信された受信信号に基づいて流量を算出する流量算出部と、
    前記受信信号の受信強度に基づいて気泡を検出する気泡検出部と、
    を備え
    前記気泡検出部は、前記受信強度が所定の閾値以上に高く前記受信信号が測定できる場合に、前記流量算出部により算出された算出流量と前記血液ポンプの前記所定の設定流量との差に基づいて、微小気泡の有無を検出する超音波測定装置。
  2. 前記気泡検出部は、前記受信強度が所定の閾値よりも低く前記受信信号が測定できない場合に、前記受信強度が所定の閾値以下となる時間に基づいて気泡量を算出する請求項1に記載の超音波測定装置。
  3. 前記血液回路は、血液処理器に導入される血液を流すための動脈側ラインと、前記血液処理器から導出される血液を流すための静脈側ラインと、を含んで構成され、
    前記超音波送受波器は、前記動脈側ラインに取り付けられる請求項1又は2に記載の超音波測定装置。
  4. 前記超音波測定装置は、前記血液回路を流れる液体の流れ方向に所定の距離をおいて配置される少なくとも一対の前記超音波送受波器を備え、
    前記超音波送受波器は、液体の流れ方向に対して斜めに超音波信号を送受する請求項1〜のいずれかに記載の超音波測定装置。
  5. 前記流量算出部は、前記一対の超音波送受波器の間でそれぞれ送受される超音波信号の血液中における伝搬時間をそれぞれ測定し、伝搬時間逆数差法により血液流量を算出する請求項に記載の超音波測定装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の超音波測定装置と、
    血液を循環させるための血液回路と、
    前記血液回路に血液を流すための血液ポンプと、
    を備え、血液を体外循環させる体外循環装置。
  7. 前記流量算出部による算出流量の結果及び前記気泡検出部による気泡の検出結果に基づいて、前記血液ポンプの設定流量を制御する制御部を更に備える請求項に記載の体外循環装置。
  8. 異常を報知する報知手段を更に備え、
    前記制御部は、前記流量算出部による算出流量の結果及び前記気泡検出部による気泡の検出結果に基づいて異常があると判断した場合に、前記報知手段が作動するように制御する請求項に記載の体外循環装置。
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