JP2016058960A - 弾性表面波素子 - Google Patents

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Yasuo Yamamoto
康雄 山本
明彦 勅使河原
Akihiko Teshigawara
明彦 勅使河原
一彦 加納
Kazuhiko Kano
加納  一彦
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Abstract

【課題】圧電材料が高温となった場合でも特性が劣化し難い弾性表面波素子を提供する。
【解決手段】弾性表面波素子1において、基材2の一面21aに、窒化シリコンを主成分とする保護膜3が備えられている。この弾性表面波素子1では、圧電材料21が窒化シリコンを主成分とする保護膜3によって覆われることで、圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)が高温となることで変質してしまうということが抑制される。これにより、圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)が変質することによる弾性表面波素子1の特性の劣化が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、スカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料を有する弾性表面波素子に関する。
従来、圧電材料(圧電効果を発揮する材料)で構成された弾性体、および、IDT(Inter digital Transducer)電極(以下、櫛歯電極という)を備える弾性表面波素子が知られている。このような弾性表面波素子では、弾性体の圧電効果によって、弾性体の表面付近に沿って伝わる波を発生させると共に、櫛歯電極に電圧を発生させる。このような弾性表面波素子は、発生させる波の変化や電圧の変化などが利用され、周波数フィルタ、発振器、物理量等を検出するセンサなどに用いられている。
この種の弾性表面波素子としては、特許文献1に記載の弾性表面波素子が提案されている。この弾性表面波素子は、圧電材料(KNbO:ニオブ酸カリウム)で構成された圧電膜を備えた基板と、基板のうち圧電膜とは反対側の面に備えられた櫛歯電極とを有する構成とされている。
特許4058970号公報
一般に、圧電材料は、強誘電体であることで圧電効果を発揮するが、キュリー点を越える高温となった場合、強誘電体から常誘電体に変化してしまって圧電効果が劣化していく。そして、圧電材料の圧電効果が劣化すると、同じ条件で弾性表面波素子を使用したにも関わらず、圧電効果によって発生させられる波や電圧の大きさが変化してしまい、弾性表面波素子の性能(信頼性)が損なわれることとなる。特に、特許文献1に記載の弾性表面波素子のように、圧電材料としてKNbOが用いられる場合には、圧電材料の圧電効果が劣化し易い。
ここで、高温となってもKNbOに比べて圧電効果が劣化し難い圧電材料として、ScAlN(スカンジウム含有窒化アルミニウム)がある。弾性表面波素子に備えられる圧電材料としてScAlNを用いた場合には、KNbO等を用いる場合に比べて、圧電材料が高温(例えば、100〜400℃)となった場合でも圧電効果が劣化し難くなる。しかしながら、弾性表面波素子を構成する材料が高温となっている時間が長くなればなるほど、材料特性が変化したり構成する材料間で相互拡散することにより素子特性は劣化していく。このため、弾性表面波素子が高温(例えば、400℃)となって所定時間内(例えば、10時間内)はある一定レベルの劣化で済むものの、より長時間高温となった場合には、素子特性がさらに大きく劣化していまい、弾性表面波素子の性能(信頼性)を確保できなくなる。
本発明は上記点に鑑みて、ScAlNを主成分とする圧電材料を有する弾性表面波素子において、圧電材料が高温となった場合でも圧電材料の圧電効果が劣化し難い構成を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、弾性表面波素子において、一面(21a)を有し、少なくとも一面がスカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料(21)によって構成された基材(2)と、窒化シリコンを主成分とし、一面を覆って形成された、圧電材料を保護する保護膜(3)と、基材の一面上に備えられた櫛歯電極(4)とを有することを特徴とする。
このため、圧電材料が窒化シリコンを主成分とする保護膜によって覆われることで、圧電材料(スカンジウム含有窒化アルミニウム)が高温の雰囲気にさらされることで表面が変質してしまうということが抑制される。これにより、圧電材料(スカンジウム含有窒化アルミニウム)が変質することによる圧電材料の圧電効果の劣化が抑制される。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る弾性表面波素子1の断面構成を示す図である。 弾性表面波素子1が常温の雰囲気に置かれた場合における利得[dB]の弾性波の波長に対する保護膜3の膜厚による変化量を示す図である。 弾性表面波素子1が400℃の雰囲気に置かれた場合の弾性波の利得の変化[dB]の経時変化を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る弾性表面波素子1の断面構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る弾性表面波素子1の断面構成を示す図である。 本発明の別の他の実施形態に係る弾性表面波素子1の断面構成を示す図である。 第1実施形態に係る弾性表面波素子1を周波数フィルタF1に用いた例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る弾性表面波素子1について図1〜図3を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る弾性表面波素子1は、スカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料21を含む構成された基材2と、窒化シリコンを主成分とする保護膜3と、櫛歯電極4とを有する構成とされている。弾性表面波素子1は、櫛歯電極4に電圧を印加すると、圧電材料21の圧電効果によって、圧電材料21の表面(後述する一面21a。図1の符号21aを参照)付近に沿って伝わる波を発生させる。この弾性表面波素子1は、例えば、周波数フィルタ、発振器、物理量等を検出するセンサ等に用いられる。
図1に示すように、基材2は、Si(シリコン)などで構成された基板22と、基板22の表面22aに備えられた圧電材料21で構成された層(以下、単に圧電材料21という)とを有する構成とされている。
圧電材料21は、上記したように、スカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする構成とされている。ここでいう「主成分」とは、圧電材料21を構成する成分のうち最も量(重量%)が多い成分の意である。よって、圧電材料21を構成する成分が複数ある場合においても、これら複数の成分のうちでスカンジウム含有窒化アルミニウムの量が最も多ければ、ここでいう「スカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする構成」に該当する。なお、ここでは、圧電材料21は、基本的に、スカンジウム含有窒化アルミニウムのみによって構成されている。
図1に示すように、圧電材料21は、厚さ方向(図1中の矢印TDを参照)の一端に位置する一面21aを有する。このように、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、少なくとも一面21aがスカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料21によって、基材2が構成されている。そして、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、圧電材料21としてScAlNを用いるため、KNbO等を用いる場合に比べて、圧電材料21が高温(例えば、100〜400℃)となった場合でも圧電効果が劣化し難くなる。
図1に示すように、保護膜3は、圧電材料21を保護する膜であり、基材2(圧電材料21)の一面21aを覆って形成されている。保護膜3は、上記したように、窒化シリコンを主成分とする構成とされている。ここでいう「主成分」についても、圧電材料21の場合と同様、保護膜3を構成する成分のうち最も量(重量%)が多い成分の意である。よって、保護膜3を構成する成分が複数ある場合においても、これら複数の成分のうちで窒化シリコンの量が最も多ければ、ここでいう「窒化シリコンを主成分とする構成」に該当する。ここでは、保護膜3は、基本的に、窒化シリコンのみによって構成されている。
図1に示すように、櫛歯電極4は、基材2の一面21a上に備えられ、基材2(圧電材料21)に弾性表面波を励振させる電極であり、例えば、Au(金)やAl(アルミニウム)などによって構成される。ここでは、櫛歯電極4は、Auで構成されている。
図1に示すように、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、櫛歯電極4が、保護膜3のうち基材2とは反対側の面3aに備えられている。すなわち、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、窒化シリコンを主成分とする保護膜3が、基材2(圧電材料21)と櫛歯電極4の間に配置されている。なお、具体的には、Auで構成された櫛歯電極4は、Cr(クロム)を介して保護膜3の面3a上に備えられている。これは、Auと圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)との接着性が悪いため、両者の接着性を考慮して、Auや圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)との接着性に優れるCrをAuと圧電材料の間に介在させたものである。
上記したように、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、圧電材料21の一面21aに、窒化シリコンを主成分とする保護膜3が備えられている。
このため、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、圧電材料21が窒化シリコンを主成分とする保護膜3によって覆われることで、高温の雰囲気にさらされたときの圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)の表面の変質が抑制される。これにより、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)が変質することによる弾性表面波素子1の特性の劣化が抑制される。これに対して、弾性表面波素子1において、保護膜3が備えられない場合には、例えば圧電材料21の一面21aに水分や酸素などが付着して一面21aが酸化等してしまうことにより、圧電材料21の一面21aが変質し易く、弾性表面波素子1の特性が劣化し易い。
また、上記したように、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、櫛歯電極4が、保護膜3のうち基材2とは反対側の面3aに備えられている。すなわち、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、窒化シリコンを主成分とする保護膜3が、基材2(圧電材料21)と櫛歯電極4の間に配置されている。
このため、本実施形態では、基材2(圧電材料21)と櫛歯電極4の間において、窒化シリコンを主成分とする緻密性の高い保護膜3が配置されている。これにより、高温時に圧電材料21中の物質(原子など)と櫛歯電極4中の物質(原子など)が相互に拡散しようとした場合、その拡散する物質は、この保護膜3によって拡散を妨げられる。こうして、本実施形態では、上記のように保護膜3が配置されていることで、高温時に圧電材料21中の物質(原子など)と櫛歯電極4中の物質(原子など)が相互に拡散することが抑制される。
ここで、本発明者が行った実験によると、保護膜3の挿入による利得の低下を抑制するためには、保護膜3の膜厚(図1中の厚さ方向DTにおける長さ)を、弾性表面波素子1にて発生させる弾性波の波長に対応して十分に薄くする必要がある。
具体的には、保護膜3の膜厚と弾性波の波長が、以下の数式に示す条件を満たす必要がある。この条件の根拠となる実験結果を図2に示してある。図2は、弾性表面波素子1(圧電材料21)が常温(例えば、40℃)の雰囲気に置かれた場合における利得[dB]の弾性波の波長に対する保護膜3の膜厚による変化量を示すものである。すなわち、図2の横軸は、保護膜3の「膜厚/弾性波の波長」の値を示し、縦軸は、弾性表面波素子1の保護膜3がない場合の利得[dB]と保護膜3がある場合の利得[dB]との差を示している。図2に示すように、「保護膜3の膜厚/弾性波の波長」の値が0.1以下の場合には、利得[dB]に大きな差は生じなかった。すなわち、「保護膜3の膜厚/弾性波の波長」の値が0.1以下の場合には、利得が大きく低下することはなかった。しかしながら、「保護膜3の膜厚/弾性波の波長」の値が0.1より大きい0.15の場合には、利得[dB]が大きく低下した。このような結果から、保護膜3の挿入による利得の低下を抑制するためには、保護膜3の膜厚と弾性波の波長が、以下の「数」における数式に示す条件を満たす必要があることが確認された。
Figure 2016058960
図3は、本実施形態に係る弾性表面波素子1において、保護膜3を備える場合と備えない場合のそれぞれについて、弾性表面波素子1(圧電材料21)が400℃の雰囲気に置かれた場合の室温における利得[dB]の経時変化を示すものである。すなわち、図3の横軸は、時間[h]を示し、縦軸は、弾性表面波素子1の400℃の雰囲気に置かれる前の室温における利得[dB]と400℃の雰囲気に置かれた後の室温における利得[dB]との差を示している。なお、ここでは、「保護膜3の膜厚/弾性波の波長」の値が0.1以下となるように保護膜3の膜厚が設定されている。
図3に示すように、保護膜3を備えない場合には、時間の経過によって利得[dB]の低下が大きく生じたのに対し、保護膜3を備える場合には、時間の経過によっても利得[dB]の低下が大きくは生じなかった。この結果から明らかなように、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、保護膜3を備えることにより、利得の低下を抑制することできる。
以上で説明したように、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、窒化シリコンを主成分とする保護膜3を備えることで、高温時において、表面弾性波素子1の利得低下を抑制することができる。
以上、本実施形態に係る弾性表面波素子1の構成および作用効果について説明した。なお、この弾性表面波素子1は、以下のように製造される。すなわち、まず、Siなどで構成された基板22の表面22aに、スパッタリング法などによって、スカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料21の層を形成する。次に、圧電材料21の層の一面21aに、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法やスパッタリング法などによって、窒化シリコンを主成分とする保護膜3を形成する。次に、保護膜3のうち基材2とは反対側の面3aに、蒸着などによってAuおよびCrの膜を成膜してパターニングすることによって、Crを介してAuで構成された櫛歯電極4を形成する。以上のようにして、本実施形態に係る弾性表面波素子1は完成する。
上記で説明したように、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、基材2の一面21aに、窒化シリコンを主成分とする保護膜3が備えられている。
このため、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、圧電材料21が窒化シリコンを主成分とする保護膜3によって覆われることで、高温の雰囲気にさらされたときの圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)の表面の変質が抑制される。これにより、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)が変質することによる弾性表面波素子1の特性の劣化が抑制される。
また、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、櫛歯電極4が、保護膜3のうち基材2とは反対側の面3aに備えられている。すなわち、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、窒化シリコンを主成分とする保護膜3が、基材2(圧電材料21)と櫛歯電極4の間に配置されている。
このため、本実施形態では、基材2(圧電材料21)と櫛歯電極4の間において、窒化シリコンを主成分とする緻密性の高い保護膜3が配置されている。これにより、高温時に圧電材料21中の物質(原子など)と櫛歯電極4中の物質(原子など)が相互に拡散しようとした場合、これらの物質は、この保護膜3によって拡散を妨げられる。こうして、本実施形態では、上記のように保護膜3が配置されていることで、高温時に圧電材料21中の物質(原子など)と櫛歯電極4中の物質(原子など)が相互に拡散することが抑制される。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、保護膜3の配置を変更したものであり、その他に関しては基本的には第1実施形態と同様であるため、ここでは異なる箇所のみを説明する。
第1実施形態に係る弾性表面波素子1は、基材2と、圧電材料21の一面21a上に備えられた保護膜3と、保護膜3のうち基材2とは反対側の面3aに備えられた櫛歯電極4とを有する構成とされていた。すなわち、第1実施形態では、圧電材料21の一面21aに保護膜3が備えられ、保護膜3のうち基材2とは反対側の面3aに櫛歯電極4が備えられていた。
これに対し、図4に示すように、本実施形態に係る弾性表面波素子1では、櫛歯電極4が、保護膜3によって覆われつつ、圧電材料21の一面21a上に備えられている。すなわち、本実施形態では、櫛歯電極4が、圧電材料21の一面21aに備えられると共に、櫛歯電極4を覆う保護膜3が、圧電材料21の一面21aに備えられている。よって、本実施形態では、第1実施形態のように基材2と櫛歯電極4の間に保護膜3が配置されているわけではないものの、本実施形態においても第1実施形態と同様、圧電材料21の一面21aに保護膜3が備えられている。
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様、圧電材料21が窒化シリコンを主成分とする保護膜3によって覆われることで、高温の雰囲気にさらされたときの圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)の表面の変質が抑制される。これにより、本実施形態に係る弾性表面波素子1においても、圧電材料21(スカンジウム含有窒化アルミニウム)が変質することによる弾性表面波素子1の特性の劣化が抑制される。
なお、本実施形態に係る弾性表面波素子1は、以下のように製造される。すなわち、まず、Siなどで構成された基板22の表面22aに、スパッタリング法などによって、スカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料21の層を形成する。次に、圧電材料21の層の一面21aに、蒸着などによってAuおよびCrの膜を成膜してパターニングすることによって、Crを介してAuで構成された櫛歯電極4を形成する。次に、圧電材料21の層の一面21aに、プラズマCVD法やスパッタリング法などによって、櫛歯電極4を覆うように、窒化シリコンを主成分とする保護膜3を形成する。以上のようにして、本実施形態に係る弾性表面波素子1は完成する。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、第1、第2実施形態では、基材2を、Siなどで構成された基板22と、基板22の表面22aに備えられた圧電材料21とを有する構成としていた。すなわち、第1、第2実施形態では、基材2の一部を、スカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料21によって構成していた。しかしながら、基材2の全部を、スカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料21によって構成しても良い。
また、図5、図6に示すように、第1、第2実施形態に係る弾性表面波素子1において、保護膜3のうち基材2とは反対側の面3aに、SiOで構成された膜(以下、SiO膜という)5、6を設けても良い。すなわち、図5に示すように、第1実施形態に係る弾性表面波素子1において、櫛歯電極4を覆うように、保護膜3のうち基材2とは反対側の面(保護膜3のうち櫛歯電極4が備えられた側の面)3aに、温度特性の補償膜として、SiO膜5を設けても良い。また、図6に示すように、第2実施形態に係る弾性表面波素子1において、保護膜3のうち基材2とは反対側の面3aに、温度特性の補償膜として、弾性率の温度係数が負であるSiO膜6を設けても良い。
なお、図7において、第1、第2実施形態に係る弾性表面波素子1の適用例として、第1実施形態に係る弾性表面波素子1を周波数フィルタF1に用いた例を示しておく。図7に示すように、周波数フィルタF1は、第1実施形態に係る弾性表面波素子1をベースとして、さらに、高周波信号源8と、端子9a、9bを有する信号線とを備えている構成とされている。具体的には、この周波数フィルタF1では、一対の櫛歯電極4が保護膜3の面3aに備えられ(以下において、一対のそれぞれの櫛歯電極4を、第1櫛歯電極4a、第2櫛歯電極4bという)備えられた構成とされている。そして、保護膜3の面3aに備えられた第1櫛歯電極4aには高周波信号源8が接続されており、第2櫛歯電極4bには端子9a、9bを有する信号線が接続されている。
そして、この周波数フィルタF1では、高周波信号源8から高周波信号が出力されると、この高周波信号が第1櫛歯電極4aに印加され、これによって、基材2の一面21a付近に表面弾性波を発生させ、基材2の一面21a上を伝播させる。そして、第2櫛歯電極4b側へ伝播した表面弾性波のうち、第2櫛歯電極4bのピッチ等に応じて定まる特定の周波数又は特定の帯域の周波数の表面弾性波が電気信号に変換されて、信号線を介して端子9a、9bに取り出される。このように、この周波数フィルタF1では、第1櫛歯電極4aに供給した電気信号のうち、特定の周波数又は特定の帯域の周波数の表面弾性波のみを得る(フィルタリングする)ことができる。
このとき、この周波数フィルタF1では、弾性表面波素子として、第1実施形態に係る弾性表面波素子1が用いられているため、第1実施形態の説明にて述べたように、高温時において、弾性表面波素子1の特性の劣化を抑制することができる。このため、この周波数フィルタF1では、例えば、電気信号として取り出されるべき特定の周波数の信号が第1櫛歯電極4aに印加されたにも関わらず電気信号として取れ出されない、といった不具合が生じ難くなる。
2 基材
21 圧電材料
22 基板
3 保護膜
4 櫛歯電極

Claims (3)

  1. 一面(21a)を有し、少なくとも前記一面がスカンジウム含有窒化アルミニウムを主成分とする圧電材料(21)によって構成された基材(2)と、
    窒化シリコンを主成分とし、前記一面を覆って形成された、前記圧電材料を保護する保護膜(3)と、
    前記基材の一面上に備えられた櫛歯電極(4)と、を有することを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 前記櫛歯電極が、前記保護膜によって覆われつつ前記基材の一面上に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波素子。
  3. 前記櫛歯電極が、前記保護膜のうち前記基材とは反対側の面(3a)に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波素子。
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