JP2016057397A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステル樹脂、及びスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂を含む結着樹脂と、炭化水素系ワックスと、スチレン骨格を有する単量体のオリゴマーであって、トナー粒子に対する含有量が1質量%以上6質量%以下であるオリゴマーと、を含むトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし
Description
また、特許文献2には、「結着樹脂および離型剤を含有するトナーであって、前記結着樹脂が、第一の樹脂として芳香環を含有するジオールとヒドロキシカルボン酸とから得られるポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するオリゴマーを伸張させた直鎖状ポリエステル樹脂を含有する電子写真用トナー」が開示されている。
また、特許文献4には、「実質的に末端基を有しない環状オリゴマー及び環状ポリマーから選択される少なくとも1種の環状化合物を含有することを特徴とする電子写真用トナー」が開示されている。
また、特許文献5には、「ポリエステル樹脂が50〜80%、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂が20〜50重量%からなり、ビスフェノールA−PO付加体とビスフェノールA−EO付加体の合計の含有量が2.0重量%以下であり、かつ、スチレンオリゴマーを100ppm以下含有する結着樹脂と、着色剤とを含むトナー」が開示されている。
ポリエステル樹脂、及びスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂を含む結着樹脂と、
炭化水素系離型剤を含む離型剤と、
スチレン骨格を有し、トナー粒子に対する含有量が1質量%以上6質量%以下であるオリゴマーと、
を含むトナー粒子を有する静電荷像現像用トナー。
前記スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の含有量が、全結着樹脂に対して5質量%以上30質量%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
前記オリゴマーが、ゲル濾過クロマトグラムによる分子量分布の最大ピークを分子量200以上8000以下の範囲内に有する請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
前記炭化水素系離型剤が、1回目の昇温および降温と2回目の昇温とを経る示差走査熱量測定による吸熱ピークを有し、2回目の昇温で測定される最大吸熱ピークを80℃以上120℃以下の範囲内に有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
前記オリゴマーが、炭素及び水素を全構成元素に対して95原子%以上含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着部材、及び、前記トナー画像が定着された記録媒体を定着後のトナー画像の一部と接触して案内する案内部材を有する定着手段と、
を備える画像形成装置。
前記記録媒体が前記定着部材から前記案内部材に至るまでの距離が、1m以内である請求項9に記載の画像形成装置。
前記案内部材が、ロール部材である請求項9又は請求項10に記載の画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着部材により定着する定着工程であって、前記トナー画像が定着された記録媒体を、定着後のトナー画像の一部と接触して案内する案内部材により案内する定着工程と、
を有する画像形成方法。
前記記録媒体が前記定着部材から前記案内部材に至るまでの距離が、1m以内である請求項12に記載の画像形成方法。
前記案内部材が、ロール部材である請求項12又は請求項13に記載の画像形成方法。
請求項2に係る発明によれば、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の含有量が5質量%未満の場合に比べ、定着後の案内部材との接触による画像の光沢ムラの発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3に係る発明によれば、オリゴマーの分子量分布の最大ピークを分子量200以上8000以下の範囲内に有さない場合に比べ、定着後の案内部材との接触による画像の光沢ムラの発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項4に係る発明によれば、炭化水素系離型剤における2回目に昇温したときの最大吸熱ピークを80℃以上120℃以下の範囲内に有さない場合に比べ、定着後の案内部材との接触による画像の光沢ムラの発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項5に係る発明によれば、オリゴマーが炭素及び水素を全構成元素に対して95原子%未満で含む場合に比べ、定着後の案内部材との接触による画像の光沢ムラの発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項10に係る発明によれば、ポリエステル樹脂、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂、および炭化水素系離型剤を含むトナー粒子に、更に、スチレン骨格を有するオリゴマーを1質量%未満又は6質量%を超えて含む静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、記録媒体が定着部材から案内部材に至るまでの距離が1m以内と短いときでも、定着後の案内部材との接触による画像の光沢ムラの発生を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項11に係る発明によれば、ポリエステル樹脂、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂、および炭化水素系離型剤を含むトナー粒子に、更に、スチレン骨格を有するオリゴマーを1質量%未満又は6質量%を超えて含む静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、案内部材としてロール部材を備えるときでも、定着後の案内部材との接触による画像の光沢ムラの発生を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項13に係る発明によれば、ポリエステル樹脂、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂、および炭化水素系離型剤を含むトナー粒子に、更に、スチレン骨格を有するオリゴマーを1質量%未満又は6質量%を超えて含む静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、記録媒体が定着部材から案内部材に至るまでの距離が1m以内と短いときでも、定着後の案内部材との接触による画像の光沢ムラの発生を抑制する画像形成方法が提供される。
請求項14に係る発明によれば、ポリエステル樹脂、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂、および炭化水素系離型剤を含むトナー粒子に、更に、スチレン骨格を有するオリゴマーを1質量%未満又は6質量%を超えて含む静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、案内部材としてロール部材に使用したときでも、定着後の案内部材との接触による画像の光沢ムラの発生を抑制する画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、トナー粒子を有している。
そして、トナー粒子は、ポリエステル樹脂、及びスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂を含む結着樹脂と、炭化水素系離型剤と、スチレン骨格を有するオリゴマー(以下「スチレン系オリゴマー」と称する)と、を含有する。スチレン系オリゴマーの含有量は、トナー粒子に対して1質量%以上6質量%以下である。
更に、ポリエステル樹脂とスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂とは相溶性が低く、かつ離型剤はこれらの樹脂のいずれとも相溶性が低い。このため、結着樹脂としてポリエステル樹脂とスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂を用いた場合、定着時に染み出した離型剤は、ポリエステル樹脂に比べ疎水性の低いスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂に近いところに偏在し易くなる。
そして、離型剤が偏在化した上で、部分的な離型剤の再結晶化速度の差が生じると、画像の光沢ムラはより生じやすくなる。
そして、炭化水素系離型剤の再結晶化が阻害され易くなると、部分的な離型剤の再結晶化速度の差自体が抑えられる。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂、離型剤、およびスチレン系オリゴマーを含む。トナー粒子には、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んでもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、及びスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂とが適用される。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂は、スチレン系単量体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、を少なくとも共重合した共重合体が挙げられる。なお、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂は、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外に、その他のモノマーを共重合した共重合体であってもよい。
ここで、「(メタ)アクリル」等の記述は、「アクリル」及び「メタクリル」等のいずれをも含む表現である。
エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ブタンジオールジ(メタ)アクリラート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリラート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリラート、ノナンジオールジ(メタ)アクリラート、デカンジオールジ(メタ)アクリラート等のジ(メタ)アクリル酸エステル
(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル等の(メタ)アクリル酸カルボキシ置換アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル;
等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、定着性の点から、炭素数2以上14以下(好ましくは炭素数2以上10以下、より好ましくは3以上8以下)のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルがよい。
一方、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの全重合成分に対する割合(即ち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位の樹脂全体の質量に対する割合)は、定着性の点から、10質量%以上40質量%以下がよく、より好ましくは10質量%以上35質量%以下である。
なお、ガラス転移温度は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度と同様に測定される。
スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の数平均分子量(Mn)は、5,000以上30,000以下が好ましい。
スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1以上10以下が好ましく、2以上6以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ポリエステル樹脂の分子量と同様にして測定される。
なお、重合の際、架橋剤(例えば、デカンジオールジアクリラート)の量を調整することで、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の架橋密度を制御してもよい。
結着樹脂は、ポリエステル樹脂およびスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂以外の他の樹脂も含んでもよい。但し、全結着樹脂に占めるポリエステル樹脂およびスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の割合は、55質量%以上(好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とすることがよい。
他の結着樹脂としては、例えば、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂以外のビニル樹脂(例えばスチレン樹脂、アクリル酸アルキル樹脂等)、非ビニル樹脂(例えばエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等)等等が挙げられる。
結着樹脂の含有量は、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上90質量%以下がさらに好ましい。
スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の含有量は、定着性と帯電性との両立の点から、結着樹脂全体に対し5質量%以上50質量%以下(好ましくは5質量%以上30質量%以下)がよい。特に、スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の含有量を5質量%以上30質量%以下(好ましくは10質量%以上30質量%以下)とすると、スチレン系オリゴマーの分散性が高まり、画像の光沢ムラの発生が抑制され易くなる。また、トナーの帯電性も高まる。
離型剤としては、炭化水素系離型剤が適用される。
炭化水素系離型剤の最大第2ピークが上記範囲内に有すると、スチレン系オリゴマーとの相溶性がより高まり、画像の光沢ムラが抑制され易くなる。
他の離型剤としては、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;等が挙げられる。
スチレン系オリゴマーは、スチレン骨格を有するオリゴマーである。スチレン系オリゴマーは、例えば、単量体を重合度2以上100以下で重合したオリゴマーである。スチレン系オリゴマーとして、スチレン骨格を有する単量体が単独で重合したオリゴマー、スチレン骨格を有する単量体と他の単量体とが共重合したオリゴマーが挙げられる。
なお、スチレン骨格を有する単量体と他の単量体とが共重合したオリゴマーの場合、このオリゴマーは、スチレン骨格を有する単量体に由来する成分を全成分に対して50質量%以上(好ましくは70質量%、より好ましくは90質量%以上)で含むことがよい。
Rst2は、水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基を表す。
Rst3は、水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基を表す。
Rst1、Rst2、およびRst3が表すアリール基は、フェニル基、ベンジル基、トリル基が挙げられる。アリール基は、アルキル基等で置換された置換アリール基も含む。
スチレン系オリゴマーの分子量分布のピークが、上記範囲内に有すると、炭化水素系離型剤との相溶性がより高まり、画像の光沢ムラが抑制され易くなる。
スチレン系オリゴマーの重量平均分子量Mwが上記範囲内であると、炭化水素系離型剤との相溶性がより高まり、画像の光沢ムラが抑制され易くなる。
ゲル濾過クロマトグラム装置:東ソー(株)製;HLC−8220GPC、カラム:東ソー(株)製;TSK gel Super HZM−H (6.0mm x 150mm) 2連、測定温度:40℃(カラム、検出器)、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、流速:0.6ml/min、検出器:RI(示差屈折計)、試料濃度:0.2%(可溶分としての濃度)、試料注入量:10μl、試料前処理:試料をTHFに溶解し、0.45μmの耐溶剤性シリンジフィルタでろ過して測定試料とした。検量線:標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した。
スチレン系オリゴマーにおける炭素及び水素の含有率(C及びHの含有率)が、上記範囲であると、炭化水素系離型剤との相溶性がより高まり、画像の光沢ムラが抑制され易くなる。
トナー粒子をメタノール等の溶剤に溶かし、その溶液に超音波を付与して、スチレン系オリゴマー含有液を抽出する。抽出したスチレン系オリゴマー含有液を液体クロマトグラフにかけ、スチレン系オリゴマーを分離及び分取する。そして、分取したスチレン系オリゴマーのサンプルから、TCD検出器を用いたクロマト分析にて特定する。反応炉で焼かれた試料から発生する水素、炭素、窒素ガスをカラムで分離し、そのピーク面積から定量を行う。標準物質はアセトアニリドを用いる。このようにして、炭素及び水素の含有率を求める。
トナー粒子をメタノール等の溶剤に溶かし、その溶液に超音波を付与して、スチレン系オリゴマー含有液を抽出する。抽出したスチレン系オリゴマー含有液を液体クロマトグラフにかけ、スチレン系オリゴマーを分離及び分取する。そして、スチレン系オリゴマーの含有量が既知のトナー粒子を用い、この操作を行って検量線を作成する。この検量線を元に、同操作を行い、トナー粒子中のスチレン系オリゴマーの含有量を求める。
分析装置はHPLC ELITE LaChrom L−2000シリーズ(日立ハイテクノロジーズ)である。カラムはInertsil ODS3(5μm)φ4.6×250mm(ジーエルサイエンス)、溶離液は0.1vol%リン酸/アセトニトリル=20/80を用いた。分析時間は90min(主なピークが検出される0min以上35min以下の領域を解析し、高分子成分を完全に追い出すため、35−90minカラムを洗浄した)、サンプル注入量は10μl、測定波長は210nmとした。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂、及び離型剤と必要に応じて着色剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
その他、結着樹脂としてのスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の合成条件を変更し、スチレン系オリゴマーを生成し、スチレン系オリゴマーを含むスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂を使用してもよい。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着部材、及びトナー画像が定着された記録媒体を定着後のトナー画像の一部と接触して案内する案内部材を有する案内手段を有する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
(ポリエステル樹脂分散液(PE1))
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕: 37質量部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕: 65質量部
・1,9 ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕: 32質量部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕: 96質量部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂(PE1)を得た。
体積平均粒径D50v=160nm、固形分30%のポリエステル樹脂分散液(PE1)を得た。
(スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1))
・スチレン :320質量部
・n−ブチルアクリレート :80質量部
・アクリル酸 :12質量部
・10−ドデカンチオール :2質量部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製)6質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製)10質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、4時間乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒径D50v=150nm、ガラス転移温度Tg=50℃、重量平均分子量Mw=38000、固形分30%のスチレンアクリル樹脂酸アルキル共重合体粒子分散液(SA1)を得た。また、分散液中には、樹脂に対して15%のスチレンのオリゴマーが生成されていた。
内容物が60℃になるまでオイルバスで加熱し、乳化重合時間を1時間30分とした以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA2)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=160nm、ガラス転移温度Tg=55℃であった。また、分散液中には、樹脂に対して30%のスチレンのオリゴマーが生成されていた。
内容物が80℃になるまでオイルバスで加熱し、3時間乳化重合した時点で重合開始剤過硫酸アンモニウム4質量部を追加で添加し、さらに2時間乳化重合した以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA3)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=100nm、ガラス転移温度Tg=40℃であった。また、分散液中には、樹脂に対して5%のスチレンのオリゴマーが生成されていた。
内容物が80℃になるまでオイルバスで加熱した以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA4)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=100nm、ガラス転移温度Tg=40℃であった。また、分散液中には、樹脂に対して10%のスチレンのオリゴマーが生成されていた。
内容物が55℃になるまでオイルバスで加熱し、1時間乳化重合した時点でスチレンを100質量部追加で添加し、さらに1時間乳化重合した以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA5)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=200nm、ガラス転移温度Tg=60℃であった。また、分散液中には、樹脂に対して60%のスチレンのオリゴマーが生成されていた。
内容物が60℃になるまでオイルバスで加熱し、1時間乳化重合した以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA6)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=160nm、ガラス転移温度Tg=55℃であった。また、分散液中には、樹脂に対して35質量%のスチレンオリゴマーが生成されていた。
内容物が85℃になるまでオイルバスで加熱し、3時間乳化重合した時点で重合開始剤過硫酸アンモニウム4質量部を追加で添加し、さらに2時間乳化重合した以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA7)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=100nm、ガラス転移温度Tg=40℃であった。また、分散液中には、樹脂に対して2.5質量%のスチレンオリゴマーが生成されていた。
内容物が85℃になるまでオイルバスで加熱し、3時間乳化重合した時点で重合開始剤過硫酸アンモニウム5質量部を追加で添加し、さらに3時間乳化重合した以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA8)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=100nm、ガラス転移温度Tg=40℃であった。また、分散液中には、スチレンのオリゴマーが樹脂に対して1質量%以下で生成され、ポリマー化したポリスチレンが樹脂に対して99%以上生成されていた。
n−ブチルアクリレートの代わりにジメチルアミノエチルメタクリレートを80質量部添加した以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA9)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=150nm、ガラス転移温度Tg=50℃であった。また、分散液中には、炭素及び水素を全構成元素に対して80原子%含むスチレンのオリゴマーが形成されていた。
内容物が85℃になるまでオイルバスで加熱し、3時間乳化重合した以外は、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1)と同様にして、固形分30%スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA10)を得た。分散液中のスチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子は、体積平均粒径D50v=200nm、ガラス転移温度Tg=50℃であった。また、分散液中には、分子量分布の最大ピークが10000を示すスチレンオリゴマーが生成されていた。
(着色剤粒子分散液(1)の調製)
・シアン顔料: 10質量部
〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕
・アニオン性界面活性剤: 2質量部
〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕
・イオン交換水: 80質量部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20質量%の着色剤粒子分散液(1)を得た。
(離型剤粒子分散液(1))
・ポリエチレンワックス: 50質量部
〔商品名 ポリワックス725、東洋アドレ(株)製、第2吸熱ピーク温度=105℃〕
・アニオン性界面活性剤: 2質量部
〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕
・イオン交換水: 200質量部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20質量%の離型剤粒子分散液(1)を得た。
離型剤として、ポリエチレンワックス〔商品名 800PF、三井化学(株)製、最大第2吸熱ピーク温度=140℃〕を使用した以外は、離型剤粒子分散液(1)と同様にして、離型剤粒子分散液(2)を得た。
離型剤として、パラフィンワックス〔商品名 HNP9、日本精蝋(株)製、最大第2吸熱ピーク温度=90℃〕を使用した以外は、離型剤粒子分散液(1)と同様にして、離型剤粒子分散液(3)を得た。
離型剤として、エステルワックス〔商品名 WEP-5F、日本油脂(株)製、最大第2吸熱ピーク温度=90℃〕を使用した以外は、離型剤粒子分散液(1)と同様にして、離型剤粒子分散液(4)を得た。
(トナー(1)の作製)
・ポリエステル樹脂粒子分散液(PE1) : 150質量部
・スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(SA1): 78質量部
・着色剤粒子分散液(1): 42質量部
・離型剤粒子分散液(1): 20質量部
・イオン交換水: 400質量部
上記の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で各成分が十分に混合するように分散した。その後、分散液に10%硫酸アルミニウム水溶液7質量部を加え、ウォーターバスを用いてフラスコ内の内容物を攪拌した。分散されたことを確認し、スリーワンモーター(新東科学株式会社製BLh300)を用いて、攪拌回転数150rpmで攪拌した後、0.5℃/分の昇温速度で45℃まで加熱攪拌し、45℃で60分間保持した。その後、追加のポリエステル樹脂粒子分散液(PE1)100質量部を添加し、60分間攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が4.0μmの凝集粒子が生成していることが確認された。30%EDTA水溶液を7質量部添加したのちに、0.8M水酸化ナトリウム水溶液で、pHを7.5に調整した。その後、温度を上げて95℃において5時間放置し、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、体積平均粒径が5.1μmのトナー粒子(1)を得た。
表1に従って、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(表1中「StAc分散液」と表記)の種類及び量、並びに、離型剤粒子分散液(表1中「WAX分散液」と表記)の種類および量を変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー(2)〜(8)を得た。
スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液を使用せず、当該分散液に代えて、表1に示すスチレン系オリゴマーの欄に示す特性を持つスチレンオリゴマー12質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナー(C1)を得た。
表1に従って、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(表中「StAc分散液」と表記)の種類及び量、並びに、離型剤粒子分散液(表中「WAX分散液」と表記)の種類および量を変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー(C2)〜(C4)を得た。
スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液を使用せず、当該分散液に代えて、表1に示すスチレン系オリゴマーの欄に示す特性を持つスチレンモノマー2質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナー(C5)を得た。
表1に従って、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(表中「StAc分散液」と表記)の種類及び量、並びに、離型剤粒子分散液(表中「WAX分散液」と表記)の種類および量を変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー(9)を得た。
スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液を使用せず、当該分散液に代えて、表1に示すスチレン系オリゴマーの欄に示すエステルオリゴマー(エポキシエステル70PA、共栄化学工業(株)製)2質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナー(C6)を得た。
表1に従って、スチレンアクリル酸アルキル共重合体樹脂粒子分散液(表1中「StAc分散液」と表記)の種類及び量、並びに、離型剤粒子分散液(表1中「WAX分散液」と表記)の種類および量を変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー(9)〜(11)を得た。
上記で作製したトナー 8質量部と下記キャリア(A)92質量部をVブレンダーにいれ20分間撹拌した後、105μmメッシュで篩分し、現像剤(1)を作製した。
・フェライト粒子(体積平均粒径50μm) :100質量部
・トルエン :100質量部15質量部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分モル比:90/10) :2質量部
・カーボンブラック(R330、キャボット社製) :0.25質量部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラで撹拌させ、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダに入れ、60℃で25分撹拌した後、更に加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアAを作製した。このキャリア(A)は、形状係数=120、真比重=4.4、飽和磁化=63emu/g、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1000Ω・cmであった。
得られた現像剤を、富士ゼロックス(株)製「Docu Print P450 ps」の現像器に充填した。この装置は、図2〜図3に示す構造と同様の定着装置を備えている。そして、定着装置において、定着ロールとピンチローラとの距離が0.06mとなっている。
この装置により、A4サイズのコート紙(富士ゼロックスオフィシャルサプライ(株)製のJ COAT紙)に、用紙搬送方向と交差する幅方向全域にわたり、画像密度100%のべた画像を形成した。そして、べた画像を観察し、光沢ムラを以下の基準により評価した。
−評価基準−
2cm2×2cm2の範囲内でランダムに5点Glossを測定し、5点それぞれのGloss値の差を評価した。なお、Gloss測定条件は以下のとおりである。
Gloss測定装置:株式会社村上色彩技術研究所製 Gloss METER Model GM−26D For75、Angle:75°、校正板:Value 98.6
A(◎): Gloss値の差分がそれぞれ0以上1以内。
B(○): Gloss値の差分がそれぞれ1超え2以内。
C(△): Gloss値の差分がそれぞれ2超え3以内。
D(×): Gloss値の差分がそれぞれ4以上。
上記で作製したトナーの帯電性について、低温低室環境内(室温10度湿度20%)で外添トナーの帯電量を評価した。評価基準は、以下の通りである。
−評価基準−
A(◎): 40μC/g以上50μC/g以下。
B(○): 下限が35μC/g以上40μC/g以下、上限が50μC/g以上55μC/g以下。
C(△): 下限が30μC/g以上35μC/g以下、上限が55μC/g超え60μC/gμC/g未満。
D(×): 下限が30μC/g以下、上限が60μC/g超え。
・St Oligomer: スチレンオリゴマー
・St Monomer: スチレンモノマー
・Es Oligomer: エステルオリゴマー
・poly St: ポリスチレン
・PEW: ポリエステルワックス
・PAW: パラフィンワックス
・PEsW: エステルワックス
12 制御部
13 電源ユニット
14、15 給紙容器
16、17 給紙ローラ
18、19 分離ローラ
20 排紙部
21 投入口
24、25 位置合せローラ
26 搬送ベルト
27、29 回転ローラ
28Y、28M、28C、28K プロセスカートリッジ
30 感光体ドラム(像保持体の一例)
32 帯電ローラ(帯電手段の一例)
34 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
36 現像ローラ(現像手段の一例)
37 除電ブラシ(除電手段の一例)
38 クリーニングブレード(クリーニング手段の一例)
39 転写装置(転写手段の一例)
40 排紙口
48 搬送ローラ
62 加熱ローラ(定着部材の一例)
64 加圧ローラ(定着部材の一例)
200 定着装置(定着装置の一例)
206 搬送路部材(案内部材の一例)
210 排出ローラ
214 ピンチローラ(案内部材の一例)
220 剥離ガイド(案内部材の一例)
Claims (14)
- ポリエステル樹脂、及びスチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂を含む結着樹脂と、
炭化水素系離型剤を含む離型剤と、
スチレン骨格を有し、トナー粒子に対する含有量が1質量%以上6質量%以下であるオリゴマーと、
を含むトナー粒子を有する静電荷像現像用トナー。 - 前記スチレン(メタ)アクリル酸アルキル共重合体樹脂の含有量が、全結着樹脂に対して5質量%以上30質量%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記オリゴマーが、ゲル濾過クロマトグラムによる分子量分布の最大ピークを分子量200以上8000以下の範囲内に有する請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記炭化水素系離型剤が、1回目の昇温および降温と2回目の昇温とを経る示差走査熱量測定による吸熱ピークを有し、2回目の昇温で測定される最大吸熱ピークを80℃以上120℃以下の範囲内に有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記オリゴマーが、炭素及び水素を全構成元素に対して95原子%以上含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着部材、及び、前記トナー画像が定着された記録媒体を定着後のトナー画像の一部と接触して案内する案内部材を有する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記記録媒体が前記定着部材から前記案内部材に至るまでの距離が、1m以内である請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記案内部材が、ロール部材である請求項9又は請求項10に記載の画像形成装置。
- 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着部材により定着する定着工程であって、前記トナー画像が定着された記録媒体を、定着後のトナー画像の一部と接触して案内する案内部材により案内する定着工程と、
を有する画像形成方法。 - 前記記録媒体が前記定着部材から前記案内部材に至るまでの距離が、1m以内である請求項12に記載の画像形成方法。
- 前記案内部材が、ロール部材である請求項12又は請求項13に記載の画像形成方法。
Priority Applications (4)
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